JPH05163344A - シリル基を有するポリフェニレンエーテルの製造方法 - Google Patents
シリル基を有するポリフェニレンエーテルの製造方法Info
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- JPH05163344A JPH05163344A JP32875591A JP32875591A JPH05163344A JP H05163344 A JPH05163344 A JP H05163344A JP 32875591 A JP32875591 A JP 32875591A JP 32875591 A JP32875591 A JP 32875591A JP H05163344 A JPH05163344 A JP H05163344A
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- polyphenylene ether
- silyl
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 アルケニル基を有するポリフェニレンエーテ
ルと一般式Iで表されるシラン化合物とを反応させてシ
リル変性ポリフェニレンエーテルを製造する方法。 【化1】 H−Si(Q1 )n (Q2 )3-n (I) (式中、nは1〜3の整数、Q1 は、炭素数1〜20の
アルコキシ基、芳香族オキシ基またはハロゲン基を示
す。Q2 は、水素原子、芳香族基、炭素数1〜20のア
ルキル基または炭素数1〜20の芳香族アルキル基を示
す。nまたは(3−n)が2以上の時、それぞれの
Q1 、Q2 は異なっていてもよい。) 【効果】 本発明法によれば極めて収率よくシリル変性
ポリフェニレンエーテルを製造することができる。この
アルコキシシリル基、アリーロキシシリル基またはハロ
ゲン化シリル基により官能化されたポリフェニレンエー
テルは、ポリマーアロイの相溶化剤として有用である。
ルと一般式Iで表されるシラン化合物とを反応させてシ
リル変性ポリフェニレンエーテルを製造する方法。 【化1】 H−Si(Q1 )n (Q2 )3-n (I) (式中、nは1〜3の整数、Q1 は、炭素数1〜20の
アルコキシ基、芳香族オキシ基またはハロゲン基を示
す。Q2 は、水素原子、芳香族基、炭素数1〜20のア
ルキル基または炭素数1〜20の芳香族アルキル基を示
す。nまたは(3−n)が2以上の時、それぞれの
Q1 、Q2 は異なっていてもよい。) 【効果】 本発明法によれば極めて収率よくシリル変性
ポリフェニレンエーテルを製造することができる。この
アルコキシシリル基、アリーロキシシリル基またはハロ
ゲン化シリル基により官能化されたポリフェニレンエー
テルは、ポリマーアロイの相溶化剤として有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハイドロシリレーショ
ン反応により加水分解可能な置換基を有するシリル基を
任意の数有するシリル変性ポリフェニレンエーテルを製
造する方法に関する。この官能基を有するポリフェニレ
ンエーテルは、塗装性、印刷性、接着性、ガス透過性、
架橋性に優れた樹脂であり、フィルム、ガス分離膜、容
器、車部材、電気部材、ポリマーアロイの相溶化剤、ポ
リフェニレンエーテルの改質剤として有用である。
ン反応により加水分解可能な置換基を有するシリル基を
任意の数有するシリル変性ポリフェニレンエーテルを製
造する方法に関する。この官能基を有するポリフェニレ
ンエーテルは、塗装性、印刷性、接着性、ガス透過性、
架橋性に優れた樹脂であり、フィルム、ガス分離膜、容
器、車部材、電気部材、ポリマーアロイの相溶化剤、ポ
リフェニレンエーテルの改質剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、成形用樹脂に対する要求は多様
化、高度化の一途をたどっている。そのため、官能基を
有する樹脂の開発が求められており、ポリフェニレンエ
ーテルについても例外ではない。例えば、ポリフェニレ
ンエーテルと、これとは非相溶性の樹脂、例えばポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリプロピレン、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロ
ン4,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ポリ
フェニレンスルフィド等とのブレンドにおいて、ミクロ
分散形態を示しかつ強靱な界面強度を得るためにブレン
ドする双方の樹脂それぞれに対して親和性を有するセグ
メントよりなるブロック体や、グラフト体を相溶化剤と
して用いることが有効である。これらを合成する為の重
要な方法の一つは互いに反応する官能基を有するポリマ
ー同士の結合である。また、合成される相溶化剤の収量
は、ポリマー中の官能基の濃度に大きく依存すると考え
られる。
化、高度化の一途をたどっている。そのため、官能基を
有する樹脂の開発が求められており、ポリフェニレンエ
ーテルについても例外ではない。例えば、ポリフェニレ
ンエーテルと、これとは非相溶性の樹脂、例えばポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリプロピレン、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロ
ン4,6、ナイロン6,10、ナイロン6,12、ポリ
フェニレンスルフィド等とのブレンドにおいて、ミクロ
分散形態を示しかつ強靱な界面強度を得るためにブレン
ドする双方の樹脂それぞれに対して親和性を有するセグ
メントよりなるブロック体や、グラフト体を相溶化剤と
して用いることが有効である。これらを合成する為の重
要な方法の一つは互いに反応する官能基を有するポリマ
ー同士の結合である。また、合成される相溶化剤の収量
は、ポリマー中の官能基の濃度に大きく依存すると考え
られる。
【0003】この官能基としてアルコキシシリル基、芳
香族オキシ基、ハロゲン化シリル基等があげられる。こ
れらの内、アルコキシシリル基をポリフェニレンエーテ
ルに導入する方法として特表昭63−503392号公
報には、ビニルトリメトキシシランをクロロベンゼン
中、ラジカル開始剤存在下でポリフェニレンエーテルと
グラフト反応させる方法が開示されている。しかし、こ
の方法にはアルコキシシリル基の導入量が制御できない
欠点がある。
香族オキシ基、ハロゲン化シリル基等があげられる。こ
れらの内、アルコキシシリル基をポリフェニレンエーテ
ルに導入する方法として特表昭63−503392号公
報には、ビニルトリメトキシシランをクロロベンゼン
中、ラジカル開始剤存在下でポリフェニレンエーテルと
グラフト反応させる方法が開示されている。しかし、こ
の方法にはアルコキシシリル基の導入量が制御できない
欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反応性官能
基であるアルコキシシリル基、芳香族オキシシリル基ま
たはハロゲン化シリル基を分子中に任意の個数有するシ
リル変性ポリフェニレンエーテルの製造方法を提供する
ものである。
基であるアルコキシシリル基、芳香族オキシシリル基ま
たはハロゲン化シリル基を分子中に任意の個数有するシ
リル変性ポリフェニレンエーテルの製造方法を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はアルケニル基を
有するポリフェニレンエーテルと、一般式Iで表される
シラン化合物とを反応させてシリル化変性ポリフェニレ
ンエーテルを製造する方法を提供するものである。
有するポリフェニレンエーテルと、一般式Iで表される
シラン化合物とを反応させてシリル化変性ポリフェニレ
ンエーテルを製造する方法を提供するものである。
【0006】
【化3】 H−Si(Q1 )n (Q2 )3-n (I)
【0007】(式中、nは1〜3の整数、Q1 は、炭素
数1〜20のアルコキシ基、芳香族オキシ基またはハロ
ゲン基を示す。Q2 は、水素原子、芳香族基、炭素数1
〜20のアルキル基または炭素数1〜20の芳香族アル
キル基を示す。nまたは(3−n)が2以上の時、それ
ぞれのQ1 、Q2 は異なっていてもよい。)本発明で使
用するアルケニル基を有するポリフェニレンエーテル樹
脂とは、一般式IIで示すモノマー化合物の一種ないし二
種以上を酸化重合して得られるポリフェニレンエーテル
である。
数1〜20のアルコキシ基、芳香族オキシ基またはハロ
ゲン基を示す。Q2 は、水素原子、芳香族基、炭素数1
〜20のアルキル基または炭素数1〜20の芳香族アル
キル基を示す。nまたは(3−n)が2以上の時、それ
ぞれのQ1 、Q2 は異なっていてもよい。)本発明で使
用するアルケニル基を有するポリフェニレンエーテル樹
脂とは、一般式IIで示すモノマー化合物の一種ないし二
種以上を酸化重合して得られるポリフェニレンエーテル
である。
【0008】
【化4】
【0009】(式中、mは1から4までの整数であり、
少なくとも1つのRがアルケニル基であり、他のRは独
立にハロゲン原子、炭素数が1から20の第1級もしく
は第2級のアルキル、アリール、ハロアルキル、アミノ
アルキル、炭化水素オキシ、または、ハロゲン原子と酸
素原子が少なくとも2個の炭素原子を介して結合してい
るハロ炭化水素オキシ基を表わす。) この式IIで示されるモノマー化合物としては、2−アリ
ルフェノール、2,6−ジアリルフェノール及び2−ア
リル−6−メチルフェノール、2−アリル−5クロロフ
ェノール、2−アリル−3−メトキシフェノール、2−
アリル−3−イソブチル−6−メチルフェノール、2−
アリル−6−エチルフェノール等があり、好ましくは、
2−アリル−6−メチルフェノールである。
少なくとも1つのRがアルケニル基であり、他のRは独
立にハロゲン原子、炭素数が1から20の第1級もしく
は第2級のアルキル、アリール、ハロアルキル、アミノ
アルキル、炭化水素オキシ、または、ハロゲン原子と酸
素原子が少なくとも2個の炭素原子を介して結合してい
るハロ炭化水素オキシ基を表わす。) この式IIで示されるモノマー化合物としては、2−アリ
ルフェノール、2,6−ジアリルフェノール及び2−ア
リル−6−メチルフェノール、2−アリル−5クロロフ
ェノール、2−アリル−3−メトキシフェノール、2−
アリル−3−イソブチル−6−メチルフェノール、2−
アリル−6−エチルフェノール等があり、好ましくは、
2−アリル−6−メチルフェノールである。
【0010】また、必要に応じてフェノール、またはフ
ェノール誘導体のうち、置換基にハロゲン原子、第1級
もしくは第2級のアルキル、アリール、ハロアルキル、
アミノアルキル、炭化水素オキシ、または、ハロゲン原
子と酸素原子は少なくとも2個の炭素原子を介して結合
しているハロ炭化水素オキシ(ハロゲン原子と酸素原子
は少なくとも2個の炭素原子によって隔てられている)
を有するモノマー化合物を上記一般式IIで示されるモノ
マー化合物と酸化共重合したものであってもよく、後者
誘導体の代表的なモノマーとしては、o−、m−又はp
−クレゾール、2,6−、2,5−、2,4−又は3,
5−ジメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノー
ル、2,6−ジエチルフェノール、2,3,5−、2,
3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−6−t−
ブチルフェノールなどがあげられる。これらの中で好適
なものは2,6−ジメチルフェノール等である。
ェノール誘導体のうち、置換基にハロゲン原子、第1級
もしくは第2級のアルキル、アリール、ハロアルキル、
アミノアルキル、炭化水素オキシ、または、ハロゲン原
子と酸素原子は少なくとも2個の炭素原子を介して結合
しているハロ炭化水素オキシ(ハロゲン原子と酸素原子
は少なくとも2個の炭素原子によって隔てられている)
を有するモノマー化合物を上記一般式IIで示されるモノ
マー化合物と酸化共重合したものであってもよく、後者
誘導体の代表的なモノマーとしては、o−、m−又はp
−クレゾール、2,6−、2,5−、2,4−又は3,
5−ジメチルフェノール、2,6−ジフェニルフェノー
ル、2,6−ジエチルフェノール、2,3,5−、2,
3,6−トリメチルフェノール、2−メチル−6−t−
ブチルフェノールなどがあげられる。これらの中で好適
なものは2,6−ジメチルフェノール等である。
【0011】上記のモノマー化合物を主成分とし、ビス
フェノールA、テトラブロモビスフェノールA、レゾル
シン、ハイドロキノン、2.2−ビス(3′,5′−ジ
メチル−4′−ヒドロキシ−フェニル)プロパン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−フェニル)メタ
ン、または3,3′,5,5′−テトラメチル−4.
4′−ジヒドロキシ4,4′−ジヒドロキシビフェニル
のごとき多価ヒドロキシ芳香族化合物を共重合成分とし
た重合体を用いることもできる。
フェノールA、テトラブロモビスフェノールA、レゾル
シン、ハイドロキノン、2.2−ビス(3′,5′−ジ
メチル−4′−ヒドロキシ−フェニル)プロパン、ビス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−フェニル)メタ
ン、または3,3′,5,5′−テトラメチル−4.
4′−ジヒドロキシ4,4′−ジヒドロキシビフェニル
のごとき多価ヒドロキシ芳香族化合物を共重合成分とし
た重合体を用いることもできる。
【0012】また、当該重合体の製造は通常のポリフェ
ニレンエーテルの酸化重合と同様に行なうことができ、
例えば米国特許3,422,062号、米国特許第3,
306,874号、同第3,306,875号、同第
3,257,257号及び同第3,257,358号各
明細書に記載されている。酸化重合に用いられる触媒
は、特に限定される物ではなく、所望の重合度が得られ
る如何なる触媒でもよい。当分野では第1銅塩−アミ
ン、第2銅塩−アミン−アルカリ金属水酸化物、マンガ
ン塩−第1アミンなどよりなる多くの触媒系が公知であ
る。
ニレンエーテルの酸化重合と同様に行なうことができ、
例えば米国特許3,422,062号、米国特許第3,
306,874号、同第3,306,875号、同第
3,257,257号及び同第3,257,358号各
明細書に記載されている。酸化重合に用いられる触媒
は、特に限定される物ではなく、所望の重合度が得られ
る如何なる触媒でもよい。当分野では第1銅塩−アミ
ン、第2銅塩−アミン−アルカリ金属水酸化物、マンガ
ン塩−第1アミンなどよりなる多くの触媒系が公知であ
る。
【0013】以上に示されるアルケニル基を有するポリ
フェニレンエーテルの数平均重合度は10〜400が好
ましい。400を越えると、溶融粘度の増加による成形
加工性の低下など取扱いが容易でない。また、共重合体
の場合、ランダム共重合体でもブロック共重合体でも良
い。前記一般式IIに示すシラン化合物の具体例として
は、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプ
ロポキシシラン、トリブトキシシラン、トリペントキシ
シラン、シリヘキサノキシシラン、トリヘプトキシシラ
ン、トリオクトキシシラン、トリフェノキシシラン、ト
リス(メチルフェノキシ)シラン、トリベンジルオキシ
シラン、トリス(フェニルエトキシ)シラン、トリス
(フェニルプロポキシ)シラン、トリス(フェニルブト
キシ)シラン、メトキシジブトキシシラン、メトキシジ
フェノキシシラン、ジメトキシブトキシシラン、ジメト
キシフェノキシシラン、トリクロロシラン、トリブロモ
シラン、トリフルオロシラン、メチルジクロロシラン、
ジメチルクロロシラン、メチルジメトキシシラン、ジメ
チルメトキシシラン、エチルジクロロシラン、ジエチル
クロロシラン、エチルジメトキシシラン、ジエチルメト
キシシラン、フェニルジクロロシラン、ジフェニルクロ
ロシラン、フェニルジメトキシシラン、ジフェニルメト
キシシラン等を挙げることができる。この中で好ましい
のは、トリメトキシシラン、トリエトキシシランであ
る。
フェニレンエーテルの数平均重合度は10〜400が好
ましい。400を越えると、溶融粘度の増加による成形
加工性の低下など取扱いが容易でない。また、共重合体
の場合、ランダム共重合体でもブロック共重合体でも良
い。前記一般式IIに示すシラン化合物の具体例として
は、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリプ
ロポキシシラン、トリブトキシシラン、トリペントキシ
シラン、シリヘキサノキシシラン、トリヘプトキシシラ
ン、トリオクトキシシラン、トリフェノキシシラン、ト
リス(メチルフェノキシ)シラン、トリベンジルオキシ
シラン、トリス(フェニルエトキシ)シラン、トリス
(フェニルプロポキシ)シラン、トリス(フェニルブト
キシ)シラン、メトキシジブトキシシラン、メトキシジ
フェノキシシラン、ジメトキシブトキシシラン、ジメト
キシフェノキシシラン、トリクロロシラン、トリブロモ
シラン、トリフルオロシラン、メチルジクロロシラン、
ジメチルクロロシラン、メチルジメトキシシラン、ジメ
チルメトキシシラン、エチルジクロロシラン、ジエチル
クロロシラン、エチルジメトキシシラン、ジエチルメト
キシシラン、フェニルジクロロシラン、ジフェニルクロ
ロシラン、フェニルジメトキシシラン、ジフェニルメト
キシシラン等を挙げることができる。この中で好ましい
のは、トリメトキシシラン、トリエトキシシランであ
る。
【0014】本発明の官能化ポリフェニレンエーテルの
製造において、シラン化合物の使用量は、通常、アルケ
ニル基を有するポリフェニレンエーテル中のアルケニル
基対し1〜25倍モル、好ましくは1〜15倍モルであ
る。使用量が1倍モル未満の場合、アルケニル基の反応
率が低下し、一方、25倍モルを越える場合には、未反
応のシラン化合物が増えることとなるので、経済性に問
題が生ずる。
製造において、シラン化合物の使用量は、通常、アルケ
ニル基を有するポリフェニレンエーテル中のアルケニル
基対し1〜25倍モル、好ましくは1〜15倍モルであ
る。使用量が1倍モル未満の場合、アルケニル基の反応
率が低下し、一方、25倍モルを越える場合には、未反
応のシラン化合物が増えることとなるので、経済性に問
題が生ずる。
【0015】使用可能な反応溶媒として、アルケニル基
を有するポリフェニレンエーテルおよび一般式IIで示さ
れるシラン化合物を溶解するものであれば特に制限はな
いが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチ
レン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホル
ム、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの反応
溶媒の使用量は、アルケニル基を有するポリフェニレン
エーテルの0.01から60重量%、好ましくは1から
30重量%であり、0.01重量%未満では反応速度が
遅く、60重量%を越えると攪拌が困難になる場合があ
る。
を有するポリフェニレンエーテルおよび一般式IIで示さ
れるシラン化合物を溶解するものであれば特に制限はな
いが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチ
レン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロホル
ム、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの反応
溶媒の使用量は、アルケニル基を有するポリフェニレン
エーテルの0.01から60重量%、好ましくは1から
30重量%であり、0.01重量%未満では反応速度が
遅く、60重量%を越えると攪拌が困難になる場合があ
る。
【0016】本発明のシリル変性ポリフェニレンエーテ
ルの製造において、必要により用いられる触媒として
は、スズ、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロ
ジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マ
ンガン、テクネチウム、クロム、モリブテン、タングス
テン等の周期率表のIVB,VIA,VIIAもしくはVIIIA の金
属、金属塩、並びにこれらの金属の有機金属化合物及び
金属錯体を挙げることができる。
ルの製造において、必要により用いられる触媒として
は、スズ、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロ
ジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マ
ンガン、テクネチウム、クロム、モリブテン、タングス
テン等の周期率表のIVB,VIA,VIIAもしくはVIIIA の金
属、金属塩、並びにこれらの金属の有機金属化合物及び
金属錯体を挙げることができる。
【0017】有機金属化合物及び金属錯体としては、例
えばジブチルスズラウリレート、ジメチルビス(トリメ
チルホスフィン)ニッケル(II)、ジエチル(2,2′
−ビピリジル)ニッケル(II)、ジメチルビス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(II)、ヨードトリメチ
ル白金(IV)、トリカルボニル(7−アリル)コバルト
(I)等のアルキル金属化合物、ニッケルテトラカルボ
ニル、ドデカカルボニル四ロジウム、ペンタカルボニル
鉄、デカカルボニル二マンガン(0)、ヘキサカルボニ
ルクロム(0)、ヘキサカルボニルモリブデン(0)、
ヘキサカルボニルタングステン(0)等の金属カルボニ
ル化合物、塩化ニッケル、塩化白金酸、塩化コバルト、
塩化ロジウム等の金属錯塩、ジクロロビス(トリフェニ
ルホスフィン)ニッケル(II)、テロラキス(トリフェ
ニルホスフィン)ニッケル(0)、ジクロロビス(ベン
ゾニトリル)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(ト
リブチルホスフィン)白金(II)、テトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)白金(0)、クロルトリス(トリフ
ェニルホスフィン)コバルト(I)、クロルトリス(ト
リフェニルホスフィン)ロジウム(I)等の塩基性配位
子を有する金属錯体を挙げることができる。
えばジブチルスズラウリレート、ジメチルビス(トリメ
チルホスフィン)ニッケル(II)、ジエチル(2,2′
−ビピリジル)ニッケル(II)、ジメチルビス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(II)、ヨードトリメチ
ル白金(IV)、トリカルボニル(7−アリル)コバルト
(I)等のアルキル金属化合物、ニッケルテトラカルボ
ニル、ドデカカルボニル四ロジウム、ペンタカルボニル
鉄、デカカルボニル二マンガン(0)、ヘキサカルボニ
ルクロム(0)、ヘキサカルボニルモリブデン(0)、
ヘキサカルボニルタングステン(0)等の金属カルボニ
ル化合物、塩化ニッケル、塩化白金酸、塩化コバルト、
塩化ロジウム等の金属錯塩、ジクロロビス(トリフェニ
ルホスフィン)ニッケル(II)、テロラキス(トリフェ
ニルホスフィン)ニッケル(0)、ジクロロビス(ベン
ゾニトリル)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)パラジウム(0)、ジクロロビス(ト
リブチルホスフィン)白金(II)、テトラキス(トリフ
ェニルホスフィン)白金(0)、クロルトリス(トリフ
ェニルホスフィン)コバルト(I)、クロルトリス(ト
リフェニルホスフィン)ロジウム(I)等の塩基性配位
子を有する金属錯体を挙げることができる。
【0018】これら触媒のうち、好ましいのは担体とな
る炭素粉末上に分散したパラジウムまたは白金、ジブチ
ルスズラウリレート、ペンタカルボニル鉄、塩化白金
酸、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(I
I)、クロルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウ
ム(I)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラ
ジウム(0)等があり、中でも塩化白金酸が好ましい。
る炭素粉末上に分散したパラジウムまたは白金、ジブチ
ルスズラウリレート、ペンタカルボニル鉄、塩化白金
酸、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(I
I)、クロルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウ
ム(I)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラ
ジウム(0)等があり、中でも塩化白金酸が好ましい。
【0019】触媒の使用量は、通常、アルケニル基を有
するポリフェニレンエーテルのアルケニル基の1×10
-4から0.1モル倍であり、1×10-4モル倍未満では
アルケニル基の反応率が低く、一方0.1モル倍を越え
ると急激な反応が起こる場合があり危険である。また、
上記金属触媒のほかに、ジベンゾイルパーオキサイド、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等で例示される
有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
イソバレロニトリル等で例示されるアゾ化合物で代表さ
れるラジカル開始剤を用いることや、紫外線を照射する
ことも有効である。
するポリフェニレンエーテルのアルケニル基の1×10
-4から0.1モル倍であり、1×10-4モル倍未満では
アルケニル基の反応率が低く、一方0.1モル倍を越え
ると急激な反応が起こる場合があり危険である。また、
上記金属触媒のほかに、ジベンゾイルパーオキサイド、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等で例示される
有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
イソバレロニトリル等で例示されるアゾ化合物で代表さ
れるラジカル開始剤を用いることや、紫外線を照射する
ことも有効である。
【0020】本発明の官能化ポリフェニレンエーテルの
製造において、反応温度は、通常、0〜300℃、好ま
しくは50〜150℃であり、0℃未満では反応速度が
遅く、一方、300℃を越えると触媒の急激な分解及び
副反応が起こる場合がある。反応雰囲気は、還元性また
は不活性ガス中で行うことが触媒の失活を防ぐために好
ましく、そのようなガスとしては、水素、ヘリウム、ア
ルゴン、窒素などが用いられる。これらのガスは、副反
応を防ぐため、乾燥状態で用いることが好ましい。また
同様の理由により、前記反応溶媒は乾燥したものを使用
することが好ましいが、市販の溶媒中に含まれる水、例
えば数ppm から数%の水は反応の本質を変えるものでは
ない。
製造において、反応温度は、通常、0〜300℃、好ま
しくは50〜150℃であり、0℃未満では反応速度が
遅く、一方、300℃を越えると触媒の急激な分解及び
副反応が起こる場合がある。反応雰囲気は、還元性また
は不活性ガス中で行うことが触媒の失活を防ぐために好
ましく、そのようなガスとしては、水素、ヘリウム、ア
ルゴン、窒素などが用いられる。これらのガスは、副反
応を防ぐため、乾燥状態で用いることが好ましい。また
同様の理由により、前記反応溶媒は乾燥したものを使用
することが好ましいが、市販の溶媒中に含まれる水、例
えば数ppm から数%の水は反応の本質を変えるものでは
ない。
【0021】アルケニル基を有するポリフェニレンエー
テル、シラン化合物、触媒の添加順序は特に制限されな
いが、通常、アルケニル基を有するポリフェニレンエー
テル、シラン化合物の溶液に触媒を添加することが好ま
しい。シリル基変性ポリフェニレンエーテルの反応溶液
からの回収方法は、加熱ないし加熱減圧下において溶媒
や、未反応のシラン化合物を除去する方法や、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトニ
トリルなど貧溶媒によって析出させる方法がある。
テル、シラン化合物、触媒の添加順序は特に制限されな
いが、通常、アルケニル基を有するポリフェニレンエー
テル、シラン化合物の溶液に触媒を添加することが好ま
しい。シリル基変性ポリフェニレンエーテルの反応溶液
からの回収方法は、加熱ないし加熱減圧下において溶媒
や、未反応のシラン化合物を除去する方法や、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトニ
トリルなど貧溶媒によって析出させる方法がある。
【0022】また、本発明の官能化ポリフェニレンエー
テルの製造は上記アルケニル基を有するポリフェニレン
エーテルとシラン化合物を押出機、バンバリミキサー、
ニーダー、ラボプラストミル等を用いて溶融混練するこ
とによっても実施可能である。この場合も、用いるシラ
ン化合物の量、及び必要によって用いる触媒の量は上記
に示したものと略同じである。反応温度は200℃〜3
20℃の範囲で実施可能である。200℃より低いとア
ルケニル基を有するポリフェニレンエーテルが溶融しに
くく、また320℃より高いとアルケニル基を有するポ
リフェニレンエーテルの劣化が問題となる。
テルの製造は上記アルケニル基を有するポリフェニレン
エーテルとシラン化合物を押出機、バンバリミキサー、
ニーダー、ラボプラストミル等を用いて溶融混練するこ
とによっても実施可能である。この場合も、用いるシラ
ン化合物の量、及び必要によって用いる触媒の量は上記
に示したものと略同じである。反応温度は200℃〜3
20℃の範囲で実施可能である。200℃より低いとア
ルケニル基を有するポリフェニレンエーテルが溶融しに
くく、また320℃より高いとアルケニル基を有するポ
リフェニレンエーテルの劣化が問題となる。
【0023】得られる官能化ポリフェニレンエーテルの
シリル基による変性の割合は、ポリフェニレンエーテル
中のアルケニル基の含量によって任意にコントロールす
ることが可能であるが、相溶化剤として考えた場合、シ
リル基の含量はポリフェニレンエーテル1分子当り、3
0個以下好ましくは1〜25個である。30個を越える
とゲル化を生じ易く、また、成形が困難となる。数平均
重合度は10〜400である。400を越えると、溶融
粘度の増加による成形加工性の低下など取扱いが容易で
ない。
シリル基による変性の割合は、ポリフェニレンエーテル
中のアルケニル基の含量によって任意にコントロールす
ることが可能であるが、相溶化剤として考えた場合、シ
リル基の含量はポリフェニレンエーテル1分子当り、3
0個以下好ましくは1〜25個である。30個を越える
とゲル化を生じ易く、また、成形が困難となる。数平均
重合度は10〜400である。400を越えると、溶融
粘度の増加による成形加工性の低下など取扱いが容易で
ない。
【0024】〔官能化ポリフェニレンエーテルの応用〕
本発明で得られたシリル変性ポリフェニレンエーテルを
用いることで、ポリフェニレンエーテルと異種ポリマー
との相溶性が向上し、島となるポリマーが海となるポリ
マー中に均一に微細分散することが可能となる。これに
よりポリフェニレンエーテルの持つ欠点、例えば、成形
性、耐溶剤性が改良される。詳しくは、本発明で得られ
たシリル変性ポリフェニレンエーテルと異種ポリマーと
を9:1〜1:9の重量比で溶融混練して、微細分散し
た樹脂組成物を得ることができる。
本発明で得られたシリル変性ポリフェニレンエーテルを
用いることで、ポリフェニレンエーテルと異種ポリマー
との相溶性が向上し、島となるポリマーが海となるポリ
マー中に均一に微細分散することが可能となる。これに
よりポリフェニレンエーテルの持つ欠点、例えば、成形
性、耐溶剤性が改良される。詳しくは、本発明で得られ
たシリル変性ポリフェニレンエーテルと異種ポリマーと
を9:1〜1:9の重量比で溶融混練して、微細分散し
た樹脂組成物を得ることができる。
【0025】異種ポリマーとして、本発明で得られる官
能化ポリフェニレンエーテル中の官能基であるシリル基
と反応可能な部位を有するポリマーであればよく、具体
的には、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等が挙げられる。また、反応
可能部位を官能化によって有した各種変性ポリマー、例
えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、水酸基変性
ポリオレフィン、不飽和カルボン酸変性ポリフェニレン
スルフィド等を用いることも可能である。
能化ポリフェニレンエーテル中の官能基であるシリル基
と反応可能な部位を有するポリマーであればよく、具体
的には、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート等が挙げられる。また、反応
可能部位を官能化によって有した各種変性ポリマー、例
えば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、水酸基変性
ポリオレフィン、不飽和カルボン酸変性ポリフェニレン
スルフィド等を用いることも可能である。
【0026】組成物を調製する溶融混練装置は、ラボプ
ラストミル、バンバリーミキサー、押出機等が例示され
る。また、その他の装置でもいわゆる高粘度攪拌機、な
いし高粘度混合機であればよく、例えば、多軸混練機、
横型二軸多円板装置や横型二軸表面更新機のような横型
二軸攪拌機並びにダブルヘリカルリボン攪拌機のような
縦型攪拌機等が利用できる。
ラストミル、バンバリーミキサー、押出機等が例示され
る。また、その他の装置でもいわゆる高粘度攪拌機、な
いし高粘度混合機であればよく、例えば、多軸混練機、
横型二軸多円板装置や横型二軸表面更新機のような横型
二軸攪拌機並びにダブルヘリカルリボン攪拌機のような
縦型攪拌機等が利用できる。
【0027】混練温度は、150℃〜380℃の範囲で
実施可能であるが、好ましくは、200℃〜320℃の
範囲である。混練時間については、好ましくは0.5分
〜20分、更に好ましくは1分〜10分である。組成物
の構成は、本発明で得られたシリル変性ポリフェニレン
エーテル(A)、異種ポリマー(B)とから成り、
(A)および(B)成分の組成比は重量比で(A):
(B)が10:90〜90:10の範囲であり、好まし
くは、20:80〜80:20の範囲である。また、成
分(A)は、未変性のポリフェニレンエーテル(C)に
置き換えることも可能で、その量は次に示す通りであ
る。A,BおよびC成分の和は100重量%である。
実施可能であるが、好ましくは、200℃〜320℃の
範囲である。混練時間については、好ましくは0.5分
〜20分、更に好ましくは1分〜10分である。組成物
の構成は、本発明で得られたシリル変性ポリフェニレン
エーテル(A)、異種ポリマー(B)とから成り、
(A)および(B)成分の組成比は重量比で(A):
(B)が10:90〜90:10の範囲であり、好まし
くは、20:80〜80:20の範囲である。また、成
分(A)は、未変性のポリフェニレンエーテル(C)に
置き換えることも可能で、その量は次に示す通りであ
る。A,BおよびC成分の和は100重量%である。
【0028】(A)10〜90重量% (B)10〜90重量% (C)0〜80重量% 必要により、ガラス繊維、顔料、無機充填剤、難燃剤、
抗酸化剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等を配合す
ることができる。
抗酸化剤、滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等を配合す
ることができる。
【0029】
【作用】アルケニル基を任意数有するポリフェニレンエ
ーテルに一般式Iに示すシラン化合物を反応させるの
で、公知のポリ(2,6−ジメチルフェニレンエーテ
ル)に後からビニルシランをグラフトさせて官能化シリ
ル基を導入するよりも、シリル基含量の制御がし易い。
また、多くの個数のシリル基を導入することができる。
ーテルに一般式Iに示すシラン化合物を反応させるの
で、公知のポリ(2,6−ジメチルフェニレンエーテ
ル)に後からビニルシランをグラフトさせて官能化シリ
ル基を導入するよりも、シリル基含量の制御がし易い。
また、多くの個数のシリル基を導入することができる。
【0030】
【実施例】本発明を更に具体的に示すためその例を以下
に示すが、本発明はそれらに限定されるものではない。
なお、以下での部およびはパーセントの表示は重量基準
による。ポリフェニレンエーテル中のアルケニル基の含
量用、反応率は主鎖フェニレン環数を基準にモル%で示
し、 1H−NMRの積分強度より算定した。また、数平
均分子量(Mnとする)、分子量分布値(Q値とする)
はGPCにより測定したポリスチレン換算値である。
に示すが、本発明はそれらに限定されるものではない。
なお、以下での部およびはパーセントの表示は重量基準
による。ポリフェニレンエーテル中のアルケニル基の含
量用、反応率は主鎖フェニレン環数を基準にモル%で示
し、 1H−NMRの積分強度より算定した。また、数平
均分子量(Mnとする)、分子量分布値(Q値とする)
はGPCにより測定したポリスチレン換算値である。
【0031】〔合成例1〕アルケニル基を有するポリフェニレンエーテルの合成例 2−アリル−6−メチルフェノール61部、2,6−ジ
メチルフェノール950部および水酸化ナトリウム9.
1部とをキシレン2890部とメタノール766部の混
合溶剤に溶かした。次に、ジエタノールアミン20.5
部、ジブチルアミン12.6部、メタノール316部に
溶かした塩化マンガン4水和物0.48部をこの順に加
えた。重合反応は2段に分かれており、前段は、温度を
40℃に保ち酸素ガスを流量0.8リットル/分の割合
で導入して反応を行ない、固体が析出するまで行った。
後段は、温度を30℃に保ち、酸素ガスを流量0.8リ
ットル/分、および窒素ガス8リットル/分の割合で導
入し、ポリマーの析出が止まるまで行った。ポリマーを
塩酸酸性のメタノールで洗浄し、触媒を失活させた。こ
れにより、次式III と式IVに示す構造ユニットがランダ
ムに重合した(モル比5:99)ポリフェニレンエーテ
ルを得た。
メチルフェノール950部および水酸化ナトリウム9.
1部とをキシレン2890部とメタノール766部の混
合溶剤に溶かした。次に、ジエタノールアミン20.5
部、ジブチルアミン12.6部、メタノール316部に
溶かした塩化マンガン4水和物0.48部をこの順に加
えた。重合反応は2段に分かれており、前段は、温度を
40℃に保ち酸素ガスを流量0.8リットル/分の割合
で導入して反応を行ない、固体が析出するまで行った。
後段は、温度を30℃に保ち、酸素ガスを流量0.8リ
ットル/分、および窒素ガス8リットル/分の割合で導
入し、ポリマーの析出が止まるまで行った。ポリマーを
塩酸酸性のメタノールで洗浄し、触媒を失活させた。こ
れにより、次式III と式IVに示す構造ユニットがランダ
ムに重合した(モル比5:99)ポリフェニレンエーテ
ルを得た。
【0032】
【化5】
【0033】
【化6】
【0034】アルケニル基含量;4.8モル% ポリマー収率;86% Mn;15,800 Q値;2.58
【0035】〔合成例2〕アルケニル基を有するポリフェニレンエーテルの合成例 2−アリル−6−メチルフェノールの使用量を243部
および2,6−ジメチルフェノールの使用量を800部
と変更する他は合成例1と同様にして反応を行った。こ
れにより、上記の式III 、IVに示す構造ユニットがラン
ダムに重合した(モル比25:94)ポリフェニレンエ
ーテルを得た。 アルケニル基含量;21モル% ポリマー収率;81% Mn;11,800 Q値;2.57
および2,6−ジメチルフェノールの使用量を800部
と変更する他は合成例1と同様にして反応を行った。こ
れにより、上記の式III 、IVに示す構造ユニットがラン
ダムに重合した(モル比25:94)ポリフェニレンエ
ーテルを得た。 アルケニル基含量;21モル% ポリマー収率;81% Mn;11,800 Q値;2.57
【0036】〔合成例3〕ビニルトリメトキシシランによるポリフェニレンエーテ
ルの官能基化 窒素ガス雰囲気下、ビニルトリメトキシシラン50部と
ポリフェニレンエーテル〔日本ポリエーテル社製、ポリ
(2,6−ジメチルフェニレンエーテル)、30℃クロ
ロホルム中で測定した固有粘度が0.31dl/gのも
の〕100部とをクロロベンゼンに溶かした。還流温度
にて5%のジクミルパーオキサイドのクロロベンゼン溶
液100部を滴下し、3時間反応を行った。反応終了
後、多量のメタノールでポリマーを再沈、洗浄した。最
後に真空下100℃で乾燥し、ビニルトリメトキシシラ
ングラフト変性ポリフェニレンエーテルを得た。 収率;96%
ルの官能基化 窒素ガス雰囲気下、ビニルトリメトキシシラン50部と
ポリフェニレンエーテル〔日本ポリエーテル社製、ポリ
(2,6−ジメチルフェニレンエーテル)、30℃クロ
ロホルム中で測定した固有粘度が0.31dl/gのも
の〕100部とをクロロベンゼンに溶かした。還流温度
にて5%のジクミルパーオキサイドのクロロベンゼン溶
液100部を滴下し、3時間反応を行った。反応終了
後、多量のメタノールでポリマーを再沈、洗浄した。最
後に真空下100℃で乾燥し、ビニルトリメトキシシラ
ングラフト変性ポリフェニレンエーテルを得た。 収率;96%
【0037】〔実施例1〕窒素ガス雰囲気下、合成例1
で得られたアルケニル基を有するポリフェニレンエーテ
ル150部に、脱水処理したトルエン1300部、トリ
メトキシシラン78部を順次加えた後、温度を80℃に
保ち均一溶液とした。ここに触媒(0.001モル/リ
ットルの塩化白金酸のイソプロパノール溶液)を24部
添加し、80℃のまま、12時間反応した。反応終了
後、多量のメタノールでポリマーを再沈、洗浄した。最
後に真空下100℃で乾燥し、目的のトリメトキシシリ
ル基で官能化したポリフェニレンエーテルを得た。 収率;89% アリル基の反応率;約100%
で得られたアルケニル基を有するポリフェニレンエーテ
ル150部に、脱水処理したトルエン1300部、トリ
メトキシシラン78部を順次加えた後、温度を80℃に
保ち均一溶液とした。ここに触媒(0.001モル/リ
ットルの塩化白金酸のイソプロパノール溶液)を24部
添加し、80℃のまま、12時間反応した。反応終了
後、多量のメタノールでポリマーを再沈、洗浄した。最
後に真空下100℃で乾燥し、目的のトリメトキシシリ
ル基で官能化したポリフェニレンエーテルを得た。 収率;89% アリル基の反応率;約100%
【0038】〔実施例2〕合成例2で得られたアルケニ
ル基を有するポリフェニレンエーテルを150部、トリ
メトキシシランを64部用いる他は実施例1と同条件で
反応を行った。 収率;95% アリル基の反応率;84%
ル基を有するポリフェニレンエーテルを150部、トリ
メトキシシランを64部用いる他は実施例1と同条件で
反応を行った。 収率;95% アリル基の反応率;84%
【0039】〔応用例〕実施例1で得たトリメトキシシ
リル変性ポリフェニレンエーテルとポリアミド−6〔B
ASF社製ウルトラミッドKR4411(商品名)〕を
表1に示す組成に従って、各成分を、東洋精機製作所製
ラボプラストミル混練機を用い、280℃、180回転
にて5分間混練した後、粉砕して粒状の樹脂組成物を得
た。この樹脂組成物を280℃でプレス成形し、厚さ2
mmのシートを作成した。このシートより、試験片を切
り出し、物性評価を行った。
リル変性ポリフェニレンエーテルとポリアミド−6〔B
ASF社製ウルトラミッドKR4411(商品名)〕を
表1に示す組成に従って、各成分を、東洋精機製作所製
ラボプラストミル混練機を用い、280℃、180回転
にて5分間混練した後、粉砕して粒状の樹脂組成物を得
た。この樹脂組成物を280℃でプレス成形し、厚さ2
mmのシートを作成した。このシートより、試験片を切
り出し、物性評価を行った。
【0040】〔比較応用例〕実施例1で得た官能化ポリ
フェニレンエーテルの代わりに、合成例3で得たビニル
トリメトキシシラングラフト変性官能化ポリフェニレン
エーテルを用いる他は応用例と同様に反応を行った。
フェニレンエーテルの代わりに、合成例3で得たビニル
トリメトキシシラングラフト変性官能化ポリフェニレン
エーテルを用いる他は応用例と同様に反応を行った。
【0041】応用例、比較応用例で得られた樹脂組成物
の特性は、以下の方法によって測定評価した。測定結果
を表1に示した。 (1)アイゾット衝撃強度:JIS K7110に準じ
て、厚さ2mmの試験片を3枚重ねにて、23℃のノッ
チ無しアイゾッド衝撃強度を測定した。 (2)曲げ弾性率:幅25×長さ80mmの試験片を切
削加工し、JIS K7203に準拠して、インストロ
ン試験機を用いて測定した。
の特性は、以下の方法によって測定評価した。測定結果
を表1に示した。 (1)アイゾット衝撃強度:JIS K7110に準じ
て、厚さ2mmの試験片を3枚重ねにて、23℃のノッ
チ無しアイゾッド衝撃強度を測定した。 (2)曲げ弾性率:幅25×長さ80mmの試験片を切
削加工し、JIS K7203に準拠して、インストロ
ン試験機を用いて測定した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】アルコキシシリル基、アリーロキシシリ
ル基またはハロゲン化シリル基により官能化されたポリ
フェニレンエーテルは、ポリマーアロイの相溶化剤とし
て有用である。
ル基またはハロゲン化シリル基により官能化されたポリ
フェニレンエーテルは、ポリマーアロイの相溶化剤とし
て有用である。
【図1】合成例1のアルケニル基を有するポリフェニレ
ンエーテルの 1H−NMRチャートである。
ンエーテルの 1H−NMRチャートである。
【図2】実施例1で得られたトリメトキシシリル変性ポ
リフェニレンエーテルの 1H−NMRチャートである。
リフェニレンエーテルの 1H−NMRチャートである。
Claims (2)
- 【請求項1】 アルケニル基を有するポリフェニレンエ
ーテルと、一般式Iで表されるシラン化合物とを反応さ
せてシリル変性ポリフェニレンエーテルを製造する方
法。 【化1】 H−Si(Q1 )n (Q2 )3-n (I) (式中、nは1〜3の整数、Q1 は、炭素数1〜20の
アルコキシ基、芳香族オキシ基またはハロゲン基を示
す。Q2 は、水素原子、芳香族基、炭素数1〜20のア
ルキル基または炭素数1〜20の芳香族アルキル基を示
す。nまたは(3−n)が2以上の時、それぞれの
Q1 、Q2 は異なっていてもよい。) - 【請求項2】 アルケニル基を有するポリフェニレンエ
ーテルと、一般式Iに示す化合物とを周期律表IVB,VIA,
VIIA,VIIIAの金属、並びにこれらの金属を含む化合物の
存在下に反応させシリル変性ポリフェニレンエーテルを
製造する方法。 【化2】 H−Si(Q1 )n (Q2 )3-n (I) (式中、nは1〜3の整数、Q1 は、炭素数1〜20の
アルコキシ基、芳香族オキシ基またはハロゲン基を示
す。Q2 は、水素原子、芳香族基、炭素数1〜20のア
ルキル基または炭素数1〜20の芳香族アルキル基を示
す。nまたは(3−n)が2以上の時、それぞれの
Q1 、Q2 は異なっていてもよい。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32875591A JPH05163344A (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | シリル基を有するポリフェニレンエーテルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32875591A JPH05163344A (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | シリル基を有するポリフェニレンエーテルの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05163344A true JPH05163344A (ja) | 1993-06-29 |
Family
ID=18213800
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32875591A Pending JPH05163344A (ja) | 1991-12-12 | 1991-12-12 | シリル基を有するポリフェニレンエーテルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05163344A (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08201734A (ja) * | 1995-01-26 | 1996-08-09 | Menicon Co Ltd | 眼用レンズ材料 |
JP2007211201A (ja) * | 2006-02-13 | 2007-08-23 | Hitachi Ltd | 低誘電損失樹脂、樹脂組成物及び低誘電損失樹脂の製造方法 |
WO2008032539A1 (fr) * | 2006-09-13 | 2008-03-20 | Kaneka Corporation | POLYMÈRE DURCISSABLE À L'HUMIDITÉ COMPORTANT UN GROUPE SiF ET COMPOSITION DURCISSABLE CONTENANT UN TEL POLYMÈRE |
JP2008127451A (ja) * | 2006-11-20 | 2008-06-05 | Hitachi Ltd | ポリ(フェニレンエーテル)の製造方法およびポリ(フェニレンエーテル) |
JP2018035217A (ja) * | 2016-08-29 | 2018-03-08 | 旭化成株式会社 | 熱硬化性樹脂組成物およびそれを用いるプリプレグ、金属張積層板またはプリント配線板 |
JP2019077761A (ja) * | 2017-10-24 | 2019-05-23 | 信越化学工業株式会社 | 有機ケイ素化合物、その製造方法および硬化性組成物 |
WO2022229842A1 (en) * | 2021-04-27 | 2022-11-03 | Shpp Global Technologies B.V. | Bifunctional sizing agent for improved adhesion to substrates |
JP2023013860A (ja) * | 2021-07-16 | 2023-01-26 | 旭化成株式会社 | 硬化性樹脂組成物 |
JP2023088477A (ja) * | 2021-12-15 | 2023-06-27 | 旭化成株式会社 | 硬化性樹脂組成物 |
-
1991
- 1991-12-12 JP JP32875591A patent/JPH05163344A/ja active Pending
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