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JPH06116480A - エラストマー組成物 - Google Patents

エラストマー組成物

Info

Publication number
JPH06116480A
JPH06116480A JP29400692A JP29400692A JPH06116480A JP H06116480 A JPH06116480 A JP H06116480A JP 29400692 A JP29400692 A JP 29400692A JP 29400692 A JP29400692 A JP 29400692A JP H06116480 A JPH06116480 A JP H06116480A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
acid
compound
lithium
elastomer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29400692A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaaki Motai
政明 馬渡
Hiroshi Sakiyama
博史 崎山
Kenju Furuyama
建樹 古山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Synthetic Rubber Co Ltd filed Critical Japan Synthetic Rubber Co Ltd
Priority to JP29400692A priority Critical patent/JPH06116480A/ja
Publication of JPH06116480A publication Critical patent/JPH06116480A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 帯電防止性および成形品表面外観に優れ、広
範囲に使用可能なエラストマー組成物を提供する。 【構成】 (A)ポリアミド成分および/またはポリエ
ステル成分からなるハードセグメント10〜90重量%
と、(B)ポリ(アルキレンオキシド)グリコール成分
からなるソフトセグメント90〜10重量%とを用い、
リチウム化合物の存在下に製造して得られるブロック共
重合体エラストマーを主成分とする組成物であって、か
つ該組成物中にリチウム化合物がリチウム原子換算で1
0〜50,000ppm含有されてなるエラストマー組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、帯電防止性能および成
形品表面外観に優れたエラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリアミド成分をハードセグメン
トとし、ポリエチレングリコールをソフトセグメントと
するブロック共重合体は、熱可塑性エラストマー(ポリ
アミドエラストマー)として幅広い分野に使用されてい
る。このポリアミドエラストマーは、ABS樹脂、耐衝
撃性ポリスチレンなどのスチレン系樹脂に較べると表面
固有抵抗が低く、また帯電防止性能が優れるという特徴
を有している。しかしながら、この材料の帯電防止性能
は、使用する分野によっては充分ではなく、IC関連な
どの高度な帯電防止性能が要求される分野などには充分
ではなく、その使用分野には制限がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、帯電防止性能および
成形品表面外観に優れ、広範囲に使用可能なエラストマ
ー組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)ポリア
ミド成分および/またはポリエステル成分からなるハー
ドセグメント10〜90重量%と、(B)ポリ(アルキ
レンオキシド)グリコール成分からなるソフトセグメン
ト90〜10重量%とを用い、リチウム化合物の存在下
に製造して得られるブロック共重合体エラストマーを主
成分とする組成物であって、かつ該組成物中にリチウム
化合物がリチウム原子換算で10〜50,000ppm
含有されてなるエラストマー組成物を提供するものであ
る。
【0005】本発明に用いられるブロック共重合体エラ
ストマーは、ポリアミドおよび/またはポリエステル成
分をハードセグメントとし、ポリ(アルキレンオキシ
ド)グリコール成分をソフトセグメントとするブロック
共重合体である。
【0006】(A)ハードセグメントとして使用される
ポリアミド成分としては特に制限はなく、例えばエチレ
ンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジア
ミン、2,3,4もしくは2,4,4−トリメチルヘキ
サメチレンジアミン、1,3もしくは1,4−ビス(ア
ミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロ
ヘキシル)メタン、m−キシリレンジアミン、p−キシ
リレンジアミンなどの脂肪族、脂環族、または芳香族ジ
アミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シク
ロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸
などの脂肪族、脂環族、または芳香族ジカルボン酸とか
ら導かれるポリアミド;カプロラクタム、ラウロラクタ
ムなどのラクタム類の開環重合によって得られるポリア
ミド;ω−アミノカプロン酸、ω−アミノエナン酸、ア
ミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミ
ノカルボン酸などから導かれるポリアミド;これらの共
重合ポリアミド;さらにはこれらの混合ポリアミドなど
挙げられる。好ましいポリアミド成分は、ナイロン6、
ナイロン6,6である。
【0007】また、他方の(A)ハードセグメントとし
て使用されるポリエステル成分としては、ジカルボン酸
化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシカルボン
酸化合物の重縮合、ラクトン化合物の開環重縮合、ある
いはこれらの各成分の混合物の重縮合などによって得ら
れるポリエステルであり、ホモポリエステル、コポリエ
ステルのいずれも本発明において使用することができ
る。
【0008】このうち、ジカルボン酸化合物としては、
テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカ
ルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸など、およ
びこれらのアルキル、アルコキシ、またはハロゲン置換
体などが挙げられる。なお、これらのジカルボン酸化合
物は、エステル形成可能な誘導体、例えばジメチルエス
テルのような低級アルコールエステルの形で使用するこ
とも可能である。これらのジカルボン酸化合物は、単独
でまたは2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0009】また、ジヒドロキシ化合物としては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ブテンジオール、ハイド
ロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、シクロヘキサンジオール、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンなどが挙げられ、ポリオキシ
アルキレングリコールおよびこれらのアルキル、アルコ
キシまたはハロゲン置換体も含まれる。これらのジヒド
ロキシ化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用
いることができる。
【0010】さらに、オキシカルボン酸化合物として
は、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸、ジフェニレン
オキシカルボン酸などが挙げられ、これらのアルキル、
アルコキシおよびハロゲン置換体も含まれる。これらの
オキシカルボン酸化合物は、単独でまたは2種以上組み
合わせて用いることができる。
【0011】さらに、ラクトン化合物としては、ε−カ
プロラクトンなどが挙げられる。好ましいポリエステル
成分は、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテ
レフタレートなどが挙げられる。
【0012】(A)成分の分子量は特に規定されない
が、ポリアミドエラストマーの場合、還元粘度
(ηsp/c)(ギ酸溶液中、0.5g/100ml、25
℃で測定)は、0.5〜3.0が好ましい。また、
(a)成分がポリエステルエラストマーの場合には、極
限粘度〔η〕(o−クロロフェノール、35℃で測定)
は、0.5〜2.5が好ましい。
【0013】本発明に使用される(A)成分は、エラス
トマー中に10〜90重量%、好ましくは20〜80重
量%、さらに好ましくは30〜80重量%であり、10
重量%未満では成形品表面外観が劣り、一方90重量%
を超えると帯電防止性能が劣る。
【0014】次に、本発明に使用されるエラストマーを
構成する(B)成分であるポリ(アルキレンオキシド)
グリコール成分としては、ポリエチレングリコール、ポ
リ(1,2もしくは1,3−プロピレンオキシド)グリ
コール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、
ポリ(ヘキサメチレンオキシド)グリコール、エチレン
オキシドとプロピレンオキシドのブロックまたはランダ
ム共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランと
のブロックまたはランダム共重合体などが挙げられ、こ
れらの両末端をアミノ化、カルボキシル化、エポキシ化
して用いてもよい。これらの(B)成分の中では、帯電
防止性の観点からポリエチレングリコールが好ましい。
【0015】(B)成分の分子量は、数平均分子量で2
00〜20,000〜好ましくは300〜10,00
0、さらに好ましくは300〜4,000である。本発
明に使用される(B)成分は、エラストマー中に90〜
10重量%、好ましくは80〜20重量%、さらに好ま
しくは70〜20重量%であり、90重量%を超えると
成形品表面外観が劣り、一方10重量%未満では帯電防
止性能が劣る。
【0016】本発明に使用されるブロック共重合体エラ
ストマーは、公知の重合法、公知の重合触媒を用いて製
造することができる。好ましい重合法は、溶融重合であ
る。具体例を挙げれば、(A)成分のポリアミド成分を
重合したのち、ジカルボン酸化合物を添加し、ポリアミ
ド成分の両末端をカルボン酸にし、(B)成分であるポ
リエチレングリコールを添加重合し、ポリアミドエラス
トマーを得る方法、ポリアミド生成成分と過剰のジカル
ボン酸化合物、ポリエチレングリコールを規定量一括添
加重合し、ポリアミドエラストマーを得る方法、ポリア
ミドエラストマー製造方法において、ポリアミド成分を
前記ポリエステル成分に代えて製造することにより、ポ
リエステルエラストマーを得る方法などが挙げられる。
以上のブロック共重合体エラストマーは、1種単独であ
るいは2種以上併用される。
【0017】次に、本発明に使用されるリチウム化合物
としては、例えばLiCl、LiBr、LiI、LiS
CN、LiBF4 、LiAsF6 、LiClO4 、Li
CF3 SO3 、LiC6 12SO3 、LiHgI2 、L
iAlH4 、LiBH4 、Li2 CO3 、Li3 6
5 7 ・4H2 O、LiF、LiOH・H2 O、LiN
3 、Li3 PO4 、Li2 SO4 ・H2 O、LiB4
7 などの無機化合物のほか、カルボキシル基、フェノ
ール基、スルホン酸基、リン酸基、亜リン酸基などの酸
基を有する有機化合物のリチウム塩を用いることがで
き、これらの例としてラウリル酸リチウム、ステアリン
酸リチウム、ロジン酸リチウムなどが挙げられる。これ
らのリチウム化合物のうち、好ましいリチウム化合物
は、水酸化リチウム(LiOH・H2 O)、塩化リチウ
ム(LiCl)である。リチウム化合物は、単独である
いは2種以上併用することができる。
【0018】このリチウム化合物は、本発明に用いられ
るブロック共重合体エラストマーの製造時に存在させる
ことが必要であり、例えば該エラストマーの成形時に射
出成形機に添加しても本発明の目的を達成することはで
きない。ここで、リチウム化合物の存在下にブロック共
重合体エラストマーを製造するには、該エラストマーの
重合前、重合中、あるいは重合後エラストマーの分離・
回収前に、該リチウム化合物を一括または分割して添加
すればよい。また、このリチウム化合物の添加方法とし
ては、そのまま添加してもよく、重合成分にあらかじめ
溶解して添加してもよく、さらには別の溶媒に溶解して
添加してもよい。
【0019】リチウム化合物の使用量は、本発明のブロ
ック共重合体エラストマー中に、リチウム原子換算で1
0〜50,000ppm、好ましくは10〜5,000
ppm、さらに好ましくは50〜1,000ppmであ
る。その使用量が10ppm未満では帯電帯電防止性能
が劣り、一方50,000ppmを超えると成形品の表
面外観が劣るものとなる。
【0020】本発明のエラストマー組成物(以下「エラ
ストマー組成物(I)」ということがある)は、優れた
帯電防止性および成形品表面外観を有するが、さらに要
求される性能に応じて他の熱可塑性樹脂(以下「他の熱
可塑性樹脂(II) 」ということがある)を配合して用い
ることもできる。この他の熱可塑性樹脂としては、例え
ばABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂、MBS樹脂、A
AS樹脂、MS樹脂、HIPS、ポリスチレンなどのス
チレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオ
レフィン系樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリエチレ
ン樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリスル
ホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテ
ル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、フッ化
ビニリデン重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体など
が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上併用する
ことができる。
【0021】他の熱可塑性樹脂としては、好ましくはス
チレン系樹脂、オレフィン系樹脂、さらに好ましくはス
チレン系樹脂である。このスチレン系樹脂の中でも、ゴ
ム質重合体の存在下または非存在下に芳香族ビニル化合
物または芳香族ビニル化合物および他の単量体からなる
単量体成分を重合してなるものが特に好ましい。
【0022】ここで、ゴム質重合体としては、ポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエン共重合体(スチレン含量
5〜60重量%が好ましい)、スチレン−イソプレン共
重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチ
レン−α−オレフィン共重合体、エチレン−α−オレフ
ィン−ポリエン共重合体、アクリルゴム、ブタジエン−
アクリル共重合体、ポリイソプレン、スチレン−ブタジ
エンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック
共重合体、水素化スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、水素化ブタジエン系重合体、エチレン系アイオノマ
ーなどが挙げられる。このうち、スチレン−ブタジエン
ブロック共重合体およびスチレン−イソプレンブロック
共重合体には、AB型、ABA型、テーパー型、あるい
はラジアルテレブロック型の構造を有するものが含まれ
る。また、水素化ブタジエン系重合体は、前記ブロック
共重合体の水添物のほか、スチレン重合体とスチレン−
ブタジエンランダム共重合体とのブロック体の水添物、
ブタジエン部分の1,2−ビニル結合が20重量%以下
のブロックと1,2−ビニル結合が20重量%を超える
ポリブタジエンからなるブロック重合体の水添物などが
挙げられる。前記ゴム質重合体の使用量は特に規定され
ないが、スチレン系樹脂中に好ましくは3〜70重量%
である。
【0023】また、芳香族ビニル化合物としては、スチ
レン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、ビニルキ
シレン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノ
ブロムスチレン、ジブロムスチレン、p−t−ブチルス
チレン、エチルスチレン、ビニルナフタレン、o−メチ
ルスチレン、ジメチルスチレンなどであり、これらは1
種でも2種以上を併用することもできる。これらの芳香
族ビニル化合物のうち、好ましく用いられる芳香族ビニ
ル化合物としてはスチレンであり、2種以上の芳香族ビ
ニル化合物を併用する場合も、スチレンを40重量%以
上の割合で用いることが好ましい。
【0024】この芳香族ビニル化合物と共重合可能な他
の単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニト
リルなどのビニルシアン化合物、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルア
クリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレー
ト、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、シクロヘキシルアクリレートなどのアクリル酸
アルキルエステル、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シク
ロヘキシルメタクリレートなどのメタクリル酸アルキル
エステル、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エ
チルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロ
ヘキシルマレイミドなどのマレイミド化合物、グリシジ
ルメタクリレート、アリルグリシジルエーテルなどのエ
ポキシ基含有不飽和化合物、アクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸、マレイン酸などの不飽和酸、無水マレ
イン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸などの不飽
和カルボン酸無水物、アクリルアミン、メタクリル酸ア
ミノエチル、メタクリル酸アミノプロピル、アミノスチ
レンなどのアミノ基含有不飽和化合物、3−ヒドロキシ
−1−プロペン、4−ヒドロキシ−1−ブテン、シス−
4−ヒドロキシ−2−ブテン、トランス−4−ヒドロキ
シ−2−ブテン、3−ヒドロキシ−2−メチル−1−プ
ロペン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートなどの水酸基含有不飽和化
合物、およびアクリルアミド、ビニルオキサゾリンなど
が挙げられ、これらの化合物は1種または2種以上で使
用される。
【0025】上記単量体成分(芳香族ビニル化合物ある
いは芳香族ビニル化合物およびこれと共重合可能な他の
ビニル単量体)として好ましいものは、耐衝撃性の面か
ら芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物とからな
る単量体混合物であり、好ましい比率は、芳香族ビニル
化合物/シアン化ビニル化合物=80〜60/20〜4
0重量%である。芳香族ビニル化合物と他の単量体の
(共)重合体は、前記ゴム質重合体の存在下に重合した
もの、非存在下に重合したものがあるが、これらを混合
して用いることもできるし、単独で用いることもでき
る。
【0026】本発明に使用されるスチレン系樹脂は、ゴ
ム質重合体の存在下または非存在下に前記単量体成分を
乳化重合、溶液重合、懸濁重合などによって製造され
る。また、この際、重合に用いられる重合開始剤、分子
量調節剤、乳化剤、分散剤、溶媒などとしては、通常、
これらの重合法で用いられるものをそのまま用いること
が可能である。スチレン系樹脂の製造方法の好ましい方
法としては、乳化重合により得られるゴム質重合体の存
在下に、芳香族族ビニル化合物(および他の単量体)か
らなる単量体成分および追加の乳化剤、重合開始剤を用
い、一般に重合温度30〜150℃、重合時間1〜15
時間、重合圧力−1.0〜5.0kg/cm2 の条件下
でグラフト共重合して得られるグラフト共重合体(ただ
し、未グラフトのビニル系重合体を含む)と、乳化重合
もしくは溶液重合により得られるビニル系重合体とを混
合することによって製造する。
【0027】スチレン系樹脂は、このようにゴム質重合
体の存在下に単量体成分をグラフト重合したものの方
が、耐衝撃性の面から好ましい。また、この場合、グラ
フト率は、好ましくは20〜200重量%である。スチ
レン系樹脂のメチルエチルケトン可溶分の固有粘度(メ
チルエチルケトン中、30℃で測定)は、0.3〜1.
5が好ましい。
【0028】本発明のエラストマー組成物(I)に以上
のような他の熱可塑性樹脂(II) を配合する場合、その
配合割合は、帯電防止性、耐衝撃性、剛性などのバラン
スの面から、(I)/(II) =2〜60/98〜40重
量%の範囲が好ましい。
【0029】なお、本発明のエラストマー組成物(I)
に他の熱可塑性樹脂(II) を配合する場合、(I)成分
と(II) 成分との相溶性を向上させる相溶化剤を使用す
ることができる。好ましい相溶化剤としては、前記スチ
レン系樹脂の一部に水酸基、エポキシ基、カルボキシル
基、酸無水物基、アミノ基、オキサゾリン基などの官能
基を含有するビニル系単量体を共重合したスチレン系樹
脂、あるいはα−オレフィンと該官能基含有ビニル系単
量体との共重合体などが挙げられる。これらの官能基の
うち、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基が好まし
く、特に水酸基が好ましい。
【0030】また、このような官能基を含有する相溶化
剤を用いる場合は、スチレン系樹脂中の単量体成分とし
て、芳香族ビニル化合物ならびに(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステルおよび/またはシアン化ビニル化合物
に、前記官能基含有ビニル系単量体を組み合わせたもの
を用いるのが好ましい。官能基含有ビニル系単量体の共
重合量は、スチレン系樹脂中に0.5〜30重量%であ
る。また、官能基含有ビニル系単量体の使用量は、
(I)〜(II) 成分からなる組成物中に好ましくは0.
5〜30重量%、好ましくは1〜25重量%である。
【0031】本発明のエラストマー組成物、あるいは
(I)〜(II) 成分からなる組成物(以下、これらを総
称し、単に「組成物」ということがある)の使用に際し
ては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ガラスビー
ズ、ガラス粉、ワラストナイト、ロックフィラー、炭酸
カルシウム、タルク、マイカ、ガラスフレーク、カオリ
ン、硫酸バリウム、黒鉛、二硫化モリブデン、酸化マグ
ネシウム、酸化亜鉛ウイスカー、チタン酸カリウムウイ
スカーなどの充填剤を、単独または併用して用いること
ができる。これらの充填剤のうち、ガラス繊維、炭素繊
維の形状としては、6〜60μmの繊維径と30μm以
上の繊維長を有するものが好ましい。これらの充填剤
は、前記100重量部に対して2〜150重量部程度用
いられる。また、本発明の組成物には、そのほか公知の
抗菌・防カビ剤、難燃剤、酸化防止剤、可塑剤、着色
剤、滑剤などを添加物として配合することもできる。
【0032】本発明の組成物は、各種押し出し機、バン
バリーミキサー、ニーダー、ロールなど、好ましくは押
し出し機を用い、各成分を混練りすることによって得る
ことができる。各成分を混練りするに際し、各成分を一
括して混練りしてもよく、また多段添加方式で混練りし
てもよい。本発明の組成物は、射出成形、シート押し出
し、真空成形、異形成形、発泡成形などによって各種成
形品となすことができる。このようにして得られる成形
品は、その優れた性質を利用して家電製品の各種部品、
ハウジング、および電気・電子分野、自動車分野の各種
部品、ハウジング、雑貨などに有用である。
【0033】
【実施例】以下、実施例を挙げ、本発明をさらに具体的
に説明する。なお、実施例中、部および%は、特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例における各種の
測定は、下記に従って測定した。
【0034】帯電防止性 表面固有抵抗;直径100mm、厚み2mmの円板を
成形し、23℃×相対湿度50%で7日間状態調節した
のち、横河ヒューレット・パッカード(株)製、432
9A型超絶縁抵抗計を用いて表面固有抵抗を測定した。 帯電圧 前記の円板から、40mm×40mmの試験片を切り
出し、宍戸静電気(株)製、スタティックオネストメー
ターを用いて印加電圧10kVで30秒間印加後の帯電
圧を測定した。
【0035】成形品表面外観 射出成形機を用いて平板を成形し、成形品の表面外観を
下記の評価基準で目視評価した。 ○;平滑であり良好 ×;成形品表面にムラ、凹凸などがあり、不良耐衝撃性 ASTM D256に従って、厚み1/4″、ノッチ付
き、23℃でアイゾット衝撃強度を測定した。
【0036】参考例(各成分の調製)重合体(a)−1 ε−カプロラクタムの開環重縮合によりナイロン6の重
合体ブロックを得たのち、アジピン酸で両末端をカルボ
ン酸になしたのち、数平均分子量1,540のポリエチ
レングリコール(PEG1540)と水酸化リチウムを
添加重合し、ポリエーテルエステルアミドエラストマー
である重合体(a)−1を得た。重合体(a)−1のポ
リアミド成分とポリエチレングリコール成分の比は約5
0/50(%)であり、ギ酸を用い25℃、濃度0.5
g/100mlで測定した還元粘度は1.8であった。
また、DSC(示差熱分析)で測定した重合体の融点
は、205℃であった。
【0037】重合体(a)−2〜(a)−11 重合体(a)−1の製造方法において、ハードセグメン
ト、ソフトセグメントの量、リチウム化合物の使用量を
変えて、重合体(a)−2〜(a)−11を得た。結果
を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】重合体(b)−1〜3 乳化重合により、表2のスチレン系樹脂を得た。
【0040】
【表2】
【0041】*)固形分換算 実施例1〜8、比較例1〜5 前記各種重合体を、水分量0.1%以下に乾燥し、重合
体(b)〜1−(b)−11については、射出成形機で
評価用の試験片を成形し、前記評価方法で帯電防止性能
を評価した。結果を表3に示す。また、スチレン系樹脂
との組成物は、表3に示した配合割合で配合し、ベント
付二軸押出機を用い、溶融混練りし、ペレット化した。
得られたペレットを、水分量0.1%以下まで乾燥し、
帯電防止性能と耐衝撃性を評価した。また、重合体
(a)−7にリチウム原子換算で100ppmになるよ
うに水酸化リチウムを二軸押出機で混練りしたものを比
較例5に示した。結果を併せて表3に示す。
【0042】比較例6 重合体(a)−1の製造において、水酸化リチウムを存
在させずに重合し、重合体(a)−12を得た。この重
合体(a)−12に、水酸化リチウム12ppmを混合
し、実施例8と同様にスチレン系樹脂に配合して成形
し、評価した結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】表3から明らかなように、実施例1〜7
は、本発明のエラストマー組成物に係わるものであり、
帯電防止性能、成形品表面外観に優れている。また、実
施例8は、本発明のエラストマー組成物にスチレン系樹
脂を配合した組成物であり、帯電防止性能、成形品表面
外観に優れるうえ、耐衝撃性にも優れていることが分か
る。
【0045】これに対し、比較例1は、リチウム化合物
の使用量が本発明の範囲外で少ない場合であり、帯電防
止性能が劣る。比較例2は、リチウム化合物の使用量が
本発明の範囲外で多い場合であり、成形品表面外観が劣
る。比較例3は、エラストマーのハードセグメント量が
本発明の範囲外で少なく、ソフトセグメントの量が本発
明の範囲外で多いものであり、成形品表面外観が劣る。
比較例4は、比較例3とは逆にハードセグメントの量が
多く、ソフトセグメントの量が少ない例であり、成形品
表面外観と帯電防止性能に劣る。比較例5は、重合体
(a)−7に水酸化リチウムを後から配合した例であ
り、重合体製造時に存在させなかったため、帯電防止性
能および成形品表面外観に劣る。比較例6は、重合体
(a)−12に水酸化リチウムを後から配合した例であ
り、重合体製造時に存在させなかったため、帯電防止性
能および成形品表面外観に劣る。
【0046】
【発明の効果】本発明のエラストマー組成物、あるいは
これに他の熱可塑性樹脂を配合した組成物は、帯電防止
性能および成形品の表面外観に優れ、家電製品の各種部
品、ハウジング、および電気・電子分野、自動車分野の
各種部品、ハウジング、雑貨などに有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリアミド成分および/またはポ
    リエステル成分からなるハードセグメント10〜90重
    量%と、(B)ポリ(アルキレンオキシド)グリコール
    成分からなるソフトセグメント90〜10重量%とを用
    い、リチウム化合物の存在下に製造して得られるブロッ
    ク共重合体エラストマーを主成分とする組成物であっ
    て、かつ該組成物中にリチウム化合物がリチウム原子換
    算で10〜50,000ppm含有されてなるエラスト
    マー組成物。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0896109A (ja) * 1994-09-23 1996-04-12 Elf Atochem Sa 帯電防止カード
JP2002226704A (ja) * 2001-02-06 2002-08-14 Riken Technos Corp 制電性組成物
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