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JPH07240816A - イメージスキャナー - Google Patents

イメージスキャナー

Info

Publication number
JPH07240816A
JPH07240816A JP6029862A JP2986294A JPH07240816A JP H07240816 A JPH07240816 A JP H07240816A JP 6029862 A JP6029862 A JP 6029862A JP 2986294 A JP2986294 A JP 2986294A JP H07240816 A JPH07240816 A JP H07240816A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
light
semiconductor chip
photoelectric conversion
image scanner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6029862A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Okushiba
浩之 奥芝
Yoshinori Morita
啓徳 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP6029862A priority Critical patent/JPH07240816A/ja
Publication of JPH07240816A publication Critical patent/JPH07240816A/ja
Priority to US08/763,017 priority patent/US5902993A/en
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】高性能且つ高信頼性の読み取り装置を低コスト
に製造する。 【構成】高分子材料から成る筺体12に高分子材料から
成る単一のレンズ11を一体的に固定もしくは成形し、
この筺体12にLED15と、半導体チップ20とを設
けるとともに、この半導体チップ20の光電変換素子配
列面上に100μm以下の厚みの光透過性樹脂層28を
被覆した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はペン型バーコードスキャ
ナー、パソコン、ワープロ等に用いられ、高い読み取り
精度を達成したイメージスキャナーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】市場に出回っている原稿
読み取り装置は、原稿に光を照射し、その反射光を単一
のレンズでもってCCDのような受光素子に集光させる
という構成である。この種の読み取り装置には、レンズ
としてガラス製のものを採用しており、その曲率半径が
小さくなるに伴って、鏡面研磨等の加工性が厳しくな
り、高価になるという問題点があった。また、曲率半径
が小さいガラス製レンズであれば、温度特性がきわめて
劣化するという問題点もあった。
【0003】従って、この曲率半径が余りにも小さくな
らない程度に、その曲率半径が決定されており、実際に
は物体像面との距離間隔は50〜70cmである(倍率
M=約0.2)。このような設定に基づいて、反射鏡を
余分に取り付け、その反射鏡により光路を屈折させ、装
置自体を小型にしている。
【0004】また、曲率半径が小さいレンズを介してC
CDに集光させる方式であれば、その光学系を厳密に設
定する必要があり、厳密に設定しても、長時間使用する
と徐々にずれるので、微調整が必要になるという問題点
もあった。
【0005】更にまた、このCCDは非常に高精度であ
るために、pウエルやnウエルを何十も形成しなければ
ならず、そのために幾度も不純物やイオンの注入、表面
酸化、拡散等を行わなければならず、歩留り低下の原因
になっていた。しかも、このCCDのチップ上に比較的
大きな面積でもって周辺回路や処理回路を形成してお
り、そのチップの寸法を小さくするには限界があった。
【0006】以上のように、上記構成の原稿読み取り装
置は、画像を単一のガラス製レンズでもってCCDに集
光させる方式であるが、近年、この種の原稿読み取り装
置に代わる密着型の原稿読み取り装置が活発に開発され
ている。本発明者等は既に図10及び図11に示すよう
な長尺形状の密着型原稿読み取り装置を提案した。図1
0はその原稿読み取り装置の分解斜視図であり、図11
は図10のX−X線断面図である。
【0007】これらの図によれば、1は光源、2はレン
ズ、3はレンズ2を支持する筐体、4は半導体チップ、
5は半導体チップ4が載置される電気絶縁性基板であ
る。この光源1は発光ダイオードや蛍光灯等から成り、
原稿6の斜め下方に原稿6に対し平行となるように配置
し、そして、原稿6の下面に対し斜めに投光する。この
原稿6の下方には、複数個のレンズ2を直線状に配列
し、各レンズ2はアルミニウム等から成る筐体3に支持
する。各レンズ2は原稿6での反射光を幾つかのブロッ
クに分割するとともに、各ブロックの反射光をそれぞれ
個別に半導体チップ4(このチップ4上には多数の光電
変換素子4aが配列されている)に縮小照射させる。
【0008】かくして上記構成の原稿読み取り装置で
は、光源1が原稿6に投光し、その反射光を幾つかのブ
ロックに分割するとともに各ブロックの反射光をレンズ
2を介して半導体チップ4の光電変換素子4a上に照射
させ、その照射光を光電変換させることによって原稿6
の画像を読み取る。
【0009】しかしながら、上記提案の長尺形状原稿読
み取り装置では、複数個のレンズ2と複数個の半導体チ
ップ4を使用するために、各レンズ2と、その光学系に
対応する半導体チップ4とを誤差がないように正確に配
置設定しなければならないが、製造上の誤差により厳密
な設定ができない場合には、各々の読み取り系の継ぎ目
で読み取り画素がずれたり、あるいは原稿浮きによって
画素がだぶる、という問題点があった。
【0010】本発明者等は、上述した問題点を解決する
ために、高分子材料から成る筺体に高分子材料から成る
単一のレンズを超音波溶着により一体化させたり、ある
いは二色成形法により一体的に成形し、更にこの筺体に
光源と、多数の光電変換素子が直線状に配列された半導
体チップとを設け、その光源が原稿を光照射し、その反
射光をレンズを介して半導体チップに集光させるように
したイメージスキャナーを提案した(特願平5−324
178号、特願平6−25510号参照)。
【0011】上記構成のイメージスキャナーでは、図9
に示すように電気絶縁性基板19の上に多数の光電変換
素子が直線状に配列された半導体チップ20を設け、そ
れらの光電変換素子やワイヤボンディング等を保護する
ために、その半導体チップ20全体に樹脂を塗布するこ
とが行われる。
【0012】しかしながら、この塗布樹脂は凸状となる
ために、光が凸状樹脂を介して光電変換素子に入射する
と、凸レンズ効果や光散乱が生じて、精度の高い読み取
りが行われず、そのために高い測長精度が要求されるバ
ーコードリーダー等に適していないという問題点があ
る。
【0013】
【問題点を解決するための手段】本発明のイメージスキ
ャナーは、被検知体との対向面を有する高分子材料から
成る筺体に高分子材料から成る単一のレンズを一体的に
固定もしくは成形し、この筺体に光源と、多数の光電変
換素子が直線状に配列された半導体集積回路とを設ける
とともに、この半導体集積回路の光電変換素子配列面上
に100μm以下の厚みの光透過性樹脂層を被覆し、光
源が被検知体を光照射し、その反射光をレンズにより集
光させながら光透過性樹脂層を介して半導体集積回路の
光電変換素子に受光させるようにしたものである。
【0014】
【作用】上記構成のイメージスキャナーは、長尺形状の
装置ではないので、前述した継ぎ目がなく、製造誤差に
よって画素がずれたり、原稿浮きによって画素がだぶる
ことがない。また、CCD方式であれば、光学系を厳密
に設定しなければならず、また、それに伴い微調整を行
う工程が必要になるという問題点があったが、本発明の
イメージスキャナーでは、レンズと筺体とを高分子材料
で、両者を一体的に固定もしくは成形しているので、標
準偏差σが著しく小さくなり、これにより、半導体集積
回路とレンズと光源との位置関係が精確となり、この光
学系が非常に精度の高いものとなり、その結果、高精度
でもって量産ができ、しかも、この高精度寸法が長期間
にわたって安定しており、高品質且つ長期信頼性のイメ
ージスキャナーが提供できる。
【0015】しかも、上記構成のイメージスキャナーに
よれば、集光用のレンズが高分子材料から成るので、そ
の曲率半径を適宜任意に設定することができ、また、そ
の曲率半径を容易に小さくでき、これにより、物体像面
との距離間隔を短くでき、その結果、その製作費が低減
でき、また、温度特性がきわめて向上する。また、レン
ズの曲率半径が小さくできることで光路が短くなり、こ
れにより、装置が小型になり、従来のような反射鏡等の
付設機構も不要となる。
【0016】更に本発明においては、CCDに代えて多
数の光電変換素子が直線状に配列された半導体集積回路
を用いて、その受光部がフォトダイオードをFETやシ
フトレジスターで逐次読み出す構成であり、これによ
り、その半導体集積回路の形成には周辺回路がほとんど
なく、C−MOSプロセス(このプロセスも多くて3回
の注入拡散でよい)でよく、その結果、その半導体集積
回路が小型にできるので、その搭載基板の寸法が小さく
なり、イメージスキャナー自体の小型化が達成できる。
また、少ない工程のC−MOSプロセスであり、これに
伴って製造歩留りが向上する。
【0017】更にまた本発明においては、半導体集積回
路上に光電変換素子やワイヤボンディング等を保護する
ために、100μm以下の厚みの光透過性樹脂層を被覆
するとともに、その樹脂層の表面を平坦にしている。こ
れにより、この塗布樹脂層を介して光電変換素子に光入
射しても、その層自体に凸レンズ効果や光散乱が生じな
くなり、その結果、精度の高い読み取りが行われ、高い
測長精度が要求されるバーコードリーダー等に適する。
【0018】
【実施例】
(本発明のイメージスキャナーの搭載例)図4は本発明
のイメージスキャナーである原稿読み取り装置7を搭載
するワードプロセッサー8であり、プリンタ機構部9に
おいて、インクリボンカセットの代わりに原稿読み取り
装置7を装着し、ワードプロセッサー8の本体と電気的
に接続し、原稿を読み取る。実際には、この原稿読み取
り装置7は収納用のカセット10に装着し、このカセッ
ト10をM方向に移動しながら、そのワードプロセッサ
ー8に取り付けた原稿を読み取り、その情報をワードプ
ロセッサー8の本体へ送る。また、この原稿読み取り装
置7の寸法はカセット10に比べて小さくして、そのカ
セット10内に信号増幅用のICや駆動回路の一部、レ
ベル調整用トリマー等の電子回路基板を収納する。
【0019】(原稿読み取り装置7の構成例)上記原稿
読み取り装置7の具体的構成を図1〜図3により説明す
る。図1はこの装置7の斜視図であり、図2は図1に示
す切断面線Y−Yによる断面概略図であり、また、図3
は例えばアクリル系樹脂から成る透光性プラスチックの
レンズ11の外観図である。
【0020】これらの図において、12は例えばガラス
繊維強化ポリカーボネートや、ABS樹脂から成る黒色
プラスチック製の不透光性筐体であり、この筐体12に
光源搭載面13を形成し、この光源搭載面13にLED
搭載基板14を配置する。この基板14の上に4個のL
ED15を配列し、更にこれらLED15の上に例えば
ポリカーボネイトから成る透光性プラスチックの保護カ
バー16を設ける。この保護カバー16には、上記LE
D15の配列に沿って長手状の凸レンズ16aを形成し
ている。
【0021】また、この筐体12の内部に凹部17を形
成し、この凹部17の最奥にほぼ円形状の穴18を形成
する。この穴18に対向するように図3のレンズ11を
筐体12に固定する。このレンズ11の主要部はほぼ円
柱形状であり、その中央部は凸レンズ11aであり、そ
の凸レンズ11aの全周囲には円筒状の鍔部11bを形
成する。
【0022】更に上記凹部17の開口面には、電気絶縁
性基板19を設け、それを図示するビスでもって筐体1
2に固定する。この電気絶縁性基板19の上には半導体
チップ20を配置する。この半導体チップ20は上面に
多数の光電変換素子を有し、シリコン等からなる半導体
チップの上面に従来周知のフォトリソグラフィー技術や
イオンビーム加工法等によって製作する。
【0023】また、この電気絶縁性基板19は例えばガ
ラスエポキシ樹脂等から成り、その上面に銅等から成る
所定の導体パターン(図示せず)を有しており、その導
体パターンの一部に半導体チップ20の各電極をボンデ
ィングワイヤ等を介して電気的接続させる。更に電気絶
縁性基板19の裏面側にも導体パターンを形成し、しか
も、その裏面導体パターン上にチップレジスター、チッ
プコンデンサー等をリフローハンダにて電気的に接続さ
せる。21は駆動回路と接続するためのコネクターであ
る。また、この電気絶縁性基板19には上記LED15
の発光用電極パターンも形成し、22はこの電極パター
ンとLED15とを接続するためのリードである。
【0024】更にまた、この筐体12の一部には取り付
け穴23が形成されており、この取り付け穴23でもっ
て収納用カセット10に装着する。即ち、上記構成の原
稿読み取り装置7をワードプロセッサー8に装着するに
当たっては、ワードプロセッサー8の移動ステージ(原
稿読み取り装置7を具備したカセット10やインクリボ
ンを搭載する台)の上にある位置決め用ピンに対して、
原稿読み取り装置7の取り付け穴23を勘合させ、機械
的にクリップするだけでよい。そして、このように配設
するに際して、原稿読み取り装置7の配置方向は図1に
示すM方向である。
【0025】また、上記構成の原稿読み取り装置7にお
いては、図1に示すように原稿24をN方向に送る。こ
の原稿の送りともに、4個のLED15でもってライン
状に光照射を行い、この光を凸レンズ16aでもって集
光しながら、原稿24にもライン状に光照射する。その
反射光を穴18を介してレンズ11を通過させ、半導体
チップ20の多数の光電変換素子の配列に沿うように集
光させる。
【0026】かくして、ワードプロセッサー8に原稿読
み取り装置7を装着し、原稿24を挿入し、この原稿2
4の送り出しとともに、原稿読み取り装置7をM方向に
走査し、そして、LED15とレンズ11と半導体チッ
プ20による読み取り光学系により原稿の情報を電気信
号に変換し、その信号を更にワードプロセッサー8の本
体へ送る。尚、本実施例においては、原稿24は原稿読
み取り装置7と接触しない場合であるが、接触してもよ
い。
【0027】(半導体チップ20への樹脂の塗布)図5
は半導体チップ20が電気絶縁性基板19に固定された
状態を示す平面図であり、図6は半導体チップ20の断
面図である。図5に示す半導体チップ20によれば、フ
ォトダイオードやフォトトランジスタなどの64個の光
電変換素子P1〜P64から成る受光面25と、走査開
始信号が入力される端子SI、走査クロック信号が入力
される端子CLK、電源が接続される端子VDD、グラ
ンド端子GND、読取信号を出力する端子SIG、アナ
ログ回路用のグランド端子AGND、及び走査終了信号
を出力する端子SOを有し、これらの各端子は電気絶縁
性基板19に形成された配線パターン26に対してボン
ディングワイヤ27で電気的に接続する。
【0028】図6によれば、高さBが約0.4mmであ
る半導体チップ20及び電気絶縁性基板19の表面に
は、劣化防止や耐環境対策のために,シリコーン樹脂、
エポキシ樹脂、ポリエーテルアミドなどの光透過性樹脂
層28が約100μm以下の厚みTで形成している。
【0029】この樹脂層28をシリコーン樹脂により形
成する場合、それを7重量%の濃度になるように溶媒で
あるn−ヘプタンに溶解すると、粘度が1.3センチス
トークス(室温25℃)となり、次に溶解したシリコー
ン樹脂をディスペンサなどで半導体チップ20の上方か
ら1滴落下させて点滴塗布し、その後に加熱槽に投入
し、温度150℃で約1時間加熱して硬化させたとこ
ろ、硬度18(JIS−A)、絶縁破壊電圧20kV/
mmの光透過性樹脂層28を形成することができた。
【0030】この光透過性樹脂層28の膜厚を干渉膜厚
計で測定したところ、サンプル数n=16で平均膜厚x
=13.6μm、標準偏差σ=2.1μmという値が得
られ、その透過率は波長λ=550μmで92.7%と
なった。
【0031】次に本発明者等は表1に示すように光透過
性樹脂層28の厚みを幾通りにも変えて、その特性を測
定した。
【0032】
【表1】
【0033】光透過性樹脂層28は、その厚みに応じて
次のように作製した。上述と同様に、膜厚1μmまたは
5μmの光透過性樹脂層28を形成する場合には、シリ
コーン樹脂の濃度を3重量%にして、上記と同じ条件で
点滴塗布し,硬化させた。また、膜厚50μmまたは1
00μmの光透過性樹脂層28を形成するには、濃度7
重量%のシリコーン樹脂を多数回点滴塗布し、その後に
硬化させた。比較例である膜厚0.5mm、0.8m
m、1.0mmの樹脂層を形成するには、溶媒に希釈し
ない濃度100重量%のシリコーン樹脂を点滴塗布し,
硬化させた。
【0034】かくして膜厚の異なる光透過性樹脂層28
を、それぞれ半導体チップ20に形成したものについ
て、空間分解能を表すMTF(Modulation Transfer Fu
nction) と、感度ばらつきを表すPRNU(Photo Respo
nse Non-Uniformity) を測定し、更に信頼性試験を行っ
たところ、表1に示す通りの結果が得られた。
【0035】尚、MTFは図7に示すように、矩形波の
白黒の組が1mm当たり4組存在する4LP/mmの空
間周波数における振幅Vを、白地を読み取ったときの振
幅Wで除算して100倍した値、即ち、
【0036】
【数1】
【0037】という定義式を用いて算出した。このMT
Fの数値が大きいほど、解像度が良好であることを示
す。
【0038】また、PRNUは半導体チップ20の1個
内の感度ばらつきを示す値であり、VMAXを光学濃度
OD値が0.07のコート紙を読み取ったときの出力の
最大値とし、VMINを光学濃度が0.07のコート紙
を読み取ったときの出力の最小値とすると、
【0039】
【数2】
【0040】という定義式を用いて算出した値である。
このPRNUの数値が小さいほど、感度ばらつきが少な
いことを示す。
【0041】また、信頼性試験は温度85℃、湿度85
%の雰囲気に500時間通電状態で放置して加速劣化さ
せ、電極腐食などの異常発生の有無を調べた。
【0042】表1に示す結果から明らかな通り、膜厚1
00μm以下であれば、MTFの数値が大きく、解像度
が良好であり、更にPRNUの数値が小さくて感度ばら
つきが少なく、しかも、電極腐食などの異常発生がなか
った。これに対して、膜厚100μmより超えると、図
8に示すように半導体チップ20のエッジでは“タレ”
が生じて、樹脂自体が凸状になり、読取感度が低下し、
画像分解能の劣化を招き、更にその凸状のレンズ効果に
よって光の収束や発散が生じて、画像歪みや感度ばらつ
きを招いていた。
【0043】(原稿読み取り装置7の製造工程)レンズ
11と筺体12との一体的成形品は、例えば二色成形法
により作製する。或いはレンズ11を筺体12に一体的
に固定するには、例えば超音波溶着法を用いる(特願平
5−324178号、特願平6−25510号参照)。
【0044】このようなレンズ11と筺体12との一体
品に、LED15が予めリフローハンダ付けされたLE
D搭載基板14を両面テープでもって貼り付ける。その
後に保護カバー16を超音波溶着により固定する。
【0045】また、所定の導体パターンを有する電気絶
縁性基板19の上にダイマウント装置でもって半導体チ
ップ20を実装し、更にこの半導体チップ20をワイヤ
ボンディングにより電気的接続し、その後に光透過性樹
脂層28を塗布形成する。その他、各種電子部品チップ
を設ける。
【0046】然る後に、この電気絶縁性基板19を上記
筐体12に組立て、コネクター21やリード22を設
け、その後に光量調整を行う。
【0047】(原稿読み取り装置7の光学系)次に原稿
読み取り装置7の光学系を図8により詳述する。図8
は、LED15と凸レンズ16から成る光源29、原稿
24、レンズ11、半導体チップ20によって構成する
光学系であり、矢印の光路が示す通り、光源29が原稿
24に対してライン状に光照射し、原稿24の反射光を
レンズ11を介して半導体チップ20の光電変換素子配
列に沿うように更に集光させる。
【0048】また同図において、屈折率n、焦点距離f
のレンズ11に対して、d1は原稿24の反射面と、そ
の反射面と対向するレンズ11の最突出曲面部30との
間隔、d3は半導体チップ20と、そのチップ20と対
向するレンズ11の最突出曲面部31との間隔であり、
d2はレンズ11の厚み(最突出曲面部30と最突出曲
面部31との間隔)である。
【0049】本発明者等が繰り返し行った実験によれ
ば、このレンズ11の倍率Mを、0.3≦M≦1.5、
好適には0.3≦M≦0.4の範囲に設定することがで
き、また、物体像面間距離L(d1+d2+d3)を、
10≦L(mm)≦30、好適には10≦L(mm)≦
20にできた。
【0050】また、これらの設定範囲にする際に、この
レンズ11の屈折率nを、n≦1.6にすればよい。こ
の範囲に設定すると、非球面レンズを光学設計した際
に、歪曲収差を±0.2%以下に容易に設定することが
でき、また、スポットダイヤグラムにおいて異常像が解
消できた。
【0051】かくして、ガラスレンズでもってCCDに
集光させる従来の読み取り装置においては、そのレンズ
の倍率Mが0.2以下であり、その物体像面間距離L
が、50mm≦Lであるのに対して、本発明の原稿読み
取り装置7では、その倍率Mが顕著に大きくでき、ま
た、その物体像面間距離Lが顕著に小さくできた。
【0052】例えば、レンズ11の屈折率nが1.49
1、その焦点距離fが4.068、その明るさF0
2.0866であり、このレンズ11の最突出曲面部3
0の曲率が4.716mm、最突出曲面部31の曲率が
2.484mmであり、また、d1が12.4mm、d
2が4.06mm、d3が4.54mmである場合に
は、物体像面間距離Lが21mm、倍率Mが0.4にな
った。そして、このような光学系において、MTF(解
像度)の温度変化は、0℃〜40℃の温度範囲で、20
%以下となった。レンズ11の倍率Mについては、その
温度範囲で、1%以下となった。
【0053】本発明者等は、上記のような光学系の原稿
読み取り装置7を10個作製して、MTFを測定したと
ころ、その最大値は82.6%となり、最小値は67.
0%となった。然るに、ガラスレンズでもってCCDに
集光させる従来の読み取り装置においては、同様に10
個作製したところ、MTFの最大値は50%となり、そ
の最小値は25%となった。
【0054】この半導体チップ20上面の光電変換素子
の素子数については、1000以下、更に400以下で
あればよい。例えば、プリンターの印字幅は8mmが主
流であり、最大でも16mm幅であるが、紙送りの機構
を共有とする場合が多いので、この読み取り幅は8〜1
6mmとなる。そこで、8ドット/mm(200DP
I)の読み取り設定をした場合には、64画素〜128
画素、また、24ドット/mm(600DPI)の読み
取り設定をした場合には、192画素〜384画素が必
要となる。
【0055】また、本発明者等は、筐体12をその熱膨
張率ρが5.0×10-5 -1 以下である材料により形
成すると、d3の変動が大きくなることを見出した。即
ち、ρ<5.0×10-5 -1 であれば、d3の変動が
小さくなり、これに伴ってレンズ11の倍率Mに狂いが
生じ易くなること判明した。加えて、筐体12の内部に
応力歪みを発生させないためにもρ<5.0×10-5
-1 にするとよい。本実施例では、筐体12をガラスフ
ィラーが30%含有するポリカーボネート樹脂により作
成したことにより上記のような目的が優位に達成でき
た。
【0056】尚、本発明は、上記実施例の限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の
変更、改善等は何ら差し支えない。
【0057】
【発明の効果】以上の通り、本発明のイメージスキャナ
ーによれば、筺体に光源と、単一のレンズと、多数の光
電変換素子が直線状に配列された半導体集積回路とを設
けた光学系において、レンズと筺体とを高分子材料によ
り成すとともに、両者を一体的に固定もしくは成形した
構成であり、これにより、測長精度が大幅の向上し、し
かも、そのイメージスキャナーを高精度でもって量産が
でき、更にこの高精度寸法が長期間にわたって安定して
おり、従来のような長尺状原稿読み取り装置と対比して
も、製造誤差によって画素がずれたり、原稿浮きによっ
て画素がだぶることがなく、その結果、高性能且つ長期
信頼性のイメージスキャナーが提供できた。また、CC
D方式と比べても、本発明のイメージスキャナーは、光
学系を厳密に設定する必要がなく、また、長時間使用し
ても徐々にずれることがないので、微調整を行う工程が
必要なくなった。
【0058】また、本発明は、CCDに代えて多数の光
電変換素子が直線状に配列された半導体集積回路を用い
ており、これにより、その半導体集積回路が小型にで
き、これに伴って装置自体の小型化が達成できた。しか
も、少ない工程のC−MOSプロセスであり、これに伴
って製造歩留りが向上した。
【0059】本発明のイメージスキャナーにおいては、
透光性高分子材料から成るレンズを採用しており、これ
により、その曲率半径を適宜任意に設定することがで
き、その曲率半径を容易に小さくできるので、物体像面
との距離間隔を短くでき、その結果、その製作費が低減
でき、また、温度特性がきわめて向上した。しかも、光
学系の縮小に伴って、装置が小型になり、従来のような
反射鏡等の付設機構も不要となった。
【0060】更に本発明においては、製造歩留まりが大
幅に向上し、組立の工程数が減少するので、製造管理が
容易になり、これに伴って製造コストが低減できた。
【0061】また本発明においては、半導体集積回路の
光電変換素子配列面上に100μm以下の厚みの光透過
性樹脂層を被覆してその樹脂層の表面を平坦にしてお
り、この樹脂層を介して光電変換素子に光入射しても、
その層自体に凸レンズ効果や光散乱が生じなくなり、そ
の結果、精度の高い読み取りが行われ、高い測長精度が
要求されるバーコードリーダー等に適するようになっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のイメージスキャナーの斜視図である。
【図2】実施例のイメージスキャナーの断面図である。
【図3】実施例のレンズの斜視図である。
【図4】実施例のイメージスキャナーを搭載するワード
プロセッサーの斜視図である。
【図5】実施例における電気絶縁性基板上の半導体チッ
プの部分平面図である。
【図6】実施例における半導体チップの断面図である。
【図7】MTFの定義を示すグラフである。
【図8】実施例のイメージスキャナーの光学系を示す説
明図である。
【図9】比較例における半導体チップの断面図である。
【図10】従来の原稿読み取り装置の斜視図である。
【図11】図10の原稿読み取り装置のX−X線断面図
である。
【符号の説明】
7 原稿読み取り装置 11 レンズ 12 筐体 15 LED 19 電気絶縁性基板 20 半導体チップ 24 原稿 27 ボンディングワイヤ 28 光透過性樹脂層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検知体との対向面を有する高分子材料
    から成る筺体に高分子材料から成る単一のレンズを一体
    的に固定もしくは成形し、この筺体に光源と、多数の光
    電変換素子が直線状に配列された半導体集積回路とを設
    けるとともに、該半導体集積回路の光電変換素子配列面
    上に100μm以下の厚みの光透過性樹脂層を被覆し、
    上記光源が被検知体を光照射し、その反射光をレンズに
    より集光させながら光透過性樹脂層を介して半導体集積
    回路の光電変換素子に受光させるようにしたイメージス
    キャナー。
JP6029862A 1992-12-28 1994-02-28 イメージスキャナー Pending JPH07240816A (ja)

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JP6029862A JPH07240816A (ja) 1994-02-28 1994-02-28 イメージスキャナー
US08/763,017 US5902993A (en) 1992-12-28 1996-12-11 Image scanner for image inputting in computers, facsimiles word processor, and the like

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6512603B2 (en) 1997-10-29 2003-01-28 Canon Kabushiki Kaisha Image sensor
JP2009143241A (ja) * 2009-03-19 2009-07-02 Oki Data Corp 駆動装置、ledアレイ、ledヘッド、及びこれらを備えた画像形成装置

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US6512603B2 (en) 1997-10-29 2003-01-28 Canon Kabushiki Kaisha Image sensor
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