JP2915784B2 - 脂肪族イソシアナートの精製方法 - Google Patents
脂肪族イソシアナートの精製方法Info
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Description
精製方法に関し、さらに詳しくは、脂肪族イソシアナー
トに含まれる加水分解性塩素および着色原因物質を低減
しうるような脂肪族イソシアナートの精製方法に関す
る。
び/またはその塩酸塩もしくは炭酸塩をホスゲンと反応
させて脂肪族イソシアナートを得る方法は公知であり、
工業的に広く実施されている。この方法にて製造される
脂肪族イソシアナートには、加水分解性塩素を含有する
不純物、および加熱により着色する不純物(以下「着色
原因物質」という)が含まれている。これらの不純物は
通常の蒸留によっては充分除去することが困難であるた
め、ウレタンプレポリマー、ジイソシアナート三量体等
の誘導体を合成する際に問題となる。例えば加水分解性
塩素はポリウレタンの製造反応を著しく阻害し、また生
成するポリウレタンの性能を低下させる。一方、着色原
因物質は製品であるポリウレタンを着色させ、その商品
価値を著しく低下させる。
種の方法が提案されている。有機イソシアナート中の加
水分解性塩素の低減法としては、例えば、有機イソシア
ナートに金属、金属酸化物、有機酸塩あるいはアルカリ
金属炭酸塩を加えて加熱処理する方法(特公昭41−7
858号、特公昭42−17887号、特公昭42−1
9450号公報、特開昭53−119823号公報
等)、有機イソシアナートに蟻酸、ホルムアミド類等の
蟻酸誘導体を加えて加熱する方法(特公昭51−102
号公報)、有機イソシアナートを第I、II、III属の金
属水素化物で処理した後蒸留する方法(特公昭42−4
137号公報)、有機イソシアナートに燐酸または硫酸
を加えて蒸留する方法(特公昭45−21801号公
報)、有機イソシアナートと不活性ガスとの接触による
方法(特公昭46−29841号、特開昭48−768
39号公報)等が提案されている。
ウレタンの着色防止法としてはポリウレタンに各種酸化
防止剤を添加する方法(例えば特公昭44−3330
号、特公昭61−49300号公報等)、脱タール後熱
処理する方法(特開昭58−222061号公報)など
が提案されている。
性塩素を低減し、ポリウレタンの着色を防止する方法と
して、有機イソシアナートの精製に際し、有機イソシア
ナートに水酸化鉄を添加して蒸留する方法(特公昭42
−26767号公報)やエポキシ化合物で処理する方法
(米国特許第3793362号)等が提案されている。
方法には、イソシアナートの精製を行なった後に、使用
された添加物を分離回収しなければならないとの問題点
があり、またその他の方法には、脂肪族イソシアナート
に関しては、必ずしも十分な効果を上げることができな
いとの問題点があった。
温下に長時間曝すと、高分子化のような好ましくない反
応が起こり、イソシアナートの収率の低下を招くため
に、イソシアナートの蒸留はできだけ低温で、短時間に
行うことが必要であると一般的に考えられてきた。
よれば、驚くべきことに、脂肪族イソシアナートの不活
性溶媒溶液から長時間かけて溶媒を留去しても脂肪族イ
ソシアナートの収率の著しい低下は起こらず、特定の温
度で特定の時間にわたって、脂肪族イソシアナートを含
む不活性有機溶媒溶液中の特定量の不活性有機溶媒を留
去させれば、無色透明で、加水分解性塩素の含有量が著
しく低減された脂肪族イソシアナートを得ることができ
ること等を見い出して、本発明を完成するに至った。
問題点を解決しようとするものであって、脂肪族イソシ
アナートに含まれる加水分解性塩素および着色原因物質
を著しく低減しうるような脂肪族イソシアナートの精製
方法を提供することを目的としている。
1の精製方法は、脂肪族アミンまたはその塩酸塩を、脂
肪族アミン換算で3〜25重量%の量で含有する、脂肪
族アミンまたはその塩酸塩の不活性有機溶媒溶液(a)を
準備し、該溶液(a)中の脂肪族アミンまたはその塩酸塩
をホスゲンと反応させてなる、加水分解性塩素が含まれ
た粗脂肪族イソシアナートの不活性有機溶媒溶液(b)
を、200〜760mmHgの圧力条件下に、140〜
270℃の温度に加熱して、上記溶液(b)から、該溶液
(b)中の脂肪族イソシアナートの重量と同重量以上の量
の上記溶媒を2時間以上かけて留去させることを特徴と
している。
アミンまたはその塩酸塩を、脂肪族アミン換算で3〜2
5重量%の量で含有する、脂肪族アミンまたはその塩酸
塩の不活性有機溶媒溶液(a)を準備し、該溶液(a)中の脂
肪族アミンまたはその塩酸塩をホスゲンと反応させてな
る、加水分解性塩素が含まれた粗脂肪族イソシアナート
の不活性有機溶媒溶液(b)を、200〜760mmHg
の圧力条件下に、140〜270℃の温度に加熱して、
上記溶液(b)から、該溶液(b)中の脂肪族イソシアナート
の重量と同重量以上の量の上記溶媒を2時間以上かけて
留去させ、次いで、得られた脂肪族イソシアナート含有
物から脂肪族イソシアナートを蒸留して得ることが望ま
しい。
例えば不活性有機溶媒がo-ジクロロベンゼンである場
合、上記加水分解性塩素が含まれた粗脂肪族イソシアナ
ートの不活性有機溶媒溶液(b)を、150〜185℃の
温度で3〜6時間加熱し、該溶液中の不活性有機溶媒を
留去させることが望ましい。
の精製方法は、加水分解性塩素が含まれた粗脂肪族イソ
シアナートに、該イソシアナートの重量と同重量以上の
量の不活性有機溶媒を一度に、あるいは徐々に添加しな
がら、得られた加水分解性塩素が含まれた粗脂肪族イソ
シアナートの不活性有機溶媒溶液を、200〜760m
mHgの圧力条件下に、140〜270℃の温度で加熱
することにより、2時間以上にわたって上記不活性有機
溶媒溶液中の脂肪族イソシアナートの重量と同重量以上
の量の、上記不活性有機溶媒を徐々に留去させることを
特徴としている。
解性塩素が含まれた粗脂肪族イソシアナートに、該イソ
シアナートの重量と同重量以上の量の不活性有機溶媒を
一度に、あるいは徐々に添加しながら、 得られた加水
分解性塩素が含まれた粗脂肪族イソシアナートの不活性
有機溶媒溶液を、200〜760mmHgの圧力条件下
に、140〜270℃の温度で加熱することにより、2
時間以上にわたって上記不活性有機溶媒溶液中の脂肪族
イソシアナートの重量と同重量以上の量の、上記不活性
有機溶媒を徐々に留去させ、次いで、得られた脂肪族イ
ソシアナート含有物から脂肪族イソシアナートを蒸留し
て得ることが望ましい。
例えば不活性有機溶媒がo-ジクロロベンゼンである場
合、上記粗脂肪族イソシアナートの不活性有機溶媒溶液
を、150〜185℃の温度で加熱することにより、3
〜6時間かけて不活性有機溶媒を留去させることが好ま
しい。
ートの第1あるいは第2の精製方法によれば、脂肪族イ
ソシアナート中の加水分解性塩素および着色原因物質の
含有量を著しく低減できる。しかも、この精製方法は、
工業的に簡単に実施することができる。このようにして
得られた脂肪族イソシアナートを用いて、例えばウレタ
ン化反応を行なうと、着色していないポリウレタンが得
られる。
アナートの精製方法について具体的に説明する。脂肪族イソシアナートの第1の精製方法 [不活性有機溶媒溶液]本発明に係る脂肪族イソシアナ
ートの第1の精製方法では、加水分解性塩素が含まれた
粗脂肪族イソシアナートと不活性有機溶媒とからなる溶
液(不活性有機溶媒溶液)が用いられる。加水分解性塩
素が含まれた粗脂肪族イソシアナートと不活性有機溶媒
とからなるこの溶液は、例えば、脂肪族アミンまたはそ
の塩酸塩を不活性有機溶媒中でホスゲンと反応させるこ
とにより得られる。さらに詳説すれば、この不活性有機
溶媒溶液は、(i) 不活性有機溶媒中で、脂肪族アミンと
ホスゲンとをまず低温で反応させ、次いで高温下でさら
にホスゲンを供給する冷熱二段法、または(ii) 不活性
有機溶媒中で、脂肪族アミンをまず塩化水素ガスと反応
させて脂肪族アミンの塩酸塩とし、次いで加熱下にこの
脂肪族アミンの塩酸塩をホスゲンと反応させる塩酸塩
法、あるいは(iii) 不活性有機溶媒中で、脂肪族アミン
を二酸化炭素と反応させてカーバメートとし、これとホ
スゲンをまず低温で反応させ、次いで高温で反応させる
カーバメート法など、従来公知の何れの方法によっても
製造される。本発明においては、特に塩酸塩法(ii)が好
ましい。
と、脂肪族アミンの塩酸塩とホスゲンとの反応は、塩酸
塩の脂肪族イソシアナートへの転化率が99%以上にな
るまで行うことが望ましい。転化率が低いと、脂肪族イ
ソシアナートの収率が低くなるばかりでなく、加水分解
性塩素の除去が十分に行われなくなる。
によって異なるが、通常、80〜180℃である。上記
のような脂肪族アミンあるいはその塩酸塩と、ホスゲン
との反応終了後、得られた脂肪族イソシアナートの不活
性有機溶媒溶液を加熱して、溶存しているホスゲンおよ
びHClを追い出す。なお、この加熱の際、窒素ガスを
流通させてもよく、流通させなくともよいが、窒素ガス
を流通させることが好ましい。
との反応に伴って副生し、例えば下記式(1)に示す第
1級カルバモイルクロライド(1)、あるいは下記式
(2)に示す第2級カルバモイルクロライド(2)の形
で存在している。なお、式中、Rは、炭化水素基を示
す。
化水素基等の炭素原子に結合しており、NCO基に結合
されたこの炭素原子がベンゼン環等の芳香環の一部を構
成していないものを言う。従って、この脂肪族イソシア
ナートには、分子内にベンゼン環等の芳香環を有する化
合物であっても、NCO基が直接その芳香環に結合して
いないものも含まれる。
は、具体的には、例えば、n-アミルイソシアナート、
ヘキサメチレンジイソシアナート、3-イソシアナトメ
チル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアナ
ート(イソホロンジイソシアナート)、m−キシリレン
ジイソシアナート、リジンエチルエステルトリイソシア
ナート等が挙げられる。
びホスゲンのいずれとも非反応性あるいは難反応性の有
機溶媒を言い、このような不活性有機溶媒としては、具
体的には、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、
ジエチルベンゼン等のアルキル化芳香族炭化水素、モノ
クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳
香族炭化水素、デカヒドロナフタレン(デカリン)等の
脂環式炭化水素等の他、スルホラン、イソブチルn-ブチ
レート等が挙げられる。これらの不活性有機溶媒の内で
は、ハロゲン化芳香族炭化水素が好ましく用いられる。
この不活性有機溶媒は、不活性有機溶媒溶液を調製する
際に、通常、原料アミンが3〜25重量%の濃度になる
ような量で用いられる。換言すれば、イソホロンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミンと、o-ジ
クロロベンゼン等の不活性有機溶媒との合計100重量
%中に、不活性有機溶媒は、75〜97重量%の量とな
るような量で用いられる。 [脂肪族イソシアナートの精製]本発明に係る脂肪族イ
ソシアナートの第1の精製方法では、上記のようにして
得られた、加水分解性塩素が含まれた粗脂肪族イソシア
ナートと不活性有機溶媒とからなる溶液(不活性有機溶
媒溶液)を、精製すべき脂肪族イソシアナートの沸点よ
り低い温度である140〜270℃の温度で加熱して、
2時間以上かけて、好ましくは3〜6時間かけて上記不
活性有機溶媒を留去させる。この不活性有機溶媒溶液の
加熱は、添加される不活性有機溶媒の種類にもよるが、
通常、200〜760mmHg程度の圧力条件下で行なわれ
る。本発明においては、上記のような温度および圧力条
件下に不活性有機溶媒溶液を加熱し、o-ジクロロベンゼ
ン等の不活性有機溶媒を平均した留出速度で留出させる
ことが好ましい。
ンジイソシアナート(IPDI)またはヘキサメチレンジイソ
シアナート(HDI)であり、用いられる不活性有機溶媒がo
-ジクロロベンゼンである場合、不活性有機溶媒溶液
を、140〜270℃、好ましくは150〜185℃の
温度で加熱して、2時間以上かけて、好ましくは3〜6
時間かけて、通常、400〜600mmHg程度の圧力条件
下に不活性有機溶媒のo-ジクロロベンゼンを留去させれ
ばよい。
溶媒溶液を上記条件下に加熱して、該不活性有機溶媒溶
液から、該不活性溶媒溶液中の脂肪族イソシアナートの
重量と同重量以上、好ましくは5〜15重量倍の上記溶
媒を留去させれば、精製された脂肪族イソシアナートが
得られる。
に、不活性有機溶媒等が残存している場合には、次い
で、得られた脂肪族イソシアナート含有物(A)から不活
性有機溶媒等をさらに留去させれば、所望の脂肪族イソ
シアナートが得られる。この蒸留操作は、通常、2〜1
0mmHg程度の減圧条件下に、100〜200℃程度の温
度で、脂肪族イソシアナート含有物(A)から、まず、該
含有物中に残存する不活性有機溶媒および低沸点不純物
を留去し、次いで目的の脂肪族イソシアナートを留出さ
せることにより行なわれる。なお、上記の脂肪族イソシ
アナート含有物(A)中に、既に上記不活性有機溶媒等が
含まれていないときには、この蒸留操作は、省略しても
よい。
ートでは、純度が通常、99〜99.9重量%程度であ
り、JIS K 1556に準拠して測定された加水分解性塩素の
含有量が、通常20〜50ppm程度と著しく少なく、し
かも、その着色度は、ハーゼン数で10以下と優れてい
る。
は、加水分解性塩素が含まれた粗脂肪族イソシアナート
に、不活性有機溶媒を一度に、あるいは徐々に添加しな
がら、得られた加水分解性塩素が含まれた粗脂肪族イソ
シアナートの不活性有機溶媒溶液を140〜270℃の
温度で加熱することにより、2時間以上にわたって上記
不活性有機溶媒溶液中の脂肪族イソシアナートの重量と
同重量以上の量の不活性有機溶媒を徐々に留去させて、
脂肪族イソシアナートを得ている。
解性塩素を含む粗脂肪族イソシアナートに、該イソシア
ナートの重量と同重量以上、好ましくは3〜15重量倍
の上記不活性有機溶媒を一度に、好ましくは徐々に添加
しながら、得られる加水分解性塩素を含む粗脂肪族イソ
シアナートの不活性有機溶媒溶液を、精製すべき脂肪族
イソシアナートの沸点より低い温度である140〜27
0℃の温度に加熱し続けることにより、2時間以上、好
ましくは3〜6時間にわたって、上記不活性有機溶媒溶
液中の脂肪族イソシアナートの重量と同重量以上の量の
添加された不活性有機溶媒を徐々に留去させることが望
ましい。このような加水分解性塩素を含む粗脂肪族イソ
シアナートの加熱は、添加された不活性有機溶媒の種類
によるが、通常、200〜760mmHg程度の圧力条件下
で行なわれる。このように、本発明においては、上記の
ような温度および圧力条件下に不活性有機溶媒溶液を加
熱し、o-ジクロロベンゼン等の不活性有機溶媒を平均し
た留出速度で留出させることが好ましい。
粗脂肪族イソシアナートに、一度に、すなわち予め必要
量(全量)の不活性有機溶媒を加えておき、上記条件下
で、該不活性有機溶媒溶液中の不活性有機溶媒を留去さ
せてもよいが、粗脂肪族イソシアナートに不活性有機溶
媒を徐々に添加しつつ、同時に不活性有機溶媒の添加速
度と同じ速度で不活性有機溶媒溶液中の不活性有機溶媒
を留去させることが好ましい。
ンジイソシアナート(IPDI)であり、用いられる不活性有
機溶媒がo-ジクロロベンゼンである場合、加水分解性塩
素を含む粗脂肪族イソシアナートに、系内の温度を14
0〜270℃、好ましくは150〜185℃の温度に加
熱・保持しながら、2時間以上にわたって、好ましくは
3〜6時間にわたって徐々に不活性有機溶媒を添加する
とともに、得られる粗脂肪族イソシアナートの不活性有
機溶媒溶液中から上記温度および時間にわたって不活性
有機溶媒を徐々に留去させればよい。なお、このような
不活性有機溶媒の添加・留去操作は、通常、400〜6
00mmHg程度の圧力条件下に行なわれる。
イソシアナートへの不活性有機溶媒の添加・留去操作を
行なったのちに、得られた脂肪族イソシアナート含有物
(B)から脂肪族イソシアナートを蒸留して得る。この蒸
留操作は、通常、2〜10mmHg程度の減圧条件下に、1
00〜200℃程度の温度で、脂肪族イソシアナート含
有物(B)から、まず、該含有物中に残存する不活性有機
溶媒および低沸点不純物を留去させ、次いで目的の脂肪
族イソシアナートを留出させることにより行なわれる。
なお、上記の脂肪族イソシアナート含有物(B)中に、上
記不活性有機溶媒等が含まれていないときには、この蒸
留操作は、省略してもよい。
ートでは、加水分解性塩素の含有量が著しく少なく、し
かも、その着色度も低い。このような本発明に係る第2
の精製方法は、本発明に係る第1の精製方法により得ら
れた脂肪族イソシアナートに適用してもよい。また、加
水分解性塩素を多量に含み、着色した規格外の粗脂肪族
イソシアナートの精製にも適用できる。
中に含まれ、ポリウレタンの生成反応の阻害因子とな
り、生成したポリウレタンの品質低下をもたらす加水分
解性塩素の量を大幅に低減でき、しかも着色原因物質の
量も低減できる。従って、このようにして精製された脂
肪族イソシアナートを原料として用いると、反応性よく
ウレタン、イソシアヌレート、ウレア等の樹脂を合成す
ることができ、得られたこれらの樹脂製品の品質も向上
させることができる。
に説明するが、これは本発明の内容をより理解し易くす
るためのものであって、これらの実施例によって本発明
は何等制限されるものではない。
ンデンサを備え、内壁をガラスライニングされた300
リットルの反応器を用いて、trans/cis比=2
8/72のイソホロンジアミン6%(重量%。以下同
じ)と、o-ジクロロベンゼン94%とからなる混合液2
00リットルを150℃に保ち、該混合液に乾燥塩化水
素ガスを吹き込んで全てのアミンを塩酸塩に変えた。得
られたスラリーを同温度(150℃)に保ちながら、該
スラリーにホスゲンを33kg/時間の速度で吹き込ん
だ。ホスゲンの吹き込みを開始して4時間後、液は透明
になった。該透明液のガスクロマトグラフィーによる分
析を行なったところ、アミンの転化率は99.7%であ
った。該透明液に弱減圧下に窒素ガスを吹き込んで脱ガ
スを行い、イソホロンジイソシアナート(IPDI)含
有液230kg[IPDI含有量:18kg]を得た。このイ
ソホロンジイソシアナート(IPDI)含有液中の加水
分解性塩素の含有量をJIS K1556に記載の方法で測定し
たところ、423ppmであった。また、その液は、褐色
に強く着色していた。
レンジアミン6%と、o-ジクロロベンゼン94%とから
なる混合液200リットルを100℃に保ち、該混合液
に乾燥塩化水素ガスを吹き込んで全てのアミンを塩酸塩
に変えた。得られたスラリーを160℃に保ちながら、
該スラリーにホスゲンを28kg/時間の速度で吹き込ん
だ。ホスゲンの吹き込みを開始して8.5時間後、液は
透明になった。該透明液のガスクロマトグラフィーによ
る分析を行なったところ、アミンの転化率は99.5%
であった。該透明液に弱減圧下に窒素ガスを吹き込んで
脱ガスを行い、ヘキサメチレンジイソシアナート(HD
I)含有液240kg[HDI含有量:20kg]を得た。
このヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)含有液
中の加水分解性塩素の含有量を測定したところ、373
ppmであった。また、その液は、褐色に強く着色してい
た。
/cis比=28/72のイソホロンジアミン8.5%
(重量%。以下同じ)と、デカヒドロナフタレン(デカ
リン)91.5%とからなる混合液200リットルを1
50℃に保ち、該混合液に乾燥塩化水素ガスを吹き込ん
で全てのアミンを塩酸塩に変えた。得られたスラリーを
同温度(150℃)に保ちながら、該スラリーにホスゲ
ンを33kg/時間の速度で吹き込んだ。ホスゲンの吹き
込みを開始して5時間後、液は透明になった。該透明液
のガスクロマトグラフィーによる分析を行なったとこ
ろ、アミンの転化率は99.5%であった。該透明液に
弱減圧下に窒素ガスを吹き込んで脱ガスを行い、イソホ
ロンジイソシアナート(IPDI)含有液150kgを得
た。このイソホロンジイソシアナート(IPDI)含有
液中の加水分解性塩素の含有量を測定したところ、59
1ppmであった。また、その液は、褐色に強く着色して
いた。
された容量2リットルのフラスコをもち、蒸留塔として
直径35mm、段数5段のオルダーショウ型真空外套付き
蒸留塔を備えた蒸留装置に、参考例1で得られたIPD
I含有液2kgを仕込み、リボイラー内温度を175〜1
85℃に保ち、o-ジクロロベンゼンの1時間当たりの留
出量が350〜400gになるように、圧力を560〜
600mmHgに調節し、かつマントルヒーターにかける電
圧も調節しながら3時間かけて、IPDI含有液からo
−ジクロロベンゼンを1.1kg留出させた。
0.9kgに、上記蒸留装置とは別の小型蒸留装置を用
いて2mmHgの減圧下に蒸留操作(留出温度127℃)を
加え、純度99.9%で無色透明(着色度をハーゼン数
で表すと10以下。以下同じ。)のIPDI留出液10
1gを得た。このIPDI留出液中の加水分解性塩素の
含有量をJIS K1556に記載の方法で測定したところ、3
6ppmであった。
ジクロロベンゼンを2mmHgの減圧下に1時間かけて
1.1kg留出させた以外は実施例1と同様の操作を行
い、純度が99.9%で、ハーゼン数で表わした着色度
が15〜20のIPDI留出液(精製IPDI)99g
を得た。このIPDI留出液中の加水分解性塩素の含有
量は、133ppmであった。
で得られたヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)
含有液2kgを以下のようにして処理した。
に保ち、o-ジクロロベンゼンの1時間当たりの留出量が
250〜300gになるように、圧力を260〜290
mmHgに調節し、かつマントルヒーターにかける電圧も調
節しながら4時間かけて、HDI含有液からo-ジクロロ
ベンゼンを1.1kg留出させた。
上記蒸留装置とは別の蒸留装置を用いて2〜3mmHgの
減圧下に、蒸留操作を加え、純度が99.9%で無色透
明のHDI留出液を118g得た。このHDI留出液中
の加水分解性塩素の含有量は、31ppmであった。
5〜125℃に保ち、o-ジクロロベンゼンの1時間当た
りの留出量が250〜300gになるように、圧力を1
20〜140mmHgに調節し、かつマントルヒーターにか
ける電圧も調節しながら4時間かけて、HDI含有液か
らo-ジクロロベンゼンを1.1kg留出させた以外は、実
施例2と同様にした。
HDI留出液119gを得た。このHDI留出液中の加
水分解性塩素の含有量は、80ppmであった。
置のリボイラーに、加水分解性塩素120ppmを含みハ
ーゼン数で表した着色度が20の粗イソホロンジイソシ
アナート(粗IPDI):1000gを仕込み、400
〜430mmHgの圧力下、リボイラー温度を160℃に保
って、o-ジクロロベンゼンを1時間当たり250gの割
合で加えながら同時に同じ量のo-ジクロロベンゼンを留
出させた。
よび留出を止め、3mmHgの減圧下にIPDIの蒸留を
行なった(留出温度134℃)。初留82g中にはo-ジ
クロロベンゼンが含まれていたので別にし、次の留分7
51g中の加水分解性塩素を測定したところ、24ppm
であり、また着色度はハーゼン数で10以下であった。
粗イソホロンジイソシアナート(IPDI)1000g
を仕込み、3mmHgの減圧下にIPDIを蒸留した(留
出温度134℃)。初留85gを捨て、次の留分748
g中の加水分解性塩素を測定したところ、103ppmで
あり、また着色度はハーゼン数で10と15の間であっ
た。
を150〜160℃に保ち、o-ジクロロベンゼンの留去
時間を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様に
イソホロンジイソシアナート(IPDI)の精製を行っ
た。
得られたIPDI含有液1.35kg(該液中のIPDI
含有量:143g)を仕込み、リボイラー内温度を17
0〜175℃に保ち、デカリンの1時間当たりの留出量
が200〜250gになるように、圧力を400〜45
0mmHgに調節し、かつマントルヒーターにかける電圧も
調節しながら4時間かけて、IPDI含有液からデカリ
ンを930g留出させた。
00gに、上記蒸留装置とは別の小型蒸留装置を用いて
2mmHgの減圧下に蒸留操作(留出温度127℃)を加
え、純度99.9%で無色透明のIPDI留出液97g
を得た。このIPDI留出液中の加水分解性塩素の含有
量をJIS K1556に記載の方法で測定したところ、29ppm
であった。
ジクロロベンゼンの1時間当たりの留出量が約40gに
なるように、圧力を560〜570mmHgに調節し、かつ
マントルヒーターにかける電圧も調節しながら4時間か
けて、IPDI含有液からo−ジクロロベンゼンを17
0g留出させた以外は実施例1と同様の操作を行い、純
度が99.9%で、ハーゼン数で表わした着色度が10
〜20のIPDI留出液(精製IPDI)96gを得
た。このIPDI留出液中の加水分解性塩素の含有量
は、85ppmであった。
Claims (6)
- 【請求項1】脂肪族アミンまたはその塩酸塩を、脂肪族
アミン換算で3〜25重量%の量で含有する、脂肪族ア
ミンまたはその塩酸塩の不活性有機溶媒溶液(a)を準備
し、 該溶液(a)中の脂肪族アミンまたはその塩酸塩をホスゲ
ンと反応させてなる、加水分解性塩素が含まれた粗脂肪
族イソシアナートの不活性有機溶媒溶液(b)を、 200〜760mmHgの圧力条件下に、 140〜27
0℃の温度に加熱して、上記溶液(b)から、該溶液(b)中
の脂肪族イソシアナートの重量と同重量以上の量の上記
溶媒を2時間以上かけて留去させることを特徴とする脂
肪族イソシアナートの精製方法。 - 【請求項2】脂肪族アミンまたはその塩酸塩を、脂肪族
アミン換算で3〜25重量%の量で含有する、脂肪族ア
ミンまたはその塩酸塩の不活性有機溶媒溶液(a)を準備
し、 該溶液(a)中の脂肪族アミンまたはその塩酸塩をホスゲ
ンと反応させてなる、加水分解性塩素が含まれた粗脂肪
族イソシアナートの不活性有機溶媒溶液(b)を、 200〜760mmHgの圧力条件下に、 140〜27
0℃の温度に加熱して、上記溶液(b)から、該溶液(b)中
の脂肪族イソシアナートの重量と同重量以上の量の上記
溶媒を2時間以上かけて留去させ、次いで、 得られた脂肪族イソシアナート含有物から脂肪族イソシ
アナートを蒸留して得ることを特徴とする脂肪族イソシ
アナートの精製方法。 - 【請求項3】上記加水分解性塩素が含まれた粗脂肪族イ
ソシアナートの不活性有機溶媒溶液(b)を、150〜1
85℃の温度で、3〜6時間加熱することを特徴とする
請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】加水分解性塩素が含まれた粗脂肪族イソシ
アナートに、該イソシアナートの重量と同重量以上の量
の不活性有機溶媒を一度に、あるいは徐々に添加しなが
ら、 得られた加水分解性塩素が含まれた粗脂肪族イソシアナ
ートの不活性有機溶媒溶液を、200〜760mmHg
の圧力条件下に、140〜270℃の温度で加熱するこ
とにより、2時間以上にわたって上記不活性有機溶媒溶
液中の脂肪族イソシアナートの重量と同重量以上の量
の、上記不活性有機溶媒を徐々に留去させることを特徴
とする脂肪族イソシアナートの精製方法。 - 【請求項5】加水分解性塩素が含まれた粗脂肪族イソシ
アナートに、該イソシアナートの重量と同重量以上の量
の不活性有機溶媒を一度に、あるいは徐々に添加しなが
ら、 得られた加水分解性塩素が含まれた粗脂肪族イソシアナ
ートの不活性有機溶媒溶液を、200〜760mmHg
の圧力条件下に、140〜270℃の温度で加熱するこ
とにより、2時間以上にわたって上記不活性有機溶媒溶
液中の脂肪族イソシアナートの重量と同重量以上の量
の、上記不活性有機溶媒を徐々に留去させ、次いで、 得られた脂肪族イソシアナート含有物から脂肪族イソシ
アナートを蒸留して得ることを特徴とする脂肪族イソシ
アナートの精製方法。 - 【請求項6】上記粗脂肪族イソシアナートの不活性有機
溶媒溶液を、150〜185℃の温度で加熱することに
より、3〜6時間にわたって不活性有機溶媒を留去させ
ることを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7491594A JP2915784B2 (ja) | 1994-04-13 | 1994-04-13 | 脂肪族イソシアナートの精製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7491594A JP2915784B2 (ja) | 1994-04-13 | 1994-04-13 | 脂肪族イソシアナートの精製方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07278088A JPH07278088A (ja) | 1995-10-24 |
JP2915784B2 true JP2915784B2 (ja) | 1999-07-05 |
Family
ID=13561170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7491594A Expired - Lifetime JP2915784B2 (ja) | 1994-04-13 | 1994-04-13 | 脂肪族イソシアナートの精製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2915784B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE19914292A1 (de) | 1999-03-30 | 2000-10-05 | Bayer Ag | Verfahren zur Verringerung des Chlorgehaltes von organischen Isocyanaten |
DE19914291A1 (de) | 1999-03-30 | 2000-10-05 | Bayer Ag | Verfahren zur Absenkung des Chlorgehaltes von niedermolekularen Isocyanaten |
DE19922572A1 (de) | 1999-05-17 | 2000-11-23 | Bayer Ag | Verfahren zur Reinigung von organischen Isocyanaten, die so gereinigten organischen Isocyanate und ihre Verwendung |
US11358928B2 (en) | 2016-10-26 | 2022-06-14 | Mitsui Chemicals, Inc. | Method for producing pentamethylene diisocyanate |
US20230056109A1 (en) * | 2020-01-06 | 2023-02-23 | Showa Denko K.K. | (meth)acrylic acid ester compound having isocyanate group and method for producing same |
KR20230079440A (ko) * | 2020-12-01 | 2023-06-07 | 완후아 케미컬 그룹 코., 엘티디 | 폴리이소시아네이트 조성물, 이의 제조 방법 및 응용 |
-
1994
- 1994-04-13 JP JP7491594A patent/JP2915784B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07278088A (ja) | 1995-10-24 |
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