JP2004263087A - アルミニウム板用熱間圧延油用潤滑油 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧延潤滑性に優れ、かつ金属腐食を抑制することができるアルミニウム板用熱間圧延油を提供する。
【解決手段】潤滑油成分と、(a)トリアゾール構造を有する油溶性化合物と、(b)トリアゾール構造を有する水溶性化合物とを含有するアルミニウム板用熱間圧延油用潤滑油。
【選択図】 なし
【解決手段】潤滑油成分と、(a)トリアゾール構造を有する油溶性化合物と、(b)トリアゾール構造を有する水溶性化合物とを含有するアルミニウム板用熱間圧延油用潤滑油。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルミニウム板用熱間圧延油及び該圧延油用の潤滑油に関し、更に詳しくは圧延潤滑性に優れ金属腐食を抑制することのできるアルミニウム板やアルミニウム合金板用の熱間圧延油及び該圧延油用の潤滑油に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム及びアルミニウム合金の熱間圧延では、圧延板表面から圧延ロール表面へアルミニウムが移着して、ロールコーティングが形成される。従って、圧延板はロールコーティングと接触して圧延されることになるので、圧延板の表面品質はロールコーティングの性状によって左右される。熱間圧延時に発生した板の表面欠陥は冷間圧延後の板表面品質にも影響するので、熱間圧延におけるロールコーティング性状は非常に重要といえる。ロールコーティング性状は圧延諸条件(板材質、板温度、板表面粗さ、ロール温度、ロール表面粗さ、圧下率、圧延速度、ブラシロール操業条件など)と圧延油により変化する。従って、圧延油の選択は、ロールコーティングを制御する上で不可欠なものである。熱間圧延では充分なロール冷却性が必要となるので、圧延油はエマルションの形で使用されている。
【0003】
アルミニウム及びアルミニウム合金の熱間圧延油に要求される性能として、潤滑性、アルミニウムの熱間圧延の付帯設備の耐鉄腐食性等が挙げられる。従来、一般にアルミニウム及びアルミニウム合金の熱間圧延油としては、鉱物油を基油として脂肪酸、油脂、脂肪酸エステル等の油性向上剤、極圧剤、防錆剤、酸化防止剤等を配合し、これを主に陰イオン性界面活性剤で乳化した、通常3〜10%濃度のエマルションとして使用されている。
【0004】
潤滑性を向上させる油性向上剤である脂肪酸を増量すると鉄腐食速度を増加させる。潤滑性とロールコーティング性を良好に保ちつつ、低い鉄腐食速度を達成するアルミニウム用熱間圧延油はまだ開発されていない。
【0005】
また、特許文献1には、特定の単量体の共重合物の有機酸塩を、鉱物油、脂肪酸、リン酸エステル等と共に用いることにより、潤滑性、乳化分散性、表面品質性を満足しつつ、長期使用時の熱劣化による性能低下を改善することが開示されているが、金属腐食の抑制効果については更なる改善が望まれる。。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−150189号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、圧延潤滑性に優れ、かつ金属腐食を抑制することができるアルミニウム板用熱間圧延油及び該圧延油用の潤滑油を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、潤滑油成分と、(a)トリアゾール構造を有する油溶性化合物〔以下、(a)成分という〕と、(b)トリアゾール構造を有する水溶性化合物〔以下、(b)成分という〕とを含有するアルミニウム板用熱間圧延油用潤滑油、並びに、該本発明の潤滑油と水とを含有するアルミニウム板用熱間圧延油に関する。なお、本発明において、アルミニウム板とは、アルミニウム板及び/又はアルミニウム合金板を意味する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の潤滑油の(a)成分であるトリアゾール構造を有する油溶性化合物としては、式(2)で表される化合物が挙げられる。なかでも、式(2)中のR5が炭素数6以上の親油性置換基であるベンゾトリアゾール化合物が好ましく挙げられ、より好ましくはR5が総炭素数6以上のアルキル基置換アミノメチル基であるベンゾトリアゾール化合物が挙げられる。具体例としては、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール等が挙げられる。なお、(a)成分について、油溶性とは、パラフィン系鉱物油(マシン油32)への25℃の溶解度が0.1(g/100g鉱物油)以上であり、25℃の水への溶解度(g/100g水)より鉱物油への溶解度が大きいことを指す。
【0010】
【化2】
【0011】
(式中のR4は水素原子、メチル基又はカルボキシル基を示す。R5は総炭素数が6以上のアルキル基置換アミノアルキル基等の疎水性基を示す。)
【0012】
本発明の潤滑油の(b)成分であるトリアゾール構造を有する水溶性化合物としては、式(3)で表される化合物が挙げられる。なかでも、式(3)中のR7が水素原子、水酸基、炭素数が4以下のヒドロキシアルキル基又はカルボキシアルキル基であるベンゾトリアゾール化合物又はその塩が挙げられる。具体例としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾールのクエン酸塩、メチルベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾールのカリウム塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール、1−(2,3ジヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1−(1,2ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。なお、(b)成分について、水溶性とは、水への25℃の溶解度が0.1(g/100g水)以上であり、パラフィン系鉱物油(マシン油32)への25℃の溶解度より水への溶解度(g/100g鉱物油)が大きいことを指す。
【0013】
【化3】
【0014】
(式中のR6は水素原子、メチル基又はカルボキシル基を示す。R7は水素原子、水酸基、炭素数が4以下のヒドロキシアルキル基又はカルボキシアルキル基等の親水性基を示す。)
【0015】
本発明において、(a)成分と(b)成分の重量比(a):(b)は、好ましくは4:1〜1:2、より好ましくは4:1〜1:1、特に好ましくは3:1〜1:1である。この範囲が金属(特に鉄)の防食性に優れている。
【0016】
また、本発明の潤滑油は、(a)成分と(b)成分とを合計で0.1〜5重量%、更に0.5〜5重量%、特に1〜3重量%含有することが、金属(特に鉄)の防食性に優れる点で、好ましい。
【0017】
本発明の潤滑油は、(c)一般式(1)で表される単量体又はその塩の単独重合物、該単量体又はその塩の2種以上の共重合物、及び該単量体又はその塩の一種以上と(メタ)アクリル酸又はその塩もしくはそのエステルもしくはそのアミドの一種以上との共重合物から選ばれ、重量平均分子量が10,000〜1,000,000の範囲にある高分子化合物〔以下、(c)成分という〕を含有することが好ましい。
【0018】
【化4】
【0019】
(式中のR1は水素原子又はメチル基を、R2及びR3はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基を、Aは−NH−を、mは1〜3の整数を示す。)
【0020】
一般式(1)で表される単量体の具体例としては、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジエチルアミノメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジエチルアミノメチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0021】
また、(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタクリル酸の意味であり、(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸アミドの具体例としては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。また、また、(メタ)アクリル酸の塩を形成する塩基としては、例えばアルカリ金属、アンモニア、アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。(メタ)アクリル酸塩の具体例としては、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
【0022】
(c)成分の高分子化合物の重量平均分子量は10,000〜1,000,000の範囲であり、この範囲において乳化安定性に優れ、高分子化合物自体の安定性も良好で取扱いも容易である。より好ましい重量平均分子量は30,000〜300,000である。この重量平均分子量は、当該高分子化合物1gに0.5M水酸化ナトリウム10mlを加え、95℃で2時間放置し、加水分解後、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)で分子量を測定し、その結果に基づき加水分解前の分子量に換算することにより得られる。具体的なGPC条件は以下の通りである。
・カラム:G2000SW×2本(東ソー(株)製)
・カラム温度:40℃
・溶離液:0.1N塩化ナトリウム水溶液/アセトニトリル=70/30(重量比)
・検出器:RI(屈折率計)
・注入量:1重量%溶離液水溶液20μl
・液流速:0.4ml/min
・分子量標準:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
【0023】
また、(c)成分の一般式(1)で表される単量体の塩を形成する酸としては、例えば酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、燐酸、酸性アルキルリン酸エステル(ブチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート等)、ホウ酸等が挙げられる。塩は、単量体の塩を用いる、あるいは共重合後に中和することにより形成される。
【0024】
(c)成分は1種又は2種以上を混合して使用することができ、潤滑油中、0.1〜10重量%含有されることが好ましい。含有量がこの範囲であれば、耐圧荷重性能が良好で耐焼き付き性に優れている。
【0025】
本発明に用いられる潤滑油成分は、鉱物油、油脂及び合成エステルから選ばれる1種以上を含有することが好ましい。鉱物油としては、例えばスピンドル油、マシン油、タービン油、シリンダー油、ニュートラル油等が挙げられる。パラフィン系鉱物油であれば耐熱性、潤滑性に優れるのでより好ましい。また、油脂としては、例えば鯨油、牛脂、豚脂、ナタネ油、ヒマシ油、パーム油、ヤシ油等の動植物油脂が挙げられ、合成エステルとしては、炭素数10〜22の高級脂肪酸もしくは二塩基酸と、炭素数1〜22の脂肪族1価アルコール、エチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等とのエステルが挙げられ、その具体例としてカプリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ラウレート、エルカ酸2エチルヘキシル、ペンタエリスリトールモノオレート、グリセリンモノオレート、トリメチロールプロパントリオレート、ペンタエリスリトールテトララウレート、アジピン酸ジラウレート等が挙げられる。これらの潤滑油成分は、それぞれ1種でもよいが、2種を混合して使用することもできる。潤滑油成分中、鉱物油、油脂及び合成エステルから選ばれる1種以上は、60〜90重量%、更に70〜85重量%含有されることが、潤滑性の点で好ましい。
【0026】
また、本発明に用いられる潤滑油成分は、炭素数10〜22の脂肪酸を含有することが好ましい。具体例としてカプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。該脂肪酸は、潤滑油成分中、10〜40重量%、更に15〜30重量%含有されることが、潤滑性の点で好ましい。
【0027】
本発明の潤滑油成分は、潤滑油中に45〜99.9重量%含有されることが好ましい。
【0028】
本発明の潤滑油には、上記成分の他に必要に応じて公知添加剤、例えば防錆・防食剤、酸化防止剤及び初期乳化性を向上させるための乳化剤等を添加することもできる。また、トリイソオクチルホスファイト、トリクレジルホスフェート等の極圧剤を添加することもできる。
【0029】
防錆・防食剤としては、例えばアルケニルコハク酸(ヘキサデセニルコハク酸等)及びその誘導体、オレイン酸等の脂肪酸、ソルビタンモノオレート等のエステル、前記(a)成分、(b)成分以外のアミン類(トリエタノールアミン等)等を用いることができ、これらは潤滑油中2重量%以下となるように、本発明の潤滑油に添加することができる。
【0030】
また、酸化防止剤としては、例えば2,4−ジtert−ブチルp−クレゾール等のフェノール系化合物、フェニルα−ナフチルアミン等の芳香族アミン等を用いることができ、これらは潤滑油中5重量%以下となるように、本発明の潤滑油に添加することができる。
【0031】
更に、乳化剤としては、例えばオレイン酸トリエタノールアミン塩、石油スルホネートナトリウム塩等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤等を用いることができ、これらは潤滑油中5重量%以下となるように、本発明の潤滑油に添加することができる。
【0032】
本発明の潤滑油は、ロール冷却及び火災防止の観点から、通常、水中に分散して使用される。これにより、本発明の潤滑油と水とを含有するアルミニウム板用熱間圧延油が提供される。この際の本発明の潤滑油と水との割合は特に限定されないが、通常該潤滑油濃度が1〜20重量%となるようにすることが好ましい。
【0033】
また、水と本発明の潤滑油を含有する熱間圧延油は、エマルションの形態であることが好ましい。
【0034】
本発明の熱間圧延油はトリアゾール構造を有する化合物の金属表面への防食被膜形成により、金属腐食を抑制することができる。また、作用機構は明かではないが、トリアゾール構造を有する油溶性化合物〔(a)成分〕を水溶性化合物〔(b)成分〕と併用することで、防食被膜に適度な撥水性を付与することができ、相乗的に優れた防食効果が得られると考えられる。
【0035】
【実施例】
実施例1
表1に示す各種熱間圧延油用潤滑油(本発明品1〜5及び比較品1〜4)を用い、濃度が4重量%(ただし、本発明品1と比較品1は8重量%)の圧延油(エマルション)を常法に従い調製し、以下に示す方法によって、圧延潤滑性、耐鉄腐食性を評価した。その結果を表1に併記した。
【0036】
(1)圧延試験
調製した各種熱間圧延油について、二段圧延機(200mmφ×200mm幅、SUJ−2、Hs=90)を用い、下記条件で短冊単パス圧延試験を行い、圧下率=40%時の圧延荷重により潤滑性を評価した。平均圧延面圧が450MPa以下であれば圧延潤滑性は良好である。なお、圧延時の圧延油エマルションの平均粒子径(体積分布)をコールターカウンターにて測定した。
【0037】
(圧延条件)
圧延材:合金アルミニウム材(A5182、40mm幅×700mm長×3.5mm厚)
ロール粗度:研磨紙により圧延方向に研磨し、板幅方向の粗度がRa=0.3〜0.4μm(Rz=3.5〜4.0μm)に調整する。
板温度:420℃
圧延速度:40m/分
圧下率:20%、30%、40%
予備圧延:予め純アルミニウム材(A1100、40mm幅×700mm長×3.5mm厚)を圧下率60%で10枚圧延する。
圧延枚数:各圧下率について5枚ずつ
【0038】
(圧延油条件)
液温度:60℃
撹拌機:M型ホモミキサー(特殊機化工業)
回転数:8000r/min
スプレー量:1L/min×上下各1本、100kPa
粒径測定:コールターカウンターマルチサイザー(BECKMAN COULTER)
【0039】
(2)腐食試験
調製した各種熱間圧延油について、下記条件で腐食試験を行い、腐食速度(mg/m2・day)により耐鉄腐食性を評価した。腐食速度が500mg/m2・day以下であれば良好である。
【0040】
(試験条件)
試験片:SS−400板(3mm厚×50mm×50mm)
前処理:#240研磨紙にて研磨後、溶剤にて脱脂する。
浸漬方法:M型ホモミキサー6000r/min、撹拌中に全浸漬
試験温度:60℃
試験時間:3日間
【0041】
【表1】
【0042】
なお、表中の成分は次のものを意味する。
・a−1:1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール
・a−2:1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール
・c−1:ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム=84/1/15(モル比)の共重合物のグリコール酸中和物(重量平均分子量5万)
・c−2:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム=80/5/15(モル比)の共重合物の酢酸中和物(重量平均分子量40万)
・鉱物油1:パラフィン系鉱物油(動粘度30mm2/s、40℃)
・鉱物油2:パラフィン系鉱物油(動粘度60mm2/s、40℃)
・極圧剤1:トリイソオクチルホスファイト
・極圧剤2:トリクレジルホスフェート
・防錆剤1:トリエタノールアミン
・防錆剤2:ヘキサデセニルコハク酸
・酸化防止剤:フェニル−α−ナフチルアミン
・乳化剤:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=12.4)
【0043】
(試験結果)
表1から明らかなように、比較品に比べて本発明品は優れた耐金属腐食性を示し、且つ優れた圧延潤滑性を示した。本発明の圧延油は圧延潤滑性と耐金属腐食性の両方を同時に満足するものであった。
【発明の効果】
本発明の潤滑油を用いた熱間圧延油は、鉄などの金属腐食抑制性能に優れており、同時に圧延潤滑性にも優れている。従って、アルミニウム板及びアルミニウム合金板の熱間圧延に使用することにより、圧延機や周辺機械の腐食問題を発生させることなく、板表面品質性に優れた圧延板を得ることができる。また、脂肪酸を増量しても金属、特に鉄腐食の問題が発生しない。
【発明の属する技術分野】
本発明はアルミニウム板用熱間圧延油及び該圧延油用の潤滑油に関し、更に詳しくは圧延潤滑性に優れ金属腐食を抑制することのできるアルミニウム板やアルミニウム合金板用の熱間圧延油及び該圧延油用の潤滑油に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム及びアルミニウム合金の熱間圧延では、圧延板表面から圧延ロール表面へアルミニウムが移着して、ロールコーティングが形成される。従って、圧延板はロールコーティングと接触して圧延されることになるので、圧延板の表面品質はロールコーティングの性状によって左右される。熱間圧延時に発生した板の表面欠陥は冷間圧延後の板表面品質にも影響するので、熱間圧延におけるロールコーティング性状は非常に重要といえる。ロールコーティング性状は圧延諸条件(板材質、板温度、板表面粗さ、ロール温度、ロール表面粗さ、圧下率、圧延速度、ブラシロール操業条件など)と圧延油により変化する。従って、圧延油の選択は、ロールコーティングを制御する上で不可欠なものである。熱間圧延では充分なロール冷却性が必要となるので、圧延油はエマルションの形で使用されている。
【0003】
アルミニウム及びアルミニウム合金の熱間圧延油に要求される性能として、潤滑性、アルミニウムの熱間圧延の付帯設備の耐鉄腐食性等が挙げられる。従来、一般にアルミニウム及びアルミニウム合金の熱間圧延油としては、鉱物油を基油として脂肪酸、油脂、脂肪酸エステル等の油性向上剤、極圧剤、防錆剤、酸化防止剤等を配合し、これを主に陰イオン性界面活性剤で乳化した、通常3〜10%濃度のエマルションとして使用されている。
【0004】
潤滑性を向上させる油性向上剤である脂肪酸を増量すると鉄腐食速度を増加させる。潤滑性とロールコーティング性を良好に保ちつつ、低い鉄腐食速度を達成するアルミニウム用熱間圧延油はまだ開発されていない。
【0005】
また、特許文献1には、特定の単量体の共重合物の有機酸塩を、鉱物油、脂肪酸、リン酸エステル等と共に用いることにより、潤滑性、乳化分散性、表面品質性を満足しつつ、長期使用時の熱劣化による性能低下を改善することが開示されているが、金属腐食の抑制効果については更なる改善が望まれる。。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−150189号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、圧延潤滑性に優れ、かつ金属腐食を抑制することができるアルミニウム板用熱間圧延油及び該圧延油用の潤滑油を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、潤滑油成分と、(a)トリアゾール構造を有する油溶性化合物〔以下、(a)成分という〕と、(b)トリアゾール構造を有する水溶性化合物〔以下、(b)成分という〕とを含有するアルミニウム板用熱間圧延油用潤滑油、並びに、該本発明の潤滑油と水とを含有するアルミニウム板用熱間圧延油に関する。なお、本発明において、アルミニウム板とは、アルミニウム板及び/又はアルミニウム合金板を意味する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の潤滑油の(a)成分であるトリアゾール構造を有する油溶性化合物としては、式(2)で表される化合物が挙げられる。なかでも、式(2)中のR5が炭素数6以上の親油性置換基であるベンゾトリアゾール化合物が好ましく挙げられ、より好ましくはR5が総炭素数6以上のアルキル基置換アミノメチル基であるベンゾトリアゾール化合物が挙げられる。具体例としては、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール等が挙げられる。なお、(a)成分について、油溶性とは、パラフィン系鉱物油(マシン油32)への25℃の溶解度が0.1(g/100g鉱物油)以上であり、25℃の水への溶解度(g/100g水)より鉱物油への溶解度が大きいことを指す。
【0010】
【化2】
【0011】
(式中のR4は水素原子、メチル基又はカルボキシル基を示す。R5は総炭素数が6以上のアルキル基置換アミノアルキル基等の疎水性基を示す。)
【0012】
本発明の潤滑油の(b)成分であるトリアゾール構造を有する水溶性化合物としては、式(3)で表される化合物が挙げられる。なかでも、式(3)中のR7が水素原子、水酸基、炭素数が4以下のヒドロキシアルキル基又はカルボキシアルキル基であるベンゾトリアゾール化合物又はその塩が挙げられる。具体例としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾールのクエン酸塩、メチルベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾールのカリウム塩、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−(ヒドロキシメチル)ベンゾトリアゾール、1−(2,3ジヒドロキシプロピル)ベンゾトリアゾール、1−(1,2ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール等が挙げられる。なお、(b)成分について、水溶性とは、水への25℃の溶解度が0.1(g/100g水)以上であり、パラフィン系鉱物油(マシン油32)への25℃の溶解度より水への溶解度(g/100g鉱物油)が大きいことを指す。
【0013】
【化3】
【0014】
(式中のR6は水素原子、メチル基又はカルボキシル基を示す。R7は水素原子、水酸基、炭素数が4以下のヒドロキシアルキル基又はカルボキシアルキル基等の親水性基を示す。)
【0015】
本発明において、(a)成分と(b)成分の重量比(a):(b)は、好ましくは4:1〜1:2、より好ましくは4:1〜1:1、特に好ましくは3:1〜1:1である。この範囲が金属(特に鉄)の防食性に優れている。
【0016】
また、本発明の潤滑油は、(a)成分と(b)成分とを合計で0.1〜5重量%、更に0.5〜5重量%、特に1〜3重量%含有することが、金属(特に鉄)の防食性に優れる点で、好ましい。
【0017】
本発明の潤滑油は、(c)一般式(1)で表される単量体又はその塩の単独重合物、該単量体又はその塩の2種以上の共重合物、及び該単量体又はその塩の一種以上と(メタ)アクリル酸又はその塩もしくはそのエステルもしくはそのアミドの一種以上との共重合物から選ばれ、重量平均分子量が10,000〜1,000,000の範囲にある高分子化合物〔以下、(c)成分という〕を含有することが好ましい。
【0018】
【化4】
【0019】
(式中のR1は水素原子又はメチル基を、R2及びR3はそれぞれ炭素数1〜3のアルキル基を、Aは−NH−を、mは1〜3の整数を示す。)
【0020】
一般式(1)で表される単量体の具体例としては、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジエチルアミノメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジエチルアミノメチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0021】
また、(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタクリル酸の意味であり、(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、アクリル酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。また、(メタ)アクリル酸アミドの具体例としては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。また、また、(メタ)アクリル酸の塩を形成する塩基としては、例えばアルカリ金属、アンモニア、アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等が挙げられる。(メタ)アクリル酸塩の具体例としては、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム等が挙げられる。
【0022】
(c)成分の高分子化合物の重量平均分子量は10,000〜1,000,000の範囲であり、この範囲において乳化安定性に優れ、高分子化合物自体の安定性も良好で取扱いも容易である。より好ましい重量平均分子量は30,000〜300,000である。この重量平均分子量は、当該高分子化合物1gに0.5M水酸化ナトリウム10mlを加え、95℃で2時間放置し、加水分解後、GPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー)で分子量を測定し、その結果に基づき加水分解前の分子量に換算することにより得られる。具体的なGPC条件は以下の通りである。
・カラム:G2000SW×2本(東ソー(株)製)
・カラム温度:40℃
・溶離液:0.1N塩化ナトリウム水溶液/アセトニトリル=70/30(重量比)
・検出器:RI(屈折率計)
・注入量:1重量%溶離液水溶液20μl
・液流速:0.4ml/min
・分子量標準:ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
【0023】
また、(c)成分の一般式(1)で表される単量体の塩を形成する酸としては、例えば酢酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、燐酸、酸性アルキルリン酸エステル(ブチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート等)、ホウ酸等が挙げられる。塩は、単量体の塩を用いる、あるいは共重合後に中和することにより形成される。
【0024】
(c)成分は1種又は2種以上を混合して使用することができ、潤滑油中、0.1〜10重量%含有されることが好ましい。含有量がこの範囲であれば、耐圧荷重性能が良好で耐焼き付き性に優れている。
【0025】
本発明に用いられる潤滑油成分は、鉱物油、油脂及び合成エステルから選ばれる1種以上を含有することが好ましい。鉱物油としては、例えばスピンドル油、マシン油、タービン油、シリンダー油、ニュートラル油等が挙げられる。パラフィン系鉱物油であれば耐熱性、潤滑性に優れるのでより好ましい。また、油脂としては、例えば鯨油、牛脂、豚脂、ナタネ油、ヒマシ油、パーム油、ヤシ油等の動植物油脂が挙げられ、合成エステルとしては、炭素数10〜22の高級脂肪酸もしくは二塩基酸と、炭素数1〜22の脂肪族1価アルコール、エチレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等とのエステルが挙げられ、その具体例としてカプリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ラウレート、エルカ酸2エチルヘキシル、ペンタエリスリトールモノオレート、グリセリンモノオレート、トリメチロールプロパントリオレート、ペンタエリスリトールテトララウレート、アジピン酸ジラウレート等が挙げられる。これらの潤滑油成分は、それぞれ1種でもよいが、2種を混合して使用することもできる。潤滑油成分中、鉱物油、油脂及び合成エステルから選ばれる1種以上は、60〜90重量%、更に70〜85重量%含有されることが、潤滑性の点で好ましい。
【0026】
また、本発明に用いられる潤滑油成分は、炭素数10〜22の脂肪酸を含有することが好ましい。具体例としてカプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。該脂肪酸は、潤滑油成分中、10〜40重量%、更に15〜30重量%含有されることが、潤滑性の点で好ましい。
【0027】
本発明の潤滑油成分は、潤滑油中に45〜99.9重量%含有されることが好ましい。
【0028】
本発明の潤滑油には、上記成分の他に必要に応じて公知添加剤、例えば防錆・防食剤、酸化防止剤及び初期乳化性を向上させるための乳化剤等を添加することもできる。また、トリイソオクチルホスファイト、トリクレジルホスフェート等の極圧剤を添加することもできる。
【0029】
防錆・防食剤としては、例えばアルケニルコハク酸(ヘキサデセニルコハク酸等)及びその誘導体、オレイン酸等の脂肪酸、ソルビタンモノオレート等のエステル、前記(a)成分、(b)成分以外のアミン類(トリエタノールアミン等)等を用いることができ、これらは潤滑油中2重量%以下となるように、本発明の潤滑油に添加することができる。
【0030】
また、酸化防止剤としては、例えば2,4−ジtert−ブチルp−クレゾール等のフェノール系化合物、フェニルα−ナフチルアミン等の芳香族アミン等を用いることができ、これらは潤滑油中5重量%以下となるように、本発明の潤滑油に添加することができる。
【0031】
更に、乳化剤としては、例えばオレイン酸トリエタノールアミン塩、石油スルホネートナトリウム塩等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤等を用いることができ、これらは潤滑油中5重量%以下となるように、本発明の潤滑油に添加することができる。
【0032】
本発明の潤滑油は、ロール冷却及び火災防止の観点から、通常、水中に分散して使用される。これにより、本発明の潤滑油と水とを含有するアルミニウム板用熱間圧延油が提供される。この際の本発明の潤滑油と水との割合は特に限定されないが、通常該潤滑油濃度が1〜20重量%となるようにすることが好ましい。
【0033】
また、水と本発明の潤滑油を含有する熱間圧延油は、エマルションの形態であることが好ましい。
【0034】
本発明の熱間圧延油はトリアゾール構造を有する化合物の金属表面への防食被膜形成により、金属腐食を抑制することができる。また、作用機構は明かではないが、トリアゾール構造を有する油溶性化合物〔(a)成分〕を水溶性化合物〔(b)成分〕と併用することで、防食被膜に適度な撥水性を付与することができ、相乗的に優れた防食効果が得られると考えられる。
【0035】
【実施例】
実施例1
表1に示す各種熱間圧延油用潤滑油(本発明品1〜5及び比較品1〜4)を用い、濃度が4重量%(ただし、本発明品1と比較品1は8重量%)の圧延油(エマルション)を常法に従い調製し、以下に示す方法によって、圧延潤滑性、耐鉄腐食性を評価した。その結果を表1に併記した。
【0036】
(1)圧延試験
調製した各種熱間圧延油について、二段圧延機(200mmφ×200mm幅、SUJ−2、Hs=90)を用い、下記条件で短冊単パス圧延試験を行い、圧下率=40%時の圧延荷重により潤滑性を評価した。平均圧延面圧が450MPa以下であれば圧延潤滑性は良好である。なお、圧延時の圧延油エマルションの平均粒子径(体積分布)をコールターカウンターにて測定した。
【0037】
(圧延条件)
圧延材:合金アルミニウム材(A5182、40mm幅×700mm長×3.5mm厚)
ロール粗度:研磨紙により圧延方向に研磨し、板幅方向の粗度がRa=0.3〜0.4μm(Rz=3.5〜4.0μm)に調整する。
板温度:420℃
圧延速度:40m/分
圧下率:20%、30%、40%
予備圧延:予め純アルミニウム材(A1100、40mm幅×700mm長×3.5mm厚)を圧下率60%で10枚圧延する。
圧延枚数:各圧下率について5枚ずつ
【0038】
(圧延油条件)
液温度:60℃
撹拌機:M型ホモミキサー(特殊機化工業)
回転数:8000r/min
スプレー量:1L/min×上下各1本、100kPa
粒径測定:コールターカウンターマルチサイザー(BECKMAN COULTER)
【0039】
(2)腐食試験
調製した各種熱間圧延油について、下記条件で腐食試験を行い、腐食速度(mg/m2・day)により耐鉄腐食性を評価した。腐食速度が500mg/m2・day以下であれば良好である。
【0040】
(試験条件)
試験片:SS−400板(3mm厚×50mm×50mm)
前処理:#240研磨紙にて研磨後、溶剤にて脱脂する。
浸漬方法:M型ホモミキサー6000r/min、撹拌中に全浸漬
試験温度:60℃
試験時間:3日間
【0041】
【表1】
【0042】
なお、表中の成分は次のものを意味する。
・a−1:1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール
・a−2:1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール
・c−1:ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム=84/1/15(モル比)の共重合物のグリコール酸中和物(重量平均分子量5万)
・c−2:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド/アクリルアミド/アクリル酸ナトリウム=80/5/15(モル比)の共重合物の酢酸中和物(重量平均分子量40万)
・鉱物油1:パラフィン系鉱物油(動粘度30mm2/s、40℃)
・鉱物油2:パラフィン系鉱物油(動粘度60mm2/s、40℃)
・極圧剤1:トリイソオクチルホスファイト
・極圧剤2:トリクレジルホスフェート
・防錆剤1:トリエタノールアミン
・防錆剤2:ヘキサデセニルコハク酸
・酸化防止剤:フェニル−α−ナフチルアミン
・乳化剤:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=12.4)
【0043】
(試験結果)
表1から明らかなように、比較品に比べて本発明品は優れた耐金属腐食性を示し、且つ優れた圧延潤滑性を示した。本発明の圧延油は圧延潤滑性と耐金属腐食性の両方を同時に満足するものであった。
【発明の効果】
本発明の潤滑油を用いた熱間圧延油は、鉄などの金属腐食抑制性能に優れており、同時に圧延潤滑性にも優れている。従って、アルミニウム板及びアルミニウム合金板の熱間圧延に使用することにより、圧延機や周辺機械の腐食問題を発生させることなく、板表面品質性に優れた圧延板を得ることができる。また、脂肪酸を増量しても金属、特に鉄腐食の問題が発生しない。
Claims (6)
- 潤滑油成分と、(a)トリアゾール構造を有する油溶性化合物と、(b)トリアゾール構造を有する水溶性化合物とを含有するアルミニウム板用熱間圧延油用潤滑油。
- (a):(b)の重量比が4:1〜1:2である請求項1記載のアルミニウム板用熱間圧延油用潤滑油。
- 潤滑油成分が、鉱物油、油脂及び合成エステルから選ばれる1種以上を含有し、且つ炭素数10〜22の脂肪酸を潤滑油成分中10〜40重量%含有する請求項1又は2記載のアルミニウム板用熱間圧延油用潤滑油。
- (a)と(b)とを合計で0.1〜5重量%含有する請求項1〜3の何れか1項記載のアルミニウム板用熱間圧延油用潤滑油。
- 請求項1〜5の何れか1項記載の潤滑油と水とを含有するアルミニウム板用熱間圧延油。
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