JPH06284511A - 電気自動車のトルク制御方法 - Google Patents
電気自動車のトルク制御方法Info
- Publication number
- JPH06284511A JPH06284511A JP6008879A JP887994A JPH06284511A JP H06284511 A JPH06284511 A JP H06284511A JP 6008879 A JP6008879 A JP 6008879A JP 887994 A JP887994 A JP 887994A JP H06284511 A JPH06284511 A JP H06284511A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- torque
- command value
- current
- magnetic flux
- electric vehicle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y02T10/643—
-
- Y02T10/644—
Landscapes
- Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
- Control Of Ac Motors In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 急激な加速、急斜面の登坂、路面の凹凸から
車軸に加わる外乱等によりトルク変動が生じても走行を
安定させ、かつバッテリーのエネルギー利用効率を高め
て一充電当たり走行距離を向上させる電気自動車のトル
ク制御を提案する。 【構成】 トルク指令値演算手段80、三相誘導電動機40
の発生トルクを検出するモータトルク検出手段110、ト
ルク指令値にモータトルクが一致するよう補償するトル
ク補償手段90、トルク補償量からトルク電流指令値を演
算するトルク電流指令値演算手段100、トルク電流指令
値からすべり周波数を演算するすべり周波数演算手段10
5、電動機40の角速度を測る速度検出手段60、角速度に
対応した2次磁束(定格値)を発生する2次磁束設定手段
130、2次磁束とトルク電流指令値から2次磁束指令値
を演算する2次磁束指令値演算手段140、電動機40の2
次磁束推定手段170、両者が一致するように励磁電流を
決定する励磁電流指令値決定手段160で特徴付けられる
トルク制御法。
車軸に加わる外乱等によりトルク変動が生じても走行を
安定させ、かつバッテリーのエネルギー利用効率を高め
て一充電当たり走行距離を向上させる電気自動車のトル
ク制御を提案する。 【構成】 トルク指令値演算手段80、三相誘導電動機40
の発生トルクを検出するモータトルク検出手段110、ト
ルク指令値にモータトルクが一致するよう補償するトル
ク補償手段90、トルク補償量からトルク電流指令値を演
算するトルク電流指令値演算手段100、トルク電流指令
値からすべり周波数を演算するすべり周波数演算手段10
5、電動機40の角速度を測る速度検出手段60、角速度に
対応した2次磁束(定格値)を発生する2次磁束設定手段
130、2次磁束とトルク電流指令値から2次磁束指令値
を演算する2次磁束指令値演算手段140、電動機40の2
次磁束推定手段170、両者が一致するように励磁電流を
決定する励磁電流指令値決定手段160で特徴付けられる
トルク制御法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気自動車のトルク制御
方法に係り、特に車両に搭載される走行駆動用誘導電動
機をバッテリーで駆動するに好適な電気自動車のトルク
制御方法に関する。
方法に係り、特に車両に搭載される走行駆動用誘導電動
機をバッテリーで駆動するに好適な電気自動車のトルク
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気自動車にとってバッテリーのエネル
ギー利用効率を高めて一充電走行距離大きくすることは
重要なことであり、これに関連した技術として、特開昭
62ー250803号公報が知られている。
ギー利用効率を高めて一充電走行距離大きくすることは
重要なことであり、これに関連した技術として、特開昭
62ー250803号公報が知られている。
【0003】本内容によれば、モータ磁束に対するモー
タ損失マップを予め用意しておき、該マップからモータ
の速度、アクセルの踏み込み量からきめられるトルク指
令値に基づいて、モータ損失を低減するためのモータ磁
束指令値を決定し、該モータ磁束指令値からトルク電流
指令値を演算し、これらの指令値に基づいてモータを制
御してモータ損失を減らすことが知られている。
タ損失マップを予め用意しておき、該マップからモータ
の速度、アクセルの踏み込み量からきめられるトルク指
令値に基づいて、モータ損失を低減するためのモータ磁
束指令値を決定し、該モータ磁束指令値からトルク電流
指令値を演算し、これらの指令値に基づいてモータを制
御してモータ損失を減らすことが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記モータで発生する
トルクはモータの内部(2次回路)で発生する2次磁束
(モータ磁束)と2次回路に流れるトルク電流との積に
比例する。このため、モータ損失を低減する目的で磁束
指令値を変えるようにした場合、トルク指令値が同じで
も駆動条件が変化すると、磁束指令値も変わる。これに
伴ってトルク電流指令値も変動し、モータの2次回路に
流れるトルク電流が変化する。特に、負荷トルク或いは
加速トルクが大きくなっている状態では、トルク電流も
大きくなっているため、外乱に対するトルク電流感度が
増し、この外乱に対するトルク電流の変化量も大きくな
る心配があった。
トルクはモータの内部(2次回路)で発生する2次磁束
(モータ磁束)と2次回路に流れるトルク電流との積に
比例する。このため、モータ損失を低減する目的で磁束
指令値を変えるようにした場合、トルク指令値が同じで
も駆動条件が変化すると、磁束指令値も変わる。これに
伴ってトルク電流指令値も変動し、モータの2次回路に
流れるトルク電流が変化する。特に、負荷トルク或いは
加速トルクが大きくなっている状態では、トルク電流も
大きくなっているため、外乱に対するトルク電流感度が
増し、この外乱に対するトルク電流の変化量も大きくな
る心配があった。
【0005】また、トルク指令値やモータ速度等の駆動
条件によって磁束(励磁電流)指令値が変えられると、
励磁電流が変動するため2次回路で発生する2次磁束が
一定にならずトルク電流との相互干渉が生ずる。この結
果、モータで発生するトルクに振動が生じて、これが加
振源となり車体を振動させる。
条件によって磁束(励磁電流)指令値が変えられると、
励磁電流が変動するため2次回路で発生する2次磁束が
一定にならずトルク電流との相互干渉が生ずる。この結
果、モータで発生するトルクに振動が生じて、これが加
振源となり車体を振動させる。
【0006】本発明の目的は、所望のトルクを最小のパ
ワ−で発生でき、更に、登坂、急加速及び重負荷時のよ
うなトルク電流が過大になる状態が生じても、トルク指
令値に基づいて安定にトルクを発生できる電気自動車の
トルク制御方法を提供することである。本発明の他の目
的は、バッテリーのエネルギーの利用効率を高めて、一
充電当たりの走行距離を向上させることのできる電気自
動車のトルク制御方法を提供することである。
ワ−で発生でき、更に、登坂、急加速及び重負荷時のよ
うなトルク電流が過大になる状態が生じても、トルク指
令値に基づいて安定にトルクを発生できる電気自動車の
トルク制御方法を提供することである。本発明の他の目
的は、バッテリーのエネルギーの利用効率を高めて、一
充電当たりの走行距離を向上させることのできる電気自
動車のトルク制御方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、直流電圧及び
直流電流を供給するバッテリーと、該直流電圧を可変周
波数、可変電圧の交流電源に変換するPWMインバータ
と、該PWMインバータによって駆動される誘導電動機
からなり、アクセル踏み込み量に基づいて決定したトル
ク指令値によって前記誘導電動機で発生すべきトルクを
制御し、車両の速度を所望に制御する制御回路を有する
電気自動車であって、前記誘導電動機の発生トルクを検
出するトルク検出手段を具備して、該トルク検出手段か
ら得られた前記誘導電動機の発生トルクと前記トルク指
令値との偏差を補償するように決定した前記誘導電動機
のトルク電流指令値及び励磁電流指令値に基づいて前記
誘導電動機で発生するトルクを制御することにより達成
される。
直流電流を供給するバッテリーと、該直流電圧を可変周
波数、可変電圧の交流電源に変換するPWMインバータ
と、該PWMインバータによって駆動される誘導電動機
からなり、アクセル踏み込み量に基づいて決定したトル
ク指令値によって前記誘導電動機で発生すべきトルクを
制御し、車両の速度を所望に制御する制御回路を有する
電気自動車であって、前記誘導電動機の発生トルクを検
出するトルク検出手段を具備して、該トルク検出手段か
ら得られた前記誘導電動機の発生トルクと前記トルク指
令値との偏差を補償するように決定した前記誘導電動機
のトルク電流指令値及び励磁電流指令値に基づいて前記
誘導電動機で発生するトルクを制御することにより達成
される。
【0008】
【作用】モータトルク検出手段からは現在モータ内部で
発生しているモータトルクが検出される。該検出手段か
らは2次磁束が一定にならず発生トルクが変動した場合
にはその変動成分も含めたモータトルクが検出される。
発生トルクが変動してトルク指令値と発生トルク間に誤
差が発生すると、モ−タトルク補償手段では、発生トル
クの振動を抑制するようにトルク指令値を補償し、トル
ク指令値補償値を発生する。該トルク指令値補償値と2
次磁束推定手段から得られた推定2次磁束に基づいてト
ルク電流指令値演算手段からトルク電流指令値を求め
る。2次磁束指令演算手段では、該トルク電流指令値と
定格のトルク電流との比より負荷率を得、該負荷率は2
次磁束設定値決定手段から得られた2次磁束設定値に乗
算して2次磁束指令が得られる。励磁電流指令値決定手
段では、該2次磁束指令値に2次磁束推定手段から得ら
れた推定2次磁束が一致するように励磁電流指令値を決
定するための補償動作が行われる。以上の操作から得ら
れたトルク電流指令値と励磁電流指令値は発生トルクの
振動を抑制し、更に、最小の1次電流(モータ電流)で
所望のモータトルクを発生できるように補正され、これ
らの結果が1次電流指令値に反映されて該1次電流指令
値に基づいて1次電流が制御されるので、駆動条件が変
わっても安定に、しかもバッテリーのパワーを効率よく
利用したトルク制御を行うことができる。
発生しているモータトルクが検出される。該検出手段か
らは2次磁束が一定にならず発生トルクが変動した場合
にはその変動成分も含めたモータトルクが検出される。
発生トルクが変動してトルク指令値と発生トルク間に誤
差が発生すると、モ−タトルク補償手段では、発生トル
クの振動を抑制するようにトルク指令値を補償し、トル
ク指令値補償値を発生する。該トルク指令値補償値と2
次磁束推定手段から得られた推定2次磁束に基づいてト
ルク電流指令値演算手段からトルク電流指令値を求め
る。2次磁束指令演算手段では、該トルク電流指令値と
定格のトルク電流との比より負荷率を得、該負荷率は2
次磁束設定値決定手段から得られた2次磁束設定値に乗
算して2次磁束指令が得られる。励磁電流指令値決定手
段では、該2次磁束指令値に2次磁束推定手段から得ら
れた推定2次磁束が一致するように励磁電流指令値を決
定するための補償動作が行われる。以上の操作から得ら
れたトルク電流指令値と励磁電流指令値は発生トルクの
振動を抑制し、更に、最小の1次電流(モータ電流)で
所望のモータトルクを発生できるように補正され、これ
らの結果が1次電流指令値に反映されて該1次電流指令
値に基づいて1次電流が制御されるので、駆動条件が変
わっても安定に、しかもバッテリーのパワーを効率よく
利用したトルク制御を行うことができる。
【0009】
【実施例】図1は本発明の実施例を示す。電気自動車の
駆動系はバッテリー10、該バッテリー10の直流電圧
を可変周波数、可変電圧の交流電源に変換するPWMイ
ンバータ20、該交流電源によって駆動される三相誘導
電動機40、該誘導電動機40で発生するトルクは車輪
(図では省略)に伝達され駆動される。誘導電動機40
で発生するトルクは、電流センサ30、31、32から
検出される誘導電動機40の1次巻線に流れる三相の交
流電流及び誘導電動機40のロータに接続されたエンコ
ーダ50、速度検出手段60により検出されたロータの
回転角速度を使って、以下の制御手段によって制御され
る。
駆動系はバッテリー10、該バッテリー10の直流電圧
を可変周波数、可変電圧の交流電源に変換するPWMイ
ンバータ20、該交流電源によって駆動される三相誘導
電動機40、該誘導電動機40で発生するトルクは車輪
(図では省略)に伝達され駆動される。誘導電動機40
で発生するトルクは、電流センサ30、31、32から
検出される誘導電動機40の1次巻線に流れる三相の交
流電流及び誘導電動機40のロータに接続されたエンコ
ーダ50、速度検出手段60により検出されたロータの
回転角速度を使って、以下の制御手段によって制御され
る。
【0010】トルク指令値演算手段80は、アクセル7
0から出力された量に基づいて、車を動かすのに必要な
トルクを三相誘導電動機40で発生させるためのトルク
指令値τRを演算する。
0から出力された量に基づいて、車を動かすのに必要な
トルクを三相誘導電動機40で発生させるためのトルク
指令値τRを演算する。
【0011】バッテリーの電圧が所定の電圧の範囲内で
ある場合には、τRは補正しないが、所定の電圧以下に
減少したらその減少分に応じてτRを減少させる。これ
は、バッテリーの過放電を防止し、同時にPWMインバ
−タ20が過電流になるのを回避するためである。所定
の電圧は使用するバッテリーによって異なるが、通常、
充電によって容量が回復できる放電終止電圧よりも大き
な値が選ばれる。
ある場合には、τRは補正しないが、所定の電圧以下に
減少したらその減少分に応じてτRを減少させる。これ
は、バッテリーの過放電を防止し、同時にPWMインバ
−タ20が過電流になるのを回避するためである。所定
の電圧は使用するバッテリーによって異なるが、通常、
充電によって容量が回復できる放電終止電圧よりも大き
な値が選ばれる。
【0012】また、PWMインバ−タ20から得られる
電圧(1次電圧)は、バッテリー電圧に比例する。一
方、三相誘導電動機40で発生するトルクは1次電圧の
2乗に比例して発生する。そこで、バッテリー電圧が所
定の値から減少した時のトルク指令値τR は、上記の所
定の電圧からバッテリー電圧が減少した分の2乗に比例
して減少するように補正する。
電圧(1次電圧)は、バッテリー電圧に比例する。一
方、三相誘導電動機40で発生するトルクは1次電圧の
2乗に比例して発生する。そこで、バッテリー電圧が所
定の値から減少した時のトルク指令値τR は、上記の所
定の電圧からバッテリー電圧が減少した分の2乗に比例
して減少するように補正する。
【0013】また、図1の実施例には記載してないが、
後述する電流制御手段180から得られる一次電圧指令
値の大きさを、バッテリー電圧が所定の値以下に減少し
たら、同様な方法で補正しても同様な効果が得られる。
更に、係る状態になるとPWMインバ−タ20が過電流
になることから、一次電流指令値演算手段120から得
られる一次電流指令値の大きさをこのような状態が生じ
たら減少させてもよい。
後述する電流制御手段180から得られる一次電圧指令
値の大きさを、バッテリー電圧が所定の値以下に減少し
たら、同様な方法で補正しても同様な効果が得られる。
更に、係る状態になるとPWMインバ−タ20が過電流
になることから、一次電流指令値演算手段120から得
られる一次電流指令値の大きさをこのような状態が生じ
たら減少させてもよい。
【0014】トルク指令値τRは減算器150のプラス
側の端子に、次の演算から得られるモータトルクτはマ
イナス側の端子に入力され、両者の差分Δτがとられ
る。 τ=m・p・{lm'/(lm'+l2)}・{(lm'・Im)/(1+T2・s)}・It (1) ここで、m:相数、p:誘導電動機の極対数、lm’、
l2:励磁及び2次漏れインダクタンス、T2(=(lm'
+l2)/r2、 r2:二次抵抗)、s:ラプラス演算子
である。また、Im、Itは、電流センサ30、31、3
2から検出されたU相の交流電流、V相の交流電流及び
W相の交流電流iu、iv、iw をPWMインバータ20
の角周波数ω1 と同期した速度で回転するd−q軸座標
系に変換して得られるd軸成分、q軸成分である。 Im=iu・cosθ1*+iv・cos(θ1*−2π/3)+iw・cos(θ1*+2π/3) It=iu・sinθ1*+iv・sin(θ1*−2π/3)+iw・sin(θ1*+2π/3) (2) 但し、θ1*=∫ω1・dt トルク指令値τRは、上記差分Δτがゼロになるように
モータトルク補償手段90で補償され、この結果トルク
指令値補償値τ*に変換される。モータトルク補償手段
90はPI(比例+積分)要素で構成されるものでよ
い。以後の実施例で開示する補償手段はPI要素で構成
されているものとする。
側の端子に、次の演算から得られるモータトルクτはマ
イナス側の端子に入力され、両者の差分Δτがとられ
る。 τ=m・p・{lm'/(lm'+l2)}・{(lm'・Im)/(1+T2・s)}・It (1) ここで、m:相数、p:誘導電動機の極対数、lm’、
l2:励磁及び2次漏れインダクタンス、T2(=(lm'
+l2)/r2、 r2:二次抵抗)、s:ラプラス演算子
である。また、Im、Itは、電流センサ30、31、3
2から検出されたU相の交流電流、V相の交流電流及び
W相の交流電流iu、iv、iw をPWMインバータ20
の角周波数ω1 と同期した速度で回転するd−q軸座標
系に変換して得られるd軸成分、q軸成分である。 Im=iu・cosθ1*+iv・cos(θ1*−2π/3)+iw・cos(θ1*+2π/3) It=iu・sinθ1*+iv・sin(θ1*−2π/3)+iw・sin(θ1*+2π/3) (2) 但し、θ1*=∫ω1・dt トルク指令値τRは、上記差分Δτがゼロになるように
モータトルク補償手段90で補償され、この結果トルク
指令値補償値τ*に変換される。モータトルク補償手段
90はPI(比例+積分)要素で構成されるものでよ
い。以後の実施例で開示する補償手段はPI要素で構成
されているものとする。
【0015】トルク電流指令値演算手段100では、式
(3)からτ*と2次磁束推定手段170から得られた
推定2次磁束φ2を使ってトルク電流指令値It*を演算
する。トルク電流指令値It*は可変リミッタ105を介
在させて、すべり周波数演算手段115に入力される。
(3)からτ*と2次磁束推定手段170から得られた
推定2次磁束φ2を使ってトルク電流指令値It*を演算
する。トルク電流指令値It*は可変リミッタ105を介
在させて、すべり周波数演算手段115に入力される。
【0016】ここで、可変リッミタ105は後述する励
磁電流決定手段160から発せられる励磁電流指令値I
m*に対して反比例するように制御される。即ち、2次磁
束が弱まるにつれてリミッタの値は大きくなり、トルク
電流指令値の可動範囲は広がる。これは、2次磁束が弱
まるにつれて励磁電流指令値Im*が減少させられること
によって、インバ−タの容量が見かけ上減少することに
なるため、これを回避するための方策である。
磁電流決定手段160から発せられる励磁電流指令値I
m*に対して反比例するように制御される。即ち、2次磁
束が弱まるにつれてリミッタの値は大きくなり、トルク
電流指令値の可動範囲は広がる。これは、2次磁束が弱
まるにつれて励磁電流指令値Im*が減少させられること
によって、インバ−タの容量が見かけ上減少することに
なるため、これを回避するための方策である。
【0017】すべり角周波数ωsは式(4)に基づい
て、すべり周波数演算手段115で演算される。 It*=(1/mp)・{(lm'+l2)/lm'}・(τM*/φ2) (3) ωs=r2・{lm'/(lm'+l2)}・(It*/φ2) (4) 上記すべり角周波数ωsは速度検出手段60から得られ
た誘導電動機の回転角速度ωMと式(5)の加算処理を
加算器151で行い、PWMインバータ20の角周波数
ω1を得る。これが1次電流指令値演算手段120に取
り込まれ、1次電流指令値の角周波数になる。 ω1=ωs+ωM (5) 可変リミッタ105から出力された上記のトルク電流指
令値It*と定格トルク電流(It)rateとの比It*/
(It)rateから負荷率αを負荷率演算手段145から
求める。 α=It*/(It)rate (6) 負荷率αに対応した2次磁束を誘導電動機40の2次回
路で発生させるべく、2次磁束指令値φ2*を次のような
手順で2次磁束設定手段130、2次磁束指令演算手段
140により決定する。
て、すべり周波数演算手段115で演算される。 It*=(1/mp)・{(lm'+l2)/lm'}・(τM*/φ2) (3) ωs=r2・{lm'/(lm'+l2)}・(It*/φ2) (4) 上記すべり角周波数ωsは速度検出手段60から得られ
た誘導電動機の回転角速度ωMと式(5)の加算処理を
加算器151で行い、PWMインバータ20の角周波数
ω1を得る。これが1次電流指令値演算手段120に取
り込まれ、1次電流指令値の角周波数になる。 ω1=ωs+ωM (5) 可変リミッタ105から出力された上記のトルク電流指
令値It*と定格トルク電流(It)rateとの比It*/
(It)rateから負荷率αを負荷率演算手段145から
求める。 α=It*/(It)rate (6) 負荷率αに対応した2次磁束を誘導電動機40の2次回
路で発生させるべく、2次磁束指令値φ2*を次のような
手順で2次磁束設定手段130、2次磁束指令演算手段
140により決定する。
【0018】先ず、2次磁束設定手段130で誘導電動
機40の回転角速度ωMに対応する2次磁束の設定値φR
(対応する回転角速度における最大磁束に相当)を式
(7)に基づいて与える。 0≦ωM≦ωM0、φR=(φ2)rate(:定格の2次磁束) ωM0<ωM、φR=(ωM0/ωM)・(φ2)rate (7) 但し、ωM0:基底回転角速度 このようにして決められた2次磁束の設定値φR は2次
磁束指令演算手段140に入力され、式(8)によって
2次磁束指令値φ2*を演算する。 φ2*=α・φR+φ20 (8) 但し、φ20=(Im0)・lm’ ここで、φ20はトルク電流指令値に影響を受けない固定
分として前記誘導電動機40に2次磁束指令値として与
えられる。従って、無負荷の場合はこの固定分が電動機
40の内部で発生している磁束となる。この値はバッテ
リーのエネルギー損失をできるだけ低減できるように選
ばれるもので、通常、定格磁束の20%以下に選ばれ
る。無負荷状態で急激な負荷が車輪に加わっても2次回
路に流れるトルク電流が過大になるのを抑制できるよう
に選択される。なお、停車やアクセルが踏み込まれる以
前では省エネルギーの観点からゼロにしておく。
機40の回転角速度ωMに対応する2次磁束の設定値φR
(対応する回転角速度における最大磁束に相当)を式
(7)に基づいて与える。 0≦ωM≦ωM0、φR=(φ2)rate(:定格の2次磁束) ωM0<ωM、φR=(ωM0/ωM)・(φ2)rate (7) 但し、ωM0:基底回転角速度 このようにして決められた2次磁束の設定値φR は2次
磁束指令演算手段140に入力され、式(8)によって
2次磁束指令値φ2*を演算する。 φ2*=α・φR+φ20 (8) 但し、φ20=(Im0)・lm’ ここで、φ20はトルク電流指令値に影響を受けない固定
分として前記誘導電動機40に2次磁束指令値として与
えられる。従って、無負荷の場合はこの固定分が電動機
40の内部で発生している磁束となる。この値はバッテ
リーのエネルギー損失をできるだけ低減できるように選
ばれるもので、通常、定格磁束の20%以下に選ばれ
る。無負荷状態で急激な負荷が車輪に加わっても2次回
路に流れるトルク電流が過大になるのを抑制できるよう
に選択される。なお、停車やアクセルが踏み込まれる以
前では省エネルギーの観点からゼロにしておく。
【0019】式(8)は、図2に示す原理、即ち、所望
のトルクを最小の電流(誘導電動機40に流れる電流、
以下1次電流と言う。)で発生できるようにトルク電流
指令値と関係づけて、2次磁束指令値φ2*を決めるよ
うにしている。2次磁束φ2を発生するための励磁電流
Im(=φ2/lm’)とトルク電流Itを用いて1次電流
I1を表すと、式(9)になる。 I1・I1=It・It+Im・Im (9) 一方、誘導電動機40で発生するトルクτは式(1)に
示すように、トルク電流と2次磁束(磁束が一定に保た
れている定常状態では励磁電流)との積に比例する。図
2は与えられたモ−タトルクにおけるトルク電流と励磁
電流との関係で、双曲線で表せる。従って、モータのト
ルクが図2に示すように、τM1、τM2、τM3が増加した
場合、各トルクを発生する1次電流のなかで最小となる
のはA、B、Cの各接点に対応する1次電流である。
のトルクを最小の電流(誘導電動機40に流れる電流、
以下1次電流と言う。)で発生できるようにトルク電流
指令値と関係づけて、2次磁束指令値φ2*を決めるよ
うにしている。2次磁束φ2を発生するための励磁電流
Im(=φ2/lm’)とトルク電流Itを用いて1次電流
I1を表すと、式(9)になる。 I1・I1=It・It+Im・Im (9) 一方、誘導電動機40で発生するトルクτは式(1)に
示すように、トルク電流と2次磁束(磁束が一定に保た
れている定常状態では励磁電流)との積に比例する。図
2は与えられたモ−タトルクにおけるトルク電流と励磁
電流との関係で、双曲線で表せる。従って、モータのト
ルクが図2に示すように、τM1、τM2、τM3が増加した
場合、各トルクを発生する1次電流のなかで最小となる
のはA、B、Cの各接点に対応する1次電流である。
【0020】即ち、トルク電流と励磁電流(或いは2次
磁束)とを比例させて制御させると、最小の1次電流
で、常に所望のトルクを発生させることができる。従っ
て、最小のバッテリーエネルギーで電気自動車を駆動す
ることができる。また、トルク電流が減少するにつれて
2次磁束も弱められ、励磁電流も減少することになる。
磁束)とを比例させて制御させると、最小の1次電流
で、常に所望のトルクを発生させることができる。従っ
て、最小のバッテリーエネルギーで電気自動車を駆動す
ることができる。また、トルク電流が減少するにつれて
2次磁束も弱められ、励磁電流も減少することになる。
【0021】このような状態で急激に負荷が増加すると
トルク電流が増加することになるが、トルク電流指令値
のリミッタが定格点で決められた値(It0)maxのまま
であると励磁電流が減少している分、必要とされるモー
タトルクを発生できないことになる。そこで、図3に示
すように、常に1次電流の最大値までトルク電流が流れ
るように、可変リミッタ105でトルク電流指令値のリ
ミッタ(It)max*を式(10)に従って変化させる。 (It)max*=(I1)max・sin(arccos(Im*/(I1)max) (10) 以上の操作で得られた2次磁束指令値φ2*と式(11)
によって2次磁束推定手段170から推定された2次磁
束φ2 との偏差を補償するように励磁電流決定手段16
0から励磁電流指令値Im*を発生する。 φ2=lm’・Im*/(1+T2・s) (11) 但し、T2=(lm’+l2)/r2、r2:2次抵抗 1次電流指令値演算手段120は三相の交流電流指令値
iu*、iv*、iw*を発生する。 iu*=I1・cos(θ1*+ψ) iv*=I1・cos(θ1*+ψ−2π/3) iw*=I1・cos(θ1*+ψ+2π/3) (12) θ1*=∫ω1・dt (13) ψ=arctan(It*/Im*) (14) 電流制御手段180には1次電流指令値演算手段120
から得られた三相の交流電流指令値iu*、iv*、iw*及
び電流センサ30、31、32から検出されたU相、V
相、W相の交流電流iu、iv、iw が入力される。電流
制御手段180では、各々指令値と電流との偏差がなく
なるように交流の一次電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を発
生する。
トルク電流が増加することになるが、トルク電流指令値
のリミッタが定格点で決められた値(It0)maxのまま
であると励磁電流が減少している分、必要とされるモー
タトルクを発生できないことになる。そこで、図3に示
すように、常に1次電流の最大値までトルク電流が流れ
るように、可変リミッタ105でトルク電流指令値のリ
ミッタ(It)max*を式(10)に従って変化させる。 (It)max*=(I1)max・sin(arccos(Im*/(I1)max) (10) 以上の操作で得られた2次磁束指令値φ2*と式(11)
によって2次磁束推定手段170から推定された2次磁
束φ2 との偏差を補償するように励磁電流決定手段16
0から励磁電流指令値Im*を発生する。 φ2=lm’・Im*/(1+T2・s) (11) 但し、T2=(lm’+l2)/r2、r2:2次抵抗 1次電流指令値演算手段120は三相の交流電流指令値
iu*、iv*、iw*を発生する。 iu*=I1・cos(θ1*+ψ) iv*=I1・cos(θ1*+ψ−2π/3) iw*=I1・cos(θ1*+ψ+2π/3) (12) θ1*=∫ω1・dt (13) ψ=arctan(It*/Im*) (14) 電流制御手段180には1次電流指令値演算手段120
から得られた三相の交流電流指令値iu*、iv*、iw*及
び電流センサ30、31、32から検出されたU相、V
相、W相の交流電流iu、iv、iw が入力される。電流
制御手段180では、各々指令値と電流との偏差がなく
なるように交流の一次電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を発
生する。
【0022】該電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*はPWM信
号発生手段190に入力され、PWM信号を発生するた
めの変調波となる。変調波はPWM信号発生手段190
内で発生される搬送波(図示せず)と比較されPWM信
号を発生する。PWM信号はPWMインバータ20に印
加され、可変周波数、可変電圧の交流電圧を発生し、三
相誘導電動機40を可変速駆動する。
号発生手段190に入力され、PWM信号を発生するた
めの変調波となる。変調波はPWM信号発生手段190
内で発生される搬送波(図示せず)と比較されPWM信
号を発生する。PWM信号はPWMインバータ20に印
加され、可変周波数、可変電圧の交流電圧を発生し、三
相誘導電動機40を可変速駆動する。
【0023】本実施例によれば、常に最小の1次電流で
所望のトルクを発生するに見合った励磁電流が誘導電動
機に流れることになるので、バッテリーのエネルギーを
効率よく利用でき、一充電当たりの走行距離を伸ばすこ
とができる。
所望のトルクを発生するに見合った励磁電流が誘導電動
機に流れることになるので、バッテリーのエネルギーを
効率よく利用でき、一充電当たりの走行距離を伸ばすこ
とができる。
【0024】更に、無負荷に近い状態で、急激な外乱が
車軸に加わってトルク電流指令値が増加しても、トルク
電流指令値の変化速度と同じ速度で2次磁束指令値を増
加させて励磁電流を誘導電動機に流し、誘導電動機内部
に発生する2次磁束を高速に確立できるため安定なトル
ク制御系が実現できる。
車軸に加わってトルク電流指令値が増加しても、トルク
電流指令値の変化速度と同じ速度で2次磁束指令値を増
加させて励磁電流を誘導電動機に流し、誘導電動機内部
に発生する2次磁束を高速に確立できるため安定なトル
ク制御系が実現できる。
【0025】図4に他の実施例を示す。図1の実施例と
異なる部分は2次磁束推定手段171及びモータトルク
検出手段110の構成である。そこで、この構成につい
てのみ説明する。
異なる部分は2次磁束推定手段171及びモータトルク
検出手段110の構成である。そこで、この構成につい
てのみ説明する。
【0026】先ず、2次磁束推定手段171から述べ
る。電流センサ30、31、32から検出されるU相、
V相、W相の交流電流iu、iv、iwと電流制御手段1
80から出力される電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*とから
式(15)を使って2次磁束φ2を推定する。 φ2=φu・cosθ1*+φv・cos(θ1*−2π/3)+φw・cos(θ1*+2π/3)(15 ) 但し、φj={∫(Vj−r1・ij)dt−l1・ij} (j
=u、v、w)、Vj(j=u、v、w):一次電圧指令値Vu*、Vv
*、Vw*から推定した一次電圧(=Kp・Vj*、Kp:バッ
テリー電圧に関係する比例定数)この方法は一次電圧指
令値と交流電流iu、iv、iwから2次磁束を推定する
もので、図1に示す実施例の方法よりも精度の良い検出
ができるため、図1の実施例においても当該手法を2次
磁束推定手段170に適用してもよい。
る。電流センサ30、31、32から検出されるU相、
V相、W相の交流電流iu、iv、iwと電流制御手段1
80から出力される電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*とから
式(15)を使って2次磁束φ2を推定する。 φ2=φu・cosθ1*+φv・cos(θ1*−2π/3)+φw・cos(θ1*+2π/3)(15 ) 但し、φj={∫(Vj−r1・ij)dt−l1・ij} (j
=u、v、w)、Vj(j=u、v、w):一次電圧指令値Vu*、Vv
*、Vw*から推定した一次電圧(=Kp・Vj*、Kp:バッ
テリー電圧に関係する比例定数)この方法は一次電圧指
令値と交流電流iu、iv、iwから2次磁束を推定する
もので、図1に示す実施例の方法よりも精度の良い検出
ができるため、図1の実施例においても当該手法を2次
磁束推定手段170に適用してもよい。
【0027】次に、モータトルク検出手段110につい
て説明する。電流センサ33から検出されるPWMイン
バータ20に流れる直流電流Id、バッテリー10の直
流電圧Ed、速度検出手段60から得られた誘導電動機
40の回転角速度ωMを用いて式(16)にてモータト
ルクτを検出する。 τ=Ed・Id/ωM (16) この方式は簡易にトルクを検出できる方式として有効で
ある。
て説明する。電流センサ33から検出されるPWMイン
バータ20に流れる直流電流Id、バッテリー10の直
流電圧Ed、速度検出手段60から得られた誘導電動機
40の回転角速度ωMを用いて式(16)にてモータト
ルクτを検出する。 τ=Ed・Id/ωM (16) この方式は簡易にトルクを検出できる方式として有効で
ある。
【0028】図5にその他の実施例を示す。本実施例は
トルク制御の安定化を更に図るようにしたものである。
トルク電流It、励磁電流Imを検出し、これらに基づい
てトルク制御を行うようにしたものである。2次抵抗補
正手段、励磁インダクタンス補正手段を有し、これらパ
ラメータが変動した場合でも適正な励磁電流指令値Im
*、トルク電流指令値It*、すべり角周波数ωsが得られ
るようにしたものである。
トルク制御の安定化を更に図るようにしたものである。
トルク電流It、励磁電流Imを検出し、これらに基づい
てトルク制御を行うようにしたものである。2次抵抗補
正手段、励磁インダクタンス補正手段を有し、これらパ
ラメータが変動した場合でも適正な励磁電流指令値Im
*、トルク電流指令値It*、すべり角周波数ωsが得られ
るようにしたものである。
【0029】トルク指令値を一旦トルク電流指令値の設
定値ItRに変換し、トルク電流指令値の設定値ItRに誘
導電動機40のトルク電流に一致させるようにトルク電
流指令値の操作量It*を決め、It*に基づきトルク制御
を行う方法である。図1の実施例と相違する部分のみ説
明する。
定値ItRに変換し、トルク電流指令値の設定値ItRに誘
導電動機40のトルク電流に一致させるようにトルク電
流指令値の操作量It*を決め、It*に基づきトルク制御
を行う方法である。図1の実施例と相違する部分のみ説
明する。
【0030】先ず、トルク指令値演算手段80から出力
されたトルク指令値τRと2次指令値演算手段140か
ら得られた2次磁束指令値φ2*を使って式(17)から
トルク電流指令値の設定値ItRを求める。 ItR=k・τR/φ2* (17) 但し、k=(lm’+l2)/(m・p・lm’) ここで、上記の励磁インダクタンスlm’としては、2
次磁束が飽和しない線形領域では一定の値でよい。一般
に、電気自動車では電動機重量を低減するため、磁束を
発生する部分の寸法が小さくなる傾向がある。このた
め、大きなトルクを必要とする領域では、磁束の飽和が
起こり、励磁インダクタンスが通常の値よりも減少す
る。
されたトルク指令値τRと2次指令値演算手段140か
ら得られた2次磁束指令値φ2*を使って式(17)から
トルク電流指令値の設定値ItRを求める。 ItR=k・τR/φ2* (17) 但し、k=(lm’+l2)/(m・p・lm’) ここで、上記の励磁インダクタンスlm’としては、2
次磁束が飽和しない線形領域では一定の値でよい。一般
に、電気自動車では電動機重量を低減するため、磁束を
発生する部分の寸法が小さくなる傾向がある。このた
め、大きなトルクを必要とする領域では、磁束の飽和が
起こり、励磁インダクタンスが通常の値よりも減少す
る。
【0031】そこで、励磁インダクタンス補正手段11
1では、予め励磁電流Imとインダクタンスlmとの関係
をテ−ブル化しておき、このテ−ブルをもとに、励磁・
トルク電流検出手段112から検出される励磁電流Im
の大きさに対応した励磁インダクタンスlm’を決定し
ている。本実施例では、かかる励磁インダクタンスl
m’を式(17)において使ってItRを求めている。
1では、予め励磁電流Imとインダクタンスlmとの関係
をテ−ブル化しておき、このテ−ブルをもとに、励磁・
トルク電流検出手段112から検出される励磁電流Im
の大きさに対応した励磁インダクタンスlm’を決定し
ている。本実施例では、かかる励磁インダクタンスl
m’を式(17)において使ってItRを求めている。
【0032】ItRは加減算器150のプラス側の端子
に、励磁・トルク電流検出手段112から検出されたト
ルク電流Itは加減算器150のマイナス側の端子に導
入される。加減算器150から得られたトルク電流指令
値の偏差ΔItを補償すべくトルク電流指令値It*がト
ルク電流補償手段91から発生する。トルク制御はトル
ク電流指令値It*と次のようにして得られた励磁電流指
令値Im*を使って行われる。
に、励磁・トルク電流検出手段112から検出されたト
ルク電流Itは加減算器150のマイナス側の端子に導
入される。加減算器150から得られたトルク電流指令
値の偏差ΔItを補償すべくトルク電流指令値It*がト
ルク電流補償手段91から発生する。トルク制御はトル
ク電流指令値It*と次のようにして得られた励磁電流指
令値Im*を使って行われる。
【0033】励磁・トルク電流検出手段112から得ら
れた励磁電流Imに基づいて、式(18)を使って2次
磁束φ2を推定する。 φ2=lm’・Im/(1+T2・s) (18) ここで、2次時定数T2(=(lm’+l2)/r2)は励
磁インダクタンスlm’、2次抵抗r2に関係する。な
お、励磁インダクタンスlm’は励磁インダクタンス補
正手段111から得られた値を使用する。
れた励磁電流Imに基づいて、式(18)を使って2次
磁束φ2を推定する。 φ2=lm’・Im/(1+T2・s) (18) ここで、2次時定数T2(=(lm’+l2)/r2)は励
磁インダクタンスlm’、2次抵抗r2に関係する。な
お、励磁インダクタンスlm’は励磁インダクタンス補
正手段111から得られた値を使用する。
【0034】電気自動車では、走行状態によっては、過
負荷や高い周囲温度での走行もありうる。これによって
誘導電動機40の温度が高くなると、2次抵抗r2も変
動する。そこで、2次抵抗補正手段42では、予め測定
してテ−ブル化しておいた誘導電動機40の温度に対す
る2次抵抗r2を、温度センサ41から検出された誘導
電動機40の温度tc を基に求めている。なお、すべり
演算手段115のr2、Im’はすべて上述した手段によ
って補正された値を使用している。
負荷や高い周囲温度での走行もありうる。これによって
誘導電動機40の温度が高くなると、2次抵抗r2も変
動する。そこで、2次抵抗補正手段42では、予め測定
してテ−ブル化しておいた誘導電動機40の温度に対す
る2次抵抗r2を、温度センサ41から検出された誘導
電動機40の温度tc を基に求めている。なお、すべり
演算手段115のr2、Im’はすべて上述した手段によ
って補正された値を使用している。
【0035】2次磁束φ2 は加減算器152のマイナス
側の端子、図1の実施例と同様な手法で得られた2次指
令値φ2*は加減算器152のプラス側の端子に導入され
る。加減算器152から得られた偏差Δφ2は励磁電流
決定手段160に導入され、励磁電流決定手段160で
は、偏差Δφ2を補正すべく励磁電流指令値Im*が決定
される。
側の端子、図1の実施例と同様な手法で得られた2次指
令値φ2*は加減算器152のプラス側の端子に導入され
る。加減算器152から得られた偏差Δφ2は励磁電流
決定手段160に導入され、励磁電流決定手段160で
は、偏差Δφ2を補正すべく励磁電流指令値Im*が決定
される。
【0036】本実施例では誘導電動機40に流れる3相
の交流電流iu、iv、iwから得られたトルク電流It、
励磁電流Imを直接使用して、しかもr2、lm’等の電
動機の定数変動も補正してトルク制御を行っているた
め、走行状態によって電動機の定数が変化しても外乱に
対して安定なトルク制御系を実現することができる。こ
のパラメータの補正は図1、図4、次の図6の各実施例
でも当然行ってもよい。
の交流電流iu、iv、iwから得られたトルク電流It、
励磁電流Imを直接使用して、しかもr2、lm’等の電
動機の定数変動も補正してトルク制御を行っているた
め、走行状態によって電動機の定数が変化しても外乱に
対して安定なトルク制御系を実現することができる。こ
のパラメータの補正は図1、図4、次の図6の各実施例
でも当然行ってもよい。
【0037】図6に他の実施例を示す。図1に示す実施
例と異なる点はトルク指令値τR とモータトルクτとの
偏差Δτを2次磁束推定手段170から得られた2次磁
束φ2 の2乗で除算してすべり角周波数を演算している
点で、つぎのような理由による。
例と異なる点はトルク指令値τR とモータトルクτとの
偏差Δτを2次磁束推定手段170から得られた2次磁
束φ2 の2乗で除算してすべり角周波数を演算している
点で、つぎのような理由による。
【0038】2次磁束に変動がない場合には、図1に示
す実施例のようにトルク補償、トルク電流指令値、すべ
り周波数の順で、演算してもすべり周波数の精度は余り
かわりない。しかし、2次磁束が大幅に減少される場合
には、最後に得られるすべり周波数の精度は演算の際の
桁落ちに伴って悪化する恐れがある。しかも、すべり角
周波数は、一般に、PWMインバ−タ20の角周波数ω
1、回転各速度ωM 等の値に対して非常に小さいが、特
に、負荷が軽くなればなるほど、すべり周波数は減少し
て小さくなる。このため、軽負荷状態では、トルク制御
の安定性が悪くなる。
す実施例のようにトルク補償、トルク電流指令値、すべ
り周波数の順で、演算してもすべり周波数の精度は余り
かわりない。しかし、2次磁束が大幅に減少される場合
には、最後に得られるすべり周波数の精度は演算の際の
桁落ちに伴って悪化する恐れがある。しかも、すべり角
周波数は、一般に、PWMインバ−タ20の角周波数ω
1、回転各速度ωM 等の値に対して非常に小さいが、特
に、負荷が軽くなればなるほど、すべり周波数は減少し
て小さくなる。このため、軽負荷状態では、トルク制御
の安定性が悪くなる。
【0039】そこで、図6に示す実施例では、まず、す
べり周波数の精度が確保できるようにトルク偏差から直
ちにすべり角周波数が得られるように構成を変えてい
る。すべり角周波数の演算の順序を変更する以外は図1
の実施例と同等なので説明は省略する。本実施例によれ
ば2次磁束が小さくなってもすべり周波数の演算精度が
確保され、安定なトルク制御が実現できる。
べり周波数の精度が確保できるようにトルク偏差から直
ちにすべり角周波数が得られるように構成を変えてい
る。すべり角周波数の演算の順序を変更する以外は図1
の実施例と同等なので説明は省略する。本実施例によれ
ば2次磁束が小さくなってもすべり周波数の演算精度が
確保され、安定なトルク制御が実現できる。
【0040】図7に実用的なトルク電流と励磁電流との
関係を示す。電気自動車では、電動機の体格をできるだ
け小型にするため、励磁電流を大きくしないでトルク電
流を大きくして発生トルクを出せるように設計されるた
め、トルク電流と励磁電流の比率は1よりも大きく、通
常4〜6になる。このため、図7に示すように1次電流
最小化ラインに沿って励磁電流とトルク電流を動作させ
ていくと、トルク電流よりも先に励磁電流が定格の値
(Im)rate(‘D’対応)となる。励磁電流はこの値
以上に大きくすると過励磁になるので大きくできない。
そこで、定格の励磁電流になるまで1次電流最小化ライ
ンに沿って励磁電流とトルク電流を制御し、定格の励磁
電流に達したら、該定格の励磁電流を一定にしてトルク
電流のみを許容トルク電流(It)maxまで動作させる。
関係を示す。電気自動車では、電動機の体格をできるだ
け小型にするため、励磁電流を大きくしないでトルク電
流を大きくして発生トルクを出せるように設計されるた
め、トルク電流と励磁電流の比率は1よりも大きく、通
常4〜6になる。このため、図7に示すように1次電流
最小化ラインに沿って励磁電流とトルク電流を動作させ
ていくと、トルク電流よりも先に励磁電流が定格の値
(Im)rate(‘D’対応)となる。励磁電流はこの値
以上に大きくすると過励磁になるので大きくできない。
そこで、定格の励磁電流になるまで1次電流最小化ライ
ンに沿って励磁電流とトルク電流を制御し、定格の励磁
電流に達したら、該定格の励磁電流を一定にしてトルク
電流のみを許容トルク電流(It)maxまで動作させる。
【0041】また、他の方法として、定格の励磁電流
(Im)rateは、トルク電流(It)maxに比べて小さい
ことを勘案して、図7に示すA1…D1のラインに沿って
動作させても大差はなく、同様な効果が得られる。
(Im)rateは、トルク電流(It)maxに比べて小さい
ことを勘案して、図7に示すA1…D1のラインに沿って
動作させても大差はなく、同様な効果が得られる。
【0042】電動機の損失Lを最小化するには、以上述
べてきたような1次銅損を最小(1次電流の大きさを最
小)にするだけでなく、2次銅損、鉄損等の損失も考慮
する必要がある。実際にはこれらの損失を勘案して、励
磁電流とトルク電流との関係を決定する必要がある。
べてきたような1次銅損を最小(1次電流の大きさを最
小)にするだけでなく、2次銅損、鉄損等の損失も考慮
する必要がある。実際にはこれらの損失を勘案して、励
磁電流とトルク電流との関係を決定する必要がある。
【0043】 L=(r1+rm)・(Im・Im) + (r1+r2)・(It・It) (19) 但し、rm:鉄損抵抗 ここで、トルクτ(It・Imに比例)一定の条件のもとに
おける(19)式のLの値が最小となるImとItとの比
γmin(=Im/It)を求めると、(20)式になる。 (γmin)・(γmin)=(r1+r2)/(r1+rm) (20) 上記の(γmin)の値は電動機の温度や回転角速度が変わ
ると、抵抗r1、r2、rm等が変動するためそれに伴っ
て変化する。電動機の設計の仕方によっても異なるが、
実用的な範囲では、この値はほぼ(Im)rate/(It)
maxで決まる値から1の間で変動する。
おける(19)式のLの値が最小となるImとItとの比
γmin(=Im/It)を求めると、(20)式になる。 (γmin)・(γmin)=(r1+r2)/(r1+rm) (20) 上記の(γmin)の値は電動機の温度や回転角速度が変わ
ると、抵抗r1、r2、rm等が変動するためそれに伴っ
て変化する。電動機の設計の仕方によっても異なるが、
実用的な範囲では、この値はほぼ(Im)rate/(It)
maxで決まる値から1の間で変動する。
【0044】そこで、図7に塗りつぶした三角形の領域
で動作させるのが最も効果的である。これを数式で表す
と、式(21)のようになる。 φ2*=β・It*+φ20 (21) lm’≧β≧{(Im)rate・lm’−φ20 }/(It)max 実用上は、‘φ2*とItの特性’或いは‘ImとItの特
性’を予めテ−ブル化しておき、電動機の回転数や温度
が変動した場合には、その変動分に応じて求めるように
すればよい。勿論、これらのパラメ−タに対応させて多
次元のテ−ブルを用意してもよい。
で動作させるのが最も効果的である。これを数式で表す
と、式(21)のようになる。 φ2*=β・It*+φ20 (21) lm’≧β≧{(Im)rate・lm’−φ20 }/(It)max 実用上は、‘φ2*とItの特性’或いは‘ImとItの特
性’を予めテ−ブル化しておき、電動機の回転数や温度
が変動した場合には、その変動分に応じて求めるように
すればよい。勿論、これらのパラメ−タに対応させて多
次元のテ−ブルを用意してもよい。
【0045】ここで、始動時の過電流を抑制する観点か
らも、φ20の値はゼロとするよりある程度の値(通常定
格の2次磁束の20%以下)を持っていた方がよい。な
お、信号待ち、渋滞等における一時停止まで含めて効率
をよくするためには、電動機の速度が零になったらφ20
を零にすれば良い。この場合、始動時磁束が確立するま
でトルク指令値を遅らせるか、式(10)に示すような
トルク電流の(It)maxを補償して、φ2*を増加させ、
素早く励磁電流が流れるようにして、始動時の過電流
(発生トルクの遅れ)を抑制するとよい。
らも、φ20の値はゼロとするよりある程度の値(通常定
格の2次磁束の20%以下)を持っていた方がよい。な
お、信号待ち、渋滞等における一時停止まで含めて効率
をよくするためには、電動機の速度が零になったらφ20
を零にすれば良い。この場合、始動時磁束が確立するま
でトルク指令値を遅らせるか、式(10)に示すような
トルク電流の(It)maxを補償して、φ2*を増加させ、
素早く励磁電流が流れるようにして、始動時の過電流
(発生トルクの遅れ)を抑制するとよい。
【0046】今まで述べてきた方法は(21)式に基づ
きトルク電流指令値It*から2次磁束指令値φ2*を決定
し、これに追従させるように励磁電流指令値を発生させ
ていたが、直接、励磁電流指令値Im*を前述した(γmi
n)の値から求めるようにしてもよい。この実施例を図
8、図9に示す。
きトルク電流指令値It*から2次磁束指令値φ2*を決定
し、これに追従させるように励磁電流指令値を発生させ
ていたが、直接、励磁電流指令値Im*を前述した(γmi
n)の値から求めるようにしてもよい。この実施例を図
8、図9に示す。
【0047】図8に示す実施例は誘導電動機40で発生
するトルクτを(22)式(23)式を使って推定し、
推定トルクを使ってトルク指令値演算手段80から得ら
れるトルク指令値τRをモータトルク補償手段90によ
って補正し、この結果得られたトルク指令値補償値τ*
を使ってトルクを制御するものである。更に、現時点で
発生している2次磁束を、3相の交流電流(1次電流)
から検出される励磁電流Imを基に推定している点にも
特徴がある。 τ=m・p・{lm’/(lm’+l2)}・φ2・It (22) φ2=(Im・lm’)/(1+T2・s) (23) ここで、励磁電流Im、トルク電流Itは、既に述べた手
法によって、励磁・トルク電流検出手段112によって
検出される量である。2次磁束φ2は(23)式に基づ
き、2次磁束推定手段170から得ている。2次磁束は
励磁電流Imの値によっては、飽和する。そこで、(2
3)式では、飽和している領域までも2次磁束φ2を推
定できるようにするため、実際に検出された励磁電流を
もとに、励磁インダクタンスlm’を励磁インダクタン
ス補正手段111によって補正して得られる値を使う。
補正手段111におけるImとlm’の関数は予め実測、
計算等によって求めたものを利用する。
するトルクτを(22)式(23)式を使って推定し、
推定トルクを使ってトルク指令値演算手段80から得ら
れるトルク指令値τRをモータトルク補償手段90によ
って補正し、この結果得られたトルク指令値補償値τ*
を使ってトルクを制御するものである。更に、現時点で
発生している2次磁束を、3相の交流電流(1次電流)
から検出される励磁電流Imを基に推定している点にも
特徴がある。 τ=m・p・{lm’/(lm’+l2)}・φ2・It (22) φ2=(Im・lm’)/(1+T2・s) (23) ここで、励磁電流Im、トルク電流Itは、既に述べた手
法によって、励磁・トルク電流検出手段112によって
検出される量である。2次磁束φ2は(23)式に基づ
き、2次磁束推定手段170から得ている。2次磁束は
励磁電流Imの値によっては、飽和する。そこで、(2
3)式では、飽和している領域までも2次磁束φ2を推
定できるようにするため、実際に検出された励磁電流を
もとに、励磁インダクタンスlm’を励磁インダクタン
ス補正手段111によって補正して得られる値を使う。
補正手段111におけるImとlm’の関数は予め実測、
計算等によって求めたものを利用する。
【0048】モ−タトルク補償手段90では、トルク指
令値τRと検出された発生トルクτとの偏差がゼロなる
ようにトルク指令値補償値τ*を発生させる。90はP
I(比例+積分)要素で構成される。
令値τRと検出された発生トルクτとの偏差がゼロなる
ようにトルク指令値補償値τ*を発生させる。90はP
I(比例+積分)要素で構成される。
【0049】前記トルク指令値補償値τ*と前記2次磁
束φ2と用いて、前記(3)式の演算をトルク指令値演
算手段100で行い、トルク電流指令値It*を得る。ト
ルク電流指令値It*に基づいて最適励磁電流指令値決定
手段146より、この手段に格納されている電動機の損
失を最小にするImとItの関数から最適な励磁電流指令
値を決定する。
束φ2と用いて、前記(3)式の演算をトルク指令値演
算手段100で行い、トルク電流指令値It*を得る。ト
ルク電流指令値It*に基づいて最適励磁電流指令値決定
手段146より、この手段に格納されている電動機の損
失を最小にするImとItの関数から最適な励磁電流指令
値を決定する。
【0050】励磁電流指令値はリッミタ132に入力さ
れ、リッミタ132によって励磁電流指令値の最大値を
決定される。この最大値は2次磁束設定手段130から
決定される最大2次磁束(φ)maxで、駆動システムで
許容される値であり、回転角度ωMに対する特性は
(7)式に示されるのと同様に決定される。このように
して決められた(φ)maxは励磁電流変換器131によ
って励磁電流指令値の最大値(Im)max(=(φ)max
/lm’)に変換される。前記励磁電流指令値はリッミ
タ132を介して、実際の励磁電流指令値ImR として
励磁電流決定手段160のプラス端子に入力される。決
定手段160のマイナス端子には、検出手段112によ
って検出された実際に電動機40内で流れている励磁電
流Imが入力される。
れ、リッミタ132によって励磁電流指令値の最大値を
決定される。この最大値は2次磁束設定手段130から
決定される最大2次磁束(φ)maxで、駆動システムで
許容される値であり、回転角度ωMに対する特性は
(7)式に示されるのと同様に決定される。このように
して決められた(φ)maxは励磁電流変換器131によ
って励磁電流指令値の最大値(Im)max(=(φ)max
/lm’)に変換される。前記励磁電流指令値はリッミ
タ132を介して、実際の励磁電流指令値ImR として
励磁電流決定手段160のプラス端子に入力される。決
定手段160のマイナス端子には、検出手段112によ
って検出された実際に電動機40内で流れている励磁電
流Imが入力される。
【0051】決定手段160では、励磁電流指令値ImR
に励磁電流Imが一致するように、励磁電流の操作量Im
*を決定する。従って、常に、操作量Im*はトルク電流
指令値It*に関係付けられて決定されることになる。
に励磁電流Imが一致するように、励磁電流の操作量Im
*を決定する。従って、常に、操作量Im*はトルク電流
指令値It*に関係付けられて決定されることになる。
【0052】また、トルク電流指令値It*はすべり周波
数演算手段115に前記(4)式に基づいてすべり角周
波数ωsが決定される。すべり角周波数ωsはすべり周波
数リミッタ116に入力され、その動作範囲が式(2
4)、(25)に基づいて決められる。 0≦ωM≦ωM0、(ωs)max=ωs0 (24) ωs0: 最大のトルク指令値に基づいて決定される値で、
通常、定格のすべり角周波数からその2倍の値に選ばれ
る。 ωM0≦ωM≦(ωM)max、(ωs)max=A・ωM + B (25) 但し、A=[{r2/(l1+l2)}-ωs0]/{(ωM)max-(ωM0)} B=[{ωs0・(ωM)max}-{r2/(l1+l2)}・(ωM0)]/{(ωM)max-(ωM0)} ここで、式(25)は、基底回転角速度ωM0以上に回転
角速度ωMがなり、2次磁束は弱められると、式(4)
から得られるすべり角周波数は増加することになる。そ
こで、最大回転角速度(ωM)maxで停動トルクを越えな
い範囲内ですべり角周波数の動作範囲を広げている。
数演算手段115に前記(4)式に基づいてすべり角周
波数ωsが決定される。すべり角周波数ωsはすべり周波
数リミッタ116に入力され、その動作範囲が式(2
4)、(25)に基づいて決められる。 0≦ωM≦ωM0、(ωs)max=ωs0 (24) ωs0: 最大のトルク指令値に基づいて決定される値で、
通常、定格のすべり角周波数からその2倍の値に選ばれ
る。 ωM0≦ωM≦(ωM)max、(ωs)max=A・ωM + B (25) 但し、A=[{r2/(l1+l2)}-ωs0]/{(ωM)max-(ωM0)} B=[{ωs0・(ωM)max}-{r2/(l1+l2)}・(ωM0)]/{(ωM)max-(ωM0)} ここで、式(25)は、基底回転角速度ωM0以上に回転
角速度ωMがなり、2次磁束は弱められると、式(4)
から得られるすべり角周波数は増加することになる。そ
こで、最大回転角速度(ωM)maxで停動トルクを越えな
い範囲内ですべり角周波数の動作範囲を広げている。
【0053】このようにすると、所定の目標のトルク指
令値においてトルク電流の動作範囲を広げることができ
るため、各回転角速度における最大のモータトルクにお
ける励磁電流の増加を抑えられる。この結果、各回転角
速度ωMにおいて誘起電圧の上昇を極力抑制できるの
で、PWMインバータ20で制御可能な電圧(PWMイ
ンバータ20の出力電圧と誘起電圧との差分)が増加す
ることになるため、高速域まで安定にモータを駆動する
ことができる。
令値においてトルク電流の動作範囲を広げることができ
るため、各回転角速度における最大のモータトルクにお
ける励磁電流の増加を抑えられる。この結果、各回転角
速度ωMにおいて誘起電圧の上昇を極力抑制できるの
で、PWMインバータ20で制御可能な電圧(PWMイ
ンバータ20の出力電圧と誘起電圧との差分)が増加す
ることになるため、高速域まで安定にモータを駆動する
ことができる。
【0054】この処理によって得られたすべり角周波数
ωsは回転角速度ωMと加算器151によって加算され、
リッミタ117を介して1次角周波数ω1を得る。ここ
で、リッミタ117は誘導電動機40の回転速度が所定
の値以上に増加するのを抑制する役目をする。
ωsは回転角速度ωMと加算器151によって加算され、
リッミタ117を介して1次角周波数ω1を得る。ここ
で、リッミタ117は誘導電動機40の回転速度が所定
の値以上に増加するのを抑制する役目をする。
【0055】以上述べてきた手法によって得られた、ト
ルク電流指令値It*、励磁電流の操作量Im*、1次角周
波数ω1の各操作量は1次電流指令演算手段120に入
力され、前記式(12)から式(14)の演算が行わ
れ、3相の1次電流指令値iu*、iv*、iw*を発生す
る。これらの指令値に基づいて電流制御手段180では
電流制御系を構成し、1次電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*
を発生させる。
ルク電流指令値It*、励磁電流の操作量Im*、1次角周
波数ω1の各操作量は1次電流指令演算手段120に入
力され、前記式(12)から式(14)の演算が行わ
れ、3相の1次電流指令値iu*、iv*、iw*を発生す
る。これらの指令値に基づいて電流制御手段180では
電流制御系を構成し、1次電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*
を発生させる。
【0056】PWM信号発生手段190には、1次電圧
指令値が入力され、この指令値に基づいてPWM信号を
発生する。このPWM信号はPWMインバータ20に印
加され、誘導電動機40の発生トルクを制御する。本実
施例には図示しないが、手段100の出力に更に、トル
ク電流指令値It*に手段112から得られるトルク電流
It が一致するように該It*を補正するトルク電流決定
手段を付加し、該手段によって該It*を補償して得られ
る補償値を使って、1次電流指令iu*、iv*、iw*を求
めても良い。この場合、図8の実施例よりも更に精度の
良いトルク制御を行うことができる。
指令値が入力され、この指令値に基づいてPWM信号を
発生する。このPWM信号はPWMインバータ20に印
加され、誘導電動機40の発生トルクを制御する。本実
施例には図示しないが、手段100の出力に更に、トル
ク電流指令値It*に手段112から得られるトルク電流
It が一致するように該It*を補正するトルク電流決定
手段を付加し、該手段によって該It*を補償して得られ
る補償値を使って、1次電流指令iu*、iv*、iw*を求
めても良い。この場合、図8の実施例よりも更に精度の
良いトルク制御を行うことができる。
【0057】本実施例では、アクセルを介して発せられ
るトルク指令値を、発生トルクを検出することによって
補償し、この補償されたトルク指令値に基づいてトルク
電流と励磁電流を制御しているため、定常時はもとより
過渡状態でも追従性能のよいトルク制御を行うことがで
きる。このため、加速感も得られ、外乱に対して振動の
少ない乗り心地のよい電気自動車を実現できる。
るトルク指令値を、発生トルクを検出することによって
補償し、この補償されたトルク指令値に基づいてトルク
電流と励磁電流を制御しているため、定常時はもとより
過渡状態でも追従性能のよいトルク制御を行うことがで
きる。このため、加速感も得られ、外乱に対して振動の
少ない乗り心地のよい電気自動車を実現できる。
【0058】更に、過渡状態も含めて最高の効率が得ら
れるトルク電流と励磁電流との関係を維持しながら、モ
ータで発生するトルクを制御できる。この結果、過渡状
態が常に持続する電気自動車にあっては、バッテリーの
エネルギーを常に効率よく利用できるので、一充電当り
の走行距離を増加させることができる。
れるトルク電流と励磁電流との関係を維持しながら、モ
ータで発生するトルクを制御できる。この結果、過渡状
態が常に持続する電気自動車にあっては、バッテリーの
エネルギーを常に効率よく利用できるので、一充電当り
の走行距離を増加させることができる。
【0059】次に図9の実施例について説明する。本実
施例は、トルク制御のための操作量であるトルク電流指
令値It*、励磁電流指令値Im*及び1次角周波数ω1を
得るまでは図8に示す実施例と同じであるので説明は省
略する。図9では、手段120、180で構成されるよ
うな電流制御系を持たずに、この電流制御系と同等な機
能をd軸電圧決定手段161、q軸電圧決定手段16
2、非干渉化手段121及び1次電圧指令手段181と
により得ている点が相違するのでこれらについて説明す
る。
施例は、トルク制御のための操作量であるトルク電流指
令値It*、励磁電流指令値Im*及び1次角周波数ω1を
得るまでは図8に示す実施例と同じであるので説明は省
略する。図9では、手段120、180で構成されるよ
うな電流制御系を持たずに、この電流制御系と同等な機
能をd軸電圧決定手段161、q軸電圧決定手段16
2、非干渉化手段121及び1次電圧指令手段181と
により得ている点が相違するのでこれらについて説明す
る。
【0060】d軸電圧決定手段161は、手段112か
ら得られた励磁電流Im が手段132を介して得た励磁
電流指令Im*に一致するようにd軸上の電圧補償値V
d’を決定する。q軸電圧決定手段162は、手段11
2から得られたトルク電流It が手段100より得られ
たトルク電流指令値It*に一致するように、q軸上の電
圧補償値Vq'を決定する。非干渉化手段121は上記の
操作量に加えて、検出された励磁電流Imから得られた
2次磁束φ2を使って、d−q軸座標上での電圧指令値
Vd*、Vq*を式(26)から得る。 Vd*=r1・Im−ω1・σ・L1・It+Vd’ Vq*=r1・It+ω1{σ・L1・Im+(lm’/L2)・φ2}+Vq' (26) 但し、σ=1−(lm’/L1)・(lm’/L2) L1=lm’+l1、L2=lm’+l2 詳細は省くが、この操作を施すことによって、誘導電動
機のd−q座標上で表された状態方程式からIm、Itが
それぞれ相互に干渉することなく(Im、Itの過渡項を
ゼロに)制御できる。
ら得られた励磁電流Im が手段132を介して得た励磁
電流指令Im*に一致するようにd軸上の電圧補償値V
d’を決定する。q軸電圧決定手段162は、手段11
2から得られたトルク電流It が手段100より得られ
たトルク電流指令値It*に一致するように、q軸上の電
圧補償値Vq'を決定する。非干渉化手段121は上記の
操作量に加えて、検出された励磁電流Imから得られた
2次磁束φ2を使って、d−q軸座標上での電圧指令値
Vd*、Vq*を式(26)から得る。 Vd*=r1・Im−ω1・σ・L1・It+Vd’ Vq*=r1・It+ω1{σ・L1・Im+(lm’/L2)・φ2}+Vq' (26) 但し、σ=1−(lm’/L1)・(lm’/L2) L1=lm’+l1、L2=lm’+l2 詳細は省くが、この操作を施すことによって、誘導電動
機のd−q座標上で表された状態方程式からIm、Itが
それぞれ相互に干渉することなく(Im、Itの過渡項を
ゼロに)制御できる。
【0061】Vd*、Vq*は1次電圧指令手段181に入
力され、次式を基に、1次電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*
を形成する。 Vu*=V1・cos(θ1+δ) (27) Vv*=V1・cos(θ1+δ−2π/3) (28) Vw*=V1・cos(θ1+δ+2π/3) (29) 但し、V1・V1= Vd*・Vd*+Vd*・Vq* θ1=∫ω1・dt、δ=arctan(Vq*/Vd*) これ以外にも上記の1次電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*
は、上記のVd*、Vq*を基に、二相、三相変換すること
によっても求めることができる。1次電圧指令値Vu*、
Vv*、Vw*からPWM信号をうる方法は図8の実施例と
同様なので省略する。
力され、次式を基に、1次電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*
を形成する。 Vu*=V1・cos(θ1+δ) (27) Vv*=V1・cos(θ1+δ−2π/3) (28) Vw*=V1・cos(θ1+δ+2π/3) (29) 但し、V1・V1= Vd*・Vd*+Vd*・Vq* θ1=∫ω1・dt、δ=arctan(Vq*/Vd*) これ以外にも上記の1次電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*
は、上記のVd*、Vq*を基に、二相、三相変換すること
によっても求めることができる。1次電圧指令値Vu*、
Vv*、Vw*からPWM信号をうる方法は図8の実施例と
同様なので省略する。
【0062】以上本実施例によれば、電流制御系を省く
ことができるため、制御系のゲイン調整がなくなり簡易
コントローラが実現できる。これによって、簡単な構成
でありながら、システムの信頼性が向上されたトルク制
御を実現することができる。
ことができるため、制御系のゲイン調整がなくなり簡易
コントローラが実現できる。これによって、簡単な構成
でありながら、システムの信頼性が向上されたトルク制
御を実現することができる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、効率よくバッテリーの
エネルギーを利用できるので電気自動車の一充電当たり
の走行距離を向上させるという効果がある。また、車軸
に加わる外乱、登坂、急激な加速等によってモータトル
クが変動してもアクセル量に対応した円滑なトルク制御
ができるので快適な電気自動車の駆動性能を実現できる
という効果もある。
エネルギーを利用できるので電気自動車の一充電当たり
の走行距離を向上させるという効果がある。また、車軸
に加わる外乱、登坂、急激な加速等によってモータトル
クが変動してもアクセル量に対応した円滑なトルク制御
ができるので快適な電気自動車の駆動性能を実現できる
という効果もある。
【図1】本発明の一実施例におけるブロック図である。
【図2】1次電流最小化制御実行するためのトルク電流
と励磁電流(2次磁束)との関係を示す図である。
と励磁電流(2次磁束)との関係を示す図である。
【図3】一次電流最大値を一定にしてトルク電流のリッ
ミタを可変する方法の説明図である。
ミタを可変する方法の説明図である。
【図4】本発明の他の実施例におけるブロック図であ
る。
る。
【図5】図1に示す2次磁束の推定を他の方法を使って
トルク制御を行う場合のブロック図である。
トルク制御を行う場合のブロック図である。
【図6】すべり周波数の精度を高めるトルク制御を行う
場合のブロック図である。
場合のブロック図である。
【図7】実用的な励磁電流とトルク電流の動作範囲を説
明する図である。
明する図である。
【図8】過渡状態まで良好にトルクを制御できる機能と
高効率化の機能を双方を備えてトルク制御を行う場合の
ブロック図である。
高効率化の機能を双方を備えてトルク制御を行う場合の
ブロック図である。
【図9】図8の構成を簡略化できる実施例のブロック図
である。
である。
10 バッテリー 20 PWMインバータ 30、31、32 電流センサ 40 三相誘導電動機 42 2次抵抗補正手段 50 エンコーダ 60 速度検出手段 70 アクセル 80 トルク指令値演算手段 90 モータトルク補償手段 91 トルク電流補償手段 100 トルク電流指令演算手段 101 トルク電流指令変換手段 105 可変リッミタ 110 モータトルク検出手段 111 励磁インダクタンス補正手段 112 励磁・トルク電流検出手段 115 すべり周波数演算手段 116 すべり周波数リミッタ 117 PWMインバータの角周波数(1次
角周波数)リミッタ 120 1次電流指令演算手段 121 非干渉化手段 130 2次磁束設定手段 140 2次磁束指令演算手段 145 負荷率演算手段 161 d軸電圧決定手段 162 q軸電圧決定手段 181 1次電圧指令演算手段 150、151 減算器 152 減算器 160 励磁電流決定手段 170 2次磁束推定手段 180 電流制御手段 190 PWM信号発生手段
角周波数)リミッタ 120 1次電流指令演算手段 121 非干渉化手段 130 2次磁束設定手段 140 2次磁束指令演算手段 145 負荷率演算手段 161 d軸電圧決定手段 162 q軸電圧決定手段 181 1次電圧指令演算手段 150、151 減算器 152 減算器 160 励磁電流決定手段 170 2次磁束推定手段 180 電流制御手段 190 PWM信号発生手段
フロントページの続き (72)発明者 宮崎 泰三 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 高本 祐介 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 大前 力 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小原 三四郎 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内
Claims (14)
- 【請求項1】 直流電圧及び直流電流を供給するバッテ
リーと、該直流電圧を可変周波数、可変電圧の交流電源
に変換するPWMインバータと、該PWMインバータに
よって駆動される誘導電動機と、アクセル踏み込み量に
基づいて決定したトルク指令値によって前記誘導電動機
で発生すべきトルクを制御し、車両の速度を所望に制御
する制御回路とを有する電気自動車のトルク制御方法で
あって、 前記誘導電動機の発生トルクを検出するトルク検出手段
を具備して、該トルク検出手段から得られた前記誘導電
動機の発生トルクと前記トルク指令値との偏差を補償す
るように決定した前記誘導電動機のトルク電流指令値及
び励磁電流指令値に基づいて前記誘導電動機で発生する
トルクを制御するようにしたことを特徴とする電気自動
車のトルク制御方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の電気自動車のトルク制御
方法において、トルク検出手段には、少なくとも前記誘
導電動機の一次巻線に流れる三相の交流電流を検出する
手段と、該三相の交流電流を前記PWMインバータの角
周波数と同期速度で回転するd−q軸座標系に変換する
手段と、該変換手段によって得られるd軸成分(励磁電
流)とq軸成分(トルク電流)との積を求める手段とが
含まれることを特徴とする電気自動車のトルク制御方
法。 - 【請求項3】 請求項1記載の電気自動車のトルク制御
方法において、トルク検出手段には、少なくとも前記P
WMインバータに流れ込む直流電流を検出する手段と、
前記バッテリー電圧を検出する手段と、前記誘導電動機
の回転角速度を検出する手段と、該直流電流と該バッテ
リー電圧との積を該回転角速度で除算する手段とが含ま
れることを特徴とする電気自動車のトルク制御方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の電気自動車のトルク制御
方法において、トルク電流指令値は、トルク検出手段か
ら検出された発生トルクがトルク指令値に一致するよう
に決定した新たなトルク指令値の操作量を、前記誘導電
動機の2次回路に発生している2次磁束で除算して求め
ることを特徴とする請求項1記載の電気自動車のトルク
制御方法。 - 【請求項5】 請求項1記載の電気自動車のトルク制御
方法において、トルク指令値はバッテリーの電圧が所定
の値以下に低下したらその減少分に応じて低下させるこ
とを特徴とする電気自動車のトルク制御方法。 - 【請求項6】 請求項4記載の電気自動車のトルク制御
方法において、制御回路は、誘導電動機の回転角速度に
応じて前記誘導電動機の2次回路に発生する2次磁束を
設定する2次磁束設定手段を具備し、該2次磁束設定手
段から得られた2次磁束設定値をトルク電流指令値によ
って補正し、その補正量と前記誘導電動機の2次回路に
発生する2次磁束が一致するように励磁電流指令値を決
定することを特徴とする電気自動車のトルク制御方法。 - 【請求項7】 請求項4記載の電気自動車のトルク制御
方法において、制御回路は、誘導電動機の効率を最適化
するように予め決定されているトルク電流と励磁電流と
の関係を維持する最適励磁電流指令値決定手段を具備
し、トルク検出手段から検出された発生トルクがトルク
指令値に一致するように決定した新たなトルク指令値の
操作量から決まるトルク電流指令値に対応させて最適励
磁電流指令値決定手段から励磁電流の基準値を決定し、
該基準値に、前記誘導電動機の一次巻線に流れる三相の
交流電流をd−q軸座標系に変換する変換手段によって
求められたd軸成分の励磁電流が一致するように励磁電
流指令値を発生させることを特徴とする電気自動車のト
ルク制御方法。 - 【請求項8】 請求項7記載の電気自動車のトルク制御
方法において、最適励磁電流指令値決定手段には、モ−
タの1次及び2次抵抗をr1、r2、モ−タの鉄損抵抗を
rmとしたとき、 γmin={(r1+r2)/(r1+rm)}1/2で求まる値
を用いることを特徴とする電気自動車のトルク制御方
法。 - 【請求項9】 請求項6記載の電気自動車のトルク制御
方法において、2次磁束設定値の補正値は、トルク電流
指令値を前記誘導電動機の定格トルク電流で除算して得
た負荷率に、前記2次磁束設定値を乗算し、更にその値
に所定の2次磁束設定値を加算して求めることを特徴と
する電気自動車のトルク制御方法。 - 【請求項10】 請求項6記載の電気自動車のトルク制
御方法において、制御回路は、励磁電流と励磁インダク
タンスとを関係付ける特性を有する励磁インダクタンス
補正手段を具備して、励磁電流指令値に対応させて励磁
インダクタンスを求め、該励磁インダクタンスと該励磁
電流指令値とを使って2次磁束を推定することを特徴と
する電気自動車のトルク制御方法。 - 【請求項11】 請求項4記載の電気自動車のトルク制
御方法において、制御回路は、励磁電流と励磁インダク
タンスとを関係付ける特性を有する励磁インダクタンス
補正手段を具備して、前記誘導電動機の一次巻線に流れ
る三相の交流電流をd−q軸座標系に変換する変換手段
によって求められたd軸成分の励磁電流に対応させて励
磁インダクタンスを求め、該励磁インダクタンスと該励
磁電流を使って2次磁束を推定するようにしたことを特
徴とする電気自動車のトルク制御方法。 - 【請求項12】 請求項4記載の電気自動車のトルク制
御方法おいて、2次磁束設定値の補正量は、トルク電流
指令値It*と、該トルク指令値に関与しない項φ20に分
けて以下の式、 φ2*=β・It*+φ20 lm’≧β≧{(Im)rate・lm’−φ20}/(It)max lm’:励磁インダクタンス、(Im)rate:励磁電流の
定格値、(It)max:トルク電流の最大値、 に基づいて決定されることを特徴とする電気自動車のト
ルク制御方法。 - 【請求項13】 請求項7記載の電気自動車のトルク制
御方法において、PWMインバータは、誘導電動機の一
次巻線に流れる三相の交流電流を検出する手段を具備
し、該手段から検出される三相の交流電流が、トルク電
流指令値、励磁電流指令値、誘導電動機の2次回路で発
生している2次磁束及び誘導電動機の回転角速度とから
決定される3相の1次電流指令に追従させるよう発せら
れたPWM信号によって制御されることを特徴とする電
気自動車のトルク制御方法。 - 【請求項14】 請求項4記載の電気自動車のトルク制
御方法おいて、制御回路には、励磁電流指令値Im*に励
磁電流Imが一致するようにd軸電圧Vd'を決定するd
軸電圧決定手段と、トルク電流指令値It*にトルク電流
It が一致するようにq軸電圧Vq'を決定するq軸電圧
決定手段とを具備し、PWMインバータは、該Vd'、V
q'、トルク電流指令値It*、励磁電流指令値Im*、誘導
電動機の2次回路で発生している2次磁束φ2及び誘導
電動機の回転角速度ωMとを使って次式、 Vd*=r1・Im*−ω1・σ・L1・It*+Vd' Vq*=r1・It*+ω1{σ・L1・Im*+(lm’/L2)・φ2}+Vq' ω1 =ωM+{(lm’・Im*)/(T2・φ2)} 但し、σ=1−(lm’/L1)・(lm’/L2)、L1
=lm’+l1、L2=lm’+l2、T2=L2/r2、 から求めたd−q軸座標上の電圧指令値Vd*、Vq*に基
づいて発生したPWM信号によって制御されることを特
徴とする電気自動車のトルク制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6008879A JPH06284511A (ja) | 1993-01-29 | 1994-01-28 | 電気自動車のトルク制御方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-13971 | 1993-01-29 | ||
JP1397193 | 1993-01-29 | ||
JP6008879A JPH06284511A (ja) | 1993-01-29 | 1994-01-28 | 電気自動車のトルク制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06284511A true JPH06284511A (ja) | 1994-10-07 |
Family
ID=26343488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6008879A Pending JPH06284511A (ja) | 1993-01-29 | 1994-01-28 | 電気自動車のトルク制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06284511A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6611124B2 (en) | 2000-02-29 | 2003-08-26 | Hitachi, Ltd. | Control apparatus of induction motor |
JP2007089334A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp | 電気自動車用電力変換装置 |
JP2010252435A (ja) * | 2009-04-10 | 2010-11-04 | J P Ii Kk | トルク制御装置 |
JP2012050249A (ja) * | 2010-08-27 | 2012-03-08 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp | 電動機駆動装置 |
JP2013255383A (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-19 | Mitsubishi Electric Corp | 誘導電動機の制御装置 |
JP2015228793A (ja) * | 2015-09-25 | 2015-12-17 | 三菱電機株式会社 | 誘導電動機の制御装置 |
CN108791910A (zh) * | 2018-05-03 | 2018-11-13 | 深圳市道通智能航空技术有限公司 | 一种油门控制的方法、装置及无人机 |
-
1994
- 1994-01-28 JP JP6008879A patent/JPH06284511A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6611124B2 (en) | 2000-02-29 | 2003-08-26 | Hitachi, Ltd. | Control apparatus of induction motor |
JP2007089334A (ja) * | 2005-09-22 | 2007-04-05 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp | 電気自動車用電力変換装置 |
JP2010252435A (ja) * | 2009-04-10 | 2010-11-04 | J P Ii Kk | トルク制御装置 |
JP2012050249A (ja) * | 2010-08-27 | 2012-03-08 | Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp | 電動機駆動装置 |
JP2013255383A (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-19 | Mitsubishi Electric Corp | 誘導電動機の制御装置 |
JP2015228793A (ja) * | 2015-09-25 | 2015-12-17 | 三菱電機株式会社 | 誘導電動機の制御装置 |
CN108791910A (zh) * | 2018-05-03 | 2018-11-13 | 深圳市道通智能航空技术有限公司 | 一种油门控制的方法、装置及无人机 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5650700A (en) | Electric vehicle torque controller | |
JP3860031B2 (ja) | 同期電動機制御装置、同期電動機の制御方法 | |
US6194865B1 (en) | Control method and system for electric rotary machine | |
JP3396440B2 (ja) | 同期電動機の制御装置 | |
JP4205157B1 (ja) | 電動機の制御装置 | |
JP4386451B2 (ja) | 電動車両の制御装置 | |
US8285451B2 (en) | Method and apparatus for controlling electric power steering system | |
CN101237209B (zh) | 永磁电动机的高响应控制装置 | |
JP3840905B2 (ja) | 同期電動機の駆動装置 | |
JP3146791B2 (ja) | 永久磁石型同期モータの駆動制御装置 | |
JPH08228404A (ja) | 電気車用駆動制御装置及び制御方法 | |
JPH1118496A (ja) | 電気車の制御装置および制御方法 | |
JP3513561B2 (ja) | 誘導電動機の制御装置 | |
JPH0583976A (ja) | 交流電動機制御装置及びこれを用いた電気車の制御装置 | |
JPH06284511A (ja) | 電気自動車のトルク制御方法 | |
JPH05308793A (ja) | 電力変換装置の制御回路 | |
JPH08317698A (ja) | 誘導機の制御装置 | |
JP3840030B2 (ja) | 電気車の駆動制御装置 | |
JP3534722B2 (ja) | モータの制御装置 | |
JP2000308400A (ja) | エレベータ用誘導電動機のベクトル制御装置 | |
JP3780482B2 (ja) | 誘導電動機の制御装置 | |
JP3425438B2 (ja) | 誘導電動機の駆動装置 | |
JP3716347B2 (ja) | 誘導電動機駆動装置、誘導電動機制御装置及び誘導電動機制御方法 | |
JP4342878B2 (ja) | 電気車制御装置 | |
JP4005510B2 (ja) | 同期電動機の駆動システム |