JPH07152051A - 光導波路素子 - Google Patents
光導波路素子Info
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- JPH07152051A JPH07152051A JP29821193A JP29821193A JPH07152051A JP H07152051 A JPH07152051 A JP H07152051A JP 29821193 A JP29821193 A JP 29821193A JP 29821193 A JP29821193 A JP 29821193A JP H07152051 A JPH07152051 A JP H07152051A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 導波形光制御素子のDCドリフトにおける時
間経過に対する変動量を小さくする。 【構成】 光導波路素子31は、Z−cut ニオブ酸リチ
ウム結晶基板32上にチタンを熱拡散して光導波路3
3、34を形成している。その上に光学的バッファ層3
5を堆積させ、光導波路33、34近傍の光学的バッフ
ァ層35上に制御用電極37、38を配置している。光
学的バッファ層35の体積抵抗率を結晶基板32の1倍
から100倍の範囲に設定すると電界の過渡応答による
DCドリフトの変動量を小さくすることができる。
間経過に対する変動量を小さくする。 【構成】 光導波路素子31は、Z−cut ニオブ酸リチ
ウム結晶基板32上にチタンを熱拡散して光導波路3
3、34を形成している。その上に光学的バッファ層3
5を堆積させ、光導波路33、34近傍の光学的バッフ
ァ層35上に制御用電極37、38を配置している。光
学的バッファ層35の体積抵抗率を結晶基板32の1倍
から100倍の範囲に設定すると電界の過渡応答による
DCドリフトの変動量を小さくすることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば光通信において光
波の変調や光路の切り替え等に用いられる光導波路素子
に係わり、特に結晶基板上部表面に形成された光導波路
を用いて光の出力端を制御するようにした光導波路素子
に関する。
波の変調や光路の切り替え等に用いられる光導波路素子
に係わり、特に結晶基板上部表面に形成された光導波路
を用いて光の出力端を制御するようにした光導波路素子
に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信システムの実用化が進展してお
り、大容量かつ多機能の高度なシステムの開発が進めら
れている。このような状況の下で、光伝送路の交換機能
や、光データバス端末間の接続や切り替え等の新たな機
能が求められており、いわゆる光スイッチングネットワ
ークの必要性が高まっている。
り、大容量かつ多機能の高度なシステムの開発が進めら
れている。このような状況の下で、光伝送路の交換機能
や、光データバス端末間の接続や切り替え等の新たな機
能が求められており、いわゆる光スイッチングネットワ
ークの必要性が高まっている。
【0003】現在実用化されている光通信システムで
は、半導体レーザや発光ダイオードの注入電流を直接変
調して光信号を得るようになっている。ところがこのよ
うな直接変調では、緩和振動等の効果によって、10G
Hz前後からこれ以上の高速変調が困難になるという問
題があった。また、波長変動が発生するために、長距離
伝送やコヒーレント光伝送方式に適用させることが難し
い等の問題もあった。更に、このような光通信システム
の光伝送路に使用される光路切り替えに用いるスイッチ
は、プリズムやミラーあるいはファイバ等の光学部品を
機械的に移動させる構成となっており、その応答が低速
であることや、信頼性が不十分であること、ならびに形
状が大きくなって多数のスイッチをマトリックス化して
配置することが不適当である等の問題もあった。
は、半導体レーザや発光ダイオードの注入電流を直接変
調して光信号を得るようになっている。ところがこのよ
うな直接変調では、緩和振動等の効果によって、10G
Hz前後からこれ以上の高速変調が困難になるという問
題があった。また、波長変動が発生するために、長距離
伝送やコヒーレント光伝送方式に適用させることが難し
い等の問題もあった。更に、このような光通信システム
の光伝送路に使用される光路切り替えに用いるスイッチ
は、プリズムやミラーあるいはファイバ等の光学部品を
機械的に移動させる構成となっており、その応答が低速
であることや、信頼性が不十分であること、ならびに形
状が大きくなって多数のスイッチをマトリックス化して
配置することが不適当である等の問題もあった。
【0004】そこで、これらの問題点を解消するものと
して、基板上に光導波路を形成した光制御素子が各種提
案されている。このような光制御素子は、高速であり、
また多くの素子を基板上に集積することが可能である。
また、光学部品を機械的に移動させる必要がないので高
信頼性である等の優れた特徴を有している。特にニオブ
酸リチウム(LiNbO3)等の強誘電帯材料を使用した光制
御素子は、光吸収が少なく低損失であり、また大きな電
気光学効果を有しているために効率が高い等の特徴をも
っている。
して、基板上に光導波路を形成した光制御素子が各種提
案されている。このような光制御素子は、高速であり、
また多くの素子を基板上に集積することが可能である。
また、光学部品を機械的に移動させる必要がないので高
信頼性である等の優れた特徴を有している。特にニオブ
酸リチウム(LiNbO3)等の強誘電帯材料を使用した光制
御素子は、光吸収が少なく低損失であり、また大きな電
気光学効果を有しているために効率が高い等の特徴をも
っている。
【0005】しかしながら、このようなニオブ酸リチウ
ムやタンタル酸リチウム(LiTaO3)基板等の電気光学結
晶を用いた導波形の光制御素子は、時間の経過と共に、
印加電圧に対して出力される光強度が変動する動作点シ
フト(DCドリフト)と呼ばれる現象が発生する。これ
が光制御素子素子の寿命を制限している。そこで、導波
形の光制御素子の実用化に際しては、DCドリフトに対
する解決が不可欠な課題となっている。
ムやタンタル酸リチウム(LiTaO3)基板等の電気光学結
晶を用いた導波形の光制御素子は、時間の経過と共に、
印加電圧に対して出力される光強度が変動する動作点シ
フト(DCドリフト)と呼ばれる現象が発生する。これ
が光制御素子素子の寿命を制限している。そこで、導波
形の光制御素子の実用化に際しては、DCドリフトに対
する解決が不可欠な課題となっている。
【0006】図6は、導波形の光制御素子の代表例とし
て方向性結合形光スイッチを示したものである。この方
向性結合形光スイッチ11は、ニオブ酸リチウムからな
る結晶基板12上にチタン(Ti)等の金属を拡散して光
導波路13、14を形成したものである。これら光導波
路13、14は、基板中央部で数μm程度の間隔で近接
配置しており、光方向性結合器15を構成している。光
導波路13、14上には、図示しないバッファ層が配置
されており、これを介して一対の制御電極16、17が
配置されている。
て方向性結合形光スイッチを示したものである。この方
向性結合形光スイッチ11は、ニオブ酸リチウムからな
る結晶基板12上にチタン(Ti)等の金属を拡散して光
導波路13、14を形成したものである。これら光導波
路13、14は、基板中央部で数μm程度の間隔で近接
配置しており、光方向性結合器15を構成している。光
導波路13、14上には、図示しないバッファ層が配置
されており、これを介して一対の制御電極16、17が
配置されている。
【0007】この図6に示した方向性結合形光スイッチ
11の基本的な動作原理を説明する。一方の光導波路と
して、例えば光導波路14の端面についてまず考察す
る。この光導波路14の端面から入射した光波21は、
この光導波路14中を伝搬し、光方向性結合器15の部
分で近接した他方の光導波路13にエネルギが移行す
る。光方向性結合器15の長さを完全結合長Lcに一致
させた場合、ほぼ100%のエネルギが光導波路13に
移って出射光22となる。
11の基本的な動作原理を説明する。一方の光導波路と
して、例えば光導波路14の端面についてまず考察す
る。この光導波路14の端面から入射した光波21は、
この光導波路14中を伝搬し、光方向性結合器15の部
分で近接した他方の光導波路13にエネルギが移行す
る。光方向性結合器15の長さを完全結合長Lcに一致
させた場合、ほぼ100%のエネルギが光導波路13に
移って出射光22となる。
【0008】一方、2つの制御電極16、17の間に所
定の電圧を印加した場合には、電気光学効果によって光
導波路13、14の屈折率が変化し、両者の屈折率が等
しくなくなる。これにより、両者を伝搬する光波の間で
位相不整合が生じて結合状態が変化し、入射した光導波
路14からの出射光23となる。
定の電圧を印加した場合には、電気光学効果によって光
導波路13、14の屈折率が変化し、両者の屈折率が等
しくなくなる。これにより、両者を伝搬する光波の間で
位相不整合が生じて結合状態が変化し、入射した光導波
路14からの出射光23となる。
【0009】DCドリフトは、2つの制御電極16、1
7に直流電圧を印加すると、バッファ層内でイオンの移
動が起こり、そのイオンが負電極に吸引されて反電界を
形成し、外部からの印加電界を打ち消すことによるもの
と考えられている。このDCドリフトを抑圧するために
は、酸素雰囲気中の二酸化シリコン(SiO2)高温アニー
ルを行うことや、制御電極16、17間のバッファ層を
用いない構成とすることが知られている。また、最近で
はDCドリフトをより効果的に抑制する手法として、特
開昭61−198133号公報に記載されているように
バッファ層を導電性材料と絶縁性材料を合成した材料で
形成する技術も開示されている。また、特開平5−11
3513号公報に開示されているようにニオブ酸リチウ
ム等の結晶基板に、燐(P)等の5族元素あるいは塩素
(cl)をドーピングするようにした技術等も提案されて
いる。
7に直流電圧を印加すると、バッファ層内でイオンの移
動が起こり、そのイオンが負電極に吸引されて反電界を
形成し、外部からの印加電界を打ち消すことによるもの
と考えられている。このDCドリフトを抑圧するために
は、酸素雰囲気中の二酸化シリコン(SiO2)高温アニー
ルを行うことや、制御電極16、17間のバッファ層を
用いない構成とすることが知られている。また、最近で
はDCドリフトをより効果的に抑制する手法として、特
開昭61−198133号公報に記載されているように
バッファ層を導電性材料と絶縁性材料を合成した材料で
形成する技術も開示されている。また、特開平5−11
3513号公報に開示されているようにニオブ酸リチウ
ム等の結晶基板に、燐(P)等の5族元素あるいは塩素
(cl)をドーピングするようにした技術等も提案されて
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来の手
法は、イオン移動によるドリフト現象の抑圧あるいは低
減に有効である。しかしながら、このような手法は、D
C電圧印加時の電界の過渡応答による出力光の強度の変
動に対しては全く効果がない。これは、光制御素子を構
成する結晶基板およびバッファ層における直流での体積
抵抗率や誘電率によって電界の過渡応答が発生し、その
飽和値および飽和時間が決定されることによる。
法は、イオン移動によるドリフト現象の抑圧あるいは低
減に有効である。しかしながら、このような手法は、D
C電圧印加時の電界の過渡応答による出力光の強度の変
動に対しては全く効果がない。これは、光制御素子を構
成する結晶基板およびバッファ層における直流での体積
抵抗率や誘電率によって電界の過渡応答が発生し、その
飽和値および飽和時間が決定されることによる。
【0011】そこで本発明の目的は、導波形光制御素子
の結晶基板およびバッファ層等の層構造における直流で
の体積抵抗率や誘電率の最適化を図ることにより、電界
の過渡応答によるDCドリフトにおける時間経過に対す
る変動量そのものを小さくすることのできる光導波路素
子を提供することにある。
の結晶基板およびバッファ層等の層構造における直流で
の体積抵抗率や誘電率の最適化を図ることにより、電界
の過渡応答によるDCドリフトにおける時間経過に対す
る変動量そのものを小さくすることのできる光導波路素
子を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、電気光学効果を有する強誘電体結晶基板と、この基
板上に形成された光導波路と、この光導波路に入射した
光の出力端を制御するための制御電極と、この制御電極
と光導波路の間に配置されその直流における体積抵抗率
が強誘電体結晶基板の体積抵抗率に対して1倍から10
0倍の範囲に調整された光学的バッファ層とを光導波路
素子に具備させる。
は、電気光学効果を有する強誘電体結晶基板と、この基
板上に形成された光導波路と、この光導波路に入射した
光の出力端を制御するための制御電極と、この制御電極
と光導波路の間に配置されその直流における体積抵抗率
が強誘電体結晶基板の体積抵抗率に対して1倍から10
0倍の範囲に調整された光学的バッファ層とを光導波路
素子に具備させる。
【0013】すなわち請求項1記載の発明では、制御電
極と光導波路の間に配置された光学的バッファ層の直流
における体積抵抗率を、強誘電体結晶基板の体積抵抗率
に対して1倍から100倍の範囲に設定し、電界の過渡
応答によるDCドリフトにおける時間経過に対する変動
量そのものを小さくしている。
極と光導波路の間に配置された光学的バッファ層の直流
における体積抵抗率を、強誘電体結晶基板の体積抵抗率
に対して1倍から100倍の範囲に設定し、電界の過渡
応答によるDCドリフトにおける時間経過に対する変動
量そのものを小さくしている。
【0014】請求項2記載の発明では、光導波路素子の
好適な一例として、強誘電体結晶基板をニオブ酸リチウ
ム結晶基板で構成し、光学的バッファ層を二酸化シリコ
ンで構成することにしている。
好適な一例として、強誘電体結晶基板をニオブ酸リチウ
ム結晶基板で構成し、光学的バッファ層を二酸化シリコ
ンで構成することにしている。
【0015】請求項3記載の発明では、光導波路がマッ
ハツェンダ形光干渉器を構成してもよいことを明らかに
し、請求項4記載の発明では、この光導波路が方向性結
合器を構成してもよいことを明らかにしている。
ハツェンダ形光干渉器を構成してもよいことを明らかに
し、請求項4記載の発明では、この光導波路が方向性結
合器を構成してもよいことを明らかにしている。
【0016】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の一実施例における光導波路
素子の断面構造を表わしたものである。この光導波路素
子31は、Z軸方向にカットした(Z−cut )ニオブ酸
リチウム結晶基板(LiNbO3)32上にチタン(Ti)を熱
拡散して光導波路33、34を形成している。そして、
その上に光学的バッファ層35として二酸化シリコン
(SiO2)を堆積させ、更に光導波路33、34近傍の光
学的バッファ層35上に制御用電極37、38を配置し
ている。結晶基板32の体積抵抗率は、バルクの部分の
1017Ωcmオーダよりも低く、本実施例では1015Ω
cm程度となっている。これは、結晶基板32からのリ
チウム外拡散を抑止するために、水蒸気雰囲気中でチタ
ン拡散を行っていることによる。
素子の断面構造を表わしたものである。この光導波路素
子31は、Z軸方向にカットした(Z−cut )ニオブ酸
リチウム結晶基板(LiNbO3)32上にチタン(Ti)を熱
拡散して光導波路33、34を形成している。そして、
その上に光学的バッファ層35として二酸化シリコン
(SiO2)を堆積させ、更に光導波路33、34近傍の光
学的バッファ層35上に制御用電極37、38を配置し
ている。結晶基板32の体積抵抗率は、バルクの部分の
1017Ωcmオーダよりも低く、本実施例では1015Ω
cm程度となっている。これは、結晶基板32からのリ
チウム外拡散を抑止するために、水蒸気雰囲気中でチタ
ン拡散を行っていることによる。
【0018】本実施例では光学的バッファ層35の体積
抵抗率を、成膜条件を制御して10 16Ωcm程度とし、
結晶基板32の約10倍程度に設定した。これにより、
電界の過渡応答によるDCドリフトの変動量を小さくす
ることができ、素子寿命を延ばすことができる。
抵抗率を、成膜条件を制御して10 16Ωcm程度とし、
結晶基板32の約10倍程度に設定した。これにより、
電界の過渡応答によるDCドリフトの変動量を小さくす
ることができ、素子寿命を延ばすことができる。
【0019】図2は、図1に示した光導波路素子の電気
的な等価回路を素子の断面構造に対応させて表わしたも
のである。制御用電極37、38の各ノード41、42
の間には、スイッチ43を介して電圧Eの直流電源44
が接続されている。制御用電極37、38と結晶基板3
2のそれぞれ対応する光導波路33、34の間の光学的
バッファ層35には、それぞれ容量Cfdおよび抵抗Rfd
の並列回路が等価的に接続されており、光学的バッファ
層35におけるこれらの2つのノード43、44の間に
は容量Cftおよび抵抗Rftの並列回路が等価的に接続さ
れている。結晶基板32における各光導波路33、34
は、それぞれ容量Cbdおよび抵抗Rbdの並列回路で表わ
すことができ、これらに対応するノード45、46の間
には容量Cbtおよび抵抗Rbtの並列回路が等価的に接続
されている。
的な等価回路を素子の断面構造に対応させて表わしたも
のである。制御用電極37、38の各ノード41、42
の間には、スイッチ43を介して電圧Eの直流電源44
が接続されている。制御用電極37、38と結晶基板3
2のそれぞれ対応する光導波路33、34の間の光学的
バッファ層35には、それぞれ容量Cfdおよび抵抗Rfd
の並列回路が等価的に接続されており、光学的バッファ
層35におけるこれらの2つのノード43、44の間に
は容量Cftおよび抵抗Rftの並列回路が等価的に接続さ
れている。結晶基板32における各光導波路33、34
は、それぞれ容量Cbdおよび抵抗Rbdの並列回路で表わ
すことができ、これらに対応するノード45、46の間
には容量Cbtおよび抵抗Rbtの並列回路が等価的に接続
されている。
【0020】今、ある時間tに一方の光導波路34のノ
ード44、46間に作用する電圧をV(44,46、
t)で表わすものとする。このときのDCドリフトをD
(44,46、t)とすると、これは次の(1)式で示
すことができる。
ード44、46間に作用する電圧をV(44,46、
t)で表わすものとする。このときのDCドリフトをD
(44,46、t)とすると、これは次の(1)式で示
すことができる。
【0021】
【数1】
【0022】図3は、図2に示した等価回路による電界
過度応答シミュレーション結果を示したものである。図
中の各曲線は、図2に示した等価回路における結晶基板
32に対する光学的バッファ層35の膜厚を一定とした
体積抵抗率の比Rfd/Rbdをパラメータにして、DCド
リフトであるD(44,46、t)の挙動の一例を示し
たものである。体積抵抗率の比Rfd/Rbdが10倍のと
きは図で白丸で示しているが、電界過度応答によるDC
ドリフトが20%程度に抑圧されていることがわかる。
体積抵抗率の比Rfd/Rbdが100倍のときは図で黒丸
で示している。これよりも比が多くなると、飽和時にお
けるDCドリフト量(%)が100%に近づき、好まし
くない。また、体積抵抗率の比Rfd/Rbdが例えば0.
1倍のときには図で黒の菱形で示しているが経過時間の
初期段階(図では例えば1時間の時点)でDCドリフト
量(%)が“0”から急激に変化しており、また、更に
膜厚を厚くした場合、さらに変化が大きくなるので好ま
しくない。体積抵抗率の比Rfd/Rbdが1倍のときには
図で黒の四角で示しているが、これが倍率の低い場合の
好ましい特性の限界となる。
過度応答シミュレーション結果を示したものである。図
中の各曲線は、図2に示した等価回路における結晶基板
32に対する光学的バッファ層35の膜厚を一定とした
体積抵抗率の比Rfd/Rbdをパラメータにして、DCド
リフトであるD(44,46、t)の挙動の一例を示し
たものである。体積抵抗率の比Rfd/Rbdが10倍のと
きは図で白丸で示しているが、電界過度応答によるDC
ドリフトが20%程度に抑圧されていることがわかる。
体積抵抗率の比Rfd/Rbdが100倍のときは図で黒丸
で示している。これよりも比が多くなると、飽和時にお
けるDCドリフト量(%)が100%に近づき、好まし
くない。また、体積抵抗率の比Rfd/Rbdが例えば0.
1倍のときには図で黒の菱形で示しているが経過時間の
初期段階(図では例えば1時間の時点)でDCドリフト
量(%)が“0”から急激に変化しており、また、更に
膜厚を厚くした場合、さらに変化が大きくなるので好ま
しくない。体積抵抗率の比Rfd/Rbdが1倍のときには
図で黒の四角で示しているが、これが倍率の低い場合の
好ましい特性の限界となる。
【0023】したがって、光学的バッファ層の直流にお
ける体積抵抗率は、強誘電体結晶基板の体積抵抗率に対
して1倍から100倍の範囲に調整されていることが好
ましく、この図には示していないが2倍から20倍程度
が更に好ましいことになる。すなわち、結晶基板32の
体積抵抗率が1015Ωcm程度である場合には、10 16
Ωcmのオーダの体積抵抗率を有する二酸化シリコン
(SiO2)膜を光学的バッファ層35として用いること
で、電界過度応答によるDCドリフトを長期間有効に抑
えることができる。
ける体積抵抗率は、強誘電体結晶基板の体積抵抗率に対
して1倍から100倍の範囲に調整されていることが好
ましく、この図には示していないが2倍から20倍程度
が更に好ましいことになる。すなわち、結晶基板32の
体積抵抗率が1015Ωcm程度である場合には、10 16
Ωcmのオーダの体積抵抗率を有する二酸化シリコン
(SiO2)膜を光学的バッファ層35として用いること
で、電界過度応答によるDCドリフトを長期間有効に抑
えることができる。
【0024】変形例
【0025】図4は、本発明の第1の変形例における光
導波路素子の光導波路素子の断面構造を表わしたもので
ある。この図で図1と同一部分には同一の符号を付して
おり、これらの説明を適宜省略する。この第1の変形例
の光導波路素子51の場合には、光学的バッファ層35
Aを制御用電極37、38の間の部分から除去してい
る。これにより、光学的バッファ層35Aにおけるイオ
ン移動による反電界の形成を阻止することができ、電界
の過渡応答によるDCドリフトを抑圧することができ
る。
導波路素子の光導波路素子の断面構造を表わしたもので
ある。この図で図1と同一部分には同一の符号を付して
おり、これらの説明を適宜省略する。この第1の変形例
の光導波路素子51の場合には、光学的バッファ層35
Aを制御用電極37、38の間の部分から除去してい
る。これにより、光学的バッファ層35Aにおけるイオ
ン移動による反電界の形成を阻止することができ、電界
の過渡応答によるDCドリフトを抑圧することができ
る。
【0026】図5は、本発明の第2の変形例における光
導波路素子の光導波路素子の断面構造を表わしたもので
ある。この図で図1と同一部分には同一の符号を付して
おり、これらの説明を適宜省略する。この第2の変形例
の光導波路素子61の場合には、光学的バッファ層35
Bを制御用電極37、38と光導波路33、34に挟ま
れた部分のみ存在させている。そして、結晶基板32の
上部より、内部温度上昇に対して特性が安定化するとい
う効果があることが知られている帯電防止膜62を成膜
している。この場合にも、光学的バッファ層35Bにお
けるイオン移動による反電界の形成を阻止することがで
き、電界の過渡応答によるDCドリフトを抑圧すること
ができる。
導波路素子の光導波路素子の断面構造を表わしたもので
ある。この図で図1と同一部分には同一の符号を付して
おり、これらの説明を適宜省略する。この第2の変形例
の光導波路素子61の場合には、光学的バッファ層35
Bを制御用電極37、38と光導波路33、34に挟ま
れた部分のみ存在させている。そして、結晶基板32の
上部より、内部温度上昇に対して特性が安定化するとい
う効果があることが知られている帯電防止膜62を成膜
している。この場合にも、光学的バッファ層35Bにお
けるイオン移動による反電界の形成を阻止することがで
き、電界の過渡応答によるDCドリフトを抑圧すること
ができる。
【0027】なお、以上説明した実施例および変形例で
は光導波路素子の光導波路を方向性結合器として実現し
た例を示したが、分波部と合波部を有する分波干渉計と
してのマッハツェンダ干渉計として実現することも可能
である。この場合にも、前記したように光学的バッファ
層が、その直流における体積抵抗率が強誘電体結晶基板
の体積抵抗率に対して1倍から100倍の範囲に調整さ
れることが好ましい。
は光導波路素子の光導波路を方向性結合器として実現し
た例を示したが、分波部と合波部を有する分波干渉計と
してのマッハツェンダ干渉計として実現することも可能
である。この場合にも、前記したように光学的バッファ
層が、その直流における体積抵抗率が強誘電体結晶基板
の体積抵抗率に対して1倍から100倍の範囲に調整さ
れることが好ましい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、制
御電極と光導波路の間に配置された光学的バッファ層の
直流における体積抵抗率を、強誘電体結晶基板の体積抵
抗率に対して1倍から100倍の範囲に設定したので、
電界の過渡応答によるDCドリフトにおける時間経過に
対する変動量そのものを小さくし、光導波路素子の寿命
を延ばすことができる。
御電極と光導波路の間に配置された光学的バッファ層の
直流における体積抵抗率を、強誘電体結晶基板の体積抵
抗率に対して1倍から100倍の範囲に設定したので、
電界の過渡応答によるDCドリフトにおける時間経過に
対する変動量そのものを小さくし、光導波路素子の寿命
を延ばすことができる。
【図1】本発明の一実施例における光導波路素子の断面
図である。
図である。
【図2】図1に示した光導波路素子の電気的な等価回路
を素子の断面構造に対応させて表わした回路図である。
を素子の断面構造に対応させて表わした回路図である。
【図3】図2に示した等価回路による電界過度応答シミ
ュレーション結果を示した特性図である。
ュレーション結果を示した特性図である。
【図4】本発明の第1の変形例における光導波路素子の
断面図である。
断面図である。
【図5】本発明の第2の変形例における光導波路素子の
断面図である。
断面図である。
【図6】導波形の光制御素子の一種である方向性結合形
光スイッチの一般的な構成を示す斜視図である。
光スイッチの一般的な構成を示す斜視図である。
31、51、61 光導波路素子 32 ニオブ酸リチウム結晶基板 33、34 光導波路 35、35A、35B 光学的バッファ層 37、38 制御用電極 41〜46 ノード 62 帯電防止膜
Claims (4)
- 【請求項1】 電気光学効果を有する強誘電体結晶基板
と、 この基板上に形成された光導波路と、 この光導波路に入射した光の出力端を制御するための制
御電極と、 この制御電極と前記光導波路の間に配置されその直流に
おける体積抵抗率が前記強誘電体結晶基板の体積抵抗率
に対して1倍から100倍の範囲に調整された光学的バ
ッファ層とを具備することを特徴とする光導波路素子。 - 【請求項2】 前記強誘電体結晶基板はニオブ酸リチウ
ム結晶基板であり、光学的バッファ層は二酸化シリコン
であることを特徴とする請求項1記載の光導波路素子。 - 【請求項3】 前記光導波路は、マッハツェンダ形光干
渉器を構成することを特徴とする請求項1記載の光導波
路素子。 - 【請求項4】 前記光導波路は、方向性結合器を構成す
ることを特徴とする請求項1記載の光導波路素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29821193A JPH07152051A (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | 光導波路素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29821193A JPH07152051A (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | 光導波路素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07152051A true JPH07152051A (ja) | 1995-06-16 |
Family
ID=17856661
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29821193A Pending JPH07152051A (ja) | 1993-11-29 | 1993-11-29 | 光導波路素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07152051A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015014715A (ja) * | 2013-07-05 | 2015-01-22 | Tdk株式会社 | 電気光学デバイス |
-
1993
- 1993-11-29 JP JP29821193A patent/JPH07152051A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015014715A (ja) * | 2013-07-05 | 2015-01-22 | Tdk株式会社 | 電気光学デバイス |
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