JPH0657832B2 - 金属圧延油組成物 - Google Patents
金属圧延油組成物Info
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- JPH0657832B2 JPH0657832B2 JP12669985A JP12669985A JPH0657832B2 JP H0657832 B2 JPH0657832 B2 JP H0657832B2 JP 12669985 A JP12669985 A JP 12669985A JP 12669985 A JP12669985 A JP 12669985A JP H0657832 B2 JPH0657832 B2 JP H0657832B2
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- rolling
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- carbon atoms
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は金属圧延油組成物に関し、更に詳しくは乳化型
金属圧延油組成物に関する。
金属圧延油組成物に関する。
従来から一般に使用されている金属圧延油は潤滑油成分
通常は油脂、鉱物油または脂肪酸エステル等の基油に、
防錆剤、極圧剤、油性向上剤、酸化防止剤等の各種の助
剤を加え、これを乳化剤でO/W型エマルジョンとして
通常1〜20%程度の濃度で圧延加工部に供給してい
る。しかしながら最近の圧延技術の進歩により圧延速度
の高速化、大量生産化がはかられ、潤滑性循環安定性、
圧延後の表面清浄いわゆる冷延汚れ、作業性、廃水処理
性等圧延油に対する要求が、増々苛酷なものとなってき
ており、その要求に充分対応できる圧延油の開発がのぞ
まれているのが現状である。しかしながら従来の乳化剤
を用いた圧延油は、種々の難点を有し、満足し得るもの
ではなかった。即ち、従来の乳化剤を用いた圧延油で
は、乳化剤の種類、添加量を変化させ、圧延油と圧延材
の表面に付着する油量(プレートアウト量)を増減さ
せ、圧延潤滑性をコントロールしていた。しかしこのよ
うな乳化剤を用いた圧延油においては、プレートアウト
量と、液潤環安定性とは、相反する傾向を示すものであ
って、エマルジョンの安定性を高めれば圧延材へのプレ
ートアウト量が減少して潤滑性が不充分となり、またプ
レートアウト量を増大せんとすれば、エマルジョンが不
安定になって循環使用する際に種々の支障をきたす欠点
があった。また発生する鉄粉が不安定エマルジョンに付
着し、冷間圧延鋼板を汚す所謂圧延汚れが生じ、後工程
である洗浄、焼鈍工程に悪影響を及ぼす難点も生じる。
加え圧延機自体及びその周辺にも付着し美観を損なうば
かりでなく作業環境上も問題が生じる。
通常は油脂、鉱物油または脂肪酸エステル等の基油に、
防錆剤、極圧剤、油性向上剤、酸化防止剤等の各種の助
剤を加え、これを乳化剤でO/W型エマルジョンとして
通常1〜20%程度の濃度で圧延加工部に供給してい
る。しかしながら最近の圧延技術の進歩により圧延速度
の高速化、大量生産化がはかられ、潤滑性循環安定性、
圧延後の表面清浄いわゆる冷延汚れ、作業性、廃水処理
性等圧延油に対する要求が、増々苛酷なものとなってき
ており、その要求に充分対応できる圧延油の開発がのぞ
まれているのが現状である。しかしながら従来の乳化剤
を用いた圧延油は、種々の難点を有し、満足し得るもの
ではなかった。即ち、従来の乳化剤を用いた圧延油で
は、乳化剤の種類、添加量を変化させ、圧延油と圧延材
の表面に付着する油量(プレートアウト量)を増減さ
せ、圧延潤滑性をコントロールしていた。しかしこのよ
うな乳化剤を用いた圧延油においては、プレートアウト
量と、液潤環安定性とは、相反する傾向を示すものであ
って、エマルジョンの安定性を高めれば圧延材へのプレ
ートアウト量が減少して潤滑性が不充分となり、またプ
レートアウト量を増大せんとすれば、エマルジョンが不
安定になって循環使用する際に種々の支障をきたす欠点
があった。また発生する鉄粉が不安定エマルジョンに付
着し、冷間圧延鋼板を汚す所謂圧延汚れが生じ、後工程
である洗浄、焼鈍工程に悪影響を及ぼす難点も生じる。
加え圧延機自体及びその周辺にも付着し美観を損なうば
かりでなく作業環境上も問題が生じる。
本発明者は上記従来の圧延油の欠点を解決するために従
来から鋭意研究を続けて来たが、この研究に於いてある
特定の高分子化合物を使用することにより上記欠点が解
消出来、プレートアウト量を減少せしめずに液循環安定
性の優れた乳化型圧延油が習得てきることを見出し、こ
こに本発明を完成するに至った。即ち本発明は、 (A)動植物油脂、鉱物油並びに脂肪酸エステルの少な
くとも1種である潤滑油成分、及び (B)(イ)下記式(イ) (但し式中nは5〜3000の整数、Rは同一または相異な
る低級アルキル基を示す) で表わされる繰返し単位を有するポリビニルエーテル系
高分子化合物、 (ロ)下記式(ロ) (但し式中R1は炭素数1〜18のアルキル基を、Xはい
ずれか一方が であり、他方がH、(C2H4Om′H、炭素数1〜18
のアルキル基、アルカリ金属、 −NH(CH2)m″NH2、NH2R4または NHR5R6である。またnは10〜3050の整数、mは1
〜3の整数、mは1〜20の整数、mは1〜10の整数を示
す。またR2およびR3は同一または相異なる炭素数1
〜3のアルキル基を、R5並びにR6は同一または相異
なる炭素数1〜20のアルキル基を示す) で表わされる繰返し単位を有するビニルエーテル−マレ
イン酸系共重合体、及び (ハ)下記式(ハ) (但し式中Xは上記と同じ。R7はHまたはCH3を示
し、n″は30〜1300の整数を示す) で表わされる繰返し単位を有するビニル−マレイン酸系
共重合体 の少なくとも1種 を必須成分として含有して成ることを特徴とする金属圧
延油組成物に係るものである。
来から鋭意研究を続けて来たが、この研究に於いてある
特定の高分子化合物を使用することにより上記欠点が解
消出来、プレートアウト量を減少せしめずに液循環安定
性の優れた乳化型圧延油が習得てきることを見出し、こ
こに本発明を完成するに至った。即ち本発明は、 (A)動植物油脂、鉱物油並びに脂肪酸エステルの少な
くとも1種である潤滑油成分、及び (B)(イ)下記式(イ) (但し式中nは5〜3000の整数、Rは同一または相異な
る低級アルキル基を示す) で表わされる繰返し単位を有するポリビニルエーテル系
高分子化合物、 (ロ)下記式(ロ) (但し式中R1は炭素数1〜18のアルキル基を、Xはい
ずれか一方が であり、他方がH、(C2H4Om′H、炭素数1〜18
のアルキル基、アルカリ金属、 −NH(CH2)m″NH2、NH2R4または NHR5R6である。またnは10〜3050の整数、mは1
〜3の整数、mは1〜20の整数、mは1〜10の整数を示
す。またR2およびR3は同一または相異なる炭素数1
〜3のアルキル基を、R5並びにR6は同一または相異
なる炭素数1〜20のアルキル基を示す) で表わされる繰返し単位を有するビニルエーテル−マレ
イン酸系共重合体、及び (ハ)下記式(ハ) (但し式中Xは上記と同じ。R7はHまたはCH3を示
し、n″は30〜1300の整数を示す) で表わされる繰返し単位を有するビニル−マレイン酸系
共重合体 の少なくとも1種 を必須成分として含有して成ることを特徴とする金属圧
延油組成物に係るものである。
本発明に於いては、上記式(イ)〜(ハ)で表わされる
特定の高分子化合物の少なくとも1種を使用することに
より、プレートアウト量が減少することなく優れた液循
環安定性を示す。更に詳しくは本発明圧延油組成物に於
いては上記式(イ)〜(ハ)で表わされる特定の高分子
化合物の優れた保護コロイド的作用によって、潤滑油成
分はかなり大きな粒径を保って安定に水中に分散し、し
かも分散している粒度分布もブロードな大きな巾をもつ
ことなく、かなりせまい巾でシャープな分布を示し、極
めて循環安定性が良い。また圧延加工部に供給されたと
きには、これが金属被圧延材に接触すれば粒径の大きな
油粒子が金属被圧延材に厚く強力な潤滑膜を形成し、プ
レートアウト量が大きくなる効果を発揮する。
特定の高分子化合物の少なくとも1種を使用することに
より、プレートアウト量が減少することなく優れた液循
環安定性を示す。更に詳しくは本発明圧延油組成物に於
いては上記式(イ)〜(ハ)で表わされる特定の高分子
化合物の優れた保護コロイド的作用によって、潤滑油成
分はかなり大きな粒径を保って安定に水中に分散し、し
かも分散している粒度分布もブロードな大きな巾をもつ
ことなく、かなりせまい巾でシャープな分布を示し、極
めて循環安定性が良い。また圧延加工部に供給されたと
きには、これが金属被圧延材に接触すれば粒径の大きな
油粒子が金属被圧延材に厚く強力な潤滑膜を形成し、プ
レートアウト量が大きくなる効果を発揮する。
また本発明圧延油組成物は上記効果以外にも次の様な優
れた効果を発揮する。
れた効果を発揮する。
(i)エマルジョン濃度並びにクーラント(使用時に圧
延油を水に希釈した状態)に於いて温度の影響を受ける
ことが極めて少なく、温度の変化によってエマルジョン
の状態が変化せず安定して使用出来、圧延作業管理が大
変容易となる。
延油を水に希釈した状態)に於いて温度の影響を受ける
ことが極めて少なく、温度の変化によってエマルジョン
の状態が変化せず安定して使用出来、圧延作業管理が大
変容易となる。
(ii)スカムや金属粉が混入してもエマルジョン中の潤滑
油成分の粒径の変化が非常に少なく、またスカムや鉄粉
を親水化するためミル(圧延機)汚れが改善される。
油成分の粒径の変化が非常に少なく、またスカムや鉄粉
を親水化するためミル(圧延機)汚れが改善される。
(iii)冷延機の金属被圧延材の表面の清浄化が大きく向
上する。この際被圧延物の表面が清浄化されていないと
後工程の焼鈍に於いてエツジカーボン等が生じ好ましく
ない。
上する。この際被圧延物の表面が清浄化されていないと
後工程の焼鈍に於いてエツジカーボン等が生じ好ましく
ない。
(iv)潤滑性が従来の圧延油に比し7〜10%程度も大き
く向上する。
く向上する。
本発明の圧延油組成物は基本的には、動植物油脂、鉱物
油および脂肪酸エステルの少なくとも1種から成る潤滑
油成分に、上記(イ)〜(ハ)で表わされる高分子化合
物の少なくとも1種を配合したものである。
油および脂肪酸エステルの少なくとも1種から成る潤滑
油成分に、上記(イ)〜(ハ)で表わされる高分子化合
物の少なくとも1種を配合したものである。
本発明に於いて使用される潤滑油成分としては従来から
この種圧延油組成物に使用されて来たものがいずれも使
用出来、その代表例として動植物油脂、鉱物油および脂
肪酸エステルが挙げられ、これ等は1種または2種以上
の混合系で使用出来る。具体的には、たとえばスピンド
ル油、マシン油、タービン油、シリンダー油等の鉱物
油;魚油、鯨油、牛脂、豚油、ナタネ油、ヒマシ油、ヌ
カ油、パーム油、ヤシ油等の動植物油の油脂;牛脂、ヤ
シ油、パーム油、ヒマシ油等から得られる脂肪酸と炭素
数1〜36の脂肪族1価アルコール、エチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ペンタエリストール等と
のエステルが挙げられる。
この種圧延油組成物に使用されて来たものがいずれも使
用出来、その代表例として動植物油脂、鉱物油および脂
肪酸エステルが挙げられ、これ等は1種または2種以上
の混合系で使用出来る。具体的には、たとえばスピンド
ル油、マシン油、タービン油、シリンダー油等の鉱物
油;魚油、鯨油、牛脂、豚油、ナタネ油、ヒマシ油、ヌ
カ油、パーム油、ヤシ油等の動植物油の油脂;牛脂、ヤ
シ油、パーム油、ヒマシ油等から得られる脂肪酸と炭素
数1〜36の脂肪族1価アルコール、エチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ペンタエリストール等と
のエステルが挙げられる。
本発明で使用する式(イ)で表わされる高分子化合物
は、その製法は何等限定されないが、たとえば下記の反
応式で示されるように、ポリビニルアルコールにエチル
アミンハライドを反応させることにより製造することが
出来る。
は、その製法は何等限定されないが、たとえば下記の反
応式で示されるように、ポリビニルアルコールにエチル
アミンハライドを反応させることにより製造することが
出来る。
(但しn、およびRは前記と同じ、X1はハロゲン原子
を示す)。
を示す)。
更に具体的に示せば、ポリビニルアルコールとエチルア
ミンハライドたとえば2−クロロ−N,N−ジアルキル
エチルアミンハイドロクロライドを攪拌混合し、苛性ア
ルカリ水溶液を添加した後、強く攪拌する。次いで加温
し(たとえば80〜100℃前後に)て暫く維持した
後、沸騰水中に注入し、1〜2時間程度煮沸する。この
液を酸たとえば塩酸で中和しデカンテージョンする。
ミンハライドたとえば2−クロロ−N,N−ジアルキル
エチルアミンハイドロクロライドを攪拌混合し、苛性ア
ルカリ水溶液を添加した後、強く攪拌する。次いで加温
し(たとえば80〜100℃前後に)て暫く維持した
後、沸騰水中に注入し、1〜2時間程度煮沸する。この
液を酸たとえば塩酸で中和しデカンテージョンする。
また一般式(ロ)で表わされる化合物を製造する代表的
な方法としてはアルキルビニルエーテルと無水マレイン
酸の共重合体の有機溶剤溶液に、窒素ガスを吹き込みな
がら、通常100℃以上に加温しつつN,N−ジアルキ
ルアミノエチルアルコールを反応させる。かくして得た
生成物に、たとえば次の処理の一つを行う。即ちエチレ
ンオキシドと反応、炭素数1〜18程度のアルキルアル
コールでエステル化、アルカリ金属と反応、あるいはア
ミド化等を行って目的物を得る。また他の方法として、
アルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の有
機溶剤溶液に適当な触媒たとえばソジウムメトキシドの
存在下、窒素ガスを吹き込みながらエチルアルコールと
還流反応せしめ、次いでN,N−ジアルキルアミノエチ
ルアルコールを用いてエステル交換する。
な方法としてはアルキルビニルエーテルと無水マレイン
酸の共重合体の有機溶剤溶液に、窒素ガスを吹き込みな
がら、通常100℃以上に加温しつつN,N−ジアルキ
ルアミノエチルアルコールを反応させる。かくして得た
生成物に、たとえば次の処理の一つを行う。即ちエチレ
ンオキシドと反応、炭素数1〜18程度のアルキルアル
コールでエステル化、アルカリ金属と反応、あるいはア
ミド化等を行って目的物を得る。また他の方法として、
アルキルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体の有
機溶剤溶液に適当な触媒たとえばソジウムメトキシドの
存在下、窒素ガスを吹き込みながらエチルアルコールと
還流反応せしめ、次いでN,N−ジアルキルアミノエチ
ルアルコールを用いてエステル交換する。
また一般式(ハ)で表わされる化合物の製造方法として
は、下記の様な方法を例示することが出来る。即ちイソ
ブチレン−無水マレイン酸共重合体を適当な溶剤、たと
えばシメチルホルムアミドやシメチルスルホキシド等に
溶解し、窒素ガスを吹き込みながら130〜150℃程
度に加温下無触媒或いはナトリウムメトキサイドの共存
下にジアルキルアミノエチルアルコールでエステル化す
る。かくして得られた生成物を以後一般式(ロ)と同じ
様な処理の一つを施こす。
は、下記の様な方法を例示することが出来る。即ちイソ
ブチレン−無水マレイン酸共重合体を適当な溶剤、たと
えばシメチルホルムアミドやシメチルスルホキシド等に
溶解し、窒素ガスを吹き込みながら130〜150℃程
度に加温下無触媒或いはナトリウムメトキサイドの共存
下にジアルキルアミノエチルアルコールでエステル化す
る。かくして得られた生成物を以後一般式(ロ)と同じ
様な処理の一つを施こす。
本発明に於いては上記一般式(イ)〜(ハ)で表わされ
る化合物の少なくとも1種を使用することを必須として
いるが、好ましくはこれ等化合物と対イオンを形成する
物質を併用する。この際使用される対イオンとしてのア
ニオンとしては、たとえば硫酸イオン、硝酸イオン、塩
素イオン、グリコール酸イオン、リン酸イオン、硼酸イ
オン、炭素数1〜20の脂肪酸イオン等が挙げられる。
る化合物の少なくとも1種を使用することを必須として
いるが、好ましくはこれ等化合物と対イオンを形成する
物質を併用する。この際使用される対イオンとしてのア
ニオンとしては、たとえば硫酸イオン、硝酸イオン、塩
素イオン、グリコール酸イオン、リン酸イオン、硼酸イ
オン、炭素数1〜20の脂肪酸イオン等が挙げられる。
通常圧延油は製造工場に於いて、油脂、鉱油或いはエス
テル等を基油とし、これに必要に応じ油性向上剤、極圧
添加剤、防錆添加剤、酸化防止剤、乳化剤等の1種又は
2種以上を配合した組成物を輸送し、実際使用される現
場に於いて水に0.1〜10%の濃度に希釈、エマルジョ
ン化して使用される。
テル等を基油とし、これに必要に応じ油性向上剤、極圧
添加剤、防錆添加剤、酸化防止剤、乳化剤等の1種又は
2種以上を配合した組成物を輸送し、実際使用される現
場に於いて水に0.1〜10%の濃度に希釈、エマルジョ
ン化して使用される。
このため対イオンとして炭素数1〜20好ましくは8〜
20の脂肪酸イオンを用いた場合には本発明に使用する
高分子物質(イ)〜(ハ)は圧延油の基油に均一に溶解
する。従って使用現場に於いては従来の圧延油同様、水
に所定濃度に希釈するのみで均一なエマルジョンが形成
される。これに対して、対イオンとして炭素数1〜20
の脂肪酸イオンを除く対イオンを使用した場合には、高
分子化合物(イ)〜(ハ)は、基油に均一溶解しがたく
使用現場に於いて圧延油と分散剤を各々所定濃度に水に
希釈してエマルジョンを形成することが好ましい。
20の脂肪酸イオンを用いた場合には本発明に使用する
高分子物質(イ)〜(ハ)は圧延油の基油に均一に溶解
する。従って使用現場に於いては従来の圧延油同様、水
に所定濃度に希釈するのみで均一なエマルジョンが形成
される。これに対して、対イオンとして炭素数1〜20
の脂肪酸イオンを除く対イオンを使用した場合には、高
分子化合物(イ)〜(ハ)は、基油に均一溶解しがたく
使用現場に於いて圧延油と分散剤を各々所定濃度に水に
希釈してエマルジョンを形成することが好ましい。
本発明に於いては上記一般式(イ)〜(ハ)で表わされ
る化合物はこれ等の1種でも或いは2種以上併用しても
良い。
る化合物はこれ等の1種でも或いは2種以上併用しても
良い。
これ等本発明の高分子化合物は圧延油組成物全量に対し
て0.1〜10重量%好ましくは0.1〜8重量%になるよう
に配合する。
て0.1〜10重量%好ましくは0.1〜8重量%になるよう
に配合する。
本発明の金属圧延油組成物には、上記成分の他、必要に
応じて公知の各種添加剤、例えば防錆剤、油性向上剤、
極圧剤、乳化剤、酸化防止剤等を添加することが出来
る。
応じて公知の各種添加剤、例えば防錆剤、油性向上剤、
極圧剤、乳化剤、酸化防止剤等を添加することが出来
る。
上記各種添加剤は、必要に応じ圧延油組成物全量に対し
て、それぞれ0〜2%、0〜20%、0〜3%、0〜1
0%、0〜5%の割合で添加することが出来る。
て、それぞれ0〜2%、0〜20%、0〜3%、0〜1
0%、0〜5%の割合で添加することが出来る。
防錆剤としては、アルケニルコハク酸及びその誘導体、
オレイン酸等の脂肪酸、ソルビタンモノオレート等のエ
ステル又はその他アミン類等が、油性向上剤としては、
オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸及びその誘導
体であるエステル又はダイマー酸等の二塩基酸が、ま
た、極圧剤としては、トリクレジルホスフェート等のリ
ン系化合物及びジアルキルジチオリン酸亜鉛等の有機化
合物が、酸化防止剤としては、2,4−ジt−ブチルp
−クレゾール等のフェノール系化合物、フェニルα−ナ
フチルアミン等の芳香族アミン等がそれぞれ例示され
る。
オレイン酸等の脂肪酸、ソルビタンモノオレート等のエ
ステル又はその他アミン類等が、油性向上剤としては、
オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸及びその誘導
体であるエステル又はダイマー酸等の二塩基酸が、ま
た、極圧剤としては、トリクレジルホスフェート等のリ
ン系化合物及びジアルキルジチオリン酸亜鉛等の有機化
合物が、酸化防止剤としては、2,4−ジt−ブチルp
−クレゾール等のフェノール系化合物、フェニルα−ナ
フチルアミン等の芳香族アミン等がそれぞれ例示され
る。
本発明の金属圧延油組成物は、上記圧延油成分と、水溶
性高分子化合物とを単に同時混合するか、或いは、水分
量が80%位までの濃厚溶液として調製しておき、使用
時水で希釈することにより使用される。
性高分子化合物とを単に同時混合するか、或いは、水分
量が80%位までの濃厚溶液として調製しておき、使用
時水で希釈することにより使用される。
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6 実施例7 鉱油………………………………97重量部 高分子分散剤(E)…………… 3 〃 リン酸……………………………1.9〃 水………………………………… 5 〃 実施例8 鉱油………………………………77重量部 オレイルオクタノエート………20 〃 高分子分散剤(B)…………… 3 〃 ラウリル酸………………………4.2〃 実施例9 牛脂………………………………90.5重量部 オレイン酸(対イオン兼オレイ ン酸)………… 5 〃 リン系極圧剤…………………… 1 〃 酸化防止剤………………………0.5〃 高分子分散剤(C)…………… 3 〃 比較例1 牛脂………………………………92重量部 オレイン酸(対イオン兼油性向 5重量部 上剤) リン系極圧剤…………………… 1 〃 酸化防止剤………………………0.5〃 ポリオキシエチレン ノニルフェノール…………… 3 〃 比較例2 鉱油………………………………77重量部 オレイルオクタノエート………20 〃 ポリオキシエチレンノニ ルフェノールエーテル………3 〃 かくして得られた実施例1〜9並びに比較例1〜2の各
組成物について下記の性能試験を行った。この結果を第
1表並びに第1〜4図に示す。
組成物について下記の性能試験を行った。この結果を第
1表並びに第1〜4図に示す。
〈圧延試験〉 二段試験圧延機を用いて、下記圧延条件にて7パス圧延
し、伸び率=3.4時点における圧延荷重(t数)を測定
し、下記式による圧延相対比を求めた。
し、伸び率=3.4時点における圧延荷重(t数)を測定
し、下記式による圧延相対比を求めた。
※圧延条件 圧延材料:軟鋼板(SPCC)厚さ2.2mm×巾 50mm×長さ500mm 圧延速度:13m/分 圧延ロール:直径150mm、銅長200mm ブライトロール クーラント温度:50〜55℃ クーラント濃度:5%エマルジョン パススケジュール:7パス 〈鋼板明度試験〉 試験圧延した鋼板表面に市販メルテングテープを貼付、
次いで剥離し、該テープを標準白色台紙に貼りつけた表
面を日本電色工業製色差計ND−101D型でその明度
を測定した。完全黒色を0、標準白色台紙の明度を85
として求める。
次いで剥離し、該テープを標準白色台紙に貼りつけた表
面を日本電色工業製色差計ND−101D型でその明度
を測定した。完全黒色を0、標準白色台紙の明度を85
として求める。
〈劣化テスト〉 本発明圧延油(3%エマルジョン)を下記第5図に示す
循環劣化試験機で7日間劣化試験を行い、試験前後の粒
径分布を測定した。但し第5図中(1)はタンク(液温
55℃±5℃)、(2)はフィルター、(3)はポンプ
(25/min)、(4)は回転ドラム(30φcm×2
0cm )を示す。この回転ドラム(4)中には1/2鋼
球ボール150個、2cm×2cm×1cm鋳物ブロック8個
を内在せしめ、115rpmで回転するものである。
循環劣化試験機で7日間劣化試験を行い、試験前後の粒
径分布を測定した。但し第5図中(1)はタンク(液温
55℃±5℃)、(2)はフィルター、(3)はポンプ
(25/min)、(4)は回転ドラム(30φcm×2
0cm )を示す。この回転ドラム(4)中には1/2鋼
球ボール150個、2cm×2cm×1cm鋳物ブロック8個
を内在せしめ、115rpmで回転するものである。
第1図〜第4図に於ける実線は試験前の粒径分布を表わ
し、また点線は試験後の粒径分布を表わす。
し、また点線は試験後の粒径分布を表わす。
第1〜4図は各圧延油組成物の劣化試験の結果を示す図
面であり、また第5図は劣化試験の方法を示す図面であ
る。 1……タンク 2……フィルター 3……ポンプ 4……回転ドラム
面であり、また第5図は劣化試験の方法を示す図面であ
る。 1……タンク 2……フィルター 3……ポンプ 4……回転ドラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 149:04) C10N 30:06 40:24 Z 8217−4H (72)発明者 黒子 力 奈良県大和郡山市矢田町6527番地の7
Claims (1)
- 【請求項1】(A)動植物油脂、鉱物油並びに脂肪酸エ
ステルの少なくとも1種である潤滑油成分、及び (B)(イ)下記式、 (但し式中nは5〜3000の整数、Rは同一または相異な
る低級アルキル基を示す) で表わされる繰返し単位を有するポリビニルエーテル系
高分子化合物、 (ロ)下記式 (但し式中R1は炭素数1〜18のアルキル基を、Xはい
ずれか一方が であり、他方がH、(C2H4Om′H、炭素数1〜1
8のアルキル基、アルカリ金属、 −NH(CH2)mNH2、NH2R4またはNHR5
R6である。またn′は10〜3050の整数、mは1〜3の
整数、m′は1〜20の整数、m″は1〜10の整数を示
す。またR2およびR3は同一または相異なる炭素数1
〜3のアルキル基を、R4は炭素数1〜20のアルキル基
を、R5並びにR6は同一または相異なる炭素数1〜20
のアルキル基を示す) で表わされる繰返し単位を有するビニルエーテル−マレ
イン酸系共重合体、及び (ハ)下記式 (但し式中Xは上記と同じ。R7はHまたはCH3を示
し、n″は300〜1300の整数を示す) で表わされる繰返し単位を有するビニル−マレイン酸系
共重合体 の少なくとも1種 を必須成分として含有して成ることを特徴とする金属圧
延油組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12669985A JPH0657832B2 (ja) | 1985-06-11 | 1985-06-11 | 金属圧延油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12669985A JPH0657832B2 (ja) | 1985-06-11 | 1985-06-11 | 金属圧延油組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61283694A JPS61283694A (ja) | 1986-12-13 |
JPH0657832B2 true JPH0657832B2 (ja) | 1994-08-03 |
Family
ID=14941655
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12669985A Expired - Lifetime JPH0657832B2 (ja) | 1985-06-11 | 1985-06-11 | 金属圧延油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0657832B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6346298A (ja) * | 1986-08-12 | 1988-02-27 | Kawasaki Steel Corp | 鋼板の直接式供給用冷間圧延油 |
GB0320441D0 (en) * | 2003-09-02 | 2003-10-01 | Givaudan Sa | Organic compounds |
DK2970101T3 (en) | 2013-03-14 | 2018-08-20 | Alkermes Pharma Ireland Ltd | PRO-DRUGS OF FUMARATES AND THEIR USE IN TREATING DIFFERENT DISEASES |
US8669281B1 (en) | 2013-03-14 | 2014-03-11 | Alkermes Pharma Ireland Limited | Prodrugs of fumarates and their use in treating various diseases |
JP6337135B2 (ja) | 2014-02-24 | 2018-06-06 | アルカーメス ファーマ アイルランド リミテッド | フマル酸エステルのスルホンアミドプロドラッグ及びスルフィンアミドプロドラッグ並びに種々の疾患の治療におけるその使用 |
-
1985
- 1985-06-11 JP JP12669985A patent/JPH0657832B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61283694A (ja) | 1986-12-13 |
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