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JPH06329512A - 防汚組成物 - Google Patents

防汚組成物

Info

Publication number
JPH06329512A
JPH06329512A JP11843493A JP11843493A JPH06329512A JP H06329512 A JPH06329512 A JP H06329512A JP 11843493 A JP11843493 A JP 11843493A JP 11843493 A JP11843493 A JP 11843493A JP H06329512 A JPH06329512 A JP H06329512A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper alloy
beryllium
beryllium copper
group
antifouling
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11843493A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Yoshida
弘 吉田
Matsushige Sakai
松成 堺
Mamoru Toyao
守 鳥屋尾
Nobuhiro Morita
悦宏 森田
Mitsuhiro Sato
充弘 佐藤
Takashi Mitsui
任 三井
Keigo Nojiri
敬午 野尻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Chubu Electric Power Co Inc
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Chubu Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd, Chubu Electric Power Co Inc filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP11843493A priority Critical patent/JPH06329512A/ja
Publication of JPH06329512A publication Critical patent/JPH06329512A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 海生物に対する防汚性能を発揮しかつ持続
し、耐久性に優れ、また毒性がなく環境の保全に貢献す
る防汚組成物を提供する。 【構成】 防汚組成体の少なくとも表面層は、Pb、F
e、Zn、Sn、Al、Mn、Ni、Cr、Ti、Z
r、Co、As、Sb、Siの群から選ばれる1種類以
上の元素を含有するベリリウム銅合金により構成され
る。このベリリウム銅合金の組成は、Be:0.01〜
15.0原子%、Beと前記元素の群から選ばれる1種
類以上の元素との総量が50原子%以下である。この防
汚組成体を海水に浸すと、ベリリウム銅合金母材の表面
層に形成される銅の酸化皮膜とベリリウム酸化皮膜との
間に中間層を形成し、剥離層の遊離効果を良好にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ふじつぼ、紫い貝、藻
類のような海生物の付着を防止する機能を持つ防汚組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】海水に接触している海洋構造体は、常に
海生物の付着による汚損に曝されている。そのため、通
常の海洋構造体は、外観が損なわれるのみならず、機能
的な障害を生ずることとなる。例えば船舶の場合、船体
の底面等への海生物の付着により抵抗が増加して船体の
推進速度が低下する。また火力発電所の場合、海水の取
水ピットに海生物が付着すると、冷却媒体である海水の
流通障害が発生し、発電を停止せざるを得ない事態に至
ることがある。
【0003】このため、従来から多くの海生物付着防止
技術が研究されているが、そのうち現在実用化されてい
る海生物付着防止技術は、亜酸化銅あるいは有機スズを
含有する塗料を海洋構造体の海水との接触面に塗布する
方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の塗料を用いた防汚方法によると、塗料を厚塗りし
たとしても塗料が剥離しやすいため、顕著な防汚効果を
発揮する寿命は1年程度であり、毎年塗布し直す煩雑な
メンテナンス作業が必要となる。また有機スズを含有す
る塗料は、毒性が問題とされており、魚介類への堆積が
懸念され環境保全の観点から使用が望ましくない。更に
最近では、10%ニッケル−90%銅のキュープロニッ
ケルも実用化されつつあるが、これは耐久性に優れてい
るものの防汚性能は上記のような塗料に及ばないという
問題がある。
【0005】本発明の目的は、前記した従来の問題点を
解消して、防汚性能および耐久性に優れ、メンテナンス
の必要がなく、また毒性についての問題もない防汚組成
物および防汚組成体の剥離層形成方法を提供することで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明の第1発明の防汚組成物は、ベリリウム銅合金
と添加元素からなることを特徴とする。前記ベリリウム
銅合金中のベリリウムの含有率は0.01〜15.0原
子%とするのが好ましい。なお、原子%とは、原子の数
で表した濃度である(金属便覧−日本金属学会編)。
【0007】また、ベリリウム銅合金表面に酸化膜であ
る剥離層の形成から剥離まで円滑にすすめるために、各
目的に応じてA群、B群またC群から選ばれる少なくと
も1種類以上の元素を添加する。このうち剥離層形成方
法に関与する添加元素はA群、B群である。 A群:Pb、Fe、Zn、Sn、Al、Mn、Ni、C
r、Ti、Zr、Co、As、Sb、Si B群:Fe、As、Mn、Ni、Sb、Cr、Ti、Z
r、Mg、Co、P C群:Zn、Sn 前記A群、B群およびC群から選ばれる全元素の原子%
の下限は0.01原子%であり、ベリリウムを含めたA
群、B群およびC群から選ばれる全元素の原子%は、5
0.0原子%以下であることとする。ただし、下記添加
元素の含有率の上限は、P、As、Sb:2.0重量
%、Si:5.0重量%である。
【0008】また、各元素の添加目的、剥離層形成方
法、添加範囲の上限および下限の限定理由を次に示す。 ベリリウム(Be):0.01〜15.0原子% Beを添加するのは、海水中に防汚組成体を浸漬した
とき、Beを溶出させて防汚効果を発揮させ、ベリリ
ウム銅合金の強度、耐食性等の特性を向上し、熱処理
性、結晶粒度調整等の製造性を向上し、また、成形加
工性、および鋳造性を向上するためである。Beが0.
01原子%未満ではベリリウム銅合金表面にBeO層の
形成が困難である。Beが15.0原子%を超えると、
ベリリウム銅合金表面でBeOとCu2 Oが混合し、明
確な層構造にならず防汚効果を発揮しない。
【0009】A群:Pb、Fe、Zn、Sn、Al、M
n、Ni、Cr、Ti、Zr、Co、As、Sb、Si A群から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を添加す
るのは、ベリリウム銅合金の表面に形成されるBeO
層、Cu2 O層の間に前記元素の酸化物である中間層を
形成させ、剥離層の遊離効果を良好にするためである。
A群の添加範囲は、0.01原子%未満であると、Be
O層とCu2 O層の間に中間層が形成されない。また、
上限を超えると、ベリリウム銅合金中に占めるCuの比
率が低くなり、防汚性能が低下する。As、Sbについ
ては、上限を超えるとベリリウム銅合金を製造する時
に、人体への毒性の影響が懸念される。すなわち、衛生
上の問題が発生するためである。また、Siでは鋳造性
が著しく低下する。
【0010】B群:Fe、As、Mn、Ni、Cr、T
i、Zr、Mg、Co、Sb、P B群から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を添加す
るのは、ベリリウム銅合金中で金属間化合物を形成し、
添加元素を選定することによりCuの溶出量をコントロ
−ルするためである。添加範囲は、0.01原子%未満
では、金属間化合物を形成しても銅の溶出量をコントロ
−ルするに至らない。また、上限を超えると前記元素A
群と同様の理由で防汚性能が低下し、Sbについても、
前記元素A群と同じ理由から衛生上の問題を考慮した上
限である。Pについては、上限を超えると素材がもろく
なるためである。
【0011】C群:Zn、Sn C群から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を添加す
るは、ベリリウム銅合金の素材を強化し、耐浸食性、耐
空洞性をもたせるためである。Zn、Snが0.01原
子%未満であると、前記効果が十分発揮されない。ま
た、上限を超えると前記元素A群と同様の理由で防汚性
能が低下する。
【0012】前記防汚組成物に使用するベリリウム銅合
金の組成は、例えば Be:0.2〜1.0重量%、
Co:2.4〜2.7重量%、残部Cuおよび不可避不
純物、Be:0.2〜1.0重量%、Ni:1.4〜
2.2重量%、残部Cuおよび不可避不純物、Be:
1.0〜2.0重量%、Co:0.2〜0.6重量%、
残部Cuおよび不可避不純物、Be:1.6〜2.8
重量%、Co:0.4〜1.0重量%、Si:0.2〜
0.35重量%、残部Cuおよび不可避不純物等であ
る。
【0013】本発明の剥離層形成方法は、海水に接触す
るベリリウム銅合金母材の表面層にベリリウムまたは銅
の酸化皮膜とA群から選ばれる少なくとも1種類以上の
元素を添加し、中間層を形成するとともに、B群から選
ばれる少なくとも1種類以上の元素を添加することによ
り、ベリリウム銅合金母材の露出表面層から銅イオンを
環境に応じて海水へ溶出する量をコントロ−ルする。ま
た、C群から選ばれる少なくとも1種類以上の元素を添
加することにより、素材を強化し耐浸食性、耐空洞性を
もつベリリウム銅合金とすることを特徴とする。
【0014】
【作用】一般に、銅に防汚性があることは従来から知ら
れており、銅イオンが海生物を忌避する忌避効果を発揮
するためと考えられている。しかし単に銅を海洋構造体
に使用しても実用上十分な防汚効果を得ることはできな
い。本発明者による長年の実験研究の結果、海洋構造体
にベリリウム銅合金を海洋構造体に使用すると、後述す
る実施例に示すように、極めて優れた防汚効果を得るこ
とができることが判明した。この理由は、ベリリウム銅
合金に防汚剥離層を効果的に形成させる金属元素を添加
することにより、銅イオン溶出の効果を長時間持続し、
海生物に対して大きな忌避効果を発揮し、また海生物の
繁殖を防止するためと推定される。
【0015】すなわち、ベリリウム銅合金は、防汚機能
の発揮効果と、銅イオンの溶出の持続作用を有する。こ
の防汚機能の発揮効果と、銅イオンの溶出の持続作用を
詳述すると、次のとおりである。 防汚機能の発揮効果 ベリリウム、銅の酸化物の標準生成自由エネルギ−は、
Be<Cuであることが文献より知られている。このた
め、ベリリウムは非常に低い酸素ポテンシャルの時でも
酸化するので、例えば図2に示すように、ベリリウム銅
合金表面にBeOの内部酸化層ができる。このBeO皮
膜が多孔質のため、表面にCu2 O+BeOを形成すべ
く銅の溶出を許容する。しかし、CuとBeはその酸化
物の標準生成自由エネルギ−に差がありすぎるため、完
全な酸化物層というよりは酸化物が分散した金属に近い
状態で存在する。そこで、さらに円滑な剥離による防汚
機能を高めるために、酸化物の標準エネルギ−がBeよ
り大きくCuより小さいA群から選ばれる少なくとも1
種類以上の元素を添加することにより、例えば図1に示
すように、添加元素の酸化物がBeOの外側に中間層を
形成し、BeO層を酸化物層に近い状態にすることによ
り、良好な防汚機能が発揮される。
【0016】 銅イオン溶出の持続作用 前記の防汚機能の発揮効果は、銅イオンを溶出する持
続作用がある。すなわち、ベリリウム銅は防汚機能を止
むこと無く持続する作用がある。海水に接触するベリリ
ウム銅は、その表面に緻密な表面酸化物(Cu2 O)が
形成されるが、その表面酸化物の下層には、図1に示す
ように、多孔質のBeOの内部酸化物の皮膜が形成され
る。そのため、海水中への銅の溶出が維持されるととも
に、酸化によりこの皮膜が体積増加する。この皮膜の体
積増加量がある程度の量になると、表面の酸化皮膜が多
孔質の内部酸化物層との間で剥離する。このため、電気
化学作用と銅の溶出が長期間維持されると考えられる。
【0017】さらにベリリウム銅が発生する銅イオン溶
出の持続作用については、ベリリウム銅とキュープロニ
ッケルとを対比すると、図4に示す模式図を用いて次の
ように説明される。図4に示すように、ベリリウム銅
(BeCu)は腐食生成物(酸化物)の厚さがある厚さ
になると、この腐蝕生成物が剥離する。すると、ベリリ
ウム銅合金の表面が現われ、再び腐食の進行とともに腐
蝕生成物の厚さが増大する。そして、再び腐蝕生成物が
ある厚さになると剥離する、ということが繰り返され
る。一方、イオンの溶出は腐食生成物の厚さが増すと阻
害されるため次第に低下する。しかし、前述のように腐
食生成物が剥離すると、合金表面が現われるためイオン
溶出量は増大する。したがって、銅イオン溶出の増大と
低下が繰り返される。
【0018】本発明の実施例のベリリウム銅では、酸化
皮膜の剥離によって銅イオンの溶出持続作用がある。こ
の結果、ベリリウム銅の表面に付着する汚物の量が少量
であるか、あるいはほとんど付着しない。さらに、ベリ
リウム銅合金にBeと金属間化合物を形成するB群から
選ばれる少なくとも1種類以上の元素を添加すると、そ
れらを添加したベリリウム銅合金は、Beと金属間化合
物を形成するためBeが多く存在する部分ができ、その
部分は他の部分より酸化が早く進むので、凹凸により反
応する界面積が増加する。すなわち、添加元素によりC
uの溶出をコントロ−ルすることことができる。
【0019】これに対し、図3に示すように、比較例の
キュープロニッケル(CuNi)の場合、ある程度の経
年によって表面層に緻密な酸化ニッケルNiO2 または
酸化銅Cu2 Oが形成されることで、図4に示すよう
に、銅イオンの溶出が抑制されるからである。原因とし
て、Be、Ni、Cuのイオン化傾向が考えられる。各
元素のイオン化傾向は、Be>Ni>Cuであることが
文献より知られており、左側の元素の方が溶出しやすい
ことを示している。キュープロニッケルの場合、ニッケ
ル(Ni)が優先的に溶出して局部電池を形成すると考
えられ、図3のように表面に緻密な酸化物を形成するこ
とによる。そのため、図4に示すように、キュープロニ
ッケルの場合、腐食生成物の厚さは初期に時間とともに
増大するが、次第に腐蝕生成物の成長速度は遅くなる。
それとともに銅イオンの溶出量はしだいに低下する。し
かもキュープロニッケルでは腐食生成物の剥離がベリリ
ウム銅ほど容易には起こらない。このため、イオンの溶
出量は低レベルのままとなり、防汚効果が減退する。
【0020】防汚メカニズムの点においても、本発明に
係るベリリウム銅合金が、従来から用いられてきた防汚
組成物と異なるといえる。さらに、防汚組成体が、海水
中のいかなる環境に対しても、円滑な剥離層の形成と剥
離作用を持続するために、Cuと原子サイズに差があり
固溶強化する金属元素Cの1種類以上を添加し、素材の
強化をすることができる。
【0021】実用的なベリリウム銅合金としては、ベリ
リウムの含有率が0.2〜0.6重量%の11合金やベ
リリウムの含有率が1.8〜2.0重量%の25合金等
々の各種のものがJISで規定されているが、防汚効果
の点ではベリリウムの含有率が1.6重量%が好しい。
ベリリウムの含有率が2.8重量%をえると、銅にベリ
リウムがそれ以上固溶しなくなるため、防汚効果は優れ
るものの展伸加工性が次第に低下する。したがって、高
ベリリウム銅については鋳造により製造するのがよい。
【0022】またベリリウム銅合金は毒性の問題が全く
ないうえに、海水中においてもアルミ青銅や白銅と同等
の優れた耐久性があることが確認された。本発明の防汚
組成体の形状は板、管などの他、鋳造によって任意の形
状のものとすることができるので、用途に応じて種々な
形状を選択することができる。また本発明の防汚組成体
は全体をベリリウム銅合金製とする他に、海水との接触
部分のみをベリリウム銅合金としたクラッド材とするこ
ともできる。
【0023】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。 (実施例1)以下に本発明に係るベリリウム銅合金によ
る実験例を示す。各実験は、添加元素と添加量を変えた
ベリリウム銅合金を作成し、海水に浸しその防汚性能と
耐食性を評価した。
【0024】海水に浸した試験片の表面への貝類、藻類
の付着状況を観察し、防汚性能を評価した。2年経過後
生物付着の認められないものを◎、◎より劣り、1年後
では付着が認められず2年後で生物付着した面積が試験
片全体の5%以下であるものを○、○より劣り、1年後
で生物付着した面積が試験片全体の50%以下であるも
のを△、△より劣るものを×として評価し、各実験結果
表中に記入した。また、耐食性能については以下に示す
ように評価した。腐食速度が20μm/年以下のものを
◎、腐食速度が20μm/年以上50μm/年以下のも
のを○、腐食速度が50μm/年以上100μm/年以
下のものを△、腐食速度が100μm/年以上であるか
それ以下であっても局部的な異常腐食を示したものを×
とした。
【0025】実験1 Al5.0原子%とBeを段階的に変化させ、残部を銅
としてベリリウム銅合金を作成し、防汚評価と耐食評価
を行なった。結果を表1、2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】 本実験からAl5原子%では、Be添加量は2.0〜1
0.0原子%が最も好ましい条件であることが判る。同
様に、他のA群元素についても同様な実験を行った。次
に、Beの量を10.0原子%と一定にし、Al添加量
を変化させて実験を行なった。結果を表3に示す。な
お、比較例として添加範囲の上限、下限を超えて添加し
た場合についても記載する。
【0028】
【表3】 耐食性の面では、Al量が10.0原子%以上で良い結
果が得られているが、防汚性に注目した場合、Al量は
10.0原子%が好ましい。 実験2 続いて、標準生成エネルギ−が、Be<Al<Mn<C
uと、Alよりも高く、酸化のしやすさの面ではCuに
近い挙動を示すMnについて、その量を段階的に変化さ
せて、評価を行なった。結果を表4に示す。尚、比較例
は添加範囲の上限、下限を超える場合である。また、元
素AのうちSiとFeについても実験した。
【0029】
【表4】 本実験から、Be10.0原子%の時には、Mn3.0
原子%が好ましいことがわかる。 実験3 Be10.0原子%、Al3.0原子%として、元素B
のP、Coを添加して、評価実験を行なった。結果を表
5に示す。
【0030】
【表5】 実験4 元素CのSn、Znについて、添加量を変化させ、実験
を行なった。この時他の元素含有率は、Be:10.0
原子%、Al:3.0原子%、P:1.0原子%であ
る。結果を表6に示す。
【0031】
【表6】 以上の結果からもわかるように、本発明に係るベリリウ
ム銅合金の添加元素および添加量は、地道な試行錯誤が
必要とされ、発明者の長年の実験研究の積み重ねによっ
て得られたものである。 (実施例2)グラスファイバー製のボートの外板の表面
にBeを1.6〜1.8重量%含有するベリリウム銅合
金(165合金)からなる厚さ0.1mmの板を張りつ
けたところ、2年以上を経過しても目立った海生物の付
着はなく、その間に一度も洗浄することなく使用するこ
とができた。
【0032】(実施例3)火力発電所の取水口ピットの
コンクリート表面にBeを1.8〜2.0%含有するベ
リリウム銅合金(25合金)からなる厚さ0.5mmの
板を張りつけたところ、海生物の付着はほとんどなく、
2年以上を経過しても一度も洗浄を行う必要がなかっ
た。なお、コンクリートのままの場合には3月毎に海生
物を除去する必要がある。
【0033】(実施例4)高ベリリウム材については鋳
造により製作した。外径120mm、肉厚10mm、長
さ300mmの管を海水中に浸漬し、長期間その管の径
面変化を観察した。ここで用いた管の組成は、第1の管
について、Be:2.2重量%、Co:0.72重量
%、Si:0.29重量%、残部Cuおよび不可避不純
物であり、また第2の管についてはBe:2.4重量
%、Co:0.80重量%、Si:0.28重量%、残
部Cuおよび不可避不純物であった。この結果、2年経
過後、この管には、目立った海生物の付着は見られなか
った。
【0034】以上のように、特に前記実施例のように船
舶に使用すれば推進エネルギーを節減することができ、
また発電所の取水ピットに適用すれば発電プラントの停
止を無くすることができる等の大きな経済的な効果を発
揮することができる。本発明は、上記した他にも、潜水
艦の外装板、海洋発電所の外装板、魚生け簀の網止め
杭、養殖用いかだ、火力発電所の復水器等の広い用途を
持つものであり、広い分野にわたり産業の発展に寄与す
ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防汚組成
体および剥離層形成方法によれば、海生物の付着を長期
間にわたり防止でき、耐久性に優れ、メンテナンスの手
数が簡便で、毒性の問題がなく環境の保全に貢献するな
どの多くの優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるベリリウム銅合金の酸化
皮膜の状態を示す模式図である。
【図2】比較例の添加元素を加えないベリリウム銅合金
の酸化皮膜の状態を示す模式図である。
【図3】比較例のキュープロニッケルの酸化皮膜状態を
示す模式図である。
【図4】ベリリウム銅とキュープロニッケルについて銅
イオン溶出量および腐蝕生成物の厚さの経時的変化を対
比した模式説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鳥屋尾 守 愛知県名古屋市緑区大高町北関山20番の1 中部電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 森田 悦宏 愛知県名古屋市緑区大高町北関山20番の1 中部電力株式会社電力技術研究所内 (72)発明者 佐藤 充弘 愛知県愛知郡日進町東山3丁目1308番地 (72)発明者 三井 任 愛知県知多郡東浦町大字緒川字東仙台2番 地の8 (72)発明者 野尻 敬午 愛知県半田市新宮町1丁目106番地

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベリリウム銅合金中のベリリウムの含有
    率が0.01〜15.0原子%で、下記A群から選ばれ
    る少なくとも1種類以上の元素を含有することを特徴と
    する防汚組成物。 A群:Pb、Fe、Zn、Sn、Al、Mn、Ni、C
    r、Ti、Zr、Co、As、Sb、Si
  2. 【請求項2】 ベリリウム銅合金中に下記B群から選ば
    れる少なくとも1種類以上の元素を含有することを特徴
    とする請求項1記載の防汚組成物。 B群:Fe、As、Mn、Ni、Sb、Cr、Ti、Z
    r、Mg、Co、P
  3. 【請求項3】 ベリリウム銅合金中に下記C群から選ば
    れる少なくとも1種類以上の元素を含有することを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の防汚組成物。 C群:Zn、Sn
  4. 【請求項4】 海水中に接触する部位に用いられる防汚
    組成体であって、少なくともその表面層がベリリウム銅
    合金からなり、このベリリウム銅合金中のベリリウム含
    有率が0.01〜15.0原子%であることを特徴とす
    る防汚組成物。
  5. 【請求項5】 ベリリウム銅合金中に請求項1記載の金
    属元素を1種類以上添加して、ベリリウム銅合金表面に
    形成されるBeO層とCu2 O層の間に中間層を形成す
    ることを特徴とする防汚組成体の剥離層形成方法。
  6. 【請求項6】 ベリリウム銅合金中に請求項2記載の金
    属元素を1種類以上添加することにより、ベリリウム銅
    合金中のBeと金属間化合物を形成し、Cu 2 O層生成
    のスピ−ドをコントロ−ルすることを特徴とする防汚組
    成体の剥離層形成方法。
JP11843493A 1993-05-20 1993-05-20 防汚組成物 Pending JPH06329512A (ja)

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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0570869A (ja) * 1991-04-16 1993-03-23 Ngk Insulators Ltd 防汚構造体および防汚方法
JPH05271020A (ja) * 1992-03-24 1993-10-19 Ngk Insulators Ltd 防汚構造体
JPH05271025A (ja) * 1992-03-24 1993-10-19 Ngk Insulators Ltd 防汚構造体

Patent Citations (3)

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