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JPH05332392A - 位相変換型流体封入式防振装置 - Google Patents

位相変換型流体封入式防振装置

Info

Publication number
JPH05332392A
JPH05332392A JP16212792A JP16212792A JPH05332392A JP H05332392 A JPH05332392 A JP H05332392A JP 16212792 A JP16212792 A JP 16212792A JP 16212792 A JP16212792 A JP 16212792A JP H05332392 A JPH05332392 A JP H05332392A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fitting
fluid
fluid chamber
vibration
internal pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP16212792A
Other languages
English (en)
Inventor
Rentaro Kato
錬太郎 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP16212792A priority Critical patent/JPH05332392A/ja
Publication of JPH05332392A publication Critical patent/JPH05332392A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体室の内圧を制御することにより、防振特
性を切り換えるようにした位相変換型流体封入式防振装
置において、受圧室の内圧制御のために必要とされる駆
動力を軽減すること。 【構成】 ゴム弾性体16にて連結された第一の支持金
具12と第二の支持金具14との間に形成された流体室
48の壁部の一部を構成し、アクチュエータ72によっ
て駆動されることにより流体室48に内圧変化を生ぜし
める、前記第二の支持金具14に対して変位可能に支持
された振動板62における、前記流体室48に対する有
効ピストン面積:A2 を、第一の支持金具12の前記流
体室48に対する有効ピストン面積:A1 に対して、下
式: 0.3≦(A2 /A1 )≦0.8 を満足し得るように設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、内部に形成された流体室に内圧
を発生させて、振動入力時に流体室に惹起される内圧変
化の位相を変換せしめることにより、マウント防振特性
を制御するようにした位相変換型流体封入式防振装置に
関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、振動伝達系を構成する部材間に
介装される防振装置の一種として、それぞれ防振連結乃
至は支持される部材の各一方に取り付けられる第一の支
持金具と第二の支持金具とを、それら両金具間に介装さ
れたゴム弾性体にて、弾性的に連結せしめてなる防振装
置が知られており、例えば、自動車用エンジンマウント
やサスペンション・ブッシュ等として用いられてきてい
る。
【0003】また、近年では、より高度な防振特性を実
現するための一つの手法として、かかる防振装置に対し
て、壁部の一部がゴム弾性体にて構成された、内部に所
定の非圧縮性流体が封入されてなる流体室を設ける一
方、該流体室の壁部の一部を、前記第二の支持金具に対
して変位可能に支持された振動板にて構成すると共に、
かかる振動板の背後にアクチュエータを配設し、該振動
板を加振することにより、流体室に内圧を発生させて、
振動入力時に流体室に惹起される内圧変化の位相を変換
せしめることにより、マウント防振特性を制御するよう
にした、位相変換型流体封入式防振装置が、提案されて
いる。例えば特開平2−42228号公報等に開示され
ている防振装置が、それである。
【0004】ところで、このような防振装置において
は、振動入力時に流体室の内圧を制御するために、入力
振動によって惹起される流体室の内圧に抗して、振動板
を加振せしめる必要があり、特に、高減衰特性が要求さ
れる場合には、振動板に対してかなりの駆動力を及ぼす
必要がある。
【0005】そこで、従来から、振動板を駆動するため
のアクチュエータとして、ソレノイドや電歪素子等が検
討されてきているが、未だ、充分な駆動力を得ることが
困難であったのであり、そのために、上述の如き、位相
変換型流体封入式防振装置では、目的とする防振特性を
安定して得ることが難しいという問題を有していたので
ある。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、流体室の内圧を制御するために必要とされ
る振動板の駆動力が軽減されて、小さな出力のアクチュ
エータにより、目的とする防振特性を有利に且つ安定し
て得ることのできる、改良された構造の位相変換型流体
封入式防振装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の特徴とするところは、第一の支持金具と第二の支
持金具とを、それらの間に介装されたゴム弾性体にて連
結すると共に、内部に所定の非圧縮性流体が封入された
流体室を、かかるゴム弾性体にて壁部の一部を構成して
設ける一方、該流体室の壁部の一部を、前記第二の支持
金具に対して変位可能に支持された振動板にて構成する
と共に、かかる振動板を加振するアクチュエータを設け
てなる位相変換型流体封入式防振装置において、前記振
動板の前記流体室に対する有効ピストン面積:A2 を、
前記第一の支持金具の前記流体室に対する有効ピストン
面積:A1 に対して、下式: 0.3≦(A2 /A1 )≦0.8 を満足し得るように設定したことにある。
【0008】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明することとする。
【0009】先ず、図1には、本発明の一実施例とし
て、FF型自動車用の筒型エンジンマウント10が、示
されている。かかるエンジンマウント10は、互いに径
方向に所定距離を隔てて、且つ所定量だけ偏心して配さ
れた第一の支持金具としての内筒金具12と第二の支持
金具としての外筒金具14とが、それらの間に介装され
たゴム弾性体16にて、互いに弾性的に連結されること
によって構成されたマウント本体18を備えており、か
かるマウント本体18が、ブラケット20に対して、一
体的に組み付けられて成る構造とされている。そして、
かかるエンジンマウント10にあっては、マウント本体
18の内筒金具12が、ボデー側およびパワーユニット
側の何れか一方に取り付けられると共に、外筒金具14
が、ブラケット20を介して、ボデー側およびパワーユ
ニット側の何れか他方に取り付けられることにより、パ
ワーユニットをボデーに対して防振支持せしめることと
なる。
【0010】なお、そのような装着状態下、マウント本
体18にあっては、内外筒金具12,14間に及ぼされ
るパワーユニット重量にてゴム弾性体16が変形するこ
とにより、内外筒金具12,14が略同軸的に位置せし
められる。また、かくの如き装着状態下、このエンジン
マウントには、内外筒金具12,14の偏心方向(図1
中、上下方向)に、防振すべき主たる振動が入力される
こととなる。
【0011】より詳細には、内筒金具12は、厚肉の円
筒形状を呈している。また、この内筒金具12の径方向
外方には、薄肉円筒形状の金属スリーブ26が、所定量
偏心して配されている。そして、これら内筒金具12と
金属スリーブ26との間に、全体として厚肉円筒形状を
呈するゴム弾性体16が介装されており、それら内筒金
具12と金属スリーブ26に対して加硫接着された一体
加硫成形品として形成されている。
【0012】また、かかる金属スリーブ26には、内筒
金具12を偏心方向に挟んで対向位置する両側に、第一
の窓部28および第二の窓部30が設けられている。更
に、ゴム弾性体16には、内筒金具12を偏心方向に挟
んで対向位置する両側に、第一の窓部28を通じて外周
面に開口する第一の凹所32と、第二の窓部30を通じ
て外周面に開口する第二の凹所34が、設けられてい
る。
【0013】更にまた、前記内筒金具12には、その軸
方向中央部分に、支持金具22とストッパ金具24が、
溶接等によって固着されており、第一の凹所32に支持
金具22が、第二の凹所34にストッパ金具24が、そ
れぞれ、底部側から所定高さで突出して位置せしめられ
ている。そして、支持金具22の突出端面上には、突出
方向に対して直角な方向に広がる平板状の傘金具36
が、かしめ固定されていると共に、該傘金具36の外面
上には、緩衝ゴム38が、固着されている。また、スト
ッパ金具24の突出端面上には、所定厚さのストッパゴ
ム40が、ゴム弾性体16と一体的に形成されている。
【0014】さらに、ゴム弾性体16には、第一の凹所
32と第二の凹所34とを仕切る底壁部において、金属
スリーブ26の内周面に沿うようにして、第一の凹所3
2と第二の凹所34の対向方向に延び、それら両凹所3
2,34を相互に連通するオリフィス通路42が、設け
られている。
【0015】また、かかる底壁部には、内筒金具12を
挟んだ両側部分において、軸方向に貫通する肉抜部4
4,44が形成されている。そして、これらの肉抜部4
4,44によって、第二の凹所34の底壁部が薄肉化さ
れており、以て、容易に弾性変形せしめられる可撓性壁
部46とされている。
【0016】そうして、このような一体加硫成形品に対
して、外筒金具14が外挿され、金属スリーブ26に対
して嵌着固定されている。そして、この外筒金具14に
より、第一の凹所32および第二の凹所34の開口が覆
蓋されている。それによって、それぞれ内部に所定の非
圧縮性流体が封入されてなる受圧室48と平衡室50
が、形成されている。なお、かかる封入流体としては、
一般に、水やアルキレングリコール、ポリアルキレング
リコール、シリコーン油等が用いられる。
【0017】また、受圧室48と平衡室50は、オリフ
ィス通路42によって相互に連通されており、かかるオ
リフィス通路42を通じて、それら両室48,50間
で、封入流体が相互に流動せしめられるようになってい
る。更にまた、受圧室48内は、傘金具36によって、
上下に略二分されていると共に、該傘金具36の外周部
分と受圧室48の内面との間に、それら上下部分を互い
に連通せしめて、オリフィス通路として機能し得る環状
の狭窄流路94が形成されている。
【0018】そうして、このような構造とされたマウン
ト本体18は、ブラケット20に対して、該ブラケット
20に設けられた円形の装着孔54内に圧入固定される
ことにより、組み付けられている。また、このブラケッ
ト20には、外方に突出する取付部56が、一体的に設
けられており、かかる取付部56により、ボデー側或い
はパワーユニット側に取付固定されるようになってい
る。
【0019】さらに、このブラケット20には、その装
着孔54に装着されたマウント本体18における受圧室
48の外側に位置する部分において、周壁部を貫通して
延びる透孔58が設けられている。また、この透孔58
の内側開口部に位置するマウント本体18の外筒金具1
4には、貫通孔60が設けられており、該貫通孔60を
通じて、透孔58が、マウント本体18の受圧室48に
連通されている。
【0020】また一方、かかる透孔58の外側開口部
は、所定寸法拡径されており、そこに略平板形状を呈す
る振動板62が、配設されている。そして、この振動板
62の外周縁部には、支持ゴム64を介して、取付リン
グ66が取り付けられており、この取付リング66が、
ブラケット20に対してボルト固定されることにより、
かかる振動板62が、ブラケット20に装着されてい
る。即ち、この振動板62は、ブラケット20に対し、
支持ゴム64の弾性変形に基づいて変位可能に、取り付
けられているのである。なお、かかる振動板62は、合
成樹脂やアルミニウム合金等の非磁性材料にて形成され
ている。
【0021】そして、この振動板62の装着により、ブ
ラケット20に設けられた透孔58の外側開口部が流体
密に覆蓋されており、それによって、かかる透孔58の
内部をも含んで、前記受圧室48が形成されているので
ある。
【0022】なお、図1中、68は、ゴムスリーブであ
り、このゴムスリーブ68が、ブラケット20にボルト
固定された略環状の押え金具70とマウント本体18の
外筒金具14との間で軸方向に挟圧されていることによ
り、外筒金具14に設けられた貫通孔60とブラケット
20に設けられた透孔58との間が、流体密にシールさ
れている。
【0023】さらに、ブラケット20には、振動板62
の背後に位置して、アクチュエータとしての電磁駆動手
段72が装着されている。この電磁駆動手段72は、円
形ブロック状の永久磁石74を備えており、かかる永久
磁石74が、逆カップ形状の蓋金具76の内部に収容さ
れ、その一方の磁極側端面が、蓋金具76の底部中央に
当接する状態で固設されている。
【0024】また、永久磁石74における他方の磁極側
端面には、略円板形状を呈する端部金具80が、当接し
て配置されている。この端部金具80の外径は、永久磁
石74よりも大径とされており、永久磁石74から径方
向外方に所定寸法突出せしめられている。
【0025】更にまた、蓋金具76の開口部には、略円
環形状の周縁金具82が配設されており、蓋金具76の
開口周縁部に設けられたフランジ部75上に重ね合わさ
れて、取り付けられている。また、この周縁金具82の
内径は、蓋金具76の周壁部よりも小径とされており、
該蓋金具76の内周面から径方向内方に所定寸法突出せ
しめられることにより、その内周面が、上記端部金具8
0の外周面に対して、径方向に所定距離を隔てて対向位
置せしめられている。
【0026】また、これら蓋金具76、端部金具80お
よび周縁金具82は、何れも、鉄等の強磁性材料にて形
成されている。それによって、永久磁石74の周囲に、
略閉磁路形態の磁路が形成されていると共に、かかる磁
路上に位置する端部金具80と周縁金具82との径方向
対向面間において、周方向に連続した円環状乃至は円筒
状のギャップ部86が形成されているのである。
【0027】さらに、かかる磁路を形成する端部金具8
0の軸方向外方には、合成樹脂やアルミニウム等の非磁
性材料にて形成された可動部材88が、所定距離を隔て
て配設されている。この可動部材88は、全体として略
有底円筒形状をもって形成されており、その筒壁部90
が、磁路上のギャップ部86内に挿入されて、位置せし
められている。そして、可動部材88の筒壁部90と、
ギャップ部86を形成する対向面との間には、僅かな隙
間が形成されており、それによって、かかる可動部材8
8が、軸方向に変位可能とされている。
【0028】また、この可動部材88の筒壁部90の外
周面には、コイルが巻回されており、そこに可動コイル
92が形成されている。それによって、この可動コイル
92と可動部材88とが、ギャップ部86内で、一体的
に変位可能とされているのである。
【0029】そして、このようにして形成された電磁駆
動手段72は、図示されている如く、蓋金具76のフラ
ンジ部75が、ブラケット20における透孔58の外側
開口部周縁に重ね合わされて、ボルト固定されることに
より、該ブラケット20に対して、固設されている。ま
た、かかる電磁駆動手段72の可動部材88は、振動板
62の背面に重ね合わされてボルト固定されている。
【0030】すなわち、本実施例においては、この電磁
駆動手段72における可動コイル92に交番電流を通電
することにより、可動コイル92に対してフレミングの
左手の法則に従う電磁力(ローレンツ力)が発生し、そ
れによって、かかる可動コイル92が装着された可動部
材88を介して、振動板62に対して駆動力が及ぼされ
ることとなる。
【0031】そして、かかる振動板62が駆動されるこ
とにより、受圧室48の内圧が変化せしめられることか
ら、可動コイル92に対する通電制御により、受圧室4
8の内圧を制御することができるのであり、それによっ
てマウントの防振特性を、適宜、変更することが可能と
なるのである。
【0032】具体的には、上述の如きエンジンマウント
10に対して、内外筒金具12,14間に低周波振動が
入力されると、受圧室48と平衡室50との間に惹起さ
れる内圧差に基づいて、オリフィス通路42を通じての
流体の流動が生ぜしめられることとなり、以て、かかる
流体の共振作用に基づいて、高減衰効果が発揮されるこ
ととなるが、その際、振動板62を、入力振動と同位相
で振動させて、受圧室48の内圧を積極的に発生せし
め、オリフィス通路42を通じて流動せしめられる流体
量の増大を図ることにより、より一層優れた減衰効果を
得ることができるのである。また一方、内外筒金具1
2,14間に高周波振動が入力されると、オリフィス通
路42が実質的に閉塞化してしまうが、振動板62を、
入力振動と逆位相で振動させて、受圧室48の内圧を吸
収乃至は軽減せしめることにより、低動ばね化による優
れた振動遮断効果を得ることができるのである。
【0033】ところで、そこにおいて、本実施例のエン
ジンマウント10においては、電磁駆動手段72にて駆
動されることにより受圧室48に対して内圧変動を及ぼ
す振動板62の有効ピストン面積:A2 が、外部から入
力される加振力にて変位せしめられることにより受圧室
48に対して内圧変動を及ぼす内筒金具12の有効ピス
トン面積:A1 に対して、下記(式a)を満足し得るよ
うに、かかる振動板62の大きさが、設定されている。 0.3≦(A2 /A1 )≦0.8 ・・・(式a)
【0034】なお、上記振動板62及び内筒金具12の
有効ピストン面積(A2 ,A1 )とは、受圧室48の内
面のうち、振動板62乃至は内筒金具12が変位せしめ
られることによって受圧室48に内圧変化を及ぼす部分
の、振動入力方向に直交する平面への投影面積をいう。
そして、それらの有効ピストン面積は、支持ゴム64乃
至はゴム弾性体16のばね定数等によるが、受圧室48
の壁部を構成する振動板62や内筒金具12の実面積よ
りも、所定量だけ大きい値を示すこととなる。
【0035】因みに、図1に示された本実施例のエンジ
ンマウント10について、本発明者が、振動板62の有
効ピストン面積:A2 および内筒金具12の有効ピスト
ン面積:A1 を算出したところ、A2 =1017mm2
1 =2104mm2 であり、(A2 /A1 )=0.48
であった。
【0036】すなわち、かくの如く、(式a)の関係を
満足し得るように、振動板62の大きさを設定すること
により、受圧室48の内圧制御を行なうに際して必要と
される、振動板62に対する駆動力の軽減が図られ得る
のであり、それによって、電磁駆動手段72による振動
板62の加振制御、延いては受圧室48の内圧制御が有
利に且つ安定して行なわれ得て、目的とする防振特性が
有効に発揮され得ることとなるのである。
【0037】しかも、振動板62の駆動に必要とされる
駆動力が軽減されるところから、アクチュエータとして
の電磁駆動手段72の小型軽量化や低価格化が可能とな
るのであり、それによって、エンジンマウント全体の小
型軽量化なども、効果的に図られ得るのである。
【0038】より詳細には、図1に示されたエンジンマ
ウント10の構成をモデル的に表した図が、図2に示さ
れているが、そこにおいて、伝達力の関係から下記(式
1)が、力の釣合い条件から下記(式2),(式3)
が、更に受圧室48の容積の関係から下記(式4)が、
それぞれ導かれる。
【0039】 Ft =KR 1 −P(A1 −A2 )−fA ・・・(式1) fA =PA2 ・・・(式2) KL (X2 −X1 )=PA1 ・・・(式3) A1 2 =A2 A ・・・(式4) 但し、オリフィス通路42を通じての流体の流動は考慮
しないこととし、且つ振動板62の支持ゴム64のばね
定数は、ゴム弾性体16によるエンジンマウントの支持
ばね定数:KR に比して充分に小さいこととする。な
お、支持ゴム64のばね定数は、一般に、エンジンマウ
ントの支持ばね定数の1/5以下に設定される。
【0040】そして、振幅:X1 の振動入力時に、アク
チュエータによる駆動力:fA により、伝達力:Ft
0となったときを考えると、上記式1〜4より、fA ,
Aの値が、下記(式5),(式6)の如く求められ
る。
【0041】 fA =αKR 1 ・・・(式5) XA =(X1 /α){(1/β)+1} ・・・(式6) 但し、α=A2 /A1 ,β=KL /KR とする。
【0042】従って、上記(式5)より、α≦1であれ
ば、振動板62に対する駆動力が小さくて済むこととな
り、特に、α≦0.8とすることにより、必要とされる
振動板62に対する駆動力が、極めて有効に軽減され得
るのである。但し、αが余り小さいと、大きな振動板6
2の変位量:XA が必要とされることとなり、支持ゴム
64の耐久性を充分に確保し難くなるために、α≧0.
3とすることが、必要である。
【0043】例えば、具体的な数値例を示すと、図1に
示された本実施例のエンジンマウント10において、ゴ
ム弾性体16のばね定数:KR を30kgf/mm、β=1と
し、振幅:X1 が0.1mmである振動が入力された場合
を考えると、fA =3α,XA =0.2/αとなる。そ
れ故、α=0.8とすると、XA =0.25mm,fA
2.4kgf/mmとなり、また、α=0.3とすると、XA
=0.38mm,fA =0.9kgf/mmとなり、何れも、ア
クチュエータに要求される駆動力:fA の低減が、極め
て有利に達成され得ることが、明らかである。
【0044】次に、図3には、本発明の別の実施例とし
ての、RR型自動車用のエンジンマウント100が、示
されている。かかる図において、102は、第一の支持
金具であり、筒壁部にテーパが付された有底円筒形状を
呈する底金具104と、該底金具104に対して、その
開口部を覆蓋するように重ね合わされた蓋金具106と
によって、中空構造をもって形成されている。なお、蓋
金具106には、その中央部分に位置して外方に突出す
る取付ボルト107が、固設されている。
【0045】また、この第一の支持金具102に対し
て、底金具104側には、所定距離を隔てて、厚肉円環
状を呈する第二の支持金具108が、略同一軸心上に配
設されている。そして、これら第一の支持金具102と
第二の支持金具108とが、それらの間に介装されたゴ
ム弾性体109によって、互いに弾性的に連結されてお
り、一体加硫成形品として形成されている。
【0046】また、上記ゴム弾性体109は、全体とし
て略円錐台形状を呈しており、その小径側端面に対して
底金具104が、大径側端部外周面に第二の支持金具1
08が、それぞれ、加硫接着されている。更にまた、か
かるゴム弾性体109の内部には、第二の支持金具10
8の内孔を通じて、大径側端面において開口する円形断
面のポケット部110が、形成されている。なお、図
中、112は、ゴム弾性体109に対して加硫接着され
て、該ゴム弾性体109の座屈等を防止する拘束リング
である。
【0047】さらに、かくの如き一体加硫成形品に対し
て、厚肉平板形状を呈する取付板金具114が、第二の
支持金具108の軸方向外面に重ね合わされ、ボルト固
定されている。そして、この取付板金具114により、
上記ポケット部110の開口部が流体密に覆蓋されてお
り、以て、その内部に、所定の非圧縮性流体が封入され
てなる受圧室116が、形成されている。なお、かかる
取付板金具114には、装着用ボルト孔117が設けら
れており、取付ブラケットを兼ねるようになっている。
【0048】また、前記第一の支持金具102の内部に
は、薄肉の可撓性ゴム膜118が収容されており、外周
縁部を、底金具104と蓋金具106との間で挟持され
ることにより、かかる第一の支持金具102の内部を流
体密に二分するように配設されている。それにより、可
撓性ゴム膜118と底金具104との間には、内部に所
定の非圧縮性流体が封入された容積可変の平衡室120
が形成されている。なお、可撓性ゴム膜118と蓋金具
106との間は、かかる可撓性ゴム膜118の変形を許
容する空気室122とされている。
【0049】更にまた、かかる第一の支持金具102を
構成する底金具104の内周面には、該底金具104に
対応した略有底円筒形状を呈するオリフィス金具123
が、重ね合わされて配設されている。そして、これらオ
リフィス金具123と底金具104との間において、周
方向に螺旋状に延び、前記受圧室116を平衡室120
に連通するオリフィス通路124が、形成されている。
【0050】それによって、かかるエンジンマウント1
00においては、第一の支持金具102と第二の支持金
具108との間への振動入力時に、受圧室116に対し
て内圧変動が惹起されることとなり、以て、該受圧室1
16と平衡室120との間でオリフィス通路124を通
じて流動せしめられる流体の共振作用により、所定の防
振効果が発揮されるようになっているのである。
【0051】また、そこにおいて、受圧室116の壁部
の一部を構成する取付板金具114には、支持孔126
が設けられていると共に、かかる支持孔126内に、円
板状の振動板128が配設され、その外周縁部が、円環
状の支持ゴム130を介して、支持孔126の周縁部に
連結、支持されている。それによって、かかる受圧室1
16の壁部の一部が、第二の支持金具108に対して変
位可能に支持された振動板128によって、構成されて
いるのである。
【0052】さらに、この振動板128の背後には、電
磁駆動手段132が配設され、取付板金具114に対し
て固設されている。そして、この電磁駆動手段132に
よって、振動板128が駆動され、加振されるようにな
っており、以て、前記第一の実施例と同様、この振動板
128の変位、延いては受圧室116の内圧を制御する
ことによって、エンジンマウント100の防振特性が、
制御可能とされているのである。なお、かかる電磁駆動
手段132は、前記第一の実施例における電磁駆動手段
72と略同一の構造であるために、本実施例では、図
中、前記第一の実施例における電磁駆動手段と同様な構
造とされた部材および部位に対して、それぞれ、同一の
符号を付することにより、その詳細な説明は省略するこ
ととする。
【0053】また、ここにおいて、上記振動板128
は、受圧室116に対する有効ピストン面積:A2 が、
第一の支持金具102の有効ピストン面積:A1 に対し
て、前記第一の実施例で示された(式a)を満足し得る
ように、大きさが設定されている。なお、本実施例の如
き構造のエンジンマウント100においても、振動板1
28および第一の支持金具102の有効ピストン面積
は、前記第一の実施例と同様に考えることができる。ま
た、特に、本実施例では、拘束リング112によってゴ
ム弾性体109の変形が制限されていることから、第一
の支持金具102の有効ピストン面積が、実質的に、大
きく設定されている。
【0054】因みに、図3に示された本実施例のエンジ
ンマウント100について、本発明者が、振動板128
の有効ピストン面積:A2 および第一の支持金具102
の有効ピストン面積:A1 を算出したところ、A2 =2
89πmm2 ,A1 =841πmm2 であり、(A2
1 )=0.34であった。
【0055】従って、本実施例のエンジンマウント10
0にあっても、前記(式a)の関係を満足し得るよう
に、振動板128の大きさを設定することにより、受圧
室48の内圧制御を行なうに際して必要とされる、振動
板128に対する駆動力の軽減が有利に図られ得るので
あり、それによって、前記実施例と同様、受圧室48の
安定した内圧制御が可能となり、目的とする防振特性を
有利に得ることができるのである。
【0056】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これらは文字通りの例示であって、本発明は、か
かる具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0057】例えば、前記実施例においては、何れも、
受圧室に対して、オリフィス通路を通じて連通された平
衡室が設けられていたが、それらオリフィス通路や平衡
室を備えていない防振装置に対しても、本発明は、有利
に適用され得るものである。
【0058】また、振動板を加振するアクチュエータと
して、前記実施例では電磁駆動手段が用いられていた
が、それに代えて、電歪素子等の電磁駆動手段以外のア
クチュエータを採用することも、勿論、可能である。
【0059】更にまた、前記実施例では、何れも、本発
明を自動車用エンジンマウントに対して適用したものの
具体例を示したが、本発明は、エンジンマウント以外の
各種の防振装置に対しても、有利に適用され得るもので
ある。
【0060】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明き範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0061】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた位相変換型流体封入式防振装置によ
れば、流体室の内圧制御を行なうに際して必要とされ
る、振動板を駆動するためのアクチュエータ出力の軽減
が図られ得るところから、流体室の内圧制御が有利に且
つ安定して行なわれることとなり、以て、目的とする防
振特性が有効に発揮され得るのである。
【0062】しかも、かかる本発明における位相変換型
流体封入式防振装置においては、アクチュエータに要求
される駆動力が軽減されるところから、アクチュエー
タ、延いては防振装置全体の小型軽量化なども、効果的
に図られ得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのエンジンマウントを
示す横断面図である。
【図2】図1に示されたエンジンマウントの構成をモデ
ル的に示す説明図である。
【図3】本発明の別の実施例としてのエンジンマウント
を示す縦断面図である。
【符号の簡単な説明】
10,100 エンジンマウント 12 内筒金具 14 外筒金具 16,109 ゴム弾性体 18 マウント本体 20 ブラケット 48,116 受圧室 62,128 振動板 64,130 支持ゴム 72,132 電磁駆動手段 102 第一の支持金具 108 第二の支持金具

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の支持金具と第二の支持金具とを、
    それらの間に介装されたゴム弾性体にて連結すると共
    に、内部に所定の非圧縮性流体が封入された流体室を、
    かかるゴム弾性体にて壁部の一部を構成して設ける一
    方、該流体室の壁部の一部を、前記第二の支持金具に対
    して変位可能に支持された振動板にて構成すると共に、
    かかる振動板を加振するアクチュエータを設けてなる位
    相変換型流体封入式防振装置において、 前記振動板の前記流体室に対する有効ピストン面積:A
    2 を、前記第一の支持金具の前記流体室に対する有効ピ
    ストン面積:A1 に対して、下式: 0.3≦(A2 /A1 )≦0.8 を満足し得るように設定したことを特徴とする位相変換
    型流体封入式防振装置。
JP16212792A 1992-05-28 1992-05-28 位相変換型流体封入式防振装置 Pending JPH05332392A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19548039A1 (de) * 1994-12-22 1996-07-04 Nissan Motor Vibrationsisoliervorrichtung
DE19957553B4 (de) * 1998-11-30 2007-02-22 Nissan Motor Co., Ltd., Yokohama Schwingungsdämpfungsvorrichtung

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