JPH05327218A - 多層セラミック基板の製造方法 - Google Patents
多層セラミック基板の製造方法Info
- Publication number
- JPH05327218A JPH05327218A JP13067292A JP13067292A JPH05327218A JP H05327218 A JPH05327218 A JP H05327218A JP 13067292 A JP13067292 A JP 13067292A JP 13067292 A JP13067292 A JP 13067292A JP H05327218 A JPH05327218 A JP H05327218A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- glass
- ceramic
- temperature
- crystallization
- laminated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ガラスセラミック基板が焼成時において厚み
方向だけ収縮し、平面方向には収縮しない多層基板を得
ること。 【構成】 ガラスセラミック低温焼結基板材料に有機バ
インダ、可塑剤を含むグリーンシート1を作製し、導体
ペースト組成物で電極パターン3を形成し、複数枚数積
層する。その後グリーンシート積層体の両面を、ガラス
セラミック基板の焼成温度では結晶化が起こらず、ガラ
スセラミックの結晶化終了温度以上で結晶化が始まり焼
結するガラスよりなるグリーンシート2で挟み込むよう
に積層する。そして焼成処理として、有機物を除去する
脱バインダを行った後、内層のガラスセラミック組成物
の結晶化温度まで昇温、保持し、この内層ガラスセラミ
ック組成物の結晶化が終了した後、さらに両面に積層し
た前記ガラスの結晶化温度まで昇温、保持を行う。そし
て結晶化が終了した後に両面の結晶化物を取り除く。
方向だけ収縮し、平面方向には収縮しない多層基板を得
ること。 【構成】 ガラスセラミック低温焼結基板材料に有機バ
インダ、可塑剤を含むグリーンシート1を作製し、導体
ペースト組成物で電極パターン3を形成し、複数枚数積
層する。その後グリーンシート積層体の両面を、ガラス
セラミック基板の焼成温度では結晶化が起こらず、ガラ
スセラミックの結晶化終了温度以上で結晶化が始まり焼
結するガラスよりなるグリーンシート2で挟み込むよう
に積層する。そして焼成処理として、有機物を除去する
脱バインダを行った後、内層のガラスセラミック組成物
の結晶化温度まで昇温、保持し、この内層ガラスセラミ
ック組成物の結晶化が終了した後、さらに両面に積層し
た前記ガラスの結晶化温度まで昇温、保持を行う。そし
て結晶化が終了した後に両面の結晶化物を取り除く。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体LSI、チップ部
品などを搭載し、それらを相互配線するための多層セラ
ミック基板の製造方法に関するものである。
品などを搭載し、それらを相互配線するための多層セラ
ミック基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体LSI、チップ部品等は小
型、軽量化が進んでおり、これらを実装する配線基板も
小型、軽量化が望まれている。このような要求に対し
て、セラミック多層基板は、要求される高密度配線が得
られ、なお薄膜化が可能な事より、今日のエレクトロニ
クス業界において重要視されている。
型、軽量化が進んでおり、これらを実装する配線基板も
小型、軽量化が望まれている。このような要求に対し
て、セラミック多層基板は、要求される高密度配線が得
られ、なお薄膜化が可能な事より、今日のエレクトロニ
クス業界において重要視されている。
【0003】このセラミック多層基板に使用される電極
材料としての導体組成物は、一般に導電性金属、無機酸
化物、ガラス粉末が有機媒体中に分散されているペース
ト状組成物である。近年、低温焼結ガラス・セラミック
多層基板の開発によって、使用できる導体材料は、金、
銀、銅、パラジウムまたはそれらの混合物が用いられる
ようになった。これらの金属は従来使用されたタングス
テン、モリブデンなどに比べ導体抵抗が低く、且つ使用
できる設備も安全で低コストに製造できる。
材料としての導体組成物は、一般に導電性金属、無機酸
化物、ガラス粉末が有機媒体中に分散されているペース
ト状組成物である。近年、低温焼結ガラス・セラミック
多層基板の開発によって、使用できる導体材料は、金、
銀、銅、パラジウムまたはそれらの混合物が用いられる
ようになった。これらの金属は従来使用されたタングス
テン、モリブデンなどに比べ導体抵抗が低く、且つ使用
できる設備も安全で低コストに製造できる。
【0004】一方これらの金属の内、貴金属である金、
銀、パラジウムは高価でかつ価格変動が大きいことか
ら、安価で価格変動の少ない卑金属系が使用されてきて
いる。この中でも銅が比抵抗が小さく半田濡れ性も優れ
ているため、銅の電極材料の使用が望まれている。
銀、パラジウムは高価でかつ価格変動が大きいことか
ら、安価で価格変動の少ない卑金属系が使用されてきて
いる。この中でも銅が比抵抗が小さく半田濡れ性も優れ
ているため、銅の電極材料の使用が望まれている。
【0005】ここではそれらの低温焼結多層基板に銅を
使用する代表的な製造方法の一例を述べる。一つには多
層基板の内層電極に銀を用い、低温焼結基板のグリーン
シートを所望の枚数積層し、空気中で焼成し、その後最
上層に銀、銅を印刷、焼成して得られるものである(例
えば特開平3-78798号公報参照)。これはインピーダン
スの小さい銀、銅を使用するものである。しかし、最上
層に用いる銅は銀との共晶温度が低いため600℃程度
の低温焼成銅ペーストを用いなければならない。その結
果、接着強度、半田濡れの点で課題が多い。二つめの方
法として、内層および最上層に銅電極を用いる方法があ
る。導体抵抗、半田濡れ性、コストの点で最も良いが、
すべて窒素などの中性雰囲気で焼成しなければ成らずそ
の作製が困難である。一般に銅電極を使用するには、基
板上にCuペーストをスクリーン印刷にて配線パターン
を形成し、乾燥後、Cuの融点以下の温度(850〜9
50℃程度)で、かつCuが酸化されず導体ペースト中
の有機成分が十分燃焼するように酸素分圧を制御した窒
素雰囲気中で焼成を行なうものである。多層する場合
は、同様の条件で絶縁層を印刷焼成して得られる。しか
し、焼成工程における雰囲気を適度な酸素分圧下にコン
トロールすることは困難であり、また多層化する場合、
各ペーストを印刷後その都度焼成を繰り返し行なう必要
があり、リードタイムが長くなり設備などのコストアッ
プにつながるなどの課題を有している(特願昭55-12889
9)。そこで特開平3-20914号公報において、セラミック
多層基板の作製にあたり、酸化第二銅ペーストを用い、
脱バインダ工程、還元工程、焼成工程の3段階とする方
法がすでに開示されている。それは酸化第二銅を導体の
出発原料とし多層体を作製し、脱バインダ工程は、炭素
に対して充分な酸素雰囲気でかつ内部の有機バインダを
熱分解させるに充分な温度で熱処理を行なう。次に酸化
第二銅を銅に還元する還元工程、基板の焼結を行なう焼
成工程により成立しているものである。これにより、焼
成時の雰囲気制御が容易になり緻密な焼結体が得られる
ようになった。
使用する代表的な製造方法の一例を述べる。一つには多
層基板の内層電極に銀を用い、低温焼結基板のグリーン
シートを所望の枚数積層し、空気中で焼成し、その後最
上層に銀、銅を印刷、焼成して得られるものである(例
えば特開平3-78798号公報参照)。これはインピーダン
スの小さい銀、銅を使用するものである。しかし、最上
層に用いる銅は銀との共晶温度が低いため600℃程度
の低温焼成銅ペーストを用いなければならない。その結
果、接着強度、半田濡れの点で課題が多い。二つめの方
法として、内層および最上層に銅電極を用いる方法があ
る。導体抵抗、半田濡れ性、コストの点で最も良いが、
すべて窒素などの中性雰囲気で焼成しなければ成らずそ
の作製が困難である。一般に銅電極を使用するには、基
板上にCuペーストをスクリーン印刷にて配線パターン
を形成し、乾燥後、Cuの融点以下の温度(850〜9
50℃程度)で、かつCuが酸化されず導体ペースト中
の有機成分が十分燃焼するように酸素分圧を制御した窒
素雰囲気中で焼成を行なうものである。多層する場合
は、同様の条件で絶縁層を印刷焼成して得られる。しか
し、焼成工程における雰囲気を適度な酸素分圧下にコン
トロールすることは困難であり、また多層化する場合、
各ペーストを印刷後その都度焼成を繰り返し行なう必要
があり、リードタイムが長くなり設備などのコストアッ
プにつながるなどの課題を有している(特願昭55-12889
9)。そこで特開平3-20914号公報において、セラミック
多層基板の作製にあたり、酸化第二銅ペーストを用い、
脱バインダ工程、還元工程、焼成工程の3段階とする方
法がすでに開示されている。それは酸化第二銅を導体の
出発原料とし多層体を作製し、脱バインダ工程は、炭素
に対して充分な酸素雰囲気でかつ内部の有機バインダを
熱分解させるに充分な温度で熱処理を行なう。次に酸化
第二銅を銅に還元する還元工程、基板の焼結を行なう焼
成工程により成立しているものである。これにより、焼
成時の雰囲気制御が容易になり緻密な焼結体が得られる
ようになった。
【0006】一方、セラミック多層基板は焼成時に焼結
に伴う収縮が生じる。この焼結に伴う収縮は、使用する
基板材料、グリーンシート組成、粉体ロットなどにより
異なる。これにより多層基板の作製においていくつかの
問題が生じている。まず第1に、多層セラミック基板の
作製において前述のごとく内層配線の焼成を行なってか
ら最上層配線の形成を行なうため、基板材料の収縮誤差
が大きいと、最上層配線パターンと寸法誤差のため内層
電極との接続が行えない。その結果、収縮誤差を予め許
容するように最上層電極部に必要以上の大きい面積のラ
ンドを形成しなければならず、高密度の配線を必要とす
る回路には使用できない。そのため収縮誤差にあわせて
最上層配線のためのスクリーン版をいくつか用意してお
き、基板の収縮率に応じて使用する方法が取られること
もある。この方法ではスクリーン版が数多く用意しなけ
ればならず不経済である。
に伴う収縮が生じる。この焼結に伴う収縮は、使用する
基板材料、グリーンシート組成、粉体ロットなどにより
異なる。これにより多層基板の作製においていくつかの
問題が生じている。まず第1に、多層セラミック基板の
作製において前述のごとく内層配線の焼成を行なってか
ら最上層配線の形成を行なうため、基板材料の収縮誤差
が大きいと、最上層配線パターンと寸法誤差のため内層
電極との接続が行えない。その結果、収縮誤差を予め許
容するように最上層電極部に必要以上の大きい面積のラ
ンドを形成しなければならず、高密度の配線を必要とす
る回路には使用できない。そのため収縮誤差にあわせて
最上層配線のためのスクリーン版をいくつか用意してお
き、基板の収縮率に応じて使用する方法が取られること
もある。この方法ではスクリーン版が数多く用意しなけ
ればならず不経済である。
【0007】また最上層配線を内層焼成と同時に行なえ
ば大きなランドを必要としないが、この同時焼成法によ
っても基板そのものの収縮誤差はそのまま存在するの
で、最後の部品搭載時のクリーム半田印刷において、そ
の誤差のため必要な部分に印刷できない場合が起こる。
また部品実装においても所定の部品位置とズレが生じ
る。
ば大きなランドを必要としないが、この同時焼成法によ
っても基板そのものの収縮誤差はそのまま存在するの
で、最後の部品搭載時のクリーム半田印刷において、そ
の誤差のため必要な部分に印刷できない場合が起こる。
また部品実装においても所定の部品位置とズレが生じ
る。
【0008】第2にグリーンシート積層法による多層基
板は、グリーンシートの造膜方向によって幅方向と長手
方向によってもその収縮率が異なる。このこともセラミ
ック多層基板の作製の障害となっている。
板は、グリーンシートの造膜方向によって幅方向と長手
方向によってもその収縮率が異なる。このこともセラミ
ック多層基板の作製の障害となっている。
【0009】これらの収縮誤差をなるべく少なくするた
めには、製造工程において、基板材料およびグリーンシ
ート組成の管理はもちろん、粉体ロットの違いや積層条
件(プレス圧力、温度)を十分管理する必要がある。し
かし、一般に収縮率の誤差は±0.5%程度存在すると
言われている。
めには、製造工程において、基板材料およびグリーンシ
ート組成の管理はもちろん、粉体ロットの違いや積層条
件(プレス圧力、温度)を十分管理する必要がある。し
かし、一般に収縮率の誤差は±0.5%程度存在すると
言われている。
【0010】このことは多層基板にかかわらずセラミッ
ク、およびガラス・セラミックの焼結を伴うものに共通
の課題である。そこで特願昭3-257553において、低温焼
結ガラス・セラミックよりなるグリーンシートに電極パ
ターンを形成したものを所望枚数積層し、この積層体の
両面、もしくは片面に前記ガラス・セラミック低温焼結
基板材料の焼成温度では焼結しない無機組成物よりなる
グリーンシートで挟み込む様に積層し、前記積層体を焼
成し、しかる後に焼結しない無機組成物を取り除くとい
う発明がなされた。これにより基板材料の焼結が厚み方
向だけ起こり、平面方向の収縮がゼロの基板が作製でき
上記の様な課題が解決できる。
ク、およびガラス・セラミックの焼結を伴うものに共通
の課題である。そこで特願昭3-257553において、低温焼
結ガラス・セラミックよりなるグリーンシートに電極パ
ターンを形成したものを所望枚数積層し、この積層体の
両面、もしくは片面に前記ガラス・セラミック低温焼結
基板材料の焼成温度では焼結しない無機組成物よりなる
グリーンシートで挟み込む様に積層し、前記積層体を焼
成し、しかる後に焼結しない無機組成物を取り除くとい
う発明がなされた。これにより基板材料の焼結が厚み方
向だけ起こり、平面方向の収縮がゼロの基板が作製でき
上記の様な課題が解決できる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
事から平面方向の収縮が起こらない基板が作成されてい
るが、ここには幾つかの課題がある。それは、未収縮基
板を得るために低温焼結ガラスセラミック積層体の両面
もしくは片面に積層した前記ガラス・セラミック低温焼
結基板材料の焼成温度では焼結しない無機組成物の除去
の点にある。この未焼結の無機組成物の除去は超音波洗
浄で行っているが、これは、多層基板を湿式を通す事に
なり、多層基板が膨潤するなどの影響も考えられ、工程
的にも通常の工程よりも1段階増える事となる。また、
導体がセラミック基板表面に現れているビアの部分で
は、焼成時にビア中の導体と表面の無機組成物が反応し
てしまい、ビア部の上の未焼結無機組成物の除去が、超
音波洗浄や研磨などの方法を行っても充分に取り除くこ
とができず長い時間を要するため、もっと短時間で除去
できる方法が必要となる。
事から平面方向の収縮が起こらない基板が作成されてい
るが、ここには幾つかの課題がある。それは、未収縮基
板を得るために低温焼結ガラスセラミック積層体の両面
もしくは片面に積層した前記ガラス・セラミック低温焼
結基板材料の焼成温度では焼結しない無機組成物の除去
の点にある。この未焼結の無機組成物の除去は超音波洗
浄で行っているが、これは、多層基板を湿式を通す事に
なり、多層基板が膨潤するなどの影響も考えられ、工程
的にも通常の工程よりも1段階増える事となる。また、
導体がセラミック基板表面に現れているビアの部分で
は、焼成時にビア中の導体と表面の無機組成物が反応し
てしまい、ビア部の上の未焼結無機組成物の除去が、超
音波洗浄や研磨などの方法を行っても充分に取り除くこ
とができず長い時間を要するため、もっと短時間で除去
できる方法が必要となる。
【0012】本発明は、このような従来の製造方法の課
題を考慮し、多層基板が膨潤することなく、工程数も少
なく、未焼結無機組成物の除去を短時間で行える多層セ
ラミック基板の製造方法を提供することを目的とするも
のである。
題を考慮し、多層基板が膨潤することなく、工程数も少
なく、未焼結無機組成物の除去を短時間で行える多層セ
ラミック基板の製造方法を提供することを目的とするも
のである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガラス・セラ
ミック低温焼結基板材料に少なくとも有機バインダ、可
塑剤を含むグリーンシートを作製し、導体ペースト組成
物で電極パターンを形成し、前記生シートと別の電極パ
ターン形成済みグリーンシートとを複数枚数積層する。
しかる後、前記低温焼結ガラス・セラミックよりなるグ
リーンシート積層体の両面に、前記ガラス・セラミック
基板焼成温度では結晶化が起こらず、ガラス・セラミッ
ク結晶化終了温度以上で結晶化が始まり焼結するガラ
ス、もしくはガラスとセラミックよりなるグリーンシー
トで挟み込むように積層する。そして前記積層体の焼成
処理として、有機物を除去する脱バインダを行った後、
前記内層のガラス・セラミック組成物の結晶化温度まで
昇温、保持し、この内層ガラスセラミック組成物の結晶
化が終了した後、さらに両面に積層した前記ガラス、も
しくはガラスとセラミック混合物の結晶化温度まで昇
温、保持を行う。そして結晶化が終了した後に両面の結
晶化物を取り除く。
ミック低温焼結基板材料に少なくとも有機バインダ、可
塑剤を含むグリーンシートを作製し、導体ペースト組成
物で電極パターンを形成し、前記生シートと別の電極パ
ターン形成済みグリーンシートとを複数枚数積層する。
しかる後、前記低温焼結ガラス・セラミックよりなるグ
リーンシート積層体の両面に、前記ガラス・セラミック
基板焼成温度では結晶化が起こらず、ガラス・セラミッ
ク結晶化終了温度以上で結晶化が始まり焼結するガラ
ス、もしくはガラスとセラミックよりなるグリーンシー
トで挟み込むように積層する。そして前記積層体の焼成
処理として、有機物を除去する脱バインダを行った後、
前記内層のガラス・セラミック組成物の結晶化温度まで
昇温、保持し、この内層ガラスセラミック組成物の結晶
化が終了した後、さらに両面に積層した前記ガラス、も
しくはガラスとセラミック混合物の結晶化温度まで昇
温、保持を行う。そして結晶化が終了した後に両面の結
晶化物を取り除く。
【0014】
【作用】ガラス・セラミック低温焼結基板材料に少なく
とも有機バインダ、可塑剤を含むグリーンシートを作製
し、導体ペースト組成物で電極パターンを形成し、前記
生シートと別の電極パターン形成済みグリーンシートと
を複数枚数積層して多層化し、前記低温焼結ガラス・セ
ラミックよりなるグリーンシート積層体の両面に前記ガ
ラス・セラミック低温焼結基板材料の結晶化温度では結
晶化の挙動を起こさず、前記ガラス・セラミック結晶化
温度終了後に結晶化が始まり焼結を起こす、ガラス、も
しくはガラスとセラミック混合物よりなるグリーンシー
トを積層する。この事により、前記積層体を焼成して
も、厚み方向以外は収縮が起こらない。これは、ガラス
・セラミック積層体が収縮を起こすガラスの軟化点から
焼結までの間、両面に積層した焼結挙動を起こさない材
料で挟み込まれているため、焼結による平面方向の収縮
が阻止されると考えられる。そしてガラス・セラミック
積層体が焼結を完了した後に、両面に積層した材料が焼
結を起こし、平面方向の収縮を起こす。このために、必
要とするガラス・セラミック積層体からの取り外しが容
易に行われる。このように最終的に、平面方向の収縮が
起こらないガラス・セラミック基板が得られる。
とも有機バインダ、可塑剤を含むグリーンシートを作製
し、導体ペースト組成物で電極パターンを形成し、前記
生シートと別の電極パターン形成済みグリーンシートと
を複数枚数積層して多層化し、前記低温焼結ガラス・セ
ラミックよりなるグリーンシート積層体の両面に前記ガ
ラス・セラミック低温焼結基板材料の結晶化温度では結
晶化の挙動を起こさず、前記ガラス・セラミック結晶化
温度終了後に結晶化が始まり焼結を起こす、ガラス、も
しくはガラスとセラミック混合物よりなるグリーンシー
トを積層する。この事により、前記積層体を焼成して
も、厚み方向以外は収縮が起こらない。これは、ガラス
・セラミック積層体が収縮を起こすガラスの軟化点から
焼結までの間、両面に積層した焼結挙動を起こさない材
料で挟み込まれているため、焼結による平面方向の収縮
が阻止されると考えられる。そしてガラス・セラミック
積層体が焼結を完了した後に、両面に積層した材料が焼
結を起こし、平面方向の収縮を起こす。このために、必
要とするガラス・セラミック積層体からの取り外しが容
易に行われる。このように最終的に、平面方向の収縮が
起こらないガラス・セラミック基板が得られる。
【0015】前記ガラス・セラミック積層体の焼成は8
00℃〜1100℃の範囲で行なわれる。銅電極、銀電
極を使用する場合は950℃で行なう。
00℃〜1100℃の範囲で行なわれる。銅電極、銀電
極を使用する場合は950℃で行なう。
【0016】またガラス・セラミック低温焼結基板材料
の焼成温度では焼結しないガラスと無機組成物混合物の
グリーンシートの無機成分には、Al2O3,MgO,Z
rO2,TiO2,BeO,BN,の内少なくとも1種以
上を含むグリーンシートからなる。
の焼成温度では焼結しないガラスと無機組成物混合物の
グリーンシートの無機成分には、Al2O3,MgO,Z
rO2,TiO2,BeO,BN,の内少なくとも1種以
上を含むグリーンシートからなる。
【0017】前記ガラス・セラミック積層体の焼成時に
前記ガラス・セラミック積層体を加圧して焼成を行なう
と、厚み方向の焼結性が更に促進され緻密な焼結体が得
られる。
前記ガラス・セラミック積層体を加圧して焼成を行なう
と、厚み方向の焼結性が更に促進され緻密な焼結体が得
られる。
【0018】両面に積層したガラス、もしくはガラス・
セラミック混合物は、結晶化が終了しているので、取り
除きが容易でり、作業時間も短縮できる。
セラミック混合物は、結晶化が終了しているので、取り
除きが容易でり、作業時間も短縮できる。
【0019】以上の方法によって焼成時の収縮が平面方
向で起こらないガラス・セラミック基板を作製する事が
出来、両面の積層体の取り除き作業も容易となる。
向で起こらないガラス・セラミック基板を作製する事が
出来、両面の積層体の取り除き作業も容易となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の一実施例における多層セラ
ミック基板の断面を示す図である。
て説明する。図1は本発明の一実施例における多層セラ
ミック基板の断面を示す図である。
【0021】(実施例1)まず多層セラミック基板作製
方法を説明する。
方法を説明する。
【0022】基板材料のガラス・セラミックにはホウ珪
酸鉛ガラス粉末にセラミック材料としてのアルミナ粉末
を重量比で50対50とした組成物(日本電気硝子社製
MLS−27 軟化点870℃)を用いた。このガラス
・セラミック粉を無機成分とし、有機バインダとしてポ
リビニルブチラール、可塑剤としてヂ−n−ブチルフタ
レート、溶剤としてトルエンとイソプロピルアルコール
の混合液(30対70重量比)を混合しスラリーとし
た。
酸鉛ガラス粉末にセラミック材料としてのアルミナ粉末
を重量比で50対50とした組成物(日本電気硝子社製
MLS−27 軟化点870℃)を用いた。このガラス
・セラミック粉を無機成分とし、有機バインダとしてポ
リビニルブチラール、可塑剤としてヂ−n−ブチルフタ
レート、溶剤としてトルエンとイソプロピルアルコール
の混合液(30対70重量比)を混合しスラリーとし
た。
【0023】このスラリーをドクターブレード法で有機
フィルム上にシート成形した。この時、造膜から乾燥、
打ち抜き、さらには必要に応じてバイアホール加工を行
う各工程を連続的に行うシステムを使用した。このグリ
ーンシートに銀ペーストを用いて導体パターンの形成お
よびビアホール埋め印刷をスクリーン印刷法によって行
った。導体ペーストは、Ag粉末(平均粒径1μm)に
接着強度を得るためのガラスフリット(日本電気硝子社
製 GA−8ガラス粉末、平均粒径2.5μm)を4w
t%加えたものを無機成分とし、有機バインダであるエ
チルセルロースをターピネオールに溶かしたビヒクルと
ともに加えて、3段ロールにより適度な粘度になるよう
に混合したものを用いた。なおビア埋め用のAgペース
トは更に無機成分として前記ガラス・セラミック粉末を
15重量%加えたものを使用して行なった。
フィルム上にシート成形した。この時、造膜から乾燥、
打ち抜き、さらには必要に応じてバイアホール加工を行
う各工程を連続的に行うシステムを使用した。このグリ
ーンシートに銀ペーストを用いて導体パターンの形成お
よびビアホール埋め印刷をスクリーン印刷法によって行
った。導体ペーストは、Ag粉末(平均粒径1μm)に
接着強度を得るためのガラスフリット(日本電気硝子社
製 GA−8ガラス粉末、平均粒径2.5μm)を4w
t%加えたものを無機成分とし、有機バインダであるエ
チルセルロースをターピネオールに溶かしたビヒクルと
ともに加えて、3段ロールにより適度な粘度になるよう
に混合したものを用いた。なおビア埋め用のAgペース
トは更に無機成分として前記ガラス・セラミック粉末を
15重量%加えたものを使用して行なった。
【0024】次に、ガラス・セラミック基板焼成温度で
は結晶化が起こらず、ガラス・セラミック結晶化温度終
了後に結晶化が始まり焼結するガラスと無機組成物の混
合物よりなるグリーンシートの作製は無機成分としてア
ルミナ(住友化学工業社製AL−41 平均粒径1.9
μm)粉末にガラスフリット(日本電気硝子社製ホウ珪
酸アルミガラス 軟化点930℃ GA−33ガラス粉
末、平均粒径2.5μm)を、5wt%を加えたものを
使用し、前記ガラス・セラミック基板用グリーンシート
と同様のグリーンシート組成で、同様の方法でグリーン
シートを作製した。前記基板用グリーンシートの厚みは
約200μm、アルミナグリーンシートは約250μm
である。
は結晶化が起こらず、ガラス・セラミック結晶化温度終
了後に結晶化が始まり焼結するガラスと無機組成物の混
合物よりなるグリーンシートの作製は無機成分としてア
ルミナ(住友化学工業社製AL−41 平均粒径1.9
μm)粉末にガラスフリット(日本電気硝子社製ホウ珪
酸アルミガラス 軟化点930℃ GA−33ガラス粉
末、平均粒径2.5μm)を、5wt%を加えたものを
使用し、前記ガラス・セラミック基板用グリーンシート
と同様のグリーンシート組成で、同様の方法でグリーン
シートを作製した。前記基板用グリーンシートの厚みは
約200μm、アルミナグリーンシートは約250μm
である。
【0025】前記基板用グリーンシートに印刷を行なっ
たものを所定の枚数積み重ね、さらにその両面に前記ガ
ラス・セラミック基板焼成温度では結晶化が起こらず、
ガラス・セラミック結晶化温度終了後に結晶化が始まり
焼結するガラスと無機組成物の混合物よりなるグリーン
シートを重ね合わせる。この状態で熱圧着して積層体を
形成した。熱圧着条件は、温度が80℃、圧力は200
Kg/cm2であった。図1にその構成を示す。前記基
板材料によるグリーンシート層1が複数層設けられ、そ
の両面に、ガラス・セラミック基板焼成温度では結晶化
が起こらず、ガラス・セラミック結晶化温度終了後に結
晶化が始まり焼結するガラスと無機組成物の混合物より
なるグリーンシート層2が形成され、内層電極層3が内
部に設けられている。
たものを所定の枚数積み重ね、さらにその両面に前記ガ
ラス・セラミック基板焼成温度では結晶化が起こらず、
ガラス・セラミック結晶化温度終了後に結晶化が始まり
焼結するガラスと無機組成物の混合物よりなるグリーン
シートを重ね合わせる。この状態で熱圧着して積層体を
形成した。熱圧着条件は、温度が80℃、圧力は200
Kg/cm2であった。図1にその構成を示す。前記基
板材料によるグリーンシート層1が複数層設けられ、そ
の両面に、ガラス・セラミック基板焼成温度では結晶化
が起こらず、ガラス・セラミック結晶化温度終了後に結
晶化が始まり焼結するガラスと無機組成物の混合物より
なるグリーンシート層2が形成され、内層電極層3が内
部に設けられている。
【0026】次に前記積層体をアルミナ96%基板上に
乗せ焼成する。条件はベルト炉によって空気中、500
℃で脱バインダ終了後、950℃で1時間焼成で行なっ
た(この時、焼成は880℃を約10分保持し、950
℃を約12分保持して、2段階の焼結を行っている)。
このとき基板の反りと厚み方向の焼結収縮を助けるため
アルミナ焼結基板を乗せて加圧するようにして焼成を行
なった。
乗せ焼成する。条件はベルト炉によって空気中、500
℃で脱バインダ終了後、950℃で1時間焼成で行なっ
た(この時、焼成は880℃を約10分保持し、950
℃を約12分保持して、2段階の焼結を行っている)。
このとき基板の反りと厚み方向の焼結収縮を助けるため
アルミナ焼結基板を乗せて加圧するようにして焼成を行
なった。
【0027】焼成後のセラミック積層体の両面にはセラ
ミック基板収縮を抑えた後の焼結体が存在するが、これ
は容易に取り外すことができた。
ミック基板収縮を抑えた後の焼結体が存在するが、これ
は容易に取り外すことができた。
【0028】この焼成後の基板の収縮率を測定すると、
収縮率が0.1%以下であった。この結果、平面方向の
収縮が起こらない多層基板が作製できた。さらにこの多
層基板に銀・パラジウムペーストによって最上層パター
ンをスクリーン印刷し、乾燥の後焼成を前記と同様の方
法で行なった。内層基板の収縮が極めて小さい為、最上
層パターンの印刷ズレがなかった。
収縮率が0.1%以下であった。この結果、平面方向の
収縮が起こらない多層基板が作製できた。さらにこの多
層基板に銀・パラジウムペーストによって最上層パター
ンをスクリーン印刷し、乾燥の後焼成を前記と同様の方
法で行なった。内層基板の収縮が極めて小さい為、最上
層パターンの印刷ズレがなかった。
【0029】(実施例2)基板材料のガラス・セラミッ
クグリーンシートは実施例1と同様の組成の物を用い
た。このグリーンシートにCuOペーストを用いて導体パ
ターンの形成およびビアホール埋め印刷をスクリーン印
刷法によって行った。導体ペーストは、CuO粉末(平均
粒径3μm)に接着強度を得るためのガラスフリット
(日本電気硝子社製 LS−0803ガラス粉末、平均
粒径2.5μm)を3wt%加えたものを無機成分と
し、有機バインダであるエチルセルロースをターピネオ
ールに溶かしたビヒクルとともに加えて、3段ロールに
より適度な粘度になるように混合したものを用いた。な
おビア埋め用のCuOペーストは更に無機成分として前記
ガラス・セラミック粉末を15重量%加えたものを使用
して行なった。
クグリーンシートは実施例1と同様の組成の物を用い
た。このグリーンシートにCuOペーストを用いて導体パ
ターンの形成およびビアホール埋め印刷をスクリーン印
刷法によって行った。導体ペーストは、CuO粉末(平均
粒径3μm)に接着強度を得るためのガラスフリット
(日本電気硝子社製 LS−0803ガラス粉末、平均
粒径2.5μm)を3wt%加えたものを無機成分と
し、有機バインダであるエチルセルロースをターピネオ
ールに溶かしたビヒクルとともに加えて、3段ロールに
より適度な粘度になるように混合したものを用いた。な
おビア埋め用のCuOペーストは更に無機成分として前記
ガラス・セラミック粉末を15重量%加えたものを使用
して行なった。
【0030】次に焼結の起こらないグリーンシートの作
製は無機成分として酸化チタン(関東化学社製 平均粒
径1.5μm)粉末にガラスフリット(コーニングジャ
パン社製ホウ珪酸アルミガラス 軟化点928℃ #1
733 平均粒径2.5μm)を加えたものを使用し、
前記ガラス・セラミック基板用グリーンシートと同様の
グリーンシート組成で、同様の方法でグリーンシートを
作製した。前記基板用グリーンシートの厚みは約200
μm、アルミナグリーンシートは約200μmである。
製は無機成分として酸化チタン(関東化学社製 平均粒
径1.5μm)粉末にガラスフリット(コーニングジャ
パン社製ホウ珪酸アルミガラス 軟化点928℃ #1
733 平均粒径2.5μm)を加えたものを使用し、
前記ガラス・セラミック基板用グリーンシートと同様の
グリーンシート組成で、同様の方法でグリーンシートを
作製した。前記基板用グリーンシートの厚みは約200
μm、アルミナグリーンシートは約200μmである。
【0031】前記基板用グリーンシートに印刷を行なっ
たものを所定の枚数積み重ね、さらにその両面に前記ア
ルミナグリーンシートを重ね合わせる。この状態で熱圧
着して積層体を形成した。熱圧着条件は、温度が80
℃、圧力は200Kg/cm2であった。
たものを所定の枚数積み重ね、さらにその両面に前記ア
ルミナグリーンシートを重ね合わせる。この状態で熱圧
着して積層体を形成した。熱圧着条件は、温度が80
℃、圧力は200Kg/cm2であった。
【0032】次に、焼成の工程を説明する。この工程は
積層体を加圧せずに行ったものである。まず最初は、脱
バインダ工程である。本実施例に使用したグリーンシー
ト、CuOペーストの有機バインダは、PVB及びエチ
ルセルロースである。したがって空気中での分解温度
は、500℃以上あれば良いので、600℃の温度で行
なった。その後前記積層体を水素ガス100%雰囲気中
で250℃ー5時間で還元した。この時のCu層をX線
回折により分析したところ100%Cuであることを確
認した。
積層体を加圧せずに行ったものである。まず最初は、脱
バインダ工程である。本実施例に使用したグリーンシー
ト、CuOペーストの有機バインダは、PVB及びエチ
ルセルロースである。したがって空気中での分解温度
は、500℃以上あれば良いので、600℃の温度で行
なった。その後前記積層体を水素ガス100%雰囲気中
で250℃ー5時間で還元した。この時のCu層をX線
回折により分析したところ100%Cuであることを確
認した。
【0033】次に焼成工程は、純窒素中950℃である
メッシュベルト炉で焼成した。(この時、焼成は880
℃を約10分保持し、950℃を約12分保持して2段
階の焼結を行っている。)以上の様にして作製した積層
体の両面にはセラミック基板収縮を抑えた後の焼結体が
存在するが、これも実施例1と同じく容易に取り外すこ
とができた。セラミック積層体の収縮率を評価したとこ
ろを0.05%以下の収縮であった。
メッシュベルト炉で焼成した。(この時、焼成は880
℃を約10分保持し、950℃を約12分保持して2段
階の焼結を行っている。)以上の様にして作製した積層
体の両面にはセラミック基板収縮を抑えた後の焼結体が
存在するが、これも実施例1と同じく容易に取り外すこ
とができた。セラミック積層体の収縮率を評価したとこ
ろを0.05%以下の収縮であった。
【0034】本実施例においても最上層に銅ペーストを
用いて印刷、焼成を行なったところ、良好な低温焼結多
層基板が得られた。
用いて印刷、焼成を行なったところ、良好な低温焼結多
層基板が得られた。
【0035】なお本実施例において、セラミック基板の
焼成時の収縮を抑えるグリーンシートの無機成分として
Al2O3およびTiO2を用いたが、その他MgO,Z
rO2,BeO,BNを用いても同様の効果が得られ、
ガラス材料にGA−33、#1733を用いているが、
これも必要とするガラス・セラミック基板の結晶化温度
では結晶化を起こさず、後に結晶化を起こすものであれ
ば同様の効果を得られる。またセラミック基板焼成時の
収縮を抑えるグリーンシート層が両面に形成されている
ために、積層体に加重をかけなくとも同様の効果が得ら
れる。
焼成時の収縮を抑えるグリーンシートの無機成分として
Al2O3およびTiO2を用いたが、その他MgO,Z
rO2,BeO,BNを用いても同様の効果が得られ、
ガラス材料にGA−33、#1733を用いているが、
これも必要とするガラス・セラミック基板の結晶化温度
では結晶化を起こさず、後に結晶化を起こすものであれ
ば同様の効果を得られる。またセラミック基板焼成時の
収縮を抑えるグリーンシート層が両面に形成されている
ために、積層体に加重をかけなくとも同様の効果が得ら
れる。
【0036】また、最上層パターンの形成を基板焼成後
に行なったが、最上層ペーストをグリーンシート上に印
刷し同時焼成しても、収縮を抑えるためのガラス、もし
くはガラスとセラミック混合物が焼結を起こしているた
めに、容易に取り外しが可能であり、良好な未収縮状態
のセラミック多層基板が得られることは云うまでもな
い。
に行なったが、最上層ペーストをグリーンシート上に印
刷し同時焼成しても、収縮を抑えるためのガラス、もし
くはガラスとセラミック混合物が焼結を起こしているた
めに、容易に取り外しが可能であり、良好な未収縮状態
のセラミック多層基板が得られることは云うまでもな
い。
【0037】以上のように本発明は、多層セラミック基
板の作製工程において、内層するガラス・セラミック積
層体の結晶化する温度では焼結の起こらないガラス、も
しくはガラスとセラミックからなるグリーンシート層を
両面に設け基板焼成を行なうと、焼結による収縮が平面
方向で全く起こらない多層基板が得られる。また前記の
両面に設けたグリーンシート層は、内層ガラス・セラミ
ック積層体の結晶化終了後に、結晶化が始まり焼結を行
うので焼成終了後に両面の焼結物が容易に取り除く事が
できる。
板の作製工程において、内層するガラス・セラミック積
層体の結晶化する温度では焼結の起こらないガラス、も
しくはガラスとセラミックからなるグリーンシート層を
両面に設け基板焼成を行なうと、焼結による収縮が平面
方向で全く起こらない多層基板が得られる。また前記の
両面に設けたグリーンシート層は、内層ガラス・セラミ
ック積層体の結晶化終了後に、結晶化が始まり焼結を行
うので焼成終了後に両面の焼結物が容易に取り除く事が
できる。
【0038】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明は、ガラス・セラミック基板が焼成時において厚
み方向だけ収縮し、平面方向には収縮しない多層基板が
得られ、この多層基板の平面方向の収縮を抑える為に使
用した、両面に積層したガラス、もしくはガラスとセラ
ミックからなる混合物は、焼結が終わり収縮しているた
めに容易に取り外しが可能であり、最終的に良好な状態
の多層基板を得る事ができる。
本発明は、ガラス・セラミック基板が焼成時において厚
み方向だけ収縮し、平面方向には収縮しない多層基板が
得られ、この多層基板の平面方向の収縮を抑える為に使
用した、両面に積層したガラス、もしくはガラスとセラ
ミックからなる混合物は、焼結が終わり収縮しているた
めに容易に取り外しが可能であり、最終的に良好な状態
の多層基板を得る事ができる。
【0039】これにより多層基板に使用する基板材料、
グリーンシート組成、粉体ロットなどに依存せず常に同
一寸法の基板が得られる。
グリーンシート組成、粉体ロットなどに依存せず常に同
一寸法の基板が得られる。
【0040】また、同様に多層セラミック基板の作製に
おいて前述のごとく内層配線の焼成を行なってから最上
層配線の形成を行なっても、最上層配線パターンと内層
の接続が完全に行える。その結果、接続用のランド面積
が小さくでき、高密度な多層配線基板が得られる。
おいて前述のごとく内層配線の焼成を行なってから最上
層配線の形成を行なっても、最上層配線パターンと内層
の接続が完全に行える。その結果、接続用のランド面積
が小さくでき、高密度な多層配線基板が得られる。
【0041】また、スクリーン版が少なくて済み、基板
設計において収縮率を逆算し内層パターンを拡大する必
要がないので経済的である。
設計において収縮率を逆算し内層パターンを拡大する必
要がないので経済的である。
【0042】また、焼成終了後に除去の必要のある両面
の積層物も容易に取り外しが可能となり、作業時間を短
縮でき、作業が簡略化できる。
の積層物も容易に取り外しが可能となり、作業時間を短
縮でき、作業が簡略化できる。
【0043】以上のように、本発明は、グリーンシート
積層法の最大の課題となる、収縮誤差の課題を解決し、
その作業工程を容易なものとする有効な発明である。
積層法の最大の課題となる、収縮誤差の課題を解決し、
その作業工程を容易なものとする有効な発明である。
【図1】本発明の一実施例におけるグリーンシート積層
体の断面図である。
体の断面図である。
1 ガラス・セラミックグリーンシート層 2 ガラス・セラミック基板の焼成時の収縮を抑えるグ
リーンシート層 3 内部電極層
リーンシート層 3 内部電極層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 箱谷 靖彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 中村 嘉文 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内
Claims (9)
- 【請求項1】導体ペースト組成物で電極パターンを形成
した少なくとも有機バインダ、可塑剤を含むガラス・セ
ラミックよりなるグリーンシートを複数枚数積層したグ
リーンシート積層体の両面に、前記ガラス・セラミック
の結晶化温度では結晶化が起こらず、前記ガラス・セラ
ミックの結晶化終了温度以上で結晶化が始まり焼結する
ガラス、もしくはガラスとセラミック混合物よりなるグ
リーンシートを積層した後、焼成処理を行い、前記両面
に積層したグリーンシートの焼結を終了させた後にこの
ガラス・セラミック焼結体を取り除くことを特徴とする
多層セラミック基板の製造方法。 - 【請求項2】焼成処理は、脱バインダを行った後、前記
内層のガラス・セラミック組成物の結晶化温度で保持
し、さらに両面に積層した前記ガラス、もしくはガラス
とセラミック混合物の結晶化温度まで昇温して行う事を
特徴とする請求項1記載の多層セラミック基板の製造方
法。 - 【請求項3】導体ペーストがAg,Ag/Pd,Ag/
Pt,Cuのいずれかを主成分とすることを特徴とする
請求項1記載の多層セラミック基板の製造方法。 - 【請求項4】酸化第2銅を主成分とする導体ペースト組
成物で電極パターンを形成した少なくとも有機バイン
ダ、可塑剤を含むガラス・セラミックよりなるグリーン
シートを複数枚数積層し、このグリーンシート積層体の
両面に、前記ガラス・セラミックの結晶化温度では結晶
化が起こらず、前記ガラス・セラミックの結晶化終了温
度以上で結晶化が始まり焼結するガラス、もしくはガラ
スとセラミック混合物よりなるグリーンシートを積層し
た後、これらを空気中で多層体内部の有機バインダが分
解・飛散する温度で熱処理し、しかる後、水素もしくは
水素と窒素の混合ガス雰囲気中で還元熱処理を行い、さ
らに、前記還元熱処理済み多層体を窒素雰囲気中で焼結
させ、しかる後、前記両面に積層したグリーンシートの
焼結を終了させた後にこの焼結体を取り除くことを特徴
とする多層セラミック基板の製造方法。 - 【請求項5】焼成処理は、前記内層のガラス・セラミッ
ク組成物の結晶化温度で保持し、さらに両面に積層した
前記ガラス、もしくはガラスとセラミック混合物の結晶
化温度まで昇温して行う事を特徴とする請求項4記載の
多層セラミック基板の製造方法。 - 【請求項6】焼成による結晶化が850℃〜1100℃
の範囲で起こるガラス、もしくはガラスとセラミック混
合物によるグリーンシートを前記内層するガラス・セラ
ミック積層体の両面の積層に使用することを特徴とした
請求項1又は4に記載の多層セラミック基板の製造方
法。 - 【請求項7】焼成温度を800℃〜1100℃の範囲で
行なうことを特徴とする請求項1又は4に記載の多層セ
ラミック基板の製造方法。 - 【請求項8】前記両面に積層するガラス、もしくはガラ
スとセラミックの混合物に、ガラスとして、ホウ珪酸ア
ルミ結晶化ガラス、ホウ珪酸鉛結晶化ガラスのいずれ
か、もしくはセラミック材料としては、Al2O3,Mg
O,ZrO2,TiO2,BeO,BN,の内少なくとも
1種以上を含む事を特徴とする請求項1又は4に記載の
多層セラミック基板の製造方法。 - 【請求項9】焼成処理時に前記グリーンシート積層体を
加圧して焼成を行なうことを特徴とする請求項1又は4
に記載の多層セラミック基板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13067292A JPH05327218A (ja) | 1992-05-22 | 1992-05-22 | 多層セラミック基板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13067292A JPH05327218A (ja) | 1992-05-22 | 1992-05-22 | 多層セラミック基板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05327218A true JPH05327218A (ja) | 1993-12-10 |
Family
ID=15039859
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13067292A Pending JPH05327218A (ja) | 1992-05-22 | 1992-05-22 | 多層セラミック基板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05327218A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001307671A (ja) * | 2000-04-21 | 2001-11-02 | Fujitsu Ltd | 電極用材料、荷電粒子線装置用電極及びその製造方法 |
JP2002016360A (ja) * | 2000-06-28 | 2002-01-18 | Kyocera Corp | ガラスセラミック基板の製造方法 |
JP2002050869A (ja) * | 2000-07-31 | 2002-02-15 | Kyocera Corp | 多層配線基板の製造方法 |
JP2002198646A (ja) * | 2000-12-26 | 2002-07-12 | Kyocera Corp | 多層配線基板の製造方法 |
JP2003008215A (ja) * | 2001-06-18 | 2003-01-10 | Sumitomo Metal Electronics Devices Inc | セラミック多層基板の製造方法 |
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KR100462499B1 (ko) * | 2001-05-25 | 2004-12-17 | 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 | 다층 세라믹 기판 및 그 제조방법, 미소결 세라믹 적층체및 전자 장치 |
JP2005183482A (ja) * | 2003-12-16 | 2005-07-07 | Kyocera Corp | 多層基板及びその製造方法 |
US7687137B2 (en) | 2005-02-28 | 2010-03-30 | Kyocera Corporation | Insulating substrate and manufacturing method therefor, and multilayer wiring board and manufacturing method therefor |
US20120267037A1 (en) * | 2009-04-21 | 2012-10-25 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Method for producing multilayer ceramic substrate |
-
1992
- 1992-05-22 JP JP13067292A patent/JPH05327218A/ja active Pending
Cited By (15)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP4518634B2 (ja) * | 2000-06-28 | 2010-08-04 | 京セラ株式会社 | ガラスセラミック基板の製造方法 |
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US8372227B2 (en) * | 2009-04-21 | 2013-02-12 | Murata Manufacturing Co., Ltd. | Method for producing multilayer ceramic substrate |
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