JPH05287608A - 高強力ポリビニルアルコール系繊維の製造法 - Google Patents
高強力ポリビニルアルコール系繊維の製造法Info
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- JPH05287608A JPH05287608A JP10876092A JP10876092A JPH05287608A JP H05287608 A JPH05287608 A JP H05287608A JP 10876092 A JP10876092 A JP 10876092A JP 10876092 A JP10876092 A JP 10876092A JP H05287608 A JPH05287608 A JP H05287608A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 粘度平均重合度が6000以上のポリビニル
アルコール系重合体をジメチルスルホキシド系溶剤に溶
解して乾湿式紡糸するに際し、凝固浴温度を15℃以下
にし、かつ吐出するポリビニルアルコール溶液の温度を
凝固浴温度より90〜150℃高く、さらに紡糸ドラフ
トを0.1〜1.0にして紡糸し、これにより均一で微
結晶ネットワーク構造のゲル糸を形成させ、そののち湿
延伸及び乾熱延伸を行い、ポリビニルアルコール系繊維
を得る。 【効果】 高強度・高弾性率で耐熱性に優れ、かつ耐ゴ
ム疲労性や耐摩耗性に優れており、ゴム、プラスチッ
ク、セメントなどの補強材や、ロープ、漁網、土木シー
トなどの産業資材に適している。
アルコール系重合体をジメチルスルホキシド系溶剤に溶
解して乾湿式紡糸するに際し、凝固浴温度を15℃以下
にし、かつ吐出するポリビニルアルコール溶液の温度を
凝固浴温度より90〜150℃高く、さらに紡糸ドラフ
トを0.1〜1.0にして紡糸し、これにより均一で微
結晶ネットワーク構造のゲル糸を形成させ、そののち湿
延伸及び乾熱延伸を行い、ポリビニルアルコール系繊維
を得る。 【効果】 高強度・高弾性率で耐熱性に優れ、かつ耐ゴ
ム疲労性や耐摩耗性に優れており、ゴム、プラスチッ
ク、セメントなどの補強材や、ロープ、漁網、土木シー
トなどの産業資材に適している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強力なポリビニルア
ルコール(以下PVAと略記する)系繊維の製造法に関
するものである。本発明で得られる繊維は高温で長時間
使用されるタイヤ、自動車ホース、消防ホース、コンベ
アベルト、Vベルトなどのゴム資材の補強材あるいはプ
ラスチックやセメントの補強材さらにはロープ、テン
ト、帆布、漁網、テンションメンバー、土木建築などの
一般産業資材に適した高強度PVA系繊維である。
ルコール(以下PVAと略記する)系繊維の製造法に関
するものである。本発明で得られる繊維は高温で長時間
使用されるタイヤ、自動車ホース、消防ホース、コンベ
アベルト、Vベルトなどのゴム資材の補強材あるいはプ
ラスチックやセメントの補強材さらにはロープ、テン
ト、帆布、漁網、テンションメンバー、土木建築などの
一般産業資材に適した高強度PVA系繊維である。
【0002】
【従来の技術】従来、PVA系繊維は、強度、弾性率、
耐候性、耐薬品性、接着性などの点でポリアミド、ポリ
エステル、ポリアクリロニトリル系繊維に比べて優れて
おり、産業資材分野を中心に独自の用途を開拓してき
た。そしてさらに強度、耐湿熱性、耐ゴム疲労性などの
性能が向上したPVA系繊維が開発されれば、ゴムやプ
ラスチックスの補強材あるいは一般産業資材において、
苛酷な条件下での安全性、耐久性、軽量性を満足した商
品が期待される。
耐候性、耐薬品性、接着性などの点でポリアミド、ポリ
エステル、ポリアクリロニトリル系繊維に比べて優れて
おり、産業資材分野を中心に独自の用途を開拓してき
た。そしてさらに強度、耐湿熱性、耐ゴム疲労性などの
性能が向上したPVA系繊維が開発されれば、ゴムやプ
ラスチックスの補強材あるいは一般産業資材において、
苛酷な条件下での安全性、耐久性、軽量性を満足した商
品が期待される。
【0003】高重合度PVAを用いて高強度、高弾性率
繊維を得る方法が特開昭59−130314号公報、特
開昭61−289112号公報、特開昭62−8501
3号公報等で開示され、強度19〜29g/d、弾性率
550〜650g/dの繊維が得られるている。これら
の物性は、PVAが高重合度であるほど高くなるが、そ
の思想は高重合度により分子鎖が長く、からみ点が多く
なるがそれを希薄溶液で少なくし、高倍率延伸をする事
で高強力化を行うものであった。しかし、希薄溶液を紡
糸する場合、ノズルやローラーへの粘着あるいは曳糸性
不良による欠陥部や単糸切れの発生、さらには結晶と結
晶を結ぶタイ分子数の減少による耐久性低下など繊維物
性は十分満足されるものではなかった。
繊維を得る方法が特開昭59−130314号公報、特
開昭61−289112号公報、特開昭62−8501
3号公報等で開示され、強度19〜29g/d、弾性率
550〜650g/dの繊維が得られるている。これら
の物性は、PVAが高重合度であるほど高くなるが、そ
の思想は高重合度により分子鎖が長く、からみ点が多く
なるがそれを希薄溶液で少なくし、高倍率延伸をする事
で高強力化を行うものであった。しかし、希薄溶液を紡
糸する場合、ノズルやローラーへの粘着あるいは曳糸性
不良による欠陥部や単糸切れの発生、さらには結晶と結
晶を結ぶタイ分子数の減少による耐久性低下など繊維物
性は十分満足されるものではなかった。
【0004】一方ジメチルスルホキシド溶剤を用いて紡
糸する方法は特公昭43−16675号公報、特開昭6
0−126311号公報、特開昭60−126312号
公報、特開昭62−162010号公報などに記載され
ている。しかしこれらの方法は重合度が5000以下で
あったり、あるいは溶液温度が80℃以下であった。重
合度が5000以下では結晶間を貫通するタイ分子が少
なく、強度や耐久性に劣っていた。また高重合度で溶液
温度が80℃以下では紡糸粘度上PVA濃度を高める事
は出来ず、前記の希薄溶液での欠点を有していた。
糸する方法は特公昭43−16675号公報、特開昭6
0−126311号公報、特開昭60−126312号
公報、特開昭62−162010号公報などに記載され
ている。しかしこれらの方法は重合度が5000以下で
あったり、あるいは溶液温度が80℃以下であった。重
合度が5000以下では結晶間を貫通するタイ分子が少
なく、強度や耐久性に劣っていた。また高重合度で溶液
温度が80℃以下では紡糸粘度上PVA濃度を高める事
は出来ず、前記の希薄溶液での欠点を有していた。
【0005】また、グリセリンやエチレングリコールの
如き多価アルコールでは、ゲル化温度が高い為、例えば
170℃以上の溶液温度を用いるが、希薄溶液の欠点を
抑える為にPVA濃度を高くすると粘度増大ひいては溶
液温度上昇となり、熱分解などで重合度低下を招くとい
う問題があった。
如き多価アルコールでは、ゲル化温度が高い為、例えば
170℃以上の溶液温度を用いるが、希薄溶液の欠点を
抑える為にPVA濃度を高くすると粘度増大ひいては溶
液温度上昇となり、熱分解などで重合度低下を招くとい
う問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の背景を踏まえ本
発明の目的は、高重合度PVAを用い溶剤および紡糸条
件を適性範囲に選びより均質な非晶ゲル構造を生成する
事により高強力で耐疲労性や耐熱水性などの耐久性に優
れるPVA系繊維を提供することにある。本発明者ら
は、高重合度PVA系重合体を用い如何に熱分解を抑え
ながら均質なゲル構造を作るか、そして微結晶でネット
ワーク状に分子がつながり、その後の乾熱延伸で伸び切
り鎖に近い高配向、高結晶構造、さらには結晶間を結ぶ
たて方向、よこ方向のtie分子の多い構造にするかに
ついて鋭意検討を重ねた。その結果、比較的低い温度で
高重合度PVAを溶解するジメチルスルホキシド(以下
DMSOと略記する)系溶剤を用い、やや高目の紡糸温
度でPVA濃度を高めながら逆ドラフトの状態で急激に
冷却をする事により、均質で微結晶に富んだネットワー
ク構造のゲル糸が得られる事を見出し、本発明に至った
ものである。
発明の目的は、高重合度PVAを用い溶剤および紡糸条
件を適性範囲に選びより均質な非晶ゲル構造を生成する
事により高強力で耐疲労性や耐熱水性などの耐久性に優
れるPVA系繊維を提供することにある。本発明者ら
は、高重合度PVA系重合体を用い如何に熱分解を抑え
ながら均質なゲル構造を作るか、そして微結晶でネット
ワーク状に分子がつながり、その後の乾熱延伸で伸び切
り鎖に近い高配向、高結晶構造、さらには結晶間を結ぶ
たて方向、よこ方向のtie分子の多い構造にするかに
ついて鋭意検討を重ねた。その結果、比較的低い温度で
高重合度PVAを溶解するジメチルスルホキシド(以下
DMSOと略記する)系溶剤を用い、やや高目の紡糸温
度でPVA濃度を高めながら逆ドラフトの状態で急激に
冷却をする事により、均質で微結晶に富んだネットワー
ク構造のゲル糸が得られる事を見出し、本発明に至った
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、粘度
平均重合度が6000以上のポニビニルアルコール系重
合体がジメチルスルホキシドを60重量%以上含む溶剤
に溶解されている溶液をノズルより気体中に吐出し続い
て凝固浴中にて固化させる乾湿式紡糸法において、凝固
浴温度を15℃以下とし、かつ該吐出溶液の温度を凝固
浴温度より90〜150℃高くし、さらに紡糸ドラフト
0.1〜1.0で紡糸することを特徴とする高強力ポニ
ビニルアルコール系繊維の製造法に関するものである。
平均重合度が6000以上のポニビニルアルコール系重
合体がジメチルスルホキシドを60重量%以上含む溶剤
に溶解されている溶液をノズルより気体中に吐出し続い
て凝固浴中にて固化させる乾湿式紡糸法において、凝固
浴温度を15℃以下とし、かつ該吐出溶液の温度を凝固
浴温度より90〜150℃高くし、さらに紡糸ドラフト
0.1〜1.0で紡糸することを特徴とする高強力ポニ
ビニルアルコール系繊維の製造法に関するものである。
【0008】以下本発明の内容をさらに詳細に説明す
る。本発明で言うPVA系重合体とは、粘度平均重合度
が6,000以上のものであり、好ましくはケン化度が
99モル%以上で分岐度の低い直鎖状のものである。P
VAの平均重合度が高いほどネットワーク構造で多くの
微結晶を貫通する分子(tie分子)の数が多くなり高
強度、高弾性率、高耐久性が得やすく、好ましくは8,
000以上、さらに好ましくは10,000以上であ
る。PVA系重合体には、3重量%以下の顔料、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、結晶化抑制剤、架橋剤、界面活性
剤などを必要に応じて添加しても支障ない。また2モル
%以下の改質剤を共重合したものもPVAに含まれる。
る。本発明で言うPVA系重合体とは、粘度平均重合度
が6,000以上のものであり、好ましくはケン化度が
99モル%以上で分岐度の低い直鎖状のものである。P
VAの平均重合度が高いほどネットワーク構造で多くの
微結晶を貫通する分子(tie分子)の数が多くなり高
強度、高弾性率、高耐久性が得やすく、好ましくは8,
000以上、さらに好ましくは10,000以上であ
る。PVA系重合体には、3重量%以下の顔料、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、結晶化抑制剤、架橋剤、界面活性
剤などを必要に応じて添加しても支障ない。また2モル
%以下の改質剤を共重合したものもPVAに含まれる。
【0009】PVA系重合体の溶剤としては、少なくと
もDMSOを60重量%以上含むものである。60重量
%未満では高重合度PVAの溶解性が減少し、より高温
で溶解するためPVAの着色や分解が起こり、ひいては
繊維性能の低下を招き易い。従って、本発明の溶剤は、
DMSO100%は勿論の事、40重量%未満の他の溶
剤、例えば水やグリセリン、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコールなどの多価
アルコール、さらにはジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ンなどのアミン化合物などが1種又は2種以上混合され
ていても何ら問題ない。但し、PVA系重合体の溶解温
度および紡糸温度が165℃を越えると分解を起こし易
いのでそれ以下の温度で、かつ均一な溶液を作る溶剤及
び混合比を選ぶ必要がある。
もDMSOを60重量%以上含むものである。60重量
%未満では高重合度PVAの溶解性が減少し、より高温
で溶解するためPVAの着色や分解が起こり、ひいては
繊維性能の低下を招き易い。従って、本発明の溶剤は、
DMSO100%は勿論の事、40重量%未満の他の溶
剤、例えば水やグリセリン、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコールなどの多価
アルコール、さらにはジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ンなどのアミン化合物などが1種又は2種以上混合され
ていても何ら問題ない。但し、PVA系重合体の溶解温
度および紡糸温度が165℃を越えると分解を起こし易
いのでそれ以下の温度で、かつ均一な溶液を作る溶剤及
び混合比を選ぶ必要がある。
【0010】PVA系重合体の濃度は、重合度および溶
剤によって異なるが、本発明は紡糸温度を高くし、通常
用いるPVA濃度より高めにしている。例えば、重合度
8,000、DMSO100%の溶剤において、通常で
は紡糸温度60〜80℃でPVA濃度5.5〜7.5重
量%であるのに対し、本発明では紡糸温度90〜165
℃でPVA濃度8〜11重量%を用いる。なお高温でP
VA濃度を低くすると曳糸性が低下し、粘着が激しくな
って紡糸が安定に出来ない。PVA濃度を若干高める事
により、結晶間のtie分子を多くし、高耐久性繊維を
つくることができる。
剤によって異なるが、本発明は紡糸温度を高くし、通常
用いるPVA濃度より高めにしている。例えば、重合度
8,000、DMSO100%の溶剤において、通常で
は紡糸温度60〜80℃でPVA濃度5.5〜7.5重
量%であるのに対し、本発明では紡糸温度90〜165
℃でPVA濃度8〜11重量%を用いる。なお高温でP
VA濃度を低くすると曳糸性が低下し、粘着が激しくな
って紡糸が安定に出来ない。PVA濃度を若干高める事
により、結晶間のtie分子を多くし、高耐久性繊維を
つくることができる。
【0011】さらに結晶の成長を抑え、微結晶構造にす
る為に急冷する事が重要であり、本発明では15℃以下
の凝固温度に対し、紡糸温度はそれより90〜150℃
高くしている。凝固温度が15℃を越えると結晶が成長
し易く失透気味のゲル糸が得られ、PVA濃淡差による
不均一構造やtie分子の片寄りにより高強度、高耐久
性を十分満足できない。凝固温度は好ましくは10℃以
下であるが、溶剤中のDMSOが凍結する温度より高く
しなければならない。DMSOが凍結すると、DMSO
の結晶でPVA濃淡差が生じ易く、均質なゲル構造は得
られない。
る為に急冷する事が重要であり、本発明では15℃以下
の凝固温度に対し、紡糸温度はそれより90〜150℃
高くしている。凝固温度が15℃を越えると結晶が成長
し易く失透気味のゲル糸が得られ、PVA濃淡差による
不均一構造やtie分子の片寄りにより高強度、高耐久
性を十分満足できない。凝固温度は好ましくは10℃以
下であるが、溶剤中のDMSOが凍結する温度より高く
しなければならない。DMSOが凍結すると、DMSO
の結晶でPVA濃淡差が生じ易く、均質なゲル構造は得
られない。
【0012】紡糸温度が凝固温度に対し90℃より少な
い温度差では急冷ができなく、微結晶ネットワーク構造
が難しい。150℃以上の温度差では、PVAの分解が
起こり易くなり、かつ紡糸安定の為PVA濃度を高めた
場合、分子鎖のからみが多くなり高倍率延伸が出来ず、
高配向な高強力繊維を得難い。紡糸温度の好ましい条件
は100〜150℃である。
い温度差では急冷ができなく、微結晶ネットワーク構造
が難しい。150℃以上の温度差では、PVAの分解が
起こり易くなり、かつ紡糸安定の為PVA濃度を高めた
場合、分子鎖のからみが多くなり高倍率延伸が出来ず、
高配向な高強力繊維を得難い。紡糸温度の好ましい条件
は100〜150℃である。
【0013】紡糸方式としては、PVA系重合体の高温
溶液を紡糸ノズルより吐出させ、その後低温の凝固浴で
急冷し、均質で透明なゲル繊維を得る為に乾湿式紡糸法
が用いられる。乾湿式紡糸法とは、ノズルと凝固浴の間
に気体層を存在させ、ノズルが凝固浴中に直接存在しな
いようにした紡糸法であり、従って吐出された紡糸原液
は気体層を通過したのち凝固浴に入ることとなる。気体
層としては、通常、空気層が用いられる。
溶液を紡糸ノズルより吐出させ、その後低温の凝固浴で
急冷し、均質で透明なゲル繊維を得る為に乾湿式紡糸法
が用いられる。乾湿式紡糸法とは、ノズルと凝固浴の間
に気体層を存在させ、ノズルが凝固浴中に直接存在しな
いようにした紡糸法であり、従って吐出された紡糸原液
は気体層を通過したのち凝固浴に入ることとなる。気体
層としては、通常、空気層が用いられる。
【0014】凝固浴中の凝固剤としては、メタノール、
エタノールなどのアルコール類、アセトン、アルカリ水
溶液、アルカリ金属塩水溶液などいずれの凝固剤も使用
できるが、溶剤をゆっくり抽出し且つ均一なゲルを作る
為にはアルコール/溶剤の混合系が好ましい。
エタノールなどのアルコール類、アセトン、アルカリ水
溶液、アルカリ金属塩水溶液などいずれの凝固剤も使用
できるが、溶剤をゆっくり抽出し且つ均一なゲルを作る
為にはアルコール/溶剤の混合系が好ましい。
【0015】一方、PVAの結晶成長やPVAと溶剤の
相分離を抑えて、微結晶のネットワーク構造を作る為に
は、紡糸ドラフトも関係してくる。紡糸ドラフトは、P
VA溶液がノズルから射出する時の速度に対する引取速
度の比(すなわち原液がノズルより吐出される際の吐出
線速度に対する第1ゴデットローラー速度の比:本発明
で言う第1ゴデットローラーとは、原液がノズルより吐
出されて凝固浴で固化され、その固化糸が実質的に初め
て接触する固体であり、所定速度で回転している駆動ロ
ーラーや、固化糸との摩擦により回転するアリーローラ
ー、さらには固化糸の糸道方向を変更するために用いら
れそれ自体は動かない棒状、T字状、スネーク状などの
ガイド類等が含まれる。もちろん、接触するには違いな
いがその程度が極めて軽微であるような固体はこれには
含まれない。)を意味し、次式で表される。
相分離を抑えて、微結晶のネットワーク構造を作る為に
は、紡糸ドラフトも関係してくる。紡糸ドラフトは、P
VA溶液がノズルから射出する時の速度に対する引取速
度の比(すなわち原液がノズルより吐出される際の吐出
線速度に対する第1ゴデットローラー速度の比:本発明
で言う第1ゴデットローラーとは、原液がノズルより吐
出されて凝固浴で固化され、その固化糸が実質的に初め
て接触する固体であり、所定速度で回転している駆動ロ
ーラーや、固化糸との摩擦により回転するアリーローラ
ー、さらには固化糸の糸道方向を変更するために用いら
れそれ自体は動かない棒状、T字状、スネーク状などの
ガイド類等が含まれる。もちろん、接触するには違いな
いがその程度が極めて軽微であるような固体はこれには
含まれない。)を意味し、次式で表される。
【0016】Df=πD↑2×H×Tu/4Q 但し D :ノズル直径mm H :ノズル孔数 Tu:引取速度m/min Q :吐出量cc/min
【0017】紡糸ドラフトが1.0を超える事は、ノズ
ルより吐出した糸条を引張る事により分子鎖の配向と分
子鎖の接近による結晶の生長が起こり易く好ましくな
い。紡糸ドラフトが0.1未満では溶液の射出速度が大
きすぎてノズル下でバルーニング(剪断と直角方向の膨
らみ)現象が増大し、ノズルでの粘着や糸ゆれなどの問
題により紡糸が不安定になる。好ましくは0.2〜0.
6である。
ルより吐出した糸条を引張る事により分子鎖の配向と分
子鎖の接近による結晶の生長が起こり易く好ましくな
い。紡糸ドラフトが0.1未満では溶液の射出速度が大
きすぎてノズル下でバルーニング(剪断と直角方向の膨
らみ)現象が増大し、ノズルでの粘着や糸ゆれなどの問
題により紡糸が不安定になる。好ましくは0.2〜0.
6である。
【0018】また、ゲル繊維の断面変形や膠着を防止
し、かつ紡糸時の微結晶を破壊して延伸倍率を向上させ
るために溶剤を含んだまま、2倍以上好ましくは4倍以
上湿延伸するのが良い。続いてメタノール、エタノール
などのアルコール類やアセトン、水などの抽出剤で該溶
剤をほとんど全部除去したあと乾燥により該抽出剤を蒸
発させる。
し、かつ紡糸時の微結晶を破壊して延伸倍率を向上させ
るために溶剤を含んだまま、2倍以上好ましくは4倍以
上湿延伸するのが良い。続いてメタノール、エタノール
などのアルコール類やアセトン、水などの抽出剤で該溶
剤をほとんど全部除去したあと乾燥により該抽出剤を蒸
発させる。
【0019】その後200℃以上の温度で乾熱延伸する
が、湿延伸倍率と乾熱延伸倍率の積で表される総延伸倍
率は、16倍以上好ましくは18倍以上である。本発明
で得られる紡糸原糸は急冷と低紡糸ドラフトにより結晶
成長を抑えているので、通常より総延伸倍率は高い。高
温で高倍率延伸ほど配向と結晶化を高め、高性能なPV
A繊維が得られ易い。但し、高温にしすぎてPVAの分
解や分子鎖のフロー現象(結晶融解が起こり、延伸で分
子鎖が素抜ける現象)が生じないようにする必要があ
る。また分解を抑えたり、延伸をスムーズにさせる為に
紡糸原液から乾熱延伸直前までの間で、分解抑制剤や油
剤を繊維に含有させる事は何ら支障ない。
が、湿延伸倍率と乾熱延伸倍率の積で表される総延伸倍
率は、16倍以上好ましくは18倍以上である。本発明
で得られる紡糸原糸は急冷と低紡糸ドラフトにより結晶
成長を抑えているので、通常より総延伸倍率は高い。高
温で高倍率延伸ほど配向と結晶化を高め、高性能なPV
A繊維が得られ易い。但し、高温にしすぎてPVAの分
解や分子鎖のフロー現象(結晶融解が起こり、延伸で分
子鎖が素抜ける現象)が生じないようにする必要があ
る。また分解を抑えたり、延伸をスムーズにさせる為に
紡糸原液から乾熱延伸直前までの間で、分解抑制剤や油
剤を繊維に含有させる事は何ら支障ない。
【0020】本発明により得られる繊維は、高強度、高
弾性率を有し、耐ゴム疲労性、耐熱水性、耐熱老化性な
どの耐久性に優れ、産業資材用として適した高性能PV
A系繊維であった。
弾性率を有し、耐ゴム疲労性、耐熱水性、耐熱老化性な
どの耐久性に優れ、産業資材用として適した高性能PV
A系繊維であった。
【0021】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。なお実施例中における各種の物性値は以下の方法に
より測定された。
明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではな
い。なお実施例中における各種の物性値は以下の方法に
より測定された。
【0022】1) PVAの粘度平均重合度(P)およ
び重合度低下率 PVA系重合体を酢化して得た酢酸ビニルの30℃にお
けるPVA希薄アセトン溶液の比粘度ηspを5点測定
し、〔η〕=lim c→o ηsp/Cより〔η〕を
求め、さらにP=(〔η〕×100/7.94)↑1/0.
64より粘度平均重合度を求めた。また重合度低下率は、
延伸糸のPを上述と同様に求めもとのPVA重合体のP
に対する低下率より求めた。
び重合度低下率 PVA系重合体を酢化して得た酢酸ビニルの30℃にお
けるPVA希薄アセトン溶液の比粘度ηspを5点測定
し、〔η〕=lim c→o ηsp/Cより〔η〕を
求め、さらにP=(〔η〕×100/7.94)↑1/0.
64より粘度平均重合度を求めた。また重合度低下率は、
延伸糸のPを上述と同様に求めもとのPVA重合体のP
に対する低下率より求めた。
【0023】2) 熱水溶断温度(WTb) 単繊維25本にデニール当たり200mgの荷重をかけ
て、水を満たしたガラス製円筒状密封容器の中間に吊
し、周囲より水を1〜2℃/minの速度で加熱昇温さ
せていき、繊維が溶断したときの温度を測定した。
て、水を満たしたガラス製円筒状密封容器の中間に吊
し、周囲より水を1〜2℃/minの速度で加熱昇温さ
せていき、繊維が溶断したときの温度を測定した。
【0024】3) 単糸引張強伸度、弾性率 JIS L−1013に準じ、予め調湿された単繊維を
試長10cmになるように台紙に貼り、25℃×60%
で12時間以上放置。次いでインストロン1122で2
kg用チャックを用い、初荷重1/20g/d、引張速
度50%/minにて、破断強伸度および初期弾性率を
求め、n≧20の平均値を採用した。デニールは1/1
0g/d荷重下で30cmにカットし、重量法により求
めた。なおデニール測定後の単繊維を用いて強伸度、弾
性率を測定し1本ずつデニールと対応させた。
試長10cmになるように台紙に貼り、25℃×60%
で12時間以上放置。次いでインストロン1122で2
kg用チャックを用い、初荷重1/20g/d、引張速
度50%/minにて、破断強伸度および初期弾性率を
求め、n≧20の平均値を採用した。デニールは1/1
0g/d荷重下で30cmにカットし、重量法により求
めた。なおデニール測定後の単繊維を用いて強伸度、弾
性率を測定し1本ずつデニールと対応させた。
【0025】4) 耐ゴム疲労性 約5000デニールの諸撚コードをRFL処理し、生ゴ
ムにコードを20本並べて、その上に生ゴムをはる。サ
ンドイッチ上に2層のコード層を作って加硫し、矩形状
のベルトを作成する。ついでプーリー径25φのベルト
屈曲試験機で100℃3万回該ベルトを圧縮疲労させた
あと圧縮部のコードをゴムより取り出し疲労前後のコー
ド強力より保持率を算出した。
ムにコードを20本並べて、その上に生ゴムをはる。サ
ンドイッチ上に2層のコード層を作って加硫し、矩形状
のベルトを作成する。ついでプーリー径25φのベルト
屈曲試験機で100℃3万回該ベルトを圧縮疲労させた
あと圧縮部のコードをゴムより取り出し疲労前後のコー
ド強力より保持率を算出した。
【0026】実施例1 粘度平均重合度17,000でケン化度が99.8モル
%のPVAを濃度5.3%になるようにDMSO100
%の溶剤に添加し、100℃にて溶解した。得られた溶
液を140℃にして孔数300、孔径0.18φのノズ
ルより吐出させ、メタノール/DMSO=7/3重量
比、5℃の凝固浴で乾湿式紡糸した。その時の吐出量は
120cc/分、凝固浴中の引取ローラー速度は4m/
分、紡糸ドラフトは0.25であった。得られたゲル糸
は透明で真円の断面を有していた。次いで40℃のメタ
ノール浴で4倍湿延伸したあとメタノールで該溶剤をほ
とんど全部除去した。得られた紡糸原糸を180℃と2
10℃と250℃の3セクションからなる熱風炉で総延
伸倍率19.5倍になるように延伸した。
%のPVAを濃度5.3%になるようにDMSO100
%の溶剤に添加し、100℃にて溶解した。得られた溶
液を140℃にして孔数300、孔径0.18φのノズ
ルより吐出させ、メタノール/DMSO=7/3重量
比、5℃の凝固浴で乾湿式紡糸した。その時の吐出量は
120cc/分、凝固浴中の引取ローラー速度は4m/
分、紡糸ドラフトは0.25であった。得られたゲル糸
は透明で真円の断面を有していた。次いで40℃のメタ
ノール浴で4倍湿延伸したあとメタノールで該溶剤をほ
とんど全部除去した。得られた紡糸原糸を180℃と2
10℃と250℃の3セクションからなる熱風炉で総延
伸倍率19.5倍になるように延伸した。
【0027】延伸糸は着色や膠着がなく、ポリマー重合
度に対する延伸糸重合度の低下率は13%と低いもので
あった。延伸糸の単糸強度は26.7g/d、弾性率は
540g/dを示し、従来にみられない高強度、高弾性
率PVA繊維となった。また熱水溶断温度(WTb)は
158℃、融点は約260℃を示し、耐熱水性、耐熱性
にすぐれ、ロープ、漁網、土木シート、帆布などの一般
産業資材さらにはプラスチックやセメントなどの補強材
としても付加価値の高いものであった。また、約500
0デニールの諸撚コードを用いベルト屈曲試験を行った
が、100℃×3万回の強力保持率は81%と高く、タ
イヤやベルトなど耐ゴム疲労性にも優れる事が判明し
た。
度に対する延伸糸重合度の低下率は13%と低いもので
あった。延伸糸の単糸強度は26.7g/d、弾性率は
540g/dを示し、従来にみられない高強度、高弾性
率PVA繊維となった。また熱水溶断温度(WTb)は
158℃、融点は約260℃を示し、耐熱水性、耐熱性
にすぐれ、ロープ、漁網、土木シート、帆布などの一般
産業資材さらにはプラスチックやセメントなどの補強材
としても付加価値の高いものであった。また、約500
0デニールの諸撚コードを用いベルト屈曲試験を行った
が、100℃×3万回の強力保持率は81%と高く、タ
イヤやベルトなど耐ゴム疲労性にも優れる事が判明し
た。
【0028】比較例1 実施例1において、PVA濃度を4.5%にし、85℃
の溶液をノズルより吐出させ、メタノール/DMSO=
7/3重量比、5℃の凝固浴で乾湿式紡糸した。得られ
た紡糸原糸を実施例1と同じ温度で延伸したが総延伸倍
率は17.8倍であった。延伸糸の単糸強度は22.6
g/d、弾性率は490g/dを示し、実施例1の繊維
より低い値となった。またWTbは149℃、融点は2
52℃と低く、ベルト屈曲の100℃×3万回の強力保
持率も62%に低下した。PVA濃度が低くかつ溶液温
度と凝固温度の差が小さいと結晶がやや大きくなり、か
つ結晶間のtie分子数が少ない為か延伸倍率、強度、
耐久性などに劣る事が判明した。
の溶液をノズルより吐出させ、メタノール/DMSO=
7/3重量比、5℃の凝固浴で乾湿式紡糸した。得られ
た紡糸原糸を実施例1と同じ温度で延伸したが総延伸倍
率は17.8倍であった。延伸糸の単糸強度は22.6
g/d、弾性率は490g/dを示し、実施例1の繊維
より低い値となった。またWTbは149℃、融点は2
52℃と低く、ベルト屈曲の100℃×3万回の強力保
持率も62%に低下した。PVA濃度が低くかつ溶液温
度と凝固温度の差が小さいと結晶がやや大きくなり、か
つ結晶間のtie分子数が少ない為か延伸倍率、強度、
耐久性などに劣る事が判明した。
【0029】実施例2 粘度平均重合度が8,000でケン化度が99.5モル
%のPVAを濃度9重量%になるようにDMSO/H↓
2O=8/2の溶剤に添加し95℃にて溶解した。得ら
れた溶液を120℃にして孔数80、孔径0.15φの
ノズルより吐出させ、メタノール/DMSO=6/4重
量比、2℃の凝固浴で乾湿式紡糸した。この時の紡糸ド
ラフトは0.31であった。得られたゲル糸は透明で、
円形断面を有していた。次いで40℃のメタノール浴で
4倍湿延伸したあとメタノールで該溶剤をほとんど全部
除去した。得られた原糸を170℃と248℃の2セク
ションからなる輻射炉で総延伸倍率が20.1倍になる
ように延伸した。延伸糸の単糸強度は23.1g/d、
弾性率は520g/dを示し、高強度、高弾性率PVA
繊維であった。またWTbも146℃と高く、100℃
×3万回ベルト屈曲疲労後の強力保持率も75%と高い
ものであった。
%のPVAを濃度9重量%になるようにDMSO/H↓
2O=8/2の溶剤に添加し95℃にて溶解した。得ら
れた溶液を120℃にして孔数80、孔径0.15φの
ノズルより吐出させ、メタノール/DMSO=6/4重
量比、2℃の凝固浴で乾湿式紡糸した。この時の紡糸ド
ラフトは0.31であった。得られたゲル糸は透明で、
円形断面を有していた。次いで40℃のメタノール浴で
4倍湿延伸したあとメタノールで該溶剤をほとんど全部
除去した。得られた原糸を170℃と248℃の2セク
ションからなる輻射炉で総延伸倍率が20.1倍になる
ように延伸した。延伸糸の単糸強度は23.1g/d、
弾性率は520g/dを示し、高強度、高弾性率PVA
繊維であった。またWTbも146℃と高く、100℃
×3万回ベルト屈曲疲労後の強力保持率も75%と高い
ものであった。
【0030】比較例2 実施例2において凝固温度を25℃にしたところ白濁し
たゲル糸が得られた。実施例2と同様にして延伸したと
ころ、総延伸倍率は21.0倍と高かったが、延伸張力
は低く単繊維の強度、弾性率もそれぞれ20.4g/
d、480g/dと実施例2より劣っていた。この理由
は明確でないが、凝固温度が高い為、溶剤の抽出速度が
大きく、PVA濃淡差による不均一構造が出来易いのが
原因と思われる。その結果大きな結晶が生成して粗密に
よる白濁現象とtie分子の片寄りが起こり、延伸され
易いが、延伸張力や強度の低い構造が形成されたと考え
られる。
たゲル糸が得られた。実施例2と同様にして延伸したと
ころ、総延伸倍率は21.0倍と高かったが、延伸張力
は低く単繊維の強度、弾性率もそれぞれ20.4g/
d、480g/dと実施例2より劣っていた。この理由
は明確でないが、凝固温度が高い為、溶剤の抽出速度が
大きく、PVA濃淡差による不均一構造が出来易いのが
原因と思われる。その結果大きな結晶が生成して粗密に
よる白濁現象とtie分子の片寄りが起こり、延伸され
易いが、延伸張力や強度の低い構造が形成されたと考え
られる。
【0031】実施例3 粘度平均重合度が23,000でケン化度が99.9モ
ル%のPVAを濃度5重量%になるようにDMSO/エ
チレングリコール=7/3の溶剤に添加し、100℃に
て溶解した。得られた溶液を145℃にして、孔数15
0、孔径0.22φのノズルより吐出させ、エタノール
/DMSO/エチレングリコール=8/14/6重量比
からなり、−2℃の温度の凝固浴で乾湿式紡糸した。こ
の時の紡糸ドラフトは0.27であった。得られた透明
ゲル糸を40℃のメタノールで3倍湿延伸したあとエタ
ノールで該溶剤をほとんど全部除去し、さらに第4級ア
ンモニウム塩のカチオン活性剤を付着させ、120℃に
て乾燥した。得られた原糸を180℃と253℃の2セ
クションからなる熱風炉で総延伸倍率が18.9倍で延
伸した。その時の延伸出口張力は4.1g/dと非常に
高いも延伸糸の単糸強度は28.8g/d、弾性率は6
05g/d、WTbは162℃と従来に見られない高性
能PVA繊維であった。さらにベルト屈曲疲労や乾熱老
化性、耐摩耗性にもすぐれ産業資材に適した高付加価値
繊維となった。
ル%のPVAを濃度5重量%になるようにDMSO/エ
チレングリコール=7/3の溶剤に添加し、100℃に
て溶解した。得られた溶液を145℃にして、孔数15
0、孔径0.22φのノズルより吐出させ、エタノール
/DMSO/エチレングリコール=8/14/6重量比
からなり、−2℃の温度の凝固浴で乾湿式紡糸した。こ
の時の紡糸ドラフトは0.27であった。得られた透明
ゲル糸を40℃のメタノールで3倍湿延伸したあとエタ
ノールで該溶剤をほとんど全部除去し、さらに第4級ア
ンモニウム塩のカチオン活性剤を付着させ、120℃に
て乾燥した。得られた原糸を180℃と253℃の2セ
クションからなる熱風炉で総延伸倍率が18.9倍で延
伸した。その時の延伸出口張力は4.1g/dと非常に
高いも延伸糸の単糸強度は28.8g/d、弾性率は6
05g/d、WTbは162℃と従来に見られない高性
能PVA繊維であった。さらにベルト屈曲疲労や乾熱老
化性、耐摩耗性にもすぐれ産業資材に適した高付加価値
繊維となった。
Claims (1)
- 【請求項1】 粘度平均重合度が6000以上のポリビ
ニルアルコール系重合体がジメチルスルホキシドを60
重量%以上含む溶剤に溶解されている溶液をノズルより
気体中に吐出し続いて凝固浴中にて固化させる乾湿式紡
糸法において、凝固浴温度を15℃以下とし、かつ該吐
出溶液の温度を凝固浴温度より90〜150℃高くし、
さらに紡糸ドラフト0.1〜1.0で紡糸することを特
徴とする高強力ポリビニルアルコール系繊維の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10876092A JPH05287608A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 高強力ポリビニルアルコール系繊維の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10876092A JPH05287608A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 高強力ポリビニルアルコール系繊維の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287608A true JPH05287608A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=14492812
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10876092A Pending JPH05287608A (ja) | 1992-03-31 | 1992-03-31 | 高強力ポリビニルアルコール系繊維の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05287608A (ja) |
-
1992
- 1992-03-31 JP JP10876092A patent/JPH05287608A/ja active Pending
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