JPH05243256A - ヘテロ接合バイポーラトランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
ヘテロ接合バイポーラトランジスタおよびその製造方法Info
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- JPH05243256A JPH05243256A JP4044403A JP4440392A JPH05243256A JP H05243256 A JPH05243256 A JP H05243256A JP 4044403 A JP4044403 A JP 4044403A JP 4440392 A JP4440392 A JP 4440392A JP H05243256 A JPH05243256 A JP H05243256A
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- Japan
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- emitter
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- bipolar transistor
- inp
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-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10D—INORGANIC ELECTRIC SEMICONDUCTOR DEVICES
- H10D10/00—Bipolar junction transistors [BJT]
- H10D10/80—Heterojunction BJTs
- H10D10/821—Vertical heterojunction BJTs
Landscapes
- Bipolar Transistors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 コレクタ空乏層内の電子走行時間短縮による
高速化と小さいオン電圧による低消費電力化が可能とな
るヘテロ接合バイポーラトランジスタと表面再結合電流
の低減により素子の微細化が図れる製造方法を提供す
る。 【構成】 n型InPからなるコレクタ層2、p型(In
0.53Ga0.47As)0.5(In0.52Al0.48As)0.5からなるベー
ス層4、エミッタが薄いn型InP層とn型(In0.53Ga
0.47As)0.5(In0.52Al0.48As)0.5層により構成されて
おり、ベース層4とコレクタ層3間にコンダクションバ
ンドオフセット(△Ec)がないので、電子はベースか
らコレクタに妨害されることなしに走行する。
高速化と小さいオン電圧による低消費電力化が可能とな
るヘテロ接合バイポーラトランジスタと表面再結合電流
の低減により素子の微細化が図れる製造方法を提供す
る。 【構成】 n型InPからなるコレクタ層2、p型(In
0.53Ga0.47As)0.5(In0.52Al0.48As)0.5からなるベー
ス層4、エミッタが薄いn型InP層とn型(In0.53Ga
0.47As)0.5(In0.52Al0.48As)0.5層により構成されて
おり、ベース層4とコレクタ層3間にコンダクションバ
ンドオフセット(△Ec)がないので、電子はベースか
らコレクタに妨害されることなしに走行する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヘテロ接合バイポーラト
ランジスタとその製造方法に関する。
ランジスタとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HB
T)は高い電流駆動能力とすぐれた高周波特性を合わせ
持つ次世代の超高速デバイスとして注目されている。す
でに、AlGaAs/GaAs系HBTにおいては、単体素子の最高速
として遮断周波数ftが100GHzが越えるものが報告され、
一方、1/4分周器やMUX・DMUXなどのデジタル回路への応
用においてその高速性が実証されつつある。しかしなが
らGaAsのΓ-Lバレー間のエネルギー差が0.3eVと小さい
ために、ベース・コレクタ間の高電界で加速された電子
が有効質量の重いL谷に遷移するので、ほとんど領域で
速度オーバーシュートが生じない。コレクタ空乏層内走
行時間は遅延時間の中で大きな比重を占めており、AlGa
As/GaAs系HBTにおいてこれ以上の高速性を期待すること
は困難である。
T)は高い電流駆動能力とすぐれた高周波特性を合わせ
持つ次世代の超高速デバイスとして注目されている。す
でに、AlGaAs/GaAs系HBTにおいては、単体素子の最高速
として遮断周波数ftが100GHzが越えるものが報告され、
一方、1/4分周器やMUX・DMUXなどのデジタル回路への応
用においてその高速性が実証されつつある。しかしなが
らGaAsのΓ-Lバレー間のエネルギー差が0.3eVと小さい
ために、ベース・コレクタ間の高電界で加速された電子
が有効質量の重いL谷に遷移するので、ほとんど領域で
速度オーバーシュートが生じない。コレクタ空乏層内走
行時間は遅延時間の中で大きな比重を占めており、AlGa
As/GaAs系HBTにおいてこれ以上の高速性を期待すること
は困難である。
【0003】またベース・エミッタダイオードのオン電
圧は、Siのバイポーラの場合は、約0.8Vであるのに対
して、1.35〜1.50Vと約70〜80%も大きく、消費電力の増
大を招くという問題点を抱えている。またGaAs基板はSi
基板に比べて熱伝導率が約1/3であることが、HBTを
パワーデバイスに応用する場合に問題になる。
圧は、Siのバイポーラの場合は、約0.8Vであるのに対
して、1.35〜1.50Vと約70〜80%も大きく、消費電力の増
大を招くという問題点を抱えている。またGaAs基板はSi
基板に比べて熱伝導率が約1/3であることが、HBTを
パワーデバイスに応用する場合に問題になる。
【0004】またGaAs系の材料は他の材料系(Si,InGaA
s,InP)に比べて表面再結合速度が大きいため、素子の微
細化において電流利得の低下をもたらし、回路設計上の
困難が生じるという第2の課題を有している。
s,InP)に比べて表面再結合速度が大きいため、素子の微
細化において電流利得の低下をもたらし、回路設計上の
困難が生じるという第2の課題を有している。
【0005】第1の課題である超高速で低消費電力化可
能なヘテロ接合バイポーラトランジスタを実現するため
に第1と第2のヘテロ接合バイポーラトランジスタが提
案されており、以下図面を参照しながら、一例について
説明する。
能なヘテロ接合バイポーラトランジスタを実現するため
に第1と第2のヘテロ接合バイポーラトランジスタが提
案されており、以下図面を参照しながら、一例について
説明する。
【0006】図6は第1の従来例のヘテロ接合バイポー
ラトランジスタの素子断面図とエネルギーバンド図であ
る。半絶縁性のInP基板11上に高濃度n型InGaAsから
なる第1のコンタクト層12、n型InGaAsからなるコレ
クタ層13、高濃度p型InGaAsらなるベース層14、n
型InPからなるエミッタ層15、さらに高濃度n型InGaA
s16からなる第2のコンタクト層を順次形成したエピ
タキシャル構造を有している。ウェットエッチングによ
りエミッタメサ、ベースメサ、コレクタメサを順次形成
後、最後にエミッタ電極、ベース電極、エミッタまたは
コレクタ電極を形成する。ベースとコレクタがInGaAsで
構成されており、その移動度はGaAsの約1.5倍と大きい
ことや、Γ-Lバレー間エネルギー差が大きいためコレ
クタ空乏層内において長距離に渡る速度オーバーシュー
トが起こり易いことなどにより、遮断周波数 ft=165GH
z が得られており、優れた高周波特性が実証されてい
る。またInGaAsは、バンドギャップが0.76eVとGaAsやSi
に比べて小さいために、ベース層の材料のバンドギャッ
プに起因するターンオン電圧が低くなるために、低消費
電力化に有利である。またInP基板の熱伝導率はGaAsに
比べて50%改善されている(IEEE Electron Device Let
t. vol. 10, pp. 267-269, 1989)。
ラトランジスタの素子断面図とエネルギーバンド図であ
る。半絶縁性のInP基板11上に高濃度n型InGaAsから
なる第1のコンタクト層12、n型InGaAsからなるコレ
クタ層13、高濃度p型InGaAsらなるベース層14、n
型InPからなるエミッタ層15、さらに高濃度n型InGaA
s16からなる第2のコンタクト層を順次形成したエピ
タキシャル構造を有している。ウェットエッチングによ
りエミッタメサ、ベースメサ、コレクタメサを順次形成
後、最後にエミッタ電極、ベース電極、エミッタまたは
コレクタ電極を形成する。ベースとコレクタがInGaAsで
構成されており、その移動度はGaAsの約1.5倍と大きい
ことや、Γ-Lバレー間エネルギー差が大きいためコレ
クタ空乏層内において長距離に渡る速度オーバーシュー
トが起こり易いことなどにより、遮断周波数 ft=165GH
z が得られており、優れた高周波特性が実証されてい
る。またInGaAsは、バンドギャップが0.76eVとGaAsやSi
に比べて小さいために、ベース層の材料のバンドギャッ
プに起因するターンオン電圧が低くなるために、低消費
電力化に有利である。またInP基板の熱伝導率はGaAsに
比べて50%改善されている(IEEE Electron Device Let
t. vol. 10, pp. 267-269, 1989)。
【0007】図7は第2の従来例のヘテロ接合バイポー
ラトランジスタのエネルギーバンド図である。第1の従
来例と異なる点はコレクタ層13aがn型InPで構成さ
れているところである。InPもΓ-Lバレー間エネルギー
差が大きい。図8は坂本ら報告しているInPとInGaAsの
材料系における電子の平均ドリフト速度と電界の関係を
示している。(IEEE Trans. Electron Devices, vol. E
D-36, no.10, pp. 2344-2352) バイポーラトランジスタ
の通常のバイアス条件ではベース・コレクタ空乏層内の
電界強度は数十KV/cm程度の高電界であり、InP系の方が
InGaAsに比べて高速走行が可能となり、コレクタ走行時
間を短縮できる(Appl. Phys. Lett. vol. 47,pp. 28-3
0, 1985)。
ラトランジスタのエネルギーバンド図である。第1の従
来例と異なる点はコレクタ層13aがn型InPで構成さ
れているところである。InPもΓ-Lバレー間エネルギー
差が大きい。図8は坂本ら報告しているInPとInGaAsの
材料系における電子の平均ドリフト速度と電界の関係を
示している。(IEEE Trans. Electron Devices, vol. E
D-36, no.10, pp. 2344-2352) バイポーラトランジスタ
の通常のバイアス条件ではベース・コレクタ空乏層内の
電界強度は数十KV/cm程度の高電界であり、InP系の方が
InGaAsに比べて高速走行が可能となり、コレクタ走行時
間を短縮できる(Appl. Phys. Lett. vol. 47,pp. 28-3
0, 1985)。
【0008】第2の課題である表面再結合電流を低減し
て微細化が可能となるヘテロ接合バイポーラトランジス
タが提案されており、以下図面を参照しながら、一例に
ついて説明する。
て微細化が可能となるヘテロ接合バイポーラトランジス
タが提案されており、以下図面を参照しながら、一例に
ついて説明する。
【0009】図9は第3の従来例のヘテロ接合バイポー
ラトランジスタの素子断面図である。半絶縁性の半絶縁
性GaAs基板21上に高濃度n型GaAsからなる第1のコン
タクト層22、n型GaAsからなるコレクタ層23、高濃
度p型GaAsらなるベース層24、n型AlGaAsからなるエ
ミッタ層25、さらに高濃度n型GaAsからなる第2のコ
ンタクト層26を順次形成したエピタキシャル構造を有
している。AlGaAsエミッタメサの周囲に薄いAlGaAs層を
残し、外部ベース領域の保護層として機能させる。AlGa
As保護層25a上に空乏層が広がり、外部ベース領域に
注入された電子にとって障壁となるためにベース層との
界面での再結合電流が低減できる。例えばエミッタサイ
ズが0.6μmX0.6μmのヘテロ接合バイポーラトランジス
タにおいてAlGaAs保護層を有するHBT は従来構造に比べ
て電流利得が4倍程度改善されていることが報告されて
いる(電子情報通信学会技術研究報告、 ED89-147,199
0)。
ラトランジスタの素子断面図である。半絶縁性の半絶縁
性GaAs基板21上に高濃度n型GaAsからなる第1のコン
タクト層22、n型GaAsからなるコレクタ層23、高濃
度p型GaAsらなるベース層24、n型AlGaAsからなるエ
ミッタ層25、さらに高濃度n型GaAsからなる第2のコ
ンタクト層26を順次形成したエピタキシャル構造を有
している。AlGaAsエミッタメサの周囲に薄いAlGaAs層を
残し、外部ベース領域の保護層として機能させる。AlGa
As保護層25a上に空乏層が広がり、外部ベース領域に
注入された電子にとって障壁となるためにベース層との
界面での再結合電流が低減できる。例えばエミッタサイ
ズが0.6μmX0.6μmのヘテロ接合バイポーラトランジス
タにおいてAlGaAs保護層を有するHBT は従来構造に比べ
て電流利得が4倍程度改善されていることが報告されて
いる(電子情報通信学会技術研究報告、 ED89-147,199
0)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら第1の従
来例のHBTはコレクタにナローギャップ材料であるInGaA
sを用いているために、エミッタ・コレクタ間の耐圧が
約4.0Vと低くなり、実際の回路応用を考えた場合これが
非常に大きな問題点となる。第2の従来例のHBTはバン
ドギャップエネルギーが1.35eVと大きいInPをコレクタ
に用いているためにエミッタ・コレクタ間の耐圧は改善
されるが、InGaAs/InPのヘテロ接合であるベース・コレ
クタ間において0.26eVの大きなコンダクションバンドオ
フセット(△Ec)が形成されており、これが低コレク
タバイアス電圧時に障壁となり、ベースからコレクタに
走行する電子をブロックし、電流利得が低下する。第3
の従来例であるAlGaAs保護層を有するHBTを作製する場
合、エミッタメサ周辺に残存させるAlGaAs層は空乏化さ
せるためにその膜厚を数十nm程度に抑える必要がある
が、エッチングの時間制御により均一な膜厚を有するAl
GaAs保護膜を形成することは困難であり、HBTを作製す
る上で大きな問題点を有している。
来例のHBTはコレクタにナローギャップ材料であるInGaA
sを用いているために、エミッタ・コレクタ間の耐圧が
約4.0Vと低くなり、実際の回路応用を考えた場合これが
非常に大きな問題点となる。第2の従来例のHBTはバン
ドギャップエネルギーが1.35eVと大きいInPをコレクタ
に用いているためにエミッタ・コレクタ間の耐圧は改善
されるが、InGaAs/InPのヘテロ接合であるベース・コレ
クタ間において0.26eVの大きなコンダクションバンドオ
フセット(△Ec)が形成されており、これが低コレク
タバイアス電圧時に障壁となり、ベースからコレクタに
走行する電子をブロックし、電流利得が低下する。第3
の従来例であるAlGaAs保護層を有するHBTを作製する場
合、エミッタメサ周辺に残存させるAlGaAs層は空乏化さ
せるためにその膜厚を数十nm程度に抑える必要がある
が、エッチングの時間制御により均一な膜厚を有するAl
GaAs保護膜を形成することは困難であり、HBTを作製す
る上で大きな問題点を有している。
【0011】本発明は上記問題点に鑑み、コレクタ空乏
層内電子走行時間の短縮による高速化と低オン電圧で低
消費電力化が可能であり、エミッタ・コレクタ耐圧も充
分に高く、表面再結合電流の低減により微細化が可能で
あるヘテロ接合バイポーラトランジスタと該ヘテロ接合
バイポーラトランジスタの容易な製造方法を提供するも
のである。
層内電子走行時間の短縮による高速化と低オン電圧で低
消費電力化が可能であり、エミッタ・コレクタ耐圧も充
分に高く、表面再結合電流の低減により微細化が可能で
あるヘテロ接合バイポーラトランジスタと該ヘテロ接合
バイポーラトランジスタの容易な製造方法を提供するも
のである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明の第1のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
は、InP基板上に少なくともn型InPからなるコレクタ
層、InP基板と格子整合してInPとのコンダクションバン
ドオフセット(△Ec)をほとんど発生させない組成比
を有しているp型Inx(GayAly-1)1-xAsからなるベース
層、ベース層と直接に接合する薄いn型InP層からなる
第1のエミッタと該第1のエミッタと接続するn型In
x(GayAly-1)1-xAs層からなる第2のエミッタという構成
を備えたものである。 上記問題点を解決するために本
発明の第2のヘテロ接合バイポーラトランジスは、InP
基板上に少なくともn型InPからなるコレクタ層、p型I
nPからなるベース層から形成され、ベースからエミッタ
に注入されるホールに対して障壁となる格子欠陥を発生
しない程度薄いInx(GayAly-1)1-xP層がベース層とエミ
ッタ層間に挿入されたという構成を備えたものである。
めに本発明の第1のヘテロ接合バイポーラトランジスタ
は、InP基板上に少なくともn型InPからなるコレクタ
層、InP基板と格子整合してInPとのコンダクションバン
ドオフセット(△Ec)をほとんど発生させない組成比
を有しているp型Inx(GayAly-1)1-xAsからなるベース
層、ベース層と直接に接合する薄いn型InP層からなる
第1のエミッタと該第1のエミッタと接続するn型In
x(GayAly-1)1-xAs層からなる第2のエミッタという構成
を備えたものである。 上記問題点を解決するために本
発明の第2のヘテロ接合バイポーラトランジスは、InP
基板上に少なくともn型InPからなるコレクタ層、p型I
nPからなるベース層から形成され、ベースからエミッタ
に注入されるホールに対して障壁となる格子欠陥を発生
しない程度薄いInx(GayAly-1)1-xP層がベース層とエミ
ッタ層間に挿入されたという構成を備えたものである。
【0013】上記問題点を解決するために本発明のヘテ
ロ接合バイポーラトランジスの製造方法はInx(GayA
ly-1)1-xPからなる薄い層をエッチングストッパーと
し、選択エッチングによりエミッタメサを形成し、外部
ベース領域においてInx(GayAly-1)1 -xPからなる保護層
をすくなくともエミッタメサ周辺に残存させるという構
成を備えたものである。
ロ接合バイポーラトランジスの製造方法はInx(GayA
ly-1)1-xPからなる薄い層をエッチングストッパーと
し、選択エッチングによりエミッタメサを形成し、外部
ベース領域においてInx(GayAly-1)1 -xPからなる保護層
をすくなくともエミッタメサ周辺に残存させるという構
成を備えたものである。
【0014】
【作用】上記した本発明の第1のヘテロ接合バイポーラ
トランジスタによる作用は以下のようになる。 (1)(図10)はInP基板に格子整合したIn0.53Ga
0.47As、In0.52Al0.48As、InPと(In0.53Ga0.47As)
x(In0.52Al0.48As)1-x(0≦x≦1)のフラットバンド
ダイグラムを示しており、InPとコンダクションバンド
オフセット(△Ec)を発生させない(In0.53Ga0.47A
s)x(In0.52Al0.48As)1-xの組成比xは0.5であり、こ
の場合InPとのバレンスバンドオフセット(△Ev)は
0.25eVである。ベースがp型(In0.53Ga0.47As)0.5(I
n0.52Al0.48As)0.5からなり、エミッタとコレクタがn
型InPで構成されているHBTの場合、大きな△Evのため
にベースからエミッタへのホールの注入を十分に阻止で
き、ベース・コレクタ間に△Ecが存在しないために電
子のベースからコレクタへの走行は妨げられない。 (2)エミッタがn型InP、ベースがp型(In0.53Ga
0.47As)0.5(In0.52Al0.48As)0.5により構成されてい
るので、ベース・エミッタのビルトインポテンシャルは
約1.0eVであり、GaAs/AlGaAs系に比べて60%で低オン電
圧化が可能となる。
トランジスタによる作用は以下のようになる。 (1)(図10)はInP基板に格子整合したIn0.53Ga
0.47As、In0.52Al0.48As、InPと(In0.53Ga0.47As)
x(In0.52Al0.48As)1-x(0≦x≦1)のフラットバンド
ダイグラムを示しており、InPとコンダクションバンド
オフセット(△Ec)を発生させない(In0.53Ga0.47A
s)x(In0.52Al0.48As)1-xの組成比xは0.5であり、こ
の場合InPとのバレンスバンドオフセット(△Ev)は
0.25eVである。ベースがp型(In0.53Ga0.47As)0.5(I
n0.52Al0.48As)0.5からなり、エミッタとコレクタがn
型InPで構成されているHBTの場合、大きな△Evのため
にベースからエミッタへのホールの注入を十分に阻止で
き、ベース・コレクタ間に△Ecが存在しないために電
子のベースからコレクタへの走行は妨げられない。 (2)エミッタがn型InP、ベースがp型(In0.53Ga
0.47As)0.5(In0.52Al0.48As)0.5により構成されてい
るので、ベース・エミッタのビルトインポテンシャルは
約1.0eVであり、GaAs/AlGaAs系に比べて60%で低オン電
圧化が可能となる。
【0015】次に上記した本発明の第2のヘテロ接合バ
イポーラトランジスタによる作用は以下のようになる。 (3)(図11)はGaAs基板に格子整合したIn0.5Ga0.5
P、In0.5Al0.5P、(AlxGa1-x)0.5In0.5P(0≦x≦1)と
GaAsのフラットバンドダイグラムを示しており、GaAs/
(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P系におけるとコンダクション
バンドオフセット(△Ec)は0.38eV、バレンスバンド
オフセット(△Ev)は0.52eVである。GaAs/InP系の格
子不整合は約3.8%であり、臨界膜厚は極めて薄いので実
用的ではない。GaAs/InP系におけるコンダクションバン
ドオフセット(△Ec)は0.20eV程度と類推できるの
で、1.5%の格子不整合を有する(Al0.7Ga0.3)0.2In0.8
P/InP系におけるいて、コンダクションバンドオフセッ
ト(△Ec)は0.23eV、バレンスバンドオフセット(△
Ev)は0.16eVであり、ベースがp型InPからなり、エ
ミッタがn型(Al0.7Ga0.3)0.2In0.8Pで構成されてい
るHBTの場合、△Evはベースからエミッタへのホール
の注入を十分に阻止できる大きさを有しており、(Al
0.7Ga0.3)0.2In0.8Pの臨界膜厚も20nm程度であるの
で、結晶欠陥を発生させることなしにHBTを作製でき
る。
イポーラトランジスタによる作用は以下のようになる。 (3)(図11)はGaAs基板に格子整合したIn0.5Ga0.5
P、In0.5Al0.5P、(AlxGa1-x)0.5In0.5P(0≦x≦1)と
GaAsのフラットバンドダイグラムを示しており、GaAs/
(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5P系におけるとコンダクション
バンドオフセット(△Ec)は0.38eV、バレンスバンド
オフセット(△Ev)は0.52eVである。GaAs/InP系の格
子不整合は約3.8%であり、臨界膜厚は極めて薄いので実
用的ではない。GaAs/InP系におけるコンダクションバン
ドオフセット(△Ec)は0.20eV程度と類推できるの
で、1.5%の格子不整合を有する(Al0.7Ga0.3)0.2In0.8
P/InP系におけるいて、コンダクションバンドオフセッ
ト(△Ec)は0.23eV、バレンスバンドオフセット(△
Ev)は0.16eVであり、ベースがp型InPからなり、エ
ミッタがn型(Al0.7Ga0.3)0.2In0.8Pで構成されてい
るHBTの場合、△Evはベースからエミッタへのホール
の注入を十分に阻止できる大きさを有しており、(Al
0.7Ga0.3)0.2In0.8Pの臨界膜厚も20nm程度であるの
で、結晶欠陥を発生させることなしにHBTを作製でき
る。
【0016】上記した本発明のヘテロ接合バイポーラト
ランジスタの製造方法による作用は以下のようになる。 (4)ベース層と直接に接合する薄いInx(GayAly-1)1-x
P層をエッチングストッパーとして、例えば燐酸と過酸
化水素の水溶液によりn型Inx(GayAly-1)1-xAs層からな
るエミッタ層を選択エッチングによりエミッタメサを形
成し、外部ベース領域において残存しているInx(GayAl
y-1)1-xP層からなる保護層によりベース層との界面での
再結合電流を低減できる。
ランジスタの製造方法による作用は以下のようになる。 (4)ベース層と直接に接合する薄いInx(GayAly-1)1-x
P層をエッチングストッパーとして、例えば燐酸と過酸
化水素の水溶液によりn型Inx(GayAly-1)1-xAs層からな
るエミッタ層を選択エッチングによりエミッタメサを形
成し、外部ベース領域において残存しているInx(GayAl
y-1)1-xP層からなる保護層によりベース層との界面での
再結合電流を低減できる。
【0017】
【実施例】以下本発明の実施例を記載する。
【0018】図1は本発明の第1のヘテロ接合バイポー
ラトランジスタ一の実施例の主要断面図である。この実
施例の構成が図6に示した第1の従来例の構成と異なる
点は、ベース層がp型InGaAsの代わりにInPとコンダク
ションバンドオフセット(△Ec)を発生させないp型
(In0.53Ga0.47As)0.5(In0.52Al0.48As)0.5層により
形成され、エミッタが薄いn型InP層とn型(In0.53Ga
0.47As)0.5(In0.52Al 0.48As)0.5層により構成されて
いる点である。
ラトランジスタ一の実施例の主要断面図である。この実
施例の構成が図6に示した第1の従来例の構成と異なる
点は、ベース層がp型InGaAsの代わりにInPとコンダク
ションバンドオフセット(△Ec)を発生させないp型
(In0.53Ga0.47As)0.5(In0.52Al0.48As)0.5層により
形成され、エミッタが薄いn型InP層とn型(In0.53Ga
0.47As)0.5(In0.52Al 0.48As)0.5層により構成されて
いる点である。
【0019】次に、図2に示した素子の製造工程図を用
いて実施例のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造
方法を説明する。半絶縁性のInP基板1上に分子エピタ
キシーにより3x1019/CM3のn型不純物を含有する厚さ50
0nmのn型In0.53Ga0.47Asからなる第1のコンタクト層
2、2x1016/CM3のn型不純物を含有する厚さ300nmのn
型InPからなるコレクタ層3、4x1019/CM3のp型不純物
を含有する厚さ100nmのp型(In0.53Ga0.47As)0.5(In
0.52Al0.48As)からなるベース層4、5x1017/CM 3のn型
不純物を含有する厚さ30nmのn型InPからなる第1のエ
ミッタ層5a、5x1017/CM3のn型不純物を含有する厚さ
200nmのn型(In0.53Ga0.47As)0.5(In0.52Al0.48As)
0.5からなる第2のエミッタ層5b、4x1019/CM3のn型
不純物を含有する厚さ 100nmのn型In0.53Ga0.47Asから
なる第2のコンタクト層6を順次積層し、スパッタ蒸着
およびリアクティブイオンエッチング(RIE)によるパ
ターン形成によりWSiからなるエミッタ電極7を形成
し、これをマスクにして、りん酸と過酸化水素の水溶液
により第1のエミッタ層をストッパーとした外部ベース
領域におけるコンタクト層6、第2のエミッタ層5bを
選択的にエッチング除去し、外部ベース領域の残存する
InPからなる第1のエミッタ層5a上にSiO2からなる側
壁8を形成する。(図2(A))塩酸の水溶液によるウ
エット・エッチでInP層を除去し、InP保護層5a’を形
成し、エミッタ電極7などをマスクにして露出したベー
ス層4上にAuMnからなるベース電極9を成膜し、フォト
レジストをマスクにしてベース電極の露出部分をイオン
ミリングでエッチング除去し、ウェット・エッチにより
コンタクト層2を露出し、リフトオフによりAuGe/Ni/Au
からなるコレクタ電極10を形成する。(図2(B))
その後、フォトレジストをマスクにしてコレクタ電極の
露出部分をイオンミリングでエッチング除去し、ウェッ
ト・エッチによりコレクタメサを行い、ポリイミド11
による平坦化を行い、Ti/Pt/Auからなるエミッタ引出し
電極12を形成する(図2(C))。図3は第1の実施
例のヘテロ接合バイポーラトランジスタのエネルギーバ
ンド図を示す。ベースがp型(In0.53Ga0.47As)0.5(I
n0.52Al0.48As)0.5、コレクタとエミッタがn型InPで
構成されているので、ベース・コレクタ間に△Ecが存
在しないために電子のベースからコレクタへの走行は妨
げられないし、大きな△Ev(=0.25eV)のためにベー
スからエミッタへのホールの注入を十分に阻止できる。
またコレクタがn型InPで構成されており、コレクタ空
乏層において電子は高速走行できるので、高周波特性を
改善でき、InPはワイドギャップ材料であるので、エミ
ッタ・コレクタ耐圧を改善できる。外部ベース領域にお
いてn型InP保護層上に空乏層が広がり、ベース層との
界面での再結合電流が低減できる。
いて実施例のヘテロ接合バイポーラトランジスタの製造
方法を説明する。半絶縁性のInP基板1上に分子エピタ
キシーにより3x1019/CM3のn型不純物を含有する厚さ50
0nmのn型In0.53Ga0.47Asからなる第1のコンタクト層
2、2x1016/CM3のn型不純物を含有する厚さ300nmのn
型InPからなるコレクタ層3、4x1019/CM3のp型不純物
を含有する厚さ100nmのp型(In0.53Ga0.47As)0.5(In
0.52Al0.48As)からなるベース層4、5x1017/CM 3のn型
不純物を含有する厚さ30nmのn型InPからなる第1のエ
ミッタ層5a、5x1017/CM3のn型不純物を含有する厚さ
200nmのn型(In0.53Ga0.47As)0.5(In0.52Al0.48As)
0.5からなる第2のエミッタ層5b、4x1019/CM3のn型
不純物を含有する厚さ 100nmのn型In0.53Ga0.47Asから
なる第2のコンタクト層6を順次積層し、スパッタ蒸着
およびリアクティブイオンエッチング(RIE)によるパ
ターン形成によりWSiからなるエミッタ電極7を形成
し、これをマスクにして、りん酸と過酸化水素の水溶液
により第1のエミッタ層をストッパーとした外部ベース
領域におけるコンタクト層6、第2のエミッタ層5bを
選択的にエッチング除去し、外部ベース領域の残存する
InPからなる第1のエミッタ層5a上にSiO2からなる側
壁8を形成する。(図2(A))塩酸の水溶液によるウ
エット・エッチでInP層を除去し、InP保護層5a’を形
成し、エミッタ電極7などをマスクにして露出したベー
ス層4上にAuMnからなるベース電極9を成膜し、フォト
レジストをマスクにしてベース電極の露出部分をイオン
ミリングでエッチング除去し、ウェット・エッチにより
コンタクト層2を露出し、リフトオフによりAuGe/Ni/Au
からなるコレクタ電極10を形成する。(図2(B))
その後、フォトレジストをマスクにしてコレクタ電極の
露出部分をイオンミリングでエッチング除去し、ウェッ
ト・エッチによりコレクタメサを行い、ポリイミド11
による平坦化を行い、Ti/Pt/Auからなるエミッタ引出し
電極12を形成する(図2(C))。図3は第1の実施
例のヘテロ接合バイポーラトランジスタのエネルギーバ
ンド図を示す。ベースがp型(In0.53Ga0.47As)0.5(I
n0.52Al0.48As)0.5、コレクタとエミッタがn型InPで
構成されているので、ベース・コレクタ間に△Ecが存
在しないために電子のベースからコレクタへの走行は妨
げられないし、大きな△Ev(=0.25eV)のためにベー
スからエミッタへのホールの注入を十分に阻止できる。
またコレクタがn型InPで構成されており、コレクタ空
乏層において電子は高速走行できるので、高周波特性を
改善でき、InPはワイドギャップ材料であるので、エミ
ッタ・コレクタ耐圧を改善できる。外部ベース領域にお
いてn型InP保護層上に空乏層が広がり、ベース層との
界面での再結合電流が低減できる。
【0020】図4は本発明のヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタ一の第2の実施例の主要断面図とエネルギーバ
ンド図である。この実施例の構成が図1に示した第1の
実施例の構成と異なる点は、ベース層4の代わりに1x10
19/CM3のp型不純物を含有する厚さ100nmのp型InP層か
らなるベース層44、第1のエミッタ層5aの代わりに
5x1017/CM3のn型不純物を含有する厚さ20nmのn型(Al
0.7Ga0.3)0.2In0.8P層からなる第1のエミッタ層55
a、第2のエミッタ層5bの代わりに,5x1017/CM3のn
型不純物を含有する厚さ200nmのn型In0.52Al0.48As層
からなる第2のエミッタ層55bで構成されている点で
ある。製造工程は第1の実施例と同様であり、n型(Al
0.7Ga0.3)0.2In0.8P層からなる第1のエミッタ層55
aをエッチングストッパー層としてn型In0.52Al0.48As
層からなる第2のエミッタ層55bを選択的にエッチン
グ除去できる。(Al0.7Ga0.3)0.2In0.8P/InP系におけ
るいて、バレンスバンドオフセット(△Ev)は0.16eV
であり、ベースからエミッタへのホールの注入を十分に
阻止できる大きさを有しており、またエミッタ領域おい
て(Al0.7Ga0.3)0.2In0.8P/In0.52Al0.48As系のコンダ
クションバンドオフセット(△Ec)はほとんど生じな
い。第1のエミッタ層55aの(Al0.7Ga0.3)0.2In0.8
Pの臨界膜厚も20nm程度であるので、結晶欠陥を発生さ
せることなしに結晶成長できる。外部ベース領域におい
てn型(Al0.7Ga0.3)0.2In0.8P保護層上に空乏層が広
がり、ベース層との界面での再結合電流が低減できる。
ンジスタ一の第2の実施例の主要断面図とエネルギーバ
ンド図である。この実施例の構成が図1に示した第1の
実施例の構成と異なる点は、ベース層4の代わりに1x10
19/CM3のp型不純物を含有する厚さ100nmのp型InP層か
らなるベース層44、第1のエミッタ層5aの代わりに
5x1017/CM3のn型不純物を含有する厚さ20nmのn型(Al
0.7Ga0.3)0.2In0.8P層からなる第1のエミッタ層55
a、第2のエミッタ層5bの代わりに,5x1017/CM3のn
型不純物を含有する厚さ200nmのn型In0.52Al0.48As層
からなる第2のエミッタ層55bで構成されている点で
ある。製造工程は第1の実施例と同様であり、n型(Al
0.7Ga0.3)0.2In0.8P層からなる第1のエミッタ層55
aをエッチングストッパー層としてn型In0.52Al0.48As
層からなる第2のエミッタ層55bを選択的にエッチン
グ除去できる。(Al0.7Ga0.3)0.2In0.8P/InP系におけ
るいて、バレンスバンドオフセット(△Ev)は0.16eV
であり、ベースからエミッタへのホールの注入を十分に
阻止できる大きさを有しており、またエミッタ領域おい
て(Al0.7Ga0.3)0.2In0.8P/In0.52Al0.48As系のコンダ
クションバンドオフセット(△Ec)はほとんど生じな
い。第1のエミッタ層55aの(Al0.7Ga0.3)0.2In0.8
Pの臨界膜厚も20nm程度であるので、結晶欠陥を発生さ
せることなしに結晶成長できる。外部ベース領域におい
てn型(Al0.7Ga0.3)0.2In0.8P保護層上に空乏層が広
がり、ベース層との界面での再結合電流が低減できる。
【0021】図5は本発明のヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタ一の第3の実施例の主要断面図とエネルギーバ
ンド図である。この実施例の構成が図4に示した第2の
実施例の構成と異なる点は、第1のエミッタ層55aの
代わりにノンドープで厚さ10nmの(Al0.7Ga0.3)0.2In
0.8P層からなるバリヤ層555a、第2のエミッタ層5
5bの代わりに2x1018/CM3のn型不純物を含有する厚さ
200nmのn型(In0.53Ga0.47As)0.5(In0.52Al0.48As)
0.5からなる第2のエミッタ層5bで構成されている点
である。トランジスタ動作はベース層とバリヤ層を構成
する(Al0.7Ga0 .3)0.2In0.8P/InP系におけるコンダク
ションバンドオフセット(△Ec)は0.23eV、バレンス
バンドオフセット(△Ev)は0.16eVであり、動作原理
は既に報告されているトンネリング エミッター バイ
ポーラ トランジスター(J. Xuand M. Shur, IEEE Ele
ctron Device Lett., vol. EDL-7, pp. 416-418, 1986)
と同様のもので電子がバリヤ層555aを通してのトン
ネリング効果によりベースに注入されるものである。
ンジスタ一の第3の実施例の主要断面図とエネルギーバ
ンド図である。この実施例の構成が図4に示した第2の
実施例の構成と異なる点は、第1のエミッタ層55aの
代わりにノンドープで厚さ10nmの(Al0.7Ga0.3)0.2In
0.8P層からなるバリヤ層555a、第2のエミッタ層5
5bの代わりに2x1018/CM3のn型不純物を含有する厚さ
200nmのn型(In0.53Ga0.47As)0.5(In0.52Al0.48As)
0.5からなる第2のエミッタ層5bで構成されている点
である。トランジスタ動作はベース層とバリヤ層を構成
する(Al0.7Ga0 .3)0.2In0.8P/InP系におけるコンダク
ションバンドオフセット(△Ec)は0.23eV、バレンス
バンドオフセット(△Ev)は0.16eVであり、動作原理
は既に報告されているトンネリング エミッター バイ
ポーラ トランジスター(J. Xuand M. Shur, IEEE Ele
ctron Device Lett., vol. EDL-7, pp. 416-418, 1986)
と同様のもので電子がバリヤ層555aを通してのトン
ネリング効果によりベースに注入されるものである。
【0022】
【発明の効果】このように本発明により、ベース・コレ
クタ間にコンダクションバンドオフセット(△Ec)を
生じないので、良好な電流ー電圧特性が得られ、またコ
レクタがInPにより構成されているので、InP材料におけ
る高電界での電子の高速性を利用した優れた高周波特
性、ワイドギャップ材料によるエミッタ・コレクタ間の
耐圧の改善、エミッタ・ベースダイオードの低オン電圧
化による低消費電力化を提供できる。Inx(GayAly-1)1-x
P層をエミッタメサ形成時におけるエッチングストッパ
ー、また外部ベース領域上の保護層として兼用すること
により、ベース層との界面での再結合電流の低減を容易
に実現できる製造方法を提供できる。
クタ間にコンダクションバンドオフセット(△Ec)を
生じないので、良好な電流ー電圧特性が得られ、またコ
レクタがInPにより構成されているので、InP材料におけ
る高電界での電子の高速性を利用した優れた高周波特
性、ワイドギャップ材料によるエミッタ・コレクタ間の
耐圧の改善、エミッタ・ベースダイオードの低オン電圧
化による低消費電力化を提供できる。Inx(GayAly-1)1-x
P層をエミッタメサ形成時におけるエッチングストッパ
ー、また外部ベース領域上の保護層として兼用すること
により、ベース層との界面での再結合電流の低減を容易
に実現できる製造方法を提供できる。
【図1】本発明の第1の実施例であるヘテロ接合バイポ
ーラトランジスタの主要断面図
ーラトランジスタの主要断面図
【図2】本発明の第1の実施例であるのヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタの製造工程図
ポーラトランジスタの製造工程図
【図3】第1の実施例のヘテロ接合バイポーラトランジ
スタのエネルギーバンド図
スタのエネルギーバンド図
【図4】(A)は第2の実施例であるヘテロ接合バイポー
ラトランジスタの主要断面図 (B)はエネルギーバンド図
ラトランジスタの主要断面図 (B)はエネルギーバンド図
【図5】(A)は第3の実施例であるヘテロ接合バイポー
ラトランジスタの主要断面図 (B)はエネルギーバンド図
ラトランジスタの主要断面図 (B)はエネルギーバンド図
【図6】(A)は第1の従来であるヘテロ接合バイポーラ
トランジスタの主要断面図 (B)はエネルギーバンド図
トランジスタの主要断面図 (B)はエネルギーバンド図
【図7】第2の従来例のヘテロ接合バイポーラトランジ
スタのエネルギーバンド図
スタのエネルギーバンド図
【図8】InPとInGaAs の材料系における電子の平均ドリ
フト速度と電界の関係を示した図
フト速度と電界の関係を示した図
【図9】第3の従来例であるヘテロ接合バイポーラトラ
ンジスタの主要断面図
ンジスタの主要断面図
【図10】InP基板に格子整合したIn0.53Ga0.47As、In
0.52Al0.48As、InPと(In0.53Ga0. 47As)x(In0.52Al
0.48As)1-x(0≦x≦1)のフラットバンドダイアグラム
を示す図
0.52Al0.48As、InPと(In0.53Ga0. 47As)x(In0.52Al
0.48As)1-x(0≦x≦1)のフラットバンドダイアグラム
を示す図
【図11】GaAs基板に格子整合したIn0.5Ga0.5P、In0.5
Al0.5P、(AlxGa1-x)0.5In0.5P(0≦x≦1)とGaAsのフ
ラットバンドダイアグラムを示す図
Al0.5P、(AlxGa1-x)0.5In0.5P(0≦x≦1)とGaAsのフ
ラットバンドダイアグラムを示す図
1 半絶縁性InP基板 2 第1のコンタクト層(高濃度n型InGaAs) 3 コレクタ層(n型InP) 4 ベース層(高濃度p型(In0.53Ga0.47As)0.5(In
0.52Al0.48As)0.5) 44 ベース層(p型InP) 5a 第1のエミッタ層(n型InP) 5a’保護層 55a 第1のエミッタ層(n型(Al0.7Ga0.3)0.2In
0.8P) 5b 第2のエミッタ層(n型(In0.53Ga0.47As)
0.5(In0.52Al0.48As)0.5) 55b 第2のエミッタ層(n型In0.52Al0.48As) 555b エミッタ層(n型(In0.53Ga0.47As)0.5(In
0.52Al0.48As)0.5) 6 第2のコンタクト層(高濃度p型InGaAs) 7 エミッタ電極(WSi) 8 側壁(SiO2) 9 ベース電極 10 コレクタ電極
0.52Al0.48As)0.5) 44 ベース層(p型InP) 5a 第1のエミッタ層(n型InP) 5a’保護層 55a 第1のエミッタ層(n型(Al0.7Ga0.3)0.2In
0.8P) 5b 第2のエミッタ層(n型(In0.53Ga0.47As)
0.5(In0.52Al0.48As)0.5) 55b 第2のエミッタ層(n型In0.52Al0.48As) 555b エミッタ層(n型(In0.53Ga0.47As)0.5(In
0.52Al0.48As)0.5) 6 第2のコンタクト層(高濃度p型InGaAs) 7 エミッタ電極(WSi) 8 側壁(SiO2) 9 ベース電極 10 コレクタ電極
Claims (7)
- 【請求項1】InP基板上に少なくともn型InPからなるコ
レクタ層、InP基板と格子整合したp型Inx(GayAly-1)
1-xAsからなるベース層で構成されていることを特徴と
するヘテロ接合バイポーラトランジスタ。 - 【請求項2】ベース層を構成しているp型Inx(GayA
ly-1)1-xAsがInPとのコンダクションバンドオフセット
(△Ec)をほとんど発生させない組成比を有している
ことを特徴とする請求項1に記載のヘテロ接合バイポー
ラトランジスタ。 - 【請求項3】ベース層と直接に接合する薄いn型InP層
からなる第1のエミッタと該第1のエミッタと接続する
n型Inx(GayAly-1)1-xAs層からなる第2のエミッタによ
り構成されていることを特徴とする請求項1記載のヘテ
ロ接合バイポーラトランジスタ。 - 【請求項4】InP基板上に少なくともn型InPからなるコ
レクタ層、p型 InPからなるベース層から構成され、ベ
ース層とエミッタ層間に挿入された格子欠陥を発生しな
い程度薄いInx(GayAly-1)1-xP 層がベースからエミッタ
に注入されるホールに対して障壁となっているを特徴と
するヘテロ接合バイポーラトランジスタ。 - 【請求項5】ベース層と直接に接合する薄いn型Inx(Ga
yAly-1)1-xP層からなる第1のエミッタと該第1のエミ
ッタと接続するInP基板に格子整合しているn型Inx(Gay
Aly-1)1-xAs層からなる第2のエミッタにより構成され
ていることを特徴とする請求項4記載のヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタ。 - 【請求項6】n型Inx(GayAly-1)1-xP層からなる第1の
エミッタ層とInP基板に格子整合したInx(GayAly-1)1-xA
s層からなる第2のエミッタ層間のコンダクションバン
ドオフセット(△Ec)がほとんど発生しない構成を有
していることを特徴とする請求項3また5記載のヘテロ
接合バイポーラトランジスタ。 - 【請求項7】Inx(GayAly-1)1-xPからなる薄い層をエッ
チングストッパーとし、選択エッチングによりエミッタ
メサを形成し、外部ベース領域においてInx(Ga yAly-1)
1-xPからなる保護層をすくなくともエミッタメサ周辺に
残存させることを特徴とする請求項3または5記載のヘ
テロ接合バイポーラトランジスタの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4044403A JPH05243256A (ja) | 1992-03-02 | 1992-03-02 | ヘテロ接合バイポーラトランジスタおよびその製造方法 |
US07/948,551 US5345097A (en) | 1992-03-02 | 1992-09-23 | Heterojunction bipolar transistor including collector region of InP and method of fabricating the same |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4044403A JPH05243256A (ja) | 1992-03-02 | 1992-03-02 | ヘテロ接合バイポーラトランジスタおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05243256A true JPH05243256A (ja) | 1993-09-21 |
Family
ID=12690546
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4044403A Pending JPH05243256A (ja) | 1992-03-02 | 1992-03-02 | ヘテロ接合バイポーラトランジスタおよびその製造方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5345097A (ja) |
JP (1) | JPH05243256A (ja) |
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JP2006310519A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | ヘテロ接合バイポーラトランジスタ |
JP2008227221A (ja) * | 2007-03-14 | 2008-09-25 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | ヘテロ接合バイポーラトランジスタおよびその製造方法 |
JP2009152278A (ja) * | 2007-12-19 | 2009-07-09 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | ヘテロ接合バイポーラトランジスタ |
JP2011003840A (ja) * | 2009-06-22 | 2011-01-06 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | ヘテロ接合バイポーラトランジスタ |
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JPH08139101A (ja) * | 1994-11-07 | 1996-05-31 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | ヘテロ接合バイポーラトランジスタ及びその製造方法 |
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US5625206A (en) * | 1996-06-03 | 1997-04-29 | Lucent Technologies Inc. | High-speed double-heterostructure bipolar transistor devices |
KR100257192B1 (ko) | 1998-01-26 | 2000-05-15 | 구자홍 | 이종접합 바이폴라 트랜지스터 |
DE19834491A1 (de) * | 1998-07-31 | 2000-02-03 | Daimler Chrysler Ag | Anordnung und Verfahren zur Herstellung eines Heterobipolartransistors |
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DE10318422B4 (de) * | 2003-04-23 | 2006-08-10 | Infineon Technologies Ag | Hochfrequenz-Bipolartransistor mit Silizidregion und Verfahren zur Herstellung desselben |
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