JPH0720907B2 - 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法 - Google Patents
2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法Info
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- JPH0720907B2 JPH0720907B2 JP61116140A JP11614086A JPH0720907B2 JP H0720907 B2 JPH0720907 B2 JP H0720907B2 JP 61116140 A JP61116140 A JP 61116140A JP 11614086 A JP11614086 A JP 11614086A JP H0720907 B2 JPH0720907 B2 JP H0720907B2
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、次の反応式 (1) CH2=CHCl+CO+H2 CH3−CHCl−CHO (1) に従った塩化ビニル、一酸化炭素および水素を原料とす
る2-クロロプロピオンアルデヒドの製造方法に関する。
2-クロロプロピオンアルデヒドは化学品および農医薬等
の有用な中間体として用いることができる。
る2-クロロプロピオンアルデヒドの製造方法に関する。
2-クロロプロピオンアルデヒドは化学品および農医薬等
の有用な中間体として用いることができる。
(従来の技術) 塩化ビニル、一酸化炭素および水素を原料とする2-クロ
ロプロピオンアルデヒドの製造方法は公知で、例えば、
フランス特許第1,397,779号やヘルベチカ・キミカ・ア
クタ(HELVETICA CHIMICA ACTA),48巻,第5号,1151頁
〜1157頁に示されている。これらの方法は、いずれもコ
バルトカルボニルを触媒として用い、例えば、前記フラ
ンス特許第1,397,779号によれば、反応温度110℃、反応
圧力200気圧の条件下において、90分間反応を行わせ、
塩化ビニルの転化率57.4%、2-クロロプロピオンアルデ
ヒドの選択率86.2%の反応成績を得ている。
ロプロピオンアルデヒドの製造方法は公知で、例えば、
フランス特許第1,397,779号やヘルベチカ・キミカ・ア
クタ(HELVETICA CHIMICA ACTA),48巻,第5号,1151頁
〜1157頁に示されている。これらの方法は、いずれもコ
バルトカルボニルを触媒として用い、例えば、前記フラ
ンス特許第1,397,779号によれば、反応温度110℃、反応
圧力200気圧の条件下において、90分間反応を行わせ、
塩化ビニルの転化率57.4%、2-クロロプロピオンアルデ
ヒドの選択率86.2%の反応成績を得ている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、これらのコバルトカルボニルを触媒として用い
る方法では、コバルト当りの触媒活性はきわめて低く、
このために多量のコバルトカルボニルと160〜200気圧と
いう高い反応圧力を必要とする上に、反応温度75〜125
℃のもとで90〜120分間にわたり反応を行わせる方法が
とられている。目的生成物である2-クロロプロピオンア
ルデヒドは熱的に不安定な物質で、このような反応温度
と反応時間のもとではかなりの割合が逐次反応で消費さ
れて反応収率を低めるためにこの方法は再現性に乏し
く、さらにはこの逐次反応または他の副反応により塩化
水素が副生し、これが反応器の材料を激しく腐食する上
にコバルトカルボニル触媒と反応して塩化コバルトとな
るために触媒の再使用にも支障をきたすという問題点を
有している。
る方法では、コバルト当りの触媒活性はきわめて低く、
このために多量のコバルトカルボニルと160〜200気圧と
いう高い反応圧力を必要とする上に、反応温度75〜125
℃のもとで90〜120分間にわたり反応を行わせる方法が
とられている。目的生成物である2-クロロプロピオンア
ルデヒドは熱的に不安定な物質で、このような反応温度
と反応時間のもとではかなりの割合が逐次反応で消費さ
れて反応収率を低めるためにこの方法は再現性に乏し
く、さらにはこの逐次反応または他の副反応により塩化
水素が副生し、これが反応器の材料を激しく腐食する上
にコバルトカルボニル触媒と反応して塩化コバルトとな
るために触媒の再使用にも支障をきたすという問題点を
有している。
また、これらの方法においてはいずれの場合にも触媒を
含有する反応液と生成物の2-クロロプロピオンアルデヒ
ドとの分離方法や、工業的に2-クロロプロピオンアルデ
ヒドを製造する際に重要な触媒の回収・循環方法に関し
ては、何ら言及されていない。
含有する反応液と生成物の2-クロロプロピオンアルデヒ
ドとの分離方法や、工業的に2-クロロプロピオンアルデ
ヒドを製造する際に重要な触媒の回収・循環方法に関し
ては、何ら言及されていない。
本発明の課題は、従来技術におけるこれらの触媒に関す
る問題点を解決するとともに、触媒を含有する反応液か
ら生成物の2-クロロプロピオンアルデヒドを効率よく分
離し触媒を再使用するにあたって、長時間にわたり安定
した反応成績を得る方法を確立することにある。
る問題点を解決するとともに、触媒を含有する反応液か
ら生成物の2-クロロプロピオンアルデヒドを効率よく分
離し触媒を再使用するにあたって、長時間にわたり安定
した反応成績を得る方法を確立することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、これらの課題解決のため詳細な研究を行
った。その結果、塩化ビニル、一酸化炭素および水素と
を、ロジウム化合物、および塩基の存在下に反応させる
と、従来のコバルトカルボニル触媒を用いる方法にくら
べ、より低温・低圧下で反応が進行し、かつ充分な目的
生成物への選択性がえられることを見出しているが、引
き続きこの触媒反応についての詳細な検討を継続して行
い工業的により有利な方法で2-クロロプロピオンアルデ
ヒドを製造する方法を見いだし本発明にいたった。
った。その結果、塩化ビニル、一酸化炭素および水素と
を、ロジウム化合物、および塩基の存在下に反応させる
と、従来のコバルトカルボニル触媒を用いる方法にくら
べ、より低温・低圧下で反応が進行し、かつ充分な目的
生成物への選択性がえられることを見出しているが、引
き続きこの触媒反応についての詳細な検討を継続して行
い工業的により有利な方法で2-クロロプロピオンアルデ
ヒドを製造する方法を見いだし本発明にいたった。
すなわち、本発明は、塩化ビニル、一酸化炭素および水
素を反応させて2-クロロプロピオンアルデヒドを製造す
るに際し、 (a)ロジウム化合物、塩基、水不溶もしくは難溶性の
有機溶媒および水の存在下に、塩化ビニル、一酸化炭素
および水素を反応させて2-クロロプロピオンアルデヒド
を含む反応混合物を得る工程と、 (b)該反応混合物を水層と有機層とに分離する工程
と、 (c)該水層から2-クロロプロピオンアルデヒドを分離
取得し、該水層中の2-クロロプロピオンアルデヒドの濃
度を5重量%以下まで低下させる工程と、 (d)該工程(c)において2-クロロプロピオンアルデ
ヒドを分離した該水層を陰イオン交換処理して再生水を
得る工程と、 (e)該再生水を該工程(a)にもどして該有機層と共
に繰り返し再使用する工程とを 含むことを特徴とする2-クロロプロピオンアルデヒドの
製造法である。
素を反応させて2-クロロプロピオンアルデヒドを製造す
るに際し、 (a)ロジウム化合物、塩基、水不溶もしくは難溶性の
有機溶媒および水の存在下に、塩化ビニル、一酸化炭素
および水素を反応させて2-クロロプロピオンアルデヒド
を含む反応混合物を得る工程と、 (b)該反応混合物を水層と有機層とに分離する工程
と、 (c)該水層から2-クロロプロピオンアルデヒドを分離
取得し、該水層中の2-クロロプロピオンアルデヒドの濃
度を5重量%以下まで低下させる工程と、 (d)該工程(c)において2-クロロプロピオンアルデ
ヒドを分離した該水層を陰イオン交換処理して再生水を
得る工程と、 (e)該再生水を該工程(a)にもどして該有機層と共
に繰り返し再使用する工程とを 含むことを特徴とする2-クロロプロピオンアルデヒドの
製造法である。
本発明の方法では、ロジウム化合物に塩基、水不溶もし
くは難溶性の有機溶媒および水を共存させることが必要
である。
くは難溶性の有機溶媒および水を共存させることが必要
である。
ここに述べる塩基とは、一般に窒素、燐または砒素など
の周期律第VB族元素を含有するルイス塩基を意味する。
これらの塩基の不存在下ではロジウム化合物は前記反応
に対して全く触媒作用を示さない。本発明の方法におい
て用いる塩基として好ましいものは、これらの塩基の中
でも一般式P(R1R2R3)(ここに、Pは燐原子を示し、
R1、R2、R3はそれぞれ同一もしくは異種のアルキル、ア
リール、シクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ
またはシクロアルコキシ基を示す)で表わされる塩基
か、あるいはpKaが3〜11の範囲にあるアミン類である
ことが好ましい。特に、塩基が、一般式P(R1R2R3)
(ここに、Pは燐原子を示し、R1、R2、R3はそれぞれ同
一もしくは異種のアルキル、アリール、シクロアルキ
ル、アルコキシ、アリールオキシまたはシクロアルコキ
シ基を示す)で表わされる塩基と、pKaが3〜11の範囲
にあるアミン類との組合せであることが好ましい。ここ
に述べるpKaが3〜11の範囲にあるアミン類としては、
一般に、アミノ基を含有する化合物、例えば、脂肪族ア
ミン類、芳香族アミン類、ジアミン類、トリアミン類、
アミノアルコール類、アミノ酸類、アミド類、尿素化合
物、グアニジン類、アミジン類、あるいはこれらの化合
物の窒素原子または炭素原子等にアルキル基、アリール
基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはハロゲンな
どの置換基の入った含窒素化合物の中で、pKaが3〜11
の範囲にある化合物が挙げられる。また、このほか窒素
一原子以上を含む複素環式化合物の中で、pKaが3〜11
の範囲にある化合物も好ましい。中でも、pKaが3〜11
の範囲にあるピリジン化合物、キノリン化合物、イミダ
ゾール化合物、またはモルホリン化合物の少なくとも一
種以上であることが更に好ましい。
の周期律第VB族元素を含有するルイス塩基を意味する。
これらの塩基の不存在下ではロジウム化合物は前記反応
に対して全く触媒作用を示さない。本発明の方法におい
て用いる塩基として好ましいものは、これらの塩基の中
でも一般式P(R1R2R3)(ここに、Pは燐原子を示し、
R1、R2、R3はそれぞれ同一もしくは異種のアルキル、ア
リール、シクロアルキル、アルコキシ、アリールオキシ
またはシクロアルコキシ基を示す)で表わされる塩基
か、あるいはpKaが3〜11の範囲にあるアミン類である
ことが好ましい。特に、塩基が、一般式P(R1R2R3)
(ここに、Pは燐原子を示し、R1、R2、R3はそれぞれ同
一もしくは異種のアルキル、アリール、シクロアルキ
ル、アルコキシ、アリールオキシまたはシクロアルコキ
シ基を示す)で表わされる塩基と、pKaが3〜11の範囲
にあるアミン類との組合せであることが好ましい。ここ
に述べるpKaが3〜11の範囲にあるアミン類としては、
一般に、アミノ基を含有する化合物、例えば、脂肪族ア
ミン類、芳香族アミン類、ジアミン類、トリアミン類、
アミノアルコール類、アミノ酸類、アミド類、尿素化合
物、グアニジン類、アミジン類、あるいはこれらの化合
物の窒素原子または炭素原子等にアルキル基、アリール
基、カルボキシル基、ヒドロキシル基またはハロゲンな
どの置換基の入った含窒素化合物の中で、pKaが3〜11
の範囲にある化合物が挙げられる。また、このほか窒素
一原子以上を含む複素環式化合物の中で、pKaが3〜11
の範囲にある化合物も好ましい。中でも、pKaが3〜11
の範囲にあるピリジン化合物、キノリン化合物、イミダ
ゾール化合物、またはモルホリン化合物の少なくとも一
種以上であることが更に好ましい。
これらの塩基は、具体的には次のように例示される。
すなわち、一般式P(R1R2R3)(ここに、Pは燐原子を
示し、R1、R2、R3はそれぞれ同一もしくは異種のアルキ
ル、アリール、シクロアルキル、アルコキシ、アリール
オキシまたはシクロアルコキシ基を示す)で表わされる
塩基としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホス
フィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィ
ン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリベンジルホス
フィンなどのホスフィン類や、トリメチルホスファイ
ト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイ
ト、トリブチルホスファイト、トリオクチルホスファイ
ト、トリフェニルホスファイト、トリシクロヘキシルホ
スファイト、トリベンジルホスファイトなどのホスファ
イト類があげられる。また、ホスフィン類の特殊なもの
として、上記一般式P(R1R2R3)で表わされるもののほ
かに、ビスジフェニルホスフィノメタン、ビスジフェニ
ルホスフィノエタンなどのジホスフィン類や、架橋ポリ
スチレンに結合したホスフィン類等も好ましく用いられ
る。
示し、R1、R2、R3はそれぞれ同一もしくは異種のアルキ
ル、アリール、シクロアルキル、アルコキシ、アリール
オキシまたはシクロアルコキシ基を示す)で表わされる
塩基としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホス
フィン、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィ
ン、トリオクチルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリベンジルホス
フィンなどのホスフィン類や、トリメチルホスファイ
ト、トリエチルホスファイト、トリプロピルホスファイ
ト、トリブチルホスファイト、トリオクチルホスファイ
ト、トリフェニルホスファイト、トリシクロヘキシルホ
スファイト、トリベンジルホスファイトなどのホスファ
イト類があげられる。また、ホスフィン類の特殊なもの
として、上記一般式P(R1R2R3)で表わされるもののほ
かに、ビスジフェニルホスフィノメタン、ビスジフェニ
ルホスフィノエタンなどのジホスフィン類や、架橋ポリ
スチレンに結合したホスフィン類等も好ましく用いられ
る。
また、pKaが3〜11の範囲にあるピリジン化合物、キノ
リン化合物、イミダゾール化合物またはモルホリン化合
物は、次のように例示される。
リン化合物、イミダゾール化合物またはモルホリン化合
物は、次のように例示される。
すなわち、ピリジン化合物としては、一般式 (式中、R1、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ、水素、
アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲ
ン、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、シクロアルコキシ基、カルボキシル基またはアセチ
ル基を示す)で表わされる化合物の中でpKaが3〜11の
範囲のピリジン化合物があり、これらの例としては、ピ
リジン、ピコリン、エチルピリジン、2,4-ルチジン、α
‐コリジン、フェニルピリジン、シクロヘキシルピリジ
ン、ベンジルピリジン、3-ピリジノール、メトキシピリ
ジン、フェノキシピリジン、アミノピリジンなどがあ
る。このほか、2,2'-ビスピリジンなどの多核ピリジン
類もピリジン化合物の例として挙げられる。
アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ハロゲ
ン、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、シクロアルコキシ基、カルボキシル基またはアセチ
ル基を示す)で表わされる化合物の中でpKaが3〜11の
範囲のピリジン化合物があり、これらの例としては、ピ
リジン、ピコリン、エチルピリジン、2,4-ルチジン、α
‐コリジン、フェニルピリジン、シクロヘキシルピリジ
ン、ベンジルピリジン、3-ピリジノール、メトキシピリ
ジン、フェノキシピリジン、アミノピリジンなどがあ
る。このほか、2,2'-ビスピリジンなどの多核ピリジン
類もピリジン化合物の例として挙げられる。
また、キノリン化合物の例としては、キノリンのほかに
2-メチルキノリン、4-メチルキノリン、ジメチルキノリ
ン、2-エチルキノリン、フェニルキノリン、メトキシキ
ノリンなどがあり、このほか各種のイソキノリン化合物
も使用できる。
2-メチルキノリン、4-メチルキノリン、ジメチルキノリ
ン、2-エチルキノリン、フェニルキノリン、メトキシキ
ノリンなどがあり、このほか各種のイソキノリン化合物
も使用できる。
一方、イミダゾール化合物としては、一般式 (式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ、水素、アルキ
ル基、アリール基またはシクロアルキル基を示し、また
R3およびR4がイミダゾール環の4,5位の炭素を含む環を
形成する縮環イミダゾールを形成していてもよい)で示
される化合物のなかでpKaが3〜11の範囲にあるものが
あり、これらの例としては、イミダゾール、N-メチルイ
ミダゾール、N-エチルイミダゾール、2-メチルイミダゾ
ール、2-エチル‐4-メチルイミダゾール、2-フェニルイ
ミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、N-ベンジル‐
2-メチルイミダゾール、2,4,5-トリフェニルイジダゾー
ル、ベンゾイミダゾール、2-メチルベンゾイミダゾー
ル、2-フェニルベンゾイミダゾール等が挙げられる。
ル基、アリール基またはシクロアルキル基を示し、また
R3およびR4がイミダゾール環の4,5位の炭素を含む環を
形成する縮環イミダゾールを形成していてもよい)で示
される化合物のなかでpKaが3〜11の範囲にあるものが
あり、これらの例としては、イミダゾール、N-メチルイ
ミダゾール、N-エチルイミダゾール、2-メチルイミダゾ
ール、2-エチル‐4-メチルイミダゾール、2-フェニルイ
ミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、N-ベンジル‐
2-メチルイミダゾール、2,4,5-トリフェニルイジダゾー
ル、ベンゾイミダゾール、2-メチルベンゾイミダゾー
ル、2-フェニルベンゾイミダゾール等が挙げられる。
さらに、モルホリン化合物の例としては、モルホリンの
ほかに、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリンなど
が挙げられる。
ほかに、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリンなど
が挙げられる。
本発明の方法に用いられるロジウム化合物としては、ロ
ジウムの酸化物、鉱酸塩、有機酸塩またはロジウム錯化
合物などがある。これらの各種ロジウム化合物の中で
も、特に、ハロゲンを含まないロジウム化合物が好まし
い。これらの例としては、酸化ロジウム、硝酸ロジウ
ム、硫酸ロジウム、酢酸ロジウム、トリアセチルアセト
ナートロジウム、ジカルボニルアセチルアセトナートロ
ジウム、ドデカカルボニルテトラロジウム、ヘキサデカ
カルボニルヘキサロジウム等が挙げられる。また、塩化
ロジウム、臭化ロジウム、沃化ロジウムまたはジクロロ
テトラカルボニルジロジウムなどのハロゲン含有ロジウ
ム化合物を用い、反応系内にこれらのハロゲン原子に対
し等量以上のアルカリ性化合物、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン等を加えることも、ハロゲンを含
有しないロジウム化合物を反応系内において生成させる
手段として用いることができる。また、本発明の方法に
おいて好ましく用いられる前述の塩基とロジウム化合物
は、ロジウム化合物とこれらの塩基の少なくとも一部と
で錯化合物を形成したものも更に好ましく用いられる。
これらの例としては、例えば、ヒドリドカルボニルトリ
ストリフェニルホスフィンロジウム[RhH(CO)(PP
h3)3]、ニトロシルトリストリフェニルホスフィンロ
ジウム[Rh(NO)(PPh3)3]、η‐シクロペンタジエ
ニルビストリフェニルホスフィンロジウム[Rh(C5H5)
(PPh3)2]等が挙げられる。これら各種のロジウム化
合物の中でも、水に対する溶解性の低いロジウム化合物
が本発明の方法においては、特に好ましく用いられる。
先に述べたロジウム錯化合物、例えば、ヒドリドカルボ
ニルトリストリフェニルホスフィンロジウム等は、この
面からも特に好ましいロジウム化合物の例として挙げら
れる。
ジウムの酸化物、鉱酸塩、有機酸塩またはロジウム錯化
合物などがある。これらの各種ロジウム化合物の中で
も、特に、ハロゲンを含まないロジウム化合物が好まし
い。これらの例としては、酸化ロジウム、硝酸ロジウ
ム、硫酸ロジウム、酢酸ロジウム、トリアセチルアセト
ナートロジウム、ジカルボニルアセチルアセトナートロ
ジウム、ドデカカルボニルテトラロジウム、ヘキサデカ
カルボニルヘキサロジウム等が挙げられる。また、塩化
ロジウム、臭化ロジウム、沃化ロジウムまたはジクロロ
テトラカルボニルジロジウムなどのハロゲン含有ロジウ
ム化合物を用い、反応系内にこれらのハロゲン原子に対
し等量以上のアルカリ性化合物、例えば水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン等を加えることも、ハロゲンを含
有しないロジウム化合物を反応系内において生成させる
手段として用いることができる。また、本発明の方法に
おいて好ましく用いられる前述の塩基とロジウム化合物
は、ロジウム化合物とこれらの塩基の少なくとも一部と
で錯化合物を形成したものも更に好ましく用いられる。
これらの例としては、例えば、ヒドリドカルボニルトリ
ストリフェニルホスフィンロジウム[RhH(CO)(PP
h3)3]、ニトロシルトリストリフェニルホスフィンロ
ジウム[Rh(NO)(PPh3)3]、η‐シクロペンタジエ
ニルビストリフェニルホスフィンロジウム[Rh(C5H5)
(PPh3)2]等が挙げられる。これら各種のロジウム化
合物の中でも、水に対する溶解性の低いロジウム化合物
が本発明の方法においては、特に好ましく用いられる。
先に述べたロジウム錯化合物、例えば、ヒドリドカルボ
ニルトリストリフェニルホスフィンロジウム等は、この
面からも特に好ましいロジウム化合物の例として挙げら
れる。
本発明の方法では、前記ロジウム化合物は、反応系内の
液相1リットルに対し、ロジウム原子として0.0001〜10
00ミリグラム原子、好ましくは、0.001〜100ミリグラム
原子の範囲に相当する量で使用される。また、本発明の
方法で使用される前記塩基は、それぞれロジウム1グラ
ム原子に対し0.1〜50モル、好ましくは0.5〜100モルの
範囲で使用される。
液相1リットルに対し、ロジウム原子として0.0001〜10
00ミリグラム原子、好ましくは、0.001〜100ミリグラム
原子の範囲に相当する量で使用される。また、本発明の
方法で使用される前記塩基は、それぞれロジウム1グラ
ム原子に対し0.1〜50モル、好ましくは0.5〜100モルの
範囲で使用される。
また、本発明の方法に用いる水不溶もしくは難溶性の有
機溶媒とは、水に対する溶解性が低い有機溶媒を意味
し、通常、水への溶解量が使用温度において5容量%以
下のものであれば使用することができるが、工業的な見
地からは水への溶解量が0.5容量%以下のものが好まし
い。また、これらの溶媒は、ロジウム化合物を溶解する
とともに、反応条件下で変質しにくく、かつ、反応系に
おいて不活性なものがとくに好ましく用いられる。この
ような溶媒としてとくに好ましいのは炭化水素類であ
る。より具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
ノナン、デカン等の飽和炭化水素や、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素などが好ましく用いら
れ、また、炭化水素類の混合物として工業的に得られる
リグロイン、ケロシン、軽油、ディーゼル油などもこれ
らの例に含まれる。このほか、ジプロピルエーテル、ジ
ブチルエーテルなどのエーテル類、ジイソブチルケト
ン、ホロンなどのケント類、酪酸ブチル、安息香酸ブチ
ルなどのエステル類なども好ましい溶媒の例として挙げ
られる。
機溶媒とは、水に対する溶解性が低い有機溶媒を意味
し、通常、水への溶解量が使用温度において5容量%以
下のものであれば使用することができるが、工業的な見
地からは水への溶解量が0.5容量%以下のものが好まし
い。また、これらの溶媒は、ロジウム化合物を溶解する
とともに、反応条件下で変質しにくく、かつ、反応系に
おいて不活性なものがとくに好ましく用いられる。この
ような溶媒としてとくに好ましいのは炭化水素類であ
る。より具体的には、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
ノナン、デカン等の飽和炭化水素や、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素などが好ましく用いら
れ、また、炭化水素類の混合物として工業的に得られる
リグロイン、ケロシン、軽油、ディーゼル油などもこれ
らの例に含まれる。このほか、ジプロピルエーテル、ジ
ブチルエーテルなどのエーテル類、ジイソブチルケト
ン、ホロンなどのケント類、酪酸ブチル、安息香酸ブチ
ルなどのエステル類なども好ましい溶媒の例として挙げ
られる。
また、本発明においては、溶媒として水よりも比重の小
さい溶媒を用い、反応を、撹拌装置と下部に静置分離槽
を有し、水を上部から連続的に供給しながら下部の静置
分離槽から連続的に抜出す方式の反応装置を用いて行う
ことが、より効率的に2-クロロプロピオンアルデヒドを
製造する上で特に好ましい。先に述べた溶媒、即ち、炭
化水素類、エーテル類、ケトン類またはエステル類はい
ずれもその比重が水よりも小さいために、この場合にも
好ましく用いることができる。
さい溶媒を用い、反応を、撹拌装置と下部に静置分離槽
を有し、水を上部から連続的に供給しながら下部の静置
分離槽から連続的に抜出す方式の反応装置を用いて行う
ことが、より効率的に2-クロロプロピオンアルデヒドを
製造する上で特に好ましい。先に述べた溶媒、即ち、炭
化水素類、エーテル類、ケトン類またはエステル類はい
ずれもその比重が水よりも小さいために、この場合にも
好ましく用いることができる。
本発明の方法においては、これら水不溶もしくは難溶性
の有機溶媒に対する2-クロロプロピオンアルデヒドの溶
解性をあまり考慮する必要はない。これは、これら有機
溶媒とともに前記反応系に供給される水への2-クロロプ
ロピオンアルデヒドの溶解性が極めて大きいことによ
る。
の有機溶媒に対する2-クロロプロピオンアルデヒドの溶
解性をあまり考慮する必要はない。これは、これら有機
溶媒とともに前記反応系に供給される水への2-クロロプ
ロピオンアルデヒドの溶解性が極めて大きいことによ
る。
本発明の方法において好ましく用いられる反応装置に用
いる撹拌装置は、反応溶媒、水および一酸化炭素および
水素とを効率よく混合・撹拌する機能を有するものであ
れば、いずれの形式のものでも使用することができる。
静置分離槽は、反応溶媒と水とを分離する機能を有する
ものであればよく、下降する水の速度が撹拌により小さ
な液滴となつた溶媒を同伴しない速度になるような径で
あることが好ましい。
いる撹拌装置は、反応溶媒、水および一酸化炭素および
水素とを効率よく混合・撹拌する機能を有するものであ
れば、いずれの形式のものでも使用することができる。
静置分離槽は、反応溶媒と水とを分離する機能を有する
ものであればよく、下降する水の速度が撹拌により小さ
な液滴となつた溶媒を同伴しない速度になるような径で
あることが好ましい。
本発明の方法において反応時に存在させる水の量につい
ては特に制限はないが、極端に少量の場合にはその効果
は小さくなり、また、極端に多量用いても反応成績はあ
る程度以上は上がらない。通常、水の量は、原料として
反応器へ供給する塩化ビニルに対して重量比で0.01以
上、1000以下の範囲が好ましい。特に、0.1〜100の範囲
が更に好ましく用いられる。
ては特に制限はないが、極端に少量の場合にはその効果
は小さくなり、また、極端に多量用いても反応成績はあ
る程度以上は上がらない。通常、水の量は、原料として
反応器へ供給する塩化ビニルに対して重量比で0.01以
上、1000以下の範囲が好ましい。特に、0.1〜100の範囲
が更に好ましく用いられる。
また、本発明において用いる塩基が水溶性の場合には、
該塩基の少なくとも一部を反応系に供給する水に溶解さ
せた形で供給することも好ましく行われる。たとえば、
塩基としてイミダゾールをには、これをイミダゾール水
溶液の形で反応器へ供京給することが好ましい。
該塩基の少なくとも一部を反応系に供給する水に溶解さ
せた形で供給することも好ましく行われる。たとえば、
塩基としてイミダゾールをには、これをイミダゾール水
溶液の形で反応器へ供京給することが好ましい。
先に述べたように本発明の方法においては、反応生成物
である2-クロロプロピオンアルデヒドは、大部分が水層
に溶解した形で反応系から取り出される。該水層から2-
クロロプロピオンアルデヒドを分離するのは容易で、通
常の蒸溜操作や抽出操作などを用いることができる。蒸
溜の場合には2-クロロプロピオンアルデヒドの熱安定性
を考えると蒸溜温度はできるだけ低温が好ましく、通常
は40〜90℃の範囲で行う。この2-クロロプロピオンアル
デヒドの分離において重要なことは、該水層中の残留2-
クロロプロピオンアルデヒドの濃度を5重量%以下まで
低下させることである。これは、該水層中には少量のロ
ジウム成分が溶解しているために該水層を繰り返し使用
しなければ反応系外へのロジウムの損失が無視できない
ことによるためで、この場合、該水層を反応器にリサイ
クルするに際し、反応系内の‐クロロプロピオンアルデ
ヒドの濃度をできるだけ低く抑えることが触媒活性を低
下させない上で重要であることに起因する。このため該
水層中の2-クロロプロピオンアルデヒドの濃度は低いほ
ど好ましく、できれば1重量%以下まで下げることがさ
らに好ましい。
である2-クロロプロピオンアルデヒドは、大部分が水層
に溶解した形で反応系から取り出される。該水層から2-
クロロプロピオンアルデヒドを分離するのは容易で、通
常の蒸溜操作や抽出操作などを用いることができる。蒸
溜の場合には2-クロロプロピオンアルデヒドの熱安定性
を考えると蒸溜温度はできるだけ低温が好ましく、通常
は40〜90℃の範囲で行う。この2-クロロプロピオンアル
デヒドの分離において重要なことは、該水層中の残留2-
クロロプロピオンアルデヒドの濃度を5重量%以下まで
低下させることである。これは、該水層中には少量のロ
ジウム成分が溶解しているために該水層を繰り返し使用
しなければ反応系外へのロジウムの損失が無視できない
ことによるためで、この場合、該水層を反応器にリサイ
クルするに際し、反応系内の‐クロロプロピオンアルデ
ヒドの濃度をできるだけ低く抑えることが触媒活性を低
下させない上で重要であることに起因する。このため該
水層中の2-クロロプロピオンアルデヒドの濃度は低いほ
ど好ましく、できれば1重量%以下まで下げることがさ
らに好ましい。
かくして得られた水層はリアクターに戻され繰り返し再
使用されるが、長時間使用しているうちに各種の副生成
物や原料中の不純物が蓄積されてくる。これらの中には
触媒活性を阻害する物があるが、中でも特に塩素イオン
やサルファイドイオン等の陰イオンが触媒活性を著しく
阻害することが見い出された。本発明者等はこれらの触
媒活性を阻害する物質の除去方法について検討を行った
結果、該水層を陰イオン交換処理すればこれらの活性阻
害効果を有する物質は殆ど完全に系外へ除去できること
を見い出した。陰イオン交換処理の方法は通常行われて
いる陰イオン交換法が採用でき、例えば、陰イオン交換
樹脂を充填したカラムに該水層を通す方法などが挙げら
れる。陰イオン交換樹脂としては、強塩基性陰イオン交
換樹脂や弱塩基性陰イオン交換樹脂のいずれもが使用可
能であるが、その選択はこれらの陰イオンの除去効率や
再生コスト等を考慮して決められる。このほか、イオン
交換膜を用いる方法や、イオン交換液を用いる方法など
も陰イオン交換処理の例として挙げられる。
使用されるが、長時間使用しているうちに各種の副生成
物や原料中の不純物が蓄積されてくる。これらの中には
触媒活性を阻害する物があるが、中でも特に塩素イオン
やサルファイドイオン等の陰イオンが触媒活性を著しく
阻害することが見い出された。本発明者等はこれらの触
媒活性を阻害する物質の除去方法について検討を行った
結果、該水層を陰イオン交換処理すればこれらの活性阻
害効果を有する物質は殆ど完全に系外へ除去できること
を見い出した。陰イオン交換処理の方法は通常行われて
いる陰イオン交換法が採用でき、例えば、陰イオン交換
樹脂を充填したカラムに該水層を通す方法などが挙げら
れる。陰イオン交換樹脂としては、強塩基性陰イオン交
換樹脂や弱塩基性陰イオン交換樹脂のいずれもが使用可
能であるが、その選択はこれらの陰イオンの除去効率や
再生コスト等を考慮して決められる。このほか、イオン
交換膜を用いる方法や、イオン交換液を用いる方法など
も陰イオン交換処理の例として挙げられる。
これらの陰イオン交換処理によって得られる再生水中の
陰イオンの残留濃度は、低い方が好ましいが、多少の残
留は許容でき、通常は全陰イオンとして該再生水1リッ
トルあたり50ミリ等量以下であれば反応に及ぼす影響は
小さい。
陰イオンの残留濃度は、低い方が好ましいが、多少の残
留は許容でき、通常は全陰イオンとして該再生水1リッ
トルあたり50ミリ等量以下であれば反応に及ぼす影響は
小さい。
本発明の方法の実施にあたっては、反応系内に他の成
分、例えばロジウム触媒の安定性を改良するための添加
剤や、触媒の活性や選択性を改良するための添加剤、例
えばカルボン酸等が共存していても特に支障はない。こ
れらの添加剤が該水層に可溶の場合には、該水層を陰イ
オン交換処理するにあたって用いる陰イオン交換体を適
宜選択してこれらの有効な成分が系外に除されないよう
に留意することが必要である。
分、例えばロジウム触媒の安定性を改良するための添加
剤や、触媒の活性や選択性を改良するための添加剤、例
えばカルボン酸等が共存していても特に支障はない。こ
れらの添加剤が該水層に可溶の場合には、該水層を陰イ
オン交換処理するにあたって用いる陰イオン交換体を適
宜選択してこれらの有効な成分が系外に除されないよう
に留意することが必要である。
本発明の方法は、通常、反応温度20〜150℃、反応圧力
1〜200Kg/cm2ゲージの範囲、好ましくは20〜120Kg/cm2
ゲージの範囲で行われる。反応温度は生成する2-クロロ
プロピオンアルデヒドの熱安定性の面から低温ほど好ま
しく、このため、20〜100℃が特に好ましい温度範囲で
ある。また、原料の一酸化炭素および水素の混合モル比
は、通常10〜0.1の範囲であり、好ましくは4〜0.2の範
囲である。一酸化炭素および水素は前記の組成比で両成
分を含有する混合ガスであればよく、水性ガスや、水性
ガスにメタン、窒素などの反応に不活性なガス、または
二酸化炭素などが含有されたものが用いられる。もう一
方の原料である塩化ビニルは、ガス状、液状、あるいは
反応に用いる溶媒に溶解した溶液の形で使用される。ま
た、陰イオン交換処理の温度には、とくに制限を設ける
必要はないが、溶解しているロジウム化合物の安定性
や、用いる陰イオン交換体の熱安定性の面からは低い方
が好ましく、常温ないし60℃の範囲で行われる。
1〜200Kg/cm2ゲージの範囲、好ましくは20〜120Kg/cm2
ゲージの範囲で行われる。反応温度は生成する2-クロロ
プロピオンアルデヒドの熱安定性の面から低温ほど好ま
しく、このため、20〜100℃が特に好ましい温度範囲で
ある。また、原料の一酸化炭素および水素の混合モル比
は、通常10〜0.1の範囲であり、好ましくは4〜0.2の範
囲である。一酸化炭素および水素は前記の組成比で両成
分を含有する混合ガスであればよく、水性ガスや、水性
ガスにメタン、窒素などの反応に不活性なガス、または
二酸化炭素などが含有されたものが用いられる。もう一
方の原料である塩化ビニルは、ガス状、液状、あるいは
反応に用いる溶媒に溶解した溶液の形で使用される。ま
た、陰イオン交換処理の温度には、とくに制限を設ける
必要はないが、溶解しているロジウム化合物の安定性
や、用いる陰イオン交換体の熱安定性の面からは低い方
が好ましく、常温ないし60℃の範囲で行われる。
本発明の方法は、回分法、半回分法、連続法のいずれの
方法によっても実施できるが、連続法がより好ましい。
連続法の場合の例としては、ロジウム化合物および水不
溶もしくは難溶性の有機溶媒と場合によっては塩基を耐
圧の反応器に仕込んでおき、撹拌下に水あるいは場合に
よっては塩基の水溶液を該反応器の上部から、また、原
料の塩化ビニル、一酸化炭素および水素とを、該反応器
の下部から連続的に供し、下方に設置した静置分離槽の
下部から反応生成物の2-クロロプロピオンアルデヒドを
含む水層を連続的に取り出すことにより反応が行われ
る。
方法によっても実施できるが、連続法がより好ましい。
連続法の場合の例としては、ロジウム化合物および水不
溶もしくは難溶性の有機溶媒と場合によっては塩基を耐
圧の反応器に仕込んでおき、撹拌下に水あるいは場合に
よっては塩基の水溶液を該反応器の上部から、また、原
料の塩化ビニル、一酸化炭素および水素とを、該反応器
の下部から連続的に供し、下方に設置した静置分離槽の
下部から反応生成物の2-クロロプロピオンアルデヒドを
含む水層を連続的に取り出すことにより反応が行われ
る。
次いで、該水層は、減圧下で操作される蒸溜装置にかけ
られ、反応生成物の2-クロロプロピオンアルデヒドの実
質的に全量を分離し、続いて陰イオン交換装置において
水層中の陰イオンの殆ど全量を除去した後に再使用のた
めに反応器へリサイクルされる。
られ、反応生成物の2-クロロプロピオンアルデヒドの実
質的に全量を分離し、続いて陰イオン交換装置において
水層中の陰イオンの殆ど全量を除去した後に再使用のた
めに反応器へリサイクルされる。
(作用および発明の効果) 本発明の方法により、塩化ビニル、一酸化炭素および水
素を原料として、従来法に比較してより低温・低圧下に
おいて高活性で2-クロロプロピオンアルデヒドを製造す
ることができる。
素を原料として、従来法に比較してより低温・低圧下に
おいて高活性で2-クロロプロピオンアルデヒドを製造す
ることができる。
特に、本発明の方法により、従来よりも高い触媒活性を
維持したままで長時間にわたって触媒を繰り返し使用し
ながら反応を継続させることが可能となる。
維持したままで長時間にわたって触媒を繰り返し使用し
ながら反応を継続させることが可能となる。
(実施例) 以下、実施例により本発明の方法を更に具体的に説明す
る。
る。
10段の翼の撹拌機および温水ジャケットを備えた耐圧10
0Kg/cm2ゲージの反応器1(SUS 316L製、内径25mm、高
さ350mm、実容積約170cm3で、下部に内径25mm、高さ150
mmの静置分離槽2を付属している)に、ヒドリドカルボ
ニルトリストリフェニルホスフィンロジウム1ミリモ
ル、トリフェニルホスフィン5ミリモルおよび反応溶媒
としてトルエン50mlを仕込み、反応温度50℃、反応圧力
75Kg/cm2ゲージの条件下で、該反応器の下部に設けた導
入管11および12から塩化ビニル17.5g/時、およびモル比
1:2の一酸化炭素および水素の混合ガス約4l/時をそれぞ
れ連続的に供給した。同時に、イミダゾール水溶液貯槽
6から1リットルあたり15gのイミダゾールを溶解した
イミダゾール水溶液を配管19および反応器上部に設けた
液導入管20から150g/時の割合で供給した。反応器下部
に設けた静置分離槽2の下方に液取り出し管13が設置さ
れており、反応器内の液面が一定に保たれるように該液
取り出し管13から反応生成物の2-クロロプロピオンアル
デヒドを含んだイミダゾール水溶液より成る水層が連続
的に反応器外へ取り出され、一方、反応器上部に設けら
れたガス抜出し管18からは反応器1内の圧力が一定に保
たれるように未反応塩化ビニル、および未反応一酸化炭
素および水素を含有するガスが連続的に抜出された。該
水層にはイミダゾールおよび2-クロロプロピオンアルデ
ヒドのほかに、少量の塩素イオン(イミダゾール塩酸塩
として存在しているものと考えられる)、プロピオン酸
および1.8ppmの濃度のロジウムが存在していることが確
認された。次いで、該水層は、圧力50mm水銀柱、缶温度
60℃で操作されているガラス製の回分式蒸溜装置3にて
2-クロロプロピオンアルデヒドの大部分を分離して、2-
クロロプロピオンアルデヒド含有量1.5重量%の水溶液
として缶出液抜出管15から回収された。該回分式蒸溜装
置3の溜出液取り出し口14からは、1時間あたりに換算
して7.2gの2-クロロプロピオンアルデヒド(水分10.2重
量%を含有する)が得られた。
0Kg/cm2ゲージの反応器1(SUS 316L製、内径25mm、高
さ350mm、実容積約170cm3で、下部に内径25mm、高さ150
mmの静置分離槽2を付属している)に、ヒドリドカルボ
ニルトリストリフェニルホスフィンロジウム1ミリモ
ル、トリフェニルホスフィン5ミリモルおよび反応溶媒
としてトルエン50mlを仕込み、反応温度50℃、反応圧力
75Kg/cm2ゲージの条件下で、該反応器の下部に設けた導
入管11および12から塩化ビニル17.5g/時、およびモル比
1:2の一酸化炭素および水素の混合ガス約4l/時をそれぞ
れ連続的に供給した。同時に、イミダゾール水溶液貯槽
6から1リットルあたり15gのイミダゾールを溶解した
イミダゾール水溶液を配管19および反応器上部に設けた
液導入管20から150g/時の割合で供給した。反応器下部
に設けた静置分離槽2の下方に液取り出し管13が設置さ
れており、反応器内の液面が一定に保たれるように該液
取り出し管13から反応生成物の2-クロロプロピオンアル
デヒドを含んだイミダゾール水溶液より成る水層が連続
的に反応器外へ取り出され、一方、反応器上部に設けら
れたガス抜出し管18からは反応器1内の圧力が一定に保
たれるように未反応塩化ビニル、および未反応一酸化炭
素および水素を含有するガスが連続的に抜出された。該
水層にはイミダゾールおよび2-クロロプロピオンアルデ
ヒドのほかに、少量の塩素イオン(イミダゾール塩酸塩
として存在しているものと考えられる)、プロピオン酸
および1.8ppmの濃度のロジウムが存在していることが確
認された。次いで、該水層は、圧力50mm水銀柱、缶温度
60℃で操作されているガラス製の回分式蒸溜装置3にて
2-クロロプロピオンアルデヒドの大部分を分離して、2-
クロロプロピオンアルデヒド含有量1.5重量%の水溶液
として缶出液抜出管15から回収された。該回分式蒸溜装
置3の溜出液取り出し口14からは、1時間あたりに換算
して7.2gの2-クロロプロピオンアルデヒド(水分10.2重
量%を含有する)が得られた。
一方、該水層は、配管15を経て水酸基型に再生した強塩
基性陰イオン交換樹脂(商品名、レバチットM500)1000
mlを充填したガラスカラム4に通し、塩素イオンおよび
プロピオン酸を除去して液取り出し口16を経て再生水貯
槽5に再生水として回収された。該再生水中の残留塩素
イオンおよびプロピオン酸の濃度はいずれも1リットル
あたり5ミリ等量以下であり、また、ロジウム濃度は分
析誤差範囲内で変化のない事が確認された。該再生水
は、配管17および液導入管20を経て再び反応器へもどし
て再使用に供された。
基性陰イオン交換樹脂(商品名、レバチットM500)1000
mlを充填したガラスカラム4に通し、塩素イオンおよび
プロピオン酸を除去して液取り出し口16を経て再生水貯
槽5に再生水として回収された。該再生水中の残留塩素
イオンおよびプロピオン酸の濃度はいずれも1リットル
あたり5ミリ等量以下であり、また、ロジウム濃度は分
析誤差範囲内で変化のない事が確認された。該再生水
は、配管17および液導入管20を経て再び反応器へもどし
て再使用に供された。
この様な方法で72時間にわたって連続運転を行った。減
圧蒸溜装置からの溜出分は、水分を平均10.4%含有する
2-クロロプロピオンアルデヒドで、その1時間あたりの
生成量は運転開始後約5時間目当りから±10%程度の範
囲内でほぼ一定となり、その後72時間目までほぼ一定の
値を保った。反応開始後、68時間目から72時間目までの
4時間の平均では、1時間当り7.4gの10.4重量%含水の
2-クロロプロピオンアルデヒドが得られた。
圧蒸溜装置からの溜出分は、水分を平均10.4%含有する
2-クロロプロピオンアルデヒドで、その1時間あたりの
生成量は運転開始後約5時間目当りから±10%程度の範
囲内でほぼ一定となり、その後72時間目までほぼ一定の
値を保った。反応開始後、68時間目から72時間目までの
4時間の平均では、1時間当り7.4gの10.4重量%含水の
2-クロロプロピオンアルデヒドが得られた。
第1図は本発明の実施例を説明する工程図である。図
中、1は反応器、2は静置分離槽、3は回分蒸溜装置、
4はイオン交換樹脂を充填したカラム、5は再生水貯
槽、6はイミダゾール水溶液貯槽を示す。
中、1は反応器、2は静置分離槽、3は回分蒸溜装置、
4はイオン交換樹脂を充填したカラム、5は再生水貯
槽、6はイミダゾール水溶液貯槽を示す。
Claims (6)
- 【請求項1】(a)ロジウム化合物、塩基、水不溶もし
くは難溶性の有機溶媒および水の存在下に、塩化ビニ
ル、一酸化炭素および水素を反応させて2-クロロプロピ
オンアルデヒドを含む反応混合物を得る工程と、 (b)該反応混合物を水層と有機層とに分離する工程
と、 (c)該水層から2-クロロプロピオンアルデヒドを分離
取得し、該水層中の2-クロロプロピオンアルデヒドの濃
度を5重量%以下まで低下させる工程と、 (d)該工程(c)において2-クロロプロピオンアルデ
ヒドを分離した該水層を陰イオン交換処理して再生水を
得る工程と、 (e)該再生水を該工程(a)にもどして該有機層と共
に繰り返し再使用する工程とを 含むことを特徴とする2-クロロプロピオンアルデヒドの
製造法。 - 【請求項2】溶媒として水よりも比重の小さい溶媒を用
い、反応を、撹拌装置と下部に静置分離槽を有し、水を
上部から連続的に供給しながら下部の静置分離槽から連
続的に抜出す方式の反応装置を用いて行う特許請求の範
囲第1項記載の方法。 - 【請求項3】塩基が、一般式P(R1R2R3)(ここに、P
は燐原子を示し、R1、R2、R3はそれぞれ同一もしくは異
種のアルキル、アリール、シクロアルキル、アルコキ
シ、アリールオキシまたはシクロアルコキシ基を示す)
で表わされる塩基である特許請求の範囲第1項または第
2項記載の方法。 - 【請求項4】塩基がpKaが3〜11の範囲にあるアミン類
である特許請求の範囲第1項または第2項記載の方法。 - 【請求項5】塩基が、一般式P(R1R2R3)(ここに、P
は燐原子を示し、R1、R2、R3はそれぞれ同一もしくは異
種のアルキル、アリール、シクロアルキル、アルコキ
シ、アリールオキシまたはシクロアルコキシ基を示す)
で表わされる塩基と、pKaが3〜11の範囲にあるアミン
類の、それぞれ少なくとも一種以上の組合せである特許
請求の範囲第1項または第2項記載の方法。 - 【請求項6】pKaが3〜11の範囲にあるアミン類が、pKa
が3〜11の範囲にあるピリジン化合物、キノリン化合
物、イミダゾール化合物またはモルホリン化合物の少な
くとも一種以上である特許請求の範囲第4項または第5
項記載の方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61116140A JPH0720907B2 (ja) | 1986-05-22 | 1986-05-22 | 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法 |
EP87903414A EP0267300B1 (en) | 1986-05-20 | 1987-05-20 | Process for producing 2-chloropropionaldehyde |
DE8787903414T DE3775710D1 (de) | 1986-05-20 | 1987-05-20 | Verfahren zur herstellung von 2-chlorpropionaldehyd. |
PCT/JP1987/000320 WO1987007262A1 (en) | 1986-05-20 | 1987-05-20 | Process for producing 2-chloropropionaldehyde |
US07/145,759 US4885400A (en) | 1986-05-20 | 1987-05-20 | Production process of 2-chloropropionaldehyde |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61116140A JPH0720907B2 (ja) | 1986-05-22 | 1986-05-22 | 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62273932A JPS62273932A (ja) | 1987-11-28 |
JPH0720907B2 true JPH0720907B2 (ja) | 1995-03-08 |
Family
ID=14679729
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61116140A Expired - Lifetime JPH0720907B2 (ja) | 1986-05-20 | 1986-05-22 | 2−クロロプロピオンアルデヒドの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0720907B2 (ja) |
-
1986
- 1986-05-22 JP JP61116140A patent/JPH0720907B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62273932A (ja) | 1987-11-28 |
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