JPH05148581A - 高強度ばね用鋼および高強度ばねの製造方法 - Google Patents
高強度ばね用鋼および高強度ばねの製造方法Info
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- JPH05148581A JPH05148581A JP34001291A JP34001291A JPH05148581A JP H05148581 A JPH05148581 A JP H05148581A JP 34001291 A JP34001291 A JP 34001291A JP 34001291 A JP34001291 A JP 34001291A JP H05148581 A JPH05148581 A JP H05148581A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ばね用鋼の成分に工夫を加え、靭性、へたり
特性および疲労特性を改善した高強度ばね用鋼、および
その様なばね用鋼を用いて高強度ばねを製造する方法を
提供する。 【構成】 C:0.35〜0.65%,Si:1〜3%,Mn:
0.5 〜2%,Ni:4%以下,Cr:2超〜3%,M
o:0.05〜1%,V:0.05〜0.5 %を夫々含有し、残部
鉄および不可避不純物からなり、必要によりNb,T
i,Al,B,W,Cu等を所定量含有する。また上記
の様な成分のばね用鋼を用いて、所定の成形を行なうこ
とによって、希望する特性のばねを得る。
特性および疲労特性を改善した高強度ばね用鋼、および
その様なばね用鋼を用いて高強度ばねを製造する方法を
提供する。 【構成】 C:0.35〜0.65%,Si:1〜3%,Mn:
0.5 〜2%,Ni:4%以下,Cr:2超〜3%,M
o:0.05〜1%,V:0.05〜0.5 %を夫々含有し、残部
鉄および不可避不純物からなり、必要によりNb,T
i,Al,B,W,Cu等を所定量含有する。また上記
の様な成分のばね用鋼を用いて、所定の成形を行なうこ
とによって、希望する特性のばねを得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の弁ばねや懸
架ばね等に使用される高強度ばね用鋼および上記用途に
最適な高強度ばねの製造方法に関し、特に材料強度が20
0kgf/mm2以上であり、しかもばね特性として要求される
疲労寿命およびへたり特性を十分に満足することのでき
る高強度ばねの製造方法およびその様な高強度ばねを製
造する為のばね用鋼に関するものである。
架ばね等に使用される高強度ばね用鋼および上記用途に
最適な高強度ばねの製造方法に関し、特に材料強度が20
0kgf/mm2以上であり、しかもばね特性として要求される
疲労寿命およびへたり特性を十分に満足することのでき
る高強度ばねの製造方法およびその様な高強度ばねを製
造する為のばね用鋼に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ばね用鋼の化学成分はJIS G3565 〜G356
7, G4801等に規定されており、それから製造された圧延
材に対して所定の線径まで伸線加工し、その後オイルテ
ンパー処理後ばね加工(冷間成形ばね)したり、圧延材
を伸線加工した後、加熱してばね成形した後焼入れ焼戻
し(熱間成形ばね)を行なうこと等により、各種ばねが
製造されている。近年ばねに対する要求が次第にきびし
くなるにつれ、各種の合金鋼に夫々熱処理を施したもの
が多く利用されている。
7, G4801等に規定されており、それから製造された圧延
材に対して所定の線径まで伸線加工し、その後オイルテ
ンパー処理後ばね加工(冷間成形ばね)したり、圧延材
を伸線加工した後、加熱してばね成形した後焼入れ焼戻
し(熱間成形ばね)を行なうこと等により、各種ばねが
製造されている。近年ばねに対する要求が次第にきびし
くなるにつれ、各種の合金鋼に夫々熱処理を施したもの
が多く利用されている。
【0003】従来のばね鋼においては、焼入れ焼戻し後
の強度が160 〜190kgf/mm2程度であるのが一般的である
が、強度が200kgf/mm2以上の高強度ばね用鋼が要求され
る様になってきた。一方ばねの重要特性としては、高い
疲労寿命および耐へたり性が要求される。高疲労寿命を
得るために、冷間および熱間でショットピーニングが施
される。また良好な耐へたり性を得るために、製造の終
りの方の工程でセッチングが行なわれる。しかしながら
従来のばね用鋼では、強度、疲労寿命およびへたり特性
のすべてを満足することはできなかった。
の強度が160 〜190kgf/mm2程度であるのが一般的である
が、強度が200kgf/mm2以上の高強度ばね用鋼が要求され
る様になってきた。一方ばねの重要特性としては、高い
疲労寿命および耐へたり性が要求される。高疲労寿命を
得るために、冷間および熱間でショットピーニングが施
される。また良好な耐へたり性を得るために、製造の終
りの方の工程でセッチングが行なわれる。しかしながら
従来のばね用鋼では、強度、疲労寿命およびへたり特性
のすべてを満足することはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な事情
に着目してなされたものであって、その目的は、強度が
200kgf/mm2以上であり、しかも疲労特性およびへたり特
性も良好な高強度ばねを製造する方法およびその様な高
強度ばねを得る為のばね用鋼を提供することにある。
に着目してなされたものであって、その目的は、強度が
200kgf/mm2以上であり、しかも疲労特性およびへたり特
性も良好な高強度ばねを製造する方法およびその様な高
強度ばねを得る為のばね用鋼を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成し得た本
発明の高強度ばね用鋼とは、C:0.35〜0.65%,Si:
1〜3%,Mn:0.5 〜2%,Ni:4%以下,Cr:
2超〜3%,Mo:0.05〜1%,V:0.05〜0.5 %を夫
々含有し、残部鉄および不可避不純物からなる点に要旨
を有するものである。本発明に係る高強度ばね用鋼は、
上記の元素を基本成分とするものであるが、必要に応じ
てNb,Ti,Al,B,W,Cu等を含有するもので
あってもよい。
発明の高強度ばね用鋼とは、C:0.35〜0.65%,Si:
1〜3%,Mn:0.5 〜2%,Ni:4%以下,Cr:
2超〜3%,Mo:0.05〜1%,V:0.05〜0.5 %を夫
々含有し、残部鉄および不可避不純物からなる点に要旨
を有するものである。本発明に係る高強度ばね用鋼は、
上記の元素を基本成分とするものであるが、必要に応じ
てNb,Ti,Al,B,W,Cu等を含有するもので
あってもよい。
【0006】また上記の様な各種ばね用鋼を用い、(1)
熱間ばね成形後焼入れ焼戻し処理を施し、更にセッチン
グおよびショットピーニングを施すこと、または(2) オ
イルテンパー処理を施した後、冷間ばね成形し、更にセ
ッチングおよびショットピーニングを施すこと、等によ
って希望する特性の高強度ばねが得られる。
熱間ばね成形後焼入れ焼戻し処理を施し、更にセッチン
グおよびショットピーニングを施すこと、または(2) オ
イルテンパー処理を施した後、冷間ばね成形し、更にセ
ッチングおよびショットピーニングを施すこと、等によ
って希望する特性の高強度ばねが得られる。
【0007】
【作用】ばねの疲労寿命を向上させるためには、素材の
靭性向上を図る必要がある。本発明者らは高強度を維持
しつつ靭性向上の図れるC範囲として、0.35〜0.65%を
選んだ。そしてこの範囲におけるへたり特性を改善する
手段について様々な角度から検討したところ、特にCr
は耐へたり性を向上させるのに有効であり、Crを少な
くとも2%超添加させることによって、へたり特性が著
しく改善させることがわかった。即ち図1は耐へたり性
を示す残留剪断歪量とCr添加量との関係を示すグラフ
であり、従来ではCrの添加量は1%以下であったが、
本発明で規定する様にCr添加量を2%超とすることに
よって耐へたり性が著しく改善されることを見出し、本
発明を完成した。本発明に係る高強度ばね用鋼における
化学成分限定理由は下記の通りである。
靭性向上を図る必要がある。本発明者らは高強度を維持
しつつ靭性向上の図れるC範囲として、0.35〜0.65%を
選んだ。そしてこの範囲におけるへたり特性を改善する
手段について様々な角度から検討したところ、特にCr
は耐へたり性を向上させるのに有効であり、Crを少な
くとも2%超添加させることによって、へたり特性が著
しく改善させることがわかった。即ち図1は耐へたり性
を示す残留剪断歪量とCr添加量との関係を示すグラフ
であり、従来ではCrの添加量は1%以下であったが、
本発明で規定する様にCr添加量を2%超とすることに
よって耐へたり性が著しく改善されることを見出し、本
発明を完成した。本発明に係る高強度ばね用鋼における
化学成分限定理由は下記の通りである。
【0008】C:0.35〜0.65% Cは焼入れ焼戻し後の強度を確保するために必要な元素
である。C含有量が0.35%未満では、焼入後のマルテン
サイトの硬さが低くなり過ぎ、焼入れ焼戻し後の強度が
不足する。また0.65%を超えて過多に添加すると、焼入
れ焼戻し後の靭性が劣化し、希望する疲労特性が得られ
ない。更に、圧延時の過冷の発生を防止し、作業性を改
善すると共に、ばね製造時に表面脱炭および表面疵を除
去する為の切削や研削による素材加工が容易に行なえる
という観点からも上記範囲とする必要がある。
である。C含有量が0.35%未満では、焼入後のマルテン
サイトの硬さが低くなり過ぎ、焼入れ焼戻し後の強度が
不足する。また0.65%を超えて過多に添加すると、焼入
れ焼戻し後の靭性が劣化し、希望する疲労特性が得られ
ない。更に、圧延時の過冷の発生を防止し、作業性を改
善すると共に、ばね製造時に表面脱炭および表面疵を除
去する為の切削や研削による素材加工が容易に行なえる
という観点からも上記範囲とする必要がある。
【0009】Si:1〜3% Siは固溶強化元素として必要であり、1%未満ではマ
トリックス強度が十分に得られない。しかしながら3%
を超えて添加すると、熱処理時に炭化物の溶け込みが不
十分になって、ばねにおける耐へたり性が劣化するばか
りか、内部酸化が進行してばねとして有害である脱炭を
生じさせる。 Mn:0.5 〜2% Mnが0.5 未満では、伸線性に悪影響を及ぼすSを固定
するのに不十分であり、0.5 %以上は必要である。また
上限を2%としたのは、耐へたり性に対して有害な残留
オーステナイト量を抑制するためである。
トリックス強度が十分に得られない。しかしながら3%
を超えて添加すると、熱処理時に炭化物の溶け込みが不
十分になって、ばねにおける耐へたり性が劣化するばか
りか、内部酸化が進行してばねとして有害である脱炭を
生じさせる。 Mn:0.5 〜2% Mnが0.5 未満では、伸線性に悪影響を及ぼすSを固定
するのに不十分であり、0.5 %以上は必要である。また
上限を2%としたのは、耐へたり性に対して有害な残留
オーステナイト量を抑制するためである。
【0010】Ni:4%以下 Niは焼入れ焼戻し後の素材靭性を向上させる元素であ
るが、高価な元素であるため経済性を考慮して4%以下
とした。 Cr:2超〜3% Crの添加はばね特性として重要な耐へたり特性を大幅
に改善することが種々の検討から明らかになった。2%
以下では高締め付加において十分な耐へたり性が得られ
ないことから、Crは少なくとも2%超を添加する必要
がある。またCrは焼入性向上に有効であり、耐熱性を
改善する元素でもある。しかしながらあまり多く添加し
すぎると焼入れ焼戻し処理時の加熱で未溶解炭化物が多
く発生するので上限は3%とすべきである。
るが、高価な元素であるため経済性を考慮して4%以下
とした。 Cr:2超〜3% Crの添加はばね特性として重要な耐へたり特性を大幅
に改善することが種々の検討から明らかになった。2%
以下では高締め付加において十分な耐へたり性が得られ
ないことから、Crは少なくとも2%超を添加する必要
がある。またCrは焼入性向上に有効であり、耐熱性を
改善する元素でもある。しかしながらあまり多く添加し
すぎると焼入れ焼戻し処理時の加熱で未溶解炭化物が多
く発生するので上限は3%とすべきである。
【0011】Mo:0.05〜2% Moは炭化物生成元素であり、焼戻し時に微細な合金炭
化物を析出させ、2次硬化を促進させることによって耐
へたり性および耐疲労性を向上させる。0.05%未満では
その効果が不十分であり、1%を超えても効果が飽和す
る。 V:0.05〜0.5 % Vは結晶粒度を微細化して耐力比を高め、耐へたり性を
改善するのに有効である。この結果を有効に発揮するに
は0.05%以上の添加が必要である。しかしながら0.5 %
を超えて添加すると、焼入れ加熱時にオーステナイト中
に固溶されない合金炭化物量が増大し、大きな塊状物と
なって残存することから疲労寿命を低下させる。
化物を析出させ、2次硬化を促進させることによって耐
へたり性および耐疲労性を向上させる。0.05%未満では
その効果が不十分であり、1%を超えても効果が飽和す
る。 V:0.05〜0.5 % Vは結晶粒度を微細化して耐力比を高め、耐へたり性を
改善するのに有効である。この結果を有効に発揮するに
は0.05%以上の添加が必要である。しかしながら0.5 %
を超えて添加すると、焼入れ加熱時にオーステナイト中
に固溶されない合金炭化物量が増大し、大きな塊状物と
なって残存することから疲労寿命を低下させる。
【0012】本発明の高強度ばね用鋼は、以上の元素を
基本成分とし、残部鉄および不可避不純物からなるもの
であるが、必要に応じてNb,Ti,Al,B,W,C
u等を含有してもよい。これらの元素を添加するときの
含有量は下記の通りである。
基本成分とし、残部鉄および不可避不純物からなるもの
であるが、必要に応じてNb,Ti,Al,B,W,C
u等を含有してもよい。これらの元素を添加するときの
含有量は下記の通りである。
【0013】Nb:0.01〜0.1 %,Ti:0.01〜0.1 % NbおよびTiはVと同様に結晶粒度を微細化して耐力
比を高め、耐へたり性を改善するのに有効である。この
効果を有効に発揮させるには、夫々0.01%以上の添加が
必要であるが、0.1 %を超えて過多に添加しても効果が
飽和すると共に、経済的にも不利である。 Al:0.01〜0.1 % Alは脱酸を容易にする元素であり、0.01%以上の添加
でその効果が発揮される。しかしながら0.1 %を超えて
添加しても、Al2 O3 の粗大介在物を生成して耐疲労
特性を低下させる。
比を高め、耐へたり性を改善するのに有効である。この
効果を有効に発揮させるには、夫々0.01%以上の添加が
必要であるが、0.1 %を超えて過多に添加しても効果が
飽和すると共に、経済的にも不利である。 Al:0.01〜0.1 % Alは脱酸を容易にする元素であり、0.01%以上の添加
でその効果が発揮される。しかしながら0.1 %を超えて
添加しても、Al2 O3 の粗大介在物を生成して耐疲労
特性を低下させる。
【0014】B:0.0005〜0.01% Bは焼入れ性および高強度を得るために有効な元素であ
り、その効果を有効に発揮させるには0.0005%以上の添
加が必要である。しかしながら0.01%を超えて添加して
も、効果が飽和すると共に、経済的にも不利である。 W:0.05〜1% Wは鋼中で炭化物を形成し、焼戻し時に析出することに
より、微細析出強化を付与する元素であり、添加量が0.
05%未満では析出量が不足し、また1%を超えて添加し
ても効果が飽和する。 Cu:0.1 〜1% Cuは脱炭および耐食性改善に有効な元素であり、0.1
%未満では上記効果が発揮されない。しかしながら1%
を超えると粒界にCuが濃化して熱間加工時に粒界割れ
を起こすことがある。
り、その効果を有効に発揮させるには0.0005%以上の添
加が必要である。しかしながら0.01%を超えて添加して
も、効果が飽和すると共に、経済的にも不利である。 W:0.05〜1% Wは鋼中で炭化物を形成し、焼戻し時に析出することに
より、微細析出強化を付与する元素であり、添加量が0.
05%未満では析出量が不足し、また1%を超えて添加し
ても効果が飽和する。 Cu:0.1 〜1% Cuは脱炭および耐食性改善に有効な元素であり、0.1
%未満では上記効果が発揮されない。しかしながら1%
を超えると粒界にCuが濃化して熱間加工時に粒界割れ
を起こすことがある。
【0015】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0016】
【実施例】表1に示す化学成分の発明鋼A〜Nおよび既
存鋼を溶製した後、鍛造で115mmの角ビレットを製作
し、線材圧延によって11mmφの線材まで圧延した。得ら
れた圧延線材に対して、下記(1) または(2)の工程によ
ってばねを製造した。 (1) 熱処理→ばね成形→焼入れ焼戻し→セッチング→シ
ョットピーニング(熱間成形ばね) (2) オイルテンパー処理→ばね成形→セッチング→ショ
ットピーニング(冷間成形ばね)
存鋼を溶製した後、鍛造で115mmの角ビレットを製作
し、線材圧延によって11mmφの線材まで圧延した。得ら
れた圧延線材に対して、下記(1) または(2)の工程によ
ってばねを製造した。 (1) 熱処理→ばね成形→焼入れ焼戻し→セッチング→シ
ョットピーニング(熱間成形ばね) (2) オイルテンパー処理→ばね成形→セッチング→ショ
ットピーニング(冷間成形ばね)
【0017】
【表1】
【0018】得られたばねから引張り試験片、残留剪断
歪量試験片および大気耐久限度測定試験片を準備し、夫
々の試験に供した。残留剪断測定試験および耐久限度測
定試験における条件は下記の通りである。 (1) 残留剪断測定試験(耐へたり性) (ばね緒元) 材料の線径 :9.0 mm コイル平均径:85 mm 総巻き数 :7巻 有効巻き数 :5.5 巻 自由高さ :320 mm (セッチング応力) 最大剪断応力+10kgf/mm2 (試験条件) 締め付け応力:130kgf/mm2 試験温度 :80℃ 試験時間 :72時間 (残留剪断歪の算出方法) τΔp=8DΔp/πd3 (2) τ=Gγ (3) (2) ,(3) 式より γΔp=τΔp/G×100 (%) 但し、τΔp:荷重損失量に相当するねじり応力(kgf/m
m2) d :線径(mm) D :コイル平均径 Δp:荷重損失量 G :横弾性係数(kgf/mm2)(8000kgf/mm2 を採用)
歪量試験片および大気耐久限度測定試験片を準備し、夫
々の試験に供した。残留剪断測定試験および耐久限度測
定試験における条件は下記の通りである。 (1) 残留剪断測定試験(耐へたり性) (ばね緒元) 材料の線径 :9.0 mm コイル平均径:85 mm 総巻き数 :7巻 有効巻き数 :5.5 巻 自由高さ :320 mm (セッチング応力) 最大剪断応力+10kgf/mm2 (試験条件) 締め付け応力:130kgf/mm2 試験温度 :80℃ 試験時間 :72時間 (残留剪断歪の算出方法) τΔp=8DΔp/πd3 (2) τ=Gγ (3) (2) ,(3) 式より γΔp=τΔp/G×100 (%) 但し、τΔp:荷重損失量に相当するねじり応力(kgf/m
m2) d :線径(mm) D :コイル平均径 Δp:荷重損失量 G :横弾性係数(kgf/mm2)(8000kgf/mm2 を採用)
【0019】(2) 耐久限度試験 (試験条件) 試験温度:室温 時間寿命:20万回をクリアー 表面状態:ショットピーニング肌 (疲労限の判定) 20万回を2度クリヤーしたときの試験応力 引張り試験結果を、ばね成形法とともに表2に示す。ま
た耐へたり性を表わす残留剪断歪量と、疲労特性を表わ
す大気耐久限度応力値を表3に示す。これらの結果から
明らかであるが、本発明鋼は、強度、耐へたり性および
疲労寿命のいずれも優れた特性を示していることがよく
わかる。
た耐へたり性を表わす残留剪断歪量と、疲労特性を表わ
す大気耐久限度応力値を表3に示す。これらの結果から
明らかであるが、本発明鋼は、強度、耐へたり性および
疲労寿命のいずれも優れた特性を示していることがよく
わかる。
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【発明の効果】以上述べた如く本発明によれば、強度が
200kgf/mm2以上であり、しかも疲労特性およびへたり特
性が良好な高強度ばねを製造する方法、およびその様な
高強度ばねを得る為の最適なばね用鋼が実現できた。
200kgf/mm2以上であり、しかも疲労特性およびへたり特
性が良好な高強度ばねを製造する方法、およびその様な
高強度ばねを得る為の最適なばね用鋼が実現できた。
【図1】残留剪断歪量とCr添加量の関係を示すグラフ
である。
である。
Claims (8)
- 【請求項1】 C:0.35〜0.65%(重量%の意味、以下
同じ),Si:1〜3%,Mn:0.5 〜2%,Ni:4
%以下,Cr:2超〜3%,Mo:0.05〜1%,V:0.
05〜0.5 %を夫々含有し、残部鉄および不可避不純物か
らなることを特徴とする高強度ばね用鋼。 - 【請求項2】 請求項1に記載の高強度ばね用鋼におい
て、更にNb:0.01〜0.1 %およびTi:0.01〜0.1 %
から選ばれる1種または2種を含有するものである高強
度ばね用鋼。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の高強度ばね用
鋼において、更にAl:0.01〜0.1 %を含有するもので
ある高強度ばね用鋼。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の高強度
ばね用鋼において、更にB:0.0005〜0.01%を含有する
ものである高強度ばね用鋼。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の高強度
ばね用鋼において、更にW:0.05〜1%を含有するもの
である高強度ばね用鋼。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の高強度
ばね用鋼において、更にCu:0.1 〜1%を含有するも
のである高強度ばね用鋼。 - 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載のばね用
鋼を用い、熱間ばね成形後焼入れ焼戻し処理を施し、更
にセッチングおよびショットピーニングを施して高強度
を得ることを特徴とする高強度ばねの製造方法。 - 【請求項8】 請求項1〜6のいずれかに記載のばね用
鋼を用い、オイルテンパー処理を施して高強度を得た
後、冷間ばね成形し、更にセッチンクおよびショットピ
ーニングすることを特徴とする高強度ばねの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34001291A JPH05148581A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 高強度ばね用鋼および高強度ばねの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34001291A JPH05148581A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 高強度ばね用鋼および高強度ばねの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05148581A true JPH05148581A (ja) | 1993-06-15 |
Family
ID=18332906
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34001291A Pending JPH05148581A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 高強度ばね用鋼および高強度ばねの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05148581A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101219837B1 (ko) * | 2010-10-19 | 2013-01-08 | 기아자동차주식회사 | 차량 엔진용 고강도 밸브 스프링의 제조 방법 및 이에 의해 제조된 차량 엔진용 고강도 밸브 스프링 |
JP2014509348A (ja) * | 2011-01-28 | 2014-04-17 | シーアールエス ホールディングス,インコーポレイテッド | 高強度・高靭性鋼合金 |
CN106086651A (zh) * | 2016-08-03 | 2016-11-09 | 苏州市虎丘区浒墅关弹簧厂 | 一种弹簧用高韧性合金材料 |
US10487381B2 (en) | 2016-06-21 | 2019-11-26 | Hyundai Motor Company | Ultrahigh-strength spring steel |
US10494705B2 (en) | 2015-12-04 | 2019-12-03 | Hyundai Motor Company | Ultra high-strength spring steel |
US10689736B2 (en) | 2015-12-07 | 2020-06-23 | Hyundai Motor Company | Ultra-high-strength spring steel for valve spring |
US10718039B2 (en) | 2016-04-15 | 2020-07-21 | Hyundai Motor Company | High strength spring steel having excellent corrosion resistance |
CN114959486A (zh) * | 2022-06-13 | 2022-08-30 | 杭州兴发弹簧有限公司 | 用于大型挖掘机上大线径热卷弹簧的42SiCrV6弹簧钢 |
-
1991
- 1991-11-28 JP JP34001291A patent/JPH05148581A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US8470104B2 (en) | 2010-10-19 | 2013-06-25 | Hyundai Motor Company | High strength valve spring for vehicle engine and method of manufacturing the same |
JP2014509348A (ja) * | 2011-01-28 | 2014-04-17 | シーアールエス ホールディングス,インコーポレイテッド | 高強度・高靭性鋼合金 |
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CN106086651A (zh) * | 2016-08-03 | 2016-11-09 | 苏州市虎丘区浒墅关弹簧厂 | 一种弹簧用高韧性合金材料 |
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