JPH0542778B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

技術分野 本発明はシングルエンドのメタルハライド放電
ランプに関し、詳しくいうと、添加ガスが放射エ
ネルギの相対強度に正比例的に関係しかつ放射エ
ネルギの空間位置に反比例的に関係するイオン化
電位に従つて選択されるシングルエンドのメタル
ハライドランプに関する。 背景技術および従来技術 一般に、投射器、投光器、映写機、幻灯機等、
光学レンズシステムおよび類似の装置のような、
比較的強力な光源を必要とする装置にはタングス
テンランプを使用するのが慣行であつた。しかし
ながら、そのような装置は光源から不所望な熱を
発生する態様にしばしば構成されており、装置の
不所望な過熱、変形およびシステムの壊滅的な故
障を防止するためには高価な、複雑な冷却装置を
必要とする。 その上、例えば投射器に使用されるタングステ
ンランプの寿命の予測は比較的短かい、すなわち
10ないし20時間の動作寿命であるから、装置が使
用されるときごとに光源を取換えることは稀れな
いことではない。明らかに、このような方法は高
価になるばかりでなく、取換え時間もばかになら
ない欠点がある。従つて、そのような装置、特に
そのような装置に通常使用される光源に対し多く
の要望がある。 上記したタングステンランプシステムに関する
改良が高輝度放電ランプを光源として使用するシ
ステムによつてなされている。例えば、通常の形
式の高輝度放電ランプ（HIDランプ）は米国特
許第4161672号に開示された高圧メタルハライド
放電ランプである。この米国特許にはダブルエン
ドの発光管の構成、すなわち直径方向に対向する
端部に電極が封止された発光管が開示されてお
り、排気された、またはガスの充填された外囲器
を備えている。しかしながら、このようなダブル
エンドの構造体の製造には比較的費用がかかり、
またこの構成は明らかに投射器および類似の光学
レンズ形式の装置に使用するのには適していな
い。 米国特許第4302699号、第4308483号、第
4320322号、第4321501号および第4321504号に記
載されたシングルエンドのメタルハライド放電ラ
ンプには投射器および光学レンズ装置用の光源に
対する著るしい改良が記載されている。上記米国
特許はすべて特定の応用装置に適した構造および
充填物を開示している。しかしながら、アークの
安定性および最小の色分解能力に関する限り、上
記米国特許での実施例も満足なものではない。 発明の目的および概要 本発明の目的は改良されたシングルエンドのメ
タルハライド放電ランプを提供することである。
本発明の他の目的はイオン化電位によつて相対強
度が正比例的に変化する添加ガスを有する改良さ
れた光源を提供することである。本発明の他の目
的は添加ガスが一対の離間された電極間の長手方
向軸線からの放射の空間位置に反比例的に関係す
るイオン化電位に従つて選択されるシングルエン
ドのメタルハライド放電ランプを提供することで
ある。 本発明の一面においては、これらおよび他の目
的、利点、および能力は融解シリカの楕円形状の
容器ならびに該容器の一端に封止された一対の電
極、およびイオン化電位に従つて相対強度が正比
例的に、前記電極からの空間位置が反比例的にそ
れぞれ変化する添加ガスが前記容器内に配されて
いるガス充填物を有するシングルエンドのメタル
ハライド放電ランプによつて達成される。 好ましい実施例の説明 本発明、ならびに本発明のその他の目的、利点
および能力を十分に理解するために、以下添付図
面を参照して本発明の好ましい実施例について詳
細に説明する。 第１図を参照すると、融解シリカのような材料
よりなる本体部分５を有する低ワツト数のメタル
ハライドランプが例示されている。この融解シリ
カの本体部分５は長径（長軸）値Ｘおよび短径
（短軸）値Ｙがそれぞれ約２：１の比を有する楕
円形状の内側部分７を提供するように形成されて
いる。さらに、本体部分５の楕円形状の内側部分
７は短軸値Ｙに実質的に等しい高さＺを有するこ
とが好ましい。 一対の電極９および１１が本体部分５の一端に
封止され、かつ本体部分５中に延在している。各
電極９および１１は金属ロツド１３および球形の
ボール１５を含み、該球形のボール１５は該金属
ロツド１３の楕円形状の内側部分７内にある端部
にある。電極９および１１は、これら電極９およ
び１１の球形ボール１５が長軸Ｘおよび短軸Ｙに
関する限り内側部分７から実質的に等しく離間さ
れ、かつまた、高さ寸法Ｚの実質的に中点にある
ように、楕円形状の内側部分７内に位置付けされ
ることが好ましい。さらに、球形ボール１５は長
軸Ｘの方向に延在する長手方向軸線に沿つて互い
に離間されている。 次表および第２図の添加ガスに対するスペクト
ル強度およびスペクトル空間分布を参照すると、
添加ハロゲン金属のイオン化電位は特定の添加ガ
スのスペクトル強度に従つて正比例的に変化する
ことが理解できる。

【表】 例えば、水銀（Hg）および亜鉛（Zn）は最高
のスペクトル強度および最高のイオン化電極
（Ip）を有する。しかしながら、ジスプロシウム
（Dy）は例外のようであり、分子として優勢に放
射しているものと確信する。また、添加ハロゲン
金属の空間分布はイオン化電位に従つて反比例的
に変化することが理解できる。換言すると、水銀
および亜鉛は例えば非常に大きな容積にわたつて
放射するリチウム（Li）よりも電極間の軸線に非
常に接近した距離で放射する。 限定するものではないが、特定例として、好ま
しい一形式のシングルエンドのメタルハライドラ
ンプの容器は約0.15cm³の容積および約1.45cm²の内
表面積を有する楕円形状となるように形成され
た。約0.5mmの直径を有する一対のタングステン
ロツドの電極がこの容器中に封止され、各電極は
その端部に約１mmの球形ボールを有していた。こ
のランプは約75ないし120Vの範囲のAC源により
動作し、約100Wのワツト数であつた。 上記したシングルエンドの楕円形態のランプの
充填ガスの代表例を下記に示す。勿論、これに限
定されるものではない。 水銀 −7.40mg ヨウ化リチウム −0.10mg ヨウ化亜鉛 −0.50mg ヨウ化スカンジウム −0.30mg ヨウ化タリウム −0.05mg ヨウ化ジスプロシウム −0.05mg アルゴン −400.00 発明の作用効果 上表によれば、少量使用されるジスプロシウム
が黄−オレンジ色を光源に加え、他方リチウムが
オレンジ−赤色を加え、かつ写真用カラーフイル
ムの赤透過周波数においてピークであることが分
つた。また、スカンジウムは青、緑、および赤色
光を提供するが、しかし目が緑色放射線に敏感で
あるので添加は限定された量になる。さらに、タ
リウムは緑色光を増大させることによつてランプ
ルーメン（光束）を増大させ、他方亜鉛は青およ
び赤色の両放射線を発生する。かくして、添加剤
のイオン化電位によつて決定されるこれら添加剤
の適正な選択によつて、アークの中心からある範
囲の空間距離におけるある範囲のカラー放射が得
られることが理解できる。その結果、色分解（カ
ラーセパレーシヨン）の最小な、比較的白色の光
を有するランプ放射が提供される。 現在本発明の好ましい実施例とみなされている
ものを図示し、記載したけれど、特許請求の範囲
によつて定義される本発明から逸脱することなし
に種々の変形および変更がなし得ることはこの分
野の技術者には明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のシングルエンド・メタルハラ
イド放電ランプの一実施例を示す概略図、第２図
は第１図の放電ランプに適当する種々の金属添加
物のアークの中心からのスペクトル強度および空
間分布を例示する曲線図である。 ５：ランプ本体部分、７：楕円形状の内側部
分、９，１１：電極、１３：金属ロツド、１５：
球形ボール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 0.15cm³の容積と1.45cm²の内表面積を有する融
   解シリカの楕円形状容器と、 該容器に封止され、該容器中に延在する一対の
   電極であつて、各電極が前記容器内で当該電極の
   端部に球形のボールを有し、これら球形のボール
   が長手方向軸線に沿つて互いに離間されている一
   対の電極と、 400トルのアルゴンと、イオン化電位に従つて
   相対強度が正比例的に変化し且つ前記長手方向軸
   線からの空間位置が反比例的に変化する7.40mgの
   水銀と、0.10mgのヨウ化リチウム、0.50mgのヨウ
   化亜鉛、0.30mgのヨウ化スカンジウム、0.05mgの
   ヨウ化タリウムおよび0.05mgのヨウ化ジスプロシ
   ウムよりなる添加ガスとを含むガス充填物 とを具備することを特徴とするシングルエンドの
   メタルハライド放電ランプ。