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JPH06146010A - 樹脂被覆ケーブル用亜鉛メッキ鋼線 - Google Patents

樹脂被覆ケーブル用亜鉛メッキ鋼線

Info

Publication number
JPH06146010A
JPH06146010A JP31798992A JP31798992A JPH06146010A JP H06146010 A JPH06146010 A JP H06146010A JP 31798992 A JP31798992 A JP 31798992A JP 31798992 A JP31798992 A JP 31798992A JP H06146010 A JPH06146010 A JP H06146010A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
steel wire
galvanized steel
coating
coating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP31798992A
Other languages
English (en)
Inventor
Keita Suzumura
恵太 鈴村
Kotaro Yoshida
耕太郎 吉田
Kazuo Yoshii
和雄 吉井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Paint Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kansai Paint Co Ltd, Nippon Steel Corp filed Critical Kansai Paint Co Ltd
Priority to JP31798992A priority Critical patent/JPH06146010A/ja
Publication of JPH06146010A publication Critical patent/JPH06146010A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Ropes Or Cables (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 現場施工が容易で、かつ耐食性が優れている
ケーブル用亜鉛メッキ鋼線を提供する。 【構成】 (A)数平均分子量8,000〜20,00
0のフェノキシ樹脂、または脂肪酸変性もしくは無変性
のエポキシ当量300以上のエポキシ樹脂、(B)尿素
樹脂、メラミン樹脂およびポリイソシアネート化合物か
ら選ばれる少なくとも1種の硬化剤、(C)シリカを必
須成分として含有し、かつ{(A)+(B)}/(C)
の割合が重量比で95/5〜50/50の範囲の被覆組
成物を有機溶剤で希釈して15〜28重量%含有とし、
粘度を20〜170センチポイズとした塗液を化成処理
を施した亜鉛メッキ鋼線に塗布して焼付硬化させた硬化
後の樹脂被覆層が3〜30μmの厚みを有する樹脂被覆
ケーブル用亜鉛メッキ鋼線。 【効果】 耐食性、被覆層の密着性に優れ、現場施工に
適した摩擦係数を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、現地施工が容易で、か
つ耐食性が優れている樹脂被覆ケーブル用亜鉛メッキ鋼
線に関するものである。
【0002】
【従来の技術】橋梁ケーブルは、ケーブル架設後橋梁完
成までの期間屋外に暴露され、橋梁完成後に防食を行
う。そのため、ケーブル製造、保管からさらに橋梁完成
までの間のケーブル防食対策として、ケーブル素線には
亜鉛メッキを施し、さらに亜鉛の腐食を防止するため一
次防錆処理と言われる表面処理を行っている。一次防錆
処理には、古くはクロメート処理が行われていたが、降
雨によりクロメート被覆層が溶出し、環境への影響が懸
念されることから、1980年代以降は非クロメート処
理が施されるようになった。
【0003】非クロメート処理としては特公昭62−4
0473号公報、特公昭63−11383号公報などに
記載されている処理がある。しかし、これらの防食被覆
はクロメート処理に比べると必ずしも十分な耐食性を有
していない。特に被覆層の加工性、密着性が十分でない
ため、橋梁建設地に於けるケーブル施工の間に剥離など
の損傷を受け、耐食性を損なうことになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一次防錆処
理を施したケーブル鋼線に要求される特性は、長期間の
屋外暴露に耐え得る耐食性、ケーブル施工時において鋼
線の引出し時の摩擦、折り曲げ等の加工が加わっても剥
離しない被覆層の密着性、および施工し易い適度な摩擦
係数をもつことである。
【0005】耐食性については、橋梁が長大化するに従
いケーブル用鋼線の製造からケーブル全体の防食までの
期間が長くなり、従来の非クロメート系の一次防錆処理
では不十分であった。それは、従来の非クロメート系の
一次防錆処理による被覆層では水、酸素、塩素イオン等
の腐食因子の侵入を防ぐ能力が不十分なこと、被覆層と
鋼線の密着性が不十分なために摩擦力や加工が加わった
ときに被覆層の剥離や損傷が生じ易いこと、また剥離や
損傷部が生じた場合、その部分からの腐食の進行を防ぐ
能力がないことが原因である。したがって、バリヤ性に
富み、鋼線との密着性に優れ、損傷部からの腐食進行を
防止する効果の高い防錆処理が望まれる。
【0006】一方、樹脂被覆したケーブル鋼線の摩擦係
数は、ケーブル素線引き出しに際しては小さいことが好
ましく、橋板を支えるためのケーブルバンドを設置する
ためには大きい方が好ましい。これまでのケーブル施工
機器は表面処理なしの亜鉛メッキ鋼線を対象としたもの
が多いため、亜鉛メッキ鋼線の摩擦係数と差が少ないこ
とが望まれる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、(A)
数平均分子量8,000〜20,000のフェノキシ樹
脂(i)、または脂肪酸変性もしくは無変性のエポキシ
当量300以上のエポキシ樹脂(ii)、(B)尿素樹
脂、メラミン樹脂およびポリイソシアネート化合物から
選ばれる少なくとも1種の硬化剤、(C)シリカを必須
成分として含有し、かつ{(A)+(B)}/(C)の
割合が重量比で95/5〜50/50の範囲の被覆組成
物を有機溶剤で希釈して15〜28重量%含有とし、粘
度を20〜170センチポイズとした塗液を化成処理を
施した亜鉛メッキ鋼線に塗布して焼付硬化させた硬化後
の樹脂被覆層が3〜30μmの厚みを有することを特徴
とする樹脂被覆ケーブル用亜鉛メッキ鋼線である。
【0008】
【作用】本発明者は、密着性の良好なエポキシ樹脂を基
体樹脂とし、硬化剤およびシリカから成る被覆組成物
を、化成処理を施した亜鉛メッキ鋼線表面に均一な厚み
に塗装し、加熱乾燥することによって耐食性、加工性、
密着性に優れ、かつ適度な摩擦係数を有する被覆層を形
成することができることを見いだし、本樹脂被覆ケーブ
ル用亜鉛メッキ鋼線を発明した。
【0009】本発明において(A)成分として用いられ
るフェノキシ樹脂(i)は、ビスフェノールA型とエピ
クロルヒドリンから合成される数平均分子量約8,00
0〜20,000のポリヒドロキシポリエーテル樹脂で
ある。このようなフェノキシ樹脂は従来から公知であ
り、ユニオンカーバイド社(米国)からPKHH等の商
品名で市販されている。また、エポキシ樹脂(ii)と
しては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノ
ボラック型、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、また
エポキシ樹脂中のエポキシ基およびヒドロキシル基を乾
性油脂肪酸中のカルボキシル基と反応させたエポキシエ
ステル樹脂、イソシアネートと反応させたウレタン変性
エポキシ樹脂などの変性エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の
末端に少なくとも1個の塩基性窒素原子と少なくとも2
個の1級水酸基を付加させた塩基性エポキシ樹脂などを
挙げることができる。
【0010】本発明において(B)成分として用いられ
る硬化剤は、尿素樹脂、メラミン樹脂、およびポリイソ
シアネート化合物であり、これらは単独または組み合わ
せて使用することができる。
【0011】また、本発明において(C)成分として用
いられるシリカにはコロイダルシリカ、フュームドシリ
カと呼ばれる親水性シリカと疎水性シリカがあり、いず
れも使用することができるが、防食性の面からフューム
ドシリカが好ましい。シリカの粒径としては1〜500
mμが適当であり、特に10〜100mμが好ましい。
【0012】本発明においては、前記した(A)〜
(C)成分を{(A)+(B)}/(C)の重量比で9
5/5〜50/50、好適には90/10〜70/30
の範囲で配合する。この配合割合以外、すなわち樹脂成
分がシリカより多い場合には被覆層の耐食性が劣り、他
方、シリカが樹脂成分より多い場合には密着性が劣ると
いう問題がある。
【0013】前記した(A)〜(C)成分からなる被覆
組成物が従来の課題を十分に解決するが、より高度の耐
食性が要求される場合には、(A)成分として、エポキ
シ樹脂(ii)が末端に少なくとも1個の塩基性窒素原
子と少なくとも2個の1級水酸基を有することが好適で
ある。エポキシ樹脂に塩基性窒素原子と1級水酸基を導
入するには、例えばアルカノールアミンをエポキシ樹脂
のオキシラン基に付加させる方法などを採用できる。ア
ルカノールアミンとしては、例えばモノエタノールアミ
ン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、
モノプロパノールアミン、ジプロパノール、ジブタノー
ルアミンなどがあり、これらのアミンは単独または混合
で使用することができる。
【0014】前記被覆組成物を用いて被覆層を形成する
場合、フェノキシ樹脂(i)を使用する組成物ではそれ
自体が高分子であるため硬化剤を必ずしも必要としない
が、エポキシ樹脂(ii)を用いる場合には硬化剤の使
用が必要である。硬化剤としては、メラミン、尿素、ベ
ンゾグアナミンから選ばれた1種以上にホルムアルデヒ
ドを反応させたメチロール化合物の一部もしくは全部に
炭素数1〜5の1価アルコールを反応させた従来から公
知のアルキルエーテル化アミノ樹脂を使用することもで
きるが、前記被覆組成物を用いて被覆層を形成する場
合、ポリイソシアネート化合物を使用して基体樹脂中の
水酸基との間にウレタン結合を形成することが好適であ
る。
【0015】前記被覆組成物を安定に保存するために
は、硬化剤として用いられるポリイソシアネート化合物
中のイソシアネート基を一次的に保護する必要がある。
イソシアネート基の保護方法としては、加熱時に保護基
(ブロック剤)が脱離し、イソシアネート基が再生する
保護方法を採用できる。
【0016】ポリイソシアネート化合物は、1分子中に
少なくとも2個のイソシアネート基を有する脂肪族、脱
環族(複素環も含む)または芳香族イソシアネート化合
物、もしくはそれらの化合物を多価アルコールで部分反
応させた化合物である。また、ブロック剤には、脂肪族
モノアルコール類、フェノール、クレゾール類などの芳
香族アルコール、アセトオキシム、メチルエチルケトン
オキシムなどのオキシムなどがあり、これらをポリイソ
シアネート化合物と反応させることにより常温下で安定
に保護されたポリイソシアネート化合物が得られる。こ
のようなブロックされたポリイソシアネート化合物は、
硬化剤として基体樹脂(固形分)100部に対して5〜
40部、好ましくは10〜30部の割合で配合される。
【0017】前記被覆組成物から形成される被覆層の耐
食性は、被覆層の厚さが4μm以上あれば十分であり、
厚みを増大させても耐食性向上の効果は比較的小さい。
また、被覆層の厚さが30μmを越えると折り曲げ加工
による被覆層の密着性が低下する。
【0018】また、被覆した鋼線の摩擦係数は被覆層の
厚さにより変動するが、3〜30μmの範囲で、特公昭
62−40473号公報および特公昭63−11383
号公報に記載の被覆鋼線に比較して、より無処理の亜鉛
メッキ鋼線に近い値となる。従って、使用に際しての性
能面から、前記エポキシ樹脂を基体樹脂とする被覆層を
3〜30μmの厚さに被覆することによって適度な摩擦
係数を得ることができる。
【0019】鋼線に前記した範囲内の厚さにエポキシ樹
脂を基体樹脂とする被覆組成物を被覆するには、被覆組
成物中の固形分濃度を15〜28重量%とし、これ以外
の成分を有機溶剤とする塗液を作成して、その塗液の粘
度を20〜170センチポイズの範囲に調整する必要が
ある。
【0020】鋼線を水平方向に走行させながら連続的に
被覆する場合には、鋼線の上表面と下表面との間では当
然のことながら被覆層の厚さに差が生じる。塗液の粘度
が20センチポイズ未満では上面の被覆層の厚さを3μ
m以上に保持することができず、また170センチポイ
ズを越えた場合には下面の被覆層の厚さは30μm超と
なってしまう。
【0021】一方、塗液の固形分濃度を15重量%未満
にすると、粘度を上記範囲内に調整しても鋼線の上面の
被覆層の厚さを3μm以上に保持することができず、ま
た28重量%を越えると有機溶剤の溶解力、沸点等の特
性から塗液の粘度を前記範囲に調整しても鋼線の下面の
被覆層の厚さが30μmを越えてしまう。
【0022】本発明において、被覆組成物は化成処理を
行った亜鉛メッキ鋼線に塗布する。化成処理法として
は、比較的薄目付けのりん酸塩処理、あるいはクロメー
ト処理を行うことができる。塗布方法としては、通常浸
漬塗装が用いられる。被覆組成物の乾燥は、常温〜25
0℃の温度で自然乾燥または加熱乾燥することによって
行われる。
【0023】
【実施例】以下に実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例1、2および3は、それぞれ塩基性エポキシ
樹脂、フェノキシ樹脂、脂肪酸変性エポキシ樹脂を基体
樹脂とする被覆層の厚さの耐食性に対する影響を示し、
実施例4および5は塗液の固形分濃度(重量%)および
塗液の粘度について数値限定の根拠を示すものである。
【0024】樹脂溶液の調製 (1)塩基性エポキシ樹脂溶液の調製 反応装置にエピコート1009(シェル化学社製エポキ
シ樹脂、分子量約3,750)1,880g(0.5モ
ル)とブチルセロソルブ/メチルイソブチルケトン=7
8/22(重量比)の混合溶剤1,950gとを加えた
後,攪拌加熱し、均一に溶解した。ついで70℃まで冷
却し、液体滴下装置に分取したジ(n−プロパノール)
アミン70gを30分間要して滴下した。この間、反応
温度を70℃に保持した。滴下終了後120℃で2時間
保持し、冷却後に前記ブチルセロソルブ/メチルイソブ
チルケトン=78/22の混合溶剤950g加え、反応
を終了させた。得られた反応物を塩基性エポキシ樹脂溶
液とした。樹脂の有効成分は50%であった。
【0025】(2)フェノキシ樹脂(ポリヒドロキシポ
リエーテル樹脂)溶液の調製 ポリヒドロキシポリエーテル樹脂(フェノキシ樹脂、ユ
ニオンカーバイド社製の商品名PKHH、数平均分子量
12,000)200gにシクロヘキサノン溶剤1,0
00gを加えた後,60℃に加熱し、均一に溶解し、有
効成分が20%の樹脂溶液を得た。
【0026】(3)硬化剤の調製 反応容器にイソホロンジイソシアネート222部を取
り、これにセロソルブアセテート100部を加え、均一
に溶解した後、50%のトリメチロールプロパンのセロ
ソルブアセテート溶液88部を滴下ロートから70℃に
保持した攪拌状態のイソシアネート溶液中に1時間を要
して滴下した。この後、さらに1時間、70℃に保持し
た後、90℃で1時間保持した。その後、メチルエチル
ケトンオキシム90部を加え、90℃で3時間反応させ
てブロック化ポリイソシアネートを得た。冷却後にセロ
ソルブアセテート70部を加えたものを硬化剤Aとし
た。硬化剤の有効成分は60%であった。
【0027】(実施例1)希釈溶剤としてブチルセロソ
ルブ/キシレン=1/1の組成のものを使用し、固形分
20%の塗液を調製した。塗液の組成を表1に示す。
【0028】
【表1】 *AEROSIL 200:日本アエロジル社の微粉末
状のシリカ *フォーメートTK−1 :武田薬品のブロックイソシ
アネートの解離促進剤テトラ−n−ブチル−1,3−ジ
アセトキシジスタノキサン
【0029】この塗液(粘度20℃、80センチポイ
ズ)をリン酸塩処理、あるいはクロメート処理を行った
溶融亜鉛メッキ鋼板(板厚0.8mm、メッキ付着量9
0g/m2 、化成処理皮膜厚み1μm)および比較材と
して化成処理を行わないものにバーコーターで膜厚を変
えて塗布後、最終鋼板温度220℃、時間60秒間の条
件で加熱硬化を行った。これらの鋼板を塩水噴霧試験
(JIS Z 2371)に供し、72時間後の全表面
積に対する白錆発生面積比率を調べた結果を表2に示
す。被覆層の厚さは3μm以上、望ましくは4μm以上
であることがわかる。
【0030】
【表2】
【0031】またリン酸塩処理、あるいはクロメート処
理を行った溶融亜鉛メッキ鋼板(板厚0.8mm、メッ
キ付着量90g/m2 、化成処理皮膜厚み1μm)およ
び比較材として化成処理を行わないものにバーコーター
で膜厚が4μmとなるように塗布後、最終鋼板温度22
0℃、時間60秒間の条件で加熱硬化を行った。これら
の鋼板にクロスカットを加え、塩水噴霧試験に供した。
72時間後のクロスカットから腐食先端部までの距離を
表3に示す。化成処理を施すことにより腐食の進行が防
止されていることがわかる。これらの結果より、本発明
で使用する被覆組成物は耐食性に優れていることが明ら
かであり、化成処理を施すとより耐食性が向上し、傷部
からの腐食の進行を防止することがわかる。
【0032】
【表3】
【0033】(実施例2)希釈溶剤にシクロヘキサノン
を使用し、固形分が15%の塗液を調製した。この塗液
の組成を表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】この塗液(粘度 20℃、95センチポイ
ズ)をリン酸塩処理、あるいはクロメート処理を行った
溶融亜鉛メッキ鋼板(板厚0.8mm、メッキ付着量9
0g/m2 、化成処理皮膜厚み1μm)および比較材と
して化成処理を行わないものにバーコーターで膜厚を変
えて塗布後、最終鋼板温度220℃、時間60秒間の条
件で加熱硬化を行った。これらの鋼板を塩水噴霧試験
(JIS Z 2371)に供し、72時間後の全表面
積に対する白錆発生面積比率を調べた結果を表2に示
す。被覆層の厚さは3μm以上、望ましくは4μm以上
であることがわかる。
【0036】またリン酸塩処理、あるいはクロメート処
理を行った溶融亜鉛メッキ鋼板(板厚0.8mm、メッ
キ付着量90g/m2 、化成処理皮膜厚み1μm)およ
び比較材として化成処理を行わないものにバーコーター
で膜厚が4μmとなるように塗布後、最終鋼板温度22
0℃、時間60秒間の条件で加熱硬化を行った。これら
の鋼板にクロスカットを加え、塩水噴霧試験に供した。
72時間後のクロスカットから腐食先端部までの距離を
表3に示す。化成処理を施すことにより腐食の進行が防
止されていることがわかる。これらの結果より、本発明
で使用する被覆組成物は耐食性に優れていることが明ら
かであり、化成処理を施すとより耐食性が向上し、傷部
からの腐食の進行を防止することがわかる。
【0037】(実施例3)希釈溶剤にブチルセロソルブ
/キシレン=1/1を使用し、固形分25%の塗液を調
製した。この塗液の組成を表5に示す。
【0038】
【表5】 *50%ベッコゾールP−786:大日本インキ(株)
の脱水ヒマシ油変性エポキシエステル樹脂溶液
【0039】この塗液(粘度 20℃、45センチポイ
ズ)をリン酸塩処理、あるいはクロメート処理を行った
溶融亜鉛メッキ鋼板(板厚0.8mm、メッキ付着量9
0g/m2 、化成処理皮膜厚み1μm)および比較材と
して化成処理を行わないものにバーコーターで膜厚を変
えて塗布後、最終鋼板温度220℃、時間60秒間の条
件で加熱硬化を行った。これらの鋼板を塩水噴霧試験
(JIS Z 2371)に供し、72時間後の全表面
積に対する白錆発生面積比率を調べた結果を表2に示
す。被覆層の厚さは3μm以上、望ましくは4μm以上
であることがわかる。
【0040】またリン酸塩処理、あるいはクロメート処
理を行った溶融亜鉛メッキ鋼板(板厚0.8mm、メッ
キ付着量90g/m2 、化成処理皮膜厚み1μm)およ
び比較材として化成処理を行わないものにバーコーター
で膜厚が4μmとなるように塗布後、最終鋼板温度22
0℃、時間60秒間の条件で加熱硬化を行った。これら
の鋼板にクロスカットを加え、塩水噴霧試験に供した。
72時間後のクロスカットから腐食先端部までの距離を
表3に示す。化成処理を施すことにより腐食の進行が防
止されていることがわかる。これらの結果より、本発明
で使用する被覆組成物は耐食性に優れていることが明ら
かであり、化成処理を施すとより耐食性が向上し、傷部
からの腐食の進行を防止することがわかる。
【0041】(比較例)特公昭63−11383号公報
に記載のNo.1の水分散型被覆組成物を用いた。性能
比較を表2および表3に示す。
【0042】(実施例4)実施例1と同じ組成の被覆組
成物の固形分を10〜30重量%に変動させ、有機溶剤
としてブチルセロソルブとキシレンの比率を変えて表6
に示す塗液を作成した。
【0043】
【表6】
【0044】このとき、塗液の20℃における粘度は表
6に示すように9〜240センチポイズであった。これ
らの塗液に直径5.2mm、長さ250mmの1μm厚
のリン酸塩処理を施した亜鉛メッキ鋼線を浸漬し、垂直
に保持して最終鋼線温度220℃、時間60秒間の条件
で加熱硬化を行うと、表6に示す被覆層の厚さとなっ
た。
【0045】これらの被覆した鋼線について直径500
mmの曲げ加工を施し、外径頂点部分を接着テープを用
いて剥離試験を行うと、図1の結果が得られた。この結
果から、被覆層の厚さは30μm以下にしなければなら
ないことがわかる。
【0046】表6には被覆した鋼線の摩擦係数も示した
が、無処理の亜鉛メッキ鋼線では0.13〜0.15、
特公昭63−11383号公報記載の組成物を用いたも
のでは0.24〜0.48であり、本発明では、厚さ3
〜30μmの間では従来品より無処理の亜鉛メッキ鋼線
に近いことがわかる。なお、摩擦係数はHEIDON社
のHEIDON−14で測定した(測定条件 荷重1k
g、引っ張りスピード10cm/分)。
【0047】(実施例5)実施例1の被覆組成のものに
ついて希釈溶剤としてブチルセロソルブを使用し、塗液
の固形分を10〜30%に変動させ、塗液槽の中に直径
5.2mmの1μ厚のリン酸塩処理を施した溶融亜鉛メ
ッキ鋼線を毎分10mの速度で水平方向に走行させ、塗
料槽を通過させた後、最終鋼線温度が220℃となるよ
うに調整された加熱炉中で加熱硬化させた。その際、鋼
線の上面と下面では被覆層の厚さに差を生じ、塗液の固
形分(重量%)と被覆層の厚さとの関係をプロットした
ものが図2、塗液の粘度と被覆層の厚さとの関係をプロ
ットしたものが図3である。
【0048】図2より、塗液の固形分が15重量%未満
では鋼線の上面の被覆層の厚さが3μm未満となり、2
8重量%を越えると鋼線の下面の被覆層の厚さは30μ
mを越える。図3からは、塗液の粘度が20センチポイ
ズ未満では鋼線の上面の被覆層の厚さが3μm未満とな
り、200センチポイズを越えると鋼線の下面の被覆層
の厚さが30μmを越えることがわかる。
【0049】
【発明の効果】本発明の樹脂被覆ケーブル用亜鉛メッキ
鋼線は、耐食性、樹脂被覆層の密着性に優れ、さらに現
場施工に適した摩擦係数を有しており、ケーズル架設後
の長期にわたる屋外暴露において亜鉛の腐食を防止する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂被覆ケーブル用亜鉛メッキ鋼線の被覆層の
厚さと剥離の程度との関係を示す図である。
【図2】塗液の固形分と樹脂被覆ケーブル用亜鉛メッキ
鋼線の被覆層の厚さとの関係を示す図である。
【図3】塗液の粘度と樹脂被覆ケーブル用亜鉛メッキ鋼
線の被覆層の厚さとの関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉井 和雄 神奈川県平塚市東八幡4−17−1 関西ペ イント株式会社開発センター内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)数平均分子量8,000〜20,
    000のフェノキシ樹脂(i)、または脂肪酸変性もし
    くは無変性のエポキシ当量300以上のエポキシ樹脂
    (ii)、 (B)尿素樹脂、メラミン樹脂およびポリイソシアネー
    ト化合物から選ばれる少なくとも1種の硬化剤、 (C)シリカ を必須成分として含有し、かつ{(A)+(B)}/
    (C)の割合が重量比で95/5〜50/50の範囲の
    被覆組成物を有機溶剤で希釈して15〜28重量%含有
    とし、粘度を20〜170センチポイズとした塗液を化
    成処理を施した亜鉛メッキ鋼線に塗布して焼付硬化させ
    た硬化後の樹脂被覆層が3〜30μmの厚みを有するこ
    とを特徴とする樹脂被覆ケーブル用亜鉛メッキ鋼線。
  2. 【請求項2】 エポキシ樹脂(ii)が末端に少なくと
    も1個の塩基性窒素原子と少なくとも2個の1級水酸基
    を有することを特徴とする請求項1記載の樹脂被覆ケー
    ブル用亜鉛メッキ鋼線。
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