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JPH07196695A - グルカゴン様インスリン刺激ペプチド、組成物およびその製造法 - Google Patents

グルカゴン様インスリン刺激ペプチド、組成物およびその製造法

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Publication number
JPH07196695A
JPH07196695A JP6303404A JP30340494A JPH07196695A JP H07196695 A JPH07196695 A JP H07196695A JP 6303404 A JP6303404 A JP 6303404A JP 30340494 A JP30340494 A JP 30340494A JP H07196695 A JPH07196695 A JP H07196695A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glp
insulin
compound
glucagon
peptide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6303404A
Other languages
English (en)
Inventor
John A Galloway
ジョン・アリソン・ギャロウェイ
James A Hoffmann
ジェイムズ・アーサー・ホフマン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eli Lilly and Co
Original Assignee
Eli Lilly and Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eli Lilly and Co filed Critical Eli Lilly and Co
Publication of JPH07196695A publication Critical patent/JPH07196695A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/575Hormones
    • C07K14/605Glucagons
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K47/00Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient
    • A61K47/50Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates
    • A61K47/51Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent
    • A61K47/62Medicinal preparations characterised by the non-active ingredients used, e.g. carriers or inert additives; Targeting or modifying agents chemically bound to the active ingredient the non-active ingredient being chemically bound to the active ingredient, e.g. polymer-drug conjugates the non-active ingredient being a modifying agent the modifying agent being a protein, peptide or polyamino acid
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 哺乳類の膵臓のB型膵島細胞からのインスリ
ンの発現の促進および哺乳類の成人発症型糖尿病の治療
に有用な新規化合物およびその医薬組成物を提供するこ
と。 【構成】 少なくともひとつのヒスチジン官能性部分ま
たは修飾ヒスチジン官能性部分をもち、約6.0〜約9.
0の範囲に等電点をもつGLP−1分子を含む、2価の
金属カチオンと複合した化合物、ならびに該化合物およ
び医薬的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤からな
る医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬および有機化学の分
野に関するものであり、哺乳類の膵臓のB型膵島細胞か
らのインスリンの発現の促進および哺乳類の成人発症型
糖尿病の治療に有用な新規化合物およびその医薬組成物
を提供する。
【0002】
【従来の技術】膵島の内分泌物の分泌の調節は、血液−
骨代謝(グルコース、アミノ酸、カテコールアミンなど)
によるだけではなく、局部的なパラ分泌の影響もある複
合的なものである。主要な膵島ホルモン(グルカゴン、
インスリンおよびソマトスタチン)は、膵臓の特殊な細
胞型(それぞれA、BおよびD細胞という)間において相
互に作用して、上記の血液−骨代謝によって仲介される
分泌応答を調節している。インスリン分泌は主としてグ
ルコースの血中濃度によって調節されるが、ソマトスタ
チンはグルコースの仲介するインスリン分泌応答を阻害
する。膵島内パラ分泌の指令によるインスリン分泌の調
節のほかに、腸内にインスリン刺激因子が存在すること
を支持する証拠がある。この概念は、経口摂取されたグ
ルコースが、非経口投与された相当量のグルコースより
も、インスリン分泌の刺激として有力であるという観察
に起因する。
【0003】ヒトホルモングルカゴンは、膵臓のA細胞
で産生される29個のアミノ酸残基からなるペプチドホ
ルモンである。該ホルモンは、セクレチン、ガストリッ
ク・インヒビトリー・ペプチド(GIP)、血管作用性小
腸ペプチドおよびグリセンチンなどの構造的に関連する
ペプチドを含むマルチ遺伝子ファミリーに属する。これ
らのペプチドは炭水化物代謝、胃腸の可動性および分泌
プロセッシングを様々に調節する。しかし、膵臓グルカ
ゴンにおいて第1に認識された作用は、血糖値の上昇に
起因する肝臓のグリコーゲン分解および糖新生を促進す
る作用である。このことについては、グルカゴンの作用
はインスリンの作用とは逆の調節性であり、糖尿病に伴
う高血糖症に貢献することができる[ランド(Lund,P.K.)
らの「Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.」,79:345
〜349(1982年)参照]。
【0004】グルカゴンがインスリン産生細胞の表面に
存在する特異的受容体に結合しうることがわかってい
る。これらの受容体に結合した場合、グルカゴンはこれ
らの細胞によるcAMPの急速合成を刺激する。さら
に、cAMPがインスリンの発現を刺激することが発見
されている[コーマン(Korman, L.Y.)らの「Diabetes」,3
4:717〜722(1985年)参照]。インスリンは
グルカゴン合成を阻害するように作用する[ガノング(Ga
nong, W.F.)の「Review of Medical Physiology」,ラン
ジ・パブリケーションズ,ロス・アルトス,カリフォルニ
ア,273頁(1979年)参照]。したがって、グルカゴ
ンの発現は、インスリンによって慎重に調節され、そし
て最終的には血清中のグルコース濃度によって発現が調
節される。
【0005】グルカゴン遺伝子は最初、360個の塩基
対の前駆体から翻訳されて、プレプログルカゴンという
ポリペプチドを形成する[ランド(Lund)らの「Proc. Nat
l. Acad. Sci. U.S.A.」,79:345〜349(198
2年)参照]。次に、このポリペプチドは加工されてプロ
グルカゴンを形成する。パツェルト(Patzelt, C.)ら
[「Nature」,282:260〜266(1979年)]
は、次いでプログルカゴンが切断されてグルカゴンと第
2ポリペプチドになることを開示している。ランドらの
研究に引き続いて行われた研究、ロペツ(lopez, L.C.)
らの「Proc. Natl. Acad.Sci. U.S.A.」,80:548
5〜5489(1983年)およびベル(Bell, G.I.)らの
「Nature」,302:716〜718(1983年)によれ
ば、プログルカゴン分子がリシン−アルギニンジペプチ
ド残基の次で迅速に切断されることが示されている。チ
ャンネル・キャットフィッシュ[Ictalurus punctana]が
生産するプログルカゴンの研究によって、この生物のグ
ルカゴンも隣接したリシン−アルギニンジペプチド残基
の次でタンパク質分解的に切断されることが示されてい
る[アンドリュース(Andrews, P.C.)らの「J. Biol. Che
m.」,260:3910〜3914(1985年)および
ロペツらの「Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.」,80:
5485〜5489(1983年)参照]。上記ベルらの
文献には、哺乳類のプログルカゴンが、リシン−アルギ
ニンまたはアルギニン−アルギニンジペプチドで切断さ
れること、ならびにグルカゴン、グルカゴン様ペプチド
1(GLP−1)およびグルカゴン様ペプチド2(GLP
−2)と呼ばれる3つの離散した位置にある高相同性ペ
プチドを含むことが開示されている。ロペツらは、グル
カゴン様ペプチド1は37個のアミノ酸残基からなり、
グルカゴン様ペプチド2は34個のアミノ酸残基からな
ると推断している。ラットプレプログルカゴンの構造に
関する同様の研究では、同様のパターンのリシン−アル
ギニンまたはアルギニン−アルギニンジペプチド残基に
隣接した部位でタンパク質分解的切断が生じ、その結果
グルカゴン、GLP−1およびGLP−2が形成される
ことが示されている[ハインリッヒ(Heinrich, G.)らの
「Endocrinol.」,115:2176〜2181(1984
年)参照]。ヒト、ラット、ウシおよびハムスターのGL
P−1の配列は同一であることがわかっている[ギグリ
オン(Ghiglion, M.)らの「Diabetologia」,27:59
9〜600(1984年)参照]。
【0006】GLP−1の大きさに関してロペツらの到
達した結論は、ウッテンサール(Uttenthal, L.O.)らの
「J. Clin. Endocrinol. Metabol.」,61:472〜47
9(1985年)に記載の研究によって確認されている。
ウッテンサールらは、ヒトの膵臓に存在するGLP−1
分子の形状を調べた。彼らの調査は、GLP−1および
GLP−2が、それぞれ37個のアミノ酸ペプチドと3
4個のアミノ酸ペプチドとして膵臓に存在するというこ
とを示している。初期の頃の研究者は、GLP−1とグ
ルカゴンの類似性から、GLP−1が生物学的活性をも
ちうるのではないかと推論している。GLP−1がラッ
ト脳細胞におけるcAMP合成を誘発しうることを発見
した研究者もいるが[フーセイン(Hoosein, N.M.)らの「F
ebs Lett.」,178:83〜86(1984年)参照]、他
の研究者はGLP−1のいずれの生理的役割も同定する
ことができなかった[ロペツら]。GLP−1の生理的役
割同定の失敗から、研究者の中にはGLP−1が実際に
ホルモンであるかどうか、またグルカゴンとGLP−1
の関係が人工的なものではないのかという疑問をもつも
のも現れた。
【0007】GLP−1(7〜37)の変異体およびその
類縁体も文献に記載されている。これらの変異体および
類縁体としては、Gln9−GLP−1(7〜37)、D
−Gln9−GLP−1(7〜37)、アセチル−Lys9
−GLP−1(7〜37)、Thr16−Lys18−GLP
−1(7〜37)およびLys18−GLP−1(7〜37)
など、ならびにその誘導体(酸付加塩、カルボン酸塩、
低級アルキルエステルおよびアミドなど)が挙げられる
[たとえばWO91/11457参照]。一般に、ここに
記載された種々の形態のGLP−1はインスリン分泌を
刺激すること(インスリン刺激作用)およびcAMP形成
を刺激することが知られている[たとえば、モイソフ(Mo
isov, S.)の「Int. J. Peptide Protein Research」,4
0:333〜343(1992年)参照]。
【0008】さらに重要なことは、実験室での実験から
得られた、GLP−1[特にGLP−1(7〜36)アミ
ドおよびGLP−1(7〜37)]の外来性投与とそれに
対する哺乳類(特にヒト)のインスリン刺激応答との関係
が、多数の文献に開示されていることである[ナウック
(Nauck, M.A.)らの「Diabetologia」、36:741〜7
44(1993年);ガトニャック(Gutniak, M.)らの「Ne
w England J. of Medicine」,326(20):1316〜
1322(1992年);ナウックらの「J. Clin.Inves
t.」,91:301〜307(1993年);およびソレ
ンス(Thorens, B.)らの「Diabete
s」,42:1219〜1225(1993年)参照]。
【0009】さらに特記すべきことは、成人発症型糖尿
病において高血糖を引き起こす原因として同定されてい
る根本的欠陥は、内因性インスリンの分泌の減少および
筋肉や肝臓におけるインスリンの効果に対する耐性であ
る[ギャロウェイ(Galloway,J.A.)の「Diabetes Care」,
13:1209〜1239(1990年)参照]。後者の
欠陥は肝臓におけるグルコースの過剰生産によるもので
ある。したがって、正常な個体は約2mg/kg/分の速度で
グルコースを放出するが、成人発症型糖尿病の患者で
は、この量は通常2.5mg/kg/分を越え、24時間当た
り少なくとも正味70グラムのグルコースが過剰とな
る。グリコヘモグロビンの測定によって示されるよう
に、肝臓のグルコース生産、空腹時血中グルコースと総
代謝コントロールの間に非常に高い相関関係が存在する
という事実[ギャロウェイ(上記);およびギャロウェイ
らの「Clin. Therap.」,12:460〜472(199
0年)参照]から、代謝を正常化して高血糖の合併症を予
防するためには、空腹時血中グルコースを調節すること
が必須条件であることは明らかである。重度の高インス
リン症および高血糖を起こすことなく、存在するインス
リン体が肝臓のグルコース生産を正常化することはめっ
たにないという事実[ギャロウェイ(上記)およびギャロ
ウェイら(上記)の文献参照]を考慮して、別のアプロー
チが必要である。
【0010】正常血清濃度の2倍血液を生産するため
に、GLP−1(7〜36)アミドの静脈注射を行い、得
られた効果を下記表1に示す。
【表1】 正常者 成人発症型糖尿病患者 食中血中グルコース濃度(1) 変化なし 減少 空腹時血中グルコース濃度(2) −− 減少 空腹時血中グルカゴン濃度(2) −− 減少 食後グルカゴン濃度(1) −− 減少 食事応答内因性インスリン分泌 変化なし 増加遊離脂肪酸 減少(3) 減少(2) (1)ガトニアックらの文献(前記) (2)ナウックらの「Diabetologia」(前記) (3)オルスコフ(Orskov)らの「Diabetes」,42:65
8〜661(1993年) しかし、GLP−1、特に哺乳類投与用医薬組成物の成
分としてのGLP−1の長期安定性が問題となる。実
際、4℃の低温で貯蔵した場合、GLP−1(7〜37)
の副産物が試料調製後11カ月という早期において認め
られる[モイソフの文献(前記)参照]。したがって、治療
を必要とする哺乳類に安全に投与できる、もっと安定な
GLP−1化合物が必要である。
【0011】さらに、GLP−1分子(特にジペプチジ
ル−ペプチダーゼIV(DPPIV)の活性によって影響
を受けるGLP−1分子)の生物学的半減期は非常に短
い。たとえばGLP−1(7〜37)の生物学的半減期は
わずか3〜5分間であるが[米国特許第5118666
号参照]、それは哺乳類へ非経口投与した後にすぐに吸
収されるということにも影響されている。したがって、
非経口投与後の吸収が遅いGLP−1化合物または製剤
も必要である。
【0012】
【発明の構成と効果】したがって、本発明は、上述の投
与安定性の要求を満たすような化合物および製剤を提供
する。また、本発明は、非経口投与後の吸収が遅く、そ
の結果として、生物学的半減期が延長された化合物を提
供する。さらに、本発明は、該化合物を含む医薬組成物
およびその用途を提供する。本発明は、少なくともひと
つのヒスチジン官能性部分または修飾ヒスチジン官能性
部分をもち、約6.0〜約9.0の範囲に等電点をもつG
LP−1分子を含む、2価の金属カチオンと複合した化
合物を提供する。さらに本発明は、本発明化合物および
医薬的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤からなる
医薬組成物を提供する。さらに本発明は、哺乳類の膵臓
のB型膵島細胞に有効量の本発明化合物を投与すること
を特徴とするインスリンの発現の促進方法、ならびに治
療を必要とする哺乳類に有効量の本発明化合物を投与す
ることを特徴とする哺乳類の成人発症型糖尿病の治療方
法を提供する。
【0013】本発明のひとつの態様は、少なくともひと
つのヒスチジン官能性部分または修飾ヒスチジン官能性
部分をもち、約6.0〜約9.0の範囲に等電点をもつG
LP−1分子を含み、2価の金属カチオンと複合した化
合物である。本明細書で用いられる語句「GLP−1分
子」とは、天然のGLP−1(7〜36)アミド、GLP
−1(7〜37)、天然または人工の機能的類縁体および
その誘導体、ならびにそれらの塩類を意味する。GLP
−1(7〜36)アミドのアミノ酸配列は当業界で公知で
あるが、便宜的に以下に記載する。
【化1】 GLP−1(7〜37)では、Arg36のカルボキシ末端
アミドの官能性部分は、GLP−1(7〜36)アミド分
子の第37番目の位置にあるGlyで置換される。
【0014】さらに、GLP−1(7〜36)アミドの多
数の保護、非保護および部分保護された天然または人工
の機能的類縁体およびその誘導体の存在および製造法
が、文献に記載されている[米国特許第5120712
号および同第5118666号(これらは本発明の参考
文献である)ならびにオルスコフらの「J. Biol. Che
m.」,264(22):12826〜12829(1989
年)およびバックリー(Buckley, D.I.)らのWO91/1
1457(1991年8月8日公開)などを参照]。当業
界で公知のように、アミノ酸残基は、アミノ基とカルボ
キシ基の両方が適当な保護基をもつ保護体、アミノ基ま
たはカルボキシ基のいずれかが適当な保護基をもつ部分
保護体またはアミノ基およびカルボキシ基のどちらも保
護基をもたない非保護体となることができる。このよう
な保護基の形成および除去のための多数の反応が多数の
標準的な書籍に記載されており、たとえば“有機化学に
おける保護基”,プレナム・プレス(Plenum Press)(ロン
ドンおよびニューヨーク、1973年);グリーン(Gree
n, T.H.)著「有機合成における保護基」,ウイリー(Wile
y)(ニューヨーク、1981年);および「ペプチド」,V
ol.1,シュレーダー(Schroder)およびループク(Lubke),
アカデミック・プレス(Academic Press)(ロンドンおよ
びニューヨーク、1965年)などが挙げられる。代表
的なアミノ保護基としては、ホルミル、アセチル、イソ
プロピル、ブトキシカルボニル、フルオレニルメトキシ
カルボニル、カルボベンジルオキシなどが挙げられる。
代表的なカルボキシ保護基としては、ベンジルエステ
ル、メチルエステル、エチルエステル、t−ブチルエス
テル、p−ニトロフェニルステルなどが挙げられる。
【0015】アミノ基とカルボキシ基の両方が適当な保
護基をもつ保護体の他に、語句「保護」は、ジペプチジ
ル−ペプチダーゼIVの活性が抵抗または阻害されてい
るGLP−1分子を意味する[たとえば、メントレイン
(Mentlein, R.)らの「Eur. J.Biochem.」,214:829
〜835(1993年)参照]。GLP−1(7〜36)ア
ミドおよびグリシン−8−(Gly8)−GLP−1(7〜
36)アミドに加えて、DPP IVの活性から保護され
ているGLP−1分子が好ましい。天然のGLP−1分
子の誘導体とは、天然の配列を分割することによって得
られるペプチドであるか、またはGLP−1の配列をコ
ードする遺伝物質(DNAまたはRNA)の天然のアミノ
酸配列の配列の知識に基づいて合成されるペプチドであ
る。語句「誘導体」には、化学修飾された天然または人
工のGLP−1分子も含まれる。これらの誘導体の製造
方法は有機化学者およびペプチド研究化学者には公知で
ある[たとえば、WO91/11457(前記)参照]。
【0016】また、本発明のGLP−1分子には、もと
の配列には存在しない1個または2個以上のアミノ酸が
付加されるかまたは欠失しているGLP−1(7〜36)
およびGLP−1(7〜37)の類縁体、およびそれらの
誘導体も含まれる。さらに、本発明には、塩形状のGL
P−1分子が含まれる。本発明のGLP−1は十分な数
の酸性、塩基性またはその両方の官能基を有し、したが
って多数の無機塩基、無機および有機酸のいずれとも反
応して塩を形成する。酸付加塩を形成するのに通常使用
される酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、
リン酸などの無機酸、およびp−トルエンスルホン酸、
メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスル
ホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸な
どの有機酸である。このような塩の例としては、硫酸
塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、リ
ン酸塩、モノヒドロリン酸塩、ジヒドロリン酸塩、メタ
リン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、
酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、
アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘ
プタン酸塩、プロピン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、
コハク酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸
塩、マレイン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン
−1,6−二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メ
チル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息
香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸
塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニル
プロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸
塩、ガンマ−ヒドロキシ酪酸塩、グリコラート、酒石酸
塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフ
タレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン
酸塩、マンデル酸塩などが挙げられる。好ましい酸付加
塩は塩酸塩および臭化水素酸塩などの鉱酸と形成された
塩であり、塩酸塩が特に好ましい。
【0017】塩基付加塩としては、水酸化アンモニウム
もしくはアルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物など
の無機塩基、炭酸塩、重炭酸塩などから誘導された塩が
挙げられる。したがって、本発明の塩の製造に有用な塩
基は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アン
モニウム、炭酸カリウムなどである。塩形状が特に好ま
しい。もちろん、本発明化合物を薬物療法の用途に用い
る場合、化合物は塩形状であってよいが、その塩は医薬
的に許容しうる塩でなければならない。
【0018】したがって、本発明のGLP−1分子は、
機能的に、特にインスリン刺激活性を示すものである。
語句「インスリン刺激活性」とは、物質のホルモンイン
スリンの合成または発現を刺激する能力もしくはその刺
激を引き起こす能力をいう。化合物のインスリン刺激特
性は、その化合物を動物細胞に供給するかまたはその化
合物を動物に注射し、動物の媒介系または循環系への免
疫反応性インスリン(IRI)の放出を、それぞれモニタ
ーすることによって定量することができる。IRIの存
在は、インスリンを特異的に検出しうるラジオイムノア
ッセイを用いて検出する。
【0019】IRIの存在を検出することが可能なラジ
オイムノアッセイならばどれでも採用しうるが、アルバ
ーノ(Albano, J.D.M.)らの「Acta Endocrinol.」,7
0:487〜509(1972年)に記載されたアッセイ
法を一部変更して用いるのが好ましい。この変更法で
は、pH7.4のリン酸塩/アルブミン緩衝液を用い
る。リン酸緩衝液(500μl)、灌流液試料または灌流
液中のラットインスリン標準(50μl)、抗インスリン
抗血清(100μl)[ウエルカム・ラボラトリーズ;1:
40000希釈]および125I標識インスリン(100μ
l)を連続的に添加して、10×75mmの使い捨てガラス
管中に合計750μlのインキュベーション用試料を調
製する。4℃で2〜3日間インキュベーションした後、
遊離のインスリンを抗体結合インスリンから活性炭分離
法にて分離する。アッセイ感度は1〜2uU/mlである。
組織培養で成長した細胞が細胞培養培地へ放出するIR
Iの放出を測定するために、プロインスリンに放射性標
識を組み込むのが好ましい。ポリペプチドを標識しうる
放射性標識ならばどれでも使用することができるが、標
識プロインスリンを得るには、3Hロイシンが好まし
い。標識は、検出可能に標識されたインスリン分子のプ
ールの形成に十分であるならば、どれだけの時間行って
もよいが、放射性標識の存在下で60分間細胞をインキ
ュベートするのが好ましい。
【0020】インスリンを発現させることが可能な多く
の細胞系がインスリン刺激効果をもつ化合物の検出に使
用できるが、ラットインスリノーマ細胞が好ましく、R
IN−38ラットインスリノーマ細胞が特に好ましい。
このような細胞は、適当な培地ならばどれを使用しても
成長しうるが、0.1%BSAおよび25mMグルコース
を含有するDME培地の使用が好ましい。化合物のイン
スリン刺激特性は、膵臓灌流によって測定することもで
きる。イン・シトウ単離された灌流ラット膵臓の調製
を、ペンホス(Penhos, J.C.)らの「Diabetes」,18:7
33〜738(1969年)に記載の方法を一部変更して
行う。体重350〜600gの空腹の雄性チャールズ・
リバー系アルビノラットにアミタール・ナトリウム(Amy
tal Sodium)[イーライ・リリー・アンド・カンパニー(E
li Lilly and Co.):160ng/kg]を腹腔内注射して麻
酔する。腎臓、副腎、胃および下部結腸の血管を結紮す
る。約4cmの十二指腸および下行結腸および直腸以外の
全腸を切除する。したがって、小部分の腸のみが灌流さ
れることになり、グルカゴン様免疫反応性をもつ腸内物
質によって起こり得る妨害を最小化することができる。
灌流液は、4%デキストランT70および0.2%ウシ
血清アルブミン(画分V)を含む、一部変更したクレブス
−リンガー(Krebs−Ringer)重炭酸塩緩衝液であり、こ
れを95%O2と5%CO2で通気する。非拍動流・4チ
ャンネルローラーベアリングポンプ[ブクラー・ポリス
タティック(Buchler polystatic)、ブクラー・インスツ
ルメンツ・ディヴィジョン、ニュクリア−シカゴ・コー
ポレイション(Nuclear-Chicago Corp.)]を使用し、ひと
つの灌流液源からもうひとつの灌流液源への切り替え
は、三路ストップコックによって行う。灌流を行い、モ
ニターし、分析する方法は、ウエイル(Weir, G.C.)らの
「J. Clin. Inestigat.」,54:1403〜1412(1
974年)に記載の方法に準じる。
【0021】本発明のGLP−1分子は、少なくともひ
とつのヒスチジン官能性部分を(好ましくは前述したよ
うに7位に)もつことが必要である。しかし、ヒスチジ
ン官能性部分はGLP−1分子のどの位置にあってもよ
い。別の態様として、本発明のGLP−1分子は、要求
されたヒスチジン官能性部分の代わりに、少なくともひ
とつの修飾ヒスチジン官能性部分をもっていてもよく、
それはGLP−1分子のどの位置にあってもよい。修飾
ヒスチジン官能性部分はGLP−1分子の7位に位置す
るのが好ましい。「修飾ヒスチジン」とは、化学的また
は生物学的に変更されたヒスチジン官能性部分、または
初めから変更しているように合成されたヒスチジン官能
性部分を意味するが、それらはその金属結合特性は保持
している。
【0022】多くのこのような修飾ヒスチジン官能性部
分およびその製造法は公知であり、たとえば、D−ヒス
チジン(WO91/11457)、デスアミノヒスチジン
(WO92/18531)、2−アミノ−ヒスチジン[レ
ヴィン−ピント(Levine-Pinto, H.)らの「Biochem. Biop
hys. Res. Commun.」,103(4):1121〜1130
(1981年)]、β−ヒドロキシ−L−ヒスチジン[オワ
(Owa, T.)らの「Chemistry Letters」,1873〜187
4(1988年)]、L−ホモヒスチジン[アルツマン(Alt
man, J.)らの「Synthetic Commun.」,19(11&12):
2069〜2076(1989年)]、α−フルオロメチ
ル−ヒスチジン(米国特許第4347374号)およびα
−メチルヒスチジン[オドネル(O'donell, M.J.)の「Synt
hetic Commun.」,19(7&8):1157〜1165(1
989年)]が挙げられる。
【0023】さらに、本発明のGLP−1分子は、約
6.0〜約9.0の範囲に等電点をもつことが必要であ
る。この範囲に等電点をもつ多くのGLP−1分子がこ
れまでに発表されているが、たとえば、GLP−1(7
〜36)アミド、Gly8−GLP−1(7〜36)アミ
ド、Gln9−GLP−1(7〜37)、D−Gln9−G
LP−1(7〜37)、アセチル−Lys9−GLP−1
(7〜37)、Thr9−GLP−1(7〜37)、D−T
hr9−GLP−1(7〜37)、Asn9−GLP−1
(7〜37)、D−Asn9−GLP−1(7〜37)、S
er22−Arg23−Arg24−Gln26−GLP−1
(7〜37)、Thr16−Lys18−GLP−1(7〜3
7)、Lys18−GLP−1(7〜37)、Arg23−G
LP−1(7〜37)、Arg24−GLP−1(7〜3
7)、などが挙げられる[たとえば、WO91/1145
7(前記)参照]。さらに、本発明のGLP−1分子は、
ヒスチジン官能性部分の代わりに上に列挙した各修飾ヒ
スチジン官能性部分をもつ場合にも、前記の範囲内に等
電点をもつ。他のGLP−1分子の等電点を算出するか
または実験的に測定する方法は当業者には公知である。
【0024】本発明のGLP−1分子の製造法は、ペプ
チド研究化学者には公知である。ひとつの方法において
は、GLP−1分子は公知の固相ペプチド合成工程によ
って製造される[メリフィールド(Merrifield, J.M.)の
「Chem. Soc.」,85:2149(1962年)およびスチ
ュワート(Stewart)とヤング(Young)の「固相ペプチド合
成」,24〜66,フリーマン,サンフランシスコ(196
9年)参照]。しかし、たとえばタンパク質分解酵素を用
いて、天然のアミノ酸配列をフラグメント化することに
より、プログルカゴンポリペプチドまたはGLP−1
(1〜37)のフラグメントを得ることも可能である。さ
らに、組換えDNA技術を利用してプログルカゴンペプ
チドまたはGLP−1(1〜37)の所望のフラグメント
を得ることが可能である[マニアチス(Maniatis, T.)ら
の「分子生物学:実験マニュアル」,コールド・スプリ
ング・ハーバー(1982年)参照]。
【0025】少なくともひとつのヒスチジン官能性部分
または修飾ヒスチジン官能性部分、および約6.0〜約
9.0の範囲の等電点をもつ所望のGLP−1分子を製
造すれば、公知の方法により、所望のGLP−1分子を
2価の金属カチオンと複合させて本発明化合物を製造す
ることができる。このような金属カチオンとしては、Z
++、Mn++、Fe++、Co++、Cd++、Ni++などが
挙げられる。Zn++が好ましい。通常、必要なヒスチジ
ン官能性部分または修飾ヒスチジン官能性部分および等
電点をもつ所望のGLP−1分子を、適当な緩衝液およ
び適当な形態の金属カチオンの混合物と組み合わせる。
【0026】適当な緩衝液とは、混合物のpHを約6.
0〜約9.0の範囲に維持し、反応を妨害しない緩衝液
である。好ましい緩衝液は、グードの緩衝液(HEPE
Sが特に好ましい)およびトリスならびにトリス酢酸で
ある。金属カチオンの適当な形態とは、本発明のGLP
−1分子と複合体を形成しうる2価の金属カチオンの形
態ならば、どのような形態でもよい。塩化亜鉛などの2
価の金属カチオン性塩を、それぞれのGLP−1基質1
分子に対して約50分子以下となるようなモル比で、過
剰に用いるのが好ましい。この工程の温度は、反応が遂
行されるのに十分な温度である。代表的には該反応は周
囲温度で行われる。この反応の生成物(結晶またはアモ
ルファス懸濁物)は、標準の技術を用いて単離精製され
る。
【0027】また、本発明は、本発明化合物および医薬
的に許容しうる担体、希釈剤または賦形剤からなる医薬
組成物を提供する。このような医薬組成物を、通常の製
剤手段を用いて製造し、それ単独またはその他の治療薬
と組み合わせて投与するが、非経口経路での投与が好ま
しい。特に好ましい投与経路として、筋肉内投与および
皮下投与が挙げられる。非経口の一日投与量(一日一回
投与が好ましい)は、約1pg/kg体重〜約1000μg/kg
体重の範囲であるが、これよりも多少の増減があっても
よい。要求される投与量は、患者の容体の重篤度ならび
に患者の身長、体重、性別、年齢および医療歴などの判
断基準によって変化する。
【0028】本発明組成物を製造する場合、有効成分
(少なくとも1種の本発明化合物を含む)を、通常、賦形
剤と混合するかまたは賦形剤で希釈する。賦形剤を希釈
剤として用いる場合、それは有効成分のビヒクル、担体
または媒体となる固体、半固体または液体材料であって
よい。製剤を製造する場合、他の成分と混合する前に、
有効化合物を粉砕して適当な粒子径にすることが必要で
ある。有効化合物が実質的に不溶性ならば、通常、それ
を粉砕して粒子径を約200メッシュ以下にする。有効
化合物が実質的に水溶性ならば、通常、粉砕して粒子径
を調節(たとえば40メッシュ)し、製剤中に実質的に均
一に分散するようにする。
【0029】適当な賦形剤としては、ラクトース、デキ
ストロース、スクロース、トレハロース、ソルビトー
ル、マンニトール、スターチ、アラビアゴム、ケイ酸カ
ルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、
セルロース、水、シロップおよびメチルセルロースが挙
げられる。さらに製剤は、タルク、ステアリン酸マグネ
シウムおよび鉱物油などの潤滑剤、湿潤剤、乳化剤およ
び懸濁剤、メチルおよびプロピルヒドロキシ安息香酸な
どの保存剤、甘味剤または香味剤を含むことができる。
本発明組成物は、当業界で公知の操作を用い、有効成分
が速放性、持続性または遅放性の製剤として製造するこ
とができる。
【0030】組成物は、通常、1投与量毎に約50μg
〜100mg、より好ましくは約1mg〜約10mgの有効成
分を含む単位投与剤形になるように製剤するのが好まし
い。語句「単位投与剤形」とは、ヒトおよびその他の哺
乳類への投与量単位として適する物理的に分離した単位
を意味し、各単位には、適当な医薬賦形剤と共同して所
望の治療効果を生むように計算された予定量の活性物質
が含まれる。非経口投与用としては、本発明化合物を含
む組成物を蒸留水で希釈するのが好ましく、そのpHは
約6.0〜約9.0に調節する。
【0031】さらに他の製剤技術を利用して、有効成分
の作用の持続時間をコントロールすることができる。本
発明化合物と複合するかまたは本発明化合物を吸収する
ポリマーの使用により、有効成分放出制御型製剤を得る
ことができる。放出を制御するために、適当な巨大分子
(たとえば、ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリビニル
ピロリドン、酢酸エチレンビニル、メチルセルロース、
カルボキシメチルセルロースおよび硫酸プロタミンな
ど)および該巨大分子の濃度ならびに混合法を選択して
制御型デリバリーを行う。放出制御型製剤による有効成
分の作用の持続時間をコントロールするための別の方法
は、本発明化合物をポリエステル、ポリアミノ酸、ヒド
ロゲル、ポリ(乳酸)またはエチレン・酢酸ビニル共重
合体などのポリマー物質の粒子と混合することである。
【0032】さらに別法として、化合物をこれらのポリ
マー粒子と混合する代わりに、本発明化合物を、コアセ
ルベーション技術または界面重合などによって調製され
たマイクロカプセル(それぞれ、たとえばヒドロキシメ
チルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセル)、も
しくはリポソーム、アルブミンマイクロスフィア、マイ
クロエマルジョン、ナノパーティクルおよびナノカプセ
ルなどのコロイド性ドラッグデリバリーシステム、ある
いはマクロエマルジョンに組み込ませることができる。
このような技術は「Remington's Pharmaceutical Scien
ces」(1980年)に記載されている。本発明化合物は
インスリン刺激活性を有している。したがって、本発明
の別の態様は、哺乳類の膵臓のB型膵島細胞に有効量の
本発明化合物を適用することを特徴とするインスリンの
発現の促進法である。同様に本発明は、有効量の本発明
化合物または組成物を、治療を必要とする哺乳類に投与
することを特徴とする哺乳類(好ましくはヒト)の成人
発症型糖尿病の治療法を提供する。
【0033】
【実施例】次に述べる実施例で本発明をより詳細に説明
する。いずれの実施例も本発明の請求の範囲を限定する
ものではない。実施例1 2つのGLP−1分子のアリコートを別々の小バイアル
中で凍結乾燥させる。塩化亜鉛を様々な濃度で含有する
0.1M HEPES(N−[2−ヒドロキシエチル]ピペ
ラジン−N'−[2−エタンスルホン酸])緩衝液(pH7.
4)を、該アリコートに何回かに分けて加え、約0.1mg
/mlのタンパク質濃度を得る。試料を混合し、周囲温度
(22℃)で18時間貯蔵する。次いで、混合物を5分間
遠心分離する[Fischer Model235Cマイクロ遠心分離
機]。透明な上清を遠心管からピペットで採取する。分
光光度計[Gilford260]で280nmにおける吸光度
を測定することにより、上清のタンパク質含量を評価す
る。1cmキュベットを用いてこの波長で測定されるGL
P−1分子の0.1mg/ml溶液の吸光度の理論値は、0.
207である。この実験の結果を下記表2に示す。
【0034】
【表2】 この実験から、これらの希釈溶液から複合体が形成さ
れ、GLP−1分子の大部分が沈殿するために、少量の
亜鉛しか必要でないことが示される。
【0035】実施例2 GLP−1(7〜36)アミド(5mg)を、亜鉛を含まない
0.1M HEPES緩衝液(pH7.4)(2.5ml)に、完
全に溶解する。さらに、0.6mMの塩化亜鉛を含有す
る0.1M HEPES緩衝液(pH7.4)(2.5ml)を素
早く加える。この試料中の亜鉛とGLP−1(7〜36)
アミドのおよそのモル比は、1:1である。溶液は、す
ぐに濁り、まもなく沈殿が生成する。混合物を周囲温度
(22℃)で18時間貯蔵する。沈殿はガラスバイアルの
底に付着してフィルム状になる。上清を傾瀉とピペット
操作により完全に除去する。次いで、沈殿を0.01N
塩酸(5.0ml)に完全に溶解する。上清および再溶解し
た沈殿の溶液の両方の280nmにおける吸光度を測定
する。両方の溶液中の亜鉛濃度を原子吸光分析で定量す
る。この実験の結果を下記表3に示す。
【0036】
【表3】 280nmでの吸光度 亜鉛濃度(PPM) 上清(5ml) 0.118 9.02 再溶解した沈殿(5ml) 1.932 13.3 この実験から、亜鉛含有HEPES溶液を加える場合、
溶液からほとんどのGLP−1(7〜36)アミドが沈殿
することが示される。280nmの吸光度の値1.93
2は、再溶解した沈殿中のGLP−1(7〜36)アミド
の濃度が0.933mg/mlまたは283μMであることを
示す。この同じ溶液の亜鉛濃度、13.3ppmは、2
03μMの亜鉛濃度に相当する。したがって、沈殿中の
亜鉛とGLP−1(7〜36)アミドのモル比は、0.7
17:1である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジェイムズ・アーサー・ホフマン アメリカ合衆国46143インディアナ州グリ ーンウッド、ウッドランド・ストリーム ズ・ドライブ4272番

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともひとつのヒスチジン官能性部
    分または修飾ヒスチジン官能性部分をもち、約6.0〜
    約9.0の範囲に等電点をもつGLP−1分子を含む、
    2価の金属カチオンと複合した化合物。
  2. 【請求項2】 GLP−1分子がGLP−1(7−36)
    アミドであり、2価の金属カチオンが亜鉛である請求項
    1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 有効成分である請求項1または2に記載
    のGLP−1化合物またはその医薬的に許容しうる塩お
    よび1種または2種以上の医薬的に許容しうる担体から
    なる医薬製剤。
JP6303404A 1993-12-09 1994-12-07 グルカゴン様インスリン刺激ペプチド、組成物およびその製造法 Pending JPH07196695A (ja)

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