JPH0623527B2 - 多気筒内燃機関 - Google Patents
多気筒内燃機関Info
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- JPH0623527B2 JPH0623527B2 JP15178385A JP15178385A JPH0623527B2 JP H0623527 B2 JPH0623527 B2 JP H0623527B2 JP 15178385 A JP15178385 A JP 15178385A JP 15178385 A JP15178385 A JP 15178385A JP H0623527 B2 JPH0623527 B2 JP H0623527B2
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- JP
- Japan
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- valve
- cam
- intake
- lift
- engine
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- Valve Device For Special Equipments (AREA)
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は多気筒内燃機関、例えば、車両に搭載される多
気筒内燃機関に関する。
気筒内燃機関に関する。
(従来の技術) 従来、機関の高出力、低燃費を達成するための多気筒内
燃機関としては、例えば第17図〜第21図に示すものが知
られている(特開昭58−25537号公報)。
燃機関としては、例えば第17図〜第21図に示すものが知
られている(特開昭58−25537号公報)。
これらの図に示すように、この内燃機関は、4気筒の各
気筒について主吸気弁1と副吸気弁2との吸気2弁、及
び、排気弁3を有している。ここに、主吸気弁1が開閉
する主吸気ポート4は吸気流により燃焼室5内にスワー
ルを形成するように、また、副吸気弁2が開閉する副吸
気ポート6は多量の吸気を燃焼室5に送給可能に主吸気
ポート4の流路面積よりも大きな流路面積を有してい
る。これらの吸・排気弁はいずれもロッカアーム7を介
して駆動カム8により機関回転に同期して駆動される
が、これらのロッカアーム7には、第19図及び第20図に
示すように、それぞれその作動を停止可能な作動停止機
構が設けられている。この作動停止機構は、ロッカアー
ム7の背面に設けた油圧シリンダ9と、そのピストンロ
ッド10に連結したフォーク状のストッパ11と、を有して
おり、一端が駆動カム8に当接するロッカアーム7の他
端に往復動自在に保持されて吸・排気弁のステムエンド
12に当接するプランジャ13を、シリンダ9非作動時スト
ッパ11に係止させてロッカアーム7の揺動を該プランジ
ャ13を介して吸・排気弁に伝達するとともに、図外の切
換弁によりシリンダ室9Aに潤滑油を供給してピストン
ロッド10を突出させることによりストッパ11によるプラ
ンジャ13の係止を解除して、プランジャ13をロッド7の
揺動に対して非拘束とする結果、該揺動を吸・排気弁に
伝達しないようにしている。すなわち、シリンダ9の作
動により吸・排気弁の作動を停止するのである。
気筒について主吸気弁1と副吸気弁2との吸気2弁、及
び、排気弁3を有している。ここに、主吸気弁1が開閉
する主吸気ポート4は吸気流により燃焼室5内にスワー
ルを形成するように、また、副吸気弁2が開閉する副吸
気ポート6は多量の吸気を燃焼室5に送給可能に主吸気
ポート4の流路面積よりも大きな流路面積を有してい
る。これらの吸・排気弁はいずれもロッカアーム7を介
して駆動カム8により機関回転に同期して駆動される
が、これらのロッカアーム7には、第19図及び第20図に
示すように、それぞれその作動を停止可能な作動停止機
構が設けられている。この作動停止機構は、ロッカアー
ム7の背面に設けた油圧シリンダ9と、そのピストンロ
ッド10に連結したフォーク状のストッパ11と、を有して
おり、一端が駆動カム8に当接するロッカアーム7の他
端に往復動自在に保持されて吸・排気弁のステムエンド
12に当接するプランジャ13を、シリンダ9非作動時スト
ッパ11に係止させてロッカアーム7の揺動を該プランジ
ャ13を介して吸・排気弁に伝達するとともに、図外の切
換弁によりシリンダ室9Aに潤滑油を供給してピストン
ロッド10を突出させることによりストッパ11によるプラ
ンジャ13の係止を解除して、プランジャ13をロッド7の
揺動に対して非拘束とする結果、該揺動を吸・排気弁に
伝達しないようにしている。すなわち、シリンダ9の作
動により吸・排気弁の作動を停止するのである。
また、この作動停止機構は機関の運転状態に応じて制御
手段14により駆動され、低速低負荷時はすべて吸・排気
弁1、2、3の作動が停止しれ、低速高負荷時は副吸気
弁2の作動のみが停止されるように制御される。
手段14により駆動され、低速低負荷時はすべて吸・排気
弁1、2、3の作動が停止しれ、低速高負荷時は副吸気
弁2の作動のみが停止されるように制御される。
(発明が解決しようとすく問題点) しかしながら、このような従来の多気筒内燃機関にあっ
ては、吸・排気弁の弁開閉時期及び弁リフト量を可変と
するものではなく、その作動を完全に停止する構成であ
ったため、例えば、第21図に示すように低速域と高速域
との間の中速域(図中斜線部分)、すなわち過渡運転域
では機関の出力トルクを充分に高めることができないと
いう問題点があった。また、主・副2つの吸気弁は、そ
の一方を低速向けの作動タイミング、リフトに、他方を
高速向きのそれに、構成していたため、高速時の吸気充
填効率を充分に高めることができないという問題点も有
していた。さらに、特定運転条件では一方の吸気弁の作
動を停止する構成のため、二系統の燃料供給装置を必要
とし、特に気筒毎に燃料供給を行うものでは該装置が複
雑化するという問題点を有していた。
ては、吸・排気弁の弁開閉時期及び弁リフト量を可変と
するものではなく、その作動を完全に停止する構成であ
ったため、例えば、第21図に示すように低速域と高速域
との間の中速域(図中斜線部分)、すなわち過渡運転域
では機関の出力トルクを充分に高めることができないと
いう問題点があった。また、主・副2つの吸気弁は、そ
の一方を低速向けの作動タイミング、リフトに、他方を
高速向きのそれに、構成していたため、高速時の吸気充
填効率を充分に高めることができないという問題点も有
していた。さらに、特定運転条件では一方の吸気弁の作
動を停止する構成のため、二系統の燃料供給装置を必要
とし、特に気筒毎に燃料供給を行うものでは該装置が複
雑化するという問題点を有していた。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上記問題点を解決するために、吸気弁及び排
気弁のそれぞれの弁開閉時期を可変とする可変動弁機構
を素耐えた多気筒内燃機関において、機関のアイドリン
グ時は、排気弁の閉弁時期を上死点後とするとともに、
吸気弁の開弁時期を排気弁の閉弁時期に略一致させ、ア
イドリング以外の低速低負荷時は、排気弁の閉弁時期を
上死点前とするとともに、吸気弁の開弁時期を上死点後
としたことを特徴とするものである。
気弁のそれぞれの弁開閉時期を可変とする可変動弁機構
を素耐えた多気筒内燃機関において、機関のアイドリン
グ時は、排気弁の閉弁時期を上死点後とするとともに、
吸気弁の開弁時期を排気弁の閉弁時期に略一致させ、ア
イドリング以外の低速低負荷時は、排気弁の閉弁時期を
上死点前とするとともに、吸気弁の開弁時期を上死点後
としたことを特徴とするものである。
(作用) 本発明に係る多気筒内燃機関は、可変動弁機構により、
機関のアイドリング時は吸・排気弁のオーバラップ量を
略零とし燃焼室内の残留ガス量を低速し燃焼の安定を図
り、アイドリング時以外の低速低負荷時は、吸・排気弁
のオーバラップ量を負とし、残留ガスを燃焼室内に封じ
込めて、NOx低減を図るとともにポンピングロス低減
により燃費を向上させている。
機関のアイドリング時は吸・排気弁のオーバラップ量を
略零とし燃焼室内の残留ガス量を低速し燃焼の安定を図
り、アイドリング時以外の低速低負荷時は、吸・排気弁
のオーバラップ量を負とし、残留ガスを燃焼室内に封じ
込めて、NOx低減を図るとともにポンピングロス低減
により燃費を向上させている。
(実施例) 以下、本発明に係る多気筒内燃機関の実施例を図面に基
づいて説明する。
づいて説明する。
第1図〜第16図は本発明の一実施例を示すものである。
まず、構成を説明する。
第1図において、21は直列4気筒内燃機関のカム軸を示
し、その軸端に固着したプーリ22を介して機関出力軸に
同期して駆動回転される。第1図に示すように、カム軸
21には吸気弁用の駆動カム23と排気弁用の駆動カム24と
が所定の位相を有して固設されている。同図において、
25は吸気ポート、26はこれを開閉する吸気弁を示し、27
は排気ポートを、28はこれを開閉する排気弁を示す。ま
た、図中29は燃焼室、30はシリンダヘッド、31、32は吸
・排気弁の各バルブスプリングである。
し、その軸端に固着したプーリ22を介して機関出力軸に
同期して駆動回転される。第1図に示すように、カム軸
21には吸気弁用の駆動カム23と排気弁用の駆動カム24と
が所定の位相を有して固設されている。同図において、
25は吸気ポート、26はこれを開閉する吸気弁を示し、27
は排気ポートを、28はこれを開閉する排気弁を示す。ま
た、図中29は燃焼室、30はシリンダヘッド、31、32は吸
・排気弁の各バルブスプリングである。
吸気弁26及び排気弁28は、それぞれ、その弁開閉時期及
び弁リフト量を機関の運転条件に応じて可変とする可変
動弁機構33、34を介して上記駆動カム23、24により開閉
駆動されるものである。
び弁リフト量を機関の運転条件に応じて可変とする可変
動弁機構33、34を介して上記駆動カム23、24により開閉
駆動されるものである。
可変動弁機構33は、第1図に示すように、ロッカアーム
35と、レバー36と、リフト制御カム37と、を有してい
る。ロッカアーム35の一端は上記駆動カム23に、その他
端は吸気弁26のステムエンド26Aに、それぞれ当接し、
その背面35Aは長手方向に沿って所定曲率で湾曲形成さ
れている。又、ロッカアーム35は、その背面35Aがレバ
ー36の下面36Aに支点接触している。すなわち、ロッカ
アーム35はレバー36に揺動自在に指示されている。この
レバー36の下面36Aはその長手方向に沿って平坦に形成
されている。また、レバー36の一端上面にはリフト制御
カム37が当接し、その他端凹陥部36Bには油圧ピボット
38の下端球状部が嵌合している。すなわち、レバー36は
油圧ピボット38を支点として揺動自在に設けられ、その
傾斜角度はリフト制御カム37により可変とされているの
である。また、上記ロッカアーム35とレバー36とは、支
持軸39(第6図)と凹溝36Cとの間に縮設したスプリン
グ40により連結されている。スプリング40のバネ定数は
バルブスプリング31のそれよりも小さく設定している。
上記油圧ピボット38はブラケット41に支持され、内蔵す
るチェック弁を介してその油圧室内に油路42から圧油を
供給してバルブクリアランスを一定値に保持するゼロラ
ッシュ機能を有している。
35と、レバー36と、リフト制御カム37と、を有してい
る。ロッカアーム35の一端は上記駆動カム23に、その他
端は吸気弁26のステムエンド26Aに、それぞれ当接し、
その背面35Aは長手方向に沿って所定曲率で湾曲形成さ
れている。又、ロッカアーム35は、その背面35Aがレバ
ー36の下面36Aに支点接触している。すなわち、ロッカ
アーム35はレバー36に揺動自在に指示されている。この
レバー36の下面36Aはその長手方向に沿って平坦に形成
されている。また、レバー36の一端上面にはリフト制御
カム37が当接し、その他端凹陥部36Bには油圧ピボット
38の下端球状部が嵌合している。すなわち、レバー36は
油圧ピボット38を支点として揺動自在に設けられ、その
傾斜角度はリフト制御カム37により可変とされているの
である。また、上記ロッカアーム35とレバー36とは、支
持軸39(第6図)と凹溝36Cとの間に縮設したスプリン
グ40により連結されている。スプリング40のバネ定数は
バルブスプリング31のそれよりも小さく設定している。
上記油圧ピボット38はブラケット41に支持され、内蔵す
るチェック弁を介してその油圧室内に油路42から圧油を
供給してバルブクリアランスを一定値に保持するゼロラ
ッシュ機能を有している。
ここで、リフト制御カム37は、第4図及び第5図に示す
ように、カム制御軸45にコイルスプリング46を介して連
結されており、リフト制御カム37はこのコイルスプリン
グ46を介してのカム制御軸45からの回転力がレバー36を
介しての反力に打ち勝った場合、例えば閉弁時に回動す
る。すなわち、リフト制御カム37は、カム制御軸45に遊
嵌されており、コイルスプリング46は、一端がカム制御
軸46のホルダ47に、他端がリフト制御カム37の円筒部37
Aに、それぞれ係止されている。第5図中、48はカム制
御軸45に突設したストッパピンであり、上記円筒部37A
の切欠きと当接可能とされている。すなわち、コイルス
プリング46に過大な力が作用しないようにしている。な
お、49はカム制御軸45を回転自在に支持するキャップで
ある。
ように、カム制御軸45にコイルスプリング46を介して連
結されており、リフト制御カム37はこのコイルスプリン
グ46を介してのカム制御軸45からの回転力がレバー36を
介しての反力に打ち勝った場合、例えば閉弁時に回動す
る。すなわち、リフト制御カム37は、カム制御軸45に遊
嵌されており、コイルスプリング46は、一端がカム制御
軸46のホルダ47に、他端がリフト制御カム37の円筒部37
Aに、それぞれ係止されている。第5図中、48はカム制
御軸45に突設したストッパピンであり、上記円筒部37A
の切欠きと当接可能とされている。すなわち、コイルス
プリング46に過大な力が作用しないようにしている。な
お、49はカム制御軸45を回転自在に支持するキャップで
ある。
一方、排気弁28を駆動する可変動弁機構34も、上記吸気
弁26の動弁機構33と同一に構成されている。すなわち、
ロッカアーム50の一端は駆動カム24に、他端は排気弁28
のステムエンド28Aに、それぞれ当接している。また、
ロッカアーム50の湾曲した背面50Aはレバー51の平坦な
下面51Aに支点接触している。油圧ピボット52に揺動自
在に支持されたレバー51はリフト制御カム53によりその
傾斜が変更可能とされている。また、リフト制御カム53
はコイルスプリング(図外)を介してカム制御軸54に連
結されている。
弁26の動弁機構33と同一に構成されている。すなわち、
ロッカアーム50の一端は駆動カム24に、他端は排気弁28
のステムエンド28Aに、それぞれ当接している。また、
ロッカアーム50の湾曲した背面50Aはレバー51の平坦な
下面51Aに支点接触している。油圧ピボット52に揺動自
在に支持されたレバー51はリフト制御カム53によりその
傾斜が変更可能とされている。また、リフト制御カム53
はコイルスプリング(図外)を介してカム制御軸54に連
結されている。
第7図及び第8図は、これらのリフト制御カム37、53の
カムプロフィールをそれぞれ示している。第7図に示す
ように、リフト制御カム37は、吸気弁26の弁リフト量及
び弁開閉時期をそれぞれ異ならせる5個のカム面37a、
37b、37c、37d、37eを有している。カム面37aは弁
リフト量2mmに、カム面37bは弁リフト量5mmに、カム
面37cは弁リフト量8mmに、カム面37dは弁リフト量9.
4 mmに、カム面37eは弁リフト量10.8mmに、それぞれ
対応させている。また、第8図に示すように、リフト制
御カム53は、排気弁28の弁開閉時期及び弁リフト量をそ
れぞれ異ならせる5個のカム面53a、53b、53c、53
d、53eを有している。カム面53aは例えば弁リフト量
8mmに、カム面53bは同じく5mmに、カム面53cは同じ
く8mmに、カム面53dは同じく9.4 mmに、カム面53e
は同じく10.8mmに、それぞれ対応させている。
カムプロフィールをそれぞれ示している。第7図に示す
ように、リフト制御カム37は、吸気弁26の弁リフト量及
び弁開閉時期をそれぞれ異ならせる5個のカム面37a、
37b、37c、37d、37eを有している。カム面37aは弁
リフト量2mmに、カム面37bは弁リフト量5mmに、カム
面37cは弁リフト量8mmに、カム面37dは弁リフト量9.
4 mmに、カム面37eは弁リフト量10.8mmに、それぞれ
対応させている。また、第8図に示すように、リフト制
御カム53は、排気弁28の弁開閉時期及び弁リフト量をそ
れぞれ異ならせる5個のカム面53a、53b、53c、53
d、53eを有している。カム面53aは例えば弁リフト量
8mmに、カム面53bは同じく5mmに、カム面53cは同じ
く8mmに、カム面53dは同じく9.4 mmに、カム面53e
は同じく10.8mmに、それぞれ対応させている。
第2図に示すように、これらのカム制御軸45、54は、上
記カム軸21と平行に配設され、それらの一端には、第3
図に示すように、歯数の異なるギヤ56、57がそれぞれ固
設されている。これらのギヤ56、57はステッピングモー
タ58の出力軸端に固着したギヤ59に噛合している。な
お、60はアウドラギヤである。従って、これらのガヤ機
構が減速手段を構成しており、カム制御軸45、54はこの
減速手段を介して同一減速比でステッピングモータ58に
より駆動回転されることになる。すなわち、リフト制御
カム37、53は同一回転角だけ逆方向に駆動回転されるの
である。なお、ステッピングモータ58は図外の制御手段
(例えば車載のマイクロコンピュータ)により駆動制御
されるものであり、この制御手段は、例えば回転数セン
サ、水温センサ等から入力された各種の検出信号に基づ
いて機関の運転条件を判別し、この運転条件に応じて適
切な弁リフト量、弁開閉時期となるように、ステッピン
グモータ58を制御駆動する。
記カム軸21と平行に配設され、それらの一端には、第3
図に示すように、歯数の異なるギヤ56、57がそれぞれ固
設されている。これらのギヤ56、57はステッピングモー
タ58の出力軸端に固着したギヤ59に噛合している。な
お、60はアウドラギヤである。従って、これらのガヤ機
構が減速手段を構成しており、カム制御軸45、54はこの
減速手段を介して同一減速比でステッピングモータ58に
より駆動回転されることになる。すなわち、リフト制御
カム37、53は同一回転角だけ逆方向に駆動回転されるの
である。なお、ステッピングモータ58は図外の制御手段
(例えば車載のマイクロコンピュータ)により駆動制御
されるものであり、この制御手段は、例えば回転数セン
サ、水温センサ等から入力された各種の検出信号に基づ
いて機関の運転条件を判別し、この運転条件に応じて適
切な弁リフト量、弁開閉時期となるように、ステッピン
グモータ58を制御駆動する。
次に、本実施例の作用について説明する。
本実施例では、機関の回転速度及び機関の負荷に応じ
て、第9図に示すように、機関の全運転領域を5つ領域
(I)〜(V)に分けて吸気弁26及び排気弁28の各リフ
ト特性を変化させている。すなわち、領域(I)は機関
のアイドリング状態を、領域(II)は機関の低速低負荷
運転域を、領域(III)は機関の低速全開域及び中速低
中負荷域を、領域(IV)は機関の中速域を、領域(V)
は機関の高速域を、それぞれ示している。第10図中曲線
E1、I1が領域(I)における吸・排気弁26、28のリ
フト特性を(E1:排気弁、I1:吸気弁)、同じくE
2、I2が領域(II)を、E3、I3が領域(III)
を、E4、I4が領域(IV)を、E5、I5が領域
(V)を、それぞれ示している。なお、第9図中実線は
回転速度等の増加時の領域間の切換値を、同じく破線は
減少時の切換値を示す。このように、領域の切換、すな
わちステッピングモータ58の駆動にヒステリシスを設
け、ハンチングを防止している。以下、各領域ごとに説
明する。
て、第9図に示すように、機関の全運転領域を5つ領域
(I)〜(V)に分けて吸気弁26及び排気弁28の各リフ
ト特性を変化させている。すなわち、領域(I)は機関
のアイドリング状態を、領域(II)は機関の低速低負荷
運転域を、領域(III)は機関の低速全開域及び中速低
中負荷域を、領域(IV)は機関の中速域を、領域(V)
は機関の高速域を、それぞれ示している。第10図中曲線
E1、I1が領域(I)における吸・排気弁26、28のリ
フト特性を(E1:排気弁、I1:吸気弁)、同じくE
2、I2が領域(II)を、E3、I3が領域(III)
を、E4、I4が領域(IV)を、E5、I5が領域
(V)を、それぞれ示している。なお、第9図中実線は
回転速度等の増加時の領域間の切換値を、同じく破線は
減少時の切換値を示す。このように、領域の切換、すな
わちステッピングモータ58の駆動にヒステリシスを設
け、ハンチングを防止している。以下、各領域ごとに説
明する。
アイドリング時(領域(I))及び機関始動時 ステッピングモータ58を駆動して各リフト制御カム37、
53のカム面37a、53aでレバー36、51を押し下げる。こ
の結果、レバー36の一端部は吸気弁26用のロッカアー
ム35の一端部から最も離れた上方に位置し(レバー36
の傾斜角度が大となる)、この吸気弁26用のロッカア
ーム35の揺動支点(支点接触点)はその他端部側に移
行する。また、レバー51の一端部は吸気弁28用のロッ
カアーム50の一端部から所定間隔離れた上方に位置し
(レバー51の傾斜は中間の値となる)、この排気弁28
用のロッカアーム50の揺動支点もその中央部となる。
従って、第11図に示すように、排気弁28の弁リフト量は
中間値(例えば8mm)となり、その閉弁時期も上死点後
となる一方、吸気弁26の弁リフト量は最小値(2mm)と
なり、その開弁時期も上死点後となる。すなわち、吸・
排気弁26、28のオーバラップ量は零となる。この場合、
動弁機構34の摩擦低減の点からは排気弁28の弁リフト量
も小さい方が有利だが、バルブオーバラップがマイナス
となると燃焼室29内に残留既燃焼ガス量が増大して燃焼
が不安定となるため、上述のように、オーバラップ量を
零として燃焼の安定化を図っている。また、吸気弁26の
弁リフト量を小さくしたため、その動弁機構33の摩擦が
低減し、燃費が改善されている。
53のカム面37a、53aでレバー36、51を押し下げる。こ
の結果、レバー36の一端部は吸気弁26用のロッカアー
ム35の一端部から最も離れた上方に位置し(レバー36
の傾斜角度が大となる)、この吸気弁26用のロッカア
ーム35の揺動支点(支点接触点)はその他端部側に移
行する。また、レバー51の一端部は吸気弁28用のロッ
カアーム50の一端部から所定間隔離れた上方に位置し
(レバー51の傾斜は中間の値となる)、この排気弁28
用のロッカアーム50の揺動支点もその中央部となる。
従って、第11図に示すように、排気弁28の弁リフト量は
中間値(例えば8mm)となり、その閉弁時期も上死点後
となる一方、吸気弁26の弁リフト量は最小値(2mm)と
なり、その開弁時期も上死点後となる。すなわち、吸・
排気弁26、28のオーバラップ量は零となる。この場合、
動弁機構34の摩擦低減の点からは排気弁28の弁リフト量
も小さい方が有利だが、バルブオーバラップがマイナス
となると燃焼室29内に残留既燃焼ガス量が増大して燃焼
が不安定となるため、上述のように、オーバラップ量を
零として燃焼の安定化を図っている。また、吸気弁26の
弁リフト量を小さくしたため、その動弁機構33の摩擦が
低減し、燃費が改善されている。
低速低負域(領域(II)) このときは、ステッピングモータ58を駆動してリフト制
御カム37、53はカム面37b、53bでレバー36、51を押し
下げる。その結果、レバー36の傾斜は緩となり、ロッカ
アーム35の支点接触点は一端部側に移行するとともに、
レバー51の傾斜は最大となり、ロッカアーム50の支点接
触点は他端部側に移行する。従って、第12図に示すよう
に、排気弁28は弁リフト量が最小で(5mm)、その閉弁
時期が上死点前に早められる一方、吸気弁26の弁リフト
量が少しだけ増加し(5mm)、その開弁時期は上死点後
となる。すなわち、オーバラップはなくなり(マイナス
となる)、図中(t)で示す区間は両弁26、28は共に閉
じている。よって、燃焼の安定したこの運転域では、燃
焼室29内の残留ガス量が増加し(いわゆる内部EGR量
が増加し)、NOxが低減されるとともに、第16図に斜
線で示すように、ポンプ損失も低減し、同時に燃費率も
向上する。第16図中破線は通常の固定式動弁機構による
場合のP−V線図、同じく実線が本実施例のそれであ
る。
御カム37、53はカム面37b、53bでレバー36、51を押し
下げる。その結果、レバー36の傾斜は緩となり、ロッカ
アーム35の支点接触点は一端部側に移行するとともに、
レバー51の傾斜は最大となり、ロッカアーム50の支点接
触点は他端部側に移行する。従って、第12図に示すよう
に、排気弁28は弁リフト量が最小で(5mm)、その閉弁
時期が上死点前に早められる一方、吸気弁26の弁リフト
量が少しだけ増加し(5mm)、その開弁時期は上死点後
となる。すなわち、オーバラップはなくなり(マイナス
となる)、図中(t)で示す区間は両弁26、28は共に閉
じている。よって、燃焼の安定したこの運転域では、燃
焼室29内の残留ガス量が増加し(いわゆる内部EGR量
が増加し)、NOxが低減されるとともに、第16図に斜
線で示すように、ポンプ損失も低減し、同時に燃費率も
向上する。第16図中破線は通常の固定式動弁機構による
場合のP−V線図、同じく実線が本実施例のそれであ
る。
低速全開域及び中速低・中負荷域(領域(III)) 本運転域では、カム面37c、53cによりレバー36、51の
一端部を押し下げる。その結果、レバー36、51の傾きも
小となり、ロッカアーム35、50の支点接触点も一端側に
さらに移行する。従って、第13図に示すように、吸気弁
26、排気弁28は共に同一のリフト特性で(弁リフト量は
8mm)、そのオーバラップ量は縮小となる。よって、充
分な量の混合気を吸入することができ、下死点近くで吸
気弁26が閉じることから、吸入混合気のはきもどし量が
減少して、いわゆる吸気充填効率が向上し、出力トルク
が増加する。
一端部を押し下げる。その結果、レバー36、51の傾きも
小となり、ロッカアーム35、50の支点接触点も一端側に
さらに移行する。従って、第13図に示すように、吸気弁
26、排気弁28は共に同一のリフト特性で(弁リフト量は
8mm)、そのオーバラップ量は縮小となる。よって、充
分な量の混合気を吸入することができ、下死点近くで吸
気弁26が閉じることから、吸入混合気のはきもどし量が
減少して、いわゆる吸気充填効率が向上し、出力トルク
が増加する。
中速全開域、高中速低中負荷域(領域(IV)) 本運転域では、カム面37d、53dによってレバー36、51
の一端部をさらに押し下げる結果、レバー36、51の傾き
もさらに小となり、ロッカアーム35、50の支点接触点も
その一端側にさらに移行する。従って、第14図に示すよ
うに、吸気弁26、排気弁28は共に同一のリフト特性で、
開弁期間が長く弁リフト量も大きくなる(9.4 mm)。
その結果、これらのオーバラップ量も増加する。よっ
て、充分な量の吸入混合気を確保でき、従来に比して、
3%〜6%の出力トルクの向上を図ることができる。
の一端部をさらに押し下げる結果、レバー36、51の傾き
もさらに小となり、ロッカアーム35、50の支点接触点も
その一端側にさらに移行する。従って、第14図に示すよ
うに、吸気弁26、排気弁28は共に同一のリフト特性で、
開弁期間が長く弁リフト量も大きくなる(9.4 mm)。
その結果、これらのオーバラップ量も増加する。よっ
て、充分な量の吸入混合気を確保でき、従来に比して、
3%〜6%の出力トルクの向上を図ることができる。
高速域(領域(V)) この運転域では、カム面37e、53eによってレバー36、
51の一端部をさらに押し下げ、その傾斜を最小とする
(略水平とする)。従ってロッカアーム35、50の支点接
触点はその一端側(カム軸21側)、にさらに移行する。
その結果、第15図に示すように、吸気弁26、排気弁28は
共にその開弁時間が最大で(オーバラップ最大)弁リフ
ト量も最大となる(10mm)。よって高充填効率を確保で
き、その出力トルクもさらに向上することができる(従
来比3%〜5%の増加)。
51の一端部をさらに押し下げ、その傾斜を最小とする
(略水平とする)。従ってロッカアーム35、50の支点接
触点はその一端側(カム軸21側)、にさらに移行する。
その結果、第15図に示すように、吸気弁26、排気弁28は
共にその開弁時間が最大で(オーバラップ最大)弁リフ
ト量も最大となる(10mm)。よって高充填効率を確保で
き、その出力トルクもさらに向上することができる(従
来比3%〜5%の増加)。
なお、上記5段階の制御に加えて機関空燃比を適宜設定
することにより、さらに、燃費を改良することもでき
る。
することにより、さらに、燃費を改良することもでき
る。
(効果) 以上説明してきたように、本発明によれば、機関のアイ
ドル時燃焼を安定化できるとともに、低速低負荷時の排
気有害物質の低速及び燃費の向上を達成できる。また、
全運転域に亘りきめ細かな制御が可能となり、リフト特
性切換時のトルクショックを生ずることなく全開出力ト
ルクを向上することができる。
ドル時燃焼を安定化できるとともに、低速低負荷時の排
気有害物質の低速及び燃費の向上を達成できる。また、
全運転域に亘りきめ細かな制御が可能となり、リフト特
性切換時のトルクショックを生ずることなく全開出力ト
ルクを向上することができる。
第1図〜第16図は本発明に係る多気筒内燃機関の一実施
例を示し、第1図はその可変動弁機構を示す断面図、第
2図はその平面図、第3図は減速手段を示す模式図、第
4図はそのリフト制御カムの取付部を示す分解斜視図、
第5図は同じくその取付部を示す斜視図、第6図はその
支持軸を示す斜視図、第7図はその吸気弁のリフト制御
カムのカムプロフィールを示す正面図、第8図は排気弁
のリフト制御カムのカムプロフィールを示す正面図、第
9図は機関運転条件とリフト制御カムのカム面の対応関
係を与えるグラフ、第10図は吸気弁と排気弁のリフト特
性の変化を示すグラフ、第11図〜第15図は各カム面に対
応してリフト特性をそれぞれ示すグラフ、第16図は低速
低負荷時のP−V線図である。第17図〜第21図は従来の
多気筒内燃機関を示すものであり、第17図はその機関の
平面図、第18図はその正面断面図、第19図はその作動停
止機構を示す一部破断正面図、第20図は第19図のXX−
XX矢視断面図、第21図はその機関回転数と出力トルク
との関係を示すグラフである。 26……吸気弁、 28……排気弁、 33……吸気弁の可変動弁機構、 34……排気弁の可変動弁機構。
例を示し、第1図はその可変動弁機構を示す断面図、第
2図はその平面図、第3図は減速手段を示す模式図、第
4図はそのリフト制御カムの取付部を示す分解斜視図、
第5図は同じくその取付部を示す斜視図、第6図はその
支持軸を示す斜視図、第7図はその吸気弁のリフト制御
カムのカムプロフィールを示す正面図、第8図は排気弁
のリフト制御カムのカムプロフィールを示す正面図、第
9図は機関運転条件とリフト制御カムのカム面の対応関
係を与えるグラフ、第10図は吸気弁と排気弁のリフト特
性の変化を示すグラフ、第11図〜第15図は各カム面に対
応してリフト特性をそれぞれ示すグラフ、第16図は低速
低負荷時のP−V線図である。第17図〜第21図は従来の
多気筒内燃機関を示すものであり、第17図はその機関の
平面図、第18図はその正面断面図、第19図はその作動停
止機構を示す一部破断正面図、第20図は第19図のXX−
XX矢視断面図、第21図はその機関回転数と出力トルク
との関係を示すグラフである。 26……吸気弁、 28……排気弁、 33……吸気弁の可変動弁機構、 34……排気弁の可変動弁機構。
Claims (1)
- 【請求項1】吸気弁及び排気弁のそれぞれの弁開閉時期
を可変とする可変動弁機構を備えた多気筒内燃機関にお
いて、機関のアイドリング時は、排気弁の閉弁時期を上
死点後とするとともに、吸気弁の開弁時期を排気弁の閉
弁時期に略一致させ、アイドリング以外の低速低負荷時
は、排気弁の閉弁時期を上死点前とするとともに、吸気
弁の開弁時期を上死点後としたことを特徴とする多気筒
内燃機関。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15178385A JPH0623527B2 (ja) | 1985-07-09 | 1985-07-09 | 多気筒内燃機関 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15178385A JPH0623527B2 (ja) | 1985-07-09 | 1985-07-09 | 多気筒内燃機関 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6213708A JPS6213708A (ja) | 1987-01-22 |
JPH0623527B2 true JPH0623527B2 (ja) | 1994-03-30 |
Family
ID=15526201
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15178385A Expired - Fee Related JPH0623527B2 (ja) | 1985-07-09 | 1985-07-09 | 多気筒内燃機関 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0623527B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04103843A (ja) * | 1990-08-21 | 1992-04-06 | Kubota Corp | 低NOxエンジン |
JPH04103841A (ja) * | 1990-08-21 | 1992-04-06 | Kubota Corp | 低NOxエンジン |
JPH04103844A (ja) * | 1990-08-21 | 1992-04-06 | Kubota Corp | 低NOxエンジン |
JP3975652B2 (ja) * | 2000-06-09 | 2007-09-12 | 日産自動車株式会社 | 内燃機関の可変動弁装置 |
JP3815233B2 (ja) * | 2001-02-27 | 2006-08-30 | 日産自動車株式会社 | 内燃機関の吸気制御装置 |
JP4827865B2 (ja) * | 2008-01-30 | 2011-11-30 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 内燃機関の可変動弁装置 |
JP2012228959A (ja) * | 2011-04-26 | 2012-11-22 | Toyota Motor Corp | ハイブリッド車両制御装置 |
-
1985
- 1985-07-09 JP JP15178385A patent/JPH0623527B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6213708A (ja) | 1987-01-22 |
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Legal Events
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