JPH0514543B2 - - Google Patents
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- JPH0514543B2 JPH0514543B2 JP59251557A JP25155784A JPH0514543B2 JP H0514543 B2 JPH0514543 B2 JP H0514543B2 JP 59251557 A JP59251557 A JP 59251557A JP 25155784 A JP25155784 A JP 25155784A JP H0514543 B2 JPH0514543 B2 JP H0514543B2
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- Japan
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- egg white
- egg
- liquid
- enzyme treatment
- enzyme
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Landscapes
- Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
Description
(1) 産業上の利用分野
本発明は、卵白液から耐熱性卵白を短時間で製
造する方法に関する。 (2) 従来の技術 卵白を高度利用するためには、卵白の蛋白質を
加水分解して、卵白に耐熱性を付与することが望
まれる。耐熱性が付与されれば、卵白は、卵飲
料・健康食品・調味料及び医薬品等の原料とし
て、これまでにない用途がひらかれるからであ
る。 そこで、従来より、特公昭51−26496号公報に
見られるように、卵白を蛋白分解酵素によつて酵
素処理して耐熱性卵白を得ることが提案されてい
る。 (3) 本発明が解決しようとする問題点 しかしながら、前記従来法によると、卵白を2
昼夜(48時間)も酵素処理しなければ耐熱性卵白
を得ることができず、能率的でないばかりか、酵
素処理中に折角の卵白が腐敗してしまう恐れがあ
る。 (4) 問題点を解決するための手段 本発明者は、耐熱性卵白を短時間で製造する方
法を提供せんと種々研究の結果、卵白を従来の酵
素処理温度より高温で酵素処理をすると、卵白蛋
白質が可及的速かに分解されるとの知見に至り、
この知見に基づき本発明を完成したものである。
本発明は、耐熱性卵白を製造するにあたり、卵白
液を70〜90℃に保持しつつ酵素処理を行うことを
特徴とするものである。 本発明でいう卵白液とは鶏卵等の鳥卵を割卵
し、卵黄を分離して得た生卵白、あるいは冷凍卵
白を解凍したもの、もしくは、乾燥卵白を水に溶
解した卵白液など、要するに常温で液状の卵白を
いう。 また酵素処理とは、卵白液にパパイン・フイチ
ン・トリプシン・ペプシン・パンクレアチン・プ
ロメライン等の蛋白分解酵素を添加し、卵白液を
一定温度に一定時間保持し、卵白中の蛋白質を分
解することをいう。 本発明の実施に当つては、まず酵素処理を行う
卵白液を用意する。卵白液中には若干の卵黄が含
まれていても差障りないが、卵黄蛋白質は、本発
明の酵素処理条件では分解されずに熱凝固してし
まい作業性を低下させる原因となるので、使用す
る卵白液にあまり卵黄が混入することは望ましく
ない。また酵素処理して得られる耐熱性卵白を粉
末状に仕上げようとする場合には、卵白中に糖分
が含まれていると粉末化工程で折角の製品が褐変
してしまうので、原料として使用する卵白液は予
め脱糖処理をしておくことが望ましい。 次に、この卵白液に蛋白分解酵素を添加し酵素
処理を行う。添加する酵素は蛋白分解酵素であれ
ば特に限定はないが、植物から得られるパパイ
ン、トリプシン等の酵素が作業性の点で望まし
い。蛋白分解酵素は種類によつて至適PHを異にす
るので、卵白液のPHを前もつて用いる蛋白分解酵
素の至適PHに調整して酵素処理を行うことが好ま
しい。蛋白分解酵素の添加量は、使用する酵素の
種類によつて異なるが、卵白液に対して、0.01〜
0.5%がよい。また、酵素処理は温度調整装置付
タンクに原料を入れ撹拌機等で撹拌しながら行う
と能率的である。 そして、本発明においては、卵白液を70〜90℃
に保持しつつ酵素処理を行う必要がある。その理
由は後の試験例にも示すように、保持温度が70℃
未満であると短時間で目的とする耐熱性卵白が得
られないからである。一方保持温度が90℃を越え
ると蛋白分解酵素が失活してしまい蛋白質を分解
する能力が低下してしまうからである。短時間で
目的とする酵素処理卵白を得るには、上記温度範
囲内で、より好ましくは75〜85℃で処理を行えば
よい。 酵素処理の時間は、使用する蛋白分解酵素の種
類と添加量にもよるが、パパインを使用した場合
は、10〜90分間酵素処理することで、目的とする
耐熱性卵白を得ることができる。酵素処理時間が
短かいと、卵白蛋白の分解が不十分で耐熱性の卵
白を得ることができない。一方酵素処理時間が長
すぎると、酵素の活性が長時間の加熱によつて低
下してしまうので好ましくない。 なお、卵白液は、70℃以上に加熱すると熱凝固
を起すので、本発明の温度範囲で酵素処理をする
には、卵白液をホモゲナイザー等の撹拌機でホモ
ゲナイズしながら加熱することによつて、卵白液
が熱凝固しても凝固物が微粒化できるようにして
酵素処理を行うとよい。また別の方法としては、
卵白液を凝固しない温度(約20〜60℃)で第一次
酵素処理を行つて卵白蛋白質の予備的分解をして
卵白液に耐熱性を付与した後、70〜90℃に昇温し
て、第二次酵素処理を行う方法をとることもでき
る。 このように酵素処理が終了した卵白は、90〜
100℃に10〜40分間保持し、卵白液(以下卵液と
いう場合もある)中の酵素を失活させた後、常温
に冷却して製品とする。 なお、この製品は、常温では腐敗しやすいの
で、常法によつて乾燥して粉末状にしたり、冷凍
状にして保管するとよい。 (5) 実施例 実施例 1 (二段酵素処理法) 生卵白液200gを回転羽子付撹拌装置に投入し、
撹拌しながら10%クエン酸水溶液1.5Kgを添加し
て卵液のPHを8.0に調整した。 次に、この卵液を加温し、液温を35℃に上昇さ
せるところでパパイン100gを加え、35℃で2時
間保持し第一次酵素処理をした。 次にこの卵液の液温を75℃に上昇させ、75℃で
30分間保持し第二次酵素処理した。 最後に、第二次酵素処理を終つた卵液の液温を
100℃に上昇させ100℃で30分間保持して、酵素
(パパイン)を失活させた後、常温に冷却して耐
熱性卵白200Kgを得た。 実施例 2 (一段酵素処理法) 常法によつて予め脱糖処理した卵白液200Kgを
タンク内に投入し、この卵液をホモゲナイザー
(増幸産業(株)製「マスコロイザー」)にて撹拌しな
がら、10%クエン酸水溶液3.0Kgを添加し、卵液
のPHを7.0に調整すると同時に、パパイン200gを
添加混合した。 次にこの卵液を加温し、液温を80℃に上昇さ
せ、40分間保持して酵素処理をした。 更にこの卵液を加温して、液温を100℃に昇温
し30分間保持して、酵素を失活させた後常温に冷
却した。 最後に得られた卵液をスプレードライヤーで乾
燥(入口温度150℃、出口温度70℃)して耐熱性
卵白の乾燥粉24Kgを得た。 (6) 作用 本発明は、卵白液を70〜90℃に保持しつつ酵素
処理を行うものであり、後に試験例にも示すよう
に、従来1昼夜乃至2昼夜酵素処理時間を費して
耐熱性卵白を得ていたが、僅か20〜60分間で耐熱
性卵白を得ることができる。その原理について
は、深く研究したわけではないが、本発明の酵素
処理時の温度範囲では、卵白中に含まれる卵白分
解酵素阻害物質が失活するので、卵白分解酵素の
活性が阻害されず卵白分解酵素の活性が十分に発
揮されるからではないかと推察される。その証拠
として卵白液を60〜80℃に加熱し発生した熱凝固
物を除去した卵白液を酵素処理すると、短時間で
耐熱性卵白にすることができるからである。しか
し、この熱凝固物除去法は後に試験例にも示すよ
うに、卵白液成分の大部分が熱凝固してしまい歩
留が著しく悪いので実用的ではない。 以下、試験例を示しつつ、本発明の作用を詳説
する。 試験例 1 生卵白液にクエン酸を添加して、卵液のPHを
7.0に調整した後、卵液に対して0.1%のパパイン
を添加混合した。 次いでこの卵液を11等分してそれぞれ各別に表
−1に示す温度と時間で酵素処理を行つた。 酵素処理後、各サンプルを各別に100℃で30分
間加熱して、卵液が凝固するか否か(凝固すれば
耐熱性がない、液状のままなら耐熱性あり)を調
べたところ、表−1の結果が得られた。
造する方法に関する。 (2) 従来の技術 卵白を高度利用するためには、卵白の蛋白質を
加水分解して、卵白に耐熱性を付与することが望
まれる。耐熱性が付与されれば、卵白は、卵飲
料・健康食品・調味料及び医薬品等の原料とし
て、これまでにない用途がひらかれるからであ
る。 そこで、従来より、特公昭51−26496号公報に
見られるように、卵白を蛋白分解酵素によつて酵
素処理して耐熱性卵白を得ることが提案されてい
る。 (3) 本発明が解決しようとする問題点 しかしながら、前記従来法によると、卵白を2
昼夜(48時間)も酵素処理しなければ耐熱性卵白
を得ることができず、能率的でないばかりか、酵
素処理中に折角の卵白が腐敗してしまう恐れがあ
る。 (4) 問題点を解決するための手段 本発明者は、耐熱性卵白を短時間で製造する方
法を提供せんと種々研究の結果、卵白を従来の酵
素処理温度より高温で酵素処理をすると、卵白蛋
白質が可及的速かに分解されるとの知見に至り、
この知見に基づき本発明を完成したものである。
本発明は、耐熱性卵白を製造するにあたり、卵白
液を70〜90℃に保持しつつ酵素処理を行うことを
特徴とするものである。 本発明でいう卵白液とは鶏卵等の鳥卵を割卵
し、卵黄を分離して得た生卵白、あるいは冷凍卵
白を解凍したもの、もしくは、乾燥卵白を水に溶
解した卵白液など、要するに常温で液状の卵白を
いう。 また酵素処理とは、卵白液にパパイン・フイチ
ン・トリプシン・ペプシン・パンクレアチン・プ
ロメライン等の蛋白分解酵素を添加し、卵白液を
一定温度に一定時間保持し、卵白中の蛋白質を分
解することをいう。 本発明の実施に当つては、まず酵素処理を行う
卵白液を用意する。卵白液中には若干の卵黄が含
まれていても差障りないが、卵黄蛋白質は、本発
明の酵素処理条件では分解されずに熱凝固してし
まい作業性を低下させる原因となるので、使用す
る卵白液にあまり卵黄が混入することは望ましく
ない。また酵素処理して得られる耐熱性卵白を粉
末状に仕上げようとする場合には、卵白中に糖分
が含まれていると粉末化工程で折角の製品が褐変
してしまうので、原料として使用する卵白液は予
め脱糖処理をしておくことが望ましい。 次に、この卵白液に蛋白分解酵素を添加し酵素
処理を行う。添加する酵素は蛋白分解酵素であれ
ば特に限定はないが、植物から得られるパパイ
ン、トリプシン等の酵素が作業性の点で望まし
い。蛋白分解酵素は種類によつて至適PHを異にす
るので、卵白液のPHを前もつて用いる蛋白分解酵
素の至適PHに調整して酵素処理を行うことが好ま
しい。蛋白分解酵素の添加量は、使用する酵素の
種類によつて異なるが、卵白液に対して、0.01〜
0.5%がよい。また、酵素処理は温度調整装置付
タンクに原料を入れ撹拌機等で撹拌しながら行う
と能率的である。 そして、本発明においては、卵白液を70〜90℃
に保持しつつ酵素処理を行う必要がある。その理
由は後の試験例にも示すように、保持温度が70℃
未満であると短時間で目的とする耐熱性卵白が得
られないからである。一方保持温度が90℃を越え
ると蛋白分解酵素が失活してしまい蛋白質を分解
する能力が低下してしまうからである。短時間で
目的とする酵素処理卵白を得るには、上記温度範
囲内で、より好ましくは75〜85℃で処理を行えば
よい。 酵素処理の時間は、使用する蛋白分解酵素の種
類と添加量にもよるが、パパインを使用した場合
は、10〜90分間酵素処理することで、目的とする
耐熱性卵白を得ることができる。酵素処理時間が
短かいと、卵白蛋白の分解が不十分で耐熱性の卵
白を得ることができない。一方酵素処理時間が長
すぎると、酵素の活性が長時間の加熱によつて低
下してしまうので好ましくない。 なお、卵白液は、70℃以上に加熱すると熱凝固
を起すので、本発明の温度範囲で酵素処理をする
には、卵白液をホモゲナイザー等の撹拌機でホモ
ゲナイズしながら加熱することによつて、卵白液
が熱凝固しても凝固物が微粒化できるようにして
酵素処理を行うとよい。また別の方法としては、
卵白液を凝固しない温度(約20〜60℃)で第一次
酵素処理を行つて卵白蛋白質の予備的分解をして
卵白液に耐熱性を付与した後、70〜90℃に昇温し
て、第二次酵素処理を行う方法をとることもでき
る。 このように酵素処理が終了した卵白は、90〜
100℃に10〜40分間保持し、卵白液(以下卵液と
いう場合もある)中の酵素を失活させた後、常温
に冷却して製品とする。 なお、この製品は、常温では腐敗しやすいの
で、常法によつて乾燥して粉末状にしたり、冷凍
状にして保管するとよい。 (5) 実施例 実施例 1 (二段酵素処理法) 生卵白液200gを回転羽子付撹拌装置に投入し、
撹拌しながら10%クエン酸水溶液1.5Kgを添加し
て卵液のPHを8.0に調整した。 次に、この卵液を加温し、液温を35℃に上昇さ
せるところでパパイン100gを加え、35℃で2時
間保持し第一次酵素処理をした。 次にこの卵液の液温を75℃に上昇させ、75℃で
30分間保持し第二次酵素処理した。 最後に、第二次酵素処理を終つた卵液の液温を
100℃に上昇させ100℃で30分間保持して、酵素
(パパイン)を失活させた後、常温に冷却して耐
熱性卵白200Kgを得た。 実施例 2 (一段酵素処理法) 常法によつて予め脱糖処理した卵白液200Kgを
タンク内に投入し、この卵液をホモゲナイザー
(増幸産業(株)製「マスコロイザー」)にて撹拌しな
がら、10%クエン酸水溶液3.0Kgを添加し、卵液
のPHを7.0に調整すると同時に、パパイン200gを
添加混合した。 次にこの卵液を加温し、液温を80℃に上昇さ
せ、40分間保持して酵素処理をした。 更にこの卵液を加温して、液温を100℃に昇温
し30分間保持して、酵素を失活させた後常温に冷
却した。 最後に得られた卵液をスプレードライヤーで乾
燥(入口温度150℃、出口温度70℃)して耐熱性
卵白の乾燥粉24Kgを得た。 (6) 作用 本発明は、卵白液を70〜90℃に保持しつつ酵素
処理を行うものであり、後に試験例にも示すよう
に、従来1昼夜乃至2昼夜酵素処理時間を費して
耐熱性卵白を得ていたが、僅か20〜60分間で耐熱
性卵白を得ることができる。その原理について
は、深く研究したわけではないが、本発明の酵素
処理時の温度範囲では、卵白中に含まれる卵白分
解酵素阻害物質が失活するので、卵白分解酵素の
活性が阻害されず卵白分解酵素の活性が十分に発
揮されるからではないかと推察される。その証拠
として卵白液を60〜80℃に加熱し発生した熱凝固
物を除去した卵白液を酵素処理すると、短時間で
耐熱性卵白にすることができるからである。しか
し、この熱凝固物除去法は後に試験例にも示すよ
うに、卵白液成分の大部分が熱凝固してしまい歩
留が著しく悪いので実用的ではない。 以下、試験例を示しつつ、本発明の作用を詳説
する。 試験例 1 生卵白液にクエン酸を添加して、卵液のPHを
7.0に調整した後、卵液に対して0.1%のパパイン
を添加混合した。 次いでこの卵液を11等分してそれぞれ各別に表
−1に示す温度と時間で酵素処理を行つた。 酵素処理後、各サンプルを各別に100℃で30分
間加熱して、卵液が凝固するか否か(凝固すれば
耐熱性がない、液状のままなら耐熱性あり)を調
べたところ、表−1の結果が得られた。
【表】
試験例 2
生卵白液にクエン酸を添加して、卵液のPHを
7.0に調整した後、この卵液を3等分し、3つの
サンプルを得このサンプルに、それぞれ各別に、
卵液に対して0.1%、0.05%及び0.025%のパパイ
ンを添加混合した。 次にこのサンプルを80℃で表−2に示す時間酵
素処理を行つた。 そして、試験例1と同じく卵液の凝固性を調べ
たところ表−2の結果が得られた。
7.0に調整した後、この卵液を3等分し、3つの
サンプルを得このサンプルに、それぞれ各別に、
卵液に対して0.1%、0.05%及び0.025%のパパイ
ンを添加混合した。 次にこのサンプルを80℃で表−2に示す時間酵
素処理を行つた。 そして、試験例1と同じく卵液の凝固性を調べ
たところ表−2の結果が得られた。
【表】
尚、表中の記号の意味は試験例1と同じであ
る。 試験例 3 テスト区として試験例2における0.1%のパパ
インを添加し、80℃で40分間酵素処理をした場合
に得られた耐熱性卵白液の歩留を測定したところ
表−3の結果が得られた。一方、対照区として生
卵白液にクエン酸を添加し卵液のPHを7.0に調整
し、これを3等分して、3つのサンプルを得それ
ぞれ各別に表−3に示す温度で30分間加熱した後
常温に冷却した。そして各サンプル中に生じた凝
固物を100メツシユのストレーナーで除去した後
各サンプルごとに卵液に対して0.1%のパパイン
を添加混合した後、80℃で40分間酵素処理をして
耐熱性卵白を得、卵白の歩留を測定したところ表
−3の結果が得られた。
る。 試験例 3 テスト区として試験例2における0.1%のパパ
インを添加し、80℃で40分間酵素処理をした場合
に得られた耐熱性卵白液の歩留を測定したところ
表−3の結果が得られた。一方、対照区として生
卵白液にクエン酸を添加し卵液のPHを7.0に調整
し、これを3等分して、3つのサンプルを得それ
ぞれ各別に表−3に示す温度で30分間加熱した後
常温に冷却した。そして各サンプル中に生じた凝
固物を100メツシユのストレーナーで除去した後
各サンプルごとに卵液に対して0.1%のパパイン
を添加混合した後、80℃で40分間酵素処理をして
耐熱性卵白を得、卵白の歩留を測定したところ表
−3の結果が得られた。
【表】
表中の数値は歩留(%)を示し、歩留は次の計
算式による。 得られた耐熱性卵白(重量)/用いた生卵白液(重
量)×100 (7) 作用効果 以上述べたように、本発明によれば耐熱性卵白
を短時間にかつ歩留よく製造することができる。
したがつて品質のよい耐熱性卵白を低コストで製
造できるという利点がある。
算式による。 得られた耐熱性卵白(重量)/用いた生卵白液(重
量)×100 (7) 作用効果 以上述べたように、本発明によれば耐熱性卵白
を短時間にかつ歩留よく製造することができる。
したがつて品質のよい耐熱性卵白を低コストで製
造できるという利点がある。
Claims (1)
- 1 卵白液を70〜90℃に保持しつつ酵素処理を行
うことを特徴とする耐熱性卵白の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59251557A JPS61132157A (ja) | 1984-11-30 | 1984-11-30 | 耐熱性卵白の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP59251557A JPS61132157A (ja) | 1984-11-30 | 1984-11-30 | 耐熱性卵白の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPS61132157A JPS61132157A (ja) | 1986-06-19 |
JPH0514543B2 true JPH0514543B2 (ja) | 1993-02-25 |
Family
ID=17224589
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP59251557A Granted JPS61132157A (ja) | 1984-11-30 | 1984-11-30 | 耐熱性卵白の製造方法 |
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JP (1) | JPS61132157A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1984
- 1984-11-30 JP JP59251557A patent/JPS61132157A/ja active Granted
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006101801A (ja) * | 2004-10-07 | 2006-04-20 | Q P Corp | 耐熱性卵白 |
JP4640574B2 (ja) * | 2004-10-07 | 2011-03-02 | キユーピー株式会社 | 耐熱性卵白 |
Also Published As
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---|---|
JPS61132157A (ja) | 1986-06-19 |
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