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JPH0680527B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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Publication number
JPH0680527B2
JPH0680527B2 JP10227185A JP10227185A JPH0680527B2 JP H0680527 B2 JPH0680527 B2 JP H0680527B2 JP 10227185 A JP10227185 A JP 10227185A JP 10227185 A JP10227185 A JP 10227185A JP H0680527 B2 JPH0680527 B2 JP H0680527B2
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JP
Japan
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general formula
group
carbon atoms
magnetic
polyurethane resin
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP10227185A
Other languages
English (en)
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JPS61260419A (ja
Inventor
剛志 八塚
力 杉峠
克也 江本
裕 水村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP10227185A priority Critical patent/JPH0680527B2/ja
Publication of JPS61260419A publication Critical patent/JPS61260419A/ja
Publication of JPH0680527B2 publication Critical patent/JPH0680527B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は磁気テープ、磁気デイスク等、磁気記録媒体に
関するものである。更に詳しくは非磁性支持体上に設け
た磁性層の結合剤成分として優れた特性を有する熱可塑
性ポリウレタン樹脂を用いた磁気記録媒体に関する。
(従来の技術) 汎用的磁気記録媒体である磁気テープは、長軸1μm以
下の針状磁性粒子を適当な添加剤(分散剤、潤滑剤、帯
電防止剤等)とともに結合剤溶液中に分散させて磁性塗
料をつくり、これをポリエチレンテレフタレートフィル
ムに塗布して製造されている。
磁気記録媒体の結合剤に要求される特性としては磁性粒
子の分散性、充填性、配向性、磁性層の耐久性、耐摩耗
性、耐熱性、平滑性、非磁性支持体との接着性等があげ
られ、結合剤は非常に重要な役割を果している。従来よ
り用いられている結合剤としては、塩化ビニル・酢酸ビ
ニル共重合体、塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコ
ール共重合体、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、
ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリ
ル・ブタジエン共重合体、ニトロセルロース、セルロー
ス・アセテート・ブチレート、エポキシ樹脂あるいはア
クリル樹脂等が使用されている。
これらの樹脂のうちポリウレタン樹脂はウレタン結合に
よる分子間水素結合により、他の樹脂と比べて、強靭
性、耐摩耗性等の特性は優れているが、磁性粒子の分散
性が悪いという大きな欠点がある。この分散性を向上さ
せるには本発明者等が既に見い出したように、特定のリ
ン化合物あるいはその金属塩を樹脂中に導入することが
有効である(特願昭58−128470号および特願昭59−1703
7号)。しかし、磁気記録媒体のS/N比の向上のために、
磁性層中に磁性粒子をできるだけ多く充填するという高
充填化の要求、より微粒子化した磁性粒子を高分散させ
る等の要求には特定のリン化合物あるいはその塩の導入
は効果は認められるが、必ずしも満足できるものではな
いのが現状である。
また、従来のアジペートタイプあるいはカプロラクトン
タイプのポリウレタン樹脂単独では、耐ブロッキング
性、耐熱性、走行安定性等の特性が劣る。このため、ポ
リウレタン樹脂とニトロセルロースあるいは塩化ビニル
・酢酸ビニル系共重合体との混合系が特に用いられてい
る。しかし、耐久性、耐摩耗性、走行安定性等の特性に
関しても、ビディオテープ、電子計算機用テープ、フロ
ッピーディスク等の高性能を要求される分野では、未だ
不充分である。
磁気記録媒体の耐久性、耐摩耗性、走行安定性等を向上
させる方法として、高級アルコール、長鎖脂肪酸あるい
はそのエステル化合物、シリコーンオイル、含フッ素化
合物の潤滑剤を使用して、磁性層表面の摩擦係数を低下
させることが知られているが、この場合には磁性層表面
に添加剤がブリードすることによる経時的な走行特性の
変化、ヘッドの目詰りを生じるという欠点あるいは低分
子量化合物が磁性層に含まれることによる塗膜強度の低
下等の欠点がある。
潤滑剤を添加する方法でのこれらの欠点を解消するた
め、潤滑剤成分を結合剤中に導入する試みがなされてい
る。たとえば特開昭58−218034号公報では、汎用的なシ
リコーンオイルの構成成分であるジメチルシロキサン結
合を有するポリジメチルシロキサンジカルビノールをポ
リオール成分とするポリウレタン樹脂が、磁気記録媒体
の結合剤として記載されている。上記の特開昭58−2180
34号公報に記載されたポリアルキレンシロキサンジカル
ビノールをポリオール成分とするポリウレタン樹脂を磁
気記録媒体の結合剤とした場合、特開昭58−218034号公
報に記載されているように、耐摩耗性、耐久性、走行安
定生には優れているが、しかし汎用的な非磁性支持体で
あるポリエチレンテレフタレートフイルムとの接着性が
非常に悪く磁性粒子の分散性に乏しく、特に磁性粒子の
高充填化、微粒子化した磁性粒子の分散性の改良には効
果がない。また他樹脂との相溶性が極端に乏しく、実用
上、他樹脂を混合して使用することは不可能であり、そ
のためこの樹脂単独で磁気記録媒体の結合剤に要求され
る特性、たとえば耐熱性、耐寒性、適度なスティッフネ
ス、非磁性支持体との接着性等を満たさねばならない
が、特開昭58−218034号公報に記載されたポリウレタン
樹脂単独では結合剤に要求される特性を満足できない。
また、ポリシロキサン結合をポリウレタン樹脂中に導入
することは、分子中に水酸基を有するポリシロキサン結
合物がアジペートタイプポリエステルジオール、ポリカ
プロラクトン等の汎用的なポリウレタン原料と相溶性が
ないため、ポリウレタン樹脂の従来の製造方法では困難
である。またたとえ得られたとしても、磁気記録媒体の
製造時に用いるトルエン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル等の
汎用有機溶剤には不溶あるいは白濁した溶液となる。
(発明の解決しようとする問題点) 以上の情況に鑑み、本発明の目的は以下の通りである。
磁性粒子の分散性、充填性、配向性が優れた磁気記
録媒体を提供すること。
ポリエステルフイルムとの接着性、他樹脂との相溶
性、汎用有機溶剤への溶解性等に優れたポリシロキサン
結合を分子中に有するポリウレタン樹脂を見い出し、該
ポリウレタン樹脂を結合剤成分とする耐摩耗性、耐久
性、走行安定性、ポリエステルフイルムとの接着性等に
優れた磁気記録媒体を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明は結合剤成分として原料の一成分が1分子中に2
個の水酸基を有する限定されたポリシロキサン化合物を
使用して得られた、分子中に特定のリン化合物あるいは
その金属塩を導入して得られるポリウレタン樹脂を用い
ることを特徴とする。
すなわち本発明は非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤
中に分散させた磁性材料を塗布した磁気記録媒体におい
て、該結合剤の成分として、有機ジイソシアネート
(A)、分子量500〜5,000のポリエステルジオール
(B)、下記一般式(I)で示されるポリシロキサン化
合物(C)および必要により分子量500未満の鎖延長剤
(D)とを反応させて得られた分子量6,000〜50,000の
ポリウレタン樹脂を含み、前記分子量500〜5,000のポリ
エステルジオール(B)の少なくとも1種は、分子中に
下記の一般式(III)〜(VIII)で示されるリン化合物
を共重合したポリエステルジオールであることを特徴と
する磁気記録媒体である。
一般式(I): (式中、R2、R3は炭素原子数1〜6のアルキル基および
/又はフェニル基であり、R1、R4は一般式(II): で示される基であり、R5は水素原子又はメチル基、R6
炭素原子数2〜10のアルキレン基を示す。mは0〜5の
整数である。またnは5〜50の整数である。) 一般式(III): 一般式(IV): 一般式(V): 一般式(VI): 一般式(VII): 一般式(VIII): 〔式中、R7は炭素原子数3〜10の3価の炭化水素基、R8
は炭素原子数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基又
はフェニル基を示す。R9、R10は炭素原子数1〜4のア
ルキレン基を示す。X、Yはエステル形成性官能基、M
はアルカリ金属原子、水素又は炭素原子数1〜4のアル
キル基を示す。〕 本発明で用いられるポリウレタン樹脂の製造において使
用される有機ジイソシアネート(A)としては、2,4−
トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシア
ネート、p−フエニレンジイソシアネート、ジフエニル
メタンジイソシアネート、m−フエニレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレ
ンジイソシアネート、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ビフ
エニレンジイソシアネート、2,4−ナフタレンジイソシ
アネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフエニレンジイ
ソシアネート、4,4′−ジフエニレンジイソシアネー
ト、4,4′−ジイソシアネート・ジフエニルエーテル、
1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−キシリレンジ
イソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、1,
3−ジイソシアネートメチルシクロヘキサン、1,4−ジイ
ソシアネートメチルシクロヘキサン、4,4−ジイソシア
ネートジシクロヘキサン、4,4−ジイソシアネートシク
ロヘキシルメタン、イソホロンジイソシアネート等があ
げられる。
また本発明で用いるポリウレタン樹脂の製造において使
用されるポリエステルジオール(B)は分子量が500〜
5,000の範囲にあり、原料成分は特定のリン化合物を除
くと以下のものがあげられる。
ポリエステルジオールのカルボン酸成分としては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフ
タル酸などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香
酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族
オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸などの脂肪族ジ
カルボン酸などを挙げることができる。シクロヘキサン
ジカルボン酸、水添化2,6−ナフタレンジカルボン酸等
の脂環族ジカルボン酸などを挙げることができる。
またポリエステルジオールのグリコール成分としては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プ
ロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、シク
ロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレン
オキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、
水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物お
よびプロピレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコールなどがある。
無水トリメリット酸、トリメチロールプロパン、グリセ
リン等の三官能成分を性能が損なわれない範囲、望まし
くは全ジカルボン酸成分あるいは全グリコール成分の7
モル%以下の範囲内で使用してもよい。ポリエステルジ
オールとしては他にε−カプロラクトン等のラクトン類
を開環重合して得られるラクトン系ポリエステルジオー
ル類があげられる。
特にポリエステルジオールの30重量%以上が、ジカルボ
ン酸成分の50〜100モル%が芳香族ジカルボン酸、50〜
0モル%が脂肪族および/又は脂環族ジカルボン酸、グ
リコール成分の25〜100モル%がネオペンチルグリコー
ル、75〜0モル%が炭素数2〜10の脂肪族、脂環族、芳
香環含有グリコールより選ばれた1種又はそれ以上のグ
リコールよりなるポリエステルジオールであると、得ら
れたポリウレタン樹脂は汎用的非磁性支持体であるポリ
エチレンテレフタレートへの接着性に優れ、耐摩耗性も
良好となるため好ましい。
本発明で用いるポリウレタン樹脂を特徴づけるリン化合
物は、ポリエステルジオール中に共重合させるものであ
り、一般式(III)〜(VIII)で示すことができるが、
具体的な例として以下のものをあげることができる。
一般式(III)で示されるものとしては、 一般式(IV)で示されるものとしては 一般式(V)で示されるものとしては、 一般式(VI)で示されるものとしては 一般式(VII)で示されるものとしては 一般式(VIII)で示されるものとしては、 本発明で用いるポリウレタン樹脂を製造するに際して用
いられる分子量500〜5,000のポリエステルジオール
(B)は、前述したリン化合物を全ジカルボン酸成分あ
るいは全グリコール成分に対して0.1〜20モル%共重合
したものを少なくとも一成分とする。リン化合物が全ジ
カルボン酸成分あるいは全グリコール成分に対して0.1
モル%未満では磁性粒子の分散性の向上がみられず、20
モル%を越えるとリンを含有しないポリエステルジオー
ルを併用する際、相溶性が悪化し、均一な樹脂が得られ
ない。また単独で用いた場合にも吸湿性の増大、溶液粘
度の増大、他樹脂との相溶性の悪化がみられ好ましくな
い。一般式(III)〜(VIII)に基づくリン含有量はポ
リウレタン樹脂中0.01〜2重量%の範囲が好ましい。
ポリエステルジオール(B)は分子量500〜5,000のもの
を使用する。分子量が500未満ではウレタン基濃度が大
きくなり、樹脂の柔軟性、溶剤溶解性が低下する。また
分子量が5,000を越えると、ウレタン基濃度が低下しポ
リウレタン樹脂に特有な強靭性、耐摩耗性が悪化する。
本発明で用いるポリウレタン樹脂の製造時に用いるポリ
シロキサン化合物(C)は分子の両末端に水酸基を有す
る一般式(I)であらわされるものである。
(R2,R3は炭素原子数1〜6のアルキル基および/又は
フエニル基であり、R1,R4は一般式(II): で示される基であり、R5は水素原子又はメチル基、R6
炭素原子数2〜10のアルキレン基を示す。mは0〜5の
整数である。またnは5〜50の整数である。) 一般式〔I〕において、R2,R3の一部は炭素原子数1〜
6のアルキル基またはフエニル基であってもよい。
具体的な化合物の例としては以下のものがあげられる。
一般式(I)で表わされるポリシロキサン化合物(C)
は、分子量500〜5,000のポリエステルジオール成分
(B)の0.01〜20重量%の範囲、好ましくは0.5〜10重
量%の範囲で使用する。ポリシロキサン化合物(C)が
ポリエステルジオール成分(B)の0.01重量%未満では
ポリシロキサン化合物(C)を使用する効果がなく、20
重量%を越えると、汎用的な非磁性支持体であるポリエ
チレンテレフタレートフイルムとの接着性の低下、他樹
脂との相溶性の悪化、得られたポリウレタン樹脂の汎用
有機溶剤への溶解性の低下等を生じる。
本発明で必要により用いる分子量500未満の鎖延長剤
(D)は、樹脂中のウレタン基あるいはウレア基濃度を
調整し、ポリウレタン樹脂に特有な強靭性を付与する効
果があり、具体的な化合物としては、エチレングリコー
ル、1,3−プロピレングリコール、1,4−テトラメチレン
グリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサン
ジメタノール、キシリレングリコール、ジエチレングリ
コール、トリエチレングリコール、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物等の直鎖グリコール、プロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオール、ビスフェノールAのプロピ
レンオキサイド付加物等の分岐グリコール、モノエタノ
ールアミン、N−メチルエタノールアミン等のアミノア
ルコール、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、イソホロンジアミン、ピペラジン等のジアミンある
いは水等があげられる。
上記以外の鎖延長剤としては、トリメチロールプロパ
ン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グリ
セリン等三官能成分を性能が損なわれない範囲で使用し
てもよい。
鎖延長剤(D)の分子量が500を越えるとポリウレタン
樹脂に特有な強靭性が低下するため好ましくない。
鎖延長剤(D)は分子量500〜5,000のポリエステルジオ
ール(B)に対して0〜5倍当量の範囲で使用すること
が好ましい。5倍当量を越えると、鎖延長剤の種類によ
っては汎用有機溶剤への溶解性が低下することがある。
本発明で用いるポリウレタン樹脂を製造する際、イソシ
アネート基と水酸基の比率は1/0.85〜1.25の範囲にあ
り、この比率により得られるポリウレタン樹脂の分子量
が決まる。イソシアネート基が水酸基に対して過剰の条
件下では、得られるポリウレタン樹脂はイソシアネート
基未満となるため、保存性が悪く、又水酸基が過剰すぎ
るとポリウレタン樹脂の分子量が低くなるため、好まし
い範囲は1/1〜1/1.15である。
ポリウレタン樹脂の分子量は6,000〜50,000の範囲にあ
る。分子量6,000未満ではポリウレタン樹脂の機械的強
度が低下し、また50,000を越えると溶液粘度が高くなり
すぎ取扱い上困難になるため好ましくない。
本発明で用いるポリウレタン樹脂の重付加反応は、全成
分を同時に反応させるワンショット法、まずイソシアネ
ート過剰の条件下で長鎖ジオールを反応させ、得られる
イソシアネート基末端プレポリマーを鎖延長剤により、
さらに高分子化させるプレポリマー法とがある。本発明
で用いるポリウレタン樹脂の場合、ワンショット法、プ
レポリマー法のいずれの方法でも製造できる。反応方法
は原料を溶融状態で行なう方法、溶液中で溶解して行な
う方法があげられる。
反応触触としてオクチル酸第一錫、ジブチル錫ジラウレ
ート、トリエチルアミン等を用いてもよい。
ウレタン化反応時のゲル化防止のためパラトルエンスル
ホン酸、ブタジエンスルホン、無機酸、オキシ酸等を用
いてもよい。
また紫外線吸収剤、加水分解防止剤、酸化防止剤をポリ
ウレタン樹脂の製造前・製造中・あるいは製造後に添加
してもよい。
本発明においては、本発明で用いるポリウレタン樹脂以
外に、可撓性の調節、耐寒性・耐熱性の向上等の目的の
ために他の樹脂を添加するか、および/またはポリウレ
タン樹脂と反応して架橋する化合物を混合することが望
ましい。他の樹脂としては塩化ビニル系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
キシ樹脂、ポリビニルブチラール、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体等が挙げられる。一方、ポリウレタ
ン樹脂と架橋する化合物としてはポリイソシアネート化
合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等があ
り、特にこれらの中でポリイソシアネート化合物が特に
望ましい。
本発明の磁気記録媒体の磁性層に使用される強磁性粒子
としては、γ−Fe2O3、γ−Fe2O3とFe3O4の混晶CrO2
コバルトをドープしたγ−Fe2O3又はFe3O4、パリウムフ
ェライトおよびFe−C0、Fe−C0−Ni等の強磁性合金粉末
などをあげることができる。
本発明の磁気記録媒体には必要に応じてジブチルフタレ
ート、トリフェニルホスフェートのような可塑剤、ジオ
クチルスルホ−ナトリウムサクシネート、t−ブチルフ
ェノール・ポリエチレンエーテル、エチルナフタレン・
スルホン酸ソーダ、ジラウリルサクシネート、ステアリ
ン酸亜鉛、大豆油レシチン、シリコーンオイルのような
潤滑剤や種々の帯電防止剤を添加することもできる。
(作用) 本発明で用いるポリウレタン樹脂は分子中に極性の高い
特定のリン化合物、非極性のポリシロキサン化合物を含
有するものであり、リン化合物を導入することによる磁
性粒子の分散性の向上はポリシロキサン化合物の導入に
より更に高められる。分散性に起因する特性、たとえば
磁性粒子の充填性、配向性、磁性層の平滑性も改良され
る。またポリシロキサン化合物の割合及び種類を限定す
ることにより、磁性層の耐摩耗性、耐久性、走行安定性
が優れるだけではなく、磁気記録媒体の汎用支持体であ
るポリエステルフイルムとの接着性、他樹脂との相溶性
が良好である。
(実施例) 以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。実施
例中、単に部とあるのは重量部を示す。
各物性は以下の方法に従って測定した。
充填性:空隙率(Rv)を次式により求めた。
Rv=1−Ms/q・Mo(Ms:単位体積当たりの磁性塗膜の飽
和磁化、Mo:単位体積当たりの磁性粉のみの飽和磁化、
q:磁性塗膜中の磁性粉の体積分率、空隙率が小さい程、
充填率が大きくS/N比の向上、高記録密度化ができる) 磁性層の光沢:60度光沢を測定する。
100回走行後の摩耗状態:磁気テープをビディオデッキ
にかけ、100回走行後の磁性層の摩耗状態を観察する。
走行安定性:磁気テープをビディオデッキにかけ走行時
のムラを見た。
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムとの接着
性:磁性層表面にセロテープを貼り、セロテープを剥し
た時の磁性層とPETフィルムとの剥離の程度を見た。
○……全く剥離なし △……ほぼ半分剥離 ×……全面剥離 ポリエステルジオールの合成例 温度計、撹拌機を具備したオートクレーブ中にジメチル
テレフタレート194部、ジメチルイソフタレート194部、
エチレングリコール149部、ネオペンチルグリコール166
部およびテトラブトキシチタネート0.05部を仕込み、15
0〜230℃で120分間加熱し、エステル交換を行い、次い
で2,3−ジヒドロキシプロピルフェニル亜ホスホン酸ナ
トリウム(リン化合物)11部を仕込み、220℃で更に
1時間反応を行なった。
次いで反応系を30分間で240℃まで昇温し、系の圧力を
徐々に減じ、45分後に1〜3mmHgとし、この条件で更に3
0分間反応を続けた。得られたポリエステルジオール
は分子量2,500、NMR及びリン含量率測定による組成分析
では、テレフタル酸/イソフタル酸エチレングリコー
ル/ネオペンチルグリコール/2,3−ジヒドロキシプロピ
ルフェニル亜ホスホン酸ナトリウム=50/50/55/43/2
(モル比)であった。
同様にして第1表記載のポリエステルジオール〜を
得た。ポリエステルジオール、はリン化合物を全グ
リコール成分の0.05モル%、25モル%共重合したもので
あり、はリン化合物を含まない。
ポリウレタン樹脂の合成例1〜14 温度計、撹拌機、還流式冷却器を具備した反応容器中
に、トルエン151部、メチルエトルケトン151部、前記ポ
リエステルジオール100部、ネオペンチルグリコール
5部およびゲル化防止剤としてp−トルエンスルホン酸
0.01部、分子量1,000のポリシロキサン化合物(イ)
(前出)2部を仕込み、溶解後、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート22部およびジブチル錫ジラウレー
ト0.05部を仕込み、70〜80℃で10時間反応させた。
得られたポリウレタン樹脂(A)溶液は固型分濃度30
%、溶液粘度50ポイズ(25℃)、ポリウレタン樹脂
(A)の分子量は21,000であった。
また得られたポリウレタン樹脂(A)溶液に硝化綿(ダ
イセル社製RS1/2)、塩ビ・酢ビ系樹脂(U.C.C社製VAG
H)のMEK/トルエン(1/1)溶液を固型分比で1/1、固型
分濃度で20%になるように混合し、相溶性を測定した。
均一に混合してから、室温放置5時間後に相分離を生じ
たものを×、均一状態を保持したものを○としたとこ
ろ、相溶性は良好(○)であった。
同様にして、第2表記載のポリウレタン樹脂(B)〜
(N)を得た。樹脂の特性及び相溶性試験の結果を第2
表に示す。
ポリウレタン樹脂の比較合成例1〜7 ポリウレタン樹脂の合成例1と同様にして、〔ただし、
ポリエステルジオールの代わりにポリエステルジオー
ル(分子量2,000、リン化合物を共重合せず)を用い
て〕ポリウレタン樹脂(O)溶液を得た。固型分濃度
は30%、溶液粘度は7ポイズ(25℃)であり、またポリ
ウレタン樹脂(O)の分子量は25,000であった。
ポリウレタン樹脂(O)〜(Z)を合成例1の方法
により第2表に示す原料から得た。
第1表中、リン化合物は以下のものを示す。
2,3−ジヒドロキシプロピル−フェニルホスフオン
酸ナトリウム 2,3−ジヒドロキシプロピル−フェニル亜ホスフオ
ン酸 2,3−ジヒドロキシプロピル−フェニルホスフオン
酸ナトリウム 2,3−ジヒドロキシプロピル−フェニルホスフオン
酸カリウム 2,3−ジヒドロキシプロピル−2−ナトリウムオキ
シフェニルホスフオン酸ナトリウム ビス(ヒドロキシプロピル)亜ホスフオン酸ナトリ
ウム ビス(ヒドロキシプロピル)ホスフオン酸ナトリウ
ム カルボキシエチル−エトキシホスフオン酸ナトリウ
ム 第2表−1および2において、記号ならびに略号は以下
のものを示す。
PBA:ポリブチレンアジペート PCL:ポリカプロラクトン MDI:4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート TDI:2,4−トリレンジイソシアネート IPDI:イソホロンジイソシアネート NPG:ネオペンチルグリコール HD :1,6−ヘキサンジオール DEG:ジエチレングリコール 溶剤(X):メチルエチルケトン/トルエン =1/1重量比 溶剤(Y):酢酸メチル 溶剤(Z):メチルエチルケトン 実施例1 下記の配合割合の組成物をボールミルに入れて48時間分
散してから、イソシアネート化合物、コロネート2030
(日本ポリウレタン工業(株)製)を硬化剤として5部
加え、更に1時間混合して磁性塗料を得た。これを厚み
12μのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥
後の厚みが5μになるように、2,000ガラスの磁場を印
加しつつ塗布した。50℃、2日間放置後1/2インチ巾に
スリットし、磁気テープを得た。
ポリウレタン樹脂(A)溶液 100部 (固型分30%、MEK/トルエン=1/1溶液) コバルト被着 γ−Fe2O3 120部 オリーブ油 1部 シクロヘキサノン 50部 トルエン 100部 MEK 50部 得られた磁気テープの磁性層の光沢、磁性粒子の充填
度、100回走行後の摩耗状態およびポリエチレンテレフ
タレートフィルムとの接着剤を第3表に示す。
実施例2〜19、比較例1〜12 実施例1で用いたポリウレタン樹脂(A)の代わりに、
第3表に記載した樹脂を用いて実施例1と同様にして磁
気テープを得た。各々の評価結果を第3表−1〜3に示
す。
なお、結合剤と磁性粒子の重量比は1/4である。
第3表−1〜3において、ポリウレタン樹脂溶液に配合
した他の樹脂は以下のものを示す。
(発明の効果) 実施例及び比較例の第3表−1〜3から明らかなよう
に、リン化合物を共重合したポリエステルジオール
(B)及びポリシロキサン化合物(C)を本発明の範囲
内で共重合したポリウレタン樹脂は、磁性粒子の分散性
に優れるだけでなく磁性粒子の充填性にも優れる。
上記のポリウレタン樹脂を用いた磁気記録媒体は角型
比、磁性粒子の充填性、耐摩耗性、走行安定性、PETフ
ィルムとの接着性に優れる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤中に
    分散させた磁性材料を塗布した磁気記録媒体において、
    該結合剤の成分として、有機ジイソシアネート(A)、
    分子量500〜5,000のポリエステルジオール(B)及び下
    記一般式(I)で示されるポリシロキサン化合物(C)
    を反応させて得られた分子量6,000〜50,000のポリウレ
    タン樹脂を含み、前記分子量500〜5,000のポリエステル
    ジオール(B)の少なくとも1種は分子中に下記の一般
    式(III)〜(VIII)で示されるリン化合物を全ジカル
    ボン酸成分あるいは全グリコール成分に対し、0.1〜20
    モル%共重合したポリエステルジオールであることを特
    徴とする磁気記録媒体。 一般式(I): (式中、R2、R3は炭素原子数1〜6のアルキル基および
    /又はフェニル基であり、R1、R4は一般式(II): で示される基であり、R5は水素原子又はメチル基、R6
    炭素原子数2〜10のアルキレン基を示す。mは0〜5の
    整数である。またnは5〜50の整数である。) 一般式(III): 一般式(IV): 一般式(V): 一般式(VI): 一般式(VII): 一般式(VII): 〔式中、R7は炭素原子数3〜10の3価の炭化水素基、R8
    は炭素原子数1〜4のアルキル基、シクロアルキル基又
    はフェニル基を示す。R9、R10は炭素原子数1〜4のア
    ルキレン基を示す。X、Yはエステル形成性官能基、M
    はアルカリ金属原子、水素又は炭素原子数1〜4のアル
    キル基を示す。〕
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