JPH05251252A - アモルファス変圧器の製造方法 - Google Patents
アモルファス変圧器の製造方法Info
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- JPH05251252A JPH05251252A JP4049365A JP4936592A JPH05251252A JP H05251252 A JPH05251252 A JP H05251252A JP 4049365 A JP4049365 A JP 4049365A JP 4936592 A JP4936592 A JP 4936592A JP H05251252 A JPH05251252 A JP H05251252A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の焼鈍による
脆性の緩和および磁気特性の低下を大幅に改善するこ
と。 【構成】 鉄系アモルファス薄帯2により変圧器の鉄心
3を形づくり、その鉄心3を300〜320℃の温度下
で焼鈍したのち、次工程に付すようにした。
脆性の緩和および磁気特性の低下を大幅に改善するこ
と。 【構成】 鉄系アモルファス薄帯2により変圧器の鉄心
3を形づくり、その鉄心3を300〜320℃の温度下
で焼鈍したのち、次工程に付すようにした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄系アモルファス薄帯
を用いて鉄心を形成するアモルファス変圧器の製造方法
に係り、特に品質および生産性の向上を図るために好適
なアモルファス変圧器の製造方法に関する。
を用いて鉄心を形成するアモルファス変圧器の製造方法
に係り、特に品質および生産性の向上を図るために好適
なアモルファス変圧器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄系アモルファス薄帯を用いて鉄心を形
成するアモルファス変圧器の製造方法では、まず鉄系ア
モルファス薄帯を巻回して積層し、または鉄系アモルフ
ァス薄帯を複数枚積層し切断した単位積層ブロックを重
ね合わせて鉄心を形づくる。ついで、鉄心の歪を取るた
め焼鈍する。ところが、焼鈍温度によっては鉄系アモル
ファス薄帯が非常に脆くなり、焼鈍後における鉄心の接
合部の開放、巻線の挿入、および巻線挿入後の再接合時
に破損しやすく、鉄心製作上の作業性を損なうばかりで
なく、磁気特性の低下をもたらす。このため、鉄系アモ
ルファス薄帯製の鉄心の脆化を小さくし、かつ磁気特性
の低下を抑制可能な焼鈍条件で前記鉄系アモルファス薄
帯製の鉄心を処理することが重要である。
成するアモルファス変圧器の製造方法では、まず鉄系ア
モルファス薄帯を巻回して積層し、または鉄系アモルフ
ァス薄帯を複数枚積層し切断した単位積層ブロックを重
ね合わせて鉄心を形づくる。ついで、鉄心の歪を取るた
め焼鈍する。ところが、焼鈍温度によっては鉄系アモル
ファス薄帯が非常に脆くなり、焼鈍後における鉄心の接
合部の開放、巻線の挿入、および巻線挿入後の再接合時
に破損しやすく、鉄心製作上の作業性を損なうばかりで
なく、磁気特性の低下をもたらす。このため、鉄系アモ
ルファス薄帯製の鉄心の脆化を小さくし、かつ磁気特性
の低下を抑制可能な焼鈍条件で前記鉄系アモルファス薄
帯製の鉄心を処理することが重要である。
【0003】ところで、鉄系アモルファス薄帯製の鉄心
を焼鈍する従来技術としては、例えば米国アライドシグ
ナル社の技術資料や、特開昭61−40015号公報お
よび特開平2−16706号公報に記載の技術がある。
を焼鈍する従来技術としては、例えば米国アライドシグ
ナル社の技術資料や、特開昭61−40015号公報お
よび特開平2−16706号公報に記載の技術がある。
【0004】前掲米国アライドシグナル社の技術資料で
は、焼鈍温度の推奨値として、380℃、2時間とされ
ている。また、前掲特開昭61−40015号公報で
は、400℃に昇温し、30分〜2時間保持するとされ
ている。そして、前掲特開平2−16706号公報で
は、400℃とされている。
は、焼鈍温度の推奨値として、380℃、2時間とされ
ている。また、前掲特開昭61−40015号公報で
は、400℃に昇温し、30分〜2時間保持するとされ
ている。そして、前掲特開平2−16706号公報で
は、400℃とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】結局、従来技術では鉄
系アモルファス薄帯製の鉄心を380℃または400℃
で焼鈍処理している。しかし、本発明の発明者等の研究
の結果、図2に示すように、320℃の焼鈍温度を境に
鉄損比が急激に変化することが分かった。したがって、
380℃または400℃の温度で焼鈍する従来技術で
は、鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の脆化が促進され、
焼鈍後の処理工程におけるハンドリングの際、破損しや
すいという問題がある。
系アモルファス薄帯製の鉄心を380℃または400℃
で焼鈍処理している。しかし、本発明の発明者等の研究
の結果、図2に示すように、320℃の焼鈍温度を境に
鉄損比が急激に変化することが分かった。したがって、
380℃または400℃の温度で焼鈍する従来技術で
は、鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の脆化が促進され、
焼鈍後の処理工程におけるハンドリングの際、破損しや
すいという問題がある。
【0006】一方、図3に示すように、焼鈍温度の低下
とともに鉄系アモルファス薄帯の破壊曲げ径が小さくな
り、したがって焼鈍温度を低くすると鉄系アモルファス
薄帯が破壊しにくくなることが分かる。
とともに鉄系アモルファス薄帯の破壊曲げ径が小さくな
り、したがって焼鈍温度を低くすると鉄系アモルファス
薄帯が破壊しにくくなることが分かる。
【0007】そこで、鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の
焼鈍温度は、破壊曲げ径の向上つまり脆性の改善と、鉄
損の減少つまり磁気特性の改善との両面を考慮し、決定
する必要がある。
焼鈍温度は、破壊曲げ径の向上つまり脆性の改善と、鉄
損の減少つまり磁気特性の改善との両面を考慮し、決定
する必要がある。
【0008】本発明の目的は、鉄系アモルファス薄帯製
の鉄心の焼鈍による脆性の緩和および磁気特性の低下を
大幅に改善し得るアモルファス変圧器の製造方法を提供
することにある。
の鉄心の焼鈍による脆性の緩和および磁気特性の低下を
大幅に改善し得るアモルファス変圧器の製造方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的は、鉄系アモル
ファス薄帯により変圧器の鉄心を形づくり、その鉄心を
300〜320℃の温度下で焼鈍したのち、次工程に付
すことにより、達成される。
ファス薄帯により変圧器の鉄心を形づくり、その鉄心を
300〜320℃の温度下で焼鈍したのち、次工程に付
すことにより、達成される。
【0010】前記目的は、鉄系アモルファス薄帯により
変圧器の鉄心を形づくり、その鉄心を300〜320℃
の温度下で焼鈍したのち、前記鉄心の接合部となる個所
を加熱しながら接合作業を行うことにより、また前記鉄
心の接合部となる個所を、恒温槽内で加熱することによ
り、さらには前記鉄心を高周波加熱手段により加熱しな
がら、前記鉄心の接合部の接合作業を行うことによっ
て、より一層良好に達成される。
変圧器の鉄心を形づくり、その鉄心を300〜320℃
の温度下で焼鈍したのち、前記鉄心の接合部となる個所
を加熱しながら接合作業を行うことにより、また前記鉄
心の接合部となる個所を、恒温槽内で加熱することによ
り、さらには前記鉄心を高周波加熱手段により加熱しな
がら、前記鉄心の接合部の接合作業を行うことによっ
て、より一層良好に達成される。
【0011】
【作用】本発明では、鉄系アモルファス薄帯製の鉄心を
300〜320℃の温度下で焼鈍するようにしている。
300〜320℃の温度下で焼鈍するようにしている。
【0012】ところで、前述のごとく、また図2に示す
ように、鉄損は320℃の焼鈍温度付近が最も小さく、
これを境として焼鈍温度を高くしても、低くしても鉄損
は増加する。そして、大幅な磁気特性の改善と目される
鉄損を50%以上減少できる焼鈍温度は約300〜36
0℃である。一方、図3に示すように、破壊曲げ径の向
上、すなわち脆性の大幅改善と目される30%以上改善
できる焼鈍温度は320℃以下である。そこで、本発明
は鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の脆性の緩和および磁
気特性の低下の両面を考慮し、焼鈍温度を300〜32
0℃に設定しており、この焼鈍温度で処理することによ
り、脆性の緩和および磁気特性の低下を大幅に改善する
ことができる。
ように、鉄損は320℃の焼鈍温度付近が最も小さく、
これを境として焼鈍温度を高くしても、低くしても鉄損
は増加する。そして、大幅な磁気特性の改善と目される
鉄損を50%以上減少できる焼鈍温度は約300〜36
0℃である。一方、図3に示すように、破壊曲げ径の向
上、すなわち脆性の大幅改善と目される30%以上改善
できる焼鈍温度は320℃以下である。そこで、本発明
は鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の脆性の緩和および磁
気特性の低下の両面を考慮し、焼鈍温度を300〜32
0℃に設定しており、この焼鈍温度で処理することによ
り、脆性の緩和および磁気特性の低下を大幅に改善する
ことができる。
【0013】また、本発明では前記鉄心の接合部となる
個所を加熱しながら接合作業を行うようにしている。一
般に、鉄系アモルファス薄帯は加熱すれば延性を示現
し、脆性が改善される。したがって、鉄心の接合部とな
る個所を加熱することにより、脆性をさらに改善し、接
合作業時の破損を少なくすることができる。
個所を加熱しながら接合作業を行うようにしている。一
般に、鉄系アモルファス薄帯は加熱すれば延性を示現
し、脆性が改善される。したがって、鉄心の接合部とな
る個所を加熱することにより、脆性をさらに改善し、接
合作業時の破損を少なくすることができる。
【0014】さらに、本発明では前記鉄心の接合部とな
る個所を、恒温槽内で加熱するようにしているので、熱
効率が良く、短時間で所要温度に加熱することができ
る。
る個所を、恒温槽内で加熱するようにしているので、熱
効率が良く、短時間で所要温度に加熱することができ
る。
【0015】さらにまた、本発明では前記鉄心を、高周
波加熱手段により加熱するようにしている。これによ
り、鉄心の各部を均一に加熱することができるので、破
壊強度のばらつきをなくし、鉄心の接合部の接合作業性
をより一層向上させることができる。
波加熱手段により加熱するようにしている。これによ
り、鉄心の各部を均一に加熱することができるので、破
壊強度のばらつきをなくし、鉄心の接合部の接合作業性
をより一層向上させることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。
る。
【0017】図1は本発明方法の一実施例を示すもの
で、鉄系アモルファス薄帯を用いた変圧器鉄心を示す
図、図2は鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の焼鈍温度と
鉄損との関係を示す特性曲線図、図3は同焼鈍温度と破
壊曲げ径との関係を示す特性曲線図、図4は破壊曲げ径
を測定する測定器の説明図である。
で、鉄系アモルファス薄帯を用いた変圧器鉄心を示す
図、図2は鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の焼鈍温度と
鉄損との関係を示す特性曲線図、図3は同焼鈍温度と破
壊曲げ径との関係を示す特性曲線図、図4は破壊曲げ径
を測定する測定器の説明図である。
【0018】鉄系アモルファス薄帯により鉄心を形成
し、これに巻線を取り付けて変圧器を製造するには、通
常次の工程を経て行う。すなわち、図1に示すように、
鉄心枠1に鉄系アモルファス薄帯2を巻回し、積層して
鉄心3を形づくる。次に、歪取りをするため、焼鈍を行
う。焼鈍後、接合部4となる個所を開放する。ついで、
鉄心枠1を取り外して別の鉄心枠を入れるか、そのまま
前記鉄心枠1を使用し、巻線(図1〜図4中では省略)
を挿入する。その後、再び接合部4となる個所で接合
し、変圧器となす。
し、これに巻線を取り付けて変圧器を製造するには、通
常次の工程を経て行う。すなわち、図1に示すように、
鉄心枠1に鉄系アモルファス薄帯2を巻回し、積層して
鉄心3を形づくる。次に、歪取りをするため、焼鈍を行
う。焼鈍後、接合部4となる個所を開放する。ついで、
鉄心枠1を取り外して別の鉄心枠を入れるか、そのまま
前記鉄心枠1を使用し、巻線(図1〜図4中では省略)
を挿入する。その後、再び接合部4となる個所で接合
し、変圧器となす。
【0019】ところで、歪取り焼鈍を行うことにより、
鉄系アモルファス薄帯製の鉄心3が脆くなり、焼鈍後に
おける接合部4となる個所の開放や巻線の挿入、および
巻線挿入後の再接合作業時に破損を生じ、鉄心製作上の
作業性を損なうばかりでなく磁気特性の低下をもたら
す。このため、鉄系アモルファス薄帯製の鉄心3の脆化
および磁気特性の低下を極力抑制可能な焼鈍温度で処理
する必要がある。
鉄系アモルファス薄帯製の鉄心3が脆くなり、焼鈍後に
おける接合部4となる個所の開放や巻線の挿入、および
巻線挿入後の再接合作業時に破損を生じ、鉄心製作上の
作業性を損なうばかりでなく磁気特性の低下をもたら
す。このため、鉄系アモルファス薄帯製の鉄心3の脆化
および磁気特性の低下を極力抑制可能な焼鈍温度で処理
する必要がある。
【0020】前記磁気特性と焼鈍温度について、図2に
示す鉄損比は焼鈍温度が380℃における鉄損の値を
1.0としたものである。この図2から分かるように、
鉄損は320℃の焼鈍温度付近で最も小さくなり、これ
を境に焼鈍温度が高くなっても低くなっても鉄損は増加
する。また、大幅な磁気特性の改善と目されている鉄損
を50%以上減少できる焼鈍温度は同じく図2から分か
るように300〜360℃である。
示す鉄損比は焼鈍温度が380℃における鉄損の値を
1.0としたものである。この図2から分かるように、
鉄損は320℃の焼鈍温度付近で最も小さくなり、これ
を境に焼鈍温度が高くなっても低くなっても鉄損は増加
する。また、大幅な磁気特性の改善と目されている鉄損
を50%以上減少できる焼鈍温度は同じく図2から分か
るように300〜360℃である。
【0021】一方、前記脆性と焼鈍温度について、図3
に示す破壊曲げ径は焼鈍温度が380℃のときの値を
1.0として破壊曲げ径比を順次取ったものである。こ
の図3に示すように、焼鈍温度に対する破壊曲げ径の測
定結果によると、焼鈍温度の低下とともに破壊曲げ径が
小さくなる。すなわち、鉄系アモルファス薄帯2が破壊
しにくくなる。大幅な破壊曲げ径の向上と目される脆性
を30%以上改善できるときの焼鈍温度は320℃以下
である。
に示す破壊曲げ径は焼鈍温度が380℃のときの値を
1.0として破壊曲げ径比を順次取ったものである。こ
の図3に示すように、焼鈍温度に対する破壊曲げ径の測
定結果によると、焼鈍温度の低下とともに破壊曲げ径が
小さくなる。すなわち、鉄系アモルファス薄帯2が破壊
しにくくなる。大幅な破壊曲げ径の向上と目される脆性
を30%以上改善できるときの焼鈍温度は320℃以下
である。
【0022】したがって、図2および図3から鉄損低減
と脆性緩和の両面を大幅に改善できる焼鈍温度は300
〜320℃プラス・マイナス5℃が最も良いことが分か
る。そこで、本発明のこの実施例では300〜320℃
の焼鈍温度で、鉄系アモルファス薄帯製の鉄心3を処理
するようにしている。
と脆性緩和の両面を大幅に改善できる焼鈍温度は300
〜320℃プラス・マイナス5℃が最も良いことが分か
る。そこで、本発明のこの実施例では300〜320℃
の焼鈍温度で、鉄系アモルファス薄帯製の鉄心3を処理
するようにしている。
【0023】なお、前述の破壊曲げ径の測定は、図4に
示す測定器10を用いて行った。つまり、測定器10の
固定板11と可動板12間に鉄系アモルファス薄帯2を
はさみ、可動板12を徐々にせばめて行き、鉄系アモル
ファス薄帯2が破壊したときの寸法l(エル)を破壊曲
げ径とした。
示す測定器10を用いて行った。つまり、測定器10の
固定板11と可動板12間に鉄系アモルファス薄帯2を
はさみ、可動板12を徐々にせばめて行き、鉄系アモル
ファス薄帯2が破壊したときの寸法l(エル)を破壊曲
げ径とした。
【0024】次に、図5は鉄系アモルファス薄帯製の鉄
心の接合部となる個所を加熱して接合作業を行う本発明
の一実施例の説明図、図6は鉄系アモルファス薄帯の加
熱温度と破壊率との関係を示す特性曲線図である。一般
に鉄系金属は加熱することにより、延性を示現する。鉄
系アモルファス薄帯も、加熱すれば鉄系金属と同様、図
6から分かるように、延性を示現し、破壊率が減少す
る。
心の接合部となる個所を加熱して接合作業を行う本発明
の一実施例の説明図、図6は鉄系アモルファス薄帯の加
熱温度と破壊率との関係を示す特性曲線図である。一般
に鉄系金属は加熱することにより、延性を示現する。鉄
系アモルファス薄帯も、加熱すれば鉄系金属と同様、図
6から分かるように、延性を示現し、破壊率が減少す
る。
【0025】そこで、本発明の図5に示す実施例では、
鉄心3の接合部4を開放したのち、再び接合部となる個
所5から巻線6を挿入し、ついで接合部となる個所5か
ら加熱手段13により加熱しながら接合作業を行うよう
にしている。前記加熱手段13は、電源14と、ファン
15と、ヒータ16とを備えて構成され、前記接合部と
なる個所5に熱風17を送り、この熱風17により、例
えば100〜150℃に加熱しながら接合作業を行う。
これにより、鉄系アモルファス薄帯製の鉄心3の脆性を
さらに改善でき、接合作業時の破損を防止することがで
きる。
鉄心3の接合部4を開放したのち、再び接合部となる個
所5から巻線6を挿入し、ついで接合部となる個所5か
ら加熱手段13により加熱しながら接合作業を行うよう
にしている。前記加熱手段13は、電源14と、ファン
15と、ヒータ16とを備えて構成され、前記接合部と
なる個所5に熱風17を送り、この熱風17により、例
えば100〜150℃に加熱しながら接合作業を行う。
これにより、鉄系アモルファス薄帯製の鉄心3の脆性を
さらに改善でき、接合作業時の破損を防止することがで
きる。
【0026】図7は鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の接
合部となる個所の加熱手段の他の実施例を示す縦断面図
である。この図7に示す実施例では、鉄系アモルファス
薄帯製の鉄心3の接合部となる個所5を恒温槽18内に
入れ、例えば100〜150℃に加熱しながら接合作業
を行うようにしている。その結果、この実施例では接合
作業時に、接合部となる個所5の破損を防止できる外、
熱効率が良く、短時間で所定温度に加熱できるので、作
業時間を短縮することができる。
合部となる個所の加熱手段の他の実施例を示す縦断面図
である。この図7に示す実施例では、鉄系アモルファス
薄帯製の鉄心3の接合部となる個所5を恒温槽18内に
入れ、例えば100〜150℃に加熱しながら接合作業
を行うようにしている。その結果、この実施例では接合
作業時に、接合部となる個所5の破損を防止できる外、
熱効率が良く、短時間で所定温度に加熱できるので、作
業時間を短縮することができる。
【0027】ついで、図8は鉄系アモルファス薄帯製の
鉄心の接合部の接合作業時における加熱手段の別の実施
例を示す図である。この図8に示す実施例の加熱手段1
9は、高周波信号発信源20と、鉄系アモルファス薄帯
製の鉄心3に巻回されかつ前記高周波信号発信源20に
接続された高周波励磁巻線21とを備えて構成され、鉄
心3の接合部となる個所5の接合作業時に、高周波を利
用して鉄心3全体を例えば100〜150℃に加熱しな
がら接合するようにしている。その結果、この実施例で
は鉄心3の各部を均一に加熱できるので、接合作業時に
おける破壊強度のばらつきをなくし、接合作業性をより
一層向上させることができる。
鉄心の接合部の接合作業時における加熱手段の別の実施
例を示す図である。この図8に示す実施例の加熱手段1
9は、高周波信号発信源20と、鉄系アモルファス薄帯
製の鉄心3に巻回されかつ前記高周波信号発信源20に
接続された高周波励磁巻線21とを備えて構成され、鉄
心3の接合部となる個所5の接合作業時に、高周波を利
用して鉄心3全体を例えば100〜150℃に加熱しな
がら接合するようにしている。その結果、この実施例で
は鉄心3の各部を均一に加熱できるので、接合作業時に
おける破壊強度のばらつきをなくし、接合作業性をより
一層向上させることができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明した本発明の請求項1記載の発
明によれば、鉄系アモルファス薄帯により変圧器の鉄心
を形づくり、その鉄心を300〜320℃の温度下で焼
鈍したのち、次工程に付すようにしているので、鉄系ア
モルファス薄帯製の鉄心の脆性の緩和および磁気特性の
低下を大幅に改善し得る効果がある。
明によれば、鉄系アモルファス薄帯により変圧器の鉄心
を形づくり、その鉄心を300〜320℃の温度下で焼
鈍したのち、次工程に付すようにしているので、鉄系ア
モルファス薄帯製の鉄心の脆性の緩和および磁気特性の
低下を大幅に改善し得る効果がある。
【0029】また、本発明の請求項2記載の発明によれ
ば、鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の接合部となる個所
を加熱しながら接合作業を行うようにしており、脆性を
さらに改善できるので、接合作業時の破損を防止し得る
効果がある。
ば、鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の接合部となる個所
を加熱しながら接合作業を行うようにしており、脆性を
さらに改善できるので、接合作業時の破損を防止し得る
効果がある。
【0030】さらに、本発明の請求項3記載の発明によ
れば、前記鉄心の接合部となる個所を、恒温槽内で加熱
するようにしているので、接合作業時の破損を防止し得
る効果を有する外、熱効率が良いので、接合作業を短時
間で行い得る効果がある。
れば、前記鉄心の接合部となる個所を、恒温槽内で加熱
するようにしているので、接合作業時の破損を防止し得
る効果を有する外、熱効率が良いので、接合作業を短時
間で行い得る効果がある。
【0031】そして、本発明の請求項4記載の発明によ
れば、前記鉄心を高周波加熱手段により加熱しながら、
前記鉄心の接合部の接合作業を行うようにしているの
で、接合作業時の破損を防止し得る効果を有する外、鉄
心の各部を均一に加熱できるので、接合作業時における
破壊強度のばらつきをなくし、接合作業性をより一層向
上させ得る効果がある。
れば、前記鉄心を高周波加熱手段により加熱しながら、
前記鉄心の接合部の接合作業を行うようにしているの
で、接合作業時の破損を防止し得る効果を有する外、鉄
心の各部を均一に加熱できるので、接合作業時における
破壊強度のばらつきをなくし、接合作業性をより一層向
上させ得る効果がある。
【図1】本発明方法の一実施例を示すもので、鉄系アモ
ルファス薄帯を用いた変圧器鉄心を示す図である。
ルファス薄帯を用いた変圧器鉄心を示す図である。
【図2】鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の焼鈍温度と鉄
損との関係を示す特性曲線図である。
損との関係を示す特性曲線図である。
【図3】鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の焼鈍温度と破
壊曲げ径との関係を示す特性曲線図である。
壊曲げ径との関係を示す特性曲線図である。
【図4】破壊曲げ径を測定する測定器の説明図である。
【図5】鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の接合部となる
個所を加熱手段により加熱して接合作業を行う本発明の
一実施例を示す説明図である。
個所を加熱手段により加熱して接合作業を行う本発明の
一実施例を示す説明図である。
【図6】鉄系アモルファス薄帯の加熱温度と破壊率との
関係を示す特性曲線図である。
関係を示す特性曲線図である。
【図7】鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の接合部となる
個所の加熱手段の他の実施例を示す縦断面図である。
個所の加熱手段の他の実施例を示す縦断面図である。
【図8】鉄系アモルファス薄帯製の鉄心の接合部となる
個所の加熱手段の別の実施例を示す縦断面図である。
個所の加熱手段の別の実施例を示す縦断面図である。
1…鉄心枠、2…鉄系アモルファス薄帯、3…鉄系アモ
ルファス薄帯製の鉄心、4…鉄心の接合部、5…接合部
となる個所、6…巻線、13…加熱手段、14…加熱手
段を構成している電源、15…同ファン、16…同ヒー
タ、17…熱風、18…他の加熱手段である恒温槽、1
9…別の加熱手段、20…加熱手段を構成している高周
波信号発信源、21…同高周波励磁巻線。
ルファス薄帯製の鉄心、4…鉄心の接合部、5…接合部
となる個所、6…巻線、13…加熱手段、14…加熱手
段を構成している電源、15…同ファン、16…同ヒー
タ、17…熱風、18…他の加熱手段である恒温槽、1
9…別の加熱手段、20…加熱手段を構成している高周
波信号発信源、21…同高周波励磁巻線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢口 智幸 新潟県北蒲原郡中条町大字富岡46番地1 株式会社日立製作所中条工場内 (72)発明者 伊東 和美 東京都調布市西つつじケ丘2丁目4番1号 東京電力株式会社技術研究所内 (72)発明者 江連 正一郎 東京都調布市西つつじケ丘2丁目4番1号 東京電力株式会社技術研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 鉄系アモルファス薄帯により変圧器の鉄
心を形づくり、その鉄心を300〜320℃の温度下で
焼鈍したのち、次工程に付すことを特徴とするアモルフ
ァス変圧器の製造方法。 - 【請求項2】 鉄系アモルファス薄帯により変圧器の鉄
心を形づくり、その鉄心を300〜320℃の温度下で
焼鈍したのち、前記鉄心の接合部となる個所を加熱しな
がら接合作業を行うことを特徴とするアモルファス変圧
器の製造方法。 - 【請求項3】 前記鉄心の接合部となる個所を、恒温槽
内で加熱することを特徴とする請求項2記載のアモルフ
ァス変圧器の製造方法。 - 【請求項4】 鉄系アモルファス薄帯により変圧器の鉄
心を形づくり、その鉄心を300〜320℃の温度下で
焼鈍したのち、前記鉄心を高周波加熱手段により加熱し
ながら、前記鉄心の接合部の接合作業を行うことを特徴
とするアモルファス変圧器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4049365A JPH05251252A (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | アモルファス変圧器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4049365A JPH05251252A (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | アモルファス変圧器の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05251252A true JPH05251252A (ja) | 1993-09-28 |
Family
ID=12828995
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4049365A Pending JPH05251252A (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | アモルファス変圧器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05251252A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007234714A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Hitachi Industrial Equipment Systems Co Ltd | 配電用アモルファス変圧器 |
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Citations (3)
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-
1992
- 1992-03-06 JP JP4049365A patent/JPH05251252A/ja active Pending
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