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JPH05214649A - 柔軟な不織布およびその製造法 - Google Patents

柔軟な不織布およびその製造法

Info

Publication number
JPH05214649A
JPH05214649A JP4017077A JP1707792A JPH05214649A JP H05214649 A JPH05214649 A JP H05214649A JP 4017077 A JP4017077 A JP 4017077A JP 1707792 A JP1707792 A JP 1707792A JP H05214649 A JPH05214649 A JP H05214649A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fibers
fiber
web
nonwoven fabric
minor axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4017077A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuyuki Oku
恭行 奥
Takaomi Ishikawa
敬臣 石川
Masanobu Matsuoka
昌伸 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP4017077A priority Critical patent/JPH05214649A/ja
Publication of JPH05214649A publication Critical patent/JPH05214649A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】特定断面形状の繊維を用いた、高強度で柔軟な
不織布を提供すること、また、湿式抄造法を用い、該繊
維を含有する湿式ウェブから該不織布を得るための製造
法を提供することを目的とする。 【構成】繊維断面が長軸(l)と短軸(s)を有し、l
/sが2以上、繊維長をlとsの相乗平均で除した値が
700以上である繊維を含有し、該繊維が3次元的に交
絡し、短軸が選択的に厚み方向に配列した柔軟な不織
布。該繊維を含有する繊維群を水中に均一に分散し、抄
紙機を用い、抄造し、得られたウェブを、単層以上積層
し、支持体上に積載し、高圧柱状水流を噴射し、繊維を
3次元的に交絡し、乾燥することを特徴とする柔軟な不
織布の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は地合が良好で、強度に優
れた、柔軟な不織布およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、織布に代わり不織布が多くの分野
で広く用いられてきている。低コストで生産性が高いこ
とから、従来の織布の代用物としての用途、あるいは織
布では得られない性能を付与できることから、機能性不
織布としての用途が考えられる。さらに、従来、紙パル
プを素材とした分野にも不織布の機能性を生かし、高性
能材料としての供給が盛んとなってきた。
【0003】その中でも、高圧柱状水流を用い繊維を3
次元的に交絡し、織布のような風合いをもった、いわゆ
るスパンレース不織布あるいは水流交絡不織布の開発が
盛んとなり、多くの商品が上市されるに至っている。水
流交絡(スパンレース)法は、ウェブの加工方法の一つ
であるため、加工を行う前に、ウェブを供給する必要が
ある。ウェブ製造法は、カード法、エアレイ法の乾式
法、メルトブロー法、スパンボンド法、湿式抄造法等が
あげられる。
【0004】カード法は繊維長の長い繊維を用いること
ができるが、均一なウェブ化が困難で、高圧柱状水流で
加工され得られた不織布も、地合が悪く、透過光で観察
すると、斑模様が見られ、肌触りや風合いの点に問題を
残す。エアレイ法は、やはり繊維長の長い繊維を用いる
と地合が悪くなり、得られた不織布は、肌触りや風合い
の点に問題を残す。
【0005】スパンボンド法で得たウェブを用いると、
強度は大きいものの、地合が悪く、繊維が連続的につな
っがており、繊維の自由末端が少なく、3次元交絡に
は、大きなエネルギーを必要とし、他のウェブとの相互
交絡による複合化が困難である。メルトブロー法は、微
細な繊維のウェブ化が可能であるが、地合が悪く、生産
速度が遅く、また高価であるという問題がある。
【0006】湿式抄造法は、生産速度が上記の方法に比
べて速く、同一装置で、繊度、種類の異なる複数の繊維
を任意の割合で混合できる。すなわち、繊維の形態に
も、ステープル状、パルプ状等選択の幅は広く、用いる
ことができる繊維径も、いわゆる極細繊維から、太い繊
維まで使用可能で、他の方法に比べ極めて良好な地合の
ウェブが得られる方法である。このようなことから、極
めて応用範囲の広いウェブ形成法と考えられる。
【0007】特開平2−6651号公報に開示された方
法では繊維径7〜25μm、繊維径(D)と繊維長
(L)の比(L/D、アスペクト比)の値が800〜2
000の短繊維ウェブを高圧の柱状水流で3次元的に交
絡させた湿式不織布が開示されている。
【0008】この不織布は、これまでの湿式不織布の欠
点である、繊維長の短いことで、強度が弱いという欠点
を改善したものとして注目される。すなわち、上記のア
スペクト比の範囲の湿式ウェブを用いた水流交絡不織布
は、繊維の自由切断末端が多く、交絡時に自由に動くこ
とができる繊維が多数、存在し、均一に多数の繊維が交
絡することから、強度が発現していると述べている。
【0009】しかし、この明細書の従来の技術の中で、
水中に繊維を均一に分散させるためには一般に繊維長は
3〜7mm程度ものが要求され、繊維長が7mmを超える湿
式ウェブを加工した不織布は地合が悪いと述べている。
また、比較例2で示されているように、スラリー状態で
の繊維のもつれが、交絡後の不織布のドレープ性の低
下、強度不足の原因であるとしている。
【0010】また、同様に湿式抄造ウェブを用いた例と
して特開平3−14695号公報では、好ましい繊維長
は15mm以下と述べられているが、ここで、比較例1に
見られるように、繊維長が長くなり交絡が困難になった
というよりも、繊維がもつれによる地合の低下が、強度
低下の原因と考えられる。
【0011】このことから、アスペクト比が大きくな
り、交絡時における繊維の動きが抑制される要因より、
地合が悪くなり繊維の動きが抑制されたため、不織布の
ドレープ性、強度等の性能が低下したと考えることがで
きる。
【0012】一方、乾式法、特にカード法によるウェブ
を用いる場合、好ましい繊維長は20〜100mmとされ
ている。カード法による場合は、適度な自由切断末端を
有する(交絡に有効に利用できる)繊維長の長い繊維を
用いることができる。そのため単に交絡による強度の他
に、繊維長が湿式法に比べ長く、一本の繊維の交絡の範
囲が広範囲に及び強度が発現していると考えられる。
【0013】水流交絡法による不織布の強度は、交絡の
状態と、繊維長のバランスにより決まると考えらる。し
かし、乾式法の場合の交絡に良好な繊維長が20〜10
0mmであることを考え合わせ、繊維長が長い方、アスペ
クト比が大きい方が、不織布の強度は大きくなると考え
られる。
【0014】また、SPUNLACE TECHNOL
OGY TODAYでは、繊維の剛性を比較した場合、
剛性の小さな繊維の方が交絡が容易であることが述べら
れている。
【0015】以上のように、繊維長、アスペクト比、繊
維径あるいは繊維剛性と、交絡性、得られる不織布の強
度に関しての論議は多くなされている。しかしながら、
繊維長、アスペクト比が大きくなると、湿式抄造法では
抄造が非常に困難となる。また、繊維長、アスペクト比
が小さいと、剛性の大きな繊維の交絡は困難になるた
め、湿式抄造法により得たウェブを、3次元交絡した不
織布を得るには、まだまだ改善の余地は残されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特定の繊維
を用い、湿式抄造法で、地合が良好な、水流交絡に適し
たウェブを製造し、これを用い地合が良好で、均一で、
高強度で、柔軟な不織布を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
につき鋭意検討した。その結果、特定の断面形状を有
し、繊維が特定の配列をし、3次元交絡された不織布が
地合が良好で、均一で、高強度で柔軟な不織布が得られ
ることが見いだされた。また、上記の繊維を湿式抄造法
によりウェブを形成すること、水流交絡に適した特定の
繊維配列が形成されたウェブが抄造されるという予想外
の効果が見いだされ、このウェブを用いることで上記の
目的の不織布を得られることが見いだされた。本発明は
これらの知見により達成されたものである。
【0018】すなわち、本発明は、繊維断面が長軸
(l)と短軸(s)を有し、l/sの比が2以上で、繊
維長をlとsの相乗平均で除した値が700以上である
繊維を含有し、該繊維が、3次元的に交絡し、短軸が選
択的に厚み方向に配列した柔軟な不織布である。また、
繊維軸に直行する繊維断面が長軸と短軸を有し、l/s
の比が2以上で、繊維長をlとsの相乗平均で除した値
が700以上である繊維を含有する繊維群を水中に均一
に分散し、抄紙機を用い、抄造し、得られたウェブを、
単層以上積層し、支持体上に積載し、高圧柱状水流を噴
射し、繊維を3次元的に交絡し、乾燥することを特徴と
する柔軟な不織布の製造法である。
【0019】以下、本発明の詳細な説明を行う。また、
柔軟な不織布を、必要に応じ、本文中では不織布と略記
する。本発明の不織布で用いられる繊維は、繊維断面が
長軸と短軸を有し、長軸径(l)と短軸径(s)の比
(l/s)が2以上で、繊維長をlとsの相乗平均で除
した値(a)が700以上である繊維である。
【0020】ここで述べられた、長軸、短軸を有する断
面形状とは、いわゆる円形の断面ではなく、例えば楕円
形、長方形、三角形、台形、ドッグボーン等の形状を有
するもの、言い換えれば偏平な断面形状をしたものであ
る。同一断面積を有する繊維では、真円と偏平では曲げ
に対する挙動が異なる。偏平断面では曲げ剛性に異方性
を生じ、短軸方向の剛性が極端に小さくなる。
【0021】水流交絡はウェブ上方から水流を噴射する
ため、繊維はウェブの厚み方向に動き、曲げを受け易
い。そのため、繊維の短軸が選択的にウェブの厚み方向
に配列したウェブを用いれば、短軸方向が非常に交絡し
やすく、交絡は容易に行うことが可能となる。さらに、
繊維は短軸方向の方が剛性が小さく、柔軟なため、交絡
が容易なだけでなく、交絡後の不織布も、厚み方向に繊
維の短軸が配列しているため、不織布自体も柔軟なもの
が製造可能である。
【0022】湿式抄造法は、他のウェブ形成法に比べ、
きわめて地合が良好なウェブ形成法であるが、反面、長
い繊維やアスペクト比(繊維長を繊維直径で除した値)
が大きな繊維を抄造する場合、離解機や撹拌機の選択、
離解分散条件に注意を要する。従来、水流交絡法で得ら
れた不織布強度は繊維長、アスペクト比と交絡の度合で
決まり、繊維長の長い、アスペクト比の大きな繊維のウ
ェブを用いたものが多く用いられている。
【0023】本発明で述べられているような形状の繊維
は、水中に分散し、抄造する工程で、脱水時に、ウェブ
が形成されるとき、短軸が厚み方向に選択的に配向する
という予想外の効果が見いだされた。以上の理由によ
り、同一断面積の繊維を用いても、偏平な繊維の方が、
交絡に付与するエネルギーが同じであれば、同一繊維長
で、強度の大きい柔軟な不織布が得られる。
【0024】また、不織布の性能を発揮するのに好適な
繊維のl/sの値は、2以上が好ましい。2より小さい
と、長軸と短軸の剛性に異方性は少なく、抄造時にも、
短軸が選択的に配向することも少ないため、効果は少な
い。l/sの値を大きくすることで、さらにシャリ感、
軽量感、透明感等の風合いを付与することも可能である
が、あまり大きくなりすぎると逆に柔軟さが失われるた
め、10以下が好ましい。
【0025】本発明の繊維の断面は真円ではないため、
アスペクト比の代わりに繊維長を短軸と長軸の径の相乗
平均で除した値(a)を用いると、本発明の不織布の効
果を説明するのに都合がよい。aの値が700以上が好
ましい。真円の場合、交絡後充分な強度が発現するアス
ペクト比は2000を超える値であったが、本発明の場
合、先に述べた理由から、700以上あれば充分な強度
をもった不織布が得られるのである。しかしながら、抄
造時の繊維のもつれを避け、容易に抄造するためには、
3000以下が好ましい。
【0026】本発明で用いる繊維としては、ポリエステ
ル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアクリロニトリ
ル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ナイロン繊
維、ウレタン繊維等の有機合成繊維、また、再生繊維、
半合成繊維、天然繊維等の繊維があげられる。
【0027】ポリエステル系繊維とは、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、これらポ
リマーの変性ポリマー等のホモポリマーおよびコポリマ
ーからなる繊維を言う。
【0028】ポリオレフィン系繊維とは、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、ポリスチレン、これらの変性ポリマ
ー等のホモポリマーおよびコポリマーからなる繊維等、
ポリアクリロニトリル系繊維とは、アクリル繊維、モダ
クリル繊維等、ポリビニルアルコール系繊維とはポリビ
ニルアルコールからなる繊維等、ナイロン繊維とは、ナ
イロン6、ナイロン66等のポリマーからなる繊維を言
う。
【0029】半合成繊維とはアセテート繊維等の繊維、
再生繊維とは、レーヨン等の再生セルロース繊維やコラ
ーゲン、アルギン酸、キチン質等を溶液にしたものを紡
糸したものをいう。天然繊維とは、麻、コットン等のセ
ルロース系繊維、羊毛、絹等の蛋白質系繊維をいう。
【0030】真円の断面形状の繊維の場合、比較的剛性
の大きな繊維は、繊維は動くものの、繊維を曲げたりす
ることが困難で、繊維が交絡せず、脱落する傾向が大き
く、交絡には不向きであったが、本発明で用いる繊維
は、短軸方向に屈曲しやすく、比較的剛性が高いもので
も、交絡が容易である。
【0031】当然、以上の繊維以外に、本発明で規定さ
れた以外の繊維を不織布内に少量含有させることは可能
であるが、本発明の不織布の性能を阻害する範囲であっ
てはならない。
【0032】次に本発明の不織布の製造方法につき説明
を行う。水流交絡不織布はウェブの地合の低下がその性
能に大きく影響を及ぼすが、本発明の繊維の離解分散に
は特に困難な点はない。通常の湿式抄造により、効率よ
くウェブの製造が可能である。
【0033】ただし、繊維はフロックを生じないよう
に、高分子のポリエチレンオキサイドやポリアクリルア
ミドを用い、スラリーを増粘しているが、地合の改良の
みを目的とした過度の増粘は、抄造時、繊維の短軸方向
の配向を妨げるため、避ける必要がある。
【0034】また、抄造時、ワイヤーの下から水分を強
制的に吸引することも問題はない。このようにして、抄
造したウェブを、そのまま単層以上用い交絡してもよい
が、必要であれば、ウェブにバインダーを付与し、仮接
着を行い、抄造後、乾燥し、いったん巻取った後、単層
以上積層し、3次元交絡を行っても良い。バインダー付
与の場所は、繊維状のものであればスラリー中、液状の
ものであれば抄造後、乾燥する前に付与する方法が好ま
しい。ウェブの乾燥方法は、ヤンキードライヤー、多筒
式のシリンダードライヤー、エアードライヤー等を用
い、通常の乾燥法で乾燥することができる。バインダー
はあくまで仮接着を目的としたもので、水溶性のものや
交絡の水圧で接合点が容易に離脱するものが好ましい。
【0035】このようにして得られたウェブを用い、高
圧柱状水流で3次元交絡を行う。交絡方法は、ウェブを
単層あるいは複数枚積層し、50〜200メッシュ程度
の支持体上に載せ、上方から水流を噴射し、繊維の3次
元交絡を行う。
【0036】以下に交絡を強固にかつ目的に応じ適正に
行うための条件を述べる。水流を噴射するためのノズル
の径は10〜500μmの範囲が好ましい。ノズルの間
隔は10〜1500μmが好ましい。
【0037】これらのノズルは抄造方向に対し、直交方
向は加工を行うシートの幅をカバーする範囲が必要で、
抄紙方向に対しては、ウェブの種類、坪量、加工速度、
水圧を考慮し、十分な交絡が得られる範囲でノズルヘッ
ドの数を変え、用いることができる。また、交絡回数も
任意に選ぶことができる。
【0038】水圧は10〜250kg/cm2の範囲で用い
ることが好ましい。さらに好ましくは50〜250kg/
cm2の範囲である。10kgf/cm2未満では十分な繊維の
交絡は得られない。250kg/cm2より大きいとウェブ
からの繊維の脱落が著しく、シートの破損が生じる。た
だし、坪量の大小、繊維の剛性の大小で、交絡する水圧
の上限が変化することを付け加え述べておく。
【0039】ウェブの搬送速度は5〜200m/分の範
囲で用いることが可能である。搬送速度が遅いと、ウェ
ブに当たる水流でウェブが破損する可能性があり、ま
た、生産効率上好ましくない。搬送速度が速すぎると、
ウェブに交絡に必要なエネルギーを与えることができな
いため、交絡を強固に行うことができない。
【0040】ノズルを段階的に並べた、水圧を加工初期
から終盤にかけて順次圧力を上げて行くことで、ウェブ
に与えるダメージを少なくし、交絡を適性に行うことが
できる。また、面質が向上する点から好ましい。同様
に、ノズル径またはノズル間隔を、もしくは両方を順次
小さくすることは、交絡を適正に行うことができ、不織
布の面質が向上する点から好ましい。
【0041】また、ノズルのヘッダーを回転運動させる
こと、左右に振動させること、あるいはウェブの支持ワ
イヤーを左右に振動させることで、さらに面質を改良す
ることができる。さらに、交絡後、ノズルとウェブの間
に40〜100メッシュの金網を挿入し、柱状水流を散
水化しウェブに噴射することでも面質改良を行うことが
できる。
【0042】交絡方法は片面のみ、あるいは両面交絡を
行うことができる。また、交絡を行った後、さらに積層
し、交絡を行うことも可能である。
【0043】このようにして得られ三次元交絡処理を施
されたウェブは、交絡中あるいは交絡後に、余分な水分
を吸引あるいはウェットプレスなどの方法で取り除いた
後、エアードライヤー、エアースルードライヤー、ある
いはサクションドラムドライヤー等を用い、乾燥を行う
ことができる。
【0044】さきに述べた繊維状バインダーを含有する
不織布は、強度を向上させる目的で、バインダー成分の
融点以上の温度で乾燥させることもできる。また、交絡
後のウェブに全面あるいは部分的に熱と圧力を加えるこ
とでも同様の効果がある。ただし、より柔らかい不織布
を得る必要がある場合は、バインダーの融点以下で乾燥
させることが必要である。
【0045】当然、該不織布に乾式不織布などの他の不
織布、パルプシート、本発明の請求項から外れる繊維を
含有する湿式不織布等を片面、両面、サンドイッチで交
絡することは可能であるが、本発明の目的を阻害する範
囲であってはならないのは言うまでもない。
【0046】以上のような方法で得られた、本発明の地
合の良好なスパンレース不織布は樹脂含浸加工、撥水加
工等の後加工を施すことが可能で、これにより新たな性
能を付与することができる。さらに、柔軟剤を付与し、
より柔軟な不織布を製造することも可能である。
【0047】本発明の不織布は、柔軟で、高強度である
ことから、様々な用途が考えられる。一例を上げると、
医療、衛生材料用としてはマスク、サージカル用ガウン
等の用途、サーフェス材用途、液体、気体用のフィルタ
ー用途、また、地合が良いことから合成皮革、人工皮革
用の基材としての用途に好適で、弾性高分子を含浸する
ことも可能である。以上、本発明の不織布の利用の一例
を示したが、用途はこれらに限定されるものではないこ
とを述べておく。
【0048】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
実施例において記載の部、%はすべて重量によるもので
ある。
【0049】実施例で示された、引張強度は幅20mm、
長さ150mmの試料を、スパン100mm、速度200mm
/分で試料を引っ張ったときに、試料が破断するまでの
最大荷重値で、縦方向(ウェブが搬送された方向)、横
方向(搬送に対し直角方向)を測定した。
【0050】剛軟度はJIS−L1096に記載された
45度カンチレバー法を用い測定し縦横の平均値を示し
た。
【0051】実施例1 繊度0.4d、繊維長10mmで、ドッグボーン形状を有
し、長軸径が12μmで、短軸径が3μm、l/sが4の
ポリエステル繊維を離解分散し、湿式抄造法を用い、坪
量80g/m2のウェブを抄造し、3次元交絡を行った。
繊維の繊維長をlとsの相乗平均で除した値は1.7×
103であった。
【0052】交絡にはノズルヘッドを5ヘッド用いた。
第1ヘッドのノズルはノズル径120μm、ノズル間隔
0.6mm、2列で水圧50kg/cm2、第2ヘッドはノズ
ル径120μm、ノズル間隔0.3mm、1列で水圧80k
g/cm2、第3ヘッドはノズル径100μm、ノズル間隔
0.3mm、1列で水圧90kg/cm2、第4ヘッドは、ノ
ズル径100μm、ノズル間隔0.3mm、1列で水圧8
0kg/cm2、第5ヘッドは、ノズル径100μm、ノズル
間隔0.3mmで、水圧50kg/cm2である。積層シート
を強化ポリエステル製の100メッシュの支持体上に積
載し、上記の水流下、積層シートを通過させ、繊維を交
絡させた。交絡後のシートを反転し、裏面にも同様の処
理を行った。交絡の速度は15m/分で行った。この交
絡ウェブをサクションスルードライヤーを用い、110
℃で乾燥を行い、不織布を得た。不織布の性能を以下に
示す。 坪量 78.2g/m2 厚み 489μm 引張強度 縦 10.1kg/20mm 横 7.4kg/
20mm カンチレバー 48mm
【0053】比較例1 繊度0.4d、繊維長10mm、真円形状のポリエステル
繊維を用い、実施例1と同様の方法で不織布を得た。繊
維径は6.4μm、アスペクト比は1.6×103であっ
た。 坪量 79.8g/m2 厚み 730μm 引張強度 縦 4.9kg/20mm 横 3.9kg/20
mm カンチレバー 69mm
【0054】実施例2 繊度3d、繊維長5mmでポリプロピレンとポリエチレン
からなり、くさび型に16分割(分割後0.2d)可能
な剥離分割型複合繊維をパルパーにて、未分割繊維が1
0%以下になるよう分割した。分割後の繊維の長軸径は
10μmで短軸径は4μmで、l/sは2.5であった。
また、繊維長をlとsの相乗平均で除した値は7.9×
103であった。湿式抄造法を用い、坪量80g/m2
ウェブを抄造し、実施例1と同様に高圧柱状水流により
3次元交絡を行った。 坪量 77.3g/m2 厚み 612μm 引張強度 縦 9.9kg/20mm 横 5.4kg/20
mm カンチレバー 43mm
【0055】
【発明の効果】長軸と短軸の比が大きな繊維を用いるこ
とで、繊維の交絡が容易になり、不織布の強度がアップ
し、柔軟な不織布が得られる。また、湿式抄造法によ
り、交絡適したウェブ製造が可能になり、用いる繊維の
繊維長が短いものでも充分な強度が得られるため、離解
分散が容易で、効率的にウェブを抄造でき、しいては不
織布も効率的に製造が可能となる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 15/02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維断面が長軸と短軸を有し、長軸径
    (l)と短軸径(s)の比(l/s)が2以上で、繊維
    長を長軸径と短軸径の相乗平均で除した値が700以上
    である繊維を含有し、該繊維が3次元的に交絡し、短軸
    が選択的に厚み方向に配列した柔軟な不織布。
  2. 【請求項2】 繊維断面が長軸と短軸を有し、l/sが
    2以上で、繊維長を長軸径と短軸径の相乗平均で除した
    値が700以上である繊維を含有する繊維群を、水中に
    均一に分散し、抄紙機を用い、抄造し、得られたウェブ
    を、単層以上積層し、支持体上に積載し、高圧柱状水流
    を噴射し、繊維を3次元的に交絡し、乾燥することを特
    徴とする柔軟な不織布の製造法。
JP4017077A 1992-01-31 1992-01-31 柔軟な不織布およびその製造法 Pending JPH05214649A (ja)

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JP4017077A JPH05214649A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 柔軟な不織布およびその製造法

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