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JPH07213878A - 複合逆浸透膜 - Google Patents

複合逆浸透膜

Info

Publication number
JPH07213878A
JPH07213878A JP6014291A JP1429194A JPH07213878A JP H07213878 A JPH07213878 A JP H07213878A JP 6014291 A JP6014291 A JP 6014291A JP 1429194 A JP1429194 A JP 1429194A JP H07213878 A JPH07213878 A JP H07213878A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
organic solvent
group
reverse osmosis
osmosis membrane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6014291A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiko Hirose
雅彦 廣瀬
Kenichi Ikeda
健一 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP6014291A priority Critical patent/JPH07213878A/ja
Publication of JPH07213878A publication Critical patent/JPH07213878A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、高い水透過性能と高い脱塩性
能を併せ有する複合逆浸透膜を提供することにある。 【構成】本発明の複合逆浸透膜は薄膜とこれを支持する
微多孔性支持体とからなり、上記薄膜が、(a) 1分子中
に少なくとも2個のアミノ基及び/または水酸基を有す
る本質的に単量体の化合物の1種を含む水系溶媒溶液と
(b) 上記アミノ基及び/または水酸基と反応しうる基を
少なくとも2個以上有する本質的に単量体の化合物の1
種を含む有機溶媒(β)溶液、とから形成される薄膜前
駆体を(c) 上記アミノ基及び/または水酸基と反応しう
る基を少なくとも2個以上有する本質的に単量体の化合
物の1種を含む有機溶媒(γ)溶液と反応させて得られ
る薄膜であって、有機溶媒(β)と有機溶媒(γ)の沸
点が、〔式1〕 【式1】 30℃<bp(β)<bp(γ)<250℃ の関係にあることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体混合物中の成分を
選択的に分離するための複合逆浸透膜に関し、詳しく
は、薄膜前駆体の形成時に使用した有機溶媒の沸点より
も高い沸点を持つ有機溶媒で溶解した多官能化合物と薄
膜前駆体を反応させ、支持体上に薄膜を形成させた複合
逆浸透膜に関する。かかる複合逆浸透膜は、超純水の製
造、かん水の脱塩等に好適に用いられ、また染色排水や
電着塗料排水等の公害発生原因である汚れ等から、その
中に含まれる汚染源あるいは有効物質を除去回収し、ひ
いては排水のクローズ化に寄与することができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、非対称逆浸透膜とは構造の異
なる逆浸透膜として、微多孔性支持体上に実質的に選択
分離性を有する活性な薄膜を形成してなる複合逆浸透膜
が知られている。このような複合逆浸透膜は、一般に多
孔性支持体上に反応性基質の水溶液を塗布した後、ヘキ
サンのような水非混和性の有機溶剤に溶解したトリレン
ジイソシアネート、塩化イソフタロイル、トリメシン酸
クロライド等の多官能性架橋剤の溶液と接触させ、水相
と有機相の界面で多孔性支持体上の反応性基質を架橋剤
と反応させる界面反応を利用して、薄膜(緻密層)を形
成させることにより製造されている。
【0003】具体的には、微多孔性支持体上にポリスル
ホン限外濾過膜を用い、反応性基質としてポリエチレン
イミンを用いた複合逆浸透膜(特開昭49−133282号) 、
アミン変性エピクロロヒドリンを用いた複合逆浸透膜
(特公昭55−38 164 号) 、ポリエチレンイミン等の水
溶性重合体とポリアミノ化合物単量体混合物を用いた複
合逆浸透膜(特開昭57−27101 号及び特開昭57−27102
号) 、多官能芳香族アミンと多官能酸ハロゲン化物との
界面重合によって得られるポリアミドからなる薄膜が、
支持体上に形成されたものが多く知られている(例え
ば、特開昭55−147106号、特開昭62−121603号、特開昭
63−218208号、特公昭63−36808 号、特開平2−187135
号等)。
【0004】また、このようにして得られた複合逆浸透
膜を種々の後処理で水透過性を大きくしたり(例えば、
特開平2−68102 号、特開平5−96140 号等)、また脱
塩性能を上げたりすることも提案されている(例えば、
特開平4−200622号、特開平4 −354524号等)。また、
架橋溶媒についても種々の提案がなされている(例え
ば、特開平5−137984号、特開平5−76740 号等)。
【0005】ところが、上記複合逆浸透膜は、高い水透
過性能と高い脱塩性能を同時に具備したものはなく、さ
らに高い水透過性能と高い脱塩性能を併せ有する複合逆
浸透膜が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
水透過性能と高い脱塩性能を同時に併せ有する複合逆浸
透膜を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明の複合逆浸透膜は、薄膜とこれを支持する微多孔
性支持体とからなり、上記薄膜が、(a) 1分子中に少な
くとも2個のアミノ基及び/または水酸基を有する本質
的に単量体の化合物の群から選ばれる少なくとも1種を
含む水系溶媒(α)溶液と(b) 上記単量体のアミノ基及
び/または水酸基と反応しうる基を少なくとも2個以上
有する本質的に単量体の化合物の群から選ばれる少なく
とも1種を含む有機溶媒(β) 溶液、とから形成される
薄膜前駆体を(c) 上記単量体のアミノ基及び/または水
酸基と反応しうる基を少なくとも2個以上有する本質的
に単量体の化合物の群から選ばれる少なくとも1種を含
む有機溶媒(γ)溶液と反応させて得られる薄膜であっ
て、有機溶媒(β) と有機溶媒(γ)の沸点が、〔式
1〕
【式1】 30℃<bp(β) <bp(γ)<250℃ (但し、有機溶媒(β) の沸点をbp(β) ,有機溶媒
(γ)の沸点をbp(γ)で示す。)の関係にあること
を特徴とする。
【0008】本発明において、水系溶媒(α)に溶解す
る化合物は、1分子中に少なくとも2個のアミノ基及び
/または水酸基を有する本質的に単量体の化合物の群か
ら選ばれる少なくとも1種を含む化合物であれば特に限
定されず、芳香族、脂肪族、または脂環式の多官能化合
物が挙げられる。
【0009】かかる芳香族多官能化合物としては、例え
ば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミ
ン、1,3,5-トリアミノベンゼン、1,2,4-トリアミノベン
ゼン、3,5-ジアミノ安息香酸、2,4-ジアミノトルエン、
2,4-ジアミノアニソール、アミドール、キシリレンジア
ミン等のアミン化合物、ベンゼンジオール、ベンゼント
リオール等のヒドロキシ化合物が挙げられる。また脂肪
族多官能化合物としては、例えば、エチレンジアミン、
プロピレンジアミン、トリス(2-ジアミノエチル)アミ
ン等のアミン化合物、グリセリン、ポリビニルアルコー
ル等のヒドロキシ化合物が挙げられる。また、脂環式多
官能化合物としては、例えば、1,3-ジアミノシクロヘキ
サン、1,2-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシク
ロヘキサン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、4-
アミノメチルピペラジン等のアミン化合物、シクロヘキ
サンジオール、シクロペンタンジオール等のヒドロキシ
化合物が挙げられる。これらの多官能化合物は単独で用
いてもよく、混合物として用いてもよい。
【0010】本発明において用いる有機溶媒(β)の溶
液中に溶解される化合物は、前記単量体のアミノ基及び
/または水酸基を有する化合物と反応しうる官能基を一
分子中に少なくとも2個以上有する本質的に単量体の化
合物であれば特に限定されず、芳香族、脂肪族、または
脂環式の多官能化合物が挙げられる。
【0011】本発明において用いる有機溶媒(β)に溶
解される化合物は、上記単量体のアミノ基及び/または
水酸基を有する化合物と反応しうる官能基を一分子中に
少なくとも2個以上有する化合物であって、具体的な官
能基は、酸ハライド基、イソシアネート基、酸無水物
基、ハロゲンスルホニル基、ハロホルメート基及びN−
ハロホルメート基等が挙げられる。
【0012】かかる芳香族多官能化合物としては、例え
ばトリメシン酸クロライド、トリメリット酸クロライ
ド、無水トリメリット酸クロライド、テレフタル酸クロ
ライド、イソフタル酸クロライド、ビフェニルジカルボ
ン酸ジクロライド、ナフタレンジカルボン酸ジクロライ
ド、ベンゼンジスルホニルクロライド、ベンゼントリス
ルホニルクロライド、5−スルホニルクロライド−イソ
フタル酸クロライド、ピリジンジカルボン酸ジクロライ
ド、フェニレンジイソシアネート、メチルフェニレンジ
イソシアネート、キシレンジイソシアネート、等が挙げ
られる。また脂肪族多官能化合物としては、例えばプロ
パントリカルボン酸クロライド、ブタントリカルボン酸
クロライド、ペンタントリカルボン酸クロライド、グル
タリルハライド、アジポイルハライド等が挙げられる。
また脂環式多官能化合物としては、例えばシクロプロパ
ントリカルボン酸クロライド、シクロブタンテトラカル
ボン酸クロライド、シクロペンタントリカルボン酸クロ
ライド、シクロペンタンテトラカルボン酸クロライド、
シクロヘキサントリカルボン酸クロライド、テトラハイ
ドロフランテトラカルボン酸クロライド、シクロブタン
ジカルボン酸クロライド、シクロペンタンジカルボン酸
クロライド、シクロヘキサンジカルボン酸クロライド、
テトラハイドロフランジカルボン酸クロライド、シクロ
ヘキサンジイソシアネート等が挙げられる。これらの多
官能化合物は単独で用いてもよく、混合物として用いて
もよい。
【0013】本発明においては、前記アミノ基及び/ま
たは水酸基を有する化合物を含む水系溶媒溶液と、上記
アミノ基及び/または水酸基と反応しうる基を有する化
合物を含む有機溶媒(β)溶液とを界面重合させること
により、微多孔性支持体上に架橋ポリマーを主成分とす
る薄膜前駆体が形成された複合逆浸透膜が得られる。
【0014】本発明において上記薄膜前駆体を支持する
微多孔性支持体は、薄膜前駆体を支持し得る物であれば
特に限定されず、例えば、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホンようなポリアリールエーテルスルホン、ポリイ
ミド、ポリフッ化ビニリデンなど種々のものを挙げるこ
とができるが、特に、化学的、機械的、熱的に安定であ
る点から、ポリスルホン、ポリアリールエーテルスルホ
ンからなる微多孔性支持体が好ましく用いられる。かか
る微多孔性支持体は、通常、約25〜125μm、好ま
しくは約40〜75μmの厚みを有するが、必ずしもこ
れらに限定されるものではない。
【0015】より詳細には、微多孔性支持体上に、前記
アミノ基及び/または水酸基を有する化合物を含む水系
溶媒溶液からなる第1の層を形成し、次いで、前記アミ
ノ基及び/または水酸基と反応しうる基を有する化合物
を含む有機溶媒(β)溶液とからなる層を上記第1の層
上に形成し、界面重縮合を行って、架橋ポリアミドから
なる薄膜前駆体を微多孔性支持体上に形成することによ
って得ることができる。
【0016】本発明において、上記のようにして得た薄
膜前駆体を更に、上記アミノ基及び/または水酸基と反
応しうる基を有する化合物を含む有機溶媒(γ) 溶液と
接触、反応させて、薄膜を得て、複合逆浸透膜としての
除去性能を向上させる。ここで使用する有機溶媒(γ)
に溶解させる上記アミノ基及び/または水酸基と反応し
うる基を有する化合物は、前記の有機溶媒(β) に溶解
させる化合物と同様の群から任意に選択することがで
き、有機溶媒(β)溶液に溶解した化合物と同一であっ
ても、異なる化合物であってもよい。但し、本発明にお
いて、有機溶媒(β) と有機溶媒(γ)の沸点が、〔式
1〕
【式1】 30℃<bp(β) <bp(γ)<250℃ (但し、有機溶媒(β) の沸点をbp(β) ,有機溶媒
(γ)の沸点をbp(γ)で示す。)の関係にあること
が必要である。両有機溶媒の沸点が30℃以下の場合
は、製膜時において早く溶媒が蒸発するため、膜性能が
低下し、また沸点が250℃以上の場合は、溶媒を容易
に除去できず、水透過性が極端に低下するなど問題があ
る。より好ましくは有機溶媒(β) と有機溶媒(γ)
の沸点が、〔式2〕
【式2】 50℃<bp(β)<bp(γ) <220℃ の関係である。
【0017】本発明において、有機溶媒(β)の沸点よ
りも有機溶媒(γ) の沸点が、高いことが必要であり、
好ましくは有機溶媒(β)の沸点よりも有機溶媒(γ)
の沸点が、10℃以上高いことである。有機溶媒(β)
の沸点よりも有機溶媒(γ)の沸点が、低いか等しけれ
ば水透過性が低下する。なお、有機溶媒が混合物の場合
の沸点は、混合溶媒を蒸留し、蒸留前の10%容量にな
ったときの温度とする。
【0018】一般に有機溶媒(β)は、30〜200℃
の沸点、有機溶媒(γ) は、50〜250℃の沸点のも
のが使用され、有機溶媒(β)の沸点よりも有機溶媒
(γ)の沸点が、10℃以上高くなるように選択され
る。一般に、高すぎる沸点の溶媒を使用した場合、蒸発
まで時間が長くかかるため、水透過性が低下しやすい。
逆に低すぎる沸点の溶媒を使用した場合、蒸発が早すぎ
て膜に欠陥が生じやすいため、高塩阻止率の膜を得にく
い。そこで高塩阻止率かつ高水透過性の膜を得るには、
上記方法によってのみ高塩阻止率かつ高水透過性の膜を
得ることができることを見いだした。
【0019】本発明において、水系溶媒(α)として
は、70重量%以上の水が用いられ、通常蒸留水や逆浸
透膜処理水が好ましく用いられる。
【0020】本発明において、有機溶媒(β)、有機溶
媒(γ) としては、〔式1〕の関係があれば特に限定さ
れないが、炭化水素系溶剤が好ましく用いられる。より
好ましくは、脂肪族炭化水素と脂環式炭化水素溶剤が用
いられる。具体的には、ペンタン、ヘキサン、メチルペ
ンタン、ジメチルブタン、ヘプタン、メチルヘキサン、
ジメチルペンタン、オクタン、メチルヘプタン、エチル
ヘキサン、ジメチルヘキサン、メチルエチルペンタン、
トリメチルペンタン、テトラメチルブタン、ノナン、ト
リメチルヘキサン、デカン、ドデカン、石油エーテル、
石油ベンジン、石油ナフサ、リグロイン、工業ガソリン
等の脂肪族炭化水素、ヘキセン、オクテン等の不飽和炭
化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭
化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナ
フサ等の芳香族炭化水素が挙げられる。ハロゲン化炭化
水素としては、塩化炭化水素、フッ素炭化水素等のハロ
ゲン化炭化水素が挙げられる。これらの有機溶剤は、単
独で用いてもよく、混合物として用いてもよい。
【0021】また、薄膜前駆体の製造時に特開平2−1
87135号公報に記載のアミン塩、例えばテトラアル
キルアンモニウムハライドやトリアルキルアミンと有機
酸とによる塩等も、製膜を容易にする、アミン溶液の支
持膜への吸収性を良くする、縮合反応を促進する等の点
で、好適に用いられる。
【0022】また、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウ
ム等の界面活性剤を含有させることもできる。これらの
界面活性剤は、多官能アミンを含有する水溶液の微多孔
性支持体への濡れ性を改善するのに効果がある。さら
に、上記界面での重縮合反応を促進するために、界面反
応にて生成するハロゲン化水素を除去し得る水酸化ナト
リウムやリン酸三ナトリウムを用い、あるいは触媒とし
て、アシル化触媒等を用いることも有益である。
【0023】前記アミノ基及び/または水酸基を有する
化合物の水系溶媒溶液並びに前記アミノ基及び/または
水酸基と反応しうる基を有する化合物を含む有機溶媒
(β)溶液と有機溶媒(γ) 溶液において、これらの化
合物の濃度は、特に限定されるものではないが、水系溶
媒溶液が含むアミノ基及び/または水酸基を有する化合
物の濃度は、通常 0.1〜10重量%、好ましくは 0.3〜5
重量%であり、有機溶媒(β)溶液や有機溶媒(γ) 溶
液が含むアミノ基及び/または水酸基と反応しうる基を
有する化合物の濃度は、通常0.01〜5重量%、好ましく
は0.05〜1重量%である。
【0024】このようにして、微多孔性支持体上にアミ
ノ基及び/または水酸基を有する化合物の水系溶媒溶液
を被覆し、次いで、その上にアミノ基及び/または水酸
基と反応しうる基を有する化合物を含む有機溶媒(β)
溶液を被覆した後、それぞれ余分の溶液を除去し、次い
で、約20〜150℃、約1〜60分間乾燥して、架橋
ポリマーからなる水透過性の薄膜前駆体を形成させる。
この薄膜前駆体を、アミノ基及び/または水酸基と反応
しうる基を有する化合物を含む有機溶媒(γ)溶液を被
覆した後、余分の溶液を除去し、次いで、約20〜15
0℃、約1〜60分間乾燥して、水透過性の薄膜を形成
させ、本発明の複合逆浸透膜が得られる。この薄膜の厚
さは、通常約0.05〜1μm、好ましくは約0.15〜0.5 μ
mの範囲にある。
【0025】
【作用】本発明において、上記のようにして得た薄膜前
駆体を更に、上記アミノ基及び/または水酸基と反応し
うる基を有する化合物を含む有機溶媒(γ) 溶液と接
触、反応させて薄膜を得るため、膜厚を変えずに薄膜前
駆体中に残存する未反応の反応基を利用して膜中の欠陥
部分を改善するので、複合逆浸透膜としての除去性能を
向上させることができると考えられる。
【0026】
【発明の効果】本発明による複合逆浸透膜は、従来の複
合逆浸透膜と比較して格段と高い塩阻止率を維持し、低
圧操作によって極めて高い水透過性を併せ有するため、
例えば、かん水、海水等の脱塩による淡水化や、半導体
の製造に必要とされる超純水の製造等に好適に用いるこ
とができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
なお、微多孔性支持体としては、ポリスルホン系限外濾
過膜を用いた。得られた複合逆浸透膜の性能は、複合逆
浸透膜に、操作圧力15kg/cm2、温度25℃にて塩化ナトリ
ウム1500ppm を含有するpH6.5 の水溶液を1時間透過
させた後、塩化ナトリウム阻止率、透過流束を測定し
た。塩化ナトリウム阻止率は、通常の電導度測定によっ
た。
【0028】実施例1 m−フェニレンジアミンを2.0重量%、ラウリル硫酸
ナトリウムを0.25重量%含む水溶液にトリエチルア
ミンを2.0重量%、カンファースルホン酸を4.0重
量%添加した水溶液を微多孔性ポリスルホン支持膜に数
秒接触させた後、余分の水溶液を除去して上記支持膜上
に上記水溶液の層を形成した。次に、かかる支持膜の表
面に、トリメシン酸クロライド0.10重量%及びイソフ
タル酸クロライド0.15重量%を含むヘキサン溶液(沸
点:69℃)を有機溶媒(β)溶液として接触させる。
その後、該被覆支持体を120℃の熱風乾燥器の中で5
分間保持して、支持体上に重合体薄膜前駆体を形成させ
た。得られた薄膜前駆体をトリメシン酸クロライド0.2
0重量%を含むデカン溶液(沸点:174℃)を有機溶
媒(γ) 溶液として接触させ、その後、120℃の熱風
乾燥器の中で5分保持して、複合逆浸透膜を得た。ここ
では、有機溶媒(γ) と有機溶媒(β)の沸点の差は、
105℃であった。得られた複合逆浸透膜の性能を評価
したところ、塩の阻止率は99.93%、透過流束は
1.0m3/m2・日であった。
【0029】実施例2 有機溶媒(γ) のデカン(沸点:174℃)をイソオク
タン(沸点:99℃)に代えた以外は、実施例1と同様
にし、得られた複合逆浸透膜の性能は、表1に示した。
【表1】
【0030】比較例1 有機溶媒(γ) のデカン(沸点:174℃)をヘキサン
(沸点:69℃)に代えた以外は、実施例1と同様に
し、得られた複合逆浸透膜の性能は、表1に示した。
塩の阻止率は99.72%で塩の阻止率に大きな低下が
見られた。
【0031】比較例2 有機溶媒(γ) 溶液による反応を行わない以外は、実施
例1と同様にし、得られた複合逆浸透膜の性能は、表1
に示した。 塩の阻止率は99.70%で塩の阻止率に
大きな低下が見られた。
【0032】比較例3 有機溶媒(β)のヘキサン(沸点:69℃)をデカン
(沸点:174℃)に、有機溶媒(γ) のデカン(沸
点:174℃)をヘキサン(沸点:69℃)に代えた以
外は、実施例1と同様にし、得られた複合逆浸透膜の性
能は、表1に示した。塩の阻止率は99.75%で塩の
阻止率に大きな低下が見られた。また、同時に透過流束
は0.4m3/m2・日で大きな低下が見られた。
【0033】実施例3、4、5 有機溶媒(γ) のトリメシン酸クロライドのデカン溶液
を、フェニレンジイソシアネートのデカン溶液に、無水
トリメリット酸クロライドのデカン溶液に、ベンゼント
リスルホニルクロライドのデカン溶液に、それぞれ代え
た以外は、実施例1と同様にし、得られた複合逆浸透膜
の性能は、表1に示した。
【0034】以上のように、本発明の複合逆浸透膜は、
従来の膜に比較すると格段と高い塩阻止率を維持し、低
圧操作によって極めて高い水透過性を併せ有することが
出来る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薄膜とこれを支持する微多孔性支持体と
    からなる複合逆浸透膜において、上記薄膜が、 (a) 1分子中に少なくとも2個のアミノ基及び/または
    水酸基を有する本質的に単量体の化合物の群から選ばれ
    る少なくとも1種を含む水系溶媒(α)溶液と(b) 上記
    単量体のアミノ基及び/または水酸基と反応しうる基を
    少なくとも2個以上有する本質的に単量体の化合物の群
    から選ばれる少なくとも1種を含む有機溶媒(β)溶
    液、とから形成される薄膜前駆体を(c) 上記単量体のア
    ミノ基及び/または水酸基と反応しうる基を少なくとも
    2個以上有する本質的に単量体の化合物の群から選ばれ
    る少なくとも1種を含む有機溶媒(γ)溶液と反応させ
    て得られる薄膜であって、有機溶媒(β) と有機溶媒
    (γ)の沸点が、〔式1〕 【式1】 30℃<bp(β) <bp(γ)<250℃ (但し、有機溶媒(β) の沸点をbp(β) ,有機溶媒
    (γ)の沸点をbp(γ)で示す。)の関係にあること
    を特徴とする複合逆浸透膜。
  2. 【請求項2】 アミノ基及び/または水酸基と反応しう
    る基を少なくとも2個以上有する本質的に単量体の化合
    物が、酸ハライド基、イソシアネート基、酸無水物基、
    及びハロゲンスルホニル基から選ばれる官能基を2個以
    上有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の
    複合逆浸透膜。
JP6014291A 1994-02-08 1994-02-08 複合逆浸透膜 Pending JPH07213878A (ja)

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JP6014291A JPH07213878A (ja) 1994-02-08 1994-02-08 複合逆浸透膜

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JP6014291A JPH07213878A (ja) 1994-02-08 1994-02-08 複合逆浸透膜

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JPH07213878A true JPH07213878A (ja) 1995-08-15

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004511325A (ja) * 2000-05-23 2004-04-15 オズモニクス, インコーポレイテッド ナノ濾過のための酸安定性膜
JP2016518982A (ja) * 2013-06-18 2016-06-30 エルジー・ケム・リミテッド 塩除去率及び透過流量特性に優れたポリアミド系水処理分離膜及びその製造方法

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