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JPH05271652A - 有機薄膜el素子 - Google Patents

有機薄膜el素子

Info

Publication number
JPH05271652A
JPH05271652A JP4072009A JP7200992A JPH05271652A JP H05271652 A JPH05271652 A JP H05271652A JP 4072009 A JP4072009 A JP 4072009A JP 7200992 A JP7200992 A JP 7200992A JP H05271652 A JPH05271652 A JP H05271652A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic
layer
hole injecting
film
transporting layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4072009A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuichi Ito
祐一 伊藤
Hisaya Sato
壽彌 佐藤
Mitsunori Sugihara
光律 杉原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP4072009A priority Critical patent/JPH05271652A/ja
Publication of JPH05271652A publication Critical patent/JPH05271652A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Luminescent Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】耐熱性、耐溶剤性の高い有機正孔注入輸送層を
有する有機薄膜EL素子を提供すること。 【構成】スチレンメチルオキシ基を2つ有するテトラフ
ェニレンジアミン誘導体分子間を架橋した層から成る有
機正孔注入輸送層を有することを特徴とした有機薄膜E
L素子。 【効果】架橋構造であるので不融、不溶となり基板温度
が上がるプロセスやスピンコート法による多層膜形成も
適用しやすくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機薄膜のエレクトロ
ルミネセンス(以下単にELという)現象を利用した有
機薄膜EL素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イーストマン・コダック社のC.W.T
angらに開発された有機薄膜EL素子は、特開昭59
−194393号公報、特開昭63−264692号公
報、特開昭63−295695号公報、アプライド・フ
ィジックス・レター第51巻第12号第913頁(19
87年)、およびジャーナル・オブ・アプライドフィジ
ックス第65巻第9号第3610頁(1989年)等に
よれば、一般的には陽極、有機正孔注入輸送層、電子輸
送発光層、陰極の順に構成され、以下のように作られて
いる。
【0003】図1に示すように、まず、ガラスや樹脂フ
ィルム等の透明絶縁性の基板(1)上に、蒸着又はスパ
ッタリング法等でインジウムとスズの複合酸化物(以下
ITOという)の透明導電性被膜の陽極(2)が形成さ
れる。次に有機正孔注入輸送層(3)として銅フタロシ
アニン、あるいは(化2)で示される化合物:
【0004】
【化2】
【0005】1,1−ビス(4−ジーpートリルアミノ
フェニル)シクロヘキサン(融点181.4℃〜18
2.4℃)、あるいは(化3)で示される化合物:
【0006】
【化3】
【0007】N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル
−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(融点1
20℃)等のテトラアリールジアミンを、0.1μm程
度以下の厚さに単層または積層して蒸着して形成する。
【0008】次に有機正孔注入輸送層(3)上にトリス
(8−キノリノール)アルミニウム等の有機蛍光体を
0.1μm程度以下の厚さで蒸着し、有機電子輸送発光
層(4)を形成する。最後に、その上に陰極(5)とし
てMg:Ag,Ag:Eu,Mg:Cu,Mg:In,
Mg:Sn等の合金を共蒸着により2000Å程度蒸着
している。
【0009】また、安達らは有機電子輸送発光層を、2
種類の材料を積層することにより有機発光層(6)と有
機電子注入輸送層(7)とに分けた素子を作製した。ア
プライド・フィズィックス・レター第57巻第6号第5
31頁(1990年)によると、その素子は、ITOの
陽極上に有機正孔注入輸送層(3)としてN,N’−ジ
フェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−
1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(融点15
9〜163℃)有機発光層(6)として1−〔4−N,
N−ビス(p−メトキシフェニル)アミノスチリル〕ナ
フタレン、有機電子注入輸送層(7)として2−(4−
ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール(以下、単にBPBDと
いう)、陰極(5)としてMgとAgの合金を順に積層
している。
【0010】しかし、上記で示した有機正孔注入輸送材
料は、銅フタロシアニンは耐熱性ではあるが可視光線波
長領域の吸収が大きく、また結晶性であるために蒸着膜
が凸凹になり、素子がショートし易くなる問題があっ
た。(化2)(化3)で示した化合物は、非晶質で平滑
な蒸着膜が得られ、可視光線波長領域での吸収もない
が、融点が低く、素子作製プロセスや素子駆動時の発熱
により、融解し発光層と混合してしまう問題があった。
例えばN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メ
チルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジ
アミンは、500Å程度の薄膜にし(8−キノリノー
ル)アルミニウムと積層した場合には95℃程度の温度
で混合してしまう問題があった。
【0011】また、スピンコート法等の有機溶剤を用い
た塗布法で正孔注入輸送層を積層したり、正孔注入輸送
層上に発光層を形成しようとする場合、従来の3次元的
に架橋していない低分子からなる正孔注入輸送層では発
光層材料の溶剤により溶けてしまう場合が多かった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記で述べたように、
有機薄膜EL素子の正孔注入輸送層として、求められて
いる項目は次の3点があげられる。 1.無色透明で平滑な0.1μm以下の厚さに成膜でき
ること。 2.陽極から発光層への正孔注入輸送能力が高いこと。 3.200℃以上の耐熱性と有機溶媒に対し難溶化でき
ること。 本発明では以上の課題を解決した正孔注入輸送層を備え
た有機薄膜EL素子を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題に
鑑みてなされたものであって、少なくとも陽極、有機正
孔注入輸送層、有機電子輸送層、陰極から構成される有
機薄膜EL素子において、有機正孔注入輸送層が上記の
一般式(化1)で表される化合物の架橋体を含むことを
特徴とする有機薄膜EL素子である。上記の(化1)で
表される新規なテトラアリールジアミン化合物を正孔注
入輸送層として成膜した後、3次元的に架橋させること
で、高温に対し不融化および溶剤に対し不溶化させ課題
を解決した。
【0014】以下に本発明の有機薄膜EL素子を模式的
に示す図1から図3までに基いて説明する。図1は、本
発明における有機薄膜EL素子を、基板(1)上に陽極
(2)、有機正孔注入輸送層(3)、有機電子輸送発光
層(4)、陰極(5)、封止層(8)の順に構成し、ガ
ラス板(9)を接着剤(10)にて接着して密封した場
合である。
【0015】また図2に示すように、正孔注入輸送層
(3)を正孔注入能力を増すために本発明による正孔注
入輸送材料を含む複数の材料を用いて第1正孔注入輸送
層(11)、第2正孔注入輸送層(12)のように積層
して形成しても良い。
【0016】さらに図3に示すように有機電子輸送発光
層(4)を有機発光層(6)と有機電子注入輸送層
(7)とに機能を分離し、基板(1)上に陽極(2)、
正孔注入輸送層(3)、有機発光層(6)、有機電子注
入輸送層(7)、陰極(5)封止層(8)の順に構成す
ることもできるし、同様の構成を基板上に陰極から逆の
順に構成してもよい。
【0017】陰極(2)は、ガラス等の透明絶縁性の基
板(1)上にITOや酸化亜鉛アルミニウムのような透
明導電性物質を真空蒸着やスパッタリング法等で被覆し
た表面抵抗10〜50Ω/平方、可視光線透過率80%
以上の透明電極、又は金やプラチナを薄く蒸着した半透
明電極が望ましい。
【0018】しかし、別の場合には、陽極(2)は不透
明で、正孔注入輸送層(3)を通して有機電子輸送発光
層(4)または有機発光層(6)へ正孔注入し易い仕事
関数の大きい金、プラチナ、ニッケル等の金属板、シリ
コン、ガリウムリン、アモルファス炭化シリコン等の仕
事関数が4.8eV以上の半導体基板、もしくはそれら
の金属や半導体を、絶縁性の基板(1)上に被覆した陽
極(2)に用い、陰極(5)を透明電極もしくは半透明
電極とすることもできる。陰極(5)も不透明であれ
ば、有機電子輸送発光層(4)または有機発光層(6)
の少なくとも一端が透明である必要がある。
【0019】次に、本発明の有機正孔注入輸送層(3)
を陽極(2)上に形成する。本発明に用いる正孔輸送層
は、一般式(1)で示されるテトラアリールジアミン化
合物(以下STTPDと略す)を用いて形成する。この
化合物は、10-3cm2 /v・sec程度と大きい正孔
移動度を持つN,N,N’,N’−テトラフェニルベン
ジジンを骨格とした分子であり、可視領域で無色透明、
非晶質で平滑な膜を形成できる。分子間を熱および光で
3次元的に架橋するための基として、その2つのフェニ
ル基にスチリルメトキシ基を導入した。
【0020】STTPDは、ユーロパテント02951
15公報に記載されているN,N’−ビス(ヒドロキシ
フェニル)−N,N’−ジフェニル−ベンジジンにクロ
ロメチルスチレンを反応させて得られるが、さらに正孔
移動度を向上させる目的でN,N,N’,N’−テトラ
フェニルベンジジン骨格上に複数のメチル基を導入して
も良い。
【0021】STTPDの成膜方法は真空蒸着法やトル
エン等の有機溶媒に溶かしてスピンコーティングするこ
とにより行なわれ、正孔注入輸送層の厚さは、単層また
は積層により形成される場合において1μm以下であ
り、好ましくは0.03〜0.1μmである。STTP
D分子間の架橋は成膜後に70℃〜240℃に加熱しな
がら紫外線を照射することにより行なわれる。この際、
不活性ガス雰囲気、または真空中等、酸素がない状態が
望ましい。
【0022】本発明においては、図1に示したようにS
TTPDの架橋体単層で有機正孔注入輸送層(3)を形
成することができるが、図2に示したように他の有機正
孔注入輸送材料と積層して用いることもできる。この
際、STTPDの架橋体を第2正孔注入輸送層(12)
として用いれば、第1正孔注入輸送層(11)には結晶
性の銅フタロシアニンのような物質の蒸着膜を用いても
ショートしにくいEL素子ができる。
【0023】STTPDの架橋体を第1正孔注入輸送層
(11)とし、他の材料を第2正孔注入輸送層(12)
とすることもできるし、3層以上積層することもでき
る。STTPDの架橋体の正孔注入輸送材料上には有機
溶剤可溶性物質をスピンコーティングして成膜すること
も可能であり、またSTTPD中に低分子正孔輸送材料
やビニル基、アリル基、メタクリロイルオキシメチル
基、メタクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシエ
チル基、アクリロイル基、アクリロイルオキシメチル
基、アクリロイルオキシエチル基、シンナモイル基、ス
チリルメトキシ基、プロピオロイル基、プロパルギル基
等の重合性、架橋性の置換基を有する他の正孔輸送材料
および蛍光性分子等を混合して重合、架橋することも可
能である。
【0024】STTPDの架橋体から成る正孔注入輸送
層と積層する他の有機正孔注入輸送層材料としては、ポ
リアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリチエ
ニレンビニレン、ポリフェニレンビニレンおよびこれら
にアルキル基やアルコキシ基を導入し溶媒可溶性とした
導電性ポリマー、バックミンスターフラレン(C60)
等の球状炭素クラスター、銅フタロシアニン、無金属フ
タロシアニン等のフタロシアニン類、もしくは、1、1
−ビス(4−ジーp−トリルアミノフェニル)シクロヘ
キサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−
メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−
ジアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(p
ートリル)1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミ
ン、N,N,N’,N’−テトラ(pートリル)−4,
4’−ジアミノビフェニル等のトリフェニルアミンおよ
びテトラフェニルジアミン誘導体およびそれらのメチル
基、フッ素もしくはトリフロロメチル基の置換体があげ
られるが、特に以上の例に限定されるものではない。
【0025】次に有機正孔注入輸送層(3)上に、有機
電子輸送発光層(4)を形成するが、有機電子輸送発光
層(4)に用いる蛍光体は、可視領域に蛍光を有し、適
当な方法で成膜できる任意の蛍光体が可能である。例え
ば、アントラセン、サリチル酸塩、ピレン、コロネン、
ペリレン、テトラフェニルブタジエン、9,10−ビス
(フェニルエチニル)アントラセン、8−キノリノール
リチウム、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、
トリス(5,7−ジクロロ,8−キノリノール)アルミ
ニウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノール)アル
ミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛、トリス(5
−フルオロ−8−キノリノール)アルミニウム、ビス
〔8−(パラートシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体およ
びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシ
クロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン
等があげられる。
【0026】有機電子輸送発光層(4)中の蛍光体は、
発光波長変換、発光効率向上のために、クマリン系やキ
ナクリドン系、ペリレン系、ピラン系等の2種類以上の
蛍光体を混合するか、多種類の蛍光体の発光層を2層以
上積層してもよく、そのうちの一方は赤外域または紫外
域に蛍光を示すものであってもよい。
【0027】有機電子輸送発光層(4)の成膜方法は、
真空蒸着法、累積膜法、または適当な樹脂バインダー中
に分散させてスピンコートなどの方法でコーティングす
ることにより行なわれる。有機電子輸送発光層(4)の
膜厚は、単層または積層により形成する場合においても
1μm以下であり、好ましくは50Å〜1000Åであ
る。
【0028】次に有機電子輸送発光層(4)を有機発光
層(7)と電子注入輸送層(8)とに機能分離して配す
る場合、電子注入輸送材料の好ましい条件は、電子移動
度が大きく、LUMOのエネルギーレベルが有機発光層
材料のLUMOのエネルギーレベルと同程度から陰極材
料のフェルミレベルの間にあり、仕事関数が有機発光層
材料より大きく、成膜性が良いことである。さらに陽極
(2)が不透明で、透明もしくは半透明の陰極(5)か
ら光を取り出す構成の素子においては少なくとも有機発
光層材料の蛍光波長領域において実質的に透明である必
要がある。例としては、BPBD、3,4,9,10−
ペリレンテトラカルボキシル−ビス−べンズイミダゾー
ルなどがあげられるが、上記例に特に限定されるもので
はない。
【0029】有機電子注入輸送層(7)の成膜方法は、
真空蒸着法、累積膜法、または適当な樹脂バインダー中
に分散させてスピンコートなどの方法でコーティングす
ることにより行なわれる。次に陰極(5)を有機電子注
入輸送層(7)上に形成する。陰極は、電子注入を効果
的に行なうために低仕事関数の物質が使われ、Li,N
a,Mg,Ca,Sr,Al,Ag,In,Sn,Z
n,Zr等の金属元素単体、または安定性を向上させる
ためにそれらを含む2成分、3成分の合金系が用いられ
る。
【0030】仕事関数の例としてはMg単体で約3.6
eVであり、MgにLi等アルカリ金属を添加した場合
は3.1〜3.2eVに低下する。陰極(5)の形成方
法は、抵抗加熱方法により10-5Torrオーダー以下
の真空度の下で成分ごとに別々の蒸着源から水晶振動子
式膜厚形でモニターしながら共蒸着する。このとき、
0.01〜0.3μm程度の膜厚で形成されるが、電子
ビーム蒸着法、イオンプレーティング法やスパッタリン
グ法により共蒸着ではなく、合金ターゲットを用いて成
膜することもできる。
【0031】次に素子の有機層、電極の酸化を防ぐため
に素子上に封止層(8)を形成する。封止層(8)は陰
極(5)の形成後直ちに形成する。封止層材料の例とし
ては、SiO2 ,SiO,GeO,MoO3 等の酸化
物、MgF2 ,LiF,BaF 2 ,AlF3 ,FeF3
等の沸化物、GeS,SnS等の硫化物等のバリアー性
の高い無機化合物があげられるが、上記例に限定される
ものではない。これらを単体または複合して蒸着、スパ
ッタリング法、イオンプレーティング法等により成膜す
る。抵抗加熱方式で蒸着する場合には、低温で蒸着でき
るGeOが優れている。
【0032】さらに湿気の浸入を防ぐ為に低吸湿性の光
硬化性接着剤、エポキシ系接着剤等の接着性樹脂層(1
0)を用いて、ガラス板等の封止板(9)を接着し密封
する。ガラス板以外にも金属板、プラスチック板等を用
いることもできる。以上のように構成した有機薄膜EL
素子は、有機正孔注入輸送層(3)側を正として電源
(13)にリード線(14)で接続し直流電圧を印加す
ることにより発光するが、交流電圧を印加した場合にも
有機正孔注入輸送層(3)側の電極が正に電圧印加され
ている間は発光する。
【0033】
【作用】このテトラアリールジアミン化合物を成膜した
後、3次元的に架橋させることで、高温に対し不融化お
よび溶剤に対し不溶化させ、課題を解決した。すなわ
ち、無色透明で平滑な0.1μm以下の厚さの膜が形成
でき、陽極から発光層への正孔注入輸送能力が高く、2
00℃以上の高い耐熱性と一般の有機溶媒に対し難溶化
できる。
【0034】
【実施例】
<実施例1>以下、本発明のEL素子の実施例を図1に
従って、説明する。まず、透明絶縁性の基板(1)とし
て、厚さ1.1mmのガラス板を用い、この上に120
0ÅのITOを被覆して陽極(2)とした。この透明導
電性ガラス基板を十分に洗浄後、STTPDを約500
Å真空蒸着した後、真空中でHg−Xeランプを1時間
照射(紫外線強度はオーク製作所製UV−25シリコン
フォトダイオードセンサーで測定し2.8mW/c
2 )しながら200℃まで加熱し3次元的に分子を架
橋した。
【0035】次に有機電子輸送発光層(4)としてトリ
ス(8−キノリノール)アルミニウムを500Å蒸着
し、その上面に陰極としてMgとAgを蒸着速度比1
0:1で2200Å蒸着した。最後に封止層(8)とし
てGeOを2.2μm蒸着後、ガラス板(9)を紫外線
硬化接着剤で接着し密封した。この素子は5V以上の直
流電圧印加により黄緑色に発光し、18Vにおいて20
70cd/m2 の輝度が得られた。
【0036】<実施例2>実施例1と同様の陽極(2)
上に、第1正孔注入輸送層として銅フタロシアニンを2
00Å蒸着し、さらにその上に第2正孔注入輸送層とし
てSTTPDを500Å蒸着した。以後、実施例1と同
様に素子を作製した。この素子は11Vで1100cd
/m2 の輝度であった。
【0037】<実施例3>実施例1と同様の陽極(2)
上に、第1正孔注入輸送層として銅フタロシアニンを1
50Å蒸着した。次に第2正孔注入輸送層としてSTT
PDを400Å蒸着し、実施例1と同様にSTTPDの
架橋を行なった。次に第3正孔注入輸送層としてN,
N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニ
ル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミンを1
50Å蒸着した。次に有機電子輸送発光層としてクマリ
ン540を含むトリス(8−キノリノール)アルミニウ
ムを450Å蒸着し、その上面に陰極としてLiを含む
Mgを2200Å蒸着した。
【0038】最後に封止層としてGeoを1.5μm蒸
着後、ガラス板を紫外線硬化接着剤で接着し密封した。
この素子は3V以上の直流電圧印加により緑色に発光し
16Vにおいて輝度9720cd/m2 、電流密度25
0mA/cm2 であった。
【0039】<実施例4>STTPDを石英板上に50
0Å蒸着し実施例1と同じ条件で架橋させた。この膜は
可視光線領域の波長で透明で、エタノール、トルエン、
700ホルム等の有機溶媒に不溶であった。 また、実
施例1〜3の素子のクロロSTTPDの層をSTTPD
のトルエン溶液をスピンコートすることによっても、素
子を作製することができた。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の有機薄膜E
L素子によれば、テトラアリールジアミン化合物の架橋
体を正孔注入輸送層に用いることにより、有機溶媒不溶
で耐熱性が高く平滑で透明である正孔注入輸送層が得ら
れ、基板温度が100℃以上に上がるプロセスやスピン
コーティング法など多様な有機薄膜素子作製プロセスを
可能とする効果がある。本発明の有機薄膜EL素子によ
れば、製造工程での過酷な条件に耐え、高性能で安定し
た品質の有機薄膜EL素子となるものである。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機薄膜EL素子の一実施例を示す説
明図である。
【図2】本発明の有機薄膜EL素子の他の実施例を示す
説明図である。
【図3】本発明の有機薄膜EL素子の他の実施例を示す
説明図である。
【符号の説明】
(1)基板 (2)陽極 (3)有機正孔注入輸送層 (4)有機電子輸送発光層 (5)陰極 (6)有機発光層 (7)有機電子注入輸送層 (8)封止層 (9)ガラス板 (10)接着性樹脂層 (11)第1正孔注入輸送層 (12)第2正孔注入輸送層 (13)電源 (14)リード線 (15)陰極取り出し口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも陽極、有機正孔注入輸送層、有
    機電子輸送層、陰極から構成される有機薄膜EL素子に
    おいて、有機正孔注入輸送層が下記の一般式(化1)で
    表される化合物の架橋体を含むことを特徴とする有機薄
    膜EL素子。 【化1】
  2. 【請求項2】有機正孔輸送層が、一般式(化1)で示さ
    れる化合物を用いて形成される層と他の有機正孔輸送材
    料から形成される層との積層構造になっていることを特
    徴とする請求項1記載の有機薄膜EL素子。
JP4072009A 1992-03-30 1992-03-30 有機薄膜el素子 Pending JPH05271652A (ja)

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