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JPH07235293A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

Info

Publication number
JPH07235293A
JPH07235293A JP6026745A JP2674594A JPH07235293A JP H07235293 A JPH07235293 A JP H07235293A JP 6026745 A JP6026745 A JP 6026745A JP 2674594 A JP2674594 A JP 2674594A JP H07235293 A JPH07235293 A JP H07235293A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
electrode active
lithium
secondary battery
positive electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6026745A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsutomu Miyasaka
力 宮坂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP6026745A priority Critical patent/JPH07235293A/ja
Priority to US08/326,365 priority patent/US5618640A/en
Priority to EP94116643A priority patent/EP0651450B1/en
Priority to DE69434684T priority patent/DE69434684T2/de
Priority to DE69415769T priority patent/DE69415769D1/de
Priority to EP97110039A priority patent/EP0814523B1/en
Priority to CA002134052A priority patent/CA2134052A1/en
Priority to EP97110038A priority patent/EP0814522B1/en
Priority to DE69434683T priority patent/DE69434683T2/de
Publication of JPH07235293A publication Critical patent/JPH07235293A/ja
Priority to US08/756,628 priority patent/US5780181A/en
Priority to US09/033,687 priority patent/US5965293A/en
Pending legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 放電作動電圧が高く、放電容量の大きい、良
好な充放電サイクル性能を有する安全性の高い非水電解
質リチウムイオン二次電池を提供する。 【構成】 正極活物質、負極活物質、リチウム塩を含む
非水電解質から成る非水二次電池において、該負極活物
質の少なくとも1種は、リチウムを挿入、放出する周期
律表IV−B、V−B族半金属またはIn,Zn,Mg
から選ばれる酸化物であり、該正極活物質がコバルトを
主体とし、周期率表IV−A族とIV−B族から選ばれ
る1種以上の金属を含む複合酸化物もしくは、スピネル
型構造をもつリチウム含有マンガン酸化物であることを
特徴とする非水電解質二次電池

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、充放電特性を改良し、
かつ安全性を高めた二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】安全性に優れ、3−4V級のさらに高い
電圧をもつ高容量型の二次電池を開発するためには、よ
り容量の大きくより低電位の負極活物質とより高電位の
正極活物質とを組み合わせる技術が要求される。
【0003】SnO2 やSn化合物をリチウム電池の活
物質として用いる例として、二次電池正極活物質のLi
1.03Co0.95Sn0.04O2 (EP86−106,30
1)、二次電池正極活物質のV2 O5 にSnO2 の添加
(特開平2−158,056)、二次電池負極活物質の
α−Fe2 O3 にSnO2 の添加(SnO2 の好ましい
添加範囲0.5〜10モル%)(特開昭62−219,
465)、一次電池正極活物質のSnO2 (電気化学お
よび工業物理化学 46巻 7号 407ページ197
8年)が知られている。また、エレクトロクロミズムの
分野では、SnO2 がLiイオンを可逆的に挿入できる
こと(ジャーナル オブ エレクトロケミカル ソサエ
ティー 140巻 5号 L81 1993年)、In
O2 に8モル%Snをドープしたフィルム(ITO)が
Liイオンを可逆的に挿入できること(ソリッド ステ
ート イオニクス 28−30巻 1733ページ 1
988年発行)が知られている。しかし、電池の実用範
囲とは異なり、Liイオンの挿入はかなり低い電流で作
動させることが一般的であり、前記文献の「ソリッド
ステート イオニクス」では、1μA〜30μA/cm
2 の実験例が示されている。
【0004】Sn以外のIV−B族およびV−B族の元
素をリチウム電池に利用した例としては、二次電池の正
極活物質のV2 O5 にGeO2 の添加(特開平2−15
8,056)、一次電池の正極活物質として、GeO、
GeO2 の使用(特開昭55−96,567)が知られ
ている。また、Pb酸化物をリチウム電池の活物質とし
て用いる例は、一次電池の正極活物質として、PbOx
の使用(x=1.4〜1.8)(英国特許 78−6,
271)、一次電池の正極活物質として、PbO、Pb
O2 ,Pb2 O3 、Pb3 O4 の使用(マテリアルズ
ケミストリーアンド フィジックス 25巻 2号 2
07ページ 1990年)が知られている。また、Sb
酸化物をリチウム電池の活物質として用いる例として、
一次電池の正極活物質として、Sb酸化物の使用(独国
特許 2,516,703)が知られている。さらに、
Bi酸化物をリチウム電池の活物質として用いる例は、
一次電池の正極活物質として、Bi2 O3 の使用(特開
昭52−12,425)、一次電池の正極活物質とし
て、BiとPbの複合酸化物(特開昭59−151,7
61)が知られている。 Snとその同族類の元素を用
いる以上の技術は、いずれも正極活物質への利用の例で
あり、低電位の負極活物質へこれらを用いる方法を示し
たものではない。
【0005】一方、高電位の正極活物質としては、Li
Mn2 O4 、γ- βMnO2 とLiMn2 O4 の複合酸
化物、LiCoO2 、LiCo0.5 Ni0.5 O2 、Li
NiO2 、V2 O5 、非晶質V2 O5 、V6 O13、Li
V3 O8 、VO2 (B)、Ti化合物のTiS2 、Mo
化合物のMoS2 、MoO3 、LiMo2 O4 などが知
られている。これらのなかで、とくにコバルトを含む複
合酸化物は電位が高い点で高電位型二次電池に有効であ
るが、負極と組み合わせて3−4V級の二次電池を作る
にはもう一段電位の改善と容量安定性の改善が要求され
る。たとえば、いずれも金属カルコゲナイドである正極
活物質と負極活物質との組合せとして、TiS2 とLi
TiS2 (米国特許第983,476)、化学的に合成
されたLi0.1 V2 O5 とLiMn1-s Mes O2
(0.1<s<1 Me=遷移金属 特開昭63−21
0,028)、同Li0.1 V2 O5 とLiCo1-s Fe
s O2 (s=0.05〜0.3 同63−211,56
4)、同Li0.1V2 O5 とLiCo1-s Nis O2
(s=0.5〜0.9 特開平1−294,364)、
V2 O5 とNb2 O5 とリチウム金属(特開平2−82
447)、V2 O5 やTiS2 と電気化学的に合成され
たLix Fe2 O3 (米国特許第4,464,447
ジャーナル オブ パワー ソーシズ 8巻 289頁
1982年)、正極活物質と負極活物質にLiNix
Co1-x O2 (0≦x<1 特開平1−120,765
明細書中では、実施例から正極活物質と負極活物質は
同一化合物と記載されている。)、LiCoO2 あるい
はLiMn2 O4 と酸化鉄、FeO、Fe2 O3 、Fe
3 O4 、酸化コバルト、CoO、Co2 O3 あるいはC
o3 O4 (特開平3−291,862)などが知られて
いる。しかしながら、これらのいずれの組合せも3V級
より低い放電電位を持ち、かつ容量の低い非水二次電池
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高い
放電電位、高容量、良好な充放電サイクル特性、かつ安
全性を高めた非水二次電池を得ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、正極活
物質、負極活物質、リチウム塩を含む非水電解質から成
る非水二次電池において、該負極活物質の少なくとも1
種は、リチウムを挿入、放出する周期律表IV−B、V
−B族半金属またはIn、Zn、Mgから選ばれた酸化
物であり、該正極活物質がコバルトを主体とし、周期率
表IV−A族とIV−B族から選ばれる1種以上の金属
を含む複合酸化物あるいはスピネル型構造を持つ化学量
論的もしくは非化学量論的組成からなるリチウム含有マ
ンガン酸化であることを特徴とする非水電解質二次電池
を用いることで達成することができた。
【0008】本発明で言う、周期律表IV−Bおよび/
またはV−B族半金属とは、Ge、Sn、Pb、Sb、
Biのことである。
【0009】本発明で言う負極活物質の前駆体につて説
明する。例えば、α−PbO構造SnOやルチル構造S
nO2 自身では二次電池の負極活物質としては作動しな
いが、それらにリチウムを挿入し続けると結晶構造が変
化して、二次電池の負極活物質として可逆的に作動でき
ることを発見した。すなわち、第1サイクルの充放電効
率は約80%や約60%と低い。従って、本発明では、
出発物質の例えば、α−PbO構造SnOやルチル構造
SnO2 のような化合物、すなわち、リチウムを挿入さ
せる前の化合物を「負極活物質の前駆体」と言うことに
する。本発明の負極活物質は、活物質前駆体である酸化
物にリチウムイオンを電気化学的に挿入(インタ−カレ
−ト)することにより得られる。その際、リチウムイオ
ンの挿入は、酸化物の基本構造を変化させるまで(たと
えばX線回折パタ−ンが変化するまで)、且つ、挿入後
のリチウムイオン含有酸化物の基本構造が充放電中に実
質的に変化しない状態になるまで(X線回折パタ−ンが
実質的に変化しなくなるまで)実施される。この基本構
造の変化は、ある結晶構造から異なった結晶構造への変
化、あるいは結晶構造から非晶質構造への変化を意味す
る。
【0010】本発明で言う負極活物質あるいはその前駆
体の具体例は、GeO、GeO2 、SnO、SnO2 、
PbO、PbO2 、Pb2 O3 、Pb3 O4 、Sb2 O
3 、Sb2 O4 、Sb2 O5 、Bi2 O3 、Bi2 O4
、Bi2 O5 またはそれらの酸化物の非量論的化合物
などである。それらのなかでも、SnO、SnO2 、G
eO、GeO2 が好ましく、特にSnO、SnO2 が好
ましい。α−PbO構造SnO、ルチル構造SnO2 、
GeO、ルチル構造GeO2 が好ましく、特にα−Pb
O構造SnO、ルチル構造SnO2 が好ましい。
【0011】本発明の負極活物質前駆体に各種化合物を
含ませることができる。例えば、遷移金属(周期律表の
第4、第5および第6周期の元素で第III−A族から
第II−B族に属する元素)や周期律表第IV−B族の
元素、アルカリ金属(周期律表のI−A、第II−Aの
元素)やP、Cl、Br、I、Fを含ませることができ
る。例えば、SnO2 では、電子伝導性をあげる各種化
合物(例えば、Sb、In、Nbの化合物)のドーパン
ト、また同族元素としてSiを含んでもよい。添加する
化合物の量は0〜20モル%が好ましい。
【0012】負極活物質の前駆体の合成法として、Sn
O2 では、Sn化合物、例えば、塩化第二錫、臭化第二
錫、硫酸第二錫、硝酸第二錫の水溶液と水酸化アルカ
リ、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、
水酸化アンモニウムとなどの水溶液を混合して水酸化第
二錫を沈殿させ、それを洗浄、分離する。その水酸化第
二錫をほぼ乾燥させてから、空気中、酸素が多いカ゛ ス
中あるいは、酸素が少ないカ゛ ス 中で250〜2000
℃にて、焼成する。または水酸化第二錫のまま焼成し、
その後洗浄することができる。一次粒子の平均サイズ
は、走査型電子顕微鏡による測定で0.01μm〜1μ
mが好ましい。とくに0.02μm〜0.2μmが好ま
しい。二次粒子の平均サイズでは、0.1〜60μmが
好ましい。同様に、SnOでは、塩化第一錫、臭化第一
錫、硫酸第一錫、硝酸第一錫の水溶液と水酸化アルカ
リ、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、
水酸化アンモニウムとなどの水溶液を混合し、煮沸す
る。また、蓚酸第一錫を酸素が少ないカ゛ ス 中で、25
0〜1000℃にて焼成する。その平均粒子サイズは
0.1〜60μmが好ましい。その他の酸化物は、Sn
O2 やSnOと同じく、よく知られた方法で合成するこ
とができる。その好ましい物性は前記のSnOと同じで
ある。
【0013】本発明で用いられる正極活物質の一つの好
ましい形態ははコバルトを主体とするリチウム含有金属
酸化物であり、周期率表IV−A族とIV−B族から選
ばれる1種以上の金属が結晶構造中に添加されたもので
ある。このような構造の化合物を活物質として用いるこ
とにより、上記金属が添加されないコバルト酸化物に対
してより高い容量と電圧が得られ、従って、上記の負極
活物質と組み合わせたときに本発明の目的である3−4
V級の(平均放電電圧3.5V以上の)そして高いエネ
ルギ−密度をもった二次電池が設計できる。
【0014】正極活物質の好ましい構造はLiCoxM
yOz(Mは周期率表IVA族とIVB族から選ばれる
1種以上の金属、0.9≦x≦1.0,0<y≦0.
1,1.9≦z≦2.1)で示される。ここでLiは充
電過程でカチオンとして放出され、大充電時には構造式
中の元素数は0.2近くまで減少する。Mとして好まし
い元素は、Ti,Zr,Ge,Snであるが、これらの
うち容量の充放電安定性(サイクル性能)を維持する能
力において、GeとZrが特に好ましい。充放電性能を
高める点で、特に好ましい構造式は、LiCoxMyO
z(Mは周期率表IVA族とIVB族から選ばれる1種
以上の金属、0.95≦x≦1.0,0<y≦0.0
5,1.9≦z≦2.1)で示される。
【0015】本発明で用いる正極活物質の好ましいもう
一つの形態としてはスピネル型マンガン含有酸化物が用
いられる。スピネル型酸化物は一般式A(B2 )O4 で
表される構造をもち、式中酸素アニオンは立方最密充填
形で配列しており、四面体および八面体の面と頂点の一
部を占めている。単位セルは8個の分子からなり、酸素
はFd3m空間の32eの位置を占めている。単位セル
は、8a,8b,48fの3つの結晶学的に等価でない
位置にある64個の八面体の格子間隙を占有する。この
スピネル中でBカチオンは16dの八面体の格子間隙の
部位に位置し(空の八面体部位は16c)、Aカチオン
は8aの四面体の格子間隙の部位に位置する。それぞれ
の8aの八面体は隣接する4個の空の16c八面体と面
を共有し、これによってAカチオンが拡散する通路(た
とえば、8a→16c→8a→16c)が提供される。
一方、8b四面体はBカチオンがつくる16d八面体と
面を共有し、これによってカチオンの占有がエネルギ−
的に不利となっている。48f四面体は16d,16c
の両方の八面体と面を共有している。カチオンAの分布
状態によって、A(B2 )O4 を正常スピネル、B
(A,B)O4 を逆スピネルと呼ぶ。これらの中間の状
態に当たる、Ax By (A1-x B1-y )O4 の構造もス
ピネルとして存在する。
【0016】正常スピネル構造を持つマンガン酸化物の
典型としては、正極活物質であるLiMn2 O4 が挙げ
られる。この構造中でMnカチオンの半分は3価、半分
は4価となっている。同じく活物質として知られるλ−
MnO2 は、米国特許4,246,253に示されるよ
うに、LiMn2 O4 の構造からリチウムが除かれた形
の欠陥のあるスピネル構造でありこの構造中ではMnカ
チオンはすべて4価である。本発明で用いるマンガン酸
化物正極活物質は、正常スピネル型、逆スピネル型のも
の、および欠陥のないスピネル構造もしくは欠陥のある
化学量論的でないスピネル構造のものを含む。
【0017】本発明の正極活物質に含まれるスピネル型
構造のリチウム含有マンガン酸化物の好ましい例は、一
般式Li1+x [Mn2-y ]O4 (0<x <1.7,0≦
y<0.7)で示される。この例としては、Li4 Mn
5 O12あるいはスピネル構造表示でLi[Li1/3 Mn
5/3 ]O4 が挙げられる。この他下記の化合物も上記一
般式の範囲に含まれる(構造式は一般式表示の整数倍も
しくは少数倍で示すものも含む)。 Li4 Mn4 O9 LiMnO2 あるいはLi2 Mn2 O4 Li2 MnO3 Li5 Mn4 O9 Li4 Mn5 O12 本発明の正極活物質が含むスピネル型構造のリチウム含
有マンガン酸化物の他の好ましい例は、一般式Li1-x
[Mn2-y ]O4 (0<x<1.0,0≦y<0.5)
で示される。この中でも好ましい構造は、一般式Li1-
x [Mn2-y ]O4 (0.20<x<1.0,0<y<
0.2)で示される。この例としては、たとえば特開平
4−240117に示される化学量論的でないスピネル
化合物であるLi2 Mn5 O11あるいはスピネル構造表
示でLi1-x [Mn2-x ]O4 (x=0.273,y=
0.182)が挙げられる。また、他の好ましい構造
は、一般式Li1-x [Mn2-y ]O4 (0<x≦0.2
0,0<y<0.4)で示される。この化合物例として
は、例えば、Li2 Mn4 O9 が挙げられる。この他下
記の化合物も上記の各種一般式Li1-x [Mn2-y ]O
4 の範囲に含まれる(構造式には一般式表示の整数倍も
しくは少数倍で示すものも含まれる)。 Li4 Mn16.5O35 Li2 Mn7.5 O16 Li0.7 MnO4
【0018】本発明の正極活物質であるマンガン酸化物
は、常法にしたがってリチウム塩とマンガン塩もしくは
マンガン酸化物を高温で固相で反応させることで得られ
る。原料に炭酸リチウムと二酸化マンガンを用いる場
合、焼成温度は350℃から900℃、好ましくは35
0℃から500℃であり、焼成時間は8時間から48時
間である。また、リチウム塩に低融点の硝酸リチウム
(融点261℃)を用いる場合は、焼成温度は300℃
から900℃であり、好ましくは300℃から500℃
である。マンガン酸化物としては、λ−MnO2 ,電解
的に調製されたMnO2 (EMD),化学的に調製され
たMnO2 (CMD)およびそれらの混合物を用いるこ
とができる。リチウム原料としては他に、リチウム・マ
ンガン複合酸化物(例えば、Li2 Mn4 O9 など)を
用いることができる。この場合はリチウム・マンガン複
合酸化物を二酸化マンガンなどのマンガン原料と混合し
て350℃〜500℃の範囲で焼成する。
【0019】本発明の正極活物質であるスピネル型マン
ガン酸化物はマンガン以外の金属ド−パントとして一種
以上の遷移金属元素、典型元素、希土類元素を含んで、
複合金属酸化物を形成して良い。特に好ましいド−パン
トはCo,Ni,Ti,V,Zr,Nb,Mo,W,F
e,などの遷移金属元素である。この他、本発明の正極
活物質には上記一般式において、LiがH、K、Na、
およびアンモニウムイオンなどのカチオンに一部もしく
は大部分(例えば95%以上)が置換された、特開平4
−270125等に記載されるようなホランド鉱型骨格
構造の酸化マンガン化合物も含まれるものとする。カチ
オンとして水素が置換されたホランド鉱型化合物は、例
えば上記一般式のリチウムマンガン複合酸化物を高温で
酸で脱リチウム処理する操作によって容易に得られる。
【0020】正極活物質は、リチウム化合物と遷移金属
化合物を混合、焼成する方法や溶液反応により合成する
ことができるが、特に、焼成法が好ましい。本発明で用
いられる焼成温度は、正極活物質原料として用いる化合
物の一部が分解、溶融する温度であればよく、例えば3
50〜1500℃が好ましく、特に600〜1000℃
が好ましい。本発明で用いられる焼成のガス雰囲気は、
特に限定しないが、正極活物質では空気中あるいは酸素
の割合が多いガス中(例えば、約30%以上)、負極活
物質では空気中あるいは酸素の割合が少ないガス(例え
ば、約10%以下)あるいは不活性ガス(窒素ガス、ア
ルゴンガス)中が好ましい。
【0021】本発明で用いる正極活物質の平均粒子サイ
ズは、0.1〜50μmが好ましく、とくに1〜9.5
μmが好ましい。所定の粒子サイズにするには、良く知
られた粉砕機や分級機が用いられる。例えば、乳鉢、ボ
ールミル、振動ボールミル、衛星ボールミル、遊星ボー
ルミル、旋回気流型ジェットミルや篩などが用いられ
る。活物質の形態は、平均粒径0.1ミクロン以上2.
5ミクロン以下の一次粒子が集合して成る平均粒径1ミ
クロン以上9.5ミクロン以下の一次粒子集合体からな
ることが好ましく、特に好ましくは、平均粒径0.1ミ
クロン以上2.5ミクロン以下の一次粒子が集合して成
る平均粒径3.5ミクロン以上9.5ミクロン以下の一
次粒子集合体からなることが好ましい。更に、上記一次
粒子集合体において全体積の80%以上が粒径1ミクロ
ン以上15ミクロン以下であることが好ましく、更に好
ましくは全体積の85%以上であり、更に好ましく全体
積の90%以上である。ここでいう平均粒径とは、最頻
度点を示すモード径のことであり、一次粒子においては
電子顕微鏡写真より目視で観察した値の平均値であり、
一次粒子集合体においての粒度分布測定装置により測定
された値である。正極活物質の好ましい比表面積は0.
1m2 /gより大きく5m2 /g以下であり、特に好ま
しくは0.1m2 /gより大きく3m2 /g以下であ
る。
【0022】本発明で用いる負極活物質は、その前駆体
にリチウムを化学的に挿入することにより得ることがで
きる。例えば、リチウム金属、リチウム合金やブチルリ
チウムなどと反応させる方法や電気化学的にリチウムを
挿入することが好ましい。本発明では、前駆体である酸
化物に電気化学的にリチウムを挿入することが特に好ま
しい。電気化学的にリチウムイオンを挿入する方法とし
て、正極活物質として目的の酸化物(本発明で言う負極
活物質前駆体のこと)、負極活物質として、リチウム金
属、リチウム塩を含む非水電解質からなる酸化還元系
(例えば開放系(電解)または密閉系(電池))を放電
することにより得ることができる。また、別の実施態様
例として、正極活物質としてリチウム含有遷移金属酸化
物、負極活物質として、負極活物質前駆体、リチウム塩
を含む非水電解質からなる酸化還元系(例えば開放系
(電解)または密閉系(電池))を充電することにより
得る方法が最も好ましい。
【0023】リチウムを電気化学的に挿入する場合、前
駆体の酸化物1g当たり0.04A〜1Aの電流を流す
ことが好ましい。これより低い電流でリチウムを挿入し
ようとすると、驚くべきことに、可逆性の低い化合物に
なっていることを見つけた。この電流は特に第1サイク
ルの初期、特に第1サイクルの必要容量のはじめから約
30%以内において、流すことが好ましい。例えば、L
i−Al(80ー20重量%)に対し約0.6V以下に
なるまでその電流以上を流し続けることが好ましい。そ
れ以降は高い電流でも低い電流でもかまわない。更に、
前駆体の酸化物1g当たり0.06A〜0.8Aの電流
を流すことが好ましい。
【0024】負極でのリチウムの挿入量は、特に限定さ
れないが、例えばLi−Al(80−20重量%)に対
し、0.05Vになるまで挿入することが好ましい。さ
らに、0.1Vまで挿入することが好ましく、特に、
0.15Vまで挿入することが好ましい。このときの、
リチウム挿入の当量は3〜10当量になっており、この
当量に合わせて本発明の正極活物質との使用量比率を決
める。この当量に基づいた使用量比率に、0.5〜2倍
の係数をかけて用いることが好ましい。リチウム供給源
が正極活物質以外では(例えば、リチウム金属や合金、
ブチルリチウムなど)負極活物質のリチウム放出当量に
合わせて正極活物質の使用量を決める。このときも、こ
の当量に基づいた使用量比率に、0.5〜2倍の係数を
かけて用いることが好ましい。
【0025】本発明の負極活物質を前駆体として用いた
場合、「リチウムを挿入してもそれぞれの金属(リチウ
ムとの合金)まで還元されていない」ことを発見した。
それは、(1)透過型電子顕微鏡観察による金属の析出
(とくに、デンドライトの析出)がないこと、(2)金
属を介したリチウム挿入/放出の電位が酸化物のそれと
異なっていること、また、(3)SnOでは、リチウム
挿入に対する放出の損失は約1当量であったので、金属
錫が発生する場合の2当量損失とは一致しないことなど
から、推論できる。酸化物の電位は、現在用いられてい
る焼成炭素質化合物のそれと類似しており、焼成炭素質
化合物と同じく、単なるイオン結合でもなく、また単な
る金属結合でもない状態になっているものと推測され
る。従って、本発明の負極活物質はリチウム合金とは基
本的に異なる。
【0026】本発明の負極酸化物(前駆体)は、結晶性
でも非結晶性でもよいが、結晶構造を持っている場合で
も、リチウムを挿入していくと結晶性が低下して、非晶
質性に変わっていく。従って、負極活物質として可逆的
に酸化還元している構造は非晶質性が高い化合物と推定
される。従って、本発明の酸化物(前駆体)は結晶構造
でも、非晶質構造でもまたそれらの混合した構造でもよ
い。
【0027】本発明に併せて用いることができる負極活
物質としては、リチウム金属、リチウム合金(Al、A
l−Mn(米国特許第 4,820,599)、Al−
Mg(特開昭57−98977)、Al−Sn(特開昭
63−6,742)、Al−In、Al−Cd(特開平
1−144,573)などやリチウムイオンまたはリチ
ウム金属を吸蔵・放出できる焼成炭素質化合物(例え
ば、特開昭58−209,864、同 61−214,
417、同 62−88,269、同 62−216,
170、同 63−13,282、同 63−24,5
55、同 63−121,247、同 63−121,
257、同 63−155,568、同63−276,
873、同 63−314,821、特開平1−20
4,361、同 1−221,859、同 1−27
4,360など)があげられる。上記リチウム金属やリ
チウム合金の併用目的は、リチウムを電池内で挿入させ
るためのものであり、電池反応として、リチウム金属な
どの溶解・析出反応を利用するものではない。
【0028】本発明の正極活物質や負極活物質は、以下
に記載されるリチウム化合物、遷移金属化合物の混合物
を焼成することにより合成することが好ましい。例え
ば、リチウム化合物としては、酸素化合物、酸素酸塩や
ハロゲン化物があげられる。遷移金属化合物としては、
1価〜6価の遷移金属酸化物、同遷移金属塩、同遷移金
属錯塩が用いられる。
【0029】活物質の合成で用いられる好ましいリチウ
ム化合物としては、水酸化リチウム、酸化リチウム、炭
酸リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、亜硫酸リチ
ウム、燐酸リチウム、四ほう酸リチウム、塩素酸リチウ
ム、過塩素酸リチウム、チオシアン酸リチウム、蟻酸リ
チウム、酢酸リチウム、蓚酸リチウム、クエン酸リチウ
ム、乳酸リチウム、酒石酸リチウム、ピルビン酸リチウ
ム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、四ほう素
酸リチウム、六弗化燐酸リチウム、弗化リチウム、塩化
リチウム、臭化リチウム、沃化リチウムがあげられる。
本発明で正極活物質の合成に用いられる好ましいマンガ
ン化合物としては、MnO2 、Mn2 O3 、水酸化マン
ガン、炭酸マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガンアン
モニウム、酢酸マンガン、蓚酸マンガン、クエン酸マン
ガンがあげられる。
【0030】また、好ましい遷移金属化合物としてはT
iO2 (ルチルまたはアナタ−ゼ型)、チタン酸リチウ
ム、アセチルアセトナトチタニル、四塩化チタン、四沃
化チタン、蓚酸チタニルアンモニウム、VOd (d=2
〜2.5 d=2.5の化合物は五酸化バナジウム)、
VOd のリチウム化合物、水酸化バナジウム、メタバナ
ジン酸アンモニウム、オルトバナジン酸アンモニウム、
ピロバナジン酸アンモニウム、オキソ硫酸バナジウム、
オキシ三塩化バナジウム、四塩化バナジウム、MnO2
、Mn2 O3 、水酸化マンガン、炭酸マンガン、硝酸
マンガン、硫酸マンガン、硫酸マンガンアンモニウム、
亜硫酸マンガン、燐酸マンガン、ほう酸マンガン、塩素
酸マンガン、過塩素酸マンガン、チオシアン酸マンガ
ン、蟻酸マンガン、酢酸マンガン、蓚酸マンガン、クエ
ン酸マンガン、乳酸マンガン、酒石酸マンガン、ステア
リン酸マンガン、弗化マンガン、塩化マンガン臭化マン
ガン、よう化マンガン、マンガンアセチルアセトナー
ト、酸化鉄(2、3価)、四三酸化鉄、水酸化鉄(2、
3価)、塩化鉄(2、3価)、臭化鉄(2、3価)、沃
化鉄(2、3価)、硫酸鉄(2、3価)、硫酸鉄アンモ
ニウム(2、3価)、硝酸鉄(2、3価)燐酸鉄(2、
3価)、過塩素酸鉄、塩素酸鉄、酢酸鉄(2、3価)、
クエン酸鉄(2、3価)、クエン酸鉄アンモニウム
(2、3価、蓚酸鉄(2、3価)、蓚酸鉄アンモニウム
(2、3価)、CoO、Co2 O3 Co3 O4 、LiC
oO2 、炭酸コバルト、塩基性炭酸コバルト、水酸化コ
バルト、硫酸コバルト、硝酸コバルト、亜硫酸コバル
ト、過塩素酸コバルト、チオシアン酸コバルト、蓚酸コ
バルト、酢酸コバルト、弗化コバルト、塩化コバルト、
臭化コバルト、沃化コバルト、ヘキサアンミンコバルト
錯塩(塩として、硫酸、硝酸、過塩素酸、チオシアン
酸、蓚酸、酢酸、弗素、塩素、臭素、沃素、)酸化ニッ
ケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、塩基性炭酸ニッ
ケル、硫酸ニッケル硝酸ニッケル、弗化ニッケル、塩化
ニッケル、臭化ニッケル、沃化ニッケル、蟻酸ニッケ
ル、酢酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトナート、オ
キシ塩化ニオブ、五塩化ニオブ、五沃化ニオブ、一酸化
ニオブ、二酸化ニオブ、三酸化ニオブ、五酸化ニオブ、
蓚酸ニオブ、ニオブメトキシド、ニオブエトキシド、ニ
オブプロポキシド、ニオブブトキシド、ニオブ酸リチウ
ム、MoO3 、MoO2 、LiMo2 O4 、五塩化モリ
ブデン、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸リチ
ウム、モリブド燐酸アンモニウム、酸化モリブデンアセ
チルアセトナートがあげられる。
【0031】電極合剤には、導電剤や結着剤やフィラー
などを添加することができる。導電剤は、構成された電
池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であ
れば何でもよい。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒
鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カ−ボンブラック、ア
セチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金
属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−1
48,554)など)粉、金属繊維あるいはポリフェニ
レン誘導体(特開昭59−20,971)などの導電性
材料を1種またはこれらの混合物として含ませることが
できる。黒鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ま
しい。その添加量は、特に限定されないが、1〜50重
量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。カー
ボンや黒鉛では、2〜15重量%が特に好ましい。ま
た、SnO2 にSbをドープさせたように、活物質の前
駆体に電子導電性を持たせた場合には、上記導電剤を減
らすことができる。例えば、0〜10重量%の添加が好
ましい。
【0032】結着剤には、通常、でんぷん、ポリビニル
アルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセル
ロース、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、
テトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエ
ンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ス
チレンブタジエンゴム、ポリブタジエン、フッ素ゴム、
ポリエチレンオキシドなどの多糖類、熱可塑性樹脂、ゴ
ム弾性を有するポリマーなどが1種またはこれらの混合
物として用いられる。また、多糖類のようにリチウムと
反応するような官能基を含む化合物を用いるときは、例
えば、イソシアネート基のような化合物を添加してその
官能基を失活させることが好ましい。その結着剤の添加
量は、特に限定されないが、1〜50重量%が好まし
く、特に2〜30重量%が好ましい。フィラーは、構成
された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料
であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピ
レン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラ
ス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は
特に限定されないが、0〜30重量%が好ましい。
【0033】電解質としては、有機溶媒として、プロピ
レンカ−ボネ−ト、エチレンカ−ボネ−ト、ブチレンカ
ーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネ
ート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタ
ン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、
ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、
アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチ
ル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、リン酸
トリエステル(特開昭60−23,973)、トリメト
キシメタン(特開昭61−4,170)、ジオキソラン
誘導体(特開昭62−15,771、同62−22,3
72、同62−108,474)、スルホラン(特開昭
62−31,959)、3−メチル−2−オキサゾリジ
ノン(特開昭62−44,961)、プロピレンカ−ボ
ネ−ト誘導体(特開昭62−290,069、同62−
290,71)、テトラヒドロフラン誘導体(特開昭6
3−32,872)、ジエチルエ−テル(特開昭63−
62,166)、1,3−プロパンサルトン(特開昭6
3−102,173)などの非プロトン性有機溶媒の少
なくとも1種以上を混合した溶媒とその溶媒に溶けるリ
チウム塩、例えば、LiClO4 、LiBF6、LiP
F6 、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、LiAs
F6 、LiSbF6 、LiB10Cl10(特開昭57−7
4,974)、低級脂肪族カルボン酸リチウム(特開昭
60−41,773)、LiAlCl4 、LiCl、L
iBr、LiI(特開昭60−247,265)、クロ
ロボランリチウム(特開昭61−165,957)、四
フェニルホウ酸リチウム(特開昭61−214,37
6)などの1種以上の塩から構成されている。なかで
も、プロピレンカ−ボネ−トあるいはエチレンカボート
と1,2−ジメトキシエタンおよび/あるいはジエチル
カーボネートの混合液にLiCF3 SO3 、LiClO
4 、LiBF4 および/あるいはLiPF6 を含む電解
質が好ましい。特に、少なくともエチレンカーボネート
とLiPF6 を含むことが好ましい。
【0034】また、電解液の他に次の様な固体電解質も
用いることができる。固体電解質としては、無機固体電
解質と有機固体電解質に分けられる。無機固体電解質に
は、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく
知られている。なかでも、Li3 N、LiI、Li5 N
I2 、Li3 N−LiI−LiOH、LiSiO4 、L
iSiO4 −LiI−LiOH(特開昭49−81,8
99)、xLi3 PO4 −(1−x)Li4 SiO4
(特開昭59−60,866)、Li2 SiS3(特開
昭60−501,731)、硫化リン化合物(特開昭6
2−82,665)などが有効である。有機固体電解質
では、ポリエチレンオキサイド誘導体か該誘導体を含む
ポリマ−(特開昭63−135,447)、ポリプロピ
レンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマ−、イオ
ン解離基を含むポリマ−(特開昭62−254,30
2、同62−254,303、同63−193,95
4)、イオン解離基を含むポリマ−と上記非プロトン性
電解液の混合物(米国特許第4,792,504、同
4,30,939、特開昭62−22,375、同62
−22,376、同63−22,375、同63−2
2,776、特開平1−95,117)、リン酸エステ
ルポリマ−(特開昭61−256,573)が有効であ
る。 さらに、ポリアクリロニトリルを電解液に添加す
る方法もある(特開昭62−278,774)。また、
無機と有機固体電解質を併用する方法(特開昭60−
1,768)も知られている。
【0035】セパレ−タ−としては、大きなイオン透過
度を持ち、所定の機械的強度を持ち絶縁性の薄膜が用い
られる。耐有機溶剤性と疎水性からポリプレピレンなど
のオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維あるいはポ
リエチレンなどからつくられたシートや不織布が用いら
れる。セパレーターの孔径は、一般に電池用として用い
られる範囲が用いられる。例えば、0.01〜10μm
が用いられる。セパレターの厚みは、一般に電池用の範
囲で用いられる。例えば、5〜300μmが用いられ
る。
【0036】また、放電や充放電特性を改良する目的
で、以下で示す化合物を電解質に添加することが知られ
ている。例えば、ピリジン(特開昭49−108,52
5)、トリエチルフォスファイト(特開昭47−4,3
76)、トリエタノ−ルアミン(特開昭52−72,4
25)、環状エ−テル(特開昭57−152,68
4)、エチレンジアミン(特開昭58−87,77
7)、n−グライム(特開昭58−87,778)、ヘ
キサリン酸トリアミド(特開昭58−87,779)、
ニトロベンゼン誘導体(特開昭58−214,28
1)、硫黄(特開昭59−8,280)、キノンイミン
染料(特開昭59−68,184)、N−置換オキサゾ
リジノンとN,N’−置換イミダゾリジノン(特開昭5
9−154,778)、エチレングリコ−ルジアルキル
エ−テル(特開昭59−205,167)、四級アンモ
ニウム塩(特開昭60−30,065)、ポリエチレン
グリコ−ル(特開昭60−41,773)、ピロ−ル
(特開昭60−79,677)、2−メトキシエタノ−
ル(特開昭60−89,075)、AlCl3 (特開昭
61−88,466)、導電性ポリマ−電極活物質のモ
ノマ−(特開昭61−161,673)、トリエチレン
ホスホルアミド(特開昭61−208,758)、トリ
アルキルホスフィン(特開昭62−80,976)、モ
ルフォリン(特開昭62−80,977)、カルボニル
基を持つアリ−ル化合物(特開昭62−86,67
3)、ヘキサメチルホスホリックトリアミドと4−アル
キルモルフォリン(特開昭62−217,575)、二
環性の三級アミン(特開昭62−217,578)、オ
イル(特開昭62−287,580)、四級ホスホニウ
ム塩(特開昭63−121,268)、三級スルホニウ
ム塩(特開昭63−121,269)などが挙げられ
る。
【0037】また、電解液を不燃性にするために含ハロ
ゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを
電解液に含ませることができる。(特開昭48−36,
632) また、高温保存に適性をもたせるために電解
液に炭酸ガスを含ませることができる。(特開昭59−
134,567)
【0038】また、正極や負極の合剤には電解液あるい
は電解質を含ませることができる。例えば、前記イオン
導電性ポリマ−やニトロメタン(特開昭48−36,6
33)、電解液(特開昭57−124,870)を含ま
せる方法が知られている。
【0039】また、正極活物質の表面を改質することが
できる。例えば、金属酸化物の表面をエステル化剤によ
り処理(特開昭55−163,779)したり、キレ−
ト化剤で処理(特開昭55−163,780)、導電性
高分子(特開昭58−163,188、同59−14,
274)、ポリエチレンオキサイドなど(特開昭60−
97,561)により処理することが挙げられる。ま
た、負極活物質の表面を改質することもできる。例え
ば、イオン導電性ポリマ−やポリアセチレン層を設ける
(特開昭58−111,276)、あるいはLiCl
(特開昭58−142,771)などにより処理するこ
とが挙げられる。
【0040】電極活物質の集電体としては、例えば、正
極には、材料としてステンレス鋼、ニッケル、アルミニ
ウム、チタン、焼成炭素などの他に、アルミニウムやス
テンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるい
は銀を処理させたもの、負極には、材料としてステンレ
ス鋼、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、焼成炭素
などの他に、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッ
ケル、チタンあるいは銀を処理させたもの)、Al−C
d合金などが用いられる。これらの材料の表面を酸化す
ることも用いられる。形状は、フォイルの他、フィル
ム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔
質体、発泡体、繊維群の成形体などが用いられる。厚み
は、特に限定されないが、1〜500μmのものが用い
られる。
【0041】電池の形状はコイン、ボタン、シ−ト、シ
リンダ−、角などいずれにも適用できる。電池の形状が
コインやボタンのときは、正極活物質や負極活物質の合
剤はペレットの形状に圧縮されて主に用いられる。その
ペレットの厚みや直径は電池の大きさにより決められ
る。また、電池の形状がシ−ト、シリンダ−、角のと
き、正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体の上にコ
ート、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。そのコート
厚み、長さや巾は、電池の大きさにより決められるが、
コートの厚みは、ドライ後の圧縮された状態で、1〜2
000μmが特に好ましい。
【0042】本発明の非水二次電池の用途には、特に限
定されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、カラ
ーノートパソコン、白黒ノートパソコン、ペン入力パソ
コン、ポケット(パームトップ)パソコン、ノート型ワ
ープロ、ポケットワープロ、電子ブックプレーヤー、携
帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディ
ーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリ
ンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶
テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニ
ディスク、電気シェーバー、電子翻訳機、自動車電話、
トランシーバー、電動工具、電子手帳、電卓、メモリー
カード、テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電
源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用と
して、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、
ゲーム機器、ロードコンディショナー、アイロン、時
計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補
聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍
需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電
池と組み合わせることもできる。
【0043】
【実施例】以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳しく
説明するが、発明の主旨を越えない限り、本発明は実施
例に限定されるものではない。 実施例1 活物質の合成 SnO、GeO、GeO2 、SiO2 、PbO、PbO
2 、Pb2 O3 、Pb3 O4 、Sb2 O3 、Sb2 O4
、Bi2 O3 、WO2 (負極用比較活物質)、Fe2
O3 (負極用比較活物質)は市販品を原料あるいは活物
質そのものとして使用した。 合成例−1 負極用SnO2 の合成 : 水溶液中で塩
化スズと水酸化ナトリウムを反応させSn(OH)4 を
沈殿させた。沈殿物を空気中、400℃で4時間焼成し
てルチル構造のSnO2 を合成、乳鉢にて粉砕した。1
次粒子の平均サイズは約0.05μm。 合成例−2 負極用Li2 SnO3 の合成 : 炭酸リ
チウム7.3g、二酸化スズ15.1gを乾式混合し、
アルミナ製るつぼ中で、空気中、1000℃で12時間
焼成した。焼成後室温まで冷却し、Li2 SiO3 を得
た。また、同様の方法で、それぞれ化学量論量の原料を
混合し、焼成によって、Li2 GeO3 ,Li2 PbO
3 ,Li3 BiO4 ,Li3 SbO4 ,Li2 ZnO2
,Li3 InO3 ,Li2 ZnSn2 O6 ,Li2 M
gSn2 O6 ,Li0.1SnO2.05,Li4 SnO4 ,
Li6 SnO5 ,Li8 SnO6 を負極用活物質として
合成した。
【0044】合成例−3 負極用Li2 SnO2 の合成
: 酢酸リチウム二水和物10.2g、一酸化スズ1
3.5gを乾式混合し、磁製るつぼに入れてアルゴン雰
囲気下で350℃で24時間焼成した。焼成後室温まで
冷却し、Li2 SnO2 を合成した。合成物をジェット
ミルで粉砕し、平均粒径2.5μmとした。また、同様
の方法で、それぞれ化学量論量の原料を混合、焼成し、
Li0.1 SnO1.05,Li6 SnO4 ,Li8 SnO5
を合成した。 合成例−4 負極用SiSnO3 の合成 : 二酸化珪
素2.60gと一酸化スズ1.16gを乾式混合し、ア
ルミナ製るつぼ中で、空気中、1000℃で12時間焼
成した。焼成後室温まで急冷し、非晶質ガラス状のSi
SnO3 を合成した。 合成例−5 正極用LiCoGe0.03O2 の合成 :
炭酸リチウム2.26g、四酸化三コバルト5.0gと
二酸化ゲルマニウム0.19gを乾式混合し、空気中9
00℃で18時間焼成し、結晶性の活物質LiCoGe
0.03O2 を合成した。平均粒径は4μm。 合成例−6 正極用LiCoZr0.02O2 の合成 :
炭酸リチウム2.26g、四酸化三コバルト5.0gと
二酸化ジルコニウム0.16gを乾式混合し、空気中9
00℃で18時間焼成し、結晶性の活物質LiCoZr
0.02O2 を合成した。平均粒径5μm。
【0045】合成例−7 正極用LiCoGe0.02Zr
0.02O2 の合成 : 炭酸リチウム2.26g、四酸化
三コバルト5.0g、二酸化ゲルマニウム0.13、二
酸化ジルコニウム0.16gを乾式混合し、空気中90
0℃で18時間焼成し、結晶性の活物質LiCoZr0.
02O2 を合成した。平均粒径は4μm。また、同様にし
て、それぞれ化学量論量の原料を混合、焼成し、LiC
oGe0.08O2 ,LiCoGe0.06O2 ,LiCoZr
0.06O2 ,LiCoZr0.08O2,LiCoTi0.08O2
,LiCoTi0.03O2 を正極用として合成した。 正極比較用活物質、LiCoO2 、の合成 : 炭酸リ
チウム2.26g、四酸化三コバルト5.0gを乾式混
合し、空気中900℃で18時間焼成し、結晶性の活物
質LiCoO2 を合成した。平均粒径5μm。 正極比較用活物質、LiMn2 O4 、の合成 : 炭酸
リチウム1.20g、二酸化マンガン5.92gを乾式
混合し、空気中800℃で12時間焼成し、結晶性の活
物質LiMn2 O4 を合成した。平均粒径3μm。 正極比較用活物質、LiNi0.5 Co0.5 O2 、の合成
: 炭酸リチウム2.26g、四酸化三コバルト2.
50g、酸化ニッケル2.29gを乾式混合し、空気中
800℃で20時間焼成し、結晶性の活物質LiNi0.
5 Co0.5 O2 を合成した。平均粒径7μm。
【0046】以下のようにして、本発明の負極活物質前
駆体と正極活物質の各種の組み合せによる、コイン型二
次電池を作製した。負極については、負極活物質前駆体
を82重量%、導電剤として鱗片状黒鉛を8重量%、ア
セチレンブラックを4重量%、結着剤として、ポリ弗化
ビニリデンを6重量%の混合比で混合した合剤を圧縮成
形し、ペレット(13mmΦ、22mg)を作製した。
一方、正極については、正極活物質を82重量%、導電
剤として鱗片状黒鉛を8重量%、アセチレンブラックを
4重量%、結着剤として、テトラフルオロエチレンを6
重量%の混合比で混合した合剤を圧縮成型し、ペレット
(13mmΦ、110mg)とした。これらのペレット
をドライボックス(露点−40〜−70℃、乾燥空気)
中で遠赤外線ヒーター(150℃)にて約3時間乾燥し
た。コイン電池の集電体には、正・負極缶ともに80μ
m厚のSUS316のネットをコイン缶に溶接して用い
た。電解質としては、1mol/LのLiPF6 をエチ
レンカーボネート、ブチレンカーボネートとジメチルカ
ーボネートの2:2:6容量混合液に溶解させた溶液を
200μl用い、更に、両電極間のセパレーターとして
微孔性のポリプロピレンシートとポリプロピレン不織布
を用いて、上記電解液を不織布に含浸させて用いた。正
・負極缶を重ね合わせて電解液を密閉し、コイン型リチ
ウムイオン二次電池を作製した。
【0047】この電池を0.75mA/cm2 の定電流
密度にて、2.7〜4.3Vの範囲で充放電試験を行な
った。試験はすべて本発明の負極活物質前駆体にリチウ
ムを挿入する反応からはじめた。上記のように各種の原
料から合成した様々な負極用、正極用活物質についてこ
れらを組み合せた100種以上のコイン電池を作製し、
充放電性能を比較、評価したが、表1にはその代表的な
結果を示した。本発明の電池を構成する負極、正極活物
質の種類はこの表に記載する種類に限られるものではな
い。表1において、サイクル性とは、(第10回目の充
放電の放電容量−第1回目の充放電の放電容量)/第1
回目の充放電の放電容量、で示される容量低下率を意味
し、値が小さいほど性能安定性に優れることを意味す
る。
【0048】 表1 コイン電池の充放電性能 正極活物質 負極活物質 放電平均電圧 2サイクル目の放電容量 サイクル 性 (V) (mAh/g)(容量低下率 ) (比較) LiCoO2 WO2 3.20 160 0.15 LiMn2 O4 WO2 3.15 145 0.16 LiNi0.5Co0.5O2 WO2 3.15 140 0.16 LiCoO2 SnO 3.52 480 0.08 LiCoO2 SnO2 3.52 470 0.07 LiMn2 O4 SnO 3.50 390 0.09 LiNi0.5Co0.5O2 SnO 3.48 360 0.09 LiCoO2 SnSiO3 3.50 460 0.04 LiCoO2 Li2Sn O3 3.50 440 0.06 LiCoO2 GeO2 3.46 229 −0.10
【0049】 (本発明) LiCoGe0.03O2 SnO 3.55 490 0.05 LiCoGe0.06O2 SnO 3.55 482 0.06 LiCoGe0.08O2 SnO 3.53 482 0.06 LiCoZr0.02O2 SnO 3.55 515 0.05 LiCoZr0.06O2 SnO 3.55 505 0.06 LiCoZr0.08O2 SnO 3.53 500 0.06 LiCoGe0.03O2 SnSiO3 3.55 482 0.03 LiCoGe0.03O2 Li2Sn O3 3.55 450 0.05 LiCoGe0.03O2 GeO2 3.48 255 −0.10 LiCoZr0.02O2 SnSiO3 3.55 490 0.03 LiCoZr0.02O2 Li2Sn O3 3.55 460 0.05 LiCoZr0.02O2 GeO2 3.50 265 −0.10 LiCoGe0.02Zr0.02O2 SnSiO3 3.55 485 0.03 LiCoGe0.02Zr0.02O2 Li2Sn O3 3.55 455 0.04 LiCoTi0.03O2 SnO 3.55 482 0.06 LiCoTi0.08O2 SnO 3.54 480 0.05 LiCoGe0.03O2 SnO2 3.54 475 0.05 LiCoGe0.03O2 Li2Sn O2 3.55 490 0.05 LiCoGe0.03O2 Li2MgSn2O6 3.54 485 0.06
【0050】実施例2 正極活物質の合成 合成例8. Li2 Mn4 O9 (あるいはLi0.89Mn
1.78O4 )の合成 Li2 CO3 とMnO2 をモル比がおよそ1:4となる
ように混合し、混合物を空気中で400℃で12時間加
熱して、Li2 Mn4 O9 (あるいはLi0.89Mn1.78
O4 )の組成をもつ本発明のスピネル型リチウムマンガ
ン酸化物を合成した。あるいは、同様の組成の酸化物
は、Li2 CO3 とMnCO3 を同様にモル比1:4と
なるように混合し、混合物を空気中で430℃で5時間
焼成することによっても、合成することができた。 合成例9. Li0.7 Mn2 O4 の合成 Li2 CO3 とMnO2 をモル比がおよそ0.35:2
となるように混合し、混合物を空気中で450℃で12
時間加熱して、Li0.7 Mn2 O4 の組成をもつ本発明
のスピネル型リチウムマンガン酸化物を合成した。 合成例10.Li2 Mn5 O11(あるいはLi0.73Mn
1.82O4 )の合成 上記の化合物Li2 Mn4 O9 をλ−MnO2 とをL
i:Mnの原子比がおよそ2:5となるように混合し、
空気中で250℃で24時間加熱して、本発明のスピネ
ル型リチウムマンガン酸化物Li2 Mn5 O11を合成し
た。 合成例11.Li4 Mn5 O12(あるいはLi1.33Mn
1.67O4 )の合成
【0051】Li2 CO3 とλ−MnO2 をLi:Mn
のモル比がおよそ4:5となるように混合し、混合物を
空気中で430℃で12時間加熱して、Li4 Mn5 O
12(あるいはLi1.33Mn1.67O4 )の組成の本発明の
リチウムマンガン酸化物を合成した。 合成例12.Li0.5 Mn1.88O4 (あるいはLi2 M
n7.5 O16)の合成 上記のLi4 Mn5 O12とEMDとをモル比でおよそ
1:10の割合で混合し、空気中で400℃で40時間
加熱して、Li0.5 Mn1.88O4 の組成の本発明のリチ
ウムマンガン酸化物を合成した。あるいは、EMDの代
わりにCMDを用いてLi4 Mn5 O12とEMDのモル
比が1:10となるように混合し、400℃で24時間
焼成することによっても化合物Li0.5 Mn1.88O4 が
得られた。 合成例13. Li0.46Mn1.89O4 (あるいはLi4
Mn16.5O35)の合成 上記のLi4 Mn5 O12とλ−MnO2 とをモル比でお
よそ1:12の割合で混合し、空気中で400℃で12
時間加熱して、Li0.46Mn1.89O4 の組成の本発明の
リチウムマンガン酸化物を合成した。ちなみに、以上の
ように合成したMn酸化物は、構造をLi2 O(MnO
2 )x で表示したとき、xの値が、2〜9の範囲に相当
する。
【0052】電極合剤、コイン電池の作製と充放電試験 実施例1にしたっがて、正極ペレット(活物質重量とし
て16.4mg )及びi 負極ペレット(活物質重量とし
て85mg )を作成した。集電体に80μm厚のSUS
316のネットを用い、これをコイン電池用の正負極缶
にそれぞれ溶接した。電解質として1mol/l Li
PF6 を含むエチレンカ−ボネ−トとジエチレンカーボ
ネートの等容量混合液を250μl用い、これを微孔性
のポリプロピレンシートとポリプロピレン不織布からな
るセパレ−タ−に含浸させた。集電体上に正極ペレッ
ト、負極活物質前駆体ペレットをセットし、正極と負極
の間にセパレ−タ−を挿入して、ドライボックス中でか
しめ機を使って正極、負極缶を結合し、コイン型リチウ
ムイオン電池を作製した。このリチウムイオン電池を用
い、0.75mA/cm2 の定電流密度にて、充放電試
験を行なった。試験はすべて充電から開始した。充電の
カットオフ電圧を4.3V、放電のカットオフ電圧を
2.7Vとして充放電サイクル性能を評価した。
【0053】上記の合成例で示した正極活物質と負極活
物質前駆体およびこれら合成例に準じて合成した各種活
物質、および比較用活物質を下記のように組み合わせて
リチウムイオン二次電池を作製した。 負極活物質前駆体 正極活物質 セル1(比較例) WO2 LiMn2 O4 セル2(比較例) WO2 Li0.46M1.89O4 セル3(比較例) SnO2 LiMn2 O4 セル4(比較例) SnO LiMn2 O4 セル5(比較例) Li2 SnO3 LiMn2 O4 セル6(比較例) SnSiO3 LiMn2 O4 セル7(本発明) SnO2 Li2 Mn5 O11
【0054】 セル8(本発明) SnO Li2 Mn5 O11 セル9(本発明) Li2 SnO3 Li2 Mn5 O11 セル10(本発明) SnSiO3 Li2 Mn5 O11 セル11(本発明) SnO Li2 Mn4 O9 セル12(本発明) SnO Li0.46M1.89O4 セル13(本発明) SnO Li0.5 Mn1.88O4 セル14(本発明) SnO Li0.38Mn1.9 O4 セル15(本発明) SnSiO3 Li2 Mn4 O9 セル16(本発明) SnSiO3 Li0.46M1.89O4 セル17(本発明) SnSiO3 Li0.5 Mn1.88O4 セル18(本発明) SnSiO3 Li0.38Mn1.9 O4 セル19(本発明) Li2 SnO3 Li0.46M1.89O4 セル20(本発明) Li2 SnO3 Li0.43M1.89O4 セル21(本発明) Li2 SnO2 Li0.5 Mn1.88O4 セル22(本発明) GeO2 Li2 Mn5 O11 セル23(本発明) GeO2 Li0.46Mn1.89O4
【0055】それぞれの正極/負極の組み合わせによる
リチウムイオン二次電池の充放電性能を、電気容量と充
放電サイクル性能の点で評価した結果を、表2にまとめ
た。放電容量は1.8Vで放電を終結させる時点までの
負極活物質重量当たりの容量を示す。容量サイクル性
は、初期容量が60%に低下するまでに要した充放電回
数を意味する。
【0056】 表2 第2サイクル目 放電平均電圧 容量サイクル性能 の放電容量 (mAh/g) (V) (回) セル1 170 3.15 40 セル2 180 3.20 50 セル3 410 3.45 130 セル4 430 3.45 120 セル5 420 3.45 125 セル6 425 3.46 135 セル7 430 3.50 130 セル8 450 3.50 122 セル9 440 3.50 130 セル10 445 3.52 135 セル11 445 3.50 120
【0057】 セル12 455 3.50 120 セル13 450 3.50 120 セル14 460 3.50 120 セル15 440 3.52 150 セル16 450 3.52 155 セル17 445 3.53 150 セル18 455 3.52 155 セル19 435 3.50 145 セル20 440 3.50 145 セル21 450 3.50 140 セル22 250 3.40 200 セル23 270 3.40 210
【0058】表2の結果から、本発明で開示する負極活
物質とスピネル型リチウムマンガン複合酸化物の正極活
物質の組み合わせが作るリチウムイオン非水二次電池
が、従来の金属酸化物型負極活物質とマンガン系酸化物
を用いた比較の電池に対し、電気容量とサイクル性の点
で、優れた性能を有することが判明した。本発明の負極
活物質は、活物質前駆体である酸化物にリチウムイオン
を電気化学的に挿入(インタ−カレ−ト)することによ
り得られる。その際、リチウムイオンの挿入は、酸化物
の基本構造を変化させるまで(たとえばX線回折パタ−
ンが変化するまで)、且つ、挿入後のリチウムイオン含
有酸化物の基本構造が充放電中に実質的に変化しない状
態になるまで(X線回折パタ−ンが実質的に変化しなく
なるまで)実施される。この基本構造の変化は、ある結
晶構造から異なった結晶構造への変化、あるいは結晶構
造から非晶質構造への変化を意味する。
【0059】
【発明の効果】IV−B、V−B族から選ばれる酸化物
を負極活物質とし、コバルトとIV−B、V−B族元素
からなる複合酸化物もしくはスピネル型リチウムマンガ
ン複合酸化物をを正極活物質とし、かつ非水溶液を電解
質とするリチウムイオン二次電池を用いることにより、
高い放電容量と高い充放電効率が得られ、さらに負極活
物質の性質がもたらす高い安全性と良好なサイクル性能
が示され、加えて安価なマンガンを用いる場合にはコス
ト上のメリットを得ることができる。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質、負極活物質、リチウム塩を
    含む非水電解質から成る非水二次電池において、該負極
    活物質の少なくとも1種は、リチウムを挿入、放出する
    周期律表IV−B、V−B族半金属またはIn,Zn,
    Mgから選ばれ酸化物であり、該正極活物質がコバルト
    を主体とし、周期率表IV−A族とIV−B族から選ば
    れる1種以上の金属を含む複合酸化物であることを特徴
    とする非水電解質二次電池
  2. 【請求項2】 正極活物質、負極活物質とリチウム塩を
    含む非水電解質からなる二次電池において、該負極活物
    質が、負極活物質前駆体にリチウムイオンを挿入するこ
    とによって基本構造が変化して形成される、周期率表I
    V−B、V−B族から選ばれる一種以上の元素から成る
    酸化物を主成分とし、該正極活物質がスピネル型構造を
    持つ化学量論的もしくは非化学量論的組成から成るリチ
    ウム含有マンガン酸化物から成ることを特徴とする非水
    電解質二次電池。
  3. 【請求項3】 正極活物質がLiCoxMyOz(Mは
    周期率表IVA族とIVB族から選ばれる1種以上の金
    属、0.9≦x≦1.0,0<y≦0.1,1.9≦z
    ≦2.1)からなることを特徴とする請求項1に記載の
    非水電解質二次電池
  4. 【請求項4】 正極活物質がLiCoxMyOz(M=
    Ge,Zr、0.9≦x≦1.0,0<y≦0.1,
    1.9≦z≦2.1)からなることを特徴とする請求項
    1に記載の非水電解質二次電池
  5. 【請求項5】 正極活物質が、一般式Li1+x [Mn2-
    y ]O4 (0<x<1.7,0≦y<0.7)で示され
    るスピネル型構造のリチウム含有マンガン酸化物を含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の非水電解質二次電池
  6. 【請求項6】 正極活物質が、一般式Li1-x [Mn2-
    y ]O4 (0<x<1.0,0≦y<0.5)で示され
    るスピネル型構造のリチウム含有マンガン酸化物を含む
    ことを特徴とする請求項2に記載の非水電解質二次電池
  7. 【請求項7】 正極活物質が、一般式Li1-x [Mn2-
    y ]O4 (0.2<x<1.0,0<y<0.2)で示
    されるスピネル型構造のリチウム含有マンガン酸化物を
    含むことを特徴とする請求項2に記載の非水電解質二次
    電池
  8. 【請求項8】 正極活物質が本質的に単層のスピネル型
    構造を有することを特徴とする請求項2に記載の非水電
    解質二次電池
  9. 【請求項9】 正極活物質が、λ−MnO2 ,電解的に
    調製されたMnO2、化学的に調製されたMnO2 ,お
    よびそれらの混合物から選ばれるマンガン酸化物を焼成
    することによって合成されることを特徴とする請求項2
    に記載の非水電解質二次電池
  10. 【請求項10】 該負極活物質の少なくとも1種は、リ
    チウムを挿入、放出するGe、Sn、Pb、Sb、B
    i、Si、In、Zn、Mgを主体とした酸化物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池
  11. 【請求項11】 該負極活物質の少なくとも1種は、リ
    チウムを挿入、放出するSnを主体とした酸化物である
    ことを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池
  12. 【請求項12】 該負極活物質の前駆体である、リチウ
    ムを挿入する前のSnを主体とする酸化物の少なくとも
    1種が、α−PbO構造SnO、ルチル構造SnO2 で
    あることを特徴とする請求項1〜3または5に記載の非
    水二次電池
  13. 【請求項13】 該負極活物質の少なくとも1種は、リ
    チウムを挿入、放出する非晶質カルコゲン化合物である
    こと特徴とする請求項1〜4または5に記載の非水二次
    電池
  14. 【請求項14】 該負極活物質の前駆体にリチウムを挿
    入させる方法が該前駆体の1g当たり0.04A以上の
    電流を流す方法であることを特徴とする請求項1〜5ま
    たは7に記載の非水二次電池
  15. 【請求項15】 該電解液の少なくとも1種が、エチレ
    ンカーボネートであることを特徴とする請求項1〜7ま
    たは8に記載の非水二次電池
  16. 【請求項16】 該電解液に含まれるリチウム塩の少な
    くとも1種が、フッ素を含む化合物であることを特徴と
    する請求項1〜8または9に記載の非水二次電池
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