[go: up one dir, main page]

JPH0614554B2 - 薄膜太陽電池の製造方法 - Google Patents

薄膜太陽電池の製造方法

Info

Publication number
JPH0614554B2
JPH0614554B2 JP60056165A JP5616585A JPH0614554B2 JP H0614554 B2 JPH0614554 B2 JP H0614554B2 JP 60056165 A JP60056165 A JP 60056165A JP 5616585 A JP5616585 A JP 5616585A JP H0614554 B2 JPH0614554 B2 JP H0614554B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
transparent electrode
solar cell
thickness
conversion efficiency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60056165A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61216489A (ja
Inventor
豊 林
俊雄 三宿
光之 山中
英世 飯田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Agency of Industrial Science and Technology, Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Agency of Industrial Science and Technology
Priority to JP60056165A priority Critical patent/JPH0614554B2/ja
Priority to US06/842,210 priority patent/US4694116A/en
Priority to GB8609131A priority patent/GB2189344B/en
Priority to AU56115/86A priority patent/AU580863B2/en
Publication of JPS61216489A publication Critical patent/JPS61216489A/ja
Publication of JPH0614554B2 publication Critical patent/JPH0614554B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10FINORGANIC SEMICONDUCTOR DEVICES SENSITIVE TO INFRARED RADIATION, LIGHT, ELECTROMAGNETIC RADIATION OF SHORTER WAVELENGTH OR CORPUSCULAR RADIATION
    • H10F71/00Manufacture or treatment of devices covered by this subclass
    • H10F71/138Manufacture of transparent electrodes, e.g. transparent conductive oxides [TCO] or indium tin oxide [ITO] electrodes
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10FINORGANIC SEMICONDUCTOR DEVICES SENSITIVE TO INFRARED RADIATION, LIGHT, ELECTROMAGNETIC RADIATION OF SHORTER WAVELENGTH OR CORPUSCULAR RADIATION
    • H10F77/00Constructional details of devices covered by this subclass
    • H10F77/40Optical elements or arrangements
    • H10F77/42Optical elements or arrangements directly associated or integrated with photovoltaic cells, e.g. light-reflecting means or light-concentrating means
    • H10F77/48Back surface reflectors [BSR]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/52PV systems with concentrators

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、透明電極を有する薄膜太陽電池に関し、特
に、当該透明電極における光の屈折乃至散乱効果を利用
して変換効率を向上させる技術が適用される薄膜太陽電
池において、その向上度を更に上げるための改良に関す
る。
〈従来の技術〉 各種の薄膜太陽電池の中にあっても特に、光電変換部に
非晶質半導体材料を用いる非晶質半導体太陽電池は、そ
の変換効率等、電気的な諸特性さえ満足されれば、単結
晶系等に比し、コスト的にはもともと非常に有利なこと
から、将来的に大いに期待の持てる素子とされている。
そのため、当該変換効率の向上には実に様々な方向から
極めて多岐に亘る探求が為されているが、そうした中に
あっても特に、物理的、機械的な構造を勘案することに
より、 結果として電気的特性の向上を図ろうとする試
みがある。
その代表的な例に、ガラス基板等の透光性基板の上に設
ける透明電極の結晶粒径を大きくすることにより、当該
透明電極の表面を意図的に粗面にする提案(特開昭58-5
7756号公報等)がある。
この提案に即して構成された従来の太陽電池群は、上記
公報に開示されているものを含み、おしならべると、基
本的には第8図示のような構成になっている。
太陽電池1としての全体的な構造自体には左程、特徴は
なく、通常、この種の非晶質半導体太陽電池が採るべき
構造を略ゞそのまま踏襲している。
すなわち、ガラス基板等の透光性基板2の上に形成され
た酸化錫膜等の透明電極3と、この透明電極3の上にそ
れぞれa-Si(アモルファス・シリコン)等の適当な非晶
質半導体を基本材料とするp層41、i層42、n層43を順
に積層することによって形成された光電変換部4と、更
にその上に設けられたアルミニウムや銀等、適当な光反
射性材料の背面電極5と、から成っている。
これに対して特徴的なのは、透明電極3の物理的組織構
造乃至表面構造で、透光性基板2の上に透明電極3を形
成するに際し、その製作条件を適当に採ることにより、
当該透明電極3が比較的大きな結晶粒子3a……の集合層
となるようにし、もってその表面を意図的にでこぼこな
粗面としたことである。
このような粗面構造を有する非晶質半導体太陽電池1に
あっては、透光性基板2側から入射した光Iiは、透光電
極3とp層41との界面にある上記比較的大きな結晶粒子
群3a……により、かなりの確率で屈折乃至散乱される。
そのため、意図的な粗面構成がなく、真直ぐ入射した光
Iiが有意の屈折乃至散乱を受けず、そのまま略ゞ真直ぐ
に光電変換部4を通過してしまうそれ以前の非晶質半導
体太陽電池に比せば、入射光Iiをしてより長い距離に亘
って光電変換部4内を通過させることができ、その結
果、当該それ以前の非晶質半導体太陽電池に比べると、
光電変換効率ηにおいて格段の向上を認め得るようにな
ったのである。
尚、上記結晶粒子群3a……に関して寸法を表すのには、
第8図中に付記したように、原則的には各結晶粒子3aの
裾野の径rの算術平均値である“平均粒径Ra”という概
念が使用され、また一方、各結晶粒子3aの高さは、その
平均粒径Raによってかなり変わりはするが、大体におい
て透明電極3の膜厚の1/3程度以下となる。
〈発明が解決しようとする問題点〉 上記のように、従来の非晶質半導体太陽電池にあって
も、透明電極に比較的大きな結晶粒子による粗面構成を
施したものは、それなりに有意の効果を呈し、変換効率
ηの向上にはかなりな程度、寄与している。
しかし一方、この太陽電池に関して取られたその他の電
気的特性を良く検討すると、以下述べるように、更に
尚、改良を要する余地もある。
周知のように、この種太陽電池に関して云々される電気
的特性には、総合特性としての変換効率ηの外にも、そ
れに関与する三つの要素、すなわち短絡電流密度Jsc,開
放電圧Voc,そして曲線因子FFがある。換言すれば、変換
効率ηは、これら三つの要素の積に比例する。
η∝ Jsc・Voc ・FF …… してみると、上記第8図示の構成を基本構成とする従来
の非晶質半導体太陽電池に関し、いくつものサンプルを
採り、上記三要素を含め、特性をプロットした所、大方
の傾向として、第9図に示したような、ある一つのサン
プルの特性例に代表される傾向が認められたのである。
まず、この第9図示のサンプル特性例に即し、透明電極
の粗面を構成している結晶粒子群3aの平均粒径Raと変換
効率ηとの関係を見ると、0.1μm以上、1.0μm
乃至1.2μm程度までの平均粒径範囲にあっては、平
均粒径Raが大きくなる程、変換効率ηも向上し続けてい
る。
そこで次に、上記粒径範囲内における変換効率ηの向上
曲線が主として何に起因しているかを見てみると、それ
は殆ど短絡電流密度Jscの向上によっていることが分か
る。
すなわち、上記粒径範囲内における短絡電流密度Jsc,開
放電圧Voc,曲線因子FFの各曲線の変化形態を見ると、短
絡電流密度Jsc こそ、平均粒径Raの大径化にしたがって
大きく上向きに伸びているが、曲線因子FFはそれ程でも
なく、平均粒径Raが0.6μm程度を越えると、もう低
下傾向に入り、開放電圧Voc に至っては始めから低下傾
向を示している。
こうした所見からすると、次のようなことが言える。
既述したように、式からすれば、変換効率ηは、短絡
電流密度Jsc,開放電圧Voc,曲線因子FFの三つの要素が揃
って向上した場合、最も効率的に向上することになる。
してみると、上記サンプルにおいては、第9図に示され
ているように、0.1μm以上、1.0μm乃至1.2
μm程度までの平均粒径範囲内にあっての平均粒径Raの
伸びに従い、短絡電流密度Jsc が開放電圧Voc の低下率
を上回る向上率で向上しているため、変換効率ηを向上
させることに一応は成功しているが、これがもし仮に、
開放電圧Voc の特性曲線が、上記粒径範囲内の平均粒径
Raの大径化に従って短絡電流密度曲線と同様、向上カー
ブを示すか、少なくとも低下はしなければ、変換効率η
はより一層、伸びていたはずである。端的に言えば、第
9図中に表された開放電圧Voc の特性曲線は、変換効率
ηの向上の伸び足を引っ張ってしまう望ましくないもの
である。
しかるに、このように、透明電極の結晶平均粒径Raをあ
る程度の範囲内で大きくしていくと、確かに短絡電流密
度Jsc は向上し、またそれがために変換効率ηも一応、
向上してはいくものの、開放電圧Voc や曲線因子FFは伸
び悩み、特に開放電圧Voc に関しては寧ろ、低下カーブ
となるという傾向は、先にも少し触れたが、この第9図
に挙げたサンプルに固有のものではなく、他の異なる製
造条件等によったサンプル群等でも大体において同じで
あり、のみならず、サンプルによっては、開放電圧Voc
だけではなく、曲線因子FFも当初から低下傾向を示すも
のが結構あった。
そこで本発明者は、本発明を成すにあたり、まずもって
こうした開放電圧Voc や場合によっては曲線因子FFにも
低下傾向を生ずる原因が何であるかを模索した。
そのための第一段階として、透明電極3の粗面構造の観
察した所、第8図の従来例太陽電池の断面構成に併示し
たように、入射光Iiを散乱させるための結晶粒子3a……
の頂部は全て切立った尖鋭な頂部となっていることが分
かった。
すなわち、結晶粒子3aの頂点を挟む斜面相互が成す項角
αは、各結晶粒子3aによって鋭角であったり鈍角であっ
たりするものの、いづれもその頂部は錐(きり)状で、
何の丸見もないものだったのである。
これに基き、更に検討を施した所、このことがどうや
ら、開放電圧Voc や曲線因子FFの伸びを阻み、寧ろ低下
させていく原因をなしているらしいことが分かった。
これは第8図に即して物理的、幾何的に静的な説明をす
ると理解し易い。
結晶粒子群の各頂部が切立っていると、その上に引続い
て形成されるp層41は、平面方向においてその膜厚分布
が一様にならず、局所的に厚味にむらを生じ、ために、
その後形成されるp−i接合やi−n接合の均質性に悪
影響を及ぼすということが起こり得るのである。
実際にも、最悪の場合には、局所的にp層41の厚味が極
めて薄くなり、そこではその上のi層42との間で透明電
極3が略ゞ短絡に近い状態となっているとしか考えられ
ないものすらあった。
ここまで分かってくると、こうした不具合は、何も上記
してきた非晶質半導体系の太陽電池に限らず、単結晶、
多結晶等の結晶系の太陽電池においても当然起こり得る
ものと推測することができる。
結晶系太陽電池においても、同様に変換効率の向上を図
って基板結晶の光電変換部側表面を意図的に粗面にする
試みはあり、それによる変換効率向上に寄与するメカニ
ズムは、それが結晶系であるか否かには係りのない、当
該粗面構造自体に起因するものだからである。
本発明はこのように、非晶質系であろうと結晶系であろ
うと、表面粗面構成を持つ透明電極を有する従来の薄膜
太陽電池に共通すると考えられる上記欠点の解消を主目
的として成されたもので、透明電極粗面構造における結
晶粒子の切立った頂部に起因する問題を克服し、主とし
て短絡電流密度の改善にのみ頼ってではなく、これの改
善に呼応させて、開放電圧、曲線因子等の他の電気的特
性要素も向上させるか、少なくとも問題となる程の低下
は防ぐことにより、変換効率の向上に制動を掛ける因子
を排斥せんとするものである。
〈問題点を解決するための手段〉 上記目的を達成するため、本発明は、 透光性基板の上に透明電極を形成する工程と、更にその
上に光電変換部、背面電極を順に形成する工程とを有し
て成る薄膜太陽電池の製造方法において、特に上記の透
明電極形成工程に工夫を施し、これを更に次の二つの工
程(a),(b)から構成することを提案する。
(a) 透光性基板の上に、切立った頂部を有する相対的
に大きな平均粒径の結晶粒子群から成る第一の酸化錫層
を所定の基板温度で所定の厚さに形成する工程. (b) 上記で形成された第一の酸化錫層の上に、上記所
定の基板温度より相対的に低い基板温度でその厚さが当
該第一の酸化錫層の厚さの1/3から2/3までの、相
対的に小さな平均粒径の結晶粒子群から成る第二の酸化
錫層を形成する工程. 上記(b)の工程は、結局、上記工程(a)にて形成された第
一の酸化錫層の各結晶粒子の切立った頂部を第二の酸化
錫層の細かな結晶粒子にて覆い、実効的に丸味をつける
工程である。
〈作 用〉 本発明によると、透明電極全体として考えた場合、ある
程度以上に大きな平均粒径を持つ粗面ではあっても、等
価的にその粗面を構成する各結晶粒子の頂点に丸味を付
けたと同じ結果を得ることができる。
すなわち、でこぼこになった第一の酸化錫層(以下、単
に第一層と呼ぶ)の当該切立った頂点を持つ各結晶粒子
に対して、第二の酸化錫層(以下、単に第二層と呼ぶ)
により、その上に頂部の角を丸めるコーティングを施し
たような格好になり、でこぼこは保ちながらも尖鋭な部
分はなくし得るのである。
その結果、入射光Iiに対する散乱効果は損うことなく、
透明電極層上に形成されるp層、i層、n層は順に徐々
に平坦化でき、結局は局部的な膜厚変化を防ぎ、良好な
接合部構造を確立できるのである。
ただし、上記要旨構成中に認められる通り、また、後述
の実施例ないしそれに関する図面代用写真中からも明ら
かなように、第二層に関し相対的に小さな平均粒径とは
いっても、第一層の錐上の頂部に実効的に丸味を付け得
る程度の大きさの粒径範囲では、当該第二層の表面では
未だなだらかな凹凸をなし、決して平らにはなり切って
いない。
いずれにしても、上記した構成の本発明によると、光の
散乱効果に基くと見られる短絡電流密度Jsc の向上に加
え、散乱を起こすと同時に既述の欠点を生んでいた結晶
粒子部分における尖鋭部の排斥に起因したものと考えら
れる開放電圧Voc 、曲線因子FFの向上をも認め得、もっ
て総体的に変換効率ηの大きな非晶質半導体太陽電池を
作成することができた。
なお、第一層の膜厚に対し第二層の膜厚が本発明の要旨
構成にて規定されている通り1/3から2/3というこ
とは、第二層の膜厚を第一層表面の結晶粒子の高さと略
ゞ同じ程度にすることにもなる。
また、第一層の結晶粒子の平均粒径に対し、第二層のそ
れが細かくても、作製された全体としての透明電極の表
面を見ると、第一層の平均粒径よりも大きな粒径の結晶
粒子の集合となっているかのように見えることもある。
しかしこれは、第二層の相対的に細かな結晶粒子が第一
層の粗い結晶粒子を包み込むに際し、第一層の結晶粒子
の複数個分の頂上を層状にまとめて丸め込んだ結果、そ
う見えるだけであって、第一層結晶粒子の尖鋭部を第二
層の結晶粒子群が実効的に丸めていることに変わりはな
い。
〈実施例〉 第1図には、後述する作成例に認められるように、本発
明に従って製造された結果としての非晶質太陽電池を構
造的に見た場合の基本的な構成例が示されている。図中
の符号は、第8図に示した従来例との対比上、都合が良
いので、当該従来例に就いて用いたと同一のものを対応
する構成要素に付してある。
ガラス基板等、適当な透光性基板2の上には、本発明の
思想に即し、透明電極3の第一層31として、結晶粒子3a
の平均粒径Raがある程度大きく、したがって入射光Iiに
対しての散乱効果の大きな層が形成される。
この第一層31においては、一般に、その結晶粒子3aの頂
部は錐状に尖鋭なものとなる。というよりも、十分、尖
鋭であって構わない。
こうした第一層31に対し、その上に、透明電極の第二層
32として、当該第一層を被覆し、結晶粒子の尖鋭部分を
実質的に丸めたと同じ効果を期待できる相対的に細かな
平均粒径層32を形成する。
このようにすると、透明電極3の表面は、第二層32がな
かった場合に比し、滑らかにすることができる。
そうした後に、当該透明電極3の第二層32上に、既存の
製作手法の中、適当な手法によって良く、そしてまた製
作条件を適選すれば良い光電変換部4を形成し、その上
にアルミニウム、銀その他、適当な金属材料または透明
薄膜と金属薄膜の二層構造等から成る光反射性の背面電
極5を形成して、本発明を適用した結果としての一つの
太陽電池セル1の作成を完了する。
光電変換部4は、般に、透明電極3の第二層32とあいま
って界面を形成する最下層側から、p層41、i層42、n
層43の順で形成された pin接合として構成される。
このような基本構成を採る太陽電池を本発明に従って製
造するに際しての具体的な実施例に呼応するものとし
て、実際の作成例を挙げての説明を行なう。
[作成例#1] 透光性基板2として、30×30mmのコーニング社製#7059
ガラス基板を用い、十分に洗浄した後、 480℃に加熱さ
れたホット・プレート上に載せてこの基板を加熱した。
一方で、透明電極3用の原料液として、25g のSnCl4・5H
2Oと0.317gのSbCl3 とを1%の HCl水溶液150ml に溶解
させたものを用意し、これを大気中で上記加熱されてい
るガラス基板上にスプレーして、SnO2より成る透明電極
用第一層31を膜厚0.73μmに亘り、形成した。
こうして形成された第一層31の走査電子顕微鏡写真が第
2図であるが、表面の結晶粒子径が大きく、粗くて、且
つまた頂点が錐状に尖鋭になっていることが分かる。
こうした第一層31の上に、先と同じ原料液を再びスプレ
ーして第二層32を形成し、全体としての透明電極3の形
成を図った。
ただし、その際の基板温度乃至SnO2膜成長温度は、先の
480℃から大分低くし、 380℃として行なった。
この第二層32の厚味は0.44μmであり、したがって全体
としての透明電極3の厚味は1.17μmとなった。
こうして形成された第二層32の表面は、第3図の走査電
子顕微鏡写真に示されているが、第2図に示した第一層
31の表面に比すと、顕かに細かな結晶粒子により、第一
層のでこぼこの頂部が丸味を帯びて釣鐘状にされている
ことが分かる。
すなわち、この実施例では、第二層32の成膜温度を第一
層31の成長時のそれより低下させることにより、結晶粒
子の平均粒径Raを小さくしたのである。この点に就いて
は後に詳述する。
このようにして透明電極3を本発明の思想に即し、形成
した後、平行平板型プラズマCVD 法により、光電変換部
4を次の順序で作成した。
まずp層41の作成は、SiH4ガスと、これに対して 0.5容
積%のB2H6ガス及び50容積%のCH4 ガスから成る混合ガ
スを上記プラズマ装置の真空槽内に導入し、同槽内の真
空度 1.0Torrの下、周波数13.56MHz,電力密度0.1W/cm
2の高周波電力を平行平板電極間に印加して行なった。
作成したp槽41の膜厚は約130 Åである。
その後、上記混合ガスを上記槽内から排気し、改めて同
槽内にSiH4ガスを導入して、槽内真空度 1.5Torrの下、
約5000Åに亘り、i槽42を形成した。
続いて、上記SiH4ガスを槽から排気し、改めてSiH4ガス
と、これに対する 0.8容積%のPH3 ガスとから成る混合
ガスを槽内に導入し、真空度 1.5Torrの下、約 300Åに
亘ってn層43を形成した。
こうした光電変換部4の作成時には、ガラス基板2の温
度は 250℃に保った。
このようにしての光電変換部4の作成後には、真空蒸着
法により、アルミニウム膜を形成し、これを背面電極5
とした。
以上のようにして作成した作成例#1の非晶質半導体太陽
電池に、AM-1のソーラ・シミュレータを用いて 100mW/
cm2の光Iiを照射した所、次の特性値が得られた。
変換効率 η=9.26%; 短絡電流密度 Jsc=17mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.82V ; 曲線因子 FF=0.664 : ‥‥‥1) また、この作成例#1における太陽電池の透明電極をX線
回折に掛けた所、第一層31では (200)面に第一ピークが
現れ、(101)/(200)=0.08であり、第二層32を形成した後
においては、 (101)が第一ピークであって、(101)/(20
0)=1.8であった。
この作成例#1に、確かに本発明を適用したことの効果が
現れていることを示すため、透明電極が上記第一層のみ
から成るに等しい比較例#1を従来の作成法に基き、下記
のように作成した。
[比較例#1] 作成例#1で用いたと同じガラス基板を略ゞ同様の基板温
度 450℃に置き、作成例#1と同一の原料液を大気中でス
プレーし、膜厚 1.3μmのSnO2膜を作成して、これを透
明電極とした。
その後は作成例#1と全く同じ作成手法、作成条件を採用
し、光電変換部、背面電極の形成を終えて太陽電池とし
て完成させた。
この太陽電池を作成例#1と同じ条件で試験した所、次の
各特性値が得られた。
変換効率 η=7.0 %; 短絡電流密度 Jsc=16.9mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.7 V; 曲線因子 FF=0.59: ‥‥‥2) また、X線回折の結果は、(101)/(200)=0.05であった。
勿論、この比較例#1の太陽電池の透明電極表面は、結晶
粒子の頂部が尖鋭な錐状を示していた。
上記本発明による作成例#1と従来法による比較例#1の各
特性結果1),2)を対比すると、本発明が予想以上に大き
な効果を発揮したことが分かる。すなわち、変換効率η
の向上を図るに際し、少なくとも開放電圧Voc や曲線因
子FFを低下させることのないようにする本発明目的を完
全に達成したのみならず、いづれの特性値においても、
従来法により作成された非晶質半導体太陽電池の特性値
を上回ったのである。
こうした結果に基き、更に本発明の柔軟性を確認するた
め、上記作成例#1における基本製作工程や製作条件、原
料液等は全く同じに採りながら、透明電極の第一層31と
第二層32の作成時の基板温度を様々に変えて幾つかの太
陽電池サンプルを作った。こうした作成例を下記におい
#2〜#6とし、それらの各特性値を取った所、次の結果
が得られた。
[作成例#2] 第一層作成時基板温度=480 ℃ 第二層作成時基板温度=350 ℃ 変換効率 η=9.2 % 短絡電流密度 Jsc=17.1mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.82V; 曲線因子 FF=0.66: [作成例#3] 第一層作成時基板温度=480 ℃ 第二層作成時基板温度=360 ℃ 変換効率 η=9.2 % 短絡電流密度 Jsc=16.9mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.83V; 曲線因子 FF=0.66: [作成例#4] 第一層作成時基板温度=460 ℃ 第二層作成時基板温度=380 ℃ 変換効率 η=9.2 % 短絡電流密度 Jsc=16.8mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.84V; 曲線因子 FF=0.65: [作成例#5] 第一層作成時基板温度=420 ℃ 第二層作成時基板温度=380 ℃ 変換効率 η=9.1 % 短絡電流密度 Jsc=16.6mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.85V; 曲線因子 FF=0.65: [作成例#6] 第一層作成時基板温度=420 ℃ 第二層作成時基板温度=350 ℃ 変換効率 η=9.01% 短絡電流密度 Jsc=16.6mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.84V; 曲線因子 FF=0.65: 以上のように、いづれの作成例においても変換効率ηは
9%を上回り、開放電圧Voc,曲線因子FFも既述の作成例
#1と略ゞ同様の満足な値となっていて、十分に本発明の
効果が現れていることを示している。開放電圧Voc,曲線
因子FFが犠牲になっている徴候は一切、認められない。
また、上記各作成例#1〜#6に共通のこととして、X線回
折の結果、第一層は(200) にピークが現れ、(101)/(20
0)<0.5 であり、第二層目を形成した後には、(101)/(2
00)>0.5 となっていた。
更に、いづれの作成例の透明電極のシート抵抗値も10〜
20Ω/□程度であり、可視光線透過率は80%以上となっ
ていた。
次の作成例#7は CVD法により、第一、第二透明電極層3
1,32を作成したものである。
SnCl4 を入れたバブラの温度を−25℃,SbCl3 を入れた
バブラの温度を−15℃,純水を入れたバブラの温度を−
10℃とし、キャリア・ガスとして選んだアルゴンArを
0.6/min.で流しながら、 450℃に加熱されているガ
ラス基板を上記成分群を含むキャリア・ガスにさらし、
まず第一透明電極層31として、厚味約 0.7μmに亘るSn
O2膜を作成した。
次いで、基板温度を 360℃まで下げ、上記と同じキャリ
ア・ガスに48分間さらして、第二透明電極層32としての
SnO2膜を約 0.4μmの厚さに形成した。したがってこの
結果、透明電極3としての全厚は約 1.1μmとなった。
このようにして透明電極を形成した後は、既述の作成例
#1における全く同様の作成工程、作成条件を取って、作
成例#7としての太陽電池を作った。その結果は次の通り
である。
変換効率 η=9.06%; 短絡電流密度 Jsc=16.8mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.83V; 曲線因子 FF=0.65: ‥‥‥3) このように、 CVD法によった本作成例#7においても、本
発明の効果は十分に現れている。
勿論、この CVD法により第一、第二透明電極層31,32を
作成した場合にも、当該第一層の表面粗さと第二層表面
の模様は、それぞれ第2図、第3図に対応するものが得
られている。
更に、透明電極を構成する第一層31と第二層32との膜厚
の変化はどのような影響を及ぼすかを調べるため、次の
作成例#8〜#12 を作成した。いづれの作成条件も、膜厚
が異なることを除いては、作成例#1と全く同様である。
[作成例#8] 第一層膜厚=12000 Å 第二層膜厚= 4000 Å 変換効率 η=9.1 %; 短絡電流密度 Jsc=17.0mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.81V; 曲線因子 FF=0.66: [作成例#9] 第一層膜厚=12000 Å 第二層膜厚= 8000 Å 変換効率 η=9.0 %; 短絡電流密度 Jsc=16.5mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.84V; 曲線因子 FF=0.65: [作成例#10 ] 第一層膜厚= 7000 Å 第二層膜厚= 4000 Å 変換効率 η=9.3 %; 短絡電流密度 Jsc=17.1mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.83V; 曲線因子 FF=0.66: [作成例#11 ] 第一層膜厚= 4000 Å 第二層膜厚= 1500 Å 変換効率 η=9.0 %; 短絡電流密度 Jsc=16.7mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.84V; 曲線因子 FF=0.64: [作成例#12 ] 第一層膜厚= 4000 Å 第二層膜厚= 2500 Å 変換効率 η=9.1 %; 短絡電流密度 Jsc=16.7mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.85V; 曲線因子 FF=0.64: 上記作成例のいづれにおいても、やはり既述した作成例
#1〜#6におけると同様、X線回折の結果は、第一層が(1
01)/(200)<0.5 であり、第二層目を形成した後には、
(101)/(200)>0.5 となっていた。
しかして、上記特性例群からすると顕かなように、本発
明の要旨構成にて規定されている範囲に従う限り、透明
電極の全厚や各層の厚味の変動は、相当程度以上、これ
らを変動させても電気的特性上、特に不都合な結果とな
らないことが分かる。
しかし、本発明にて規定される範囲内においても、結果
として得られる第二層目の平均粒径Raが第一層目のそれ
に比し、より細かくなるように各パラメータを設定した
方が、より効果が顕著であることは、上記作成例#1〜#7
の結果から理解できる。
そしてまた一方、当該作成例群から顕かにされているよ
うに、スプレー法や CVD法によった場合、膜厚の調整は
その膜を作成するときの基板温度により制御可能であ
り、簡単に言えば低い程、細かなものとなる。このこと
は、具体的にSnO2膜の成長温度乃至基板温度と平均粒径
の関係を取った第4図にて代表的に実証されている。
本図では、基板温度対平均粒径関係のみならず、成長膜
厚対平均粒径の間にも相関があることを示している。す
なわち 0.8μm厚のSnO2膜を作成した場合の基板温度対
平均粒径曲線の方が、0.4μm厚のもののそれに対
し、図中、上方に位置することから、同じ基板温度でも
膜厚を厚くする程、粗い結晶粒子群が得られることにな
る。
してみるに、既述したことからすれば、透明電極3の第
二層32の結晶平均粒径は十分に細かい方が良いというこ
とであるから、そのようにするためには、本第4図の教
える所に従って、当該第二層32を相対的にかなり低い基
板温度で作成すれば良いということになる。しかしこれ
は実際の作成現場での事情も考えると、考慮に入れねば
ならない問題を含んでもいる。
というのも、一般に具体的な過去の特性例を挙げるまで
もなく、例えばSnO2膜の場合、上記した各作成例に見ら
れるような 300℃未満程度から 500℃以上程度の基板温
度範囲内では、略ゞ基板温度が 100℃下がる度に成膜速
度は大体、1/10のオーダで低下していく。これは、半分
の厚味の酸化錫膜を作るにも、その時の成膜温度が 100
℃低いと、単純に考えても五倍の時間が掛かることを意
味する。したがって、上記作成例に見られる以上に、更
により細かな平均粒径の第二層を作ろうとすると、第一
層形成に要する時間に対して十数倍にも及ぶ節膜時間を
要することも容易に想像できる。これは決して望ましく
はない。大量生産ベースに載らなければ低廉な非晶質材
料を用いた意義が損なわれるからである。
そこで更に進めて、上記非晶質半導体太陽電池における
SnO2透明電極の作成群の中から合理的、且つ、代表的な
第一、第二層成膜温度として、 480℃と 380℃を選び、
また第一層31の膜厚として7000Åを選んだ場合、第二層
膜厚の変化が開放電圧Voc,曲線因子FFにどのような影響
を与えるかを調べるものとした。それらの間の関係を取
ったものが第5図(A),(B)である。
本図からすれば、第一層と第二層とに関する本発明によ
る膜厚関係の限定が有意なことが良く分かる。この場合
は、約 0.2μm〜 0.4μm程度であり、丁度、既述の作
成例#1,#10がこれに略ゞ相当する。また、この厚味は、
既述したように、第一層のでこぼこの高さ程度からその
二倍程度までに該当する。
このようにして、第一層膜厚、第二層膜厚、及びそれら
の比関係には、本発明の場合、従来例の改良という観点
からすれば、かなり広い設計巾があるものの、中でも設
計的に特に望ましいという範囲が存在することも、また
当然のこととして理解される。
そこで逆に、第一層膜厚、第二層膜厚、及びそれらの比
関係を上記してきた作成例群における以上にやや極端に
変化させた比較例も作成してみた。以下の比較例#2〜#6
がこれに当たる。
[比較例#2] 第一層膜厚=12000 Å 第二層膜厚= 3000 Å 変換効率 η=8.9 %; 短絡電流密度 Jsc=17.2mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.78V; 曲線因子 FF=0.66: [比較例#3] 第一層膜厚=12000 Å 第二層膜厚=10000 Å 変換効率 η=8.5 %; 短絡電流密度 Jsc=16.2mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.83V; 曲線因子 FF=0.63: [比較例#4] 第一層膜厚=4000Å 第二層膜厚=500 Å 変換効率 η=8.0 %; 短絡電流密度 Jsc=16.6mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.76V; 曲線因子 FF=0.63: [比較例#5] 第一層膜厚=4000Å 第二層膜厚=4000Å 変換効率 η=8.9 %; 短絡電流密度 Jsc=16.8mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.84V; 曲線因子 FF=0.63: [比較例#6] 第一層膜厚=3000Å 第二層膜厚=1000Å 変換効率 η=7.9 %; 短絡電流密度 Jsc=15.3mA/cm2; 開放電圧 Voc=0.84V; 曲線因子 FF=0.62: しかして、上記のような比較例#2〜#6では、いづれも作
成例#1〜#12 群の9%オーダの変換効率には至り得てい
ない。第一層膜厚が3000Å程度の比較例#6では、結晶粒
子の高さが十分でなく、光の十分な散乱が行なわれてい
ないと考えられるし、第二層膜厚が第一層膜厚の1/3
以下の比較例#2,#4では、第一層結晶粒子の尖鋭部を覆
い切ることができず、全体としての透明電極の平面形状
はその大部分が尖鋭な突起の集合に留まっていた。
また逆に、第二層膜厚が第一層のそれの2/3以上の比
較例#3,#5では、変換効率ηを始め、各特性値は相対的
にまあまあの値であるが、透明電極の抵抗値がかなり高
くなってしまった。
しかし一方で、従来における透明電極が一層のみから成
るものに対しての比較で考えると、第一層膜厚、第二層
膜厚、及びそれらの比関係をやや極端に変化させた上記
比較例#2〜#6でも尚、本発明は何等かの有意の作用を営
んでいると言うこともできる。従来報告されている値よ
りも優れた値が得られているからである。
が、また一方では、既述した作成例#1〜#12 に見られる
ように、本発明によれば、9%を越える変換効率さえ、
簡単に得ることができるのであるから、上記比較例#2〜
#6は、本発明が開示された以上、余り興味のないものと
も言うことができる。
結局、上記を総合することにより、本発明により提示さ
れる構成要件が導出される。
なお、上記のような第一層、第二層の膜厚関係において
は、これまでも述べてきたように、X線解析の結果から
すると第一層は (200)面にピークが現れ、(101)/(200)
<0.5 となるが、この上に第二層を形成すると、(101)/
(200)>0.5 となる。
また、スプレー法による上記作成例群では、本発明を満
たすためにはより具体的に第一層形成時の基板温度を 4
20℃〜 480℃とし、かつ、当該第一層膜厚は4000Å〜 1
2000Åとすると共に、第二層形成時の基板温度は 350℃
〜 380℃として、第二層の膜厚を第一層の膜厚に対して
1/3〜2/3にすれば良いことが分かる。
更に、本発明が開示された以上、必要に応じて第二層の
上に更に細かい平均粒径の第三層を形成すること等は普
通に考えられることであるし、製造方法自体について
も、本発明にて規定される関係が満足される限り、スプ
レー法や以下の作成例#13 に認められるCVD法以外の
公知成膜手法を採用することもできる。
しかるに、次の作成例#13 は、結果として本発明に従う
にしても、成膜温度の変化だけに関しては、余り平均粒
径に変化を及ぼさない場合を示している。
[作成例#13 ] 本例では第二層形成のために4エチル錫+HF+水蒸気に
不活性キャリア・ガスを加えた混合ガスによる CVDを用
いており、その前データを得るため、既述のコーニング
社製#7059 ガラス基板上に基板温度 350〜450 ℃の範囲
内で当該 CVD成膜をしてみた。
その結果、第6図(A)の結晶粒子平均径と標準偏差に示
されるように、このようにして成膜されたSnO2膜にあっ
ては、基板温度は当該粒径Raにはあまり相関がなかっ
た。
しかし一方、成膜される膜厚との相関は強く、その結果
は第6図(B)に示されている。
そこで、この4エチル錫+HF+水蒸気による酸化錫膜は
透明電極の第二層のみに使うものとし、第一層には既述
の作成例#7に用いられていると同様の条件でのSnCl4
による CVD膜を使うものとした。
ガラス基板上に第一層用、第二層用の各酸化錫膜をそれ
ぞれ単層として形成した場合の走査電子顕微鏡写真は第
7図(A),(B)に示されており、同図(A)は4エチル錫 CV
Dによる基板温度 350℃、約3000ÅのSnO2膜で、十分、
細かな平均粒径の結晶粒子により構成されていることが
分かり、同図(B)は基板温度 450℃でSnCl4 から作成さ
れた約5000Åの酸化錫膜で、逆に十分粗く、且つ尖鋭な
頂部を持っていることが分かる。
しかして、第7図(B)に示される酸化錫層を第一透明電
極層とし、これを同図(A)に示される酸化錫層を第二層
として重ね形成した所、その結果である全体としての透
明電極の表面は同図(C)に示されるようなものとなっ
た。
この第7図(C)を見て特徴的なのは、一見すると、第一
層の結晶粒子の平均粒径よりも大きな結晶粒子が存在し
ているかのように見えることである。
しかしこれは、先に少し述べたように、決して粒径の大
きな結晶が成長しているのではなく、第一層の粗い結晶
粒子の幾つかの頂部をまとめて第二層の細かな結晶粒子
層が覆った結果、そう見えるだけで、実際には勿論、当
該表面の粒径は細かなものの集合となっているし、頂部
も十分に丸見のあるものとなっていて、結局、この作成
#13 でも、成膜温度の相対的高低関係や膜厚関係が本
発明により規定される範囲内に入る結果、既述した各作
成例におけると同様の効果が認められる。
〈発明の効果〉 以上詳記のように、本発明によれば、光電変換部内の光
の実効経路長を長くするために透明電極の表面を粗面化
するに際し、それに伴い開放電圧、曲線因子の低下とい
う欠点を解消することができる。すなわち、従来例に即
して述べたように、切立った頂部を有する結晶粒子群か
ら成る第一層を形成することで短絡電流密度を向上させ
たにしても、仮に当該第一層だけであるとその上に形成
される光電変換部構成層の膜厚分布に大きなむらを生
じ、場合によっては局所的な短絡部分等も発生させ、開
放電圧や曲線因子はむしろ損なわれることもある所、本
発明によると当該第一層の切立った頂部を丸めるに丁度
良い平均粒径範囲の第二層を形成できるので、そのよう
な従来の欠点を解消ないし緩和することができ、切立っ
た頂部を有する結晶粒子群から成る第一層を設けたこと
での短絡電流密度向上効果に加え、開放電圧、曲線因子
の向上効果も加味されて、総体的に真の意味で光電変換
効率を向上させることができる。
しかもまた、そのための本発明構成は極めて簡単である
ばかりでなく、制御性も高いものである。
したがって、この種薄膜太陽電池の特性向上やその普及
に大いに寄与し得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を適用した薄膜太陽電池の断面概略構成
図、第2図は本発明一実施例における第一透明電極層の
表面を走査電子顕微鏡で捕えた粒子構造写真、第3図は
同じく本発明により第二層目を付した透明電極表面を走
査電子顕微鏡で捕えた粒子構造写真、第4図は成膜温度
乃至基板温度対結晶粒子平均粒径の関係の代表的な一特
性図、第5図(A)は第二透明電極層の膜厚と開放電圧の
関係の代表的な一特性図、、第5図(B)は同じく第二透
明電極層膜厚と曲線因子の関係の代表的な一特性図、第
6図(A)は基板温度が結晶粒子平均粒径にあまり相関を
示さない場合の一例の特性図、第6図(B)は膜厚が結晶
粒子平均粒径に強い相関を示す場合の一例の特性図、第
7図は CVD法によった一例としての第二透明電極用、第
一透明電極用、そしてそれらを重ね合せに形成した場合
の各表面を走査電子顕微鏡で捕えた粒子構造写真、第8
図は透明電極に粗面構成を有する従来の薄膜太陽電池の
基本的な概略構成図、第9図は第8図に示された従来の
薄膜太陽電池の代表的な一サンプルの特性図、である。 図中、1は全体としての薄膜太陽電池、2は透光性基
板、3は全体としての透明電極、31は透明電極用の第一
層、32は同じく第二層、4は光電変換部、5は背面電
極、である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 光之 茨城県新治郡桜村梅園1丁目1番4号 工 業技術院電子技術総合研究所内 (72)発明者 飯田 英世 東京都台東区上野1丁目2番12号 太陽誘 電株式会社内 審査官 松本 邦夫 (56)参考文献 特開 昭59−161881(JP,A) 特開 昭59−161882(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透光性基板の上に透明電極を形成する工程
    と、更にその上に光電変換部、背面電極を順に形成する
    工程とを有して成る薄膜太陽電池の製造方法であって; 上記透明電極の形成工程が、 上記透光性基板の上に、切立った頂部を有する相対的に
    大きな平均粒径の結晶粒子群から成る第一の酸化錫層を
    所定の基板温度で所定の厚さに形成する工程と, 該形成された第一の酸化錫層の上に、上記所定の基板温
    度より相対的に低い基板温度でその厚さが該第一の酸化
    錫層の厚さの1/3から2/3までの、相対的に小さな
    平均粒径の結晶粒子群から成る第二の酸化錫層を形成す
    る工程と, を含むことを特徴とする薄膜太陽電池の製造方法。
JP60056165A 1985-03-22 1985-03-22 薄膜太陽電池の製造方法 Expired - Lifetime JPH0614554B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60056165A JPH0614554B2 (ja) 1985-03-22 1985-03-22 薄膜太陽電池の製造方法
US06/842,210 US4694116A (en) 1985-03-22 1986-03-21 Thin-film solar cell
GB8609131A GB2189344B (en) 1985-03-22 1986-04-15 Thin-film solar cell
AU56115/86A AU580863B2 (en) 1985-03-22 1986-04-15 Thin-film solar cell

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60056165A JPH0614554B2 (ja) 1985-03-22 1985-03-22 薄膜太陽電池の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61216489A JPS61216489A (ja) 1986-09-26
JPH0614554B2 true JPH0614554B2 (ja) 1994-02-23

Family

ID=13019476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60056165A Expired - Lifetime JPH0614554B2 (ja) 1985-03-22 1985-03-22 薄膜太陽電池の製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US4694116A (ja)
JP (1) JPH0614554B2 (ja)
AU (1) AU580863B2 (ja)
GB (1) GB2189344B (ja)

Families Citing this family (43)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6068663A (ja) * 1983-09-26 1985-04-19 Komatsu Denshi Kinzoku Kk アモルフアスシリコン太陽電池
US4922320A (en) * 1985-03-11 1990-05-01 Texas Instruments Incorporated Integrated circuit metallization with reduced electromigration
FR2586804B1 (fr) * 1985-08-30 1989-03-31 Centre Nat Rech Scient Procede et dispositif de photo-detection rapide a l'aide d'un superreseau
JPS62198169A (ja) * 1986-02-25 1987-09-01 Fuji Electric Corp Res & Dev Ltd 太陽電池
US4808462A (en) * 1987-05-22 1989-02-28 Glasstech Solar, Inc. Solar cell substrate
US5102721A (en) * 1987-08-31 1992-04-07 Solarex Corporation Textured tin oxide
DE68927845T2 (de) * 1988-09-30 1997-08-07 Kanegafuchi Chemical Ind Sonnenzelle mit einer durchsichtigen Elektrode
US5078803A (en) * 1989-09-22 1992-01-07 Siemens Solar Industries L.P. Solar cells incorporating transparent electrodes comprising hazy zinc oxide
JPH03125481A (ja) * 1989-10-09 1991-05-28 Sanyo Electric Co Ltd 光起電力装置
JP2726323B2 (ja) * 1990-02-01 1998-03-11 キヤノン株式会社 薄膜太陽電池作製方法
US5136351A (en) * 1990-03-30 1992-08-04 Sharp Kabushiki Kaisha Photovoltaic device with porous metal layer
JP2974485B2 (ja) * 1992-02-05 1999-11-10 キヤノン株式会社 光起電力素子の製造法
CH686206A5 (it) * 1992-03-26 1996-01-31 Asulab Sa Cellule photoelectrochimique regeneratrice transparente.
JPH06140650A (ja) * 1992-09-14 1994-05-20 Sanyo Electric Co Ltd 透光性導電酸化膜の改質方法とこれを用いた光起電力装置の製造方法
JPH0864848A (ja) * 1994-08-23 1996-03-08 Canon Inc 光電気変換装置、反射防止膜及び電極基板
US5567326A (en) * 1994-09-19 1996-10-22 Promega Corporation Multisample magnetic separation device
US5973259A (en) * 1997-05-12 1999-10-26 Borealis Tech Ltd Method and apparatus for photoelectric generation of electricity
JP4520545B2 (ja) * 1998-04-17 2010-08-04 セイコーインスツル株式会社 反射型液晶表示装置及びその製造方法
US6388301B1 (en) * 1998-06-01 2002-05-14 Kaneka Corporation Silicon-based thin-film photoelectric device
AUPP699798A0 (en) 1998-11-06 1998-12-03 Pacific Solar Pty Limited Thin films with light trapping
JP4562220B2 (ja) * 1999-06-22 2010-10-13 シャープ株式会社 薄膜太陽電池
US6787692B2 (en) 2000-10-31 2004-09-07 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology Solar cell substrate, thin-film solar cell, and multi-junction thin-film solar cell
US6750394B2 (en) * 2001-01-12 2004-06-15 Sharp Kabushiki Kaisha Thin-film solar cell and its manufacturing method
JP2002222975A (ja) * 2001-01-29 2002-08-09 Kyocera Corp 薄膜結晶質Si太陽電池およびその製造方法
WO2003036657A1 (en) * 2001-10-19 2003-05-01 Asahi Glass Company, Limited Substrate with transparent conductive oxide film and production method therefor, and photoelectric conversion element
US20040162712A1 (en) * 2003-01-24 2004-08-19 Icagen, Inc. Method for screening compounds using consensus selection
NL1024437C2 (nl) * 2003-10-02 2005-04-05 Tno Coating welke is aangebracht op een substraat, een zonnecel, en werkwijze voor het aanbrengen van de coating op het substraat.
EP1548852B1 (en) * 2003-12-22 2013-07-10 Samsung Electronics Co., Ltd. Top-emitting nitride-based light emitting device and method of manufacturing the same
US7982127B2 (en) 2006-12-29 2011-07-19 Industrial Technology Research Institute Thin film solar cell module of see-through type
CA2661217A1 (en) * 2007-02-16 2008-08-21 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Photovoltaic device and process for producing same
TWI446555B (zh) * 2007-12-27 2014-07-21 Ind Tech Res Inst 太陽能電池之背電極模組
JP5559704B2 (ja) * 2009-02-03 2014-07-23 株式会社カネカ 透明導電膜付き基板の製造方法ならびに多接合型薄膜光電変換装置および発光素子の製造方法
JP2010282997A (ja) * 2009-06-02 2010-12-16 Seiko Epson Corp 太陽電池、太陽電池の製造方法
EP2417638A2 (en) * 2009-06-16 2012-02-15 LG Innotek Co., Ltd. Solar cell and method of fabricating the same
WO2011001735A1 (ja) * 2009-07-01 2011-01-06 三菱電機株式会社 薄膜太陽電池およびその製造方法
DE102009051345B4 (de) * 2009-10-30 2013-07-25 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zur Herstellung einer transparenten Elektrode
JP2011187640A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Sumitomo Heavy Ind Ltd 成膜基板、成膜基板の製造方法、および成膜装置
JP2012089712A (ja) * 2010-10-20 2012-05-10 Mitsubishi Electric Corp 薄膜太陽電池およびその製造方法
US20130174900A1 (en) * 2011-07-07 2013-07-11 Stion Corporation Nanowire enhanced transparent conductive oxide for thin film photovoltaic devices
CN102280501B (zh) * 2011-08-02 2013-06-12 南通大学 一种硅基埋栅薄膜太阳能电池
CN103022169B (zh) * 2012-12-19 2015-09-09 无锡爱尔华精机有限公司 薄膜太阳能电池电极及其制备方法
KR20170030311A (ko) * 2015-09-09 2017-03-17 주식회사 무한 박막형 태양전지 및 그 제조 방법
CN107910445B (zh) * 2017-11-06 2019-08-23 西安交通大学 一种双层电极的钙钛矿太阳能电池及其制备方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59161882A (ja) * 1983-03-07 1984-09-12 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 光電変換装置
JPS59161881A (ja) * 1983-03-07 1984-09-12 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 光電変換装置作製方法
JPS60154521A (ja) * 1984-01-23 1985-08-14 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 炭化珪素被膜作製方法

Also Published As

Publication number Publication date
GB8609131D0 (en) 1986-05-21
US4694116A (en) 1987-09-15
AU580863B2 (en) 1989-02-02
GB2189344B (en) 1989-11-29
JPS61216489A (ja) 1986-09-26
GB2189344A (en) 1987-10-21
AU5611586A (en) 1987-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0614554B2 (ja) 薄膜太陽電池の製造方法
US6123824A (en) Process for producing photo-electricity generating device
EP1041646B1 (en) Method of producing silicon thin-film photoelectric transducer
AU758272B2 (en) Photovoltaic device, process for production thereof, and zinc oxide thin film
JP2000219512A (ja) 酸化亜鉛薄膜の製造方法、それを用いた光起電力素子の製造方法、及び光起電力素子
JP2002057359A (ja) 積層型太陽電池
JPS627716B2 (ja)
WO2013073045A1 (ja) 太陽電池及び太陽電池の製造方法
JP2000252500A (ja) シリコン系薄膜光電変換装置
US4381233A (en) Photoelectrolyzer
CN117096222A (zh) 正面不设置掺杂硅晶层的联合钝化背接触电池及制备方法
JP4193962B2 (ja) 太陽電池用基板および薄膜太陽電池
JP4193961B2 (ja) 多接合型薄膜太陽電池
EP2599127B1 (en) Multiple-junction photoelectric device and its production process
JP3132516B2 (ja) 太陽電池用透明導電性基体およびこれを用いた太陽電池
JPH06101571B2 (ja) 半導体装置
JP2002208715A (ja) 光起電力素子およびその製造方法
JP3618986B2 (ja) 光起電力素子の製造方法
JP2007088434A (ja) 光起電力素子
JPH0438147B2 (ja)
JPH0510835B2 (ja)
JP2775460B2 (ja) 非晶質太陽電池の製造方法
CN113394309A (zh) 一种太阳能电池及其制备方法
JP2001068708A (ja) 半導体素子、太陽電池素子及び半導体素子の製造方法
JPS5996775A (ja) 非晶質シリコン光電変換装置

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term