JPH07252200A - イソホロンジイソシアネートの製造方法 - Google Patents
イソホロンジイソシアネートの製造方法Info
- Publication number
- JPH07252200A JPH07252200A JP4413994A JP4413994A JPH07252200A JP H07252200 A JPH07252200 A JP H07252200A JP 4413994 A JP4413994 A JP 4413994A JP 4413994 A JP4413994 A JP 4413994A JP H07252200 A JPH07252200 A JP H07252200A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- reaction
- phosgenation
- tank
- hydrochloride
- ipda
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 イソホロンジアミン(IPDA)を塩酸塩化
し、ホスゲン化することによるイソホロンジイソシアネ
ート(IPDI)の連続製造方法において、連続反応を
一旦開始して、反応槽にIPDA塩酸塩粒子の凝集がな
い状態となったら、塩酸塩化反応温度を下げて、連続反
応を行なう。 【効果】 IPDA塩酸塩の粒子が凝集せず、かつIP
DIの転化率が向上する。
し、ホスゲン化することによるイソホロンジイソシアネ
ート(IPDI)の連続製造方法において、連続反応を
一旦開始して、反応槽にIPDA塩酸塩粒子の凝集がな
い状態となったら、塩酸塩化反応温度を下げて、連続反
応を行なう。 【効果】 IPDA塩酸塩の粒子が凝集せず、かつIP
DIの転化率が向上する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイソホロンジアミンから
誘導されるイソホロンジアミン塩酸塩をホスゲン化し、
イソホロンジイソシアネートを製造する方法に関する。
誘導されるイソホロンジアミン塩酸塩をホスゲン化し、
イソホロンジイソシアネートを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】イソホロンジイソシアネート(1−イソ
シアネート−3−イソシアネートメチル−3、5、5−
トリメチルシクロヘキサン:以下、IPDIと略記す
る。)は、極めて反応性に富む物質で、ポリウレタンの
原料として広く工業的に使用されている。イソシアネー
トの製造方法としてホスゲンを利用する方法には、冷熱
二段法、カーバメート法、及び塩酸塩化法等が知られて
いる。IPDIもイソホロンジアミン(1−アミノ−3
−アミノメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキサ
ン:以下、IPDAと略記する。)にこれらの方法を適
用して製造することができる。
シアネート−3−イソシアネートメチル−3、5、5−
トリメチルシクロヘキサン:以下、IPDIと略記す
る。)は、極めて反応性に富む物質で、ポリウレタンの
原料として広く工業的に使用されている。イソシアネー
トの製造方法としてホスゲンを利用する方法には、冷熱
二段法、カーバメート法、及び塩酸塩化法等が知られて
いる。IPDIもイソホロンジアミン(1−アミノ−3
−アミノメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキサ
ン:以下、IPDAと略記する。)にこれらの方法を適
用して製造することができる。
【0003】冷熱二段法は、IPDA溶液とホスゲンを
低温で反応させ、次いで反応生成物に高温でホスゲンを
反応させてIPDIを生成させる方法である。カーバメ
ート法は、IPDA溶液と二酸化炭素を反応させて、カ
ルバニド酸塩の懸濁液とし、次いでこれにホスゲンを低
温で反応させ、更に反応生成物に高温でホスゲンを反応
させてIPDIを生成させる方法である。塩酸塩化法
は、IPDAと塩化水素を反応させてIPDA塩酸塩と
し、これに高温でホスゲンを反応させることによるIP
DIの製造方法である。
低温で反応させ、次いで反応生成物に高温でホスゲンを
反応させてIPDIを生成させる方法である。カーバメ
ート法は、IPDA溶液と二酸化炭素を反応させて、カ
ルバニド酸塩の懸濁液とし、次いでこれにホスゲンを低
温で反応させ、更に反応生成物に高温でホスゲンを反応
させてIPDIを生成させる方法である。塩酸塩化法
は、IPDAと塩化水素を反応させてIPDA塩酸塩と
し、これに高温でホスゲンを反応させることによるIP
DIの製造方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の塩酸塩化法によ
るIPDIの製造方法においては、ホスゲン化反応に際
し反応混合物中に懸濁しているIPDA塩酸塩粒子が凝
集を起こすという問題があった。凝集物は配管を閉塞し
たりホスゲン化反応槽の攪拌を阻害する。
るIPDIの製造方法においては、ホスゲン化反応に際
し反応混合物中に懸濁しているIPDA塩酸塩粒子が凝
集を起こすという問題があった。凝集物は配管を閉塞し
たりホスゲン化反応槽の攪拌を阻害する。
【0005】この問題を解決するには、ホスゲン化槽に
供給するIPDA塩酸塩濃度を1重量%以下にすればよ
いことが知られている。このようにIPDA塩酸塩の非
凝集限界濃度が低いために、塩酸塩化法によるIPDI
の製造を回分法によって行うことは工業上有利ではな
い。よって、連続法によるIPDIの製造方法も従来か
ら検討されてきた。例えば特開昭50−52048号公
報、同59−88451号公報等には、IPDIを連続
的に製造する方法が開示されている。しかしこれらの公
報には、ホスゲン化槽におけるIPDA塩酸塩粒子の凝
集物がIPDIの製造に支障を来さぬようにすることは
記されているが、凝集物の生成そのものを抑制すること
に関しては何らの開示もない。
供給するIPDA塩酸塩濃度を1重量%以下にすればよ
いことが知られている。このようにIPDA塩酸塩の非
凝集限界濃度が低いために、塩酸塩化法によるIPDI
の製造を回分法によって行うことは工業上有利ではな
い。よって、連続法によるIPDIの製造方法も従来か
ら検討されてきた。例えば特開昭50−52048号公
報、同59−88451号公報等には、IPDIを連続
的に製造する方法が開示されている。しかしこれらの公
報には、ホスゲン化槽におけるIPDA塩酸塩粒子の凝
集物がIPDIの製造に支障を来さぬようにすることは
記されているが、凝集物の生成そのものを抑制すること
に関しては何らの開示もない。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、連
続多段反応装置を用いてIPDAからIPDIを製造す
る際の凝集物の生成を抑制する方法を鋭意検討した結
果、IPDA塩酸塩の生成反応を高温で行ない、かつホ
スゲン化槽におけるIPDAと反応中間体であるモノイ
ソシアネート体との重量濃度の比を3〜100に制御す
ると凝集物の生成を抑制できることが判明した。しかも
驚くべきことに、一旦凝集物が生成しない状態で反応を
行なうと、引続いてホスゲン化反応を行なう限りはその
後にIPDA塩酸塩の生成反応温度を低下させても、凝
集物が生成しないことを見出した。IPDA塩酸塩の生
成反応温度を低下させると、装置材質に対する要求が緩
和され、且つホスゲン化反応速度が向上するので、工業
上有利となる。
続多段反応装置を用いてIPDAからIPDIを製造す
る際の凝集物の生成を抑制する方法を鋭意検討した結
果、IPDA塩酸塩の生成反応を高温で行ない、かつホ
スゲン化槽におけるIPDAと反応中間体であるモノイ
ソシアネート体との重量濃度の比を3〜100に制御す
ると凝集物の生成を抑制できることが判明した。しかも
驚くべきことに、一旦凝集物が生成しない状態で反応を
行なうと、引続いてホスゲン化反応を行なう限りはその
後にIPDA塩酸塩の生成反応温度を低下させても、凝
集物が生成しないことを見出した。IPDA塩酸塩の生
成反応温度を低下させると、装置材質に対する要求が緩
和され、且つホスゲン化反応速度が向上するので、工業
上有利となる。
【0007】本発明について詳細に説明すると、本発明
では塩酸塩生成槽とこれに続く少なくとも2個のホスゲ
ン化槽からなる連続多段反応装置を用いてIPDAから
IPDIが製造される。塩酸塩生成槽にはIPDA、塩
化水素及び不活性反応溶媒が連続的に供給され、生成し
たIPDA塩酸塩スラリーは連続的に抜出されて、後続
するホスゲン化槽に供給される。塩化水素はIPDAに
対し2〜10モル倍を塩化水素ガスとして用いるのが好
ましい。さらに多量の塩化水素を用いることも勿論可能
であるが、余剰の塩化水素ガスを回収する負担が増す。
反応溶媒としては従来からホスゲン化反応の溶媒として
用いられているものを用いることができ、例えばトルエ
ン、キシレン、テトラリン、デカリン、デカン、テトラ
デカン等の芳香族又は脂肪族炭化水素、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン等のハロゲン置換芳香族炭化水素
等が用いられる。なかでもデカリンが好ましい。反応溶
媒は、塩酸塩化槽に供給する反応溶媒とIPDAの合計
量中のIPDAの濃度がIPDIに換算して15〜45
重量%となる量で用いるのが好ましい。なお、本明細書
において、IPDI換算のIPDA濃度とは、次式によ
り算出される濃度を意味する。
では塩酸塩生成槽とこれに続く少なくとも2個のホスゲ
ン化槽からなる連続多段反応装置を用いてIPDAから
IPDIが製造される。塩酸塩生成槽にはIPDA、塩
化水素及び不活性反応溶媒が連続的に供給され、生成し
たIPDA塩酸塩スラリーは連続的に抜出されて、後続
するホスゲン化槽に供給される。塩化水素はIPDAに
対し2〜10モル倍を塩化水素ガスとして用いるのが好
ましい。さらに多量の塩化水素を用いることも勿論可能
であるが、余剰の塩化水素ガスを回収する負担が増す。
反応溶媒としては従来からホスゲン化反応の溶媒として
用いられているものを用いることができ、例えばトルエ
ン、キシレン、テトラリン、デカリン、デカン、テトラ
デカン等の芳香族又は脂肪族炭化水素、クロロベンゼ
ン、ジクロロベンゼン等のハロゲン置換芳香族炭化水素
等が用いられる。なかでもデカリンが好ましい。反応溶
媒は、塩酸塩化槽に供給する反応溶媒とIPDAの合計
量中のIPDAの濃度がIPDIに換算して15〜45
重量%となる量で用いるのが好ましい。なお、本明細書
において、IPDI換算のIPDA濃度とは、次式によ
り算出される濃度を意味する。
【0008】
【数1】 A :IPDA溶液又はIPDA塩酸塩スラリー100
重量部中のIPDAの重量部 M1 :IPDAの分子量 M2 :IPDIの分子量
重量部中のIPDAの重量部 M1 :IPDAの分子量 M2 :IPDIの分子量
【0009】IPDAの濃度が高いほど同一の装置での
生産量を増加させることができるが、濃度が高くなり過
ぎるとスラリーの粘度が上昇して、移送その他の取扱い
が困難となる。塩酸塩生成槽でのIPDAの滞留時間は
通常0.2〜4時間であるが、0.5〜3時間が好まし
い。
生産量を増加させることができるが、濃度が高くなり過
ぎるとスラリーの粘度が上昇して、移送その他の取扱い
が困難となる。塩酸塩生成槽でのIPDAの滞留時間は
通常0.2〜4時間であるが、0.5〜3時間が好まし
い。
【0010】本発明では反応開始時は塩酸塩生成槽の温
度を高くして反応を行なうことが必要である。通常は8
0〜120℃、特に80〜110℃で反応を行なうのが
好ましい。反応開始時から低温で生成させたIPDA塩
酸塩は、後続するホスゲン化に際し凝集を起し易い。逆
に高温に過ぎるとIPDA塩酸塩スラリーが不安定とな
って固液分離しやすくなる。
度を高くして反応を行なうことが必要である。通常は8
0〜120℃、特に80〜110℃で反応を行なうのが
好ましい。反応開始時から低温で生成させたIPDA塩
酸塩は、後続するホスゲン化に際し凝集を起し易い。逆
に高温に過ぎるとIPDA塩酸塩スラリーが不安定とな
って固液分離しやすくなる。
【0011】本発明ではIPDA塩酸塩スラリーのホス
ゲン化は、直列に配置された少なくとも2個のホスゲン
化槽を用いて行なわれる。ホスゲン化温度は通常、10
0〜170℃である。100℃よりも低温では反応速度
が低下するので好ましくない。逆に170℃よりも高温
では、生成したIPDIが高沸騰点物となり、選択率が
著るしく低下する。各ホスゲン化槽での滞留時間は通常
0.5〜8時間、好ましくは1〜4時間である。またホ
スゲン化槽全体での滞留時間は2〜10時間、好ましく
は3〜8時間である。
ゲン化は、直列に配置された少なくとも2個のホスゲン
化槽を用いて行なわれる。ホスゲン化温度は通常、10
0〜170℃である。100℃よりも低温では反応速度
が低下するので好ましくない。逆に170℃よりも高温
では、生成したIPDIが高沸騰点物となり、選択率が
著るしく低下する。各ホスゲン化槽での滞留時間は通常
0.5〜8時間、好ましくは1〜4時間である。またホ
スゲン化槽全体での滞留時間は2〜10時間、好ましく
は3〜8時間である。
【0012】ホスゲン化槽に供給されるIPDA塩酸塩
に対するホスゲンのモル比は、ホスゲン化槽の数、滞留
時間、反応温度等により異なるが、通常は化学量論量よ
りも過剰で且つ20モル倍以下である。20モル倍以上
のホスゲンを供給しても、余剰ホスゲンの回収負担が増
すだけで利点は少ない。通常は第1ホスゲン化槽に供給
するホスゲン量を4〜12モル倍として、第1ホスゲン
化槽でのIPDAのIPDIへの転化率を70%以上と
するのが好ましい。
に対するホスゲンのモル比は、ホスゲン化槽の数、滞留
時間、反応温度等により異なるが、通常は化学量論量よ
りも過剰で且つ20モル倍以下である。20モル倍以上
のホスゲンを供給しても、余剰ホスゲンの回収負担が増
すだけで利点は少ない。通常は第1ホスゲン化槽に供給
するホスゲン量を4〜12モル倍として、第1ホスゲン
化槽でのIPDAのIPDIへの転化率を70%以上と
するのが好ましい。
【0013】本発明においては、ホスゲン化反応開始時
には、前述の如く高温で生成させたIPDA塩酸塩スラ
リーを用いて、IPDA塩酸塩の凝集物が生成しないよ
うに反応条件を制御しながらホスゲン化を行なうことが
必要である。本発明者らの知見によれば、凝集物の生成
を回避するには、IPDA塩酸塩スラリーが供給される
第1ホスゲン化槽内の、IPDI換算のIPDA濃度
(重量%)とホスゲン化反応の中間生成物であるモノイ
ソシアネート体濃度(重量%)との比を3〜100とす
るのが好ましい。そのためには、前述の如く、塩酸塩生
成槽の温度を80℃以上に保ち、且つ塩酸塩生成槽に供
給する溶媒とIPDAの合計量に占めるIPDAのIP
DI換算濃度を15重量%以上とするのが好ましい。
には、前述の如く高温で生成させたIPDA塩酸塩スラ
リーを用いて、IPDA塩酸塩の凝集物が生成しないよ
うに反応条件を制御しながらホスゲン化を行なうことが
必要である。本発明者らの知見によれば、凝集物の生成
を回避するには、IPDA塩酸塩スラリーが供給される
第1ホスゲン化槽内の、IPDI換算のIPDA濃度
(重量%)とホスゲン化反応の中間生成物であるモノイ
ソシアネート体濃度(重量%)との比を3〜100とす
るのが好ましい。そのためには、前述の如く、塩酸塩生
成槽の温度を80℃以上に保ち、且つ塩酸塩生成槽に供
給する溶媒とIPDAの合計量に占めるIPDAのIP
DI換算濃度を15重量%以上とするのが好ましい。
【0014】本発明においてはホスゲン化槽において凝
集物が実質的に生成することなくホスゲン化反応が進行
することが確認されたならば、引続き塩酸塩生成槽の温
度を低下させて塩酸塩化及びホスゲン化反応を定常的に
進行させる。前述の如く塩酸塩生成槽の温度が低いと腐
蝕その他の装置の劣化を緩和させることができ、且つホ
スゲン化反応の反応速度が向上する。しかし、IPDA
のIPDA塩酸塩への反応は発熱反応なので、低温にす
るほど除熱費用が増大する。従って塩酸塩生成槽の温度
は50〜80℃に保持するのが好ましい。塩酸塩生成槽
の温度を低下させるのは、凝集物の生成なしにホスゲン
化反応が進行することが確認された後ならば何時でもよ
い。通常はできるだけ早く温度を低下させて、早く定常
状態にもっていくのが好ましい。なお、塩酸塩生成槽の
温度を低下させることを除けば、その他の反応条件は温
度低下の前後を通じて同一として差支えない。このよう
に、一旦、ホスゲン化槽で凝集物の生成が実質的に無い
状態を実現した後に塩酸塩生成槽の温度を低下させる
と、引続き凝集物の生成を抑制しながら反応を続行する
ことができる。
集物が実質的に生成することなくホスゲン化反応が進行
することが確認されたならば、引続き塩酸塩生成槽の温
度を低下させて塩酸塩化及びホスゲン化反応を定常的に
進行させる。前述の如く塩酸塩生成槽の温度が低いと腐
蝕その他の装置の劣化を緩和させることができ、且つホ
スゲン化反応の反応速度が向上する。しかし、IPDA
のIPDA塩酸塩への反応は発熱反応なので、低温にす
るほど除熱費用が増大する。従って塩酸塩生成槽の温度
は50〜80℃に保持するのが好ましい。塩酸塩生成槽
の温度を低下させるのは、凝集物の生成なしにホスゲン
化反応が進行することが確認された後ならば何時でもよ
い。通常はできるだけ早く温度を低下させて、早く定常
状態にもっていくのが好ましい。なお、塩酸塩生成槽の
温度を低下させることを除けば、その他の反応条件は温
度低下の前後を通じて同一として差支えない。このよう
に、一旦、ホスゲン化槽で凝集物の生成が実質的に無い
状態を実現した後に塩酸塩生成槽の温度を低下させる
と、引続き凝集物の生成を抑制しながら反応を続行する
ことができる。
【0015】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。
明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。
【0016】実施例1 塩酸塩生成槽(反応槽(I))、及びホスゲン化槽(反
応槽(II) 〜(IV))の各々の容量が600mlである
4槽連続反応装置(図−1)の各槽に、デカリン(デカ
ヒドロナフタレン)を570mlづつ入れ、反応槽
(I)を100℃、反応槽(II)を130℃、反応槽
(III )を140℃、反応槽(IV)を150℃に昇温し
た。
応槽(II) 〜(IV))の各々の容量が600mlである
4槽連続反応装置(図−1)の各槽に、デカリン(デカ
ヒドロナフタレン)を570mlづつ入れ、反応槽
(I)を100℃、反応槽(II)を130℃、反応槽
(III )を140℃、反応槽(IV)を150℃に昇温し
た。
【0017】次に反応槽(I)に塩化水素ガスを毎時5
2.9g(1.4モル/h)、反応槽(II)にホスゲン
を毎時172.3g(1.7モル/h)、反応槽(III
)に同じくホスゲンを毎時57.4g(0.6モル/
h)の供給速度で供給した。続いてIPDAのデカリン
溶液(IPDA49.4gをデカリンに溶解させて20
0gのデカリン溶液としたもの)を毎時200g(IP
DA0.29モル/h)の速度で反応槽(I)に供給
し、各反応槽の内容量を570mlに保ちつつ連続反応
を行なった。
2.9g(1.4モル/h)、反応槽(II)にホスゲン
を毎時172.3g(1.7モル/h)、反応槽(III
)に同じくホスゲンを毎時57.4g(0.6モル/
h)の供給速度で供給した。続いてIPDAのデカリン
溶液(IPDA49.4gをデカリンに溶解させて20
0gのデカリン溶液としたもの)を毎時200g(IP
DA0.29モル/h)の速度で反応槽(I)に供給
し、各反応槽の内容量を570mlに保ちつつ連続反応
を行なった。
【0018】各反応槽内の濃度がほぼ一定となるまで反
応を行なったが、ホスゲン化槽(反応槽(II)〜(I
V))での粒子の凝集は反応開始当初は観察されたが、
そののち次第に消えて、反応がほぼ定常状態となった時
点では凝集は見られず、懸濁液の分散性は良好であっ
た。ほぼ定常状態に達した時点での反応槽(II)〜(I
V)におけるIPDIへの転換率は、各々76%、9
7.3%、98%であった。結果を表−1に示す。
応を行なったが、ホスゲン化槽(反応槽(II)〜(I
V))での粒子の凝集は反応開始当初は観察されたが、
そののち次第に消えて、反応がほぼ定常状態となった時
点では凝集は見られず、懸濁液の分散性は良好であっ
た。ほぼ定常状態に達した時点での反応槽(II)〜(I
V)におけるIPDIへの転換率は、各々76%、9
7.3%、98%であった。結果を表−1に示す。
【0019】実施例2 実施例1にひきつづいて、反応槽(I)、(II)、(II
I )、及び(IV)の温度を各々78℃、130℃、14
0℃、140℃として、反応を続行した。ホスゲン化槽
において粒子の凝集は観察されなかった。結果を表−1
に示した。
I )、及び(IV)の温度を各々78℃、130℃、14
0℃、140℃として、反応を続行した。ホスゲン化槽
において粒子の凝集は観察されなかった。結果を表−1
に示した。
【0020】実施例3 実施例2にひきつづいて、反応槽(I)の温度を70℃
として、反応を続行した。ホスゲン化槽において粒子の
凝集は観察されなかった。結果を表−1に示した。
として、反応を続行した。ホスゲン化槽において粒子の
凝集は観察されなかった。結果を表−1に示した。
【0021】比較例1 各反応槽、及び各槽に入れるデカリンの量は実施例1と
同様に準備し、反応槽(I)、(II)、(III )、及び
(IV)の温度を、70℃、130℃、140℃、及び1
50℃とした。
同様に準備し、反応槽(I)、(II)、(III )、及び
(IV)の温度を、70℃、130℃、140℃、及び1
50℃とした。
【0022】次いで、反応槽(I)に塩化水素を毎時4
3.8g(1.2モル/h)、反応槽(II)及び(III
)にそれぞれホスゲンを毎時142.7g(1.4モ
ル/h)、及び47.6g(0.5モル/h)の速度で
供給した。続いて、IPDAのデカリン溶液(IPDA
40.9gをデカリンに溶解させて、200gのデカリ
ン溶液としたもの)を、毎時200g(IPDA:0.
24モル/h)の速度で反応槽(I)に供給し、各反応
槽の内容量を570mlに保ちつつ、連続反応を開始し
た。
3.8g(1.2モル/h)、反応槽(II)及び(III
)にそれぞれホスゲンを毎時142.7g(1.4モ
ル/h)、及び47.6g(0.5モル/h)の速度で
供給した。続いて、IPDAのデカリン溶液(IPDA
40.9gをデカリンに溶解させて、200gのデカリ
ン溶液としたもの)を、毎時200g(IPDA:0.
24モル/h)の速度で反応槽(I)に供給し、各反応
槽の内容量を570mlに保ちつつ、連続反応を開始し
た。
【0023】連続反応がほぼ定常状態となっても、ホス
ゲン化槽での粒子の凝集は消失しなかった。結果を表−
1に示した。(ただし、ホスゲン化槽では、粒子の凝集
が発生したため、IPDAの残存濃度が正確に測定でき
なかった。)尚、以上の実施例、及び比較例において、
ホスゲン化槽での転化率及び濃度比は、ガスクロマトグ
ラフィー法(GC法)により、又反応液受器(V)に留
出したデカリン溶液中のIPDIと不純物との組成比
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GP
C法)により求めた。分析条件は以下に示す通りであ
る。
ゲン化槽での粒子の凝集は消失しなかった。結果を表−
1に示した。(ただし、ホスゲン化槽では、粒子の凝集
が発生したため、IPDAの残存濃度が正確に測定でき
なかった。)尚、以上の実施例、及び比較例において、
ホスゲン化槽での転化率及び濃度比は、ガスクロマトグ
ラフィー法(GC法)により、又反応液受器(V)に留
出したデカリン溶液中のIPDIと不純物との組成比
は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GP
C法)により求めた。分析条件は以下に示す通りであ
る。
【0024】GC法 反応混合物をアルコールと混和して均一溶液とする。こ
れに内部標準物質(ナフタレン)を添加後、GC分析を
行なった。カラムは、MEGABOREDB−05を用
いた。これとは別に、IPDAのアルコール溶液と内部
標準物質を混合し、これをGC分析して検量線を求め
る。この検量線を基にして、濃度比を算出した。
れに内部標準物質(ナフタレン)を添加後、GC分析を
行なった。カラムは、MEGABOREDB−05を用
いた。これとは別に、IPDAのアルコール溶液と内部
標準物質を混合し、これをGC分析して検量線を求め
る。この検量線を基にして、濃度比を算出した。
【0025】GPC法 カラムとして、TSKgel 2000H×C(東ソー
(株)製)を、又、検出器としてRI検出器を用いて行
なった。
(株)製)を、又、検出器としてRI検出器を用いて行
なった。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】IPDAから誘導される塩酸塩をホスゲ
ン化することによってIPDIを連続的に製造する方法
に於いて、ホスゲン化槽で、粒子が凝集しない条件にて
一旦反応を開始した後、続いて塩酸塩化温度を下げる
と、ホスゲン化槽での凝集は発生せず、且つホスゲン化
反応速度及びIPDIの選択率は向上し、反応成績の面
で非常に有利である。更に、塩酸塩化温度を下げること
によって塩酸塩化反応槽の材質腐食等の劣化抑制にも繋
がる点に於いて設備上も有利であり、本法はIPDIの
工業的生産を行うにあたって極めて有用な方法である。
ン化することによってIPDIを連続的に製造する方法
に於いて、ホスゲン化槽で、粒子が凝集しない条件にて
一旦反応を開始した後、続いて塩酸塩化温度を下げる
と、ホスゲン化槽での凝集は発生せず、且つホスゲン化
反応速度及びIPDIの選択率は向上し、反応成績の面
で非常に有利である。更に、塩酸塩化温度を下げること
によって塩酸塩化反応槽の材質腐食等の劣化抑制にも繋
がる点に於いて設備上も有利であり、本法はIPDIの
工業的生産を行うにあたって極めて有用な方法である。
【図1】図1は本発明方法によるIPDIの連続製造法
で用いる反応装置の1例の概略図である。
で用いる反応装置の1例の概略図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 塩酸塩生成槽とこれに続く少なくとも2
個の直列に接続されたホスゲン化槽から成る連続多段反
応装置を用いてイソホロンジアミンからイソホロンジイ
ソシアネートを連続的に製造する方法において、塩酸塩
生成槽にイソホロンジアミン、塩化水素及び不活性溶媒
を供給して、高温条件下でイソホロンジアミン塩酸塩の
スラリーを生成させ、生成したスラリーとホスゲンをホ
スゲン化槽に供給して凝集物を生成させずにホスゲン化
物を生成させる状態を実現させたのち、塩酸塩生成槽の
温度を低下させて反応を続行することを特徴とする方
法。 - 【請求項2】 塩酸塩生成槽の温度を50〜80℃に低
下させて反応を続行することを特徴とする請求項1記載
の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4413994A JPH07252200A (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | イソホロンジイソシアネートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4413994A JPH07252200A (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | イソホロンジイソシアネートの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07252200A true JPH07252200A (ja) | 1995-10-03 |
Family
ID=12683312
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4413994A Pending JPH07252200A (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | イソホロンジイソシアネートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07252200A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US12151997B2 (en) | 2019-06-11 | 2024-11-26 | Covestro Intellectual Property Gmbh & Co. Kg | Method for preparing an amine hydrochloride suspension |
-
1994
- 1994-03-15 JP JP4413994A patent/JPH07252200A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US12151997B2 (en) | 2019-06-11 | 2024-11-26 | Covestro Intellectual Property Gmbh & Co. Kg | Method for preparing an amine hydrochloride suspension |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0384463B1 (en) | Preparation process of xylylene diisocyanate | |
JP5449082B2 (ja) | メチレンジアニリンおよびメチレンビス(フェニルイソシアナート)の製造方法 | |
US2908703A (en) | Preparation of aromatic isocyanates | |
JP6675497B2 (ja) | ペンタメチレンジイソシアネートの製造方法 | |
JPH10508859A (ja) | イソシアネートの製造方法 | |
JP2002502838A5 (ja) | ||
US4422976A (en) | Continuous preparation of organic isocyanates | |
JP2986888B2 (ja) | 脂肪族イソシアネートの製造方法 | |
US8455695B2 (en) | Process for the production of aliphatic isocyanates | |
JPH07252200A (ja) | イソホロンジイソシアネートの製造方法 | |
EP1558560B1 (en) | Process for the preparation of 2,6-dihalo-para-trifluoromethylaniline | |
JPH07258195A (ja) | イソホロンジイソシアネートの製造方法 | |
US4096165A (en) | Method of manufacturing aromatic isocyanates | |
JPH03220167A (ja) | 脂環式―脂肪族ジイソシアナートの製造方法 | |
JP2915784B2 (ja) | 脂肪族イソシアナートの精製方法 | |
JPWO2005058806A1 (ja) | クロロスルホニルイソシアナートの製造方法 | |
JP6507024B2 (ja) | 脂肪族ポリイソシアネートの製造方法 | |
JPH07233137A (ja) | 脂肪族ポリイソシアナートの製造方法 | |
JP2875871B2 (ja) | 芳香族イソシアナートの製造方法 | |
CN107998981B (zh) | 聚酯超分散剂及其制备,以及一种异氰酸酯的制备方法 | |
JPS6126987B2 (ja) | ||
CN113072512B (zh) | 一种聚异氰酸酯的制备方法 | |
JPS5835179B2 (ja) | 1−イソシアナト−3−(イソシアナトメチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンの連続的製法 | |
US3262960A (en) | Method of producing organic isocyanates | |
JPH0565265A (ja) | イソホロンジイソシアネートの製造方法 |