JP2564136B2 - 金属圧延油組成物 - Google Patents
金属圧延油組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は金属圧延油組成物に関し、更に詳しくは乳化
型金属圧延油組成物に関する。
型金属圧延油組成物に関する。
従来技術 従来から一般に使用されている金属圧延油は潤滑油成
分通常は油脂、鉱物油または脂肪酸エステル等の基油
に、防錆剤、極圧剤、油性向上剤、酸化防止剤等の各種
の助剤を加え、これを乳化剤でO/W型エマルジョンとし
て通0.1〜20%程度の濃度で圧延加工部に供給してい
る。しかしながら最近の圧延技術の進歩により圧延速度
の高速、大量生産化がはかられ、潤滑性、循環安定性、
作業性、廃水処理性等圧延油に対する要求が、増々苛酷
なものとなってきており、その要求に充分対応出来る圧
延油の開発がのぞまれているのが現状である。しかしな
がら従来の乳化剤を用いた圧延油は、種々の難点を有
し、満足し得るものではなかった。即ち、従来の乳化剤
を用いた圧延油では、乳化剤の種類、添加量を変化さ
せ、圧延油と圧延材の表面に付着する油量(プレートア
ウト量)を増減させ、圧延潤滑性をコントロールしてい
た。しかしこのような乳化剤を用いた圧延油に於いて
は、プレートアウト量と、液循環安定性とは相反する傾
向を示すものであって、エマルジョンの安定性を高めれ
ば圧延材へのプレートアウト量が減少して潤滑性が不充
分となり、またプレートアウト量を増大せんとすれば、
エマルジョンが不安定になって循環使用する際に種々の
支障をきたす欠点があった。また発生する鉄粉が不安定
エマルジョンに付着し、冷間圧延鋼板を汚す所謂圧延汚
れが生じ、後工程である洗浄、焼鈍工程に悪影響を及ぼ
す難点も生じる。加えて圧延機自体及びその周辺にも付
着し美観を損うばかりでなく作業上も問題が生じる。
分通常は油脂、鉱物油または脂肪酸エステル等の基油
に、防錆剤、極圧剤、油性向上剤、酸化防止剤等の各種
の助剤を加え、これを乳化剤でO/W型エマルジョンとし
て通0.1〜20%程度の濃度で圧延加工部に供給してい
る。しかしながら最近の圧延技術の進歩により圧延速度
の高速、大量生産化がはかられ、潤滑性、循環安定性、
作業性、廃水処理性等圧延油に対する要求が、増々苛酷
なものとなってきており、その要求に充分対応出来る圧
延油の開発がのぞまれているのが現状である。しかしな
がら従来の乳化剤を用いた圧延油は、種々の難点を有
し、満足し得るものではなかった。即ち、従来の乳化剤
を用いた圧延油では、乳化剤の種類、添加量を変化さ
せ、圧延油と圧延材の表面に付着する油量(プレートア
ウト量)を増減させ、圧延潤滑性をコントロールしてい
た。しかしこのような乳化剤を用いた圧延油に於いて
は、プレートアウト量と、液循環安定性とは相反する傾
向を示すものであって、エマルジョンの安定性を高めれ
ば圧延材へのプレートアウト量が減少して潤滑性が不充
分となり、またプレートアウト量を増大せんとすれば、
エマルジョンが不安定になって循環使用する際に種々の
支障をきたす欠点があった。また発生する鉄粉が不安定
エマルジョンに付着し、冷間圧延鋼板を汚す所謂圧延汚
れが生じ、後工程である洗浄、焼鈍工程に悪影響を及ぼ
す難点も生じる。加えて圧延機自体及びその周辺にも付
着し美観を損うばかりでなく作業上も問題が生じる。
発明の目的 本発明者は上記従来の圧延油の欠点を解決するために
従来から鋭意研究を続けて来たが、この研究に於いてあ
る特定の高分子化合物を使用することにより上記欠点が
解消出来、プレートアウト量を減少せしめずに液循環安
定性の優れた乳化型圧延油が収得出来ることを見出し、
ここに本発明を完成するに至った。即ち本発明は、 (1)(A)動植物油脂、鉱物油並びに脂肪酸エステル
の少なくとも1種である潤滑油成分、及び (B)(イ)下記式 (但し式中R2、R3は同一または相異なってHまたはC1〜
C18の直鎖または分岐アルキル基を示す。AはC1〜C10の
直鎖又は分岐アルキル基、又は−R6−O−R7−基を、B
は−CH3またはR1O−を示す。ここでR1はC1〜C18の直鎖
又は分岐アルキル基を示し、またR6及びR7はC1〜C4のア
ルキル基を示す。またDはHまたはCH3基を示す。n1は
5〜1000の整数である。) で表される繰返し単位を有するアルキレン又はビニルエ
ーテル−マレイン酸系共重合体、 (ロ)下記式 (但し式中A、R2、R3は上記と同じ。n3は1〜3の整数
を、n4は5〜1000の整数を示す。) で表される繰返し単位を有するスチレン−マレイン酸系
共重合体、及び (ハ)下記一般式(ニ) (但し式中n2は5〜1000の整数を示す。)または下記一
般式(ホ) (但し式中n3は1〜3の整数を、またn4は5〜1000の整
数を示す。) で表される高分子物質と、 N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペ
リジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミ
ノプロピルピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、
N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノピペリジ
ン、N−アミノ−4−メチルピペコリン、イソニコチン
アミド、ニコチンアミド、ピコリンアミド、2−アミノ
ピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、
2−ピコリルアミン、3−ピコリルアミン、4−ピコリ
ルアミンから成る群から選ばれた少なくとも1種のアミ
ン系化合物との反応イミド化物質の少なくとも1種を必
須成分として含有して成ることを特徴とする金属圧延油
組成物。
従来から鋭意研究を続けて来たが、この研究に於いてあ
る特定の高分子化合物を使用することにより上記欠点が
解消出来、プレートアウト量を減少せしめずに液循環安
定性の優れた乳化型圧延油が収得出来ることを見出し、
ここに本発明を完成するに至った。即ち本発明は、 (1)(A)動植物油脂、鉱物油並びに脂肪酸エステル
の少なくとも1種である潤滑油成分、及び (B)(イ)下記式 (但し式中R2、R3は同一または相異なってHまたはC1〜
C18の直鎖または分岐アルキル基を示す。AはC1〜C10の
直鎖又は分岐アルキル基、又は−R6−O−R7−基を、B
は−CH3またはR1O−を示す。ここでR1はC1〜C18の直鎖
又は分岐アルキル基を示し、またR6及びR7はC1〜C4のア
ルキル基を示す。またDはHまたはCH3基を示す。n1は
5〜1000の整数である。) で表される繰返し単位を有するアルキレン又はビニルエ
ーテル−マレイン酸系共重合体、 (ロ)下記式 (但し式中A、R2、R3は上記と同じ。n3は1〜3の整数
を、n4は5〜1000の整数を示す。) で表される繰返し単位を有するスチレン−マレイン酸系
共重合体、及び (ハ)下記一般式(ニ) (但し式中n2は5〜1000の整数を示す。)または下記一
般式(ホ) (但し式中n3は1〜3の整数を、またn4は5〜1000の整
数を示す。) で表される高分子物質と、 N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペ
リジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミ
ノプロピルピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、
N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノピペリジ
ン、N−アミノ−4−メチルピペコリン、イソニコチン
アミド、ニコチンアミド、ピコリンアミド、2−アミノ
ピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、
2−ピコリルアミン、3−ピコリルアミン、4−ピコリ
ルアミンから成る群から選ばれた少なくとも1種のアミ
ン系化合物との反応イミド化物質の少なくとも1種を必
須成分として含有して成ることを特徴とする金属圧延油
組成物。
に係るものである。
発明の効果 本発明に於いては、上記式(イ)〜(ハ)で表わされ
る特定の高分子化合物の少なくとも1種を使用すること
により、プレートアウト量が減少することなく優れた液
循環安定性を示す。更に詳しくは本発明圧延組成物に於
いては上記式(イ)〜(ハ)で表わされる特定の高分子
化合物の優れた保護コロイド的作用によって、潤滑油成
分はかなり大きな粒径を保って安定に水中に分散し、し
かも分散している粒度分布もブロードな大きな幅をもつ
ことなく、かなりせまい幅でシャープな分布を示し、極
めて循環安定性が良い。また圧延加工部に供給されたと
きには、これが金属被圧延材に接触すれば粒径の大きな
油粒子が金属被圧延材に厚く強力な潤滑膜を形成し、プ
レートアウト量が大きくなる効果を発揮する。
る特定の高分子化合物の少なくとも1種を使用すること
により、プレートアウト量が減少することなく優れた液
循環安定性を示す。更に詳しくは本発明圧延組成物に於
いては上記式(イ)〜(ハ)で表わされる特定の高分子
化合物の優れた保護コロイド的作用によって、潤滑油成
分はかなり大きな粒径を保って安定に水中に分散し、し
かも分散している粒度分布もブロードな大きな幅をもつ
ことなく、かなりせまい幅でシャープな分布を示し、極
めて循環安定性が良い。また圧延加工部に供給されたと
きには、これが金属被圧延材に接触すれば粒径の大きな
油粒子が金属被圧延材に厚く強力な潤滑膜を形成し、プ
レートアウト量が大きくなる効果を発揮する。
また本発明圧延油組成物は上記効果以外にも次の様な
優れた効果を発揮する。
優れた効果を発揮する。
(i) エマルジョン濃度並びにクーラント状態(使用
時に圧延油を水に希釈した状態)に於いて温度の影響を
受けることが極めて少なく、温度の変化によってエマル
ジョンの状態が変化せず安定して使用出来、圧延作業管
理が大変容易となる。
時に圧延油を水に希釈した状態)に於いて温度の影響を
受けることが極めて少なく、温度の変化によってエマル
ジョンの状態が変化せず安定して使用出来、圧延作業管
理が大変容易となる。
(ii) スカムや金属粉が混入してもエマルジョン中の
潤滑油成分の粒径の変化が非常に少なく、またスカムや
鉄粉を親水化するためミル(圧延機)よごれが改善され
る。
潤滑油成分の粒径の変化が非常に少なく、またスカムや
鉄粉を親水化するためミル(圧延機)よごれが改善され
る。
(iii) 金属被圧延材の表面の洗浄性が大きく向上す
る。この際被圧延材の表面が洗浄化されていないと後工
程の焼鈍に於いてエッジカーボン等が生じ好ましくな
い。
る。この際被圧延材の表面が洗浄化されていないと後工
程の焼鈍に於いてエッジカーボン等が生じ好ましくな
い。
(iv) 潤滑性が従来の圧延油に比し2〜10%程度も大
きく向上する。
きく向上する。
発明の構成 本発明の圧延油組成物は基本的には、油脂、鉱物油お
よび脂肪酸エステルの少なくとも1種から成る潤滑油成
分に、上記式(イ)〜(ハ)で表わされる高分子化合物
の少なくとも1種を配合したものである。
よび脂肪酸エステルの少なくとも1種から成る潤滑油成
分に、上記式(イ)〜(ハ)で表わされる高分子化合物
の少なくとも1種を配合したものである。
本発明に於いて使用される潤滑油成分としては従来か
らこの種圧延組成物に使用されて来たものがいずれも使
用出来、その代表例として油脂、鉱物油および脂肪酸エ
ステルが挙げられ、これ等は1種または2種以上の混合
系で使用出来る。具体的には、たとえばスピンドル油、
マシン油、タービン油、シリンダー油等の鉱物油;鯨
油、牛脂、豚脂、ナタネ油、ヒマシ油、ヌカ油、パーム
油、ヤシ油等の動植物油の油脂;牛脂、ヤシ油、パーム
油、ヒマシ油等から得られる脂肪酸と炭素数1〜22の脂
肪族1価アルコール、エチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ペンタエリスリトール等とのエステルが
挙げられる。
らこの種圧延組成物に使用されて来たものがいずれも使
用出来、その代表例として油脂、鉱物油および脂肪酸エ
ステルが挙げられ、これ等は1種または2種以上の混合
系で使用出来る。具体的には、たとえばスピンドル油、
マシン油、タービン油、シリンダー油等の鉱物油;鯨
油、牛脂、豚脂、ナタネ油、ヒマシ油、ヌカ油、パーム
油、ヤシ油等の動植物油の油脂;牛脂、ヤシ油、パーム
油、ヒマシ油等から得られる脂肪酸と炭素数1〜22の脂
肪族1価アルコール、エチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ペンタエリスリトール等とのエステルが
挙げられる。
本発明で使用する式(イ)で表わされる高分子化合物
は、その製法は何等限定されないが、たとえば次の様な
方法で製造される。
は、その製法は何等限定されないが、たとえば次の様な
方法で製造される。
下記一般式(ニ) (但し、B,D,及びn2は前記に同じ) で表わされる繰返し単位を有する高分子物質を、ホルム
アルデヒド,N,Nジメチルホルムアミドやジオキサン等の
適宜な溶媒に溶解した後,下記一般式(A) (但しR2〜R3及びAは前記に同じ,R4とR5はR2とR3と同
じ) で表わされるジアミンを、上記高分子物質の繰返し単位
当り、1.0〜1.5当量加え、加温下通常70〜200℃程度好
ましくは90〜180℃程度でイミド化して製造出来る。
アルデヒド,N,Nジメチルホルムアミドやジオキサン等の
適宜な溶媒に溶解した後,下記一般式(A) (但しR2〜R3及びAは前記に同じ,R4とR5はR2とR3と同
じ) で表わされるジアミンを、上記高分子物質の繰返し単位
当り、1.0〜1.5当量加え、加温下通常70〜200℃程度好
ましくは90〜180℃程度でイミド化して製造出来る。
上記(ニ)の高分子物質は、たとえば次の様な方法で
製造される。即ち無水マレイン酸(1モル比)、とアル
キルビニルエーテル(1.2モル比)をジメチルホルムア
ミドやジオキサン等の適宜な溶媒中、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ジターシャリブチル、アゾビスイソブチロニ
トリル等の適当な重合開始材の存在下、溶液重合させる
ことにより製造することが出来る。この高分子物質の重
合度は5〜1000程度、平均分子量は2000〜100万程度の
ものである。
製造される。即ち無水マレイン酸(1モル比)、とアル
キルビニルエーテル(1.2モル比)をジメチルホルムア
ミドやジオキサン等の適宜な溶媒中、過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ジターシャリブチル、アゾビスイソブチロニ
トリル等の適当な重合開始材の存在下、溶液重合させる
ことにより製造することが出来る。この高分子物質の重
合度は5〜1000程度、平均分子量は2000〜100万程度の
ものである。
また前記(ロ)で表わされるスチレン−マレイン酸系
共重合体も、前記(イ)の製造に於いて高分子物質
(ニ)に代えて下記一般式(ホ) (但しn3は1〜3の整数、n4は1〜1000の整数を示す) で表わされる繰返し単位を有する高分子物質を用いて同
様に製造することが出来る。
共重合体も、前記(イ)の製造に於いて高分子物質
(ニ)に代えて下記一般式(ホ) (但しn3は1〜3の整数、n4は1〜1000の整数を示す) で表わされる繰返し単位を有する高分子物質を用いて同
様に製造することが出来る。
また前記(ハ)で表わされるイミド化物を製造する際
のイミド化の反応条件も前記(イ)の共重合体の製造時
の反応条件とほぼ同様である。
のイミド化の反応条件も前記(イ)の共重合体の製造時
の反応条件とほぼ同様である。
本発明に於いて使用する上記式(イ)〜(ハ)の各化
合物のうち、好ましいものを示せば次の様なものであ
る。即ち先ず式(イ)に於いてはAがC2〜C6の直鎖又は
分岐アルキル基, BがCH3又はR1O−中式R1がC1〜C8の直鎖又は分岐アルキ
ル基, DがH又はCH3, R2及びR3がC1〜C4の直鎖又は分岐アルキル基, n1が100〜600, のものである。
合物のうち、好ましいものを示せば次の様なものであ
る。即ち先ず式(イ)に於いてはAがC2〜C6の直鎖又は
分岐アルキル基, BがCH3又はR1O−中式R1がC1〜C8の直鎖又は分岐アルキ
ル基, DがH又はCH3, R2及びR3がC1〜C4の直鎖又は分岐アルキル基, n1が100〜600, のものである。
また共重合体(ロ)については、 AがC1〜C6の直鎖又は分岐アルキル基, R2及びR3がC1〜C4の直鎖又は分岐アルキル基, n4が6〜500, のものである。
また、イミド化物(ハ)については N−アミノプロピルピペリジン, のものである。
本発明に於いては上記一般式(イ)〜(ハ)で表わさ
れる化合物の少なくとも1種を使用することを必須とし
ているが、好ましくはこれ等化合物と対イオンを形成す
る物質を併用する。この際使用される対イオンとしての
アニオンとしては、たとえば硫酸イオン、硝酸イオン、
塩素イオン、グリコール酸イオン、リン酸イオン、硼酸
イオン、炭素数1〜20の脂肪酸イオン等が挙げられる。
れる化合物の少なくとも1種を使用することを必須とし
ているが、好ましくはこれ等化合物と対イオンを形成す
る物質を併用する。この際使用される対イオンとしての
アニオンとしては、たとえば硫酸イオン、硝酸イオン、
塩素イオン、グリコール酸イオン、リン酸イオン、硼酸
イオン、炭素数1〜20の脂肪酸イオン等が挙げられる。
通常圧延油は製造工場に於いて、油脂、鉱物或いはエ
ステル等を基油とし、これに、必要に応じ油性向上剤、
極圧添加剤、防錆添加剤、酸化防止剤、乳化剤等の1種
または2種以上を配合した組成物を輸送し、実際使用さ
れる現場に於いて水に0.1〜10%の濃度に希釈、エマル
ジョン化して使用される。
ステル等を基油とし、これに、必要に応じ油性向上剤、
極圧添加剤、防錆添加剤、酸化防止剤、乳化剤等の1種
または2種以上を配合した組成物を輸送し、実際使用さ
れる現場に於いて水に0.1〜10%の濃度に希釈、エマル
ジョン化して使用される。
このため対イオンとして炭素数1〜20好ましくは8〜
20の脂肪酸イオンを用いた場合には本発明に使用する高
分子物質(イ)〜(ハ)は圧延油の基油に均一に溶解す
る。従って使用現場に於いては従来の圧延油同様、水に
所定濃度に希釈するのみで均一なエマルジョンが形成さ
れる。これに対して、対イオンとして炭素数1〜20の脂
肪酸イオンを除く対イオンを使用した場合には、高分子
化合物(イ)〜(ハ)は、基油に均一溶解しがたく使用
現場に於いて圧延油と分散剤を各々所定濃度に水に希釈
してエマルジョンを形成することが好ましい。
20の脂肪酸イオンを用いた場合には本発明に使用する高
分子物質(イ)〜(ハ)は圧延油の基油に均一に溶解す
る。従って使用現場に於いては従来の圧延油同様、水に
所定濃度に希釈するのみで均一なエマルジョンが形成さ
れる。これに対して、対イオンとして炭素数1〜20の脂
肪酸イオンを除く対イオンを使用した場合には、高分子
化合物(イ)〜(ハ)は、基油に均一溶解しがたく使用
現場に於いて圧延油と分散剤を各々所定濃度に水に希釈
してエマルジョンを形成することが好ましい。
本発明に於いては上記一般式(イ)〜(ハ)で表わさ
れる化合物はこれ等の1種でも或いは2種以上併用して
も良い。
れる化合物はこれ等の1種でも或いは2種以上併用して
も良い。
これ等本発明の高分子化合物は圧延油組成物全量に対
して0.1〜10重量%好ましくは0.5〜5重量%になるよう
に配合する。
して0.1〜10重量%好ましくは0.5〜5重量%になるよう
に配合する。
本発明の金属圧延油組成物には、上記成分の他、必要
に応じて公知の各種添加剤、たとえば防錆剤、油性向上
剤、極圧剤、酸化防止剤等を添加することが出来る。
に応じて公知の各種添加剤、たとえば防錆剤、油性向上
剤、極圧剤、酸化防止剤等を添加することが出来る。
上記各種添加剤は、必要に応じ圧延油性組成物全量に
対して、それぞれ0〜10%、0〜20%、0〜3%、0〜
5%の割合で添加することが出来る。
対して、それぞれ0〜10%、0〜20%、0〜3%、0〜
5%の割合で添加することが出来る。
防錆剤としては、アルケニルコハク酸及びその誘導
体、オレイン酸等の脂肪酸、ソルビタンモノオレート等
のエステル又はその他アミン類等が、油性向上剤として
は、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸及びその
誘導体であるエステル又はダイマー酸等の二塩基酸が、
また、極圧剤としては、トリクレジルホスフェート等の
リン系化合物及びジアルキルジチオリン酸亜鉛等の有機
化合物が、酸化防止剤としては、2,4−ジt−ブチルp
−クレゾール等のフェノール系化合物、フェニルα−ナ
フチルアミン等の芳香族アミン等がそれぞれ例示され
る。
体、オレイン酸等の脂肪酸、ソルビタンモノオレート等
のエステル又はその他アミン類等が、油性向上剤として
は、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸及びその
誘導体であるエステル又はダイマー酸等の二塩基酸が、
また、極圧剤としては、トリクレジルホスフェート等の
リン系化合物及びジアルキルジチオリン酸亜鉛等の有機
化合物が、酸化防止剤としては、2,4−ジt−ブチルp
−クレゾール等のフェノール系化合物、フェニルα−ナ
フチルアミン等の芳香族アミン等がそれぞれ例示され
る。
本発明の金属圧延油組成物は、上記圧延油成分と、水
溶性高分子化合物とを単に同時混合するか、或いは、水
分量が80%位までの濃厚溶液として調製しておき、使用
時水で希釈することにより使用される。
溶性高分子化合物とを単に同時混合するか、或いは、水
分量が80%位までの濃厚溶液として調製しておき、使用
時水で希釈することにより使用される。
実施例 以下に実施例並びに比較例を示して本発明を具体的に
説明する。但し下記例に於いて使用した分散剤A〜Gは
夫々次のものを示す。
説明する。但し下記例に於いて使用した分散剤A〜Gは
夫々次のものを示す。
高分子分散剤 A:イソブチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合
体のN,N−ジメチルアミノプロピルアミンによるイミド
化物 重合度=400 ▲▼=112000 B:メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の
N,N−ジエチルアミノエチルアミンによるイミド化物 重合度=600 ▲▼=15200 C:オクチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体
のN,N−ジメチルアミノエトキシプロピルアミンによる
イミド化物 重合度=60 ▲▼=23000 D:エチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の
N,N−ジメチルアミノネオペンタナミンによるイミド化
物 重合度=200 ▲▼=56000 E:オレイルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体
のメチルアミノプロピルアミンによるイミド化物 重合度=10 ▲▼=5500 F:スチレンと無水マレイン酸の共重合体のN,N−ジメチ
ルアミノプロピルアミンによるイミド化物 重合度=200 ▲▼=57800 G:イソブチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合
体のN−アミノプロピルピペリジンによるイミド化物 重合度=800 ▲▼=250000 実施例1〜7 上記分散剤を用い、第1表に示す所定の成分と所定の
配合量で配合して圧延油組成物を調製した。
体のN,N−ジメチルアミノプロピルアミンによるイミド
化物 重合度=400 ▲▼=112000 B:メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の
N,N−ジエチルアミノエチルアミンによるイミド化物 重合度=600 ▲▼=15200 C:オクチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体
のN,N−ジメチルアミノエトキシプロピルアミンによる
イミド化物 重合度=60 ▲▼=23000 D:エチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の
N,N−ジメチルアミノネオペンタナミンによるイミド化
物 重合度=200 ▲▼=56000 E:オレイルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体
のメチルアミノプロピルアミンによるイミド化物 重合度=10 ▲▼=5500 F:スチレンと無水マレイン酸の共重合体のN,N−ジメチ
ルアミノプロピルアミンによるイミド化物 重合度=200 ▲▼=57800 G:イソブチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合
体のN−アミノプロピルピペリジンによるイミド化物 重合度=800 ▲▼=250000 実施例1〜7 上記分散剤を用い、第1表に示す所定の成分と所定の
配合量で配合して圧延油組成物を調製した。
かくして得られた各組成物について、各種特性を測定
した。この結果を第2表並びに第1〜4図に示す。但し
各種特性は夫々次の方法で測定した。
した。この結果を第2表並びに第1〜4図に示す。但し
各種特性は夫々次の方法で測定した。
<付着量> 1.6×80×100mmの酸洗い板をダル圧延5パス後水切り
して風乾(24時間)して秤量してw1を測定する。次いで
トリクレンで洗浄して秤量してw2を測定する。
して風乾(24時間)して秤量してw1を測定する。次いで
トリクレンで洗浄して秤量してw2を測定する。
付着量=w1−w2 <圧延試験> 二段試験圧延機を用いて、下記圧延条件にて7パス圧
延し、伸び率=3.4時点に於ける圧延荷重(t数)を測
定し、下記式による圧延相対比を求めた。
延し、伸び率=3.4時点に於ける圧延荷重(t数)を測
定し、下記式による圧延相対比を求めた。
※圧延条件 圧延材料:軟鋼板(SPCC)厚さ2.2mm×巾50mm×長さ500
mm 圧延速度:13m/分 圧延ロール:直径150mm、胴長200mmブライトロール クーラント温度:50〜55℃ クーラント温度:5%エマルジョン パススケジュール:7パス <鋼板明度試験> 試験圧延した鋼板表面に市販メルテングテープを貼
付、次いで剥離し、該テープを標準白色台紙に貼りつけ
た表面を日本電色工業製色差計ND−101D型でその明度を
測定した。完全黒色を0、標準白色台紙の明度を85とし
て求める。
mm 圧延速度:13m/分 圧延ロール:直径150mm、胴長200mmブライトロール クーラント温度:50〜55℃ クーラント温度:5%エマルジョン パススケジュール:7パス <鋼板明度試験> 試験圧延した鋼板表面に市販メルテングテープを貼
付、次いで剥離し、該テープを標準白色台紙に貼りつけ
た表面を日本電色工業製色差計ND−101D型でその明度を
測定した。完全黒色を0、標準白色台紙の明度を85とし
て求める。
<劣化テスト> 本発明圧延油(3%エマルジョン)を下記第5図に示
す循環劣化試験機で7日間劣化試験を行い、試験前後の
粒径分布を測定した。但し第5図中(1)はタンク(液
温55℃±5℃)、(2)はフィルター、(3)はポンプ
(25/min)、(4)は回転ドラム(30φcm×20cml)
を示す。この回転ドラム(4)中には1/2鋼球ボール150
個、2cm×2cm×1cm鋳物ブロック8個を内在せしめ、115
rpmで回転するものである。
す循環劣化試験機で7日間劣化試験を行い、試験前後の
粒径分布を測定した。但し第5図中(1)はタンク(液
温55℃±5℃)、(2)はフィルター、(3)はポンプ
(25/min)、(4)は回転ドラム(30φcm×20cml)
を示す。この回転ドラム(4)中には1/2鋼球ボール150
個、2cm×2cm×1cm鋳物ブロック8個を内在せしめ、115
rpmで回転するものである。
第1〜4図に於ける実線は試験前の粒径分布を表わ
し、また点線は試験後の粒径分布を表わす。
し、また点線は試験後の粒径分布を表わす。
第1〜4図は各圧延油組成物の劣化試験の結果を示す図
面であり、また第5図は劣化試験の方法を示す図面であ
る。 1……タンク 2……フィルター 3……ポンプ 4……回転ドラム
面であり、また第5図は劣化試験の方法を示す図面であ
る。 1……タンク 2……フィルター 3……ポンプ 4……回転ドラム
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:00 40:24
Claims (1)
- 【請求項1】(A)動植物油脂、鉱物油並びに脂肪酸エ
ステルの少なくとも1種である潤滑油成分、及び (B) (イ)下記式 (但し式中R2、R3は同一または相異なってHまたはC1〜
C18の直鎖または分岐アルキル基を示す。AはC1〜C10の
直鎖又は分岐アルキル基、又は−R6−O−R7−基を、B
は−CH3又はR1O−を示す。ここでR1はC1〜C18の直鎖又
は分岐アルキル基を示し、またR6及びR7はC1〜C4のアル
キル基を示す。またDはHまたはCH3基を示す。n1は5
〜1000の整数である。) で表される繰返し単位を有するアルキレン又はビニルエ
ーテル−マレイン酸系共重合体、 (ロ)下記式 (但し式中A、R2、R3は上記と同じ。n3は1〜3の整数
を、n4は5〜1000の整数を示す。) で表される繰返し単位を有するスチレン−マレイン酸系
共重合体、及び (ハ)下記一般式(ニ) (但し式中n2は5〜1000の整数を示す。) 又は下記一般式(ホ) (但し式中n3は1〜3の整数を、またn4は5〜1000の整
数を示す。)で表される高分子物質と、 N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペ
リジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミ
ノプロピルピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、
N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノピペリジ
ン、N−アミノ−4−メチルピペコリン、イソニコチン
アミド、ニコチンアミド、2−アミノピリジン、3−ア
ミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ピコリルアミ
ン、3−ピコリルアミン、及び4−ピコリルアミンから
成る群から選ばれた少なくとも1種のアミン系化合物と
の反応イミド化物質の少なくとも1種を必須成分として
含有して成ることを特徴とする金属圧延油組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13622887A JP2564136B2 (ja) | 1987-05-30 | 1987-05-30 | 金属圧延油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13622887A JP2564136B2 (ja) | 1987-05-30 | 1987-05-30 | 金属圧延油組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63301297A JPS63301297A (ja) | 1988-12-08 |
JP2564136B2 true JP2564136B2 (ja) | 1996-12-18 |
Family
ID=15170283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13622887A Expired - Lifetime JP2564136B2 (ja) | 1987-05-30 | 1987-05-30 | 金属圧延油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2564136B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2640272B1 (fr) * | 1988-12-12 | 1992-07-24 | Elf Aquitaine | Composes polymeriques resultant de la condensation d'une alkylene polyamine sur un copolymere ayant des groupements carboxyliques vicinaux et leur utilisation comme additifs aux lubrifiants |
AU1467292A (en) * | 1991-03-22 | 1992-10-21 | Henkel Corporation | Lubrication for cold forming of metals |
US5547595A (en) * | 1995-02-07 | 1996-08-20 | Henkel Corporation | Aqueous lubricant and process for cold forming metal, particularly pointing thick-walled metal tubes |
US7273833B2 (en) | 2003-10-02 | 2007-09-25 | Yushiro Chemical Industry Co., Ltd. | Water-soluble lubricant for warm or hot metal forming |
US9090847B2 (en) * | 2011-05-20 | 2015-07-28 | Afton Chemical Corporation | Lubricant compositions containing a heteroaromatic compound |
JP2025005407A (ja) * | 2023-06-27 | 2025-01-16 | 花王株式会社 | 蓄電デバイス電極用分散剤 |
WO2025004863A1 (ja) * | 2023-06-27 | 2025-01-02 | 花王株式会社 | 蓄電デバイス電極用分散剤 |
-
1987
- 1987-05-30 JP JP13622887A patent/JP2564136B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63301297A (ja) | 1988-12-08 |
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