JPH06172007A - 高強度リン酸カルシウムセメント - Google Patents
高強度リン酸カルシウムセメントInfo
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- JPH06172007A JPH06172007A JP4328185A JP32818592A JPH06172007A JP H06172007 A JPH06172007 A JP H06172007A JP 4328185 A JP4328185 A JP 4328185A JP 32818592 A JP32818592 A JP 32818592A JP H06172007 A JPH06172007 A JP H06172007A
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Abstract
と、第4リン酸カルシウム5〜25重量%と、第2リン
酸カルシウム5〜10重量%とからなる粉体を含む高強
度リン酸カルシウムセメントを提供する。 【効果】 高い粉液比で練和しても作業性が低下せず、
高強度かつ劣化のない本発明は、医科歯科用等に利用可
能である。
Description
に関し、更に詳細には医科歯科用に利用し得る高強度リ
ン酸カルシウムセメントに関する。
湿度100%の条件下で水と練和すると、短時間で硬化
することが知られている(特開昭64−37445号公
報)。該セメントはα型第3リン酸カルシウムと、第2
リン酸カルシウムとからなるセメントであるが、硬化の
前後でpHが変動せずに中性域を維持するため、生体刺
激性がなく、医科歯科用セメントとして有用であること
が知られている。しかし実用上十分な強度が得られない
という欠点がある。従来このようなセメントの強度を増
大するには、練和時の粉液比(P/L)を大きくする方
法が採られているが、一方では練和したセメントペース
トの粘度が上昇し、作業性の低下を招くという欠点もあ
る。更に該セメントは長期的に強度が劣化するという問
題がある。
は、生体刺激性がなく、高い粉液比で練和しても作業性
が低下せず、高強度かつ劣化のない高強度リン酸カルシ
ウムセメントを提供することにある。
3リン酸カルシウム90〜70重量%と、第4リン酸カ
ルシウム5〜25重量%と、第2リン酸カルシウム5〜
10重量%とからなる粉体を含む高強度リン酸カルシウ
ムセメントが提供される。
は、α型第3リン酸カルシウム90〜70重量%と、第
4リン酸カルシウム5〜25重量%と、第2リン酸カル
シウム5〜10重量%とからなる粉体を含み、その各成
分の組合せとその量比を特徴とする。また、その他の添
加成分としては、例えばβ型第3リン酸カルシウム、リ
ン酸8カルシウム、第1リン酸カルシウム、ヒドロキシ
アパタイト等のリン酸カルシウム化合物及び生体親和性
に富む、アルミナ、ジルコニア等を含んでもよい。
カルシウムは、水酸化カルシウム及びリン酸を所定モル
比にて用い、例えば水酸化カルシウムを水に懸濁し、リ
ン酸を添加して湿式合成後、乾燥して焼成、粉砕する等
の方法により得ることができる。また、第2リン酸カル
シウムは市販の第2リン酸カルシウム2水和物を用いる
ことができる。
ムは、α型第3リン酸カルシウム又は第2リン酸カルシ
ウムと反応して硬化させる成分であるが、本発明では特
にその強度の増加に利用する。第4リン酸カルシウムと
α型第3リン酸カルシウムとの反応若しくは第4リン酸
カルシウムと第2リン酸カルシウムとの反応は、α型第
3リン酸カルシウムと第2リン酸カルシウムとの反応に
比して遅いため、初期反応の遅延剤となる。従って第4
リン酸カルシウムを加えた場合、セメントと硬化液との
練和後、流動状態が長時間続き、その結果、より高い粉
液比でセメントと溶液とを練和できるため高強度化する
ことができる。また、第4リン酸カルシウムは遅硬性の
ため、長時間経過後に強度が発現され、硬化体の強度劣
化を防止することができる。尚第4リン酸カルシウムを
添加する効果について、更に次の事が挙げられる。α型
第3リン酸カルシウムと第2リン酸カルシウムとからな
るセメントは、各成分の配合量を変えてもCa/Pモル
比は、1.50〜1.00の範囲である。しかし、この
セメントは硬化後生体内でアパタイトに転化するので、
アパタイトのCa/Pモル比が1.67であることから
転化時に余分なPO4 3~が放出される事がわかる。これ
は局所的にpHが低下する等の生体に好ましくない作用
を及ぼす可能性がある。そこでPO4 3~を吸収するアル
カリ物質が必要とされる。第4リン酸カルシウムは、C
a/Pモル比が2.0で、アパタイトへの転化の際Ca
2+を放出してPO4 3~を吸収する。
未満の場合、遅延剤としての効果が発揮されず、25重
量%を超えると、初期の強度が低くなり過ぎるため使用
できない。また、α型第3リン酸カルシウムと第2リン
酸カルシウムとの配合量は、第4リン酸カルシウムの配
合量を考慮し決定すべきであるが、α型第3リン酸カル
シウムが90重量%を超えると硬化が遅くなり、また7
0重量%未満では強度が低い。一方、第2リン酸カルシ
ウムが10重量%を超えると強度が低くなり、また一方
5重量%未満では硬化が遅くなる。更にセメントを高強
度にする、すなわちセメントと硬化液との練和時の粉液
比を高くするには、主成分のα型第3リン酸カルシウム
の焼成温度を1400℃以上、1500℃未満とするこ
とが好ましい。1400℃未満では高強度化の効果が発
現しない場合があり、1500℃を超えるとα’型第3
リン酸カルシウムに転移して水和活性を減じる可能性が
あるので好ましくない。
トは、練和時の粉液比を高くすることができるため高強
度であり、また長期劣化も防止できる。更にまた局所の
pH低下による生体毒性もない。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
を水10リットルに懸濁させ、これにリン酸2モルを水
で希釈して40重量%水溶液としたものを徐々に撹拌滴
下終了後、1日放置(室温)し、乾燥機(ヤマト科学社
製、商品名「DV61型」)にて110℃、24時間乾
燥させた。この凝集塊を1400℃、3時間焼成した
(モトヤマ社製、商品名「スーパーバーン」)。最後に
擂潰機((株)石川工場社製、商品名「かくはん擂潰機た
て型20号」)で粉砕し88μmのふるいを通過させ
た。
4モル、リン酸を2モル用いた。乾燥した凝集塊を10
00℃で3時間仮焼し、取り出して粉砕後、更に140
0℃で3時間焼成した。最後に88μmのふるいを通過
させた。
ン酸カルシウムと、第4リン酸カルシウムと、第2リン
酸カルシウム2水和物(和光純薬工業社製特級)とを表
1に示す配合割合にて混合し、水を表1に示す粉液比と
なるよう加え、練和した。練和したセメントペーストの
流動性はすべて同じであった。
時間を測定し、硬化体(直径7mm¢、高さ14mm)を3
7℃の生理食塩水中に1,7,28日間浸漬後取出し、
濡れたままJIS R 1608に準じて圧縮強度を測
定した。試験機はインストロン社製万能試験機、商品名
「1125型」を用いた。結果を表1に示す。
ン酸カルシウムと、第4リン酸カルシウムと、第2リン
酸カルシウム2水和物(和光純薬工業社製特級)とを表
2に示す配合割合にて混合し、水を粉:液=100:4
0(重量比)の割合で練和した後、室温下で硬化、乾燥
させた。翌日粉砕して300μm以下とし、生理食塩水
50mlを入れた三角フラスコ中に5gずつ投入した。
その後三角フラスコにキャップをし、37℃、120時
間放置し、液のpHを測定した。結果を表2に示す。第
4リン酸カルシウムを添加したものは明らかにpHが高
く、PO4 3~が捕捉されていることを示唆している。
合割合にて混合し、実施例1〜4と比較した。結果を表
3に示す。
合割合にて混合し、実施例5,6と比較した。結果を表
4に示す。
Claims (1)
- 【請求項1】 α型第3リン酸カルシウム90〜70重
量%と、第4リン酸カルシウム5〜25重量%と、第2
リン酸カルシウム5〜10重量%とからなる粉体を含む
高強度リン酸カルシウムセメント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4328185A JP2776179B2 (ja) | 1992-12-08 | 1992-12-08 | 高強度リン酸カルシウムセメント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4328185A JP2776179B2 (ja) | 1992-12-08 | 1992-12-08 | 高強度リン酸カルシウムセメント |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06172007A true JPH06172007A (ja) | 1994-06-21 |
JP2776179B2 JP2776179B2 (ja) | 1998-07-16 |
Family
ID=18207421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4328185A Expired - Fee Related JP2776179B2 (ja) | 1992-12-08 | 1992-12-08 | 高強度リン酸カルシウムセメント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2776179B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002000565A1 (fr) * | 2000-06-26 | 2002-01-03 | Mitsubishi Materials Corporation | Ciment en phosphate de calcium |
WO2002006179A1 (fr) * | 2000-07-19 | 2002-01-24 | Mitsubishi Materials Corporation | Ciment a base de phosphate de calcium |
WO2002068358A1 (fr) * | 2001-02-28 | 2002-09-06 | Mitsubishi Materials Corporation | Ciment a base de phosphate de calcium |
WO2002068357A1 (fr) * | 2001-02-28 | 2002-09-06 | Mitsubishi Materials Corporation | Ciment de phosphate de calcium |
WO2002079112A1 (fr) * | 2001-03-28 | 2002-10-10 | Mitsubishi Materials Corporation | Produit petri contenant un ciment de phosphate de calcium et son procede de preparation |
Citations (2)
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---|---|---|---|---|
JPH0244050A (ja) * | 1988-08-01 | 1990-02-14 | Tokuyama Soda Co Ltd | 水硬性ペレット |
JPH02311340A (ja) * | 1989-05-24 | 1990-12-26 | Sumitomo Cement Co Ltd | 水硬セメント組成物 |
-
1992
- 1992-12-08 JP JP4328185A patent/JP2776179B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2776179B2 (ja) | 1998-07-16 |
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