JP3117831B2 - 半導体装置 - Google Patents
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- H10D10/821—Vertical heterojunction BJTs
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Description
に詳しくは、GaAs基板上に形成されたAlGaAs
/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HB
T)及びAlGaAs−InGaP/GaAsヘテロ接
合バイポーラトランジスタ(HBT)の素子構造に関す
るものである。
わせによりpnpHBTとnpnHBTとがある。一般
に輸送特性の相違から、後者のnpnHBTの方が優れ
た遮断周波数fT を有しており、以下ではnpnHBT
を対象として説明する。HBTの実用化に際しての重要
課題は信頼性と電流利得の確保である。ベース抵抗を低
減するため標準的なHBTでは、ベース濃度を1×10
19cm-3以上とするが、BeドープHBTでは動作中にB
eの異常拡散が起こり、エミッタ/ベース接合のオン電
圧の変動と電流利得の低下が起こることが知られてい
る。ベース不純物としてカーボンを用いたHBTでは、
ベース不純物の異常拡散が見られず、ベース濃度の高濃
度化により、電流利得を損なわずに、ベース抵抗低減が
図られることから信頼性を含めた総合評価でBeドープ
HBTを凌駕することが確実視され、実用化に対する期
待は極めて大きい。
面再結合が大きいことと、標準的な素子構造である、均
一組成ベースで、かつ傾斜組成(graded)エミッ
タ構造の場合、フェルミレベル・ピンニングから生じる
表面チャネルにキャリア(電子)が流れ込み易いことが
原因となってベース電流の増大を招き、結果として電流
利得(=(コレクタ電流)/(ベース電流)比)が小さ
くなることが問題となっていた(図3及び図4参照)。
この問題は、エミッタ層とベース層の接合周辺を被覆す
るように、ベース層よりもバンドギャップの大きなAl
GaAsエミッタ層の一部を空乏層として残し、パッシ
ベーションとして用いた構造、いわゆる“ガードリング
構造”によって大幅に改善された。図5に標準的なガー
ドリング構造のAlGaAs/GaAsHBTについて
示す。図5において1は半絶縁性GaAs基板、2はn
型GaAsサブコレクタ層、3はn型GaAsコレクタ
層、4はp型GaAsベース層、5はn型AlGaAs
傾斜組成(Al組成0→0.3)エミッタ層、6はn型
AlGaAsエミッタ層,7はn型AlGaAs傾斜組
成(Al組成0.3→0)エミッタ層、8はn型GaA
sキャップ層、9はn型InGaAsコンタクト層、1
0はガードリング構造のAlGaAsパッシベーション
層、11はベース電極、12はエミッタ電極、13はコ
レクタ電極を表す。また別の方法として、ベース層に傾
斜組成を採用することによりベース層中に、エミッタ側
からコレクタ側へ電子を移動させる電界を形成し、表面
再結合の影響を抑制することによって電流利得の改善を
図る方法も提案されている。最近、別の電流利得改善方
法としてInGaP層をエミッタとして採用したHBT
も報告されている。
Tは外部ベース層表面にガードリング構造のAlGaA
sパッシベーション層10があり、その表面空乏層によ
り少数キャリアがAlGaAsパッシベーション層表面
へ流出するのを抑制することが可能となっており、従来
に比べて、表面再結合電流の低減を図ることができる構
造となっている。しかしながら、電流密度1×104 A
cm-2以上の場合、ガードリング構造を採用した場合で
も、長期間の高温動作試験中にベース層の表面再結合電
流が除々に増大し、電流利得の劣化が起こることが知ら
れている。これはガードリング構造での表面再結合抑制
作用がAlGaAs層表面準位密度、AlGaAs層厚
及びキャリア濃度の詳細なバランスで達成されており、
例えばAlGaAs層表面の酸化による表面準位の変化
や再結合電流による結晶欠陥の発生等に起因してこのバ
ランスが崩れると表面再結合電流の増大を招く原因にな
り易く、結果として電流利得の劣化をきたすことになっ
ている。この劣化は上述の第2の例、すなわちベース層
に傾斜組成を採用した場合でも、依然高温動作試験中に
GaAs層あるいはAlGaAs層表面の酸化による表
面準位の変化や、再結合電流による結晶欠陥の発生等に
起因して表面再結合電流(図5中の矢印は表面再結合電
流の流れを示している。)の増大を招くことは第1と同
様であり結果として電流利得の劣化をきたすことになっ
ている。
sHBTで、特に大きな電流密度を必要とする高速素子
あるいは大出力パワーアンプの応用においては、表面再
結合に関する信頼性確保が実用上の大きな問題となって
いる。さらにAlGaAsパッシベーション層を用いた
ガードリング構造を量産レベルで実現するに際して、以
下で述べるような製造上の問題点が存在する。
目的で形成するためには、例えば、エミッタ層キャリア
濃度を5×1017cm-3とした場合、少なくとも±50Å
以内のエミッタ層のエッチング制御が必要であると報告
されている(Solid State Electronics,Vol.35,No.7,p
p.891-895,1992)。ところが図5のHBTのInGaA
sコンタクト層9の表面からエミッタ/ベース界面まで
の距離は、標準的には約3000Å程度あり、カーボン
ドープHBTのエピタキシャル成長法として、最も一般
的なMOCVD法の標準的な均一性の仕様は±5%であ
り、単純にはエピウエハに起因するものだけでも±15
0Å程度のばらつきが存在し、さらにエッチング工程の
制御性数%が重畳されるため、目標とする±50Å以内
をウエハ全面で確保するのは極めて困難であり、AlG
aAsパッシベーションによる信頼性を考慮したHBT
を、量産レベルで歩留まり良く得ることは、現状の製造
技術では不可能に近いと言わざるを得ない。
は選択エッチングが可能となるため上記AlGaAsパ
ッシベーション層形成に比べてガードリング構造の形成
は容易である(IEEE ELECTRON DEVI
CE LETTERS,VOL.13,NO.4.p
p.214−216,APRIL 1992)が、伝導
帯にアンドープInGaP層のノッチが存在するため
に、エミッタ抵抗の増大を招き大電流動作時の素子特性
を損ねることになる。以上、InGaPエミッタ構造も
従来の構造のままでは高性能HBTのエピタキシャル構
造としては採用が困難である。
題点を鑑みてなされたものであり、半絶縁性GaAs基
板上に順次形成されたコレクタ層、ベース層、ベース層
のバンドギャップよりも大きなバンドギャップを有する
AlGaAsからなる半導体層を含む複数の層より構成
されたエミッタ層、及びこれらの各層上に形成されたオ
ーミック電極からなり、エミッタ・コレクタ電極間電流
をベース電圧で制御することを動作原理とするヘテロ接
合バイポーラトランジスタであって、少なくともエミッ
タ層側壁と外部ベース電極との間のベース層表面近傍に
リン化物層を持つことを特徴とする半導体装置が提供さ
れる。更に、本発明によれば、半絶縁性GaAs基板上
に順次形成されたコレクタ層、ベース層、ベース層のバ
ンドギャップよりも大きなバンドギャップを有するIn
GaP層及びAlGaAs層を少なくとも含む複数の層
より構成されたエミッタ層、及びこれらの各層上に形成
されたオーミック電極からなり、エミッタ ・ コレクタ電
極間電流をベース電圧で制御することを動作原理とする
ヘテロ接合バイポーラトランジスタであって、InGa
P層がエミッタ層側壁から外部ベース電極に向けて延在
することを特徴とする半導体装置が提供される。
組み合わせによりpnp型のHBTあるいはnpn型の
HBTを形成することが可能であるが、輸送特性の相違
からnpn型のHBTの方が、優れた遮断周波数fT を
有しており好ましい。本発明で使用されるn型のドーピ
ング材料としては、Si,Sn,Ge,S,Se,Te
等が挙げられる。またp型のドーピング材料としては、
カーボン,Be,Zn等が挙げられるが、この内カーボ
ンを使用することが好ましい。
上にコレクタ層、ベース層、及びエミッタ層をこの順で
積層した構造をしている。コレクタ層はサブコレクタ層
及びコレクタ層からなっている。サブコレクタ層には、
n型のドーピング材料を1×1018〜1×1019cm-3の
濃度でドーピングした層厚1000Å〜1μmのn型G
aAs層が使用できる。コレクタ層には、n型のドーピ
ング材料を5×1015〜1×1017cm-3の濃度でドーピ
ングした層厚1500〜8000Åのn型GaAs層が
使用できる。
5×1018〜8×1019cm-3の濃度でドーピングした層
厚300〜2000Åのp型GaAs層あるいはp型A
lGaAs層が使用できる。またこのベース層は傾斜組
成のベース層とすることもでき、例えばコレクタ層側か
らInの組成が0.1→0になるように積層したInG
aAs層あるいはAlの組成が0→0.1になるように
積層したAlGaAs層を使用することもできる。更に
ベース層とエミッタ層の間にAlの組成が0→0.1に
なるように積層した傾斜組成AlGaAs層を介在させ
ることも可能である。
を1×1017〜1×1018cm-3の濃度でドーピングし、
かつAlの組成がベース層側から0→0.3になるよう
に積層した層厚100〜400Åのn型傾斜組成AlG
aAs層、n型のドーピング材料を1×1017〜1×1
018cm-3の濃度でドーピングした層厚300〜1500
Åのn型AlGaAs層及びn型のドーピング材料を1
×1017〜1×1018cm-3の濃度でドーピングし、かつ
Alの組成が上記n型AlGaAs層側から0.3→0
になるように積層した層厚100〜400Åのn型傾斜
組成AlGaAs層をこの順で積層したものが使用でき
る。ここで上記Alの組成がベース層側から0→0.3
になるように積層したn型傾斜組成AlGaAs層をn
型InGaP層とすることも可能である。このn型In
GaP層は、n型のドーピング材料が1×1017〜1×
1018cm-3の濃度でドーピングされている。また膜厚は
InGaP表面空乏層とベース/エミッタ接合空乏層の
層厚の和以下の層厚に設定する必要がある。つまり、電
流密度の大きい、すなわちベース/エミッタ接合に1V
以上の順バイアスを印加した動作状態では、ベース/エ
ミッタ接合空乏層厚は、極めて小さい値となるためほと
んど無視できる。一方InGaP表面空乏層厚は一般に
(2εVbi/qND )1/2 で計算される。式中εは誘電
率、Vbiは拡散電位、qは電荷素量及びND はドナー密
度を示している。ここでVbiをGaAsと同じ表面フェ
ルミレベルピンニングとすると、Vbi=0.6Vとなり
(エミッタ層キャリア濃度が1×1017cm-3の場合)、
表面空乏層厚は約900Åと計算される。したがって、
InGaP層厚の上限は約900Åであり、その下限
は、800℃、10分間の熱処理での耐性確保の点から
30Å以上に設定することが望ましい。
成される。このキャップ層には、n型のドーピング材料
を1×1018〜1×1019cm-3の濃度でドーピングした
層厚1000〜3000Åのn型GaAs層が使用でき
る。次に上記キャップ層上に、コンタクト層が形成され
る。このコンタクト層には、n型のドーピング材料を1
×1019〜4×1019cm-3の濃度でドーピングした層厚
500〜2000Åのn型InGaAs層が使用でき
る。
き、例えば有機金属気相成長法(MOCVD)あるいは
分子線エピタキシャル成長法(MBE)によって積層す
ることができる。次にベース電極を形成するために、ベ
ース層及びベース層上の傾斜組成エミッタ層が階段状に
露出するようにエッチングする。このエッチングに使用
されるエッチング液は、傾斜組成エミッタ層がAlGa
Asからなる場合は、リン酸系エッチング液でエッチン
グしたあと、HFエッチング液でエッチングすることに
よって傾斜組成エミッタ層を露出させることができる。
ここでリン酸系エッチング液にかえて、硫酸系のエッチ
ング液を使用することもできる。また傾斜組成エミッタ
層がInGaPからなる場合は、リン酸系エッチング液
を使用することによって、傾斜組成エミッタ層を露出さ
せることができる。
からなる場合は、上記エッチング後の基板をプラズマC
VD装置内に設置する。この後プラズマCVD装置内
に、H 2 で10%に希釈したPH3 からなる混合気体を
流し、ラジオ波ないしはマイクロ波を印加することによ
って混合気体のグロー放電を起こし、エッチングで露出
させた部分を生成したプラズマで10〜120分間処理
を行う。このときプラズマCVD装置内の圧力は数To
rr以下とし、プラズマパワー密度は0.1〜1W/cm
2 、基板温度は150〜300℃とすることが望まし
い。この処理によって、ベース層の表面層、傾斜組成エ
ミッタ層の側面層及び表面層、エミッタ層、キャップ層
及びコンタクト層の側面層の数百Åの領域でAs原子を
置換することが可能となり、リン化物層が形成される。
酸と過酸化水素からなるエッチング液を使用して、エッ
チングを行ってサブコレクタ層を露出させる。次に公知
のフォトプロセスを用いてエミッタ、ベース及びコレク
タの各オーミック電極を形成し、本発明の半導体装置が
得られる。電極に使用される材料としては、公知の物が
使用できるが、例えばAu/Ge/Ni/Au,Ti/
Pt/Auをスパッタリング法等で積層することによっ
て形成することができる。
が、pnpの場合も同様にして形成することができる。
もエミッタ層側壁と外部ベース電極との間のベース層表
面近傍にリン化物層が形成されている。既に述べたよう
にベース層表面における再結合電流の増大に基づく電流
利得の劣化は、表面再結合速度が通常約5×106 cms
-1と大きいGaAs、AlGaAs系では、表面状態の
経時変化による再結合電流の変動は避けられないもので
ある。ところがヒ素に代えてリンをV族元素として含有
する化合物では一般に表面再結合速度が小さく例えば、
InPで約10 3 cms -1 、GaPで約10 3 cms -1 であ
ることが知られている。
s,AlGaAsを表面に出さずに表面再結合速度が小
さく、化学的に安定なリン化物に代える方法でかつ、素
子を製造する場合に適した新規な構造を示すものであ
る。
GaAsHBTの製造工程を詳細に説明する。まず、半
絶縁性GaAs基板1上にMOCVD法にて2〜9の各
層を備えたエピウエハを成長する。ここで2はn型のS
iを濃度5×1018cm-3でドーピングしたn型GaAs
サブコレクタ層を層厚5000Å、3はn型のSiを濃
度5×1016cm-3でドーピングしたn型GaAsコレク
タ層を層厚5000Å、4はp型のCを濃度2×1019
cm-3でドーピングしたp型GaAsベース層を層厚80
0Å、5はn型のSiを5×1017cm-3でドーピングし
たn型AlGaAs傾斜組成(Al組成0→0.3)エ
ミッタ層を層厚300Å、6はn型のSiを5×1017
cm-3でドーピングしたn型AlGaAsエミッタ層を層
厚1000Å、7はn型のSiを5×1017cm-3でドー
ピングしたn型AlGaAs傾斜組成(Al組成0.3
→0)エミッタ層を層厚300Å、8はn型のSiを5
×1018cm-3でドーピングしたn型GaAsキャップ層
を層厚1000Å、9はn型のSiを2×1019cm-3で
ドーピングしたn型InGaAsコンタクト層を層厚1
000Åとした。
のエミッタ層を、リン酸系エッチング液(H3PO4:H
2O2:H2O=3:1:50)とHFエッチング液を順
に用いてメサエッチングを行い、ベース層の最表面が5
00Å以下のn型AlGaAs層5が露出しているよう
な状態に加工したウエハを、プラズマCVD装置に搬入
する。その後、プラズマCVD装置内で13.56MH
zの高周波を用いて、PH3とH2 との混合気体のグロ
ー放電を起こし生成されたプラズマにこのウエハ表面を
露出させ、30分間プラズマ処理を行う。このときリア
クター内の圧力は5×10-3Torr,H2 で10%に
希釈したPH3を流量20sccmで流し、プラズマパ
ワー密度は0.2W/cm2 、基板温度は250℃とす
る。このプラズマ処理によって大量のP原子がエミッタ
層5,6,7とキャップ層8,コンタクト層9の側壁及
びベース層表面の数百Åの領域でAs原子を置換する。
このようにしてリン化物層14が形成される。その後ベ
ース層及びコレクタ層にメサエッチングを行った後、公
知のフォトプロセス法でエミッタ、ベース、コレクタの
各オーミック電極を形成し図1に示すHBTの素子分離
と実装を行う。
行わないこと以外は、実施例1と全く同じエピウエハで
素子作製プロセスも同じHBTも作製した。2種のHB
Tの初期特性の差は無かった。2種のHBTの各10素
子を温度250℃でコレクタ電流密度5×104 Acm-2
のバイアス条件で動作テストを実施したところ、PH 3
プラズマ処理を行わない比較試料群ではすべての素子が
50〜150時間後に電流利得は1/2以下に劣化した
が、PH3プラズマ処理を行った本発明の試料群では1
000時間後の電流利得の変動は全て10%以下であっ
た。
ミッタ層のメサエッチ形成後、PH 3 のプラズマ処理に
よって大量のP原子がエミッタ層5,6,7とキャップ
層8、コンタクト層9の側壁及びベース層表面の数百Å
の領域でAs原子と置換することを利用して、リン化物
層14が形成されている。少なくともエミッタ層側壁お
よびエミッタ層側壁と外部ベース電極との間のベース層
表面近傍にリン化物層14が形成されており、エミッタ
層側壁およびエミッタ層側壁と外部ベース電極との間の
ベース層表面近傍のGaAsベース層4、AlGaAs
パッシベーション層10のいずれもが直接露出していな
い。このリン化物層14がパッシベーション膜として働
き、AlGaAs層表面の酸化による表面準位の変化や
再結合電流による結晶欠陥の発生の可能性がある不安定
な表面空乏層の形成を回避でき、従来、その製造工程が
非常に困難であった精密なエミッタ層のエッチングを必
要とするAlGaAsパッシベーション構造を用いるこ
となく、またパッシベーション層を形成することによる
望ましくないエミッタ抵抗の増大を引き起こさず、高温
での高電流密度動作によっても表面層の劣化に起因した
リークを発生せず電流利得の大幅な安定化が可能とな
る。
−InGaP/GaAsHBTの製造工程を詳細に説明
する。まず、半絶縁性GaAs基板21上にMOCVD
法にて22〜29の各層を備えたエピウエハを成長す
る。ここで22はn型のSiを濃度5×1018cm-3でド
ーピングしたn型GaAsサブコレクタ層を層厚500
0Å、23はn型のSiを濃度5×1016cm-3でドーピ
ングしたn型GaAsコレクタ層を層厚5000Å、2
4はp型のCを濃度2×1019cm-3でドーピングしたp
型GaAsベース層を層厚800Å、25はn型のSi
を5×1017cm-3でドーピングしたn型In0.5 Ga
0.5 Pエミッタ層を層厚200Å、26はn型のSiを
5×1017cm -3でドーピングしたn型AlGaAsエミ
ッタ層を層厚1000Å、27はn型のSiを5×10
17cm-3でドーピングしたn型AlGaAs傾斜組成(A
l組成0.27→0)エミッタ層を層厚300Å、28
はn型のSiを5×1018cm-3でドーピングしたn型G
aAsキャップ層を層厚1000Å、29はn型のSi
を2×1019cm-3でドーピングしたn型InGaAsコ
ンタクト層を層厚1000Åとした。
エッチング液、H3PO4:H2O2:H2O=3:1:5
0を用いてメサエッチングを行い、表面にn型In0.5
Ga0.5 P層が露出しているような状態に加工しInG
aPパッシベーション層とする。その後ベースメサエッ
チング及びコレクタメサエッチングを行った後、公知の
フォトプロセス法でエミッタ、ベース、コレクタの各オ
ーミック電極を形成し図1に示すHBTの素子分離と実
装を行う。実施例1と同じく実施例2で作製したHBT
の10素子を温度250℃でコレクタ電流密度5×10
4Åcm-2のバイアス条件で動作テストを実施したとこ
ろ、1000時間後の電流利得の変動は全て10%以下
であった。
来のInGaP単層を用いたエピ構造を用いず、少なく
ともAlGaAsとInGaPの2種からなるエミッタ
層で構成することにより、選択エッチングが可能となり
精密なエミッタメサエッチングの制御なしに、容易にI
nGaPを表面パッシベーション層としたガードリング
構造を形成することができる。さらにエミッタコンタク
ト層からエミッタ層にかけて、AlGaAs層の傾斜組
成構造(例えばAl混晶比を0から0.27に増大させ
た構造)を採用できるため、とくにAl混晶比を0.2
0〜0.35の値に選択し、InGaPとGaAsの伝
導帯のバンド不連続値、0.22eVとほぼ一致させる
ことによりエミッタ層の伝導帯の不連続を無くすように
設定できるため、エミッタ抵抗の低減とオフセット電圧
の低減を図ることができる。AlGaAsとGaAsの
伝導帯の不連続値は、(0.81×x)eV(xはAl
混晶比)であることが知られているので、InGaPと
GaAsの伝導帯の不連続値0.22eVと一致するの
はx=0.27の場合であり、図6にそのエネルギーバ
ンド図を示した。室温(300K)での熱エネルギーは
約30meVであり、HBTのバンド図から、この熱エ
ネルギーの2倍の60meV程度の障壁(図7参照)で
あれば、エミッタ抵抗の増大につながらないためAl混
晶比xを0.20〜0.35と選ぶことによりエミッタ
抵抗が増大することなく3層(AlGaAs 傾斜組成
層,AlGaAs層,InGaP層)エミッタ構造(図
6)が構成でき、選択エッチングを利用したガードリン
グ構造のHBTが実現できることになる。
BT、およびAlGaAs−InGaP/GaAsHB
Tは、表面再結合速度が大きなGaAs,AlGaAs
を表面に出さずに、表面再結合速度が小さく、化学的に
安定なリン化物に代える方法を採用しており、素子を製
造する場合に適した新規な構造を示すものである。
場合、エミッタ層のメサエッチ形成後、PH3のプラズ
マ処理によって、少なくともエミッタ層側壁およびエミ
ッタ層側壁と外部ベース電極との間のベース層表面近傍
にリン化物層14が形成されており、エミッタ層側壁お
よびエミッタ層側壁と外部ベース電極との間のベース層
表面近傍のGaAsベース層4,AlGaAsパッシベ
ーション層10いずれもが直接露出していないため、A
lGaAs層表面の酸化による表面準位の変化や、再結
合電流による結晶欠陥の発生の可能性がある不安定な表
面空乏層の形成を回避でき、従来、その製造工程が非常
に困難であった精密なエミッタ層のエッチングを必要と
するAlGaAsパッシベーション構造を用いることな
く、またパッシベーション層を形成することによる望ま
しくないエミッタ抵抗の増大を引き起こさず、高温での
高電流密度動作によっても表面層の劣化に起因したリー
クを発生せず電流利得の大幅な安定化が可能となる。
Tの場合、従来のInGaP単層を用いたエピ構造を用
いず、少なくともAlGaAsとInGaPの2種から
なるエミッタ層で構成することにより、選択エッチング
が可能となり精密なエミッタメサエッチングの制御なし
に、容易にInGaPを表面パッシベーション層とした
構造を形成することができる。さらにエミッタコンタク
ト層からエミッタ層にかけてAlGaAs層の傾斜組成
構造を採用できるため、エミッタ抵抗の低減とオフセッ
ト電圧の低減を図りつつ、高温での高電流密度動作時の
大幅な安定化が可能となる。
の表面チャネルにキャリアが流れ込み易いことを示すた
めのエミッタ、ベース伝導帯ポテンシャルエネルギー模
式図である。
aAsHBTの構造断面図である。
層 11 ベース電極 12 エミッタ電極 13 コレクタ電極 14 リン化物層 21 半絶縁性GaAs基板 22 n型GaAsサブコレクタ層 23 n型GaAsコレクタ層 24 p型GaAsベース層 25 n型In0.5 Ga0.5 Pエミッタ層 26 n型AlGaAsエミッタ層 27 n型AlGaAs傾斜組成エミッタ層 28 n型GaAsキャップ層 29 n型InGaAsコンタクト層
Claims (6)
- 【請求項1】 半絶縁性GaAs基板上に順次形成され
たコレクタ層、ベース層、ベース層のバンドギャップよ
りも大きなバンドギャップを有するAlGaAsからな
る半導体層を含む複数の層より構成されたエミッタ層、
及びこれらの各層上に形成されたオーミック電極からな
り、エミッタ・コレクタ電極間電流をベース電圧で制御
することを動作原理とするヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタであって、少なくともエミッタ層側壁と外部ベー
ス電極との間のベース層表面近傍にリン化物層を持つこ
とを特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】 少なくともエミッタ層側壁と外部ベース
電極との間のベース層表面近傍がPH3のプラズマ処理
により形成されたリン化物層であることを特徴とする請
求項1記載の半導体装置。 - 【請求項3】 半絶縁性GaAs基板上に順次形成され
たコレクタ層、ベース層、ベース層のバンドギャップよ
りも大きなバンドギャップを有するInGaP層及びA
lGaAs層を少なくとも含む複数の層より構成された
エミッタ層、及びこれらの各層上に形成されたオーミッ
ク電極からなり、エミッタ ・ コレクタ電極間電流をベー
ス電圧で制御することを動作原理とするヘテロ接合バイ
ポーラトランジスタであって、InGaP層がエミッタ
層側壁から外部ベース電極に向けて延在することを特徴
とする半導体装置。 - 【請求項4】 コレクタ層、ベース層がそれぞれn型G
aAs、p型GaAs、p型AlGaAsあるいはp型
InGaAsからなり、エミッタ層がGaAsよりバン
ドギャップの大きなn型In0.5Ga0.5Pとn型AlG
aAsの少なくとも2種の半導体層を含んで構成されて
いることを特徴とする請求項3記載の半導体装置。 - 【請求項5】 InGaP層が、In 0.5 Ga 0.5 P層で
あり、エミッタ層側壁と外部ベース電極との間のベース
層表面近傍に延在することを特徴とする請求項3又は4
記載の半導体装置。 - 【請求項6】 エミッタ層が、Al混晶比が0.20か
ら0.35の範囲に設定されているn型AlGaAsを
含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記
載の半導体装置。
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