JP3503288B2 - 流体封入式防振装置 - Google Patents
流体封入式防振装置Info
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Description
の内圧を制御することにより防振効果を得るようにした
流体封入式防振装置に係り、特に流体の共振作用を利用
することによって防振効果をより有効に得ることの出来
る、新規な構造の流体封入式防振装置に関するものであ
る。
介装される防振連結体乃至は防振支持体の一種として、
特開昭59−1829号公報や特開昭61−2939号
公報等に開示されているように、弾性支持体としての本
体ゴムにより壁部の一部が構成された主液室における壁
部の別の一部を振動板にて構成し、該振動板を適当な加
振手段で加振駆動せしめて主液室の内圧を制御すること
によって、目的とする防振効果を得るようにした流体封
入式防振装置が提案されており、自動車用エンジンマウ
ントやサスペンションブッシュ,ボデーマウント等への
適用が検討されている。
装置においては、振動板を取付部材に対して変位可能に
且つ流体密に支持せしめる必要があり、そのために例え
ば支持ゴム弾性体を介して振動板が取付部材に連結支持
されることとなるが、そうすると、支持ゴム弾性体の弾
性変形によって受圧室の内圧変動が吸収されてしまうこ
とが避けられず、結果的に、有効な主液室の内圧制御が
為され得ずに、必ずしも満足できる防振効果を得ること
が出来ないという問題があった。特に近年では、自動車
の高級化指向やエンジン機関の高性能化等に伴って、よ
り一層の防振効果の向上が要求されており、更なる改良
が望まれていた。
は、振動板が配設された液室を主液室とは独立して形成
し、振動板の加振による内圧変動を、オリフィス通路を
通じて主液室に及ぼすようにした流体封入式防振装置
が、開示されている。かかる構造のものにおいては、振
動板が主液室に配設されていないことから、振動板を支
持せしめる支持ゴム弾性体等による主液室の内圧変動の
吸収が回避されるのである。
においては、エンジンマウントのように、装着時に支持
荷重等の初期荷重が及ぼされる場合に、初期荷重による
主液室の内圧上昇が避けられないために、本体ゴムの耐
久性に悪影響が及ぼされる恐れがあった。また、初期荷
重による内圧上昇が、オリフィス通路を通じて、振動板
にも及ぼされることから、振動板が液圧によって押され
て変位してしまい、該振動板を駆動するソレノイド等の
出力特性が変化することにより、目的とする防振効果が
得られなくなるおそれもあったのである。
を背景として為されたものであって、その解決すべき第
一の課題とするところは、初期荷重の作用状態下におい
ても、主液室の内圧変動が有効に制御され得て、目的と
する防振効果を安定して得ることの出来る、新規な構造
の流体封入式防振装置を提供することにある。
域の入力振動に対して、有効な防振効果を得ることの出
来る、改良された構造の流体封入式防振装置を提供する
ことを、解決すべき第二の課題とする。
求項1に記載された本発明の特徴とするところは、
(a)互いに所定距離を隔てて配された第一の取付部材
および第二の取付部材と、(b)それら第一の取付部材
と第二の取付部材を連結する本体ゴムと、(c)該本体
ゴムによって壁部の一部が構成されて振動入力時に内圧
変動が生ぜしめられる、内部に非圧縮性流体が封入され
た主液室と、(d)該主液室に対して、前記第二の取付
部材により支持された仕切部材を隔てて設けられて、壁
部の一部が前記第二の取付部材に対して変位可能に支持
された振動板で構成された、内部に非圧縮性流体が封入
された圧力制御室と、(e)前記振動板を加振すること
により、該圧力制御室に内圧変動を生ぜしめる加振手段
と、(f)前記主液室および前記圧力制御室から独立し
て設けられ、壁部の一部が変形容易な可撓性膜で構成さ
れて、内部に非圧縮性流体が封入された静圧吸収室と、
(g)前記主液室と前記圧力制御室の間に跨がって形成
されて、それら両室間での流体流動を許容する、内部を
通じて流動せしめられる流体の共振周波数が防振を目的
とする第一の振動周波数域に応じてチューニングされた
第一のオリフィス通路と、(h)前記主液室と前記静圧
吸収室の間に跨がって形成されて、それら両室間での流
体流動を許容するが、振動入力時には実質的に閉塞状態
となる微細孔とを、有し、且つ前記仕切部材が、容易に
変形しない硬質の有底円筒形状の仕切板金具にて構成さ
れてなると共に、前記第一のオリフィス通路が、該仕切
板金具の有底円筒形状の角部内側において周方向に延び
るように形成されている流体封入式防振装置にある。
るために、請求項2に記載された本発明の特徴とすると
ころは、前記(a)〜(h)の構成に加えて、(k)前
記主液室と前記静圧吸収室の間に跨がって形成されて、
前記第一の振動周波数域よりも高い領域における防振を
目的とする第三の振動周波数域の振動入力時にも、それ
ら両室間での流体流動を許容する圧力吸収流路と、
(l)該圧力吸収流路に所定量だけ変位乃至は変形可能
に配設されて、該圧力吸収流路を通じての流体流動量を
制限する流量制限手段とを、設けた流体封入式防振装置
にある。
封入式防振装置においては、振動板の加振によって圧力
制御室に惹起される圧力が、第一のオリフィス通路を通
じて流動せしめられる流体を介して、主液室に及ぼされ
るのであり、その際、第一のオリフィス通路を通じて流
動せしめられる流体の共振周波数が防振を目的とする第
一の振動周波数域に応じてチューニングされていること
から、かかる第一の振動周波数域の振動入力時に対応す
る周波数で振動板を加振した際、圧力制御室に惹起され
る圧力の主液室への伝達が、流体マスの共振現象によっ
て、極めて効率的に為され得ることとなる。
には、加振手段によって振動板に小さな駆動力を与える
だけで、主液室に大きな内圧変動を生ぜしめることが可
能となるのであり、それ故、主液室の内圧を有効に制御
せしめて、マウント防振特性を調節し、有効な防振効果
を得ることが出来るのである。
入式防振装置においては、防振装置の装着状態下に及ぼ
される初期荷重等によって主液室に内圧が生ぜしめられ
る際にも、主液室から静圧吸収室への微細孔を通じての
流体の移動によって、主液室の内圧が解消されるのであ
り、それ故、かかる内圧による防振特性等に対する悪影
響が回避され得て、防振特性の安定化や耐久性の向上が
図られ得る。
に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、第
一の振動周波数よりも高い第三の振動周波数域の振動入
力時に、第一のオリフィス通路が実質的に閉塞状態とな
った場合でも、主液室に惹起される内圧変動が、圧力吸
収流路を通じて、静圧吸収室に逃がされることにより、
主液室の内圧上昇等による防振性能の低下が軽減乃至は
解消され得るのであり、その結果、複数の又は広い周波
数域の入力振動に対して有効な防振効果が発揮されるの
である。
された本発明の、好ましい第一の態様においては、前記
第一のオリフィス通路の内部を通じて流動せしめられる
流体の共振周波数が5〜40Hzとなるように、該オリフ
ィス通路がチューニングされる。
従う構造とされた流体封入式防振装置においては、第一
のオリフィス通路が5〜40Hzの低乃至中周波数域にチ
ューニングされていることから、第一のオリフィス通路
を流通せしめられる流体の共振現象がより顕著に発揮さ
れるのであり、それによって、目的とする防振効果をよ
り効果的に得ることが出来るのである。特に、自動車用
エンジンマウントに本発明を適用する場合には、かかる
第一のオリフィス通路の作用により、アイドリング振動
に対して優れた防振効果を得ることが出来る。
明の、好ましい第二の態様においては、前記静圧吸収室
が、前記第一の取付部材の内部に形成される。
従う構造とされた流体封入式防振装置においては、スペ
ースの有効利用が図られて、静圧吸収室を設けるに際し
ての防振装置の大型化が抑えられる。
本発明の、好ましい第三の態様においては、前記振動板
が、前記第二の取付部材に対して、支持ゴムを介して支
持せしめられて、該支持ゴムの弾性変形に基づいて該振
動板の変位が許容されるようにされる。
従う構造とされた流体封入式防振装置においては、振動
板を第二の取付部材に対して変位可能に支持せしめる支
持機構が、簡単な構造をもって有利に実現され得る。
明の、好ましい第四の態様においては、ロッド状の支軸
部材によって前記第一の取付部材が構成される一方、該
支軸部材の周りを所定距離を隔てて取り囲むように配設
された筒状部材にて前記第二の取付部材が構成される。
従う構造とされた流体封入式防振装置においては、FF
型自動車用エンジンマウントやサスペンションブッシュ
等に用いられる円筒型の防振装置に対しても、本発明を
有利に適用することが可能となる。
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
車用エンジンマウントが示されている。本実施例のエン
ジンマウントは、互いに所定距離を隔てて配された第一
の取付部材としての第一の取付金具10と第二の取付部
材としての第二の取付金具12を有していると共に、そ
れら第一の取付金具10と第二の取付金具12が本体ゴ
ム14によって弾性的に連結されており、第一の取付金
具10および第二の取付金具12の各一方が、パワーユ
ニット側およびボデー側に取り付けられることにより、
パワーユニットをボデーに防振支持せしめるようになっ
ている。なお、本実施例のエンジンマウントにおいて
は、自動車への装着時にパワーユニット荷重が初期荷重
として図1中の略上下方向に及ぼされることにより、本
体ゴム14が所定量だけ圧縮変形せしめられると共に、
そのような装着状態下、防振すべき主たる振動が、図1
中の略上下方向に入力されることとなる。なお、以下の
説明中、上方および下方とは、原則として、図1中の上
方および下方をいうものとする。
れぞれ略有底円筒形状を有する上金具20と下金具22
が、各開口側で互いに軸方向に重ね合わされてボルト連
結されることにより、中空構造をもって形成されてい
る。なお、上金具20の底壁部には、外方に突出する取
付ボルト24が固設されており、この取付ボルト24に
よって、上金具20がパワーユニット側またはボデー側
に取り付けられるようになっている。
は、略薄肉円板形状のゴム膜からなる可撓性膜26が配
設されており、外周縁部を上下金具20,22間で挟持
されている。それによって、第一の取付金具10の内部
が、可撓性膜26を挟んで、上金具20側と下金具22
側とに、流体密に二分されており、以て、下金具22の
内部には、可撓性膜26の変形に基づいて容積変化が容
易に許容される静圧吸収室18が形成されている。な
お、上金具20の内部空間は、周壁部に穿孔された通孔
28を通じて外部空間に連通されており、可撓性膜26
の変形を充分に許容し得るようになっている。また一
方、下金具22の底壁部には、微小な口径の微細孔30
が内外に貫通して設けられており、静圧吸収室18に連
通せしめられている。
加硫接着されている。この本体ゴム14は、テーパ付き
の略円筒形状を有しており、その小径側の開口端面に下
金具22の筒壁部外周面が加硫接着されている。それに
よって、本体ゴム14の小径側開口部が第一の取付金具
10により流体密に閉塞されて、本体ゴム14の内部
に、下方(大径側)に向かって開口する凹所34が形成
されている。
部分に、座屈的な変形を防止する拘束リング36が加硫
接着されていると共に、大径側の開口端面に対して円環
形状の連結金具38が加硫接着されている。そして、こ
の連結金具38に対して、オリフィス金具40と第二の
取付金具12が、それぞれ軸方向に重ね合わされてボル
ト固定されている。
ね合わされた円環形状の外周部分から径方向内方に向か
って突出する環状突出部42を一体的に有しており、こ
の環状突出部42が、本体ゴム14の大径側開口部内に
入り込んで位置せしめられている。また、環状突出部4
2には、上方に向かって開口する凹溝44が周方向に所
定長さで形成されていると共に、該環状突出部42に対
して、略浅底の有底円筒形状を呈する仕切板金具46が
被せられて固定されている。これにより、オリフィス金
具40の中心穴48が仕切板金具46によって閉塞され
ており、以て、本体ゴム14内に形成された凹所34の
開口部が覆蓋されて主液室50が形成されていると共
に、凹溝44の開口部が覆蓋されて周方向に所定長さで
延びる第一のオリフィス通路52が形成されている。な
お、第一のオリフィス通路52の周方向両端部は、連通
孔51,53を通じて、オリフィス金具40の軸方向各
一方の側に開口せしめられている。
しており、その中心穴54内には、該中心穴54の内径
よりも所定寸法小さな外径を有する円板形状の振動板5
6が配設されていると共に、この振動板56の外周縁部
と第二の取付金具12の内周縁部との間に、略円環形状
を有する支持ゴム58が介装されている。これによっ
て、振動板56が、支持ゴム58を介して、第二の取付
金具12により支持せしめられ、支持ゴム58の弾性変
形に基づいて振動板56の変位が許容されるようになっ
ていると共に、これら振動板56と支持ゴム58によっ
て第二の取付金具12の中心穴54が流体密に閉塞され
ている。
わされたオリフィス金具40と第二の取付金具12の間
には、仕切板金具46と振動板56の対向面間におい
て、壁部の一部が振動板56にて構成された圧力制御室
60が形成されている。即ち、この圧力制御室60は、
主液室50に対して、仕切板金具46を挟んで反対側に
独立して位置せしめられていると共に、該主液室50に
対して、第一のオリフィス通路52を通じて相互に連通
されているのであり、このことから明らかなように、本
実施例では仕切板金具46によって、容易に変形しない
硬質の仕切部材が構成されている。
には、それぞれ、水やアルキレングリコール,ポリアル
キレングリコール,シリコーン油等の非圧縮性流体が封
入されている。なお、かかる封入流体としては、第一の
オリフィス通路52を通じて流動せしめられる流体の共
振作用に基づく防振効果を一層有利に得るために、0.
1Pa・s以下の粘度を有する低粘性流体を用いること
が望ましい。また、流体の封入操作は、例えば、本体ゴ
ム14の一体加硫成形品に対するオリフィス金具40お
よび第二の取付金具12の組付けを流体中で行うこと等
によって、有利に為され得る。
10の内部に形成された静圧吸収室18に対して、微細
孔30を通じて連通されていると共に、この静圧吸収室
18には主液室50と同様な非圧縮性流体が封入されて
おり、以て、主液室50と静圧吸収室18との間で、微
細孔30を通じての封入流体の緩慢な移動が許容される
ようになっている。即ち、この微細孔30は、流速の大
きな流体流動に対しては大きな流通抵抗を発揮するもの
であって、主液室50に動的な圧力変動が惹起された場
合には、微細孔30が実質的に閉塞状態となり、微細孔
30を通じての流体流動は生ぜしめられず、主液室50
に静的荷重による圧力変化が惹起された場合にだけ、微
細孔30を通じての流体の移動によって主液室50の静
圧が解消されるように、微細孔30の口径が充分に小さ
く設定されているのである。
おいては、自動車への装着時にパワーユニット荷重が静
的荷重として及ぼされることにより、本体ゴム14が弾
性変形して主液室50の内圧が増大されるが、主液室5
0と静圧吸収室18との圧力差に基づいて、封入流体が
微細孔30を通じて主液室50から静圧吸収室18に徐
々に移行されることにより、自動車への装着状態下にお
ける主液室50の内圧が解消されるようになっているの
である。
筒形状のコイルケース62が軸方向に重ね合わされ、開
口周縁部に形成されたフランジ状部64において第二の
取付金具12の下面に重ね合わされてボルト固定されて
いる。なお、本実施例では、このコイルケース62を介
して、第二の取付金具12が、ボデー側またはパワーユ
ニット側に取り付けられるようになっている。
巻回されたソレノイドコイル68が収容されていると共
に、全体としてリール形状を有する内側ヨーク部材7
0,72が、ソレノイドコイル68の内孔を通って軸方
向両側を覆うようにして、該ソレノイドコイル68に対
して固定的に組み付けられている。そして、内側ヨーク
部材70がコイルケース62の底壁部にボルト固定され
ることにより、ソレノイドコイル68および内側ヨーク
部材70,72が、コイルケース62内の中央部分にお
いて、それぞれ中心軸が上下方向に延びる状態で配設さ
れている。なお、図中、74は、ソレノイドコイル68
への給電用リード線である。
ップ形状を有する外側ヨーク部材76が配設されてお
り、該外側ヨーク部材76の上底部が振動板56の下面
に重ね合わされてボルト固定されることにより、振動板
56と外側ヨーク部材76が一体的に変位せしめられる
ようになっている。そして、この外側ヨーク部材76
は、内側ヨーク部材70,72およびソレノイドコイル
68に対して上方から被せられ、それら内側ヨーク部材
70,72およびソレノイドコイル68の外周面を僅か
な隙間を隔てて覆うようにして、内側ヨーク部材70,
72およびソレノイドコイル68に対して軸方向に相対
変位可能に外挿、配置されている。
ーク部材76は、何れも、鉄等の強磁性材にて形成され
ており、それによって、内側ヨーク部材70,72と外
側ヨーク部材76にて、ソレノイドコイル68の周囲に
磁路が形成されるようになっている。そして、外側ヨー
ク部材76の筒壁部が、ソレノイドコイル68の軸方向
下側端面を覆う内側ヨーク部材72までは僅かに至らな
い長さとされることにより、ソレノイドコイル68への
通電時に、外側ヨーク部材76に対して、軸方向下方に
向かう吸引力が及ぼされるようになっているのであり、
以て、この磁気吸引力に基づく外側ヨーク部材76の変
位に伴い、振動板56が支持ゴム58の弾性力に抗して
下方に変位せしめられるようになっている。なお、外側
ヨーク部材76の上底部には空気抜き孔78が設けられ
ており、内側ヨーク部材70と外側ヨーク部材76の間
の空間に空気が給排されることによって、外側ヨーク部
材76の変位時における空気ばね作用が回避されるよう
になっている。また、コイルケース62は、磁束の拡散
を抑えるために非磁性材にて形成することが望ましい。
には、適当な合成樹脂材料等によって形成された低摩擦
性の摺動スリーブ82が挿入されて嵌着固定されてい
る。また、外側ヨーク部材76を振動板56に固定する
ボルトの頭部は、軸方向に延長されて下方に延びる円形
断面のロッド84とされており、このロッド84が、内
側ヨーク部材70の中心孔80に挿入されて、摺動スリ
ーブ82に摺動可能に挿通されている。そして、摺動ス
リーブ82によってロッド84が軸方向に案内され、該
ロッド84の軸直角方向への変位が阻止されることによ
り、振動板56における傾き等の不規則な変位が防止さ
れて振動板56が上下方向に安定して変位せしめられる
と共に、外側ヨーク部材76の内側ヨーク部材70,7
2への接触や吸着が防止されて安定した磁気吸引力が生
ぜしめられるようになっている。なお、本実施例では、
ロッド84が非磁性材で形成されているが、このロッド
84を強磁性材で形成しても良く、また、その場合に
は、該ロッド84を外側ヨーク部材76と略同一の軸方
向長さで内側ヨーク部材70の中心孔80に挿入せしめ
ることにより、ロッド84にもソレノイドコイル68に
よる磁気吸引力が及ぼされるようにすることが可能であ
る。
て脈動電流や交番電流等を給電すると、通電電流が増加
する際には、外側ヨーク部材76に及ぼされる磁気吸引
力が増大して振動板56が支持ゴム58の弾性力に抗し
て下方に変位せしめられる一方、通電電流が減少する際
には、外側ヨーク部材76に及ぼされる磁気吸引力が減
少して振動板56が支持ゴム58に蓄えられたエネルギ
に基づく弾性力によって上方に変位せしめられるように
なっているのであり、その結果、振動板56が、ソレノ
イドコイル68への給電に応じて、上下に往復変位(振
動)させられるようになっているのである。なお、本実
施例では、ソレノイドコイル68における磁極の方向に
拘わらず外側ヨーク部材76に対して磁気吸引力が及ぼ
されることから、ソレノイドコイル68への給電周波数
の2倍の周波数で振動板56の加振力が及ぼされること
となる。また、振動板56の振幅および振動周波数は、
ソレノイドコイル68に給電する電流の大きさや周波数
を調節すること等によって変更され得る。
ることによって、圧力制御室60の内圧が変化せしめら
れるのであり、それによって、圧力制御室60と主液室
50の間に内圧差が生ぜしめられると、それら圧力制御
室60と主液室50の間で第一のオリフィス通路52を
通じての流体流動が生ぜしめられることとなる。その結
果、主液室50の内圧が変化せしめられてマウント防振
特性が調節されることとなるのであり、マウントへの入
力振動との位相差を考慮して振動板を加振することによ
って、減衰効果を向上せしめたり、或いは低動ばね化に
よる振動絶縁効果を向上せしめたりすることが可能とな
る。
フィス通路52を通じて流動する流体マスの共振現象
が、アイドリング振動等に相当する中周波数域(例え
ば、30Hz程度)において生ぜしめられるように、該第
一のオリフィス通路52の長さや断面積等が設定されて
いる。これにより、主液室50の内圧変化に基づく低動
ばね化による振動絶縁効果を得るべく、アイドリング振
動に相当する周波数で振動板56を加振せしめて、圧力
制御室60と主液室50との間での第一のオリフィス通
路52を通じての流体流動を生ぜしめると、流体の共振
現象が発生し、以て該流体の共振現象によってより大き
なパワーが主液室50に及ぼされて、該主液室50に有
効な内圧変化が及ぼされることとなる。
材70,72,76等からなる加振手段を比較的小さな
エネルギーで駆動して振動板56を加振した場合でも、
第一のオリフィス通路52を通じて流動せしめられる流
体マスの共振作用によってパワーが増幅されて、主液室
50の圧力、延いてはマウント防振特性の調節が有効に
為され得るのであり、以て、目的とする振動絶縁効果を
極めて有効に得ることが出来るのである。
は、微細孔30を通じて主液室50に連通された静圧吸
収室18によって吸収されることから、パワーユニット
荷重等に起因して生ぜしめられる主液室50の内圧によ
ってマウント防振特性が阻害されるようなことはない。
また、微細孔30は、振動によって主液室50に生ぜし
められる内圧に対して著しく大きな流動抵抗を示し、実
質的に閉塞状態となることから、該微細孔30を通じて
の主液室50からの流体の流出に起因して、主液室50
の内圧変動が吸収されてマウント防振特性が阻害される
ようなこともない。
は、比較的小さなエネルギーで有効な防振効果を得るこ
とが出来ることから、電力消費量が抑えられると共に、
加振手段を構成するソレノイドコイル68等の小型,軽
量化が可能であり、製造コストも安価となるという利点
もある。
マウントについて、アイドリング振動に対する防振効果
を確認するために、周波数:15Hz,電圧:25VPKの
交番電流をソレノイドコイル68に通電し、振動板56
を30Hzで加振した際に、第一の取付金具10と第二の
取付金具12の間に及ぼされる加振力を測定した結果
を、下記表1に示す。また、図2に示されているよう
に、仕切部材によって圧力制御室を画成せずに、主液室
50の壁部の一部を振動板56にて構成することによ
り、振動板56の加振によって主液室50の内圧を直接
に制御するようにした比較例構造のマウントについても
同様な実験を行い、測定結果を、比較例として表1に併
せ示す。なお、比較例構造のマウントにおいては、図示
されているように、静圧吸収室18と主液室50とを、
アイドリング振動にチューニングしたオリフィス通路8
6によって連通し、振動入力時に主液室50と静圧吸収
室18との間でオリフィス通路86を通じての流体流動
が生ぜしめられるようにした。即ち、この比較例構造の
マウントにおいては、静圧吸収室18は主液室50の静
圧を吸収するだけでなく、動的振動入力時に主液室50
との間でオリフィス通路86を通じての流体流動を許容
する平衡室として機能するようになっているのである。
また、図2においては、理解を容易とするために、本実
施例に対応する部材および部位に対して、それぞれ、本
実施例のマウントと同一の符号を図面中に付しておく。
に、第一のオリフィス通路52による流体マスの共振現
象を利用して振動板56の加振による圧力を主液室50
に及ぼすようにした本実施例構造のエンジンマウントに
おいては、主液室50に対して振動板56の加振による
圧力を直接に及ぼすようにした比較例構造のエンジンマ
ウントに比して、同一の駆動電力によって、大きな加振
力、延いては有効な防振効果を得ることの出来ること
が、明らかである。また、実験によれば、本実施例構造
のエンジンマウントにおいては、比較例構造のエンジン
マウントに比して、不要の高次の周波数域における発生
振動レベルも、有効に抑えられることが確認されてい
る。
ウントにおいては、ソレノイドコイル68への通電によ
って加振される可動部分(振動板56,外側ヨーク部材
76,ロッド84等を含む)の共振周波数を、防振を目
的とする周波数域となるようにチューニングすることも
可能であり、それによって、防振効果をより一層効率的
に得ることが可能となる。
してのエンジンマウントが示されている。なお、本実施
例は、前記第一の実施例のエンジンマウントに対して、
加振手段の別の具体例を例示するものであって、第一の
実施例と同様な構造とされた部材および部位について
は、それぞれ、図面中に、第一の実施例と同一の符号を
付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
た加振手段が採用されており、詳細には、前記第一の実
施例におけるコイルケース62の代わりに、円形ブロッ
ク形状を有する強磁性材からなるヨーク部材88が用い
られて、第二の取付金具12にボルト固定されており、
このヨーク部材88の径方向中間部分に対して、周方向
に連続して延びる円環状の凹溝90が形成されることに
より、内側ヨーク92と外側ヨーク94が形成されてい
る。また、凹溝90の開口部分には、内側ヨーク92の
外周面に沿って円筒形状の永久磁石96が配設されてい
ると共に、この永久磁石96の両磁極が、内周側と外周
側に位置するように設定されており、それによって、ヨ
ーク部材88(内側ヨーク92および外側ヨーク94)
により、環状の磁路が周方向全周において形成されてい
る。
6と外側ヨーク94の対向面間に形成されたギャップ部
分に対して、ソレノイドコイル98が、僅かな隙間をも
って挿入配置されていると共に、該ソレノイドコイル9
8が、振動板56にボルト固定された逆カップ形状を有
する伝動部材100に対して固着されている。
ドコイル98に通電すると、電磁力によって通電方向に
応じた上下方向への加振力が生ぜしめられるのであり、
この加振力が振動板56に及ぼされて往復駆動(振動)
せしめられるようになっているのである。
マウントにおいても、前記実施例と同様な効果が何れも
有効に発揮され得ることとなる。
ンマウントが示されている。なお、この参考例は、前記
第一の実施例のエンジンマウントに対して、こもり音等
の高周波振動に対する防振機構を付与せしめたものの一
具体例を示すものであり、第一の実施例と同様な構造と
された部材および部位については、それぞれ、図面中
に、第一の実施例と同一の符号を付することにより、そ
れらの詳細な説明を省略する。
トにおいては、主液室50と圧力制御室60を仕切る仕
切部材の構造が、第一の実施例とは異なっており、この
仕切部材に対して、高周波振動に対する防振機構が付与
されている。
具38と第二の取付金具12の間に固定されて径方向内
方に大きく延び出す略円環板形状のオリフィス金具10
2が採用されていると共に、このオリフィス金具102
に対して、略円環板形状の蓋金具104が上方から被せ
られるように組み付けられており、これらオリフィス金
具102と蓋金具104によって、主液室50と圧力制
御室60を仕切る仕切部材が構成されている。
04の重ね合わせ面間には、周方向に所定長さで延び、
両端部において主液室50と圧力制御室60の各一方に
連通された第一のオリフィス通路52が形成されてお
り、第一の実施例と同様、この第一のオリフィス通路5
2が、アイドリング振動等に相当する中周波数域にチュ
ーニングされている。
ス金具102および蓋金具104の中央穴によって、仕
切部材の軸方向に貫通して延びる第二のオリフィス通路
106が形成されている。そして、この第二のオリフィ
ス通路106は、流路断面積:Aと流路長さ:Lの比:
A/Lの値が、第一のオリフィス通路52よりも大きく
設定されて、こもり音等に相当する高周波数域にチュー
ニングされている。
は、硬質ゴムや合成樹脂,金属等の硬質材料からなる円
板形状の可動板108が配設されており、この可動板1
08の外周縁部が、第二のオリフィス通路106の内周
面に形成された周方向に延びる凹溝110に差し込まれ
ることにより、かかる可動板108が、第二のオリフィ
ス通路106を仕切るようにして、凹溝110内で所定
量だけ変位可能に配設されている。要するに、可動板1
08の外周縁部の肉厚寸法よりも、凹溝110の内法寸
法の方が僅かに大きくされていることにより、それらの
寸法差分だけのガタが、可動板108の変位として許容
されるようになっているのであり、以て、この可動板1
08の変位に基づいて、第二のオリフィス通路106を
通じての主液室50と圧力制御室60との間での流体流
動が許容されるようになっているのである。
力された際に、こもり音等に相当する高周波数で振動板
56を加振すると、第一のオリフィス通路52は流通抵
抗が著しく増大して実質的に閉塞化してしまうが、第二
のオリフィス通路106を通じて流動する流体に共振現
象が発生し、該流体の共振現象によってより大きなパワ
ーが主液室50に及ぼされて、主液室50に有効な内圧
変化が及ぼされることとなり、以て、高周波振動に対し
ても有効な防振効果が発揮され得るのである。
一のオリフィス通路52よりもA/Lの比が大きく流通
抵抗が小さいが、一般に、アイドリング振動等の中周波
振動はこもり音等の高周波振動に比して振幅が大きく、
中周波振動の入力時には第二のオリフィス通路106を
通じて流動する流体流量が可動板108にて制限される
ことから、第一のオリフィス通路52を通じての流体流
動量が確保されて、第一のオリフィス通路52を通じて
流動する流体の共振作用に基づく防振性能の向上効果が
有効に発揮され得る。
においては、中周波数域の振動入力時には、圧力制御室
60から主液室50への圧力伝達が、第一のオリフィス
通路52を流動する流体の共振作用に基づいて効率的に
為され得ると共に、高周波数域の振動入力時には、圧力
制御室60から主液室50への圧力伝達が、第二のオリ
フィス通路106を通じて流動する流体の共振作用に基
づいて効率的に為され得ることから、中周波および高周
波の何れの周波数域の入力振動に対しても、主液室50
の圧力制御に基づく防振効果を有利に得ることが出来る
のであり、前記第一の実施例のエンジンマウントより
も、更に広い周波数域の入力振動に対して優れた防振効
果を発揮し得ることとなる。
08の変位量を制限することによって、第二のオリフィ
ス通路106を通じての流体流動量を制限する流量制限
手段が採用されていたが、かかる流量制限手段として
は、第一のオリフィス通路52がチューニングされた周
波数域の振動入力時に、第二のオリフィス通路106を
通じての流体流動量を制限して、第一のオリフィス通路
52を通じての流体流動量を有効に確保し得るものであ
れば良く、前記実施例のものに限定されるものではな
い。例えば、図5に示されているように、複数の弾性突
起112が両面に設けられた可動板114を用い、それ
ぞれ略円板形状を有するオリフィス金具102と蓋金具
104の間で、弾性突起112を介して可動板114を
挟み込んで配設すると共に、オリフィス金具102と蓋
金具104の各中央部分に複数の通孔116を設けて、
可動板114の両面側を主液室50と圧力制御室60の
各一方に連通することにより、弾性突起112の弾性変
形に基づいて可動板114の所定量の変位が許容される
ようにした流量制限手段を採用することも可能である。
なお、図5においては、理解を容易とするために、第三
の実施例と同様な構造とされた部材および部位に対し
て、それぞれ、同一の符号を付しておく。
例としての自動車用エンジンマウントが示されている。
なお、本実施例は、前記第一の実施例のエンジンマウン
トに対して、こもり音等の高周波振動に対する防振機構
を付与せしめたものの別の具体例を示すものであり、第
一の実施例と同様な構造とされた部材および部位につい
ては、それぞれ、図面中に、第一の実施例と同一の符号
を付することにより、それらの詳細な説明を省略する。
おいては、主液室50と静圧吸収室18を仕切る隔壁部
分の構造が、第一の実施例とは異なっており、この隔壁
部分に対して、高周波振動に対する防振機構が付与され
ている。
する下金具22の底壁部中央に対して、大口径の穴が設
けられており、この中央穴によって、主液室50と静圧
吸収室18を連通する圧力吸収流路118が構成されて
いる。
グ金具120がボルト固定されており、それによって、
圧力吸収流路118の内周面を周方向に連続して延びる
凹溝122が形成されている。さらに、圧力吸収流路1
18には、硬質材料からなる円板形状の可動板124が
配設されており、この可動板124の外周縁部が凹溝1
22に差し込まれることにより、かかる可動板124
が、圧力吸収流路118を仕切るようにして、凹溝12
2内で所定量だけ変位可能に配設されている。要する
に、可動板124の外周縁部の肉厚寸法よりも、凹溝1
22の内法寸法の方が僅かに大きくされていることによ
り、それらの寸法差分だけのガタが、可動板124の変
位として許容されるようになっているのであり、以て、
この可動板124の変位に基づいて、圧力吸収流路11
8を通じての主液室50と静圧吸収室18との間での流
体流動が許容されるようになっているのである。
力された際には、第一のオリフィス通路52の流通抵抗
が著しく増大して実質的に閉塞化してしまうために主液
室50に大きな内圧が生ぜしめられることとなるが、か
かる主液室50の内圧変動が、圧力吸収流路118を通
じての主液室50と静圧吸収室18との間における流体
流動によって軽減乃至は吸収されるのであり、それによ
って、主液室50の内圧増大に伴う高動ばね化に起因す
る防振性能の著しい低下が解消されて、高周波振動に対
しても有効な防振効果が発揮され得るのである。
流動量は可動板124で制限されることから、かかる圧
力吸収流路118を通じての流体流動によって、振幅の
大きい中周波振動の入力時に第一のオリフィス通路52
を通じて及ぼされる振動板56の加振による主液室50
内の圧力変動が吸収されてしまうことはなく、第一のオ
リフィス通路52を通じて流動する流体の共振作用に基
づく防振性能の向上効果は有効に発揮され得る。
いては、中周波数域の振動入力時には、圧力制御室60
から主液室50への圧力伝達が、第一のオリフィス通路
52を流動する流体の共振作用に基づいて効率的に為さ
れ得て、主液室50の圧力制御に基づく防振効果を有利
に得ることが出来ると共に、高周波数域の振動入力時に
は、圧力吸収流路118を通じての主液室50と静圧吸
収室18との間での流体流動が許容されて、主液室50
の内圧上昇に起因する著しい防振性能の低下が回避され
得るのであり、それによって、前記第一の実施例のエン
ジンマウントよりも、更に広い周波数域の入力振動に対
して優れた防振効果を発揮し得ることとなる。
が、静圧吸収室18と主液室50をつなぐ微細孔をも兼
ねており、凹溝122と可動板124の間の隙間を通じ
ての流体流動によって、パワーユニット荷重等の静的荷
重による主液室50の内圧上昇が解消されるようになっ
ている。
4の変位量を制限することによって、圧力吸収流路11
8を通じての流体流動量を制限する流量制限手段が採用
されていたが、かかる流量制限手段としては、第一のオ
リフィス通路52がチューニングされた周波数域の振動
入力時に、圧力吸収流路118を通じての流体流動を制
限して、第一のオリフィス通路52を通じての流体流動
量を有効に確保し得るものであれば良く、前記実施例の
ものに限定されるものではない。例えば、図7に示され
ているように、複数の弾性突起126が両面に設けられ
た可動板128を用い、下金具22の底壁部と該底壁部
に重ね合わされた円板形状の蓋金具130との間で、弾
性突起126を介して可動板128を挟み込んで配設す
ると共に、下金具22の底壁部と蓋金具130にそれぞ
れ複数の通孔132を設けて、可動板128の両面側を
主液室50と静圧吸収室18の各一方に連通することに
より、弾性突起126の弾性変形に基づいて可動板12
8の所定量の変位が許容されるようにした流体制限手段
を採用することも可能である。なお、図7においては、
理解を容易とするために、第三の実施例と同様な構造と
された部材および部位に対して、それぞれ、同一の符号
を付しておく。
たが、これらは文字通りの例示であって、本発明は、こ
れらの具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
リフィス通路は、何れも、流路断面積や長さ等を適当に
調節することによって、防振を目的とする各種の周波数
域の振動に対してチューニングすることが可能である。
そして、シェイク等の低周波振動に対しては、入力振動
に対する振動板の加振振動の位相を調節することによ
り、有効な減衰効果を得ることも可能である。
さや断面積を確保するために、マウント構造を考慮し
て、各種の構造が採用され得るものであり、前記実施例
のものに限定されることはない。
ても、例示のものに限定されることはなく、電歪素子や
磁歪素子を利用したものや油圧式乃至は空圧式のアクチ
ュエータ,リニアアクチュエータ等を採用することも可
能である。
ングされた第二の振動周波数域よりも高周波数域の振動
入力時に流体流動が許容されるように圧力吸収流路を設
定し、且つ、第二の振動周波数域の振動入力時に圧力吸
収流路を通じての流体流動が制限されて第二のオリフィ
ス通路を通じての流体流動量が確保されるように、該圧
力吸収流路に配設される流量制限手段を調節することも
可能であり、それによって、第一及び第二のオリフィス
通路を通じて流動する流体の共振作用を利用して主液室
の圧力制御に基づく防振効果を有利に得ることが出来る
と共に、第二のオリフィス通路も実質的に閉塞化してし
まう程のより高周波数域の振動入力時におけるマウント
の高動ばね化が圧力吸収流路を通じての流体流動によっ
て回避され得ることとなり、より一層広い周波数域の入
力振動に対して優れた防振効果を得ることが可能となる
のである。
89号明細書に開示されているような、支軸部材とその
周りに配設された筒状部材によって第一の取付部材と第
二の取付部材が構成された、FF型自動車用エンジンマ
ウント等に好適に用いられる筒型構造の防振装置に対し
ても適用され得る。
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
に従う構造とされた流体封入式防振装置においては、初
期荷重等の静的荷重の作用により主液室に生ぜしめられ
る内圧が解消されて、振動板の加振による主液室の内圧
制御等に基づく防振効果が有効に且つ安定して発揮され
るのである。
う構造とされた流体封入式防振装置においては、第一の
振動周波数域とは異なる第三の振動周波数域の振動入力
時における主液室の内圧上昇等による防振性能の低下が
回避されることから、広い周波数域の入力振動に対して
優れた防振効果が発揮されるのである。
好ましい第一の態様に係る流体封入式防振装置において
は、第一のオリフィス通路による防振効果の向上が効果
的に図られ得る。
好ましい第二の態様に係る流体封入式防振装置において
は、静圧吸収室の設置スペースの効率化が図られ得る。
好ましい第三の態様に係る流体封入式防振装置において
は、振動板を第二の取付部材に対して変位可能に支持せ
しめる支持機構が、簡単な構造をもって有利に実現され
得る。
好ましい第四の態様に係る流体封入式防振装置において
は、FF型自動車用エンジンマウントやサスペンション
ブッシュ等に用いられる円筒型の防振装置に対して、本
発明を有利に適用することが可能となる。
トを示す縦断面説明図である。
説明図である。
トを示す縦断面説明図である。
縦断面説明図である。
され得る、流量制限手段の別の具体例を示す要部説明図
である。
ウントを示す縦断面説明図である。
され得る、流量制限手段の別の具体例を示す要部説明図
である。
Claims (6)
- 【請求項1】 互いに所定距離を隔てて配された第一の
取付部材および第二の取付部材と、 それら第一の取付部材と第二の取付部材を連結する本体
ゴムと、 該本体ゴムによって壁部の一部が構成されて振動入力時
に内圧変動が生ぜしめられる、内部に非圧縮性流体が封
入された主液室と、 該主液室に対して、前記第二の取付部材により支持され
た仕切部材を隔てて設けられて、壁部の一部が前記第二
の取付部材に対して変位可能に支持された振動板で構成
された、内部に非圧縮性流体が封入された圧力制御室
と、 前記振動板を加振することにより、該圧力制御室に内圧
変動を生ぜしめる加振手段と、 前記主液室および前記圧力制御室から独立して設けら
れ、壁部の一部が変形容易な可撓性膜で構成されて、内
部に非圧縮性流体が封入された静圧吸収室と、 前記主液室と前記圧力制御室の間に跨がって形成され
て、それら両室間での流体流動を許容する、内部を通じ
て流動せしめられる流体の共振周波数が防振を目的とす
る第一の振動周波数域に応じてチューニングされた第一
のオリフィス通路と、 前記主液室と前記静圧吸収室の間に跨がって形成され
て、それら両室間での流体流動を許容するが、振動入力
時には実質的に閉塞状態となる微細孔とを、 有し、且つ前記仕切部材が、容易に変形しない硬質の有
底円筒形状の仕切板金具にて構成されてなると共に、前
記第一のオリフィス通路が、該仕切板金具の有底円筒形
状の角部内側において周方向に延びるように形成されて
いることを特徴とする流体封入式防振装置。 - 【請求項2】 前記主液室と前記静圧吸収室の間に跨が
って形成されて、前記第一の振動周波数域よりも高い領
域における防振を目的とする第三の振動周波数域の振動
入力時にも、それら両室間での流体流動を許容する圧力
吸収流路と、 該圧力吸収流路に所定量だけ変位乃至は変形可能に配設
されて、該圧力吸収流路を通じての流体流動量を制限す
る流量制限手段とを、 設けたことを特徴とする請求項1に記載の流体封入式防
振装置。 - 【請求項3】 前記第一のオリフィス通路の内部を通じ
て流動せしめられる流体の共振周波数が5〜40Hzとな
るように、該オリフィス通路がチューニングされている
請求項1又は2に記載の流体封入式防振装置。 - 【請求項4】 前記静圧吸収室が、前記第一の取付部材
の内部に形成されている請求項1乃至3の何れかに記載
の流体封入式防振装置。 - 【請求項5】 前記振動板が、前記第二の取付部材に対
して、支持ゴムを介して支持せしめられて、該支持ゴム
の弾性変形に基づいて該振動板の変位が許容されるよう
になっている請求項1乃至4の何れかに記載の流体封入
式防振装置。 - 【請求項6】 ロッド状の支軸部材によって前記第一の
取付部材が構成される一方、該支軸部材の周りを所定距
離を隔てて取り囲むように配設された筒状部材にて前記
第二の取付部材が構成されている請求項1乃至5の何れ
かに記載の流体封入式防振装置。
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