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JPH06298523A - 金属含有着色マイカシートおよびその製造方法 - Google Patents

金属含有着色マイカシートおよびその製造方法

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Publication number
JPH06298523A
JPH06298523A JP10600493A JP10600493A JPH06298523A JP H06298523 A JPH06298523 A JP H06298523A JP 10600493 A JP10600493 A JP 10600493A JP 10600493 A JP10600493 A JP 10600493A JP H06298523 A JPH06298523 A JP H06298523A
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JP
Japan
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metal
ion
mica sheet
fluoromica
transition metal
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Application number
JP10600493A
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English (en)
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JP3438076B2 (ja
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Takashi Furusawa
隆資 古沢
Yutaro Ishida
雄太郎 石田
Seinosuke Ando
誠之助 安藤
Ko Honma
興 本間
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KOOPU CHEM KK
Co Op Chemical Co Ltd
Original Assignee
KOOPU CHEM KK
Co Op Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by KOOPU CHEM KK, Co Op Chemical Co Ltd filed Critical KOOPU CHEM KK
Priority to JP10600493A priority Critical patent/JP3438076B2/ja
Publication of JPH06298523A publication Critical patent/JPH06298523A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B33/00Silicon; Compounds thereof
    • C01B33/20Silicates
    • C01B33/36Silicates having base-exchange properties but not having molecular sieve properties
    • C01B33/38Layered base-exchange silicates, e.g. clays, micas or alkali metal silicates of kenyaite or magadiite type

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)
  • Paper (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有機接着剤等のバインダーを使用せずに、フ
ッ素雲母のみを用いて作られる、耐熱性、機械的強度、
曲げ強度に優れたペーパーライクの着色マイカシートお
よびその製造方法を開発する。 【構成】 タルクとケイフッ化アルカリもしくはフッ化
アルカリの混合粉末を、タルクを溶融することなく加熱
処理して得られる合成膨潤性フッ素雲母の層間イオンの
うち、交換性イオンの50〜95当量%を遷移金属イオ
ンでイオン交換して得られる次式(1)(略す)で示さ
れる金属含有フッ素雲母からなる金属含有着色マイカシ
ートにより目的を達成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属含有着色マイカシ
ートおよびその製造方法に関するものであり、さらに詳
しくはタルク層間に遷移金属がインターカレートされて
いる結晶構造を有する微粒金属含有フッ素雲母から製造
される、耐熱性、機械的強度に優れた着色マイカシート
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、層状ケイ酸塩からなる無機シート
としては、例えば、特公昭35−6874号公報にはナ
トリウム四ケイ素雲母からなるフイルムが、特開昭55
−142539号公報にはガラスと雲母からなるフイル
ムが、特開昭53−39318号公報にはバーミュキュ
ライトからなるフイルムが、特公昭54−15043号
公報には合成含フッ素モンモリロナイトからなるフイル
ムがそれぞれ記載されている。しかしながら、かかる従
来の無機シートは、フイルム製造時にフイルム中に気泡
が入りやすく、また得られたフイルムも機械的強度が不
十分であるといった欠点があった。このため、機械的強
度を上げるためには、バインダーとして、シリコン系接
着剤等の有機接着剤を使用する必要があった。
【0003】金属イオンを含有した無機フイルムとして
は、特開昭50−2698号公報に、合成ヘクトライト
を出発原料にして、層間イオンを金属イオン等とイオン
交換して製造した金属含有無機フイルムが記載されてい
る。しかし、この場合も、フイルム製造時にフイルム中
に気泡が入りやすく、また得られたフイルムも機械的強
度が不十分であるといった欠点があった。このため、機
械的強度を上げるためには、バインダーとして、シリコ
ン系接着剤等の有機接着剤を使用する必要があった。
【0004】さらに、特開昭61−83619号公報に
は、合成雲母の層間イオンを、イオン指数1.25以上
の無機陽イオンで置換した無機フイルムが記載されてい
る。しかしながら、上記記載の無機フイルムは、出発原
料に限定膨潤性雲母であるナトリウムテニオライトを使
用し、該限定膨潤性雲母の層間イオンを、あらかじめ有
機カチオンと反応させてその後に、有機カチオンをイオ
ン指数1.25以上の無機陽イオンと置換する方法で製
造されている。このため、得られたマイカシートには、
アルキルアミン、アミノアルコール等の有機カチオンが
一部残留するため、純度が低下し、高純度のマイカシー
トは得られなかった。さらに、高温にすると、残留した
有機物が分解するため、マイカシートの耐熱性が低下し
てしまい、高温で長時間使用できる耐熱性を有するマイ
カシートは得られなかった。なお、該公報には、イオン
指数1.25以上の無機陽イオンの具体例として、K、
Pb、Cs、Biの各イオンが記載されているが、遷移
金属イオンについては記載されていない。
【0005】これまで、工業的規模で合成されている膨
潤性フッ素雲母としては、Na型四ケイ素雲母(NaM
2.5 Si4102 )と、Na型テニオライト(Na
Mg2 LiSi4102 )がある。このうち、Na型
四ケイ素雲母は、原料を1400〜1500℃に加熱し
て溶融し、合成後、冷却して、粉砕するいわゆる溶融法
で製造されており、この方法で得られた膨潤性雲母は、
そのメチレンブルー吸着量(陽イオン交換容量を知るた
めの簡便法)が10〜30meq/100gと低く、ま
た、水への分散性が悪いため、金属イオン等とイオン交
換反応させて非膨潤性マイカシートをつくるには不適当
な材料であった。
【0006】また、Na型テニオライトから製造する場
合には、自身が限定膨潤性であるため、金属イオン等と
イオン交換反応させるためには、あらかじめ、反応性の
高い有機カチオンを使用する必要があるという問題があ
った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、原料
にイオン交換能が大きく、水中で膨潤、劈開して微細な
粒子となって分散する合成膨潤性フッ素雲母を用いて、
あらかじめ有機カチオンとイオン交換反応させることな
く、遷移金属がインターカレートされている結晶構造を
有する微粒金属含有フッ素雲母を合成し、そして有機接
着剤等のバインダーを使用せずに、微粒金属含有フッ素
雲母のみを用いて作られる、耐熱性、機械的強度に優れ
たペーパーライクの着色マイカシートおよびその製造方
法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
に鑑み鋭意研究、検討を起こった結果、タルクとケイフ
ッ化アルカリもしくはフッ化アルカリの混合粉末を、タ
ルクを溶融することなく加熱処理して得られる合成膨潤
性フッ素雲母の層間イオンを遷移金属イオンでイオン交
換して得られる金属含有フッ素雲母のみを用いて、これ
をシート状に乾燥することにより優れたペーパーライク
の着色マイカシートが得られることを見い出し本発明に
到達した。
【0009】本発明の請求項1の発明は、タルクとケイ
フッ化アルカリもしくはフッ化アルカリの混合粉末を、
タルクを溶融することなく加熱処理して得られる合成膨
潤性フッ素雲母の層間イオンのうち、交換性イオンの5
0〜95当量%を遷移金属イオンでイオン交換して得ら
れる次式(1)で示される金属含有フッ素雲母からなる
ことを特徴とする金属含有着色マイカシートである。 αMF・βLF・γ(aMgF2 ・bMgO)・σSiO2 (1) (式中、Mは、層間イオンで、遷移金属イオンを表し、
Lは、層間イオンで、Na+ および/又はLi+ を表
し、αは0.05〜1.8、βは0.005〜1を表
し、かつα+βは0.1〜2であり、γは2〜3.5を
表し、σは3〜4を表し、a及びbは、それぞれ0〜1
を表しかつa+b=1である)
【0010】本発明の請求項2の発明は、遷移金属が亜
鉛、銅、鉄、チタン、錫、ニッケル、コバルトから選択
される少なくとも一つであることを特徴とする請求項1
記載の金属含有着色マイカシートである。
【0011】本発明の請求項3の発明は、ケイフッ化ナ
トリウムもしくはケイフッ化リチウムとタルクの混合粉
末、又はケイフッ化ナトリウムもしくはケイフッ化リチ
ウムとフッ化ナトリウムもしくはフッ化リチウムとタル
クの混合粉末を、タルクを溶融することなく700度以
上で加熱処理して得られた次式(2)で示される合成膨
潤性フッ素雲母と、水溶性の遷移金属塩水溶液を混合、
攪拌して層間イオンのうち、交換性イオンの50〜95
当量%が遷移金属イオンに交換された請求項1記載の式
(1)で示される金属含有フッ素雲母を製造し、これを
シート状に乾燥することを特徴とする金属含有着色マイ
カシートの製造方法である。 α′LF・γ(aMgF2 ・bMgO)・σSiO2 (2) (式中、Lは、層間イオンで、Na+ および/又はLi
+ を表し、α′は0.1〜2を表し、γは2〜3.5を
表し、σは3〜4を表し、a及びbは、それぞれ0〜1
を表しかつa+b=1である)
【0012】本発明の請求項4の発明は、遷移金属が亜
鉛、銅、鉄、チタン、錫、ニッケル、コバルトから選択
される少なくとも一つであることを特徴とする請求項3
記載の金属含有着色マイカシートの製造方法である。以
下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明に用いる前記式(2)で示される合
成膨潤性フッ素雲母の製造方法は特に限定されないが、
例えば、特開平2−149415号公報に記載された方
法により製造することができる。すなわち、ケイフッ化
ナトリウム(Na2 SiF6 )もしくはケイフッ化リチ
ウム(Li2 SiF6 )とタルクの混合粉末、又はケイ
フッ化ナトリウムもしくはケイフッ化リチウムとフッ化
ナトリウム(NaF)もしくはフッ化リチウム(Li
F)とタルクの混合粉末を、700〜1000℃で前記
混合粉末を溶融させることなく加熱することにより得ら
れる。
【0014】この方法は、インターカレート法と呼ばれ
るもので、タルクの層間にNa+ あるいはLi+ を配位
し、それと同時にOH+ とF+ を置換する製法である。
これらの製法で製造される合成膨潤性フッ素雲母は、従
来の溶融法で得られた溶融合成膨潤性雲母に比べて膨潤
性機能が優れており、水中では、厚さ0.1μm以下、
平面方向の大きさは1辺が数μm〜数十μmの薄片状の
微粒子になって分散するため、シート形成性が優れ、容
易にシートにすることができる特徴を有している。
【0015】層間イオンは、交換性陽イオンと非交換性
陽イオンとよりなるが、該合成膨潤性フッ素雲母は交換
性陽イオンの割合が高く、50〜110meq/100
gという高いメチレンブルー吸着量(陽イオン交換容量
測定の簡便法)を示すため、銅、鉄、チタン、錫、ニッ
ケル等の遷移金属の陽イオンを容易に且つ多量にインタ
ーカレートすることが可能である。
【0016】本発明で使用する金属含有フッ素雲母のみ
を用いて、シリコン系接着剤等の有機接着剤などのバイ
ンダーを使用することなく、マイカシートを作成する方
法は特に限定されるものではない。具体的製造方法とし
ては、例えば次の方法を挙げることができる。まず金属
含有フッ素雲母を薄層化することが必要であるが、金属
含有フッ素雲母は、上記のように合成膨潤性雲母の層間
イオンのうち、交換性イオンを遷移金属イオンでイオン
交換させたものであるため、自身は非膨潤性の性質を帯
びるようになり、水中では沈降し、きわめて薄い薄片状
の微粒子のゲル層を形成する特性があるので、このゲル
層を乾燥して、金属含有フッ素雲母を凝集させて金属含
有着色マイカシートを製造することができる。
【0017】この際、遷移金属イオンと置換する交換性
イオンの交換率は、50〜95当量%が好ましい。交換
率が50当量%以下の場合には、金属含有着色雲母のゾ
ルの膨潤性がまだ強く残っているため、シート化が困難
であり、得られた金属含有着色マイカシートも遷移金属
イオンの添加量が少ないため、着色が不十分であり、ま
た、交換率が95当量%以上になると、金属含有着色雲
母の凝集が大きくなりすぎるせいか、シートの強度が低
下する傾向が見られる。このように本発明の金属含有着
色マイカシートは、前記式(2)で示される合成膨潤性
フッ素雲母の層間イオンのNa+ 又はLi+ を遷移金属
イオンでイオン交換して得られる独自の色彩を示す金属
含有フッ素雲母をシート状に乾燥させて製造することが
できる。
【0018】本発明で使用する遷移金属としては、例え
ば亜鉛、銅、鉄、チタン、錫、ニッケル、コバルト等を
挙げることができる。層間イオンのNa+ 又はLiを、
遷移金属イオンにイオン交換する方法としては、例え
ば、合成膨潤性フッ素雲母の濃度を0.1〜10重量%
に調整した水溶液と遷移金属イオンの入った水溶液を混
合した後、攪拌する方法で行うことができる。遷移金属
イオンの入った水溶液は、遷移金属の塩化物、硫酸塩、
硝酸塩等の各種の塩類を水に溶解させたものを使用する
ことができる。
【0019】上記攪拌の方法としては、通常の攪拌機を
使用することができるが、中でもミキサー等の高速回転
機を用いると、反応時間を短縮することができるので好
ましい。また、攪拌時の液温を上げ、イオン交換反応を
促進してもよい。
【0020】2種以上の遷移金属イオンとイオン交換さ
せる場合には、同時に2種以上の遷移金属イオンを同時
にイオン交換させても、あるいは特定の遷移金属イオン
とイオン交換させた後、再度、別の遷移金属イオンとイ
オン交換させてもよい。なお、1回のイオン交換で十分
なイオン交換ができない場合には、同一の遷移金属イオ
ンを使用して、繰り返しイオン交換させることにより、
層間イオン濃度を高めることが可能である。
【0021】このようにしてイオン交換して得られた金
属含有フッ素雲母は、そのままシート状に乾燥させても
本発明の金属含有着色マイカシートを製造することがで
きるが、金属含有フッ素雲母は過剰の塩類を含んでいる
ので、洗浄することが好ましく、さらに好ましくは、洗
浄後、強力剪断機、超音波分散機、ホモジナイザー等の
公知の分散機器を用いて水に均一に分散させた合成フッ
素雲母ゾルを製造し、該ゾルを乾燥させるのがよい。
【0022】金属含有フッ素雲母の洗浄方法としては、
例えば、濾過法、遠心法、傾斜法等の水洗法を用いるこ
とができる。また、洗浄効率を高めるために、これらの
方法の2種以上を組み合わせてもよい。
【0023】このようにして得られた金属含有フッ素雲
母をシート状に乾燥させる方法としては、ゾル濃度を1
〜20重量%に調整したものを、離型性のある基板上に
流延するか、あるいは、吹き付けて展延してこれを25
〜250℃で乾燥後、基板から剥離する方法が好まし
い。
【0024】ゾルの乾燥は、乾燥時間を短縮するために
赤外線ヒータ等を用いてもよいし、遠心分離法や減圧乾
燥法を用い、過剰の溶媒を除去した後、乾燥させても良
い。また、マイカシートを連続的に生産するためには、
基板として、回転ドラムやエンドレスベルトを用いるこ
とができる。また、弾性ロールで加圧することにより、
マイカシートの引張強度を高めることもできる。
【0025】本発明の金属含有着色マイカシートは、遷
移金属が合成雲母の層間に入っているため、独特の色彩
を示す。これらの色を遷移金属元素の種類とともに記す
ると、亜鉛(ホワイト)、銅(ライトブルー)、鉄(ラ
イトブラウン)、チタン(ライトイエロー)、錫(ホワ
イトイエロー)、ニッケル(イエローグリーン)、コバ
ルト(ライトピンク)となる。
【0026】
【実施例】次に実施例および比較例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り、
本発明はこれらの例によってなんら限定されるものでは
ない。 (実施例1)特開平2−149415号公報に記載され
た方法に準じて製造した合成膨潤性フッ素雲母[商品
名:ME、コープケミカル(株)製:MB吸着量102
meq/100g]20.0gを純水980mlに加
え、充分攪拌してから、一晩放置し、合成膨潤性フッ素
雲母2%の分散液1000mlを得た。この分散液に5
%ZnSO4 水溶液250mlを加え、室温で3時間攪
拌機を用いて攪拌して、層間イオンのNa+ の大部分が
Zn2+で置換されたイオン交換物を得た。このイオン交
換物を濾過法により5000mlの蒸留水で洗浄し、ケ
ーキ状にし、これを水に分散させて、5%金属含有フッ
素雲母含有ゾルを調整した。次に、この金属含有フッ素
雲母ゾルをステンレス板(SUS304)上に厚さ10
mmになるように展延し、乾燥機を用い、120℃で2
時間乾燥し、厚さ0.4mmで、ホワイト色の金属含有
マイカシートAを得た。得られたマイカシートAの成分
分析結果およびイオン交換率を測定し、結果を表1に示
す。また下記の測定方法により機械的引張り強度、曲げ
強度及び吸湿性を測定し、結果を合わせて表1に示す。
次に、得られた金属含有着色マイカシートAについて、
示差熱分析装置を用いて、重量変化を測定した。その結
果、850℃まで、重量変化は認められなかった。
【0027】(測定方法): (機械的引張り強度)(kg/mm2 ) JIS−Z−1702に規定された方法に準拠し、イン
ストロンタイプの引張り試験機を用い、室温(25℃)
でマイカシートの引張り強さを測定した。 (曲げ強度試験)厚さ0.4mmの金属含有マイカシー
トを、幅3cm、長さ18cmの長方形に切り取り、手
で軽くU字型に折り曲げ、さらに両端が接触するまで折
り曲げて、金属含有マイカシートの形状変化、ひび割れ
の有無などを観察した。 金属含有マイカシートの形状などに変化がない・・○ 金属含有マイカシートにひびが入った・・・・・・△ 金属含有マイカシートが2片に割れた・・・・・・×
【0028】(吸湿性)(%) 乾燥したマイカシートを湿度80%の密閉容器中に24
時間放置して吸湿量を測定した。
【0029】(実施例2)実施例1と同様にして得られ
た合成膨潤性フッ素雲母2%分散液1000mlに、5
%Ti2 (SO43 水溶液300mlと若干の希硫酸
を加え、実施例1と同様の処理をして5%金属含有フッ
素雲母含有ゾルを得た。この金属含有フッ素雲母ゾル
を、実施例1と同様の処理をして、洗浄、濾過、流延及
び乾燥させ、厚さ0.4mmで、ライトイエロー色の金
属含有着色マイカシートBを得た。得られたマイカシー
トBの成分分析結果およびイオン交換率を表1に合わせ
て示す。また実施例1と同様にして機械的引張り強度、
曲げ強度及び吸湿性の測定を行った。結果を表1に合わ
せて示す。得られた金属含有着色マイカシートBについ
て、実施例1と同様にして耐熱性を評価した。その結
果、850℃まで、重量変化は認められなかった。
【0030】(実施例3)実施例1と同様にして得られ
た合成膨潤性フッ素雲母2%分散液1000mlに、5
%SnCl2 水溶液300mlを加え、実施例1と同様
の処理をして5%金属含有フッ素雲母含有ゾルを得た。
この金属含有フッ素雲母ゾルを、実施例1と同様にし
て、洗浄、濾過、流延及び乾燥させ、厚さ0.4mm
で、ホワイトイエロー色の金属含有着色マイカシートC
を得た。得られたマイカシートCの成分分析結果および
イオン交換率を表1に示す。また実施例1と同様にして
機械的引張り強度、曲げ強度及び吸湿性の測定を行っ
た。結果を合わせて表1に示す。得られた金属含有着色
マイカシートCについて、実施例1と同様にして耐熱性
を評価した。その結果、850℃まで、重量変化は認め
られなかった。
【0031】(実施例4)実施例1と同様にして得られ
た合成膨潤性フッ素雲母2%分散液1000mlに、1
0%CuSO4 水溶液300mlを加え、実施例1と同
様の処理をして5%金属含有フッ素雲母含有ゾルを得
た。この金属含有フッ素雲母ゾルを、実施例1と同様に
して、洗浄、濾過、流延及び乾燥させ、厚さ0.4mm
で、ライトブルー色の金属含有着色マイカシートDを得
た。得られたマイカシートDの成分分析結果およびイオ
ン交換率を表1に示す。また実施例1と同様にして機械
的引張り強度、曲げ強度及び吸湿性の測定を行った。結
果を表1に合わせて示す。得られた金属含有着色マイカ
シートDについて、実施例1と同様にして耐熱性を評価
した。その結果、850℃まで、重量変化は認められな
かった。
【0032】(実施例5)実施例1と同様にして得られ
た合成膨潤性フッ素雲母2%分散液1000mlに、5
%Fe2 (SO43 水溶液300mlを加え、実施例
1と同様の処理をて5%金属含有フッ素雲母含有ゾルを
得た。この金属含有フッ素雲母ゾルを、実施例1と同様
にして、洗浄、濾過、流延及び乾燥させ、厚さ0.4m
mで、ライトブラウン色の金属含有着色マイカシートE
を得た。得られたマイカシートEの成分分析結果および
イオン交換率を表1に合わせて示す。また実施例1と同
様にして機械的引張り強度、曲げ強度及び吸湿性の測定
験を行った。結果を表1に合わせて示す。得られた金属
含有着色マイカシートEについて、実施例1と同様にし
て耐熱性を評価した。その結果、850℃まで、重量変
化は認められなかった。
【0033】(実施例6)実施例1と同様にして得られ
た合成膨潤性フッ素雲母2%分散液1000mlに、2
0%NiCl2 水溶液300mlを加え、実施例1と同
様の処理をて5%金属含有フッ素雲母含有ゾルを得た。
この金属含有フッ素雲母ゾルを、実施例1と同様にし
て、洗浄、濾過、流延及び乾燥させ、厚さ0.4mm
で、イエローグリーン色の金属含有着色マイカシートF
を得た。得られたマイカシートFの成分分析結果および
イオン交換率を表1に合わせて示す。また実施例1と同
様にして機械的引張り強度、曲げ強度及び吸湿性の測定
を行った。結果を表1に合わせて示す。得られた金属含
有着色マイカシートFについて、実施例1と同様にして
耐熱性を評価した。その結果、850℃まで、重量変化
は認められなかった。
【0034】(実施例7)実施例1と同様にして得られ
た合成膨潤性フッ素雲母2%分散液1000mlに、1
0%CoSO4 水溶液300mlを加え、実施例1と同
様の処理をて5%金属含有フッ素雲母含有ゾルを得た。
この金属含有フッ素雲母ゾルを、実施例1と同様にし
て、洗浄、濾過、流延及び乾燥させ、厚さ0.4mm
で、ライトピンク色の金属含有着色マイカシートGを得
た。得られたマイカシートGの成分分析結果およびイオ
ン交換率を表1に合わせて示す。また実施例1と同様に
して機械的引張り強度、曲げ強度及び吸湿性の測定を行
った。結果を表1に合わせて示す。得られた金属含有着
色マイカシートGについて、実施例1と同様にして耐熱
性を評価した。その結果、850℃まで、重量変化は認
められなかった。
【0035】(比較例1)無水ケイ酸塩57重量部、酸
化マグネシウム29重量部、フッ化マグネシウム7重量
部、ケイフッ化ナトリウム7重量部を混合し、1400
℃で5時間溶融させた後、2℃/minの速度で、90
0℃まで徐冷し、結晶化したものを粉砕して、溶融粉砕
法による合成膨潤性フッ素雲母(以下溶融膨潤性フッ素
雲母という)を得た。得られた溶融膨潤性合成雲母のM
B吸着量は、18meq/100gであった。この溶融
膨潤性フッ素雲母20.0gを用いて、実施例1と同様
にして得られた溶融膨潤性フッ素雲母2%分散液100
0mlに、5%ZnSO4 水溶液250mlを加え、層
間イオンのNa+ の一部がZn2+で置換された金属含有
フッ素雲母ゾルを得た。この金属含有フッ素雲母ゾル
を、実施例1と同様にして、洗浄、濾過、流延及び乾燥
させ、厚さ0.4mmで、白色の比較金属含有着色マイ
カシートHを得た。得られた金属含有着色マイカシート
Hの成分分析結果およびイオン交換率を表1に合わせて
示す。また実施例1と同様にして機械的引張り強度、曲
げ強度及び吸湿性の測定を行った。結果を表1に合わせ
て示す。得られた金属含有着色マイカシートHについ
て、実施例1と同様にして耐熱性を評価した。その結
果、850℃まで、重量変化は認められなかった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明は金属含有着色マイカシートおよ
びその製造方法を提供するものであり、タルクとケイフ
ッ化アルカリもしくはフッ化アルカリの混合粉末を、タ
ルクを溶融することなく加熱処理して得られる合成膨潤
性フッ素雲母は、水に入れると膨潤、劈開して微細な粒
子となって分散し、その層間イオンを遷移金属イオンで
容易に且つ多量にイオン交換することができると共に、
容易にゾル化することができ、また、そのゾルは極めて
シート形成能が大きく、容易にシート化できる特徴があ
るので、シートの製造工程で、接着剤やバインダー等の
有機物を使用しなくても十分な機械的強度、曲げ強度、
耐熱性を持った金属含有着色マイカシートを製造するこ
とができる。本発明の金属含有着色マイカシートは、金
属元素を合成雲母の層間に含有させているため、独特の
色彩を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タルクとケイフッ化アルカリもしくはフ
    ッ化アルカリの混合粉末を、タルクを溶融することなく
    加熱処理して得られる合成膨潤性フッ素雲母の層間イオ
    ンのうち、交換性イオンの50〜95当量%を遷移金属
    イオンでイオン交換して得られる次式(1)で示される
    金属含有フッ素雲母からなることを特徴とする金属含有
    着色マイカシート。 αMF・βLF・γ(aMgF2 ・bMgO)・σSiO2 (1) (式中、Mは、層間イオンで、遷移金属イオンを表し、
    Lは、層間イオンで、Na+ および/又はLi+ を表
    し、αは0.05〜1.8、βは0.005〜1を表
    し、かつα+βは0.1〜2であり、γは2〜3.5を
    表し、σは3〜4を表し、a及びbは、それぞれ0〜1
    を表しかつa+b=1である)
  2. 【請求項2】 遷移金属が亜鉛、銅、鉄、チタン、錫、
    ニッケル、コバルトから選択される少なくとも一つであ
    ることを特徴とする請求項1記載の金属含有着色マイカ
    シート。
  3. 【請求項3】 ケイフッ化ナトリウムもしくはケイフッ
    化リチウムとタルクの混合粉末、又はケイフッ化ナトリ
    ウムもしくはケイフッ化リチウムとフッ化ナトリウムも
    しくはフッ化リチウムとタルクの混合粉末を、タルクを
    溶融することなく700度以上で加熱処理して得られた
    次式(2)で示される合成膨潤性フッ素雲母と、水溶性
    の遷移金属塩水溶液を混合、攪拌して層間イオンのう
    ち、交換性イオンの50〜95当量%が遷移金属イオン
    に交換された請求項1記載の式(1)で示される金属含
    有フッ素雲母を製造し、これをシート状に乾燥すること
    を特徴とする金属含有着色マイカシートの製造方法。 α′LF・γ(aMgF2 ・bMgO)・σSiO2 (2) (式中、Lは、層間イオンで、Na+ および/又はLi
    + を表し、α′は0.1〜2を表し、γは2〜3.5を
    表し、σは3〜4を表し、a及びbは、それぞれ0〜1
    を表しかつa+b=1である)
  4. 【請求項4】 遷移金属が亜鉛、銅、鉄、チタン、錫、
    ニッケル、コバルトから選択される少なくとも一つであ
    ることを特徴とする請求項3記載の金属含有着色マイカ
    シートの製造方法。
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