JPH0612280U - 車体組立て用クランプ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車体のサイドボディの建付け精度を良化し、
サイドボディをその寸法差を吸収してクランプする。 【構成】 サイドボディの外周面の一部に内接してサイ
ドボディＳの建付け位置を規定する基準受け面６を有
し、組立て時に定位置に保持される位置決めクランプ５
と、基準受け面６側へ押圧された状態で押圧方向側およ
びその反対側への進退動動作可能に設置されかつサイド
ボディＳの外周面の一部に外接して位置決めクランプ５
との間でサイドボディＳを挟持する可動クランプ１５と
を１対とする適数対のクランプ対によってサイドボディ
Ｓをクランプする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は自動車の車体の両サイドボディをフロアパネルやルーフに組み付け て車体を組立てるときにサイドボディをクランプする車体組立て用クランプ装置 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来ではサイドボディをフロアパネルやルーフに組付けるに際し、図３に示す ように、組付け時に搬送ライン上の定位置に保持される内外各１対の固定クラン プａ，ａによってサイドボディｂをクランプしていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記両固定クランプａによってサイドボディｂをクランプする場合にはサイド ボディｂの断面寸法のばらつきによって固定クランプａとサイドボディｂとの間 に隙間が形成されてサイドボディｂの建付け精度が低下し、サイドボディｂに組 付けられるバックドアの端縁と、サイドボディｂの外周面との間の隙間の寸法が 変動したり、サイドボディｂの外周面に凹み傷が発生する問題点がある。 本考案は上記問題点を解消することを課題とするものである。

【０００４】 本考案の車体組立て用クランプ装置はフロアパネルが搬送される搬送ラインの 両側に外方への退避可能に設置された１対の台板にはサイドボディの外周面の一 部に内接してサイドボディの建付け位置を規定する基準受け面を有し、組立て時 に定位置に保持される位置決めクランプと、前記基準受け面側へ押圧された状態 で、押圧方向側およびその反対側への進退動動作可能に設置されかつサイドボデ ィの外周面の一部に外接して前記位置決めクランプとの間でサイドボディを挟持 する可動クランプとを１対とする適数対のクランプ対を取付けた構成を有する。

【０００５】

【作用】 車体のサイドボディを適数対のクランプ対によってクランプするに際し、定位 置に保持される位置決めクランプの基準受け面をサイドボディの外周面の一部に 内接させて位置決めクランプによってサイドボディの建付け位置を規定し、前記 基準受け面側へ押圧された可動クランプをサイドディの断面寸法に合わせて押圧 方向側およびその反対側へ進退動させてサイドボディの外周面の一部に外接させ 、サイドボディをその寸法差を吸収して位置決めクランプと可動クランプとの間 で隙間なく挟止する。

【０００６】

【考案の効果】

本考案は前記したように構成したことによって、サイドボディの断面寸法にば らつきがあっても、可動クランプをサイドボディの断面寸法に合わせて進退動さ せてサイドボディを位置決めクランプと可動クランプとの間で常に隙間なく的確 にクランプすることができ、また、サイドボディを位置決めクランプの基準受け 面によって一定の建付け位置に保持することができるので、サイドボディの建付 け精度および両サイドボディの建付け幅の精度を良化してサイドボディと、サイ ドボディに組付けられるバックドアの端縁との隙間の寸法精度を良化および安定 化することができるとともに、サイドボディの外周面にクランプによる凹み傷が 発生する不具合を解消してサイドボディＳの表面品質を良化することができる。

【０００７】

【実施例】

次に、本考案の１実施例を図１，図２にしたがって説明する。 自動車の車体のうちの両サイドボディＳをフロアパネルＦおよびルーフＲの両 側面にそれぞれ組付ける車体組立て工程において、フロアパネルＦが搬送される 搬送ライン１の両側には左右１対の固定台２が相対向して水平状に設置され、こ の両固定台２の内端には図示しないアクチュエータによってそれぞれ駆動されて 起立し、組立て時に搬送ライン１の両側に外方への退避可能に設置される１対の 台板３が内外方向への回動可能に連結されている。

【０００８】 両台板３にはこの台板３が起立した状態では上下方向へ配列されて水平姿勢で 相対向状に対置される適数個の支持アーム４がそれぞれ直交状で片持ち状に突設 され、本例では４個の支持アーム４が両台板３にそれぞれ取付けられている。

【０００９】 支持アーム４の先端にはサイドボディＳの建付け時に搬送ライン１上の定位置 に保持される位置決めクランプ５が取付けられ、この位置決めクランプ５の先端 にはサイドボディＳの外周面の後端にフロアパネルＦの搬送方向Ａに沿って形成 された第１の当り面Ｓ１に対接した状態でサイドボディＳの外周面の一部に内接 して、搬送方向Ａを直交する方向に対するサイドボディＳの建付け位置を規定し かつ両サイドボディＳの建付け幅を規定する基準受け面６が形成されるとともに 、位置決めクランプ５の先端にはサイドボディＳの外周面の後部に搬送方向Ａと 直交状に形成された第２，第３の当り面Ｓ２，Ｓ３に対接してサイドボディＳを 搬送方向Ａに対して位置決めする前位置決め面７および後位置決め面８が形成さ れている。

【００１０】 台板３の内側面には支持アーム４に対向してブラケット９が取着され、このブ ラケット９の支持アーム４側の端部に台板３と並行状に形成されたスプリング受 け９ａにはピン状の押圧部材１０が軸方向へのスライド可能に貫挿支持されてい る。

【００１１】 押圧部材１０の頭部１０ａとスプリング受け９ａとの間には押圧部材１０を位 置決めブラケット５の基準受け面６側へ押圧するスプリング１１が挟み込まれる とともに、押圧部材１０の基端部にはスプリング１１の押圧力を調整する調整ナ ット１２と、この調整ナット１２をロックするロックナット１３とが隣接して螺 嵌されている。

【００１２】 ブラケット９の反支持アーム４側の端部にはサイドボディＳの外周面一部に外 接してサイドボディＳを位置決めクランプ５との間で挟持する可動クランプ１５ が支軸１４を介して位置決めクランプ５側およびその反対側への回動可能に連結 されている。

【００１３】 可動クランプ１５の先端付近には押圧部材１０の頭部１０ａが圧接され、可動 クランプ１５はスプリング１１の弾発力によって基準受け面６側へ押圧された状 態で押圧方向側およびその反対側への進退動動作可能に設置され、可動クランプ １５の位置決めクランプ５側の端面にはサイドボディＳの外板の外側面に形成さ れた第４の当り面Ｓ４に圧接して第１の当り面Ｓ１を基準受け面６に押しつける 押圧面１６が搬送方向Ａとほぼ並行状に形成されている。

【００１４】 両台板３には位置決めクランプ５と可動クランプ１５とを１対とする４対のク ランプ対がそれぞれ取付けられ、４対のクランプ対のうちの２対のクランプ対は ベルトラインに相当する高さより上方に配設され、他の２対のクランプ対はベル トラインに相当する高さより下方に配設されている。

【００１５】 サイドボディＳは台板３が外方へ回動して退避した状態で各クランプ対によっ てクランプされ、この状態で台板３が内方へ回動してサイドボディＳが建付け位 置にセットされる。

【００１６】 続いて、上記した構成をもつ実施例の作用と効果を説明する。 本例ではフロアパネルＦが搬送される搬送ライン１の両側に外方への退避可能 に設置された１対の台板３にはサイドボディＳの外周面の一部に内接してサイド ボディＳの建付け位置を規定する基準受け面６を有し、組立て時に定位置に保持 される位置決めクランプ５と、基準受け面６側へ押圧された状態で、押圧方向側 およびその反対側への進退動動作可能に設置されかつサイドボディＳの外周面の 一部に外接して位置決めクランプ５との間でサイドボディＳを挟持する可動クラ ンプ１５とを１対とする適数対のクランプ対を取付けてある。

【００１７】 このため、サイドボディＳの断面寸法にばらつきがあっても、可動クランプ１ ５をサイドボディＳの断面寸法に合わせて進退動させてサイドボディＳを位置決 めクランプ５との間で常に隙間なく的確にクランプすることができ、また、サイ ドボディＳを位置決めクランプ５の基準受け面６によって一定の建付け位置に保 持することができるので、サイドボディＳの建付け精度および両サイドボディＳ の建付け幅の精度を良化してサイドボディＳの第１の当り面Ｓ１と、サイドボデ ィＳに組付けられるバックドアＤの端縁Ｄ１との隙間Ｔの寸法精度を良化および 安定化することができるとともに、サイドボディＳの外周面にクランプによる凹 み傷が発生する不具合を解消してサイドボディＳの表面品質を良化することがで きる。

【００１８】 なお、上記実施例では可動クランプ１５をスプリング１１によって押圧するよ うに構成したが、スプリングに変えてエアシリンダ等によって可動クランプ１５ を押圧するようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例を示すクランプ装置の要部の
平面図である。

【図２】同じく、クランプ装置の正面図である。

【図３】従来のクランプ機構の略体横断面図である。

【符号の説明】

１ 搬送ライン ３ 台板 ５ 位置決めクランプ ６ 基準受け面 １５ 可動クランプ Ｓ サイドボディ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フロアパネルが搬送される搬送ラインの
   両側に外方への退避可能に設置された１対の台板にはサ
   イドボディの外周面の一部に内接してサイドボディの建
   付け位置を規定する基準受け面を有し、組立て時に定位
   置に保持される位置決めクランプと、前記基準受け面側
   へ押圧された状態で、押圧方向側およびその反対側への
   進退動動作可能に設置されかつサイドボディの外周面の
   一部に外接して前記位置決めクランプとの間でサイドボ
   ディを挟持する可動クランプとを１対とする適数対のク
   ランプ対を取付けたことを特徴とする車体組立て用クラ
   ンプ装置。