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JP5377904B2 - 電磁鋼板用冷間圧延油および冷間圧延方法 - Google Patents

電磁鋼板用冷間圧延油および冷間圧延方法 Download PDF

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Description

本発明は、Siを含有する鋼板、特に電磁鋼板の冷間圧延時に使用する、優れた耐オイルステイン性を有する冷間圧延油と冷間圧延方法に関する。
鋼板の冷間圧延には、潤滑を目的として冷間圧延油が使用されるが、圧延時に発生する熱による焼きつきを防止するために、エマルションタイプの圧延油が用いられるのが一般的である。従って、冷間圧延油には、潤滑性以外にも、乳化安定性や潤滑安定性、さらには鋼板の耐蝕性やミル清浄性といった様々な特性が高度にバランスすることが要求されている。
特に、電磁鋼板のようなSiを含有する鋼板においては、脆性が高くなることから鉄粉がエマルジョンに多く混入することで乳化安定性が損なわれ易く、さらには圧延後の鋼板表面の変色、いわゆるオイルステインも発生し易い傾向がある。
乳化安定性が損なわれると、冷間圧延中に潤滑不足の部分と潤滑過多の部分とが生じる恐れがあり、結果的に冷間圧延後の鋼板が形状不良となる。また、オイルステインが発生すると、鋼板表面の色調変化によりその後の焼鈍時に周囲と温度差が生じて形状不良となったり、鋼板表面に模様となって残存したりする。
近年、圧延材表面に対する要求品質がより厳格化されてきており、商品価値を低下させる形状不良やオイルステインが発生しない圧延油が強く要求されている。さらには、品質の安定性や歩留まり向上のために、従来のものより優れた潤滑性や乳化安定性を持つ圧延油が強く求められている。
乳化安定性は、使用する圧延油基油や界面活性剤の種類と量とに影響されるが、各種添加剤の種類や添加量にも大きく影響される。一般的には、油性の添加剤が増加することで乳化安定性は劣化する傾向があり、圧延する鋼板の種類によっても適宜検討する必要がある。
ところで、オイルステインは、鋼板表面の鉄分と水分の反応による鉄酸化物生成が原因であり、圧延後の水切り不良によりエマルションがコイル中に巻き込まれ、高温で保持された際に発生すると言われている。通常の鋼板においては、90〜100℃でオイルステインは目立つが、電磁鋼板においては、110〜120℃でオイルステインは目立ちやすい。オイルステインを抑制するには、エアブローを強化して水切り性を向上させる等の設備面からのアプローチも重要であるが、それだけでは不十分である。
オイルステインは、使用する圧延油によって大きく影響を受け、鋼板表面上に化学吸着しやすい物質を圧延油に添加することで抑制可能である(例えば、特許文献1〜5を参照。)。これにより、鋼板上に吸着膜が生成することで水分との接触が抑えられ、オイルステインが抑制されると考えられる。
例えば、特許文献1では、特定の油溶性金属化合物を基油に対して金属量として0.1〜10質量%添加してなる冷間圧延油が開示されている。
また、特許文献2では、窒素及び/又は硫黄を異節原子とする複素環式化合物を含有することを特徴とする冷間圧延油組成物が開示されている。
また、特許文献3では、基油に、スルホコハク酸誘導体、アルキルあるいはアルケニルコハク酸およびアルキルあるいはアルケニルコハク酸エステルのうちから選ばれた1種あるいは2種以上を配合してなるアルミニウムまたはアルミニウム合金用冷間圧延油が開示されている。
また、特許文献4では、潤滑油成分とトリアゾール構造を有する油溶性化合物と、トリアゾール構造を有する水溶性化合物と、を含有するアルミニウム板用熱間圧延油用潤滑油が開示されている。
また、特許文献5では、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール化合物又はその塩から選ばれる少なくとも1種、フェノキシアルキルカルボン酸化合物又はその塩から選ばれる1種、脂肪族ジカルボン酸の少なくとも1種、HLBが11〜13である非イオン性界面活性剤の少なくとも1種からなり、アルカリ剤にてpH7〜12に調整された調質圧延剤が開示されている。
特開2000−104089号公報 特開平3−81397号公報 特開昭61−163998号公報 特開2004−263087号公報 特開2001−288492号公報
ところで、エマルションは、水相の中に油相が分散した形態をとっており、コイル中で密閉状態になっても、油相、水相の両方が混在している。そのため、本願発明者らは、鋼板表面上に均一で欠陥の少ない吸着膜を生成させるには、油相、水相の両方からの作用が必要となり、系統の異なる油溶性添加剤、水溶性添加剤を併用することで、より効果的にオイルステインを抑制することが可能であることに想到した。
上記特許文献1〜5に開示されているように、これまで、オイルステイン抑制手段として特定の化合物を添加することにより対応してきたが、いずれも単独での添加であり、系統の異なる化合物が併用されていない。そのため、油相、水相の混在する箇所においては、耐オイルステイン性が十分ではないという問題点を有していた。
例えば、特許文献1では、水相側からのオイルステイン抑制作用がないため、局部的な変色が懸念される。
また、特許文献2においても、単独での使用であるため、局部的な欠陥部でオイルステインが発生しやすくなることが懸念される。
また、特許文献3では、エマルションとしての使用は前提にされていない。また、仮にエマルションとして使用しても、水溶性添加剤が使用されておらず、水相側からのオイルステイン抑制作用不足が懸念される。また、対象素材がアルミニウムまたはアルミニウム合金用となっており、オイルステインの発生しやすい電磁鋼板に対しての耐オイルステイン性は考慮されていない。
また、特許文献4では、油溶性化合物と水溶性化合物とを併用して、付帯設備への耐鉄腐食性を付与しており、エマルションへの鋼板浸漬における鋼板重量の変化から、鉄腐食性を評価している。オイルステインは、エマルションが鋼板コイル中に高温状態で密閉保持された際に生じる変色であるが、このような状況は想定されておらず、高温密閉という厳しい条件下において、しかもオイルステインの発生しやすい電磁鋼板に対する耐オイルステイン性という点では、不十分である。
また、特許文献5では、ガムアップ発生を効果的に防止しているが、エマルションの高温密閉状態という状況は想定しておらず、またオイルステインの発生しやすい電磁鋼板に対しての耐オイルステイン性については、考慮されていない。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、電磁鋼板を圧延する際に発生しうるオイルステインを抑制することが可能な、耐オイルステイン性に優れた電磁鋼板用冷間圧延油および冷間圧延方法を提供することにある。
本発明者らは、従来技術が抱える課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、上述のように特定の水溶性化合物と油溶性化合物を同時に併用することにより前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)動植物油脂、鉱油および合成エステルから選ばれる少なくとも1種類以上の基油と、窒素含有水溶性環状化合物と、油溶性脂肪族ジカルボン酸または油溶性脂肪族ジカルボン酸誘導体と、を含有し、前記窒素含有水溶性環状化合物が、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾールおよび1−ヒドロキシベンゾトリアゾールから選ばれる少なくとも1種類以上の水溶性トリアゾール化合物であり、前記基油に対する前記水溶性トリアゾール化合物の含有量は、0.1〜5.0質量%であり、前記油溶性脂肪族ジカルボン酸または油溶性脂肪族ジカルボン酸誘導体は、マロン酸、コハク酸またはグルタル酸に対し、アルキル化、アルケニル化または無水化の少なくとも何れかを行い、油溶性としたものの1種または2種以上であり、前記基油に対する前記油溶性脂肪族ジカルボン酸または油溶性脂肪族ジカルボン酸誘導体の含有量は、3.1〜10.0質量%であることを特徴とする、電磁鋼板用冷間圧延油。
)圧延機にて、(1)に記載の電磁鋼板用冷間圧延油を0.2〜20体積%に希釈したエマルションを循環方式で使用することを特徴とする、冷間圧延方法。
以上説明したように、本発明によれば、優れた耐オイルステイン性を有する電磁鋼板用冷間圧延油を提供することが可能である。また、本発明の電磁鋼板用冷間圧延油を適用した冷間圧延方法により、優れた圧延材の表面品質を得ることができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、従来技術の抱える問題点を解決するためのものであり、潤滑性はもちろん乳化性および乳化安定性に優れ、且つ優れた耐オイルステイン性を有する鋼板用冷間圧延油および冷間圧延方法を提供するものであり、Siを含有する鋼板、特に電磁鋼板用に適合するものである。
本発明で使用する鋼板は、Siを含有するものが適当であり、一般に電磁鋼板と称される鋼板を使用する。Siの添加量は、例えば、0.6質量%以上7.0質量%未満が好ましく、より好ましくは0.8質量%〜3.5質量%であり、さらに好ましくは2.0質量%〜3.25質量%の範囲である。その他の添加元素としては、例えば、AlやMnを含有していてもよい。Alの含有量は、例えば0.1質量%以上3.0質量%未満が好ましく、Mnの含有量は、例えば0.01質量%以上1.0質量%未満が好ましい。その他、典型元素の含有量は、例えば、0.01質量%以下が適当であり、さらに好ましくは0.002質量%以下である。
本発明で使用する冷間圧延油に含有される基油は、動植物油脂、鉱油および合成エステルから選択されるものであり、従来から冷間圧延油に用いられているものを使用できる。具体的には、動植物油脂としては、例えば、牛脂、パーム油、パーム核油、ナタネ油、ヤシ油等を挙げることができ、鉱油としては、例えば、マシン油、スピンドル油、タービン油等を挙げることができる。また、合成エステルとしては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、オクチルアルコール、ラウリルアルコール、イソブチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール等の一価アルコール、または、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールと、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の一価脂肪酸またはアクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、炭素数12のアルケニルコハク酸、炭素数36のダイマー酸、炭素数54のトリマー酸等の多価脂肪酸と、の合成エステル化物が使用できる。本発明で使用される基油として、これらの群から選ばれる1種または2種以上を使用することができる。
本発明で使用する冷間圧延油に含有される窒素含有水溶性環状化合物、好適には水溶性トリアゾール化合物は、水相から鋼板表面に吸着膜を生成し、オイルステイン発生の原因となる水分と鋼板との接触を低減させる効果がある。水溶性トリアゾール化合物としては、例えば、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらの化合物は、1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記基油に対する窒素含有水溶性環状化合物、好適には水溶性トリアゾール化合物の含有量は、例えば、0.1〜5.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0質量%であり、さらに好ましくは0.5〜2.0質量%である。0.1質量%未満では、耐オイルステイン性への効果が不十分である。一方5.0質量%を超えてしまうと、効果が飽和してしまい経済的ではない。
本発明で使用する冷間圧延油に含有される油溶性ジカルボン酸または油溶性ジカルボン酸誘導体は、油相から鋼板表面に吸着膜を生成し、オイルステイン発生の原因となる水分と鋼板との接触を低減させる効果がある。
油溶性多塩基酸または油溶性多塩基酸誘導体は、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ビメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸に対し、アルキル化、アルケニル化、無水化の少なくとも何れかを行い、油溶性としたものが挙げられる。これらの化合物は、1種を使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記基油に対する油溶性ジカルボン酸または油溶性ジカルボン酸誘導体の含有量は、例えば、0.1〜10.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜7.0質量%であり、さらに好ましくは0.5〜5.0質量%である。0.1質量%未満では、耐オイルステイン性への効果が不十分であるため好ましくない。一方、10.0質量%を越えてしまうと効果が飽和してしまい経済的ではない。
窒素含有水溶性環状化合物、好適には水溶性トリアゾール化合物と油溶性ジカルボン酸または油溶性ジカルボン酸誘導体を併用することにより、コイル中にエマルションが密閉状態になっても、水相、油相の両方からの複合的効果により、鋼板表面上に欠陥の少ない緻密な吸着膜が生成する。その結果、耐オイルステイン性は飛躍的に向上する。
本発明の冷間圧延油をエマルションとして使用するに際して、最適な乳化剤を使用して水に分散させる。使用可能な乳化剤として、例えば、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤が挙げられるが、特にノニオン性界面活性剤が好ましい。乳化剤の含有量は、例えば、基油に対して0.1〜10.0質量%であるのが好ましく、より好ましくは0.2〜7.0質量%である。
本発明の冷間圧延油をエマルションとして使用する際に、通常は、水により0.2〜20vol%のエマルションに希釈したものを、クーラント液として圧延加工部に供給することが好ましい。希釈に使用する水は、脱イオン水、水道水、工業用水いずれでもよく、エマルション作製方法に特に制限はない。
本発明の冷間圧延油は、本発明の効果が損なわれない範囲内であれば、必要に応じて各種油性向上剤、極圧添加剤、酸化防止剤等の各種添加剤を添加することができる。
本発明において、Siを含有する電磁鋼板などの耐オイルステイン性が向上するメカニズムは詳細には明らかではないが、電磁鋼板の場合、圧延時に生成する新生面に形成される酸化膜がSiやAlなどの合金成分を含有しており、これらの合金成分により一般の鋼板とは異なる性状を呈すると考えられている。したがって、一般的な添加剤や酸化防止剤ではオイルステインの発生を抑制することができず、本願が開示する特定物質を特定量配合することで、安定した酸化膜を形成しオイルステインの発生を防止すると考えられる。
以下に本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
[乳化性および乳化安定性試験方法]
(1)試験用エマルションの調製
表1および表2の組成で示される供試圧延油(実施例1〜10、比較例1〜8)を調製し、以下の条件でエマルション建浴した。
圧延油濃度:3vol%
建浴量:1L
使用水:脱イオン水
浴温度:60℃
攪拌条件:ホモミキサー7000rpm×30min
鉄粉混入量:エマルションに対して0ppm(新油)または1000ppm
(2)乳化性および乳化安定性評価基準
乳化性は、攪拌直後のエマルション平均粒径で評価し、乳化安定性は、鉄粉添加時の平均粒径の変化率で評価した。なお、平均粒径測定に際しては、粒度分布測定装置(Multisizer3,ベックマン・コールター(株)製)を使用した。
<乳化性評価基準>
○ :8μm以下
△ :8〜12μm
× :12μm以上
<乳化安定性評価基準>
新油と鉄粉添加時における平均粒径の変化率の大小で評価した。平均粒径の変化率は、以下の式に基づいて算出した。また、評価基準は、以下の通りである。

変化率=(鉄粉添加時の平均粒径−新油の平均粒径)/新油の平均粒径
乳化安定性の評価基準
◎ :0.1未満
○ :0.1〜0.2
△ :0.2〜0.4
△〜× :0.4〜0.6
× :0.6以上
[潤滑性試験方法]
表1および表2の組成で示される供試圧延油(実施例1〜10、比較例1〜8)を高速短冊圧延試験機にて下記条件で圧延潤滑試験を行い、圧延荷重で比較評価した。圧延荷重が低いほど圧延潤滑性が良好であるといえる。
テストピース:3.0質量%Si、0.3質量%Alを含有する電磁鋼板(1.2mm×30mm×500mm)
圧延ロール :500mmφ(エメリー紙#80研磨、表面粗度Ra0.3μm)
圧延速度 :500m/min
圧下率 :30%
圧延油濃度 :3vol%
建浴量 :10L
浴温度 :50℃
スプレー量 :ベースレスポンプにて1L/minを上下のロールに供給
<圧延潤滑性評価基準>
圧延荷重から圧延潤滑性を評価した。評価基準は、以下の通りである。
圧延潤滑性の評価基準
◎ :圧延荷重が350N未満
○ :圧延荷重が350N以上、370N未満
△ :圧延荷重が370N以上、400N未満
× :圧延荷重が400N以上
[耐オイルステイン性試験方法]
(1)試験用エマルションの調製
表1および表2の組成で示される供試圧延油(実施例1〜10、比較例1〜8)を調製し、以下の条件でエマルション建浴した。
圧延油濃度:3vol%
建浴量:1L
使用水:脱イオン水
浴温度:60℃
攪拌条件:ホモミキサー7000rpm×30min
(2)供試板の調製
0.8mm×30mm×100mmのサイズの溶剤(ジエチルエーテル)脱脂された3.0質量%Si、0.3質量%Alを含有する電磁鋼板を上記試験用エマルションに浸漬し、次いで鋼板上にエマルションを1ml滴下して、以下の条件で圧延した。圧延された鋼板を耐オイルステイン性試験用供試板とした。
ロール:100mmφブライトロール
圧延速度:10m/min
圧下率:5パス圧延、全圧下率50%
(3)耐オイルステイン性試験用試料調製およびオイルステイン促進
上記の圧延された試験片を30mm×100mmに切断し、表面に上記エマルションを0.3ml滴下して、4枚重ねにする。次いで、4枚重ねされた試験片をアルミホイルで全体を2重巻きにして、4隅をダブルクリップで挟み込む。これを110℃の環境下で16h放置した。
(4)耐オイルステイン性評価基準
上記試験後の鋼板表面を溶剤(ジエチルエーテル)で拭取り、試験片上のオイルステインについて、以下の評価基準に基づき目視評価した。
◎ :オイルステインがほとんど見られない。
○ :ごく僅かにオイルステインが見られる。
△ :オイルステインがやや目立つ。
△〜×:オイルステインが目立つ。
× :オイルステインが著しく目立つ。
本発明の実施例1〜10、および比較例1〜8の試験結果について、表1および表2に示す。表1は実施例の結果であり、表2は比較例の結果である。
表1および表2に示す成分は以下のものを使用した。なお、表1および表2における各成分の含有量の単位は、質量%である。
基油1:トリメチロールプロパントリオレート
基油2:トリアシルグリセロール
水溶性添加剤1:ベンゾトリアゾール
水溶性添加剤2:トリルトリアゾール
水溶性添加剤3:カルボキシベンゾトリアゾール
水溶性添加剤4:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
油溶性添加剤1:アルケニルコハク酸
油溶性添加剤2:アルケニルコハク酸無水物
油溶性添加剤3:アルケニルマロン酸
油溶性添加剤4:アルケニルグルタル酸ジヘキシルナトリウム
油溶性添加剤5:オクチル酸スズ
油溶性添加剤6:スルホコハク酸ジヘキシルナトリウム
油溶性添加剤7:1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール
本発明の冷間圧延油を適用した実施例1〜10では、いずれも耐オイルステイン性が良好であった。一方、比較例1(添加剤不含有)、比較例2および4(水溶性添加剤のみ)、比較例3および5(油溶性添加剤のみ)では、十分な耐オイルステイン性が得られなかった。また、比較例6および7(本発明以外の油溶性添加剤を使用)では、乳化安定性と耐オイルステイン性の両立は困難であり、比較例8(水溶性と油溶性トリアゾール化合物併用)においても、耐オイルステイン性は不十分であった。
以上説明したとおり、本発明の冷間圧延油は潤滑性だけでなく、乳化性、乳化安定性が良好で、且つ特に優れた耐オイルステイン性を有していることから、本発明の冷間圧延油を適用した冷間圧延方法により優れた圧延材の表面品質を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。

Claims (2)

  1. 動植物油脂、鉱油および合成エステルから選ばれる少なくとも1種類以上の基油と、
    窒素含有水溶性環状化合物と、
    油溶性脂肪族ジカルボン酸または油溶性脂肪族ジカルボン酸誘導体と、
    を含有し、
    前記窒素含有水溶性環状化合物が、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾールおよび1−ヒドロキシベンゾトリアゾールから選ばれる少なくとも1種類以上の水溶性トリアゾール化合物であり、
    前記基油に対する前記水溶性トリアゾール化合物の含有量は、0.1〜5.0質量%であり、
    前記油溶性脂肪族ジカルボン酸または油溶性脂肪族ジカルボン酸誘導体は、マロン酸、コハク酸またはグルタル酸に対し、アルキル化、アルケニル化または無水化の少なくとも何れかを行い、油溶性としたものの1種または2種以上であり、
    前記基油に対する前記油溶性脂肪族ジカルボン酸または油溶性脂肪族ジカルボン酸誘導体の含有量は、3.1〜10.0質量%である
    ことを特徴とする、電磁鋼板用冷間圧延油。
  2. 圧延機にて、請求項に記載の電磁鋼板用冷間圧延油を0.2〜20体積%に希釈したエマルションを循環方式で使用する
    ことを特徴とする、冷間圧延方法。
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