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JPH0465898B2 - - Google Patents

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Publication number
JPH0465898B2
JPH0465898B2 JP61071482A JP7148286A JPH0465898B2 JP H0465898 B2 JPH0465898 B2 JP H0465898B2 JP 61071482 A JP61071482 A JP 61071482A JP 7148286 A JP7148286 A JP 7148286A JP H0465898 B2 JPH0465898 B2 JP H0465898B2
Authority
JP
Japan
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steel strip
treatment
cvd
steel
sicl
Prior art date
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Application number
JP61071482A
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English (en)
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JPS62227075A (ja
Inventor
Masahiro Abe
Kazuhisa Okada
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
Nippon Kokan Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kokan Ltd filed Critical Nippon Kokan Ltd
Priority to JP7148286A priority Critical patent/JPS62227075A/ja
Publication of JPS62227075A publication Critical patent/JPS62227075A/ja
Publication of JPH0465898B2 publication Critical patent/JPH0465898B2/ja
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、化学気相蒸着(以下、CVDと称す)
法による高珪素鋼帯の製造方法に関する。 [従来の技術] 電磁鋼板として高珪素鋼板が用いられている。 この種の鋼板はSiの含有量が増すほど鉄損が低
減され、Si:6.5%では、磁歪が0となり、最大
透磁率もピークとなる等最も優れた磁気特性を呈
することが知られている。 従来、高珪素鋼板を製造する方法として、圧延
法、直接鋳造法及び滲珪法があるが、このうち圧
延法はSi含有量4%程度までは製造可能である
が、それ以上のSi含有量では加工性が著しく悪く
なるため冷間加工は困難である。また直接鋳造
法、所謂ストリツプキヤステイングは圧延法のよ
うな加工性の問題は生じないが、未だ開発途上の
技術であり、形状不良を起し易く、特に高珪素鋼
板の製造は困難である。 これに対し、滲珪法は低珪素鋼を溶製して圧延
により薄板とした後、表面からSiを浸透させるこ
とにより高珪素鋼板を製造するもので、これによ
れば加工性や形状不良の問題を生じることなく高
珪素鋼板を得ることができる。 [発明が解決しようとする問題点] この滲珪法は、五弓、阿部により提案され、三
谷、大西らにより詳しく検討されたものであるが
従来提案された方法はいずれも浸透処理時間が30
分以上と長く、工業的な連続生産には適用できな
いという根本的な問題がある。また処理温度も
1230℃程度と極めて高いことから浸透処理後の薄
鋼板の形状が極めて悪く、加えて処理温度が高過
ぎるためエツジ部が過加熱によつて溶解するおそ
れがある。 本発明はこのような従来技術の欠点を改善する
ためになされたもので、滲珪法を用い、短時間の
滲珪処理により高品質の高珪素鋼帯を安定して製
造することができる方法の提供を目的とする。 [問題を解決するための手段] このため本発明は、鋼帯を、無酸化状態で1023
〜1200℃の温度に加熱した後、この温度の鋼帯を
SiCl4をmol分率で5〜35%含んだ無酸化性ガス
雰囲気中で、化学気相蒸着法により連続的に滲珪
処理し、処理後、無酸化状態で冷却するととも
に、常温まで冷却されない間の熱間または温間状
態でコイルに巻き取り、次いで真空状態でバツチ
焼鈍し、Siを鋼帯内部に拡散させるようにしたこ
とをその基本的特徴とする。 以下、本発明の詳細を説明する。 本発明において、母材たる鋼帯の成分組成に特
に限定はないが、優れた磁気特性を得るために以
下のように定めるのが好ましい。 3〜6.5%Si−Fe合金の場合 C:0.01%以下、Si:0〜4%、 Mn:2以下、その他不可避不純物は極力低
い方が望ましい。 センダスト合金の場合 C:0.01%以下、Si:4%以下、Al:3〜8
%、Ni:4%以下、Mn:2%以下、Cr、Ti
などの耐食性を増す元素5%以下、その他の不
可避不純物は極力低い方が望ましい。 鋼帯は熱間圧延−冷間圧延により得られるもの
に限らず、直接鋳造・急冷凝固法により得られた
ものでもよい。 なお、鋼帯はCVD処理により板厚が減少する
ものであり、このため最終製品板厚に対し減少板
厚分を付加した板厚のものを用いる必要がある。 本発明は、このような鋼帯に〔CVD法による
滲珪処理〕…〔真空バツチ焼鈍による拡散処理〕
を施すことにより高珪素鋼帯を得るものである。 第1図は本発明法による薄鋼板製造プロセスの
一例を示すもので、鋼帯Sの処理に適用した場合
を示している。図において、1は加熱炉、2は
CVD処理炉、3は冷却炉、4はコイル捲取室、
6はバツチ焼鈍炉である。 鋼帯は、加熱炉1でCVD処理温度たる1023〜
1200℃まで無酸化加熱された後、CVD処理炉2
に導かれSiCl4を含む無酸化性ガス雰囲気中で
CVD法による滲珪処理が施される。SiCl4を含む
無酸化性ガスとは、中性或いは還元性ガスを意味
し、SiCl4のキヤリアガスとしてはAr、N2、He、
H2、CH4等を使用することができる。これらキ
ヤリアガスのうち、排ガスの処理性を考慮した場
合、H2、CH4等はHClを発生させその処理の必
要性が生じる難点があり、このような問題を生じ
ないAr、He、N2が望ましく、さらに材料の窒化
を防止するという観点からすればこれらのうちで
も特にAr、Heが最も好ましい。 CVD処理における鋼帯表面の主反応は、 5Fe+SiCl4→Fe3Si+2FeCl2↑ である。Si1原子が鋼帯面に蒸着してFe3Si層を形
成し、Fe2原子がFeCl2となり、FeCl2の沸点1023
℃以上の温度において気体状態で鋼帯表面から放
散される。したがつてSi原子量が28.086、Fe原子
量が55.847であることから、鋼帯は質量減少し、
これに伴い板厚も減少することになる。ちなみ
に、Si3%鋼帯を母材とし、CVD処理でSi6.5%鋼
帯を製造すると、質量は8.7%減少し、板厚は約
7.1%減少する。 従来法においてCVD処理に時間がかかり過ぎ
るのは、そのCVD処理条件に十分な検討が加え
られていなかつたことによるものと考えられる。 本発明者等が検討したところでは、CVD処理
を迅速に行うための要素には次のようなものがあ
ることが判つた。 雰囲気ガス中のSiCl4濃度の適正化。 処理温度の適正化。 SiCl4の鋼帯表面への拡散及びFeCl2の鋼帯表
面からの放散の促進。 このため本発明ではCVD処理における雰囲気
ガス中のSi濃度および処理温度を規定するもので
ある。 まず、CVD処理における無酸化性ガス雰囲気
中のSiCl4濃度をmol分率で5〜35%に規定し、
このような雰囲気中で鋼帯を連続的にCVD処理
する。 雰囲気中のSiCl4が5%未満であると期待する
Si富化効果が得られず、また、例えば鋼帯のSiを
1.0%富化するために5分以上も必要となる等、
処理に時間がかかり過ぎ、連続プロセス化するこ
とが困難となる。 一方、SiCl4を35%を超えて含有させても界面
における反応が律速になり、それ以上のSi富化効
果が期待できなくなる。 またCVD処理では、SiCl4濃度が高いほど所謂
カーケンダールボイドと称する大きなボイドが生
成し易い。このボイドはSiCl4濃度が15%程度ま
ではほとんど見られないが、15%をこえると生成
しはじめる。しかし、SiCl4濃度が35%以下では、
ボイドが生成しても後に行われる拡散処理により
ほぼ完全に消失させることができる。 換言すればSiCl4濃度が35%を超えるとボイド
の生成が著しく、拡散処理後でもボイドが残留し
てしまう。第9図はSiCl420%の雰囲気でCVD処
理した直後の鋼帯断面を示すもので、蒸着層には
ボイドがみられる。第10図はこの鋼帯を1200℃
×1hrの真空バツチ焼鈍した後の断面を示すもの
であり、CVD処理直後のボイドはほぼ完全に消
失している。これに対し第11図はSiCl440%で
CVD処理し、その後真空バツチ焼鈍した鋼帯の
断面を示すもので、ボイドが層状に残留している
ことが判る。 CVD処理温度は1023〜1200℃の範囲とする。 CVD処理反応は鋼帯表面における反応である
から、この処理温度は厳密には鋼帯表面温度であ
る。 CVD処理による反応生成物であるFeCl2の沸点
は1023℃であり、この温度以下ではFeCl2が鋼帯
表面から気体状態で放散されず、鋼帯表面に液体
状に付着して蒸着反応を阻害してしまう。本発明
者らが行つた基礎実験の結果では、このFeCl2
沸点を境に、単位時間当りのSiの富化割合が著し
く異なり、1023℃以下では蒸着速度が小さいため
連続プロセスへの適用は困難である。 このため処理温度の下限は1023℃とする。 一方、上限を1200℃と規定する理由は次の通り
である。Fe3Siの融点は、第2図に示すFe−Si状
態図から明らかなように1250℃であるが、発明者
等の実験によれば、1250℃より低い1230℃程度で
処理した場合でも、鋼帯表面が部分的に溶解し、
また、鋼帯エツジ部分が過加熱のため溶解する。 このように1250℃以下でも鋼帯が溶解するの
は、鋼帯表面ではFe3Si相当のSi濃度14.5%以上
にSiが蒸着されているためであると推定される。
これに対し処理温度が1200℃以下であれば鋼帯表
面は溶解は全く認められず、また、エツジの過加
熱も、鋼帯中心部の平均温度を1200℃とすること
で、1220℃程度におさえることが可能であり、微
量な溶解で済むことが実験的に確認できた。以上
の理由から、CVD処理温度は1023℃〜1200℃と
規定する。 以上のようにしてCVD処理された鋼帯Sは、
真空バツチ焼鈍によりSiの拡散熱処理が施され
る。 鋼材が本例のように鋼帯の場合、CVD処理後
コイルに捲取る必要があるが、CVD処理直後
(拡散熱処理前)の鋼帯の表層はSiが10wt%以上
も存在し、常温状態で捲取つた場合鋼帯に割れが
生じてしまい、このため常温での捲取りは不可能
に近い。そこで鋼帯Sは冷却炉3において無酸化
状態(還元性雰囲気を含む)で上記CVD処理温
度から所定の温度まで冷却された後、熱間または
温間状態でコイルに捲取られる。この捲取温度の
下限は鋼帯SのC板厚、Si蒸着量等により異なる
が、例えば鋼帯表層のSi濃度が14〜15wt%の場
合、通常600℃以上で捲取る必要がある。 なお捲取後は常温まで冷却しても問題はない。 捲取られたコイル7はバツチ焼鈍炉6に装入さ
れ、真空状態でバツチ焼鈍される。この熱処理に
より鋼帯表層に蒸着したSiは鋼帯の内部に拡散さ
れ、略均一なSi濃度を有する高珪素鋼帯が得られ
る。 本発明ではこのような拡散熱処理をバツチ焼鈍
で行うことにより、拡散・均熱を十分行うことが
でき、これにより均一なSi濃度の電磁材料を得る
ことができる。加えて、本発明ではこのバツチ焼
鈍を真空状態下で行うものであり、これにより通
常の雰囲気焼鈍に較べ結晶粒を大きく成長させる
ことができ、優れた磁気特性の鋼材を得ることが
できる。 高珪素鋼板は、大気中においては非常に腐食し
易く(さび易い)、この錆が熱処理時の結晶粒の
成長を阻害し、ひいては鋼板の磁気特性を劣化さ
せる。この腐食には大気酸化と湿分による錆
(OH基による)とがあり、結露による後者の腐
食の問題が大きい。 本発明では、Siの鋼板中への均一な拡散を確保
するために拡散処理をバツチ焼鈍で行うが、この
ような本発明法では、滲珪処理とバツチ焼鈍との
間でコイルを大気中に放置せざるを得ないため、
上記のような錆の発生が大きな問題となる。錆の
融点は1000〜1200℃であるが、N2等の雰囲気焼
鈍は常圧下での焼鈍であるため、蒸発気化による
錆の飛散・浄化の程度は極く小さい。また、還元
性の雰囲気焼鈍でも酸素分は除去されるものの、
ざらざらとした肌荒れ状態が残存する。 したがつて、このような雰囲気焼鈍では鋼板表
面に錆の液層または残留物が存在するため、後述
する実施例2の比較材に示されるように結晶粒の
成長は殆ど期待できない。 これに対し、本発明のようにSiの拡散処理を真
空焼鈍で行う方法では、真空中での減圧効果によ
り、溶融した錆の蒸発気化が促進されるため、錆
は最終的には飛散して鋼板表面が浄化され、この
ため結晶粒の成長が著しく促進されることにな
る。 また、本発明ではSiの拡散処理を真空焼鈍で行
うことにより、滲珪処理により高珪素鋼板を製造
する際には問題となるボイドを完全に消失させ、
鋼板の優れた磁気特性を確保することができる。
すなわち、Siの拡散処理過程において、鋼板表層
に酸素原子を含む不純物が存在する場合、その酸
素原子がSiの拡散とともに生じるカーケンダー
ル・ボイドを固定してしまう働きがあるため、Si
の拡散が完了してもボイドが残留し、鋼板の磁気
特性を劣化させる。この点、本発明によれば真空
中でのSiの拡散処理であるため、上述したように
表層部の不純物が除去され、この結果ボイドの残
留が防止されることになり、Si拡散浸透処理法に
より磁気特性の優れた高珪素鋼板を製造すること
ができる。 CVD処理速度を鋼帯の連続処理を可能ならし
めるまで高めるには、上述したように雰囲気ガス
中のSiCl4濃度と処理濃度の適正化を図ることが
必要であるが、これに加え鋼帯表面へのSiCl4
散とFeCl2の鋼帯表面からの拡散とを促進するこ
とによりCVD処理速度をより高めることが可能
となる。 従来では、CVD処理で反応ガスを大きく流動
させると、蒸着層にボイドが発生し、また蒸着層
の鈍度も低下するとされ、このためガス流動は必
要最小限にとどめるという考え方が定着してい
た。 しかし本発明者等の研究では、このようにガス
流動が抑えられることにより、反応ガスの母材界
面への拡散移動、及び反応副生成物の界面表層か
らの離脱がスムースに行われず、このため処理に
長時間を要すること、さらにはガス流動が抑えら
れるためCVD処理炉内の反応ガス濃度に分布を
生じ、この結果蒸着膜厚の不均一化を招くことが
判つた。 そして、このような事実に基づきさらに検討を
加えた結果、CVD処理炉において吹込ノズルに
より雰囲気ガスを被処理材に吹付け、或いはフア
ン等により雰囲気を強制循環させることにより
SiCl4の鋼帯表面への拡散及び反応生成物たる
FeCl2の鋼帯表面からの放散を著しく促進し、高
い蒸着速度でしかも蒸着膜の不均一化を抑えつつ
CVD処理できることが判つた。 このようなCVD処理性の向上は、吹付ノズル
により雰囲気ガスを鋼帯表面に吹付ける方法が特
に有効である。第3図はこのノズル吹付方式によ
る実施状況を示すもので、CVD処理炉2内に鋼
帯Sに面して吹付ノズル5が配置され、鋼帯表面
にSiCl4を含む雰囲気ガスが吹付けられる。第4
図イ及びロは、吹付ノズル5による吹付状況を示
すもので、イに示すように鋼帯面に対して直角
に、或いはロに示すように斜め方向から吹付ける
ことができる。 このようなノズル吹付による単位時間当りのSi
富化割合は、ガスの鋼帯表面に対する衝突流速の
増大に比例して大きくなるが、流速と過剰に大き
くしても界面における反応律速となるためそれ以
上のSi富化効果は期待できない。一般には、5N
m/sec以下の流速で十分な効果が得られる。 なお前記加熱炉1では無酸化加熱が行われるも
のであり、このため電気間接加熱、誘導加熱、ラ
ジアントチユーブ間接加熱、直火還元加熱等の加
熱方式を単独または適当に組み合せた加熱方式が
採られる。なお、間接加熱方式を採る場合、加熱
に先立ち電気洗浄等の前処理が行われる。前処理
を含めた加熱方式として例えば次のようなものを
援用できる。 前処理−〔予熱〕−電気間接加熱(または誘導
加熱) 前処理−〔予熱〕−ラジアントチユーブ加熱−
電気間接加熱(または誘導加熱) 〔予熱〕−直火還元加熱−電気間接加熱(ま
たは誘導加熱) 前処理−〔予熱〕−ラジアントチユーブ間接加
熱(セラミツクラジアントチユーブ方式) 〔予熱〕−直火還元加熱 また、冷却炉4での冷却方式に特に限定はなく
ガスジエツト冷却、ミスト冷却、放射冷却等の各
種冷却方式を単独または組合せた形で採用するこ
とができる。 本発明は、6.5%Si鋼帯のような珪素含有量が
極めて高い鋼帯の製造に好適なものであることは
以上述べた通りであるが、従来、圧延法で製造す
る場合に変形が多く歩留りが悪かつたSi:2〜4
%程度の高珪素鋼帯も容易に製造できる利点があ
る。 [実施例] Γ実施例 1 小型のCVD処理炉を用い、CVD処理性に対す
るSiCl4濃度及びCVD処理温度の影響を調べた。
その結果を第5図及び第6図に示す。 図中、Aが雰囲気法、すなわちノズル吹付を行
わないでCVD処理した場合、またBがノズル吹
付法、すなわち第3図に示すように雰囲気ガスを
鋼帯面に0.5m/Sの流速で吹き付けつつCVD処
理した場合を示す。なお、Si富化割合とは、母材
当初のSi濃度に対するCVD処理によるSi増加分
を示す。 これによれば、SiCl4濃度5%以上、CVD処理
温度1023℃以上において大きなSi富化効果が得ら
れている。また同じ条件でも、吹付ノズルにより
雰囲気ガスを吹付ける方法の場合、単に雰囲気中
で鋼帯を通板せしめる場合に較べ格段に優れたSi
富化効果(CVD処理性)が得られていることが
判る。 第7図は同様のCVD処理炉を用い、雰囲気法
Aとノズル吹付法Bの蒸着時間と鋼帯中Si濃度
(母材Si量+蒸着Si量)との関係を、Si:3%、
板厚0.5mmの鋼帯をSiCl4濃度21%、処理温度1150
℃でCVD処理した場合について調べたものであ
る。なお、ノズル吹付法では、スリツトノズルに
より鋼帯に対し垂直方向から0.2Nm/secの流速
で雰囲気ガスを吹付けた。同図から判るように、
6.5%Si鋼相当のSi蒸着量を得るために雰囲気法
Aでは7分かかるのに対し、ノズル吹付法Bでは
1.5分で処理することができた。 第8図はノズル吹付法における衝突ガス流速と
鋼帯のSi富化割合(第5図及び第6図と同様)と
の関係を示すものであり、所定レベルまでは衝突
ガス流速に比例して鋼帯のSi富化割合が増大して
いる。 Γ実施例 2 第1図に示す連続プロセスにより、板厚0.35mm
の3%Si鋼を1150℃に加熱し、次いで雰囲気ガス
中SiCl4濃度20%、処理時間2分のCVD処理を施
し、冷却後800℃で捲き取り、その後無酸化状態
で徐冷した。その後真空生鈍炉で内で1200℃×1
時間均熱・保持し、6.5%Si鋼を製造した。 比較材として、同様の条件でCVD処理し、そ
の後N2+H2(H225%)の雰囲気中で1200℃×1
時間のバツチ焼鈍を施し、6.5%Si鋼を製造した。
下表は本発明材及び比較材の粒径及び鉄損値を示
すものであり、本発明法により優れた磁気特性を
有する高珪素鋼材が得られていることが判る。
【表】 [発明の効果] 以上述べた本発明によれば連続ラインにおいて
短時間でCVD処理を行うことができるとともに、
1200℃以下の温度でCVD処理を行うため鋼帯の
形状不良やエツジ部溶解等の問題を生じさせるこ
とがない。 また特に、高珪素鋼帯は大気中に放置された場
合、非常に錆びやすいという問題があるが、本発
明では、Siの拡散処理を真空焼鈍で行うことによ
り、真空中で減圧効果により錆の蒸発気化を促進
できるため、滲珪処理後大気中に放置されること
で不可避的に生じる錆を効果的に飛散させて鋼板
表面を浄化することができ、このため結晶粒の成
長を著しく促進させることができる。加えて、Si
の拡散処理を真空焼鈍で行うことにより表層部の
酸素原子を含む不純物が除去されるため、滲珪処
理により高珪素鋼板を製造する際に問題となるボ
イドを完全に消失させ、鋼板の優れた磁気特性を
確保することができる。 以上のことから、Si拡散浸透処理法により、ラ
インの長大化を招くことなく磁気特性の優れた高
珪素鋼帯を能率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明法の処理プロセスを示す説明図
である。第2図はFe−Si系状態図である。第3
図及び第4図イ,ロはノズル吹付方式による
CVD処理状況を示すもので、第3図は全体説明
図、第4図イ及びロはそれぞれノズル吹付方法を
示す説明図である。第5図はCVD処理における
ガス中SiCl4濃度と鋼帯Si富化割合との関係、第
6図はCVD処理温度と鋼帯Si富化割合との関係
をそれぞれ示すものである。第7図は本発明にお
けるSi蒸着時間と鋼帯中Si濃度との関係を、雰囲
気法及びノズル吹付法で比較して示したものであ
る。 第8図はノズル吹付法によるCVD処理におい
て、雰囲気ガスの鋼帯に対する衝突ガス流速と鋼
帯Si富化割合との関係を示すものである。第9図
ないし第11図は本発明材及び比較材たる鋼帯断
面の金属組織を示す顕微鏡拡大写真であり、第9
図はSiCl4:20%の雰囲気でCVD処理した直後の
組織、第10図はその鋼帯を拡散熱処理した後の
組織、第11図はSiCl4:40%でCVD処理し、そ
の後拡散処理した後の組織を示している。 図において、1は加熱炉、2はCVD処理炉、
3は冷却炉、5はバツチ焼鈍炉、Sは鋼帯であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 鋼帯を、無酸化状態で1023〜1200℃の温度に
    加熱した後、この温度の鋼帯をSiCl4をmol分率
    で5〜35%含んだ無酸化性ガス雰囲気中で、化学
    気相蒸着法により連続的に滲珪処理し、処理後、
    無酸化状態で冷却するとともに、常温まで冷却さ
    れない間の熱間または温間状態でコイルに巻き取
    り、次いで真空状態でバツチ焼鈍し、Siを鋼帯内
    部に拡散させるようにしたことを特徴とする高珪
    素鋼帯の製造方法。
JP7148286A 1986-03-28 1986-03-28 高珪素鋼帯の製造方法 Granted JPS62227075A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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