JPH0722873B2 - 送り軸の位置制御装置 - Google Patents
送り軸の位置制御装置Info
- Publication number
- JPH0722873B2 JPH0722873B2 JP1164263A JP16426389A JPH0722873B2 JP H0722873 B2 JPH0722873 B2 JP H0722873B2 JP 1164263 A JP1164263 A JP 1164263A JP 16426389 A JP16426389 A JP 16426389A JP H0722873 B2 JPH0722873 B2 JP H0722873B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- speed
- feed
- motor
- feed axis
- calculation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Automatic Control Of Machine Tools (AREA)
- Control Of Position Or Direction (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、数値制御(以下、単にNCとする)工作機械等
における送り軸(テーブル)の位置制御装置に関する。
における送り軸(テーブル)の位置制御装置に関する。
(従来の技術) 従来より、NC工作機械等において位置を高精度に制御す
る必要がある送り軸の位置制御には、インダクトシン,
光学式スケールといった制御対象の位置を直接的に検出
できる位置検出器が採用され、この位置検出器の出力を
位置フィードバック信号として、位置のフィードバック
ループを構成するいわゆるフルクローズドループ制御方
式が広く用いられている。
る必要がある送り軸の位置制御には、インダクトシン,
光学式スケールといった制御対象の位置を直接的に検出
できる位置検出器が採用され、この位置検出器の出力を
位置フィードバック信号として、位置のフィードバック
ループを構成するいわゆるフルクローズドループ制御方
式が広く用いられている。
フルクローズドループ制御方式を採用した送り軸位置制
御装置の一例を第7図に示して説明する。第7図におい
て、位置指令発生部1より発生された位置指令値XCは、
送り軸(テーブル)の位置及び速度を制御する送り軸制
御部10に入力される。送り軸制御部10内の減算器11は、
位置指令値XCから位置フィードバック信号XIを減算して
位置偏差Xeを算出している。なお、位置フィードバック
信号XIは、制御対象であるテーブル5の機械位置をイン
ダクトシン6及び7によって直接的に検出した位置検出
値である。位置偏差Xeは位置ループゲインKvの増幅率を
有する増幅器12によって増幅され、増幅された信号が送
り軸の速度指令値VCとなる。電動機2に結合された位置
検出器3から出力される位置検出値XMは、速度検出部16
により時間微分されて電動機速度に変換され速度フィー
ドバック信号VMとなる。減算器13は、速度指令値VCから
速度フィードバック信号VMを減算して速度偏差Veを算出
する。減算器13から出力される。速度偏差VeはPID増幅
器14によって増幅され、電動機2のトルク指令値TCとな
る。このトルク指令値TC電力増幅器15によって電力増幅
され、その出力はトルク指令値TCに相当するトルクを電
動機2に発生させるための電流Iとなる。電流Iに基づ
いた駆動で電動機2に発生したトルクはボールネジ4の
伝達され、伝達トルクはボールネジ4によりテーブル5
の推進力に変換される。
御装置の一例を第7図に示して説明する。第7図におい
て、位置指令発生部1より発生された位置指令値XCは、
送り軸(テーブル)の位置及び速度を制御する送り軸制
御部10に入力される。送り軸制御部10内の減算器11は、
位置指令値XCから位置フィードバック信号XIを減算して
位置偏差Xeを算出している。なお、位置フィードバック
信号XIは、制御対象であるテーブル5の機械位置をイン
ダクトシン6及び7によって直接的に検出した位置検出
値である。位置偏差Xeは位置ループゲインKvの増幅率を
有する増幅器12によって増幅され、増幅された信号が送
り軸の速度指令値VCとなる。電動機2に結合された位置
検出器3から出力される位置検出値XMは、速度検出部16
により時間微分されて電動機速度に変換され速度フィー
ドバック信号VMとなる。減算器13は、速度指令値VCから
速度フィードバック信号VMを減算して速度偏差Veを算出
する。減算器13から出力される。速度偏差VeはPID増幅
器14によって増幅され、電動機2のトルク指令値TCとな
る。このトルク指令値TC電力増幅器15によって電力増幅
され、その出力はトルク指令値TCに相当するトルクを電
動機2に発生させるための電流Iとなる。電流Iに基づ
いた駆動で電動機2に発生したトルクはボールネジ4の
伝達され、伝達トルクはボールネジ4によりテーブル5
の推進力に変換される。
このようなテーブル5の位置制御装置において、テーブ
ル5の移動方向反転を含めた位置指令を行なった場合の
テーブル5の動作について、第8図及び第9図を参照し
て説明する。一例として、位置指令値XCの時間変化量
(以下、位置指令速度とする)dXC/dtが、 と直線的に変化する場合のテーブル5の位置応答につい
て考える。
ル5の移動方向反転を含めた位置指令を行なった場合の
テーブル5の動作について、第8図及び第9図を参照し
て説明する。一例として、位置指令値XCの時間変化量
(以下、位置指令速度とする)dXC/dtが、 と直線的に変化する場合のテーブル5の位置応答につい
て考える。
第7図に示す位置制御装置の位置応答は、一般式として と表わすことができる。ここで、一般にPID増幅器14及
び電力増幅器15の増幅率は高く、速度偏差Ve≒0の速度
制御が可能である。又、一方向移動中の電動機速度VM及
びテーブル速度dXI/dt(以下、単にVIとする)は、VM=
VIとから、前記(2)式は と置き換えることができる。そして、上記(3)式に前
記(1)式で与えられる位置指令速度dXC/dtを代入し、
これを解くと となる。但し、これは前記一方向移動中の条件を満たす
t≦t1の時間内におけるテーブル5の速度である。
び電力増幅器15の増幅率は高く、速度偏差Ve≒0の速度
制御が可能である。又、一方向移動中の電動機速度VM及
びテーブル速度dXI/dt(以下、単にVIとする)は、VM=
VIとから、前記(2)式は と置き換えることができる。そして、上記(3)式に前
記(1)式で与えられる位置指令速度dXC/dtを代入し、
これを解くと となる。但し、これは前記一方向移動中の条件を満たす
t≦t1の時間内におけるテーブル5の速度である。
次にt>t1の時間における対応について考える。時点t1
以降テーブル5の移動方向は反転しなければならない
が、一般にボールネジ4等の機構部にはバックラッシュ
が存在するため、テーブル5が反転を開始するには電動
機2がバックラッシュ相当分の反転動作を終了しなけれ
ばならず、反転動作が終了するまではテーブル5が停止
することになる。そして、時点t1以降のテーブル停止中
に発生する位置偏差Xeは、時点t1における位置偏差Xe
(3)式,(4)式よりXe=0であるから、時点t1以降
の経過時間をtとすると、 となり、これによる電動機速度VM及び電動機反転動作量
PMは となる。ここで、機構部のバックラッシュ量をBとする
と、PM=Bとなるまでの時間TOがテーブル停止時間とな
る(第8図参照)。この停止時間TOが経過してテーブル
5が反転動作を開始する時点をt2とすると、時点t2以降
テーブル5の速度は増大し、定常的には(4)式で与え
られる速度となる。第8図は本例における位置指令速度
dXC/dtとテーブル速度VIとの関係を示しており、第9図
は位置指令速度dXC/dtと電動機速度VMとの関係を示して
おり、RCはいずれも理想応答を示しており、第9図の斜
線面積ARがバックラッシュ量Bを示している。
以降テーブル5の移動方向は反転しなければならない
が、一般にボールネジ4等の機構部にはバックラッシュ
が存在するため、テーブル5が反転を開始するには電動
機2がバックラッシュ相当分の反転動作を終了しなけれ
ばならず、反転動作が終了するまではテーブル5が停止
することになる。そして、時点t1以降のテーブル停止中
に発生する位置偏差Xeは、時点t1における位置偏差Xe
(3)式,(4)式よりXe=0であるから、時点t1以降
の経過時間をtとすると、 となり、これによる電動機速度VM及び電動機反転動作量
PMは となる。ここで、機構部のバックラッシュ量をBとする
と、PM=Bとなるまでの時間TOがテーブル停止時間とな
る(第8図参照)。この停止時間TOが経過してテーブル
5が反転動作を開始する時点をt2とすると、時点t2以降
テーブル5の速度は増大し、定常的には(4)式で与え
られる速度となる。第8図は本例における位置指令速度
dXC/dtとテーブル速度VIとの関係を示しており、第9図
は位置指令速度dXC/dtと電動機速度VMとの関係を示して
おり、RCはいずれも理想応答を示しており、第9図の斜
線面積ARがバックラッシュ量Bを示している。
(発明が解決しようとする課題) 上述の様な送り軸の位置指令は、複数の送り軸の多軸同
期運転による円弧形状加工時の象限切換り部,主軸及び
送り軸の同期タッピング加工での反転動作となるねじ底
部等で頻繁に発生する。
期運転による円弧形状加工時の象限切換り部,主軸及び
送り軸の同期タッピング加工での反転動作となるねじ底
部等で頻繁に発生する。
第10図は円弧形状の加工時に、テーブル5の応答遅れに
よって発生する象限切り換り部の形状誤差について示し
たものである。X−Yテーブルを駆動するX,Yの各軸に
対して、 の位置指令がなされていると、X軸の位置指令速度dXC/
dt=−Rω・sinωtであるから、ωt≒π/2での位置
指令速度dXC/dtは、 と近似することができる。つまり、t=π/2ωの近辺の
時間においては、X軸に対して移動方向反転を含む直線
的な位置指令速度dXC/dtが与えられることになる。時点
t1から時点t2のX軸停止時間中、Y軸は指令に対して正
確に追従できるため、結果として第10図に示すように形
状誤差εが発生してしまう。
よって発生する象限切り換り部の形状誤差について示し
たものである。X−Yテーブルを駆動するX,Yの各軸に
対して、 の位置指令がなされていると、X軸の位置指令速度dXC/
dt=−Rω・sinωtであるから、ωt≒π/2での位置
指令速度dXC/dtは、 と近似することができる。つまり、t=π/2ωの近辺の
時間においては、X軸に対して移動方向反転を含む直線
的な位置指令速度dXC/dtが与えられることになる。時点
t1から時点t2のX軸停止時間中、Y軸は指令に対して正
確に追従できるため、結果として第10図に示すように形
状誤差εが発生してしまう。
以上は位置指令速度dXC/dtが符号反転を含めて直線的に
変化する場合についての説明であるが、送り軸の反転動
作を含む多軸同期加工時には、一般的に機構部のバック
ラッシュに起因した軸停止時間の発生により軸反転部に
形状誤差が生ずる。この種の形状誤差は前記(7)式よ
り分る様に、位置ループゲインKVを大きくすれば送り軸
停止時間が短くなり、結果として形状誤差εを小さくす
ることができる。しかしながら、位置ループゲインKvは
送り軸機構部の剛性による制限を受けるため、大型機械
等の軸剛性の低い機械では大きくすることができない問
題がある。又、送り軸機構部のバックラッシュにたわみ
を含めたロストモーションを予め正確に把握し、送り軸
の反転動作時に上記ロストモーション相当分の補正量を
電動機2の位置指令として与えることで、迅速な送り軸
の反転動作を実現する手法も考えられる。しかしなが
ら、摺動抵抗や負荷の変動が大きい場合はたわみが変化
するため、機構部のロストモーションを正確に把握する
こと自体が困難であった。
変化する場合についての説明であるが、送り軸の反転動
作を含む多軸同期加工時には、一般的に機構部のバック
ラッシュに起因した軸停止時間の発生により軸反転部に
形状誤差が生ずる。この種の形状誤差は前記(7)式よ
り分る様に、位置ループゲインKVを大きくすれば送り軸
停止時間が短くなり、結果として形状誤差εを小さくす
ることができる。しかしながら、位置ループゲインKvは
送り軸機構部の剛性による制限を受けるため、大型機械
等の軸剛性の低い機械では大きくすることができない問
題がある。又、送り軸機構部のバックラッシュにたわみ
を含めたロストモーションを予め正確に把握し、送り軸
の反転動作時に上記ロストモーション相当分の補正量を
電動機2の位置指令として与えることで、迅速な送り軸
の反転動作を実現する手法も考えられる。しかしなが
ら、摺動抵抗や負荷の変動が大きい場合はたわみが変化
するため、機構部のロストモーションを正確に把握する
こと自体が困難であった。
本発明は上述の様な事情からなされたものであり、本発
明の目的は、NC工作機械等の送り軸の多軸同期運転にお
いて、軸反転動作時の送り軸停止時間を短縮化すること
で、軸反転部に発生する形状誤差を小さくできるNC工作
機械の送り軸の位置制御装置を提供することにある。
明の目的は、NC工作機械等の送り軸の多軸同期運転にお
いて、軸反転動作時の送り軸停止時間を短縮化すること
で、軸反転部に発生する形状誤差を小さくできるNC工作
機械の送り軸の位置制御装置を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、電動機と、この電動機に結合された第1の位
置検出器(又は速度検出器)と、前記電動機により駆動
される送り軸と、この送り軸に結合された第2の位置検
出器と、前記送り軸の位置及び速度を制御する送り軸制
御部とを備えた送り軸の位置制御装置に関するもので、
本発明の上記目的は、速度フィードバック信号の演算決
定手段を設け、この演算決定手段より得られる演算方法
又は演算定数に従って前記第1の位置検出器(又は速度
検出器)より得られる電動機速度と、前記第2の位置検
出器より算出される送り軸速度とを複合的に演算して前
記電動機及び送り軸の複合速度を求め、この複合速度を
前記速度フィードバック信号として速度制御を行なうこ
とによって達成される。
置検出器(又は速度検出器)と、前記電動機により駆動
される送り軸と、この送り軸に結合された第2の位置検
出器と、前記送り軸の位置及び速度を制御する送り軸制
御部とを備えた送り軸の位置制御装置に関するもので、
本発明の上記目的は、速度フィードバック信号の演算決
定手段を設け、この演算決定手段より得られる演算方法
又は演算定数に従って前記第1の位置検出器(又は速度
検出器)より得られる電動機速度と、前記第2の位置検
出器より算出される送り軸速度とを複合的に演算して前
記電動機及び送り軸の複合速度を求め、この複合速度を
前記速度フィードバック信号として速度制御を行なうこ
とによって達成される。
(作用) 本発明は、送り軸の移動反転時に、送り軸速度あるいは
送り軸速度の影響を除去した電動機速度と送り軸速度と
の複合速度を速度フィードバック信号として速度制御を
行なうことで、送り軸の迅速な反転動作を実現するもの
である。すなわち、電動機速度と送り軸速度とを複合的
に演算して両者の複合速度を求める速度演算部を有し、
なおかつ速度演算部の演算方式は、(1)送り軸の位置
指令値、(2)位置指令値と送り軸位置との位置誤差、
(3)送り軸速度、によって送り軸の位置制御状態を判
断し、制御状態と送り軸駆動系の剛性とに合せて最適な
演算方式を選択することが可能となっている。
送り軸速度の影響を除去した電動機速度と送り軸速度と
の複合速度を速度フィードバック信号として速度制御を
行なうことで、送り軸の迅速な反転動作を実現するもの
である。すなわち、電動機速度と送り軸速度とを複合的
に演算して両者の複合速度を求める速度演算部を有し、
なおかつ速度演算部の演算方式は、(1)送り軸の位置
指令値、(2)位置指令値と送り軸位置との位置誤差、
(3)送り軸速度、によって送り軸の位置制御状態を判
断し、制御状態と送り軸駆動系の剛性とに合せて最適な
演算方式を選択することが可能となっている。
この様な構成から得られる複合速度を速度フィードバッ
ク信号とすることで、制御系の安定性を維持しつつロス
トモーションの変動にも柔軟に対応し、送り軸の迅速な
反転動作を実現する位置制御装置を得ることができる。
これによって送り軸反転動作時の動作停止時間が短縮化
されるため、円弧形状加工時の象限切り換り部に発生す
る形状誤差を小さく抑えることができる。
ク信号とすることで、制御系の安定性を維持しつつロス
トモーションの変動にも柔軟に対応し、送り軸の迅速な
反転動作を実現する位置制御装置を得ることができる。
これによって送り軸反転動作時の動作停止時間が短縮化
されるため、円弧形状加工時の象限切り換り部に発生す
る形状誤差を小さく抑えることができる。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例を第7図に対応させて示すブ
ロック図であり、同一構成部には同一符号を付して説明
する。
ロック図であり、同一構成部には同一符号を付して説明
する。
本発明ではインダクトシン6及び7によって検出された
テーブル5の位置XIを、送り軸制御部10A内の速度検出
部19によって時間微分することでテーブル速度(送り軸
速度)VIを求めている。電動機速度VM及びテーブル速度
VIはそれぞれ速度演算部18に入力され、電動機速度VM及
びテーブル速度VIによる複合演算が行なわれて複合速度
Vが速度演算部18から出力される。この複合速度Vは速
度フィードバック信号となり、減算器13に入力される。
速度演算決定部17は位置指令XC,位置偏差Xe及びテーブ
ル速度VIを入力し、これらに基づいてテーブル5の位置
の制御状態を判断し、速度演算部18における複合速度V
の演算方法、又は速度演算部18で演算方法が予め決定さ
れている場合は速度演算部18の特性を規定する演算定数
に相当する信号PRMを出力する。
テーブル5の位置XIを、送り軸制御部10A内の速度検出
部19によって時間微分することでテーブル速度(送り軸
速度)VIを求めている。電動機速度VM及びテーブル速度
VIはそれぞれ速度演算部18に入力され、電動機速度VM及
びテーブル速度VIによる複合演算が行なわれて複合速度
Vが速度演算部18から出力される。この複合速度Vは速
度フィードバック信号となり、減算器13に入力される。
速度演算決定部17は位置指令XC,位置偏差Xe及びテーブ
ル速度VIを入力し、これらに基づいてテーブル5の位置
の制御状態を判断し、速度演算部18における複合速度V
の演算方法、又は速度演算部18で演算方法が予め決定さ
れている場合は速度演算部18の特性を規定する演算定数
に相当する信号PRMを出力する。
このような構成においてその動作を説明する。
速度演算決定部17は、位置指令発生部1より発生された
位置指令値XCの時間微分である位置指令即置dXC/dtの符
号反転と、位置偏差Xe位置指令速度dXC/dtと同一方向の
符号反転とにより、速度演算部18で速度フィードバック
信号となる複合速度Vを求める演算方法を変更する。速
度演算部18は、第2図に示すように電動機速度VM及びテ
ーブル速度VIのいずれかを選ぶスイッチング構成の選択
回路181になっており、符号反転検出時には、速度演算
決定部17によりテーブル速度VI選択され速度フィードバ
ック信号Vとなる。テーブル速度VIの選択はテーブル5
が反転動作を開始するまで継続され、実際に反転動作が
始まった時点で速度演算決定部17はテーブル速度VIより
これを検出し、選択回路181によって電動機速度VMへ速
度フィードバック信号Vの選択を変更する。この後、時
間が経過して位置指令速度dXC/dt及び位置偏差Xeが前述
と逆の符号反転を発生するまで電動機速度VMの選択が継
続される。
位置指令値XCの時間微分である位置指令即置dXC/dtの符
号反転と、位置偏差Xe位置指令速度dXC/dtと同一方向の
符号反転とにより、速度演算部18で速度フィードバック
信号となる複合速度Vを求める演算方法を変更する。速
度演算部18は、第2図に示すように電動機速度VM及びテ
ーブル速度VIのいずれかを選ぶスイッチング構成の選択
回路181になっており、符号反転検出時には、速度演算
決定部17によりテーブル速度VI選択され速度フィードバ
ック信号Vとなる。テーブル速度VIの選択はテーブル5
が反転動作を開始するまで継続され、実際に反転動作が
始まった時点で速度演算決定部17はテーブル速度VIより
これを検出し、選択回路181によって電動機速度VMへ速
度フィードバック信号Vの選択を変更する。この後、時
間が経過して位置指令速度dXC/dt及び位置偏差Xeが前述
と逆の符号反転を発生するまで電動機速度VMの選択が継
続される。
第4図及び第5図は、本発明を適用したテーブル5の位
置制御装置に円弧形状加工指令を行なった場合の象限切
り換り部でのテーブル動作を説明するものである。t<
t1時間内は速度フィードバック信号Vとして電動機速度
VMが選択されているため、テーブル動作は従来の位置制
御装置を採用した場合と同一である。そして、時間がt
=t1になると、速度演算決定部17の動作により速度フィ
ードバック信号Vとしてテーブル速度VIが選択される。
テーブル5が反転動作を開始するまでの時間t1<t<t2
は、テーブル5は停止状態にある。ここで、速度フープ
ゲインKvを決めるPID増幅器14の増幅率は通常高く設定
できるため、テーブル停止時間TO中に電動機2は大きな
トルクを発生し続ける。これにより、電動機2は急速に
反転動作する。そして、時間がt=t2になると、テーブ
ル5は反転動作を開始するため速度フィードバック信号
Vとして電動機速度VMが選択される。
置制御装置に円弧形状加工指令を行なった場合の象限切
り換り部でのテーブル動作を説明するものである。t<
t1時間内は速度フィードバック信号Vとして電動機速度
VMが選択されているため、テーブル動作は従来の位置制
御装置を採用した場合と同一である。そして、時間がt
=t1になると、速度演算決定部17の動作により速度フィ
ードバック信号Vとしてテーブル速度VIが選択される。
テーブル5が反転動作を開始するまでの時間t1<t<t2
は、テーブル5は停止状態にある。ここで、速度フープ
ゲインKvを決めるPID増幅器14の増幅率は通常高く設定
できるため、テーブル停止時間TO中に電動機2は大きな
トルクを発生し続ける。これにより、電動機2は急速に
反転動作する。そして、時間がt=t2になると、テーブ
ル5は反転動作を開始するため速度フィードバック信号
Vとして電動機速度VMが選択される。
以上説明した様に、テーブル移動反転指令時のテーブル
停止時間TO内における電動機2の反転動作が、従来の方
式では高い速度ループゲインKvが活用されず、前記
(7)式に示す如く位置ループゲインKvによってのみ決
定されるのに対し、本発明では位置ループゲインKvに高
い速度ループゲインを乗じた増幅率で制御が行なわれる
ため、従来方式に比べて短時間で電動機2の反転動作を
終了させることができる。
停止時間TO内における電動機2の反転動作が、従来の方
式では高い速度ループゲインKvが活用されず、前記
(7)式に示す如く位置ループゲインKvによってのみ決
定されるのに対し、本発明では位置ループゲインKvに高
い速度ループゲインを乗じた増幅率で制御が行なわれる
ため、従来方式に比べて短時間で電動機2の反転動作を
終了させることができる。
このため、本発明によれば第6図に示す様に、円弧形状
加工時に象限切り換り部に発生する形状誤差εを縮小化
できる。又、本発明は、テーブル駆動系が持つバックラ
ッシュに相当する分の電動機反転動作を速度制御ループ
内で強制的に行なわせているため、駆動系のロストモー
ションを把握する必要がなく、摺動抵抗の変動等に伴う
ロストモーション量の変化にも柔軟に対応できる利点が
ある。
加工時に象限切り換り部に発生する形状誤差εを縮小化
できる。又、本発明は、テーブル駆動系が持つバックラ
ッシュに相当する分の電動機反転動作を速度制御ループ
内で強制的に行なわせているため、駆動系のロストモー
ションを把握する必要がなく、摺動抵抗の変動等に伴う
ロストモーション量の変化にも柔軟に対応できる利点が
ある。
本発明における速度演算部18の多の構成例を第3図に示
す。一般的にはテーブル速度VIを速度フィードバック信
号Vとすると、テーブル位置の応答性は改善傾向となる
はずであるが、速度制御ループ内にテーブル駆動系が含
まれるため、速度制御系に駆動系の固有振動数に起因し
た共振現象が発生し易くなり、結果として速度ループゲ
インKvを高く設定できなくなって応答性の改善が図れな
くなる問題があった。第3図はかかる問題を考慮した速
度演算部18の構成例であり、信号変換器182の伝達関数
をG(ω)とすると、速度フィードバック信号Vは次式
により表わされる。
す。一般的にはテーブル速度VIを速度フィードバック信
号Vとすると、テーブル位置の応答性は改善傾向となる
はずであるが、速度制御ループ内にテーブル駆動系が含
まれるため、速度制御系に駆動系の固有振動数に起因し
た共振現象が発生し易くなり、結果として速度ループゲ
インKvを高く設定できなくなって応答性の改善が図れな
くなる問題があった。第3図はかかる問題を考慮した速
度演算部18の構成例であり、信号変換器182の伝達関数
をG(ω)とすると、速度フィードバック信号Vは次式
により表わされる。
V=VM+G(ω)・(VI−VM)=G(ω)・VI +(1−G)・VM ……(10) ここで、信号変換器182を一次遅れ回路とすると、 となり、時定数Tが速度演算部18の特性を規定する演算
定数PRMとなる。本例では、時定数Tが小さい程速度フ
ィードバック信号Vにテーブル速度VIが与える影響は大
きくなる。
定数PRMとなる。本例では、時定数Tが小さい程速度フ
ィードバック信号Vにテーブル速度VIが与える影響は大
きくなる。
第3図の例では、前述した速度演算部18が第2図の選択
回路181になっている例において電動機速度VMが選択さ
れる条件下で共振現象が発生しないように、テーブル駆
動系の固有振動数に合せた大きな時定数Tを選択し、第
2図の例においてテーブル速度VIが選択される条件下で
は小さな時定数Tを選択することで、急速なテーブルの
反転動作を行なう。かかる第3図に示すような速度演算
部18の構成によれば、テーブル5の移動反転のみなら
ず、一方向移動時においてもテーブル速度VIの一部を速
度フィードバック信号としているため、駆動系のたわみ
量の変化により発生する位置誤差を減少させる場合の応
答等についても改善が期待できる。
回路181になっている例において電動機速度VMが選択さ
れる条件下で共振現象が発生しないように、テーブル駆
動系の固有振動数に合せた大きな時定数Tを選択し、第
2図の例においてテーブル速度VIが選択される条件下で
は小さな時定数Tを選択することで、急速なテーブルの
反転動作を行なう。かかる第3図に示すような速度演算
部18の構成によれば、テーブル5の移動反転のみなら
ず、一方向移動時においてもテーブル速度VIの一部を速
度フィードバック信号としているため、駆動系のたわみ
量の変化により発生する位置誤差を減少させる場合の応
答等についても改善が期待できる。
尚、信号変換器182の伝達関数は、一次遅れ系のみなら
ず となる低周波数領域で、テーブル速度VIの影響が大であ
る特性の関数であれば良いことは、信号変換器182の目
的からいって当然である。
ず となる低周波数領域で、テーブル速度VIの影響が大であ
る特性の関数であれば良いことは、信号変換器182の目
的からいって当然である。
以上説明した実施例においては電動機2に位置検出器3
を結合し、これにより得られる位置検出値XMを速度検出
部16で時間微分させて電動機速度VMを得ているが、電動
機2に速度検出器を結合して直接電動機速度を得る構成
としても良い。
を結合し、これにより得られる位置検出値XMを速度検出
部16で時間微分させて電動機速度VMを得ているが、電動
機2に速度検出器を結合して直接電動機速度を得る構成
としても良い。
(発明の効果) 以上説明した様に本発明による送り軸の位置制御装置に
よれば、送り軸に移動反転を含む位置指令の発生を行な
う際の送り軸反転動作時の応答遅れが小さくなり、位置
指令に対して送り軸の動きを正確に追従させることがで
きる。
よれば、送り軸に移動反転を含む位置指令の発生を行な
う際の送り軸反転動作時の応答遅れが小さくなり、位置
指令に対して送り軸の動きを正確に追従させることがで
きる。
第1図は本発明の一実施例を示すブロック構成図、第2
図及び第3図はそれぞれ速度演算部の詳細構成を示す回
路図、第4図〜第6図は本発明の動作を説明するための
図、第7図は従来装置の一例を示すブロック構成図、第
8図〜第10図はその動作を説明するための図である。 1……位置指令発生部、2……電動機、3……位置検出
器、5……テーブル、10,10A……送り軸制御部、11,13
……減算器、14……PID増幅器、16……速度検出部、17
……速度演算決定部、18……速度演算部、19……速度検
出部。
図及び第3図はそれぞれ速度演算部の詳細構成を示す回
路図、第4図〜第6図は本発明の動作を説明するための
図、第7図は従来装置の一例を示すブロック構成図、第
8図〜第10図はその動作を説明するための図である。 1……位置指令発生部、2……電動機、3……位置検出
器、5……テーブル、10,10A……送り軸制御部、11,13
……減算器、14……PID増幅器、16……速度検出部、17
……速度演算決定部、18……速度演算部、19……速度検
出部。
Claims (3)
- 【請求項1】電動機と、この電動機に結合された第1の
位置検出器と、前記電動機により駆動される送り軸と、
この送り軸に結合された第2の位置検出器と、前記送り
軸の位置及び速度を制御する送り軸制御部とを備えた送
り軸の位置制御装置において、速度フィードバック信号
の演算決定手段を設け、この演算決定手段より得られる
演算方法又は演算定数に従って前記第1の位置検出器よ
り得られる電動機速度と、前記第2の検出器より算出さ
れる送り速度とを複合的に演算して前記電動機及び送り
軸の複合速度を求め、この複合速度を前記速度フィード
バック信号として速度制御を行なうようにしたことを特
徴とする送り軸の位置制御装置。 - 【請求項2】前記演算決定手段は、前記送り軸の位置指
令値と、前記位置指令値及び位置検出値の偏差と、前記
送り軸速度とに基づき前記速度フィードバック信号の演
算方法又は演算定数を決定する様になっている請求項1
に記載の送り軸の位置制御装置。 - 【請求項3】前記第1の位置検出器に代えて速度検出器
を用いる請求項1に記載の送り軸の位置制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1164263A JPH0722873B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | 送り軸の位置制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1164263A JPH0722873B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | 送り軸の位置制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0332550A JPH0332550A (ja) | 1991-02-13 |
JPH0722873B2 true JPH0722873B2 (ja) | 1995-03-15 |
Family
ID=15789767
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1164263A Expired - Fee Related JPH0722873B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | 送り軸の位置制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0722873B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014016719A (ja) * | 2012-07-06 | 2014-01-30 | Okuma Corp | 位置補正機能付き制御装置 |
Families Citing this family (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1184766B1 (en) * | 1999-06-04 | 2003-11-19 | Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki Seisakusho | Position controller for motor |
JP4491904B2 (ja) * | 2000-04-19 | 2010-06-30 | 株式会社安川電機 | 電動機の位置制御装置 |
JP4226420B2 (ja) * | 2003-09-10 | 2009-02-18 | オークマ株式会社 | 位置制御装置 |
JP2006302078A (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Yamatake Corp | 制御対象モデル生成装置および生成方法 |
JP4510723B2 (ja) * | 2005-08-22 | 2010-07-28 | オークマ株式会社 | ロストモーション補正機能を有する位置制御装置 |
JP4644137B2 (ja) | 2006-02-15 | 2011-03-02 | オークマ株式会社 | 位置制御装置 |
JP5058884B2 (ja) * | 2008-05-28 | 2012-10-24 | 株式会社神戸製鋼所 | 走行試験装置のベルト蛇行防止装置及び蛇行防止方法 |
JP5058950B2 (ja) * | 2008-11-18 | 2012-10-24 | 株式会社神戸製鋼所 | 走行試験装置のベルト蛇行防止装置及びベルト蛇行防止方法 |
CN102047094B (zh) | 2008-05-28 | 2013-12-18 | 株式会社神户制钢所 | 行驶试验装置的带蛇行防止装置以及带蛇行防止方法 |
JP5556136B2 (ja) * | 2009-11-17 | 2014-07-23 | 富士電機株式会社 | 位置制御装置 |
JP2011134050A (ja) * | 2009-12-24 | 2011-07-07 | Nikon Corp | 駆動装置、駆動方法、及び装置 |
JP5695555B2 (ja) | 2011-01-28 | 2015-04-08 | オークマ株式会社 | 位置制御装置 |
JP6461454B2 (ja) * | 2012-05-30 | 2019-01-30 | 三菱重工業株式会社 | 機械装置の制御装置、機械システム、及び機械装置の制御方法 |
WO2014141515A1 (ja) * | 2013-03-14 | 2014-09-18 | 三菱電機株式会社 | サーボ制御装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5534716A (en) * | 1978-08-31 | 1980-03-11 | Fanuc Ltd | Positioning control system |
-
1989
- 1989-06-27 JP JP1164263A patent/JPH0722873B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014016719A (ja) * | 2012-07-06 | 2014-01-30 | Okuma Corp | 位置補正機能付き制御装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0332550A (ja) | 1991-02-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH0722873B2 (ja) | 送り軸の位置制御装置 | |
JP3129622B2 (ja) | フルクローズド・ループ方式における象限突起補正方法 | |
JP2709969B2 (ja) | サーボモータの制御方法 | |
US7366576B2 (en) | Position control device and position control method for machine tools | |
KR20150119065A (ko) | 서보 제어 장치 | |
WO2001029628A1 (fr) | Machine-outil a commande numerique et procede de commande de cette machine-outil a commande numerique | |
JP2008210273A (ja) | 摩擦補償方法、摩擦補償器及びモータ制御装置 | |
US5920169A (en) | Servomotor control method | |
KR0139526B1 (ko) | 그라인딩 머신용 수치 제어장치 | |
KR910006499B1 (ko) | 수치 제어장치 | |
EP1383016A2 (en) | Motor control system | |
JPH0616246B2 (ja) | 位置決め制御装置 | |
JPH0424198B2 (ja) | ||
JP2003047269A (ja) | サーボ制御装置 | |
WO2023157244A1 (ja) | 加工時間予測装置及び加工時間予測方法 | |
JP3176003B2 (ja) | 制御装置 | |
JPH0719180B2 (ja) | 送り軸の位置制御方式 | |
JPS59195714A (ja) | 可動体の位置決め制御装置 | |
JP2543125B2 (ja) | 送り軸の位置制御装置 | |
JPS61217802A (ja) | ロボツト制御装置 | |
JPH06182682A (ja) | ロボットの速度制御方法 | |
JP2564326B2 (ja) | デイジタル位置サーボ装置 | |
JPH06276774A (ja) | 電動機の位置決め制御方法 | |
JP3040762B1 (ja) | 走行加工制御装置 | |
Kim et al. | Commutation of permanent magnet ac servo motors with incremental encoders via fuzzy reasoning |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090315 Year of fee payment: 14 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |