JPH0584305B2 - - Google Patents
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- Publication number
- JPH0584305B2 JPH0584305B2 JP435786A JP435786A JPH0584305B2 JP H0584305 B2 JPH0584305 B2 JP H0584305B2 JP 435786 A JP435786 A JP 435786A JP 435786 A JP435786 A JP 435786A JP H0584305 B2 JPH0584305 B2 JP H0584305B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cyanoisophorone
- acetal
- reaction
- solvent
- ethylene
- Prior art date
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
<産業上の利用分野>
本発明はシアノイソホロンのアセタールを酸触
媒により加水分解することで、シアノイソホロン
を製造する方法に関するものである。 シアノイソホロン(3−シアノ−3,5,5−
トリメチルヘキサノンとも言う。)は、さらに水
素添加とアミノ化してエポキシ硬化剤、ポリウレ
タン塗料等の原料として有用な化合物である。 <従来技術> シアノイソホロンの合成は既に知られており、
例えば、特開昭40−7486、特開昭56−71057、特
開昭57−116038などに記載された方法によつて合
成することができる。これら既知合成法は、いず
れもイソホロンと青酸化合物との付加反応によつ
てシアノイソホロンを得るものである。 <発明が解決しようとする問題点> ところで、これ等を追試検討するうち、特開昭
57−116038のように、溶媒としてエチレングリコ
ール等のグリコール系溶倍を使用するとき、実際
にはシアノイソホロンの生成とともに、シアノイ
ソホロンのアセタールの副生が見られた。 この現象は、シアノイソホロンの反応粗液の後
処理工程において共存するエチレングリコール等
のグリコール類が、中和剤として使用される酸の
触媒作用によつてアセタール化をする為と考えら
れる。シアノイソホロンのアセタールの副生はイ
ソホロンの使用率を悪化させ、又、不純物として
シアノイソホロン中に存在するが故に得られたシ
アノイソホロンの用途を制限し、精製の為の工程
が必要となる。 そこで本発明者は、シアノイソホロンのアセタ
ールをシアノイソホロンへ変換する方法で、しか
もシアノイソホロンとシアノイソホロンのアセタ
ールとの混合物を分離することなく、一挙に高純
度のシアノイソホロンにすることの可能な方法に
つき鋭意研究をし、結果として本発明を完成する
に到つた。 <問題点を解決するための手段> 即ち、本発明は下記一般式で表わされるシアノ
イソホロンのアセタール及びこれを含有する混合
物を酸触媒で加水分解せしめることを特徴とする
シアノイソホロンの製造法である。
媒により加水分解することで、シアノイソホロン
を製造する方法に関するものである。 シアノイソホロン(3−シアノ−3,5,5−
トリメチルヘキサノンとも言う。)は、さらに水
素添加とアミノ化してエポキシ硬化剤、ポリウレ
タン塗料等の原料として有用な化合物である。 <従来技術> シアノイソホロンの合成は既に知られており、
例えば、特開昭40−7486、特開昭56−71057、特
開昭57−116038などに記載された方法によつて合
成することができる。これら既知合成法は、いず
れもイソホロンと青酸化合物との付加反応によつ
てシアノイソホロンを得るものである。 <発明が解決しようとする問題点> ところで、これ等を追試検討するうち、特開昭
57−116038のように、溶媒としてエチレングリコ
ール等のグリコール系溶倍を使用するとき、実際
にはシアノイソホロンの生成とともに、シアノイ
ソホロンのアセタールの副生が見られた。 この現象は、シアノイソホロンの反応粗液の後
処理工程において共存するエチレングリコール等
のグリコール類が、中和剤として使用される酸の
触媒作用によつてアセタール化をする為と考えら
れる。シアノイソホロンのアセタールの副生はイ
ソホロンの使用率を悪化させ、又、不純物として
シアノイソホロン中に存在するが故に得られたシ
アノイソホロンの用途を制限し、精製の為の工程
が必要となる。 そこで本発明者は、シアノイソホロンのアセタ
ールをシアノイソホロンへ変換する方法で、しか
もシアノイソホロンとシアノイソホロンのアセタ
ールとの混合物を分離することなく、一挙に高純
度のシアノイソホロンにすることの可能な方法に
つき鋭意研究をし、結果として本発明を完成する
に到つた。 <問題点を解決するための手段> 即ち、本発明は下記一般式で表わされるシアノ
イソホロンのアセタール及びこれを含有する混合
物を酸触媒で加水分解せしめることを特徴とする
シアノイソホロンの製造法である。
【式】
式中、R、R′は炭素数が1〜3個を有し、且
つ、同一の直鎖あるいは分枝の低級アルキル基、
又は両者で環を形成する直鎖あるいは分枝のポリ
メチレン基を示す。 次に、さらに詳しく本発明を説明する。 本発明における出発原料であるシアノイソホロ
ンのアセタールとしては、前記一般式で表わさ
れ、対応するケトンとアルコール2分子又は対応
するケトンとジオールを酸触媒の存在下で脱水縮
合させることにより用意に入手可能である。 具体的にはジメチルアセタール、ジエチルアセ
タール、エチレンアセタール、プロピレンアセタ
ール、メチルエチレンアセタール等の非環状並び
に環状アセタールが挙げられる。 又、シアノイソホロンのアセタールを含有する
混合物としては、グリコール系溶媒を使用したイ
ソホロンと青酸からのシアノイソホロンの合成
(例えば、特開昭57−116038等)から得られる反
応混合物が対照となる。 酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱
酸;カチオン型イオン交換樹脂;又はパラトルエ
ンスルホン酸等の有機酸が挙げられ、その使用量
は触媒量程度、通常出発原料に対し、約0.1〜1.0
%の範囲で用いられる。 本発明の方法を実施するに当つては、通常出発
原料及び溶媒を反応温度に維持し、これに酸触媒
を投入し、反応させて目的物を取得する回分式操
作によつて実施される。 反応溶媒はメタノール、エタノール等のアルコ
ール系溶媒(5重量%以下の含水でも可。)が選
ばれ、その使用量は通常出発原料に対し、約2〜
20倍の範囲で用いられる。反応温度は室温から溶
媒の沸点まで任意に実施できる。 反応終了後のシアノイソホロンの単離精製は、
溶媒を留去し、シアノイソホロンを蒸溜すること
によつて容易に行なうことが出来、イオン交換樹
脂触媒の場合は、過後溶媒の留去のみで充分次
工程の使用に供せられるシアノイソホロンが得ら
れる。 <実施例> 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 撹拌機、冷却器、温度計及び滴下漏斗を備えた
反応装置に、シアノイソホロンのエチレンアセタ
ール30gを1%含水メタノール200mlに溶解し、
濃硫酸2滴を添加して室温で撹拌した。12時間後
の反応粗液のガスクロマトグラフイー分析により
シアノイソホロンのエチレンアセタールの完全消
失(転化率100.0%)とシアノイソホロン及びエ
チレングリコールの生成が確認された。その他の
副生物は確認されなかつた。 得られた反応粗液はロータリーエバポレーター
を用いて減圧下(50mmHg、湯浴温度40℃)で溶
媒を留去した後、残渣として得られた白色結晶24
gを、10段の多孔板塔を用いて減圧下(10mmHg)
蒸溜することにより溜分(128〜130℃)のシアノ
イソホロン22g(収率93.2%)を得た。 実施例 2 シアノイソホロンのエチレンアセタール30gを
1%含水エタノール200mlに溶解し、カチオン交
換樹脂(ダイアイオン、三菱化成(株)製)1.0gを
加えて室温で撹拌した。24時間後、反応粗液中の
シアノイソホロンのエチレンアセタールの完全消
失とシアノイソホロンの生成が確認された。 実施例 3 反応温度が加熱還流下である以外は、実施例1
と同様にして反応を行なつたところ、3〜4時間
後、シアノイソホロンのエチレンケタールの転化
率は100.0%であつた。 実施例 4 出発原料がシアノイソホロンとシアノイソホロ
ンのエチレンアセタールの混合物(96:4)であ
る以外は実施例1と同様にして反応を行なつたと
ころ、1時間後反応粗液中のシアノイソホロンの
エチレンケタールは全て消失し、シアノイソホロ
ン及び加水分解によつて生じたエチレングリコー
ルの混合物に変化していることが確認された。
つ、同一の直鎖あるいは分枝の低級アルキル基、
又は両者で環を形成する直鎖あるいは分枝のポリ
メチレン基を示す。 次に、さらに詳しく本発明を説明する。 本発明における出発原料であるシアノイソホロ
ンのアセタールとしては、前記一般式で表わさ
れ、対応するケトンとアルコール2分子又は対応
するケトンとジオールを酸触媒の存在下で脱水縮
合させることにより用意に入手可能である。 具体的にはジメチルアセタール、ジエチルアセ
タール、エチレンアセタール、プロピレンアセタ
ール、メチルエチレンアセタール等の非環状並び
に環状アセタールが挙げられる。 又、シアノイソホロンのアセタールを含有する
混合物としては、グリコール系溶媒を使用したイ
ソホロンと青酸からのシアノイソホロンの合成
(例えば、特開昭57−116038等)から得られる反
応混合物が対照となる。 酸触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸等の鉱
酸;カチオン型イオン交換樹脂;又はパラトルエ
ンスルホン酸等の有機酸が挙げられ、その使用量
は触媒量程度、通常出発原料に対し、約0.1〜1.0
%の範囲で用いられる。 本発明の方法を実施するに当つては、通常出発
原料及び溶媒を反応温度に維持し、これに酸触媒
を投入し、反応させて目的物を取得する回分式操
作によつて実施される。 反応溶媒はメタノール、エタノール等のアルコ
ール系溶媒(5重量%以下の含水でも可。)が選
ばれ、その使用量は通常出発原料に対し、約2〜
20倍の範囲で用いられる。反応温度は室温から溶
媒の沸点まで任意に実施できる。 反応終了後のシアノイソホロンの単離精製は、
溶媒を留去し、シアノイソホロンを蒸溜すること
によつて容易に行なうことが出来、イオン交換樹
脂触媒の場合は、過後溶媒の留去のみで充分次
工程の使用に供せられるシアノイソホロンが得ら
れる。 <実施例> 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 撹拌機、冷却器、温度計及び滴下漏斗を備えた
反応装置に、シアノイソホロンのエチレンアセタ
ール30gを1%含水メタノール200mlに溶解し、
濃硫酸2滴を添加して室温で撹拌した。12時間後
の反応粗液のガスクロマトグラフイー分析により
シアノイソホロンのエチレンアセタールの完全消
失(転化率100.0%)とシアノイソホロン及びエ
チレングリコールの生成が確認された。その他の
副生物は確認されなかつた。 得られた反応粗液はロータリーエバポレーター
を用いて減圧下(50mmHg、湯浴温度40℃)で溶
媒を留去した後、残渣として得られた白色結晶24
gを、10段の多孔板塔を用いて減圧下(10mmHg)
蒸溜することにより溜分(128〜130℃)のシアノ
イソホロン22g(収率93.2%)を得た。 実施例 2 シアノイソホロンのエチレンアセタール30gを
1%含水エタノール200mlに溶解し、カチオン交
換樹脂(ダイアイオン、三菱化成(株)製)1.0gを
加えて室温で撹拌した。24時間後、反応粗液中の
シアノイソホロンのエチレンアセタールの完全消
失とシアノイソホロンの生成が確認された。 実施例 3 反応温度が加熱還流下である以外は、実施例1
と同様にして反応を行なつたところ、3〜4時間
後、シアノイソホロンのエチレンケタールの転化
率は100.0%であつた。 実施例 4 出発原料がシアノイソホロンとシアノイソホロ
ンのエチレンアセタールの混合物(96:4)であ
る以外は実施例1と同様にして反応を行なつたと
ころ、1時間後反応粗液中のシアノイソホロンの
エチレンケタールは全て消失し、シアノイソホロ
ン及び加水分解によつて生じたエチレングリコー
ルの混合物に変化していることが確認された。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下記一般式で表わされるシアノイソホロンの
アセタール及びこれを含有する混合物を酸触媒で
加水分解せしめることを特徴とするシアノイソホ
ロンの製造法 【化】 式中、R、R′は炭素数が1〜3個を有し、且
つ、同一の直鎖あるいは分枝の低級アルキル基又
は両者で環を形成する直鎖あるいは分枝のポリメ
チレン基を示す。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP435786A JPS62164656A (ja) | 1986-01-14 | 1986-01-14 | シアノイソホロンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP435786A JPS62164656A (ja) | 1986-01-14 | 1986-01-14 | シアノイソホロンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62164656A JPS62164656A (ja) | 1987-07-21 |
JPH0584305B2 true JPH0584305B2 (ja) | 1993-12-01 |
Family
ID=11582140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP435786A Granted JPS62164656A (ja) | 1986-01-14 | 1986-01-14 | シアノイソホロンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62164656A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04279559A (ja) * | 1991-03-05 | 1992-10-05 | Nippo Kagaku Kk | 3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノンの製造方法 |
DE102011077681A1 (de) | 2011-06-17 | 2012-12-20 | Evonik Degussa Gmbh | Verfahren zur Herstellung von 3-Cyano-3,5,5-trimethylcyclohexanon |
ES2647495T3 (es) * | 2015-03-19 | 2017-12-21 | Evonik Degussa Gmbh | Procedimiento para la separación de cationes a partir de una mezcla de productos de isoforonanitrilo |
-
1986
- 1986-01-14 JP JP435786A patent/JPS62164656A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62164656A (ja) | 1987-07-21 |
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