JPH0448440B2 - - Google Patents
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- JPH0448440B2 JPH0448440B2 JP1023654A JP2365489A JPH0448440B2 JP H0448440 B2 JPH0448440 B2 JP H0448440B2 JP 1023654 A JP1023654 A JP 1023654A JP 2365489 A JP2365489 A JP 2365489A JP H0448440 B2 JPH0448440 B2 JP H0448440B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、ヒト血清及び/又はヒト組織中に見
い出されるものに相当するヒトプラスミノーゲン
活性化因子をコードしているDNA配列を含有す
るDNAに関する。 本発明は、ヒトプラミノーゲン活性化因子をコ
ードしているDNA配列及びそれから推定される
該活性化因子のアミノ酸配列を知見したことに部
分的に起因するものである。この知見に基づき、
組換DNA技術を適用してヒトプラスミノーゲン
活性化因子を製造することが可能になり、しかも
この製造方法によると、現存する細胞培養物に於
ける産生及び該細胞培養物からの単離という工程
を含む従来の単離方法に固有のある種の制約を受
けることがなく、更に、市場認可に先立つて必要
とされる動物実験及び臨床試験に着手し且つこれ
を遂行するに充分な質及び量で該活性化因子を製
造することが可能になつたのである。 本発明は、あらゆる点で、これらの関連する具
体例に係る。 本発明の背景を説明し且つある場合にはその実
施のための詳細を補うために使用する文献及びそ
の他の資料は、本明細書中参照番号を付して引用
し、更に便宜のため本明細書末尾に参考文献とし
て列挙する。 A ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子 線維素溶解系は凝固系と動的平衡状態にあ
り、自然な開放性血管床を維持する。凝固系は
線維素をマトリツクスとして沈着させ、これに
より止血状態の回復する。線維素溶解系は、止
血状態が達成された後、線維素網を除去する。
この線維素溶解過程は、血漿タンパク前駆体で
あるプラスミノーゲンから生ずるタンパク分解
酵素、プラスミンによつてもたらされる。プラ
スミノーゲンは活性化剤によつて活性化された
プラスミンに変換される。現在、2種の活性化
剤、ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼが市
販されている。この両者の効能は、急性血管病
例えば心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓症、深部静脈
血栓症、末梢動脈閉塞症及びその他の静脈血栓
症の治療とされている。総じて、これらの病気
は重大な健康上の危険の要因となる。 これらの疾病の基本的原因は、凝血塊(血栓
又は血栓塞栓)による血管の部分的又は重度の
場合には全体的閉塞にある。例えばヘパリン及
びクマリンを用いるような従来の凝固防止療法
では、血栓又は血栓塞栓の溶解を直接には何ら
促進しない。上述した血栓溶解剤即ちストレプ
トキナーゼ及びウロキナーゼは実際に有効に使
用されてきている。然しながら今日まで、これ
らの薬剤には夫々厳しい限界があつた。さら
に、これらの薬剤は線維素に対する高度の親和
性も有していない。従つて、これらの薬剤は、
循環しているプラスミノーゲン及び線維素に結
合しているプラスミノーゲンを比較的無差別に
活性化する。循環血液中で形成したプラスミン
は、比較的急速に中和され、有効な血栓溶解能
を失う。残留するプラスミンは、数種の血液凝
固因子タンパク例えばフイブリノーゲン、第
因子及び第因子を分解して出血の可能性をも
たらす。さらに、ストレプトキナーゼは強度に
抗原性であり、高抗体力価を有する患者は治療
に対し効果を示さず又継続して投与することも
できない。ウロキナーゼによる治療法は、該ウ
ロキナーゼの製造工程が人間の尿又は組織培養
物から単離する工程を含むため高価であり、従
つて一般に臨床的実用性に劣る。このような状
況下で、ウロキナーゼは多くの研究の主題であ
つた(例えば文献1乃至6参照)。 いわゆるプラスミノーゲン活性化因子は種々
のヒト組織例えば子宮組織、血液、血清(文献
7乃至11参照)並びに細胞培養物(文献94参
照)から単離されていた。これらの組成及び/
又はこれらを含有する組成物については文献12
及び13に記載されている(文献14乃至18参照)。
これらの起源を有するプラスミノーゲン活性化
因子は、それらの免疫学的特性の差違に基づい
て2つの主なグループ、即ちウロキナーゼ型プ
ラスミノーゲン活性化因子(u−PA)及び組
織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)
に分類される。(略号t−PA及びu−PAは、
Meeting of the International
Committee on Thrombosis and Hemostsis,
Bergamo,Italy,27July1982に於いて提唱さ
れたものである。) 近年、ヒトメラノーマ(黒色腫)セルライン
(細胞株)がt−PAを分泌することが確認され
た。このメラノーマ由来プラスミノーゲン活性
化因子は、免疫学的に及びアミノ酸組成に於い
て、正常ヒト組織から単離されたプラスミノー
ゲン活性化因子と区別し得ない特性を有するこ
とが示されている(文献19及び88参照)。 比較的純粋な形態で単離されたこの物質の特
性を検討した結果、高い活性を有する線維素溶
解因子であることが知見された(文献20参照)。 メラノーマセルラインから精製したt−PA
を使用して行なわれたいくつかの研究の結果、
t−PAがウロキナーゼ型プラスミノーゲン活
性化因子に比較して線維素に対してより高い親
和力を有することが示された(例えば文献95乃
至98参照)。然しながら、t−PAは血液、組織
抽出物、血管灌流液及び細胞培養物中に非常に
低濃度でしか存在しないため、ヒトt−PAの
血栓溶解剤としての可能性を更に深く研究する
ことは困難であつた。 ヒト由来の他のタンパクを実質的に含まない
高品質のヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子(これは初期にはヒトプラスミノーゲン活性
化因子と呼ばれていた)を必要充分な量で製造
するために最も有効な方法は、組換DNA技術
及びそれに関連する技術の適用であろうという
ことは既に考えられていたことである。このよ
うな物質が得られれば、それは恐らく種々の心
血管障害又は心血管病の治療に対して臨床応用
できるような生物活性を示すであろう。 B 組換DNA技術 組換DNA技術は、かなり複雑な応用の段階
に達している。分子生物学者は、種々のDNA
配列をかなり容易に組換え、形質転換された微
生物又は細胞中で大量の外来タンパク産物を産
生し得る新たなDNA体を作成し得る。種々の
平滑末端又は粘着末端を有するDNA断片をin
vitro結合し、特定生物を形質転換するのに有
用な発現ベクターを作成し、かくして所望の外
来生産物の効率的な合成を行なうための一般的
手段及び方法は、既に開発されており自由に使
用することができる。然しながら、個々の産物
については、その製造工程はまだ若干複雑であ
り、常に成功を予測し得る段階にまでは科学は
進歩していない。事実、実験的裏付けをせずに
成功結果を予告する者もいるが、このような予
言には実施不能という著しい危険が伴つてい
る。 基本的要素、即ち複製のオリジン、1種又は
それ以上の表現型選択特性、発現プロモータ
ー、異種遺伝子インサート及び残りのベクター
のDNA組換は、一般に宿主細胞の外部で行な
われる。得られる複製可能な組換発現ベクター
すなわちプラスミドを形質転換により細胞中へ
導入し、得られる形質転換体を増殖させること
により大量の組換ベクターを得ることができ
る。コードされているDNAメツセージの転写
および翻訳を支配する部分に対して遺伝子が適
切に挿入されていれば、得られた発現ベクター
を使用して挿入遺伝子がコードしているポリペ
プチド配列を実際に産生することができ、この
過程を発現と呼ぶ。微生物系で必要に応じて宿
主細胞を溶菌し、且つ適当な方法により他のタ
ンパクから精製して目的産物を回収することが
できる。 実際、組換DNA技術の用いることにより、
全く異種のポリペプチドを発現させることがで
き(いわゆる直線的発現)、或いは同種ポリペ
プチドのアミノ酸配列の一部と融合した異種ポ
リペプチドを発現させることもできる。後者の
場合、目的とする生物活性産物は、しばしば、
細胞外環境に於いて開裂されるまで、融合した
同種/異種ポリペプチド中で生物的に不活性の
形態で存在する(文献21及び22参照)。 同様に、遺伝学及び細胞生理学を研究するた
め細胞培養(セルカルチヤー)又は組織培養の
技術は充分に確立されている。単離した正常細
胞から継代処理により永久セルラインを調製し
これを維持する手段及び方法も公知である。研
究に使用するためには、これらのレスラインを
液体培地中の固体支持体上に維持するか、又は
栄養物を含有する懸濁液中で増殖させる。大量
生産のためには機械的問題が残るのみであろう
(その他の背景については、文献23及び24参
照)。 又、生物工学においてはタンパク質生化学が
有用且つ実際上必要な手段である。所望のタン
パクを産生する細胞は、多数の他のタンパク、
即ち細胞固有の代謝産物をも産生する。これら
の夾雑タンパク及びその他の化合物は、所望タ
ンパクから除去されないと、所望タンパクによ
る治療処置の過程で動物又はヒトに投与した場
合有毒となる危険性がある。タンパク質生化学
の技術により、目的とする特定システムの適す
る分離方法を使用して目的用途に対し安全で均
質な最終産物を得ることができる。更に、タン
パク質生化学により、所望産物の特性を明らか
にし、細胞が何ら変化せず又は突然変異するこ
となく所望産物を確実に産生したことを確認す
ることができる。この科学分野には、臨床研究
及び市場開発に成功するために必要とされるバ
イオアツセイ、安定性試験及びその他の研究過
程も関係している。 本発明は、組換DAN技術の使用により、ヒ
ト組織プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)
を好ましくは直接的形態で製造し、しかも市場
認可を得るための必須要件である動物実験及び
臨床試験を開始し且つ継続するのに十分な量で
有利に製造し得るという知見に基く。製造され
たヒトt−PAは、ヒトの様々な心血管障害又
は心血管病の予防処置又は治療処置での使用に
適している。 本発明により、実質的に純粋なヒト組織プラ
スミノーゲン活性化因子を得ることができる。
遺伝子工学的に処理された微生物又は細胞系に
より、従来よりも遥かに有効にヒト組織プラス
ミノーゲン活性化因子を産生し得、これにより
従来は達成し得なかつた産業利用の機会が得ら
れる。更に、宿主細胞次第でヒト組織プラスミ
ノーゲン活性化因子は天然物質に比較して異な
つた程度でグリコシル化された状態のものが得
られる。いずれにしても、このように産生され
るt−PAは、非組換細胞に於いては伴なつて
いるのが普通である夾雑物を含まないであろ
う。 本発明は、後に定義するヒト組織プラスミノ
ーゲン活性化因子をコードしているDNA配列、
該因子を発現し得る形態でコードしている遺伝
子配列を含む複製可能なDNA発現ベクター、
該ベクターで形質転換された微生物菌株又は細
胞、並びにヒト組織プラスミノーゲン活性化因
子を産生し得る前記の如き形質転換された微生
物菌株又は細胞株の培養及びそれらの培養物に
係る。更に別の角度から見た本発明の目的は、
前記の遺伝子配列、DNA発現ベクター、微生
物菌株及び細胞の製造に有用な種々の方法及び
その具体例を提供することである。更に本発明
は、前記の微生物の発酵培養及び細胞の培養の
調製に係る。 A 定義 本明細書に於いて、「ヒト組織プラスミノー
ゲン活性化因子」又は「ヒトt−PA」又は
「t−PA」は、微生物培養系又は細胞培養系に
より産生され、プロテアーゼ部分を含む且つヒ
ト組織に天然に存在する組織プラスミノーゲン
活性化因子に対応する生物活性形態のヒト外因
性(組織型)プラスミノーゲン活性化因子を意
味する。本発明により産生されるヒト組織プロ
スミノーゲン活性化因子タンパクは、決定され
たDNA遺伝子及び推定アミノ酸の配列決定に
よつて定義されている。各個体毎に天然のアレ
ル変異体が存在し及び/又は発生することは理
解されよう。これらの変異は、全配列に於ける
1個以上のアミノ酸の相違、又は配列中の1個
以上のアミノ酸の欠失、置換、挿入、転位もし
くは付加によつて示される。更にグリコシル化
の位置及び程度は宿主細胞環境の性質に依存す
るであろう。 組換DNA技術を使用して、例えば、基本と
なるDNAの特定の部位に突然変異を誘発する
ことにより、1個又は複数のアミノ酸の置換、
欠失、付加又は転位によつて種々変性された
種々のヒト組織プラスミノーゲン活性化因子誘
導体を製造することが可能である。本明細書中
で特に説明するヒト組織プラスミノーゲン活性
化因子の一般的特性である必須のクリングル
(kringle)領域とセリンプロテアーゼ領域とを
維持しているが他の部分は前記の如く変性され
た誘導体の製造も可能である。ヒト組織プラス
ミノーゲン活性化因子中の前記の如きアレル変
異及び変性は、全て本発明の範囲内に包含され
る。更に、ヒト組織プラスミノーゲン活性化因
子の本質的特徴である活性が実質的に維持され
ている限り、物理的及び生物学的に類似した他
の近縁のヒト外因性(組織型)プラスミノーゲ
ン活性化因子も本発明の範囲内に包含される。 本発明によれば、ヒト組織プラスミノーゲン
活性化因子は、 (1) 第一アミノ酸としてのメチオニンを有する
(構造遺伝子の手前にATG開始コドンを挿入
して得られる)か、又は、 (2) メチオニンが細胞内又は細胞外で開裂され
ている場合は、正常の第一アミノ酸を有する
か、又は、 (3) 細胞内又は細胞外環境で特異的開裂可能な
シグナルポリペプチド又は従来のシグナルポ
リペプチド以外の共役タンパク
(conjugated protein)を伴なつている(文
献21参照)か、又は、 (4) 外来の余分のポリペプチドの開裂が不要な
成熟形態で直接的に発現させることにより製
造される。 発現ベクターが組織プラスミノーゲン活性化因
子をシグナルペプチドと共に発現すべく設計さ
れており、宿主がシグナルペプチドを除去又は
有効に除去し得ない場合、特に最後のものが重
要である。いずれにしても前記の如き種々の形
態で産生したヒトt−PAを回収し、種々の血
管障害又は血管病の治療用に適するレベルまで
精製する。 更に、t−PAには、一本鎖タンパクと二本
鎖タンパクとの双方の形態がある。二本鎖タン
パクは一本鎖化物のタンパク分解により誘導さ
れる。理論的には、二本鎖タンパクが産生され
た線維素と関連しており、タンパク分解による
一本鎖物質から二本鎖物質への変換はプラスミ
ノーゲンからプラスミンへの転換部位で生じる
と想定される。本発明は、前記の如く、in
vivoで転換される一本鎖タンパクの投与、及び
活性を有することがすでに証明されている二本
鎖タンパクの投与の双方を含む。二本鎖タンパ
クは、一本鎖物質の産生後にin vitroタンパク
分解変換によつて製造され得る。所謂クリング
ル領域は、セリンプロテアーゼ部分より上流に
位置しており、本発明の組織プラスミノーゲン
活性化因子を線維素マトリツクスに結合させ、
これにより、実際に存在する血栓に対して組織
プラスミノーゲン活性化因子の特異的活性を発
揮せしめるために重要な役割を果たす。本発明
により製造される組織プラスミノーゲン活性化
因子は天然物質に相当する酵素活性部分を含ん
でいる。ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子
なる用語は、このような部分だけを含むか、又
は完全な長さの分子に達するまでの付加アミノ
酸配列と共に含む産生物と定義される。 要約すれば、本発明によるヒトt−PAは、
以下の如く機能的に定義し得る。即ち、ヒトt
−PAは、プラスミノーゲンからプラスミンへ
の転換を触媒し得、線維素に結合し、前記の如
き免疫学的特性に基いてt−PAと分類される
ものである。従つて、t−PAの機能的誘導体
は本発明の範囲内に包含される。それ故、本願
発明の『ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子
をコードするDNA』なる用語は、前記したヒ
ト組織プラスミノーゲン活性化因子の誘導体を
コードしているDNAをも包含している。 本発明により産生されるヒトt−PAの状態
を形容すべく用いた「実質的に純粋な形態」と
は、非組換細胞により産生されたとき即ち「天
然」環境で産生されたときヒトt−PAに通常
伴なつているタンパク又は他の物質を含まない
ことを意味する。 「DHFRタンパク」とは、ジヒドロ葉酸還
元酵素(DHFR)に関連する活性を有し得、
従つて、ヒポキサンチン、グリシン及びチミジ
ンを含まない培地(−HGT培地)に於いて生
存し得る細胞によつて産生される必要があるタ
ンパクを意味する。通常、DHFRタンパクを
欠く細胞は該培地では増殖できないが、
DHFRタンパクを有する細胞は該培地で増殖
できる。 「MTX感受性細胞」とは、DHFR阻害剤メ
トキセート(MTX)を含む培地で増殖し得な
い細胞を意味する。従つて「MTX感受性細
胞」とは、遺伝的に変化しているか又は他の方
法で補足されていない場合、MTX濃度が0.2μ
g/ml以上になると周囲及び培地が細胞のタイ
プに適した条件であつても増殖できない細胞を
意味する。細菌の如く或る種の細胞は、MTX
に感受性を示す筈のDHFRを含んでいるにも
拘わらず、細胞膜内部へMTXを透過させない
のでMTX感受性を示さない。一般に、DHFR
タンパクとして野生型DHFRを含む細胞は、
MTXを透過し得るか又は摂取し得る限り、メ
トトレキセートに感受性であろう。 「野生型DHFR」とは、使用する特定生物
に通常見出されるようなジヒドロ葉酸還元酵素
(体)を意味する。野生型DHFRは通常in
vitroで低濃度のメトトレキセートに感受性で
ある。 「MTXに対する結合親和力の低いDHFRタ
ンパク」なる用語も機能的な定義である。これ
は、細胞内部で生成されたときには、0.2μg/
ml以上のMTXを含む培地でMTX感受性細胞
を増殖せしめるDHFRタンパクを意味する。
このような機能的定義は、生物の「MTXに対
する結合親和力の低いDHFRタンパク」を産
生する能力及び産生されたタンパク自体に依存
することは明らかである。然しながら、本明細
書中でこの用語を使用する場合には、前記の双
方のメカニズル間の平衡は問題にならない。即
ち本発明では、前記の如きMTXレベルで生存
する能力を付与することが操作の目的であり、
産生したDHFR固有の性質に加えて多量の発
現が前記の如き能力を強化したか否かは重要で
はない。前記の定義に適合する適当なDHFR
タンパクの例としては、1983年1月19付出願の
米国特許出願第459151号明細書および対応する
ヨーロツパ特許出願公開第117060号並びに特開
昭59−192089号公報に開示されたものがあり、
該特許出願明細書を本明細書中に引用して包含
する。 「発現ベクター」とは、内包するDNA配列
が該配列を発現させ得る別の配列に有効に(発
現し得るように)結合されている場合、該配列
を発現させ得るベクターを意味する。これらの
発現ベクターは、本明細書中必ずしも明確に記
述しなくても、宿主生体中で、エピソームとし
て又は染色体DNANに組込まれた部分として
複製可能でなければならない。複製能が欠如す
るとベクターは有効に作用し得ない。 要するに、「発現ベクター」なる用語も機能
的定義であり、特定の配列に対して用いられる
と共に、内包する特定のDNAコードを発現さ
せ得る任意のDNA配列も、発現ベクターと指
称され得る。一般には、組換DNA技術で使用
される発現ベクターは、しばしば「プラスミ
ド」の形態にある。 「プラスミド」とは、環状二重鎖DNAルー
プの呼称であり、ベクター形態のときには染色
体に結合しない。プラスミドの形態のベクター
が最もよく使用されるので、本明細書中では
「プラスミド」及び「ベクター」なる用語を互
換的に使用している。然しながら、本発明は、
勿論、同等の機能を果たすことができ当業界で
公知となる別の形態の発現ベクターをも包含す
る。 「組換宿主細胞」とは、組換DNA技術を用
いて構築されたベクターで形質転換された細胞
を意味する。前記の如く、このような形質転換
によつて多量のt−PAが産生され得る。対照
的に形質転換されていない宿主を用いるとt−
PAの産生量は遥かに少なく、普通の場合には
検出不能な量でさえある。前記の如き細胞によ
り産生されたt−PAは「組換t−PA」と指称
され得る。 B 宿主細胞及びベクター 本発明で用いるベクター及び方法は、広範囲
に亘る原核生物及び真核生物の宿主細胞中での
使用に適している。 一般に、本発明に有用なベクターを構築する
ためのDNA配列のクローン化には原核生物が
好ましい。たとえば、E.coli K12株294(ATCC
No.31446)が特に有用である。使用可能な別
の微生物菌株として、E.coli B及びE.coli
X1776(ATCC No.31537)の如きE.coli菌株が
ある。これらは勿論代表例であり限定的なもの
ではない。 原核生物は、又、発現のためにも使用され得
る。前記の菌株又はE.coli W3110(F-、λ-、プ
ロトトロフ、ATCC No.27325)、並びに桿菌類
たとえばBacillus subtilus、並びに他の腸内細
菌類例えばSalmonella typhimurium又は
Serratia marcesens、並びに種々のシユード
モナス種が使用され得る。 一般には、宿主細胞と適合し得る種から誘導
されたレプリコン及び制御配列を含むプラスミ
ドベクターが、宿主と関連して使用される。ベ
クターは、通常、複製部位と、形質転換された
細胞中で表現型選択を可能にし得るマーカー配
列とを担持している。例えば、E.coliは、典型
的には、E.coli種から誘導されるプラスミド
pBR322を用いて形質転換される(Bolivar,et
al.,Gene、2:95(1977))。pBR322は、アン
ピシリン及びテトラサイクリン耐性遺伝子を含
んでおり、従つて形質転換された細胞の簡単な
同定手段となり得る。pBR322プラスミド又は
他の微生物プラスミドは、微生物が自身のタン
パクを発現するのに使用し得るプロモーターを
含有するか又は含有する様に変性されていなけ
ればならない。組換DNAの構築に最もよく使
用されるプロモーターとしては、β−ラクタマ
ーゼ(ペニシリナーゼ)及びラクトースプロモ
ーターシステム(Chang,et al.,Nature,
275:615(1978);Itakura,et al.,Science,
198:1056(1977);Goeddel,et al.,Nature,
281):544(1979))、並びにトリプトプアン
(trp)プロモーターシステム(Goeddel、et
al.,Nucleic Acids Res.,8:4057(1980);
欧州特許出願公開第0036776号明細書)がある。
前記のプロモーターが最もよく使用されが、他
の微生物プロモーターも発見され且つ利用され
ており、それらのヌクレオチド配列に関する詳
細も既に公表されているため、当業者はこれら
のプロモーターをプラスミドベクターに機能的
に結合し得る(Siebenlst、et al.,Cell、20:
269(1980))。 原核生物以外に、酵母の如き真核微生物の使
用も可能である。Saccharomyces cerevisiae
又は普通のパン酵母が最もよく使用される真核
微生物であるが、多くの他の菌株も使用され得
る。Saccharomyces中での発現のためには、
例えばプラスミドYRp7(Stinchcomb,et al.,
Nature,282:39(1979);Kingsman、et al.,
Gene,7:141(1979);Tschemper、et al.,
Gene,10:157(1980))が常用される。このプ
ラスミドはtrp1遺伝子を既に含有しており、同
遺伝子は、トリプトフアン中での増殖能力が欠
如した酵母突然変異株〔例えば、ATCC No.
44076又はPEP4−1(Jones,Genetics,85:
12(1977))〕の選択マーカーとなる。従つて、
酵母宿主細胞ゲノムの特徴としてtrp1の損傷が
あると、それはトリプトフアンの不在下での増
殖によつて形質転換を検出するための効果的な
環境を提供する。 酵母ベクター中の適当なプロモーター配列と
して、例えば、3−ホスホグリセレートキナー
ゼ(Hitzeman,et al.,J.Biol.Chem.,255:
2073(1980))又は他の解糖系酵素(Hess、et
al.,J,Adv.Enzyme Reg.,7:149
(1968);Holland,et al.,Biochemistry,
17:4900(1978))に対するプロモーターがあ
る。後者の例に、エノラーゼ、グリセルアルデ
ヒド−3−ホスフエートデヒドロゲナーゼ、ヘ
キソキナーゼ、ピルベートデカルボキシラー
ゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6
ホスフエートイソメラーゼ、3−ホスホグリセ
レートムターゼ、ピルベートキナーゼ、トリオ
ースホスフエートイソメラーゼ、ホスホグルコ
ースイソメラーゼ及びグルコキナーゼがある。
適当な発現プラスミドを構築するには、これら
の遺伝子に伴う停止配列を、発現ベクター中で
発現したい配列の3′末端に結合して、mRNA
のポリアデニル化及び停止を行なわせる。増殖
条件によつて転写が制御されるという付加的利
点を有する別のプロモーターとしては、アルコ
ールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロムC、
酸性ホスフアターゼ、窒素代謝に関連する分解
酵素、前記グリセルアルデヒド−3−ホスフエ
ートデヒドロゲナーゼ並びにマルトース及びガ
ラクトースの資化に関係する酵素(Holland、
上掲)に対するプロモーター領域がある。酵母
適合性のプロモーター、複製のオリジン及び停
止配列を含むいかなるプラスミドベクターも適
当に利用できる。 微生物以外に、多細胞生物から誘導された細
胞も宿主として使用し得る。原則として、この
ような細胞は脊椎動物又は無脊椎動物のいずれ
から得てもよい。然しながら、脊椎動物細胞の
方が有利であり、近年では組織培養での脊椎動
物細胞の増殖がルーチンプロセスになつている
(Tissue Culture,Academic Press,Kruse
and Patterson,(1973))。前記の如き有用な
宿主細胞のセルラインの例として、VERO細
胞株、チヤイニーズハムスターの卵巣(CHO)
セルライン並びにW138、BHK、COS−7及
びMDCKセルラインがある。前記の如き細胞
のための発現ベクターは、通常、(必要に応じ
て)複製のオリジン、発現すべき遺伝子の前方
に位置するプロモーター、任意のリボソーム結
合部位、RNAスプライス(splice)部位、ポ
リアデニル化部位及び転写終了配列を必要なも
のとして含む。 哺乳動物細胞中で使用する場合、発現ベクタ
ーの制御機能は、しばしば、ウイルス性物質に
よつて与えられる。例えば常用のプロモーター
は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2か
ら誘導され、更に多くの場合サルウイルス40
(Simian Virus40,SV40)から誘導される。
SV40ウイルスの初期(early)プロモーター及
び後期(late)プロモーターが特に有用であ
る。これは、いずれもSV40ウイルスの複製の
オリジンを併せて含む断片として、ウイルスか
ら容易に得られるからである(Fiers,et al.,
Nature,273:113(1978)参照)。断片がウイ
ルスの複製のオリジン中に位置するBgl部位
に向かつてHind部位から伸びる約250bpの配
列を含む限り、SV40断片の長さの長短は問わ
ない。更に、所望の遺伝子配列が通常伴つてい
るプロモーター又は制御配列の使用も可能であ
り、このような配列の使用が好ましい場合もし
ばしば見られる。但し、前記の如き制御配列の
宿主細胞系と適合しなければならない。 複製のオリジンは、SV40又は他のウイルス
(例えばポイオーマ、アデノ、VSV、BPV等)
起源から誘導され得る外来性オリジンを含むよ
うにベクターを構築して得てもよく、又は宿主
細胞染色体複製メカニズムによつて得てもよ
い。ベクターが宿主細胞染色体に組込まれる場
合は、後者が良い場合もしばしばある。 t−PA及びDHFRタンパクの双方をコード
しているDNA配列を含む本発明のベクターに
よつてトランスフエクシヨンを行なう好ましい
宿主細胞を選択する際には使用するDHFRタ
ンパクのタイプによつて宿主を選択するのが適
当である。野生型DHFRタンパクの場合には、
DHFRが欠如した宿主細胞を選択し、これに
より、DHFRコード配列を、ヒポキサンチン、
グリシン及びチミンジを含まない選択培地での
トランスフエクシヨンの成功を示すマーカーと
して使用するのが好ましい。この場合の適当な
宿主細胞としては、DHFR活性が欠如したチ
ヤイニーズハムスター卵巣(CHO)セルライ
ンがある。該セルラインは、Urlaub及び
Chasin,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),77:
4216(1980)の記載の方法で調製され増殖させ
たものである。該文献を引用して本明細書中に
包含する。 他方、MTXに対する結合親和力の低い
DHFRタンパクを制御配列として使用する場
合には、DHFR耐性細胞を使用する必要がな
い。突然変異DHFRはメトトレキセートに鈍
感であるから、宿主細胞自体がメトトレキセー
ト感受性であれば、MTX含有培地を選択の手
段として使用し得る。MTXを取込み得る多く
の真核細胞はメトトレキセート感受性であると
考えられる。このような有用なセルラインの1
例としては、CHO株、CHO−K1 ATCC No.
CCL61がある。 後述の実施例ではlacおよびtrpプロモーター
システムを用いるE.coliの使用、宿主細胞とし
てCHO細胞の使用、及びプロモーターとして
のSV40の複製のオリジンを含む発現ベクター
について記載する。然しながら、原核生物又は
真核生物宿主細胞の培養物中で所望のタンパク
配列を発現する発現ベクターを構築するために
類似の技術を使用することは当業界で十分に公
知の事実である。 十分量のヒトt−PAが細胞培養に於いて産
生されるが、第二のコード配列を用いて更に改
良することにより産生レベルを更に向上するこ
とが可能である。この第二のコードの配列はジ
ヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)を含み、この
DHFRは外部制御パラメーター例えばメトト
レキセート(methotrexate、MTX)の作用を
受けるので、従つて、MTX濃度の調整によつ
て発現を制御し得る。 C 使用方法 堅固な細胞膜障壁を持たない細胞を宿主細胞
として使用するときは、トランスフエクシヨン
は、Graham及びVander Eb,Virology,
52:546(1978)に記載のリン酸カルシウム沈澱
法で行なわれる。然しながら、DNAの細胞内
導入のためには、核注入又はプロトプラスト融
合の如き他の方法も使用し得る。 原核細胞又は堅固な細胞膜障壁を有する細胞
を使用するとき、好ましいトランスフエクシヨ
ンの方法は、F.N.Cohen,et al.,Proc.Natl.
Acad.Sci.(USA),69:2110(1972)に記載の
塩化カルシウムを用いたカルシムウ処理であ
る。 所望のコード配列及び制御配列を有する適当
なベクターの構築には、標準的に結合方法を使
用する。単離されたプラスミド又はDNA断片
を開裂し、末端処理し、所望の形に再結合して
所要プラスミドを形成する。 開裂を行なうためには、適当な緩衝液中で1
種(又は複数種)の制限酵素で処理する。一般
には、約1μgのプラスミド又はDNA断片に対
し約1ユニツトの酵素を含む緩衝溶液約20μ
を使用する(特定の制限酵素に対する適正な緩
衝液及び基質量はメーカーによつて処方されて
いる)。インキユベーシヨン時間は37℃で約1
時間である。インキユベーシヨン後、フエノー
ル及びクロロホルム抽出でタンパクを除去し、
エタノール沈澱により水性画分から核酸を回収
する。 平滑末端が必要な場合、生成物を10ユニツト
のポリメラーゼ(Klenow)により15℃で15
分間処理し、フエノール−クロロホルム抽出
し、エタノール沈澱する。 開裂した断片のサイヅによる分離は、D.
Goeddel,et al.,Nucleic Acids Res.,8:
4057(1980)に記載された6%ポリアクリルア
ミドゲルを用いて行なう。この文献を引用して
本明細書中に包含する。 結合を行なうためは、正しく整合すべく末端
を適当に処理したほぼ等モル量の所望成分を、
0.5μgのDNAに対し約10ユニツトのT4DNA
リガーゼで処理する。(開裂されたベクターを
成分として使用する場合、開裂されたベクター
の再結合を阻止するために細菌のアルカリ性ホ
スフアターゼによる予備処理を行なうとよい。) 構築したプラスミドの正しい配列を確認すべ
く行なう解析のためには、結合混合物を用いて
E.coli K12株294(ATCC No.31446)を形質転
換し、適当な性質例えばアンピシリンまたはテ
トラサイクリン耐性を利用して所望の形質転換
株を選択する。形質転換株からプラスミドを調
製し、制限解析し及び/又は配列決定する
(Messing,et al.,Nucleic Acids Res.,
9:309(1981)又はMaxam,et al.,
Methods in Enzymology,65:499(1980))。 DHFRタンパクをコードしている配列の増
幅を行なうには、DHFR活性の競合阻害剤で
あるメトトレキセートを濃度約20−500000nM
で存在させて宿主細胞を増殖させる。有効濃度
範囲は、勿論、DHFR遺伝子の性質、タンパ
ク及び宿主の特性に依存する。従つて、上記の
上限値及び下限値は確定値ではない。DHFR
を阻害し得る他の葉酸類又は他の化合物を適正
濃度で使用することも可能である。然しながら
やはりMTXが便利で入手し易く有効である。 D 好適具体例の概説 ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子を以下
のように製造した。 1 組織プラスミノーゲン活性化因子を有効に
産生するヒトメラノーマ細胞をコンフルエン
トな状態(全面成長)になるまで培養した。 2 リボヌクレアーゼ阻害剤の存在下で前記の
細胞培養物から得た細胞ペレツトを抽出し細
胞質RNA全部を単離した。 3 オリゴーdTカラムを用い全メツセンジヤ
ーRNA(mRNA)をポリアデニル化形態で
単離した。酸性尿素アガロースゲル電気泳動
にかけてmRNAをサイズ分画した。 4 組織プラスミノーゲン活性化因子特異的
RNAを含むゲル画分を以下の方法で同定し
た。即ち、各ゲル画分のRNAをイヌのスイ
臓ミクロソームを補充したウサギ網状赤血球
リゼイト系中in vitroで翻訳した。得られた
翻訳産物を次にヒト組織プラスミノーゲン活
性化因子特異的1gG抗体に免疫沈降した。 5 適切なRNA(21乃至24S)を対応する一重
鎖相補うDNA(cDNA)に転換し、該cDNA
から二重鎖cDNAを製造した。ポリ−dCを
末端につなぎ、1種以上の表現型マーカーを
含むプラスミドの如きベクター内に挿入し
た。 6 前記の如く調製されたベクターを使用して
細菌細胞を形質転換し、クローン化cDNAラ
イブラリーを調製した。t−PA中の既知の
アミノ酸配列のコドンと相補的な放射活性標
識−合成デオキシオリゴヌクレオチドのプー
ルを調製しコロニーライブラリーのプローブ
に用いた。このようなプールの例としては、
例えば、(既知(後記)のアミノ酸配列:ト
リプトフアン−グルタミン酸−チロシン−シ
ステイン−アスパラギン酸(W−E−Y−C
−D)をコードする配列と相補的な)8種の
14ヌクレオチド体(14−mer)、5′−dTC
(A G)CA(A G)TAC T)TCCCA−3′のプール
がある。 7 ポジテイブな(プローブに対して陽性反応
を示した)cDNAクローンからプラスミド
DNAを単離し配列決定した。 8 次に、t−PAをコードしている配列決定
したDNAを適当な発現ベクターに挿入すべ
くin vitroで末端処理し、該発現ベクターを
適当な宿主細胞に形質転換し、宿主細胞を培
養により増殖させ、所望のヒト組織プラスミ
ノーゲン活性化因子を産生させた。 9 前記の如く産生されたヒト組織プラスミノ
ーゲン活性化因子は、セリンプロテアーゼ酵
素部分には約251個のアミノ酸を有しており、
その上流にクリングルを含む配列を有する。
現在では該配列が線維素結合の主因であると
理解されている。成熟タンパク及びそのシグ
ナルプレ配列とは全部で562個のアミノ酸を
含む。 前記の方法によつて実質的な純粋なt−PAを
産生し得る。メトトレキセート感受性の付加的
コード配列を用いる本発明方法によれば、抗原
的に活性なt−PAタンパクを、宿主細胞の培
養物中で1日に細胞当り0.1pgより多い量で産
生し得る。適当な増幅条件を使用すると、20p
g/細胞/日より多い量を得ることも可能であ
る。換言すれば、9×10-6Ploughユニツト/
細胞/日より多いか、又は適当な増幅によつて
18×10-4Ploughユニツト/細胞/日より多い
t−PA活性を産生するように遺伝子発現レベ
ルが達成される。 この点に於いて、本発明では、薬剤としてメ
トトレキセートを用いる。エトトレキセート
は、これを摂取し得る細胞には普通致死性を有
するが、制御されたMTXレベルではDHFRコ
ード配列をコードしている遺伝子の増幅により
細胞が増幅することを可能にするという性質を
有している(Schimke,T.Robert,et al.,
Science,202:1051(1978);J.L.Biedler,et
al.,Cancer Res.,32:153(1972);S.E.
Chang,et al.,Cell,7:391(1976)参照)。 本発明のこの点の重要性は、DHFR遺伝子
の増幅が、他のタンパクをコードしている関連
配列の増幅をも生起し得ることにある。関連タ
ンパクが、B型肝炎表面抗原(HBsAg)(J.
Christman,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,
79:1815(1982)),E.coliタンパクXGPRT
(Ringold,Gordon,et al.,J.Molec.and
Appl.Gen.,1:165(1981))、及び結合
DHFR/SV40プラスミド由来内在性配列(R.
F.Kaufman,et al.,J.Molec.Biol.,159:601
(1982))の場合に、前記の増幅現象が生じる。 メトトレキセート耐性を与える別のメカニズ
ムは、メトトレキセートに対するDHFRタン
パクの結合親和力を低下させること、従つてメ
トトレキセート感受性を低下させることである
(W.F.Flintoff,et al.,Somat.Cell Genet.,
2:245(1976))。しかしこの場合にも増幅は同
様に生じるであろう。 野性型DHFR、及び自身の結合親和力の低
下によりMTX耐性になつているDHFRに対す
る遺伝子は、どちらもMTXの存在により増幅
されるようにである。即ち、基本的に、本発明
は、MTXの存在下で、又は形質転換された細
胞をMTXで予備処理することにより、t−
PA配列の発現レベルを向上せしめる制御メカ
ニズムを得るために、DHFR配列の増幅が関
連タンパクをコードしている配列に与えるイン
パクトを利用している。 E 実施例 以下の実施例は本発明の代表例として示され
たものであり限定的な性質を持たない。以下に
記載の実施例に於いては、E.coli細胞及び導入
されるDHFRタンパクのコード配列の型に適
したCHOセルラインを宿主細胞として使用し
た。然しながら、他の真核細胞及び原核細胞も
同様に本発明方法に適している。 E.1 E.coliでのヒトt−PA遺伝子の発現 E.1 A 図の説明 第1図は、プロテアーゼインヒビター、
アプロチニンの存在下(レーンb)又は不
在下(レーンa)で、ヒトメラノーマ細胞
から3時間のパルスの間にin vivoで分泌
され免疫沈降させた〔35S〕−メチオニンで
標識された(1種以上の)タンパクを示す
10%SDSアクリルアミドゲルのオートラジ
オグラムである。組織プラスミノーゲン活
性化因子特異的IgGによる免疫沈降後、分
子量約65000、63000及び35000を有する3
つのバンドが観察された(レーンa)。然
しながら、プロテアーゼインヒビターの存
在下では、分子量35000の種は観察されな
かつた(レーンb)。免疫前血清を使用す
るといかなる産生物も免疫沈降しなかつた
(レーンc)。標準物質として使用した14C
で標識したタンパクの移動及び分子量をレ
ーンaの左方に示す。即ち、200000ミオシ
ン(H鎖);92500ホスホリラーゼB;
68000牛血清アルブミン;43000オバルブミ
ン(ovalbumin);25700α−キモトリプシ
ノーゲン;18400β−ラクトグロブリン。 第2図は、酸性尿素アガロースゲルから
単離されたRNA画分を翻訳した産生の免
疫沈降物をゲル電気泳動にかけた結果を示
す。イヌのスイ臓ミクロソームの存在下で
翻訳後に組織プラスミノーゲン活性化因子
特異的IgGで免疫沈降すると画分No.7及び
8で主バンドが観察された。このバンドは
分子量約63000ダルトンを有する。画分No.
7及び8に移動するmRNAのサイズは約
21乃至24Sである。RNA尿素ゲル電気泳
動後に決定され且つ見易いように臭化エチ
ジウムで染色されたリボソームRNAマー
カーの位置が適当なゲルレーンの上方に示
されている。 第3図は、32P−dTC(A G)CA(A G)TA
(C T)TCCCA(W−E−Y−C−D)プロ
ーブを用いた96個のコロニーのハイブリダ
イゼーシヨンパターンを示す。96個の形質
転換株の各々をマイクロタイタープレート
上で増殖させ、レプリカ平板法で処理し、
ニトロセルロース膜上で増殖させた。次に
コロニーを溶解し、細菌性DNAを固定し、
フイルターを32P−14ヌクレオチド体(14
量体)(W−E−Y−C−D)プローブと
ハイブリダイズした。フイルターを洗浄し
てハイブルダイズしなかつたプローブを除
去し、X線フイルムに露光した。このオー
トラジオグラムは48個のフイルター(4600
個の独立コロニー)の各々によつて得られ
たパターンを示す。No.25のフイルター上の
ポジテイブな組織プラスミノーゲン活性化
因子cDNAを有するクローンの例をE10
(矢印)で示す。 第4図は、全長(full length)ヒト組織
プラスミノーゲン活性化因子cDNAの制限
エンドヌクレアーゼマツプである。制限エ
ンドヌクレアーゼ開裂により生成した断片
の数及びサイズの測定には、6%アクリル
アミドゲル電気泳動を用いた。(第5図の)
核酸配列によつて部位の位置を確認した。
最大のオープンリーデイングフレーム
(open reading frame、停止コドンに至る
までの最長のDNA配列)のコード領域を
長方形で示し、斜線領域は推定されるシグ
ナルペプチド配列を示す。点描領域は推定
される成熟組織プラスミノーゲン活性化因
子配列(527個のアミノ酸)を示す。
mRNAの5′末端は左方、3′末端は右方に
示す。 第5a,5b及び5c図は、全長ヒト組
織プラスミノーゲン活性化因子cDNAのヌ
クレオチド配列及び推定されるアミノ酸配
列を示す。成熟配列に先行する35個のアミ
ノ酸(−35乃至−1)は連続した配列とし
て示されている。この35個のアミノ酸配列
は、成熟タンパクのセリン(+1)に先行
する約12乃至15個のアミノ酸親水性“プ
ロ”配列を含み、該プロ配列の前に“従来
の”疎水性シグナルが存在する(5′末端か
ら−35まで伸びる)。分泌されたタンパク
に於けるこ種のプレ−プロ構造は、既に、
例えばプレプロアルブミンに関して記載さ
れている。この理論に基く場合、分泌され
た組織プラスミノーゲン活性化因子の分子
は全て、アミノ末端としてのセリン(+
1)から始まるであろう。第2の理論によ
れば、親水性配列が組織プラスミノーゲン
活性化因子の機能に関与すると考えられて
おり、この機能は、10000ダルトンのペプ
チドが天然プラスミノーゲンのアミノ末端
部分(アミノ末端残基に因んで名付けられ
たGlu−プラスミノーゲン)から開裂され
て、Lys−プラスミノーゲンとよばれる新
しいアミノ末端を有するより小さい分子と
なるときにプラスミノーゲンで観察される
のと同様な機能であると考えられる。Lys
−プラスミノーゲンは、Glu−プラスミノ
ーゲンよりも活性化されてプラスミンにな
り易く、また線維素に対する親和力もより
大きい。プラスミンはGlu−プラスミノー
ゲンからLys−プラスミノーゲンへの転換
を触媒することが判明している。この種の
コントロールメカニズは“ポジテイブフイ
ードバツク”メカニズムとなる。最初に形
成されたプラスミンは、線維素を分解し同
時に天然プラスミノーゲンよりも活性化し
易く基質により堅く結合し易いプラスミノ
ーゲン分子を生成する。その結果、線維素
の分解が促進される。組織プラスミノーゲ
ン活性化因子の親水性ペプチドは同様なメ
カニズムにより、その開裂によつて線維素
への酵素の結合を修飾し得る。いずれにし
ても、35個のアミノ酸配列は、成熟タンパ
クのプレ配列と考えられる。 第6図は、組織プラスミノーゲン活性化
因子発現プラスミドp△RIPA°の構築を示
す概略説明図である。出発プラスミド
pPA25E10を先ずPstで消化して376bp断
片を単離し、次に該断片を図示の如く消化
する。 第7図は、p△RIPA°によつて形質転換
された細胞中で得られた発現産物の線維素
溶解能のフイブリンプレートアツセイの結
果を示す。 第8図は、(本発明の)組織プラスミノ
ーゲン活性化因子のトリプシン消化による
ペプチドのHPLC(高速液体クロマトグラ
フイー)トレース(210nmに於ける吸収)
を示す。矢印は、コロニーライブラリーに
用いるヌクレオチドプローブを設計すべく
使用されたペプチドに対応するピークを示
す。このピークで示されるペプチドの完全
配列は、L−T−W−E−Y−C−D−V
−P−S−C−S−T−C−G−Lである
ことが知見された。ヒト組織プラスミノー
ゲン活性化因子の正しいアミノ酸配列を確
認すべく、他の主たるピークの配列も同様
にして決定され知見された。アミノ酸を示
すペプチドの文字コードを以下に示す。 Asp D アスパラギン酸 Ile I イソロイシン Thr T スレオニン Leu L ロイシン Ser S セリン Tyr Y チロシン Gle E グルタミン酸 Phe F フエニルアラニン Pro P プロリン His H ヒスチジン Gly G グリシン Lys K リジン Ala A アラニン Arg R アルギニン Cys C システイン Trp W トリプトフアン Val V バリン Gln Q グルタミン Met M メチオニン Asn N アスパラギン トリプチツクペプチド解釈(tryptic
peptide analysis)用のサンプルは以下の
如く調製した。1mgのt−PAを100倍容の
1%NH4HCO3に対して透析し、凍結乾燥
した。乾燥サンプルに、尿素0.361g、
EDTA溶液(Na2EDTA50mg/ml)0.03
ml、トリス緩衝液(100ml中に17.3gのト
リス塩基及び29.7mlの1NHClを含有する)
0.3ml及び2−メルカプトエタノール0.01
mlを添加した。 H2Oを添加した容積を0.75mlに調整し、
サンプルを1mlの気密性バイアルに入れ
た。バイアルを8M尿素で上端部に50μ
の空間を残すように充填し、乾燥N2で置
換し、密封した。室温で4時間インキユベ
ートし、50μのヨード酢酸(1N NaOH
中540mg/ml)を添加し、暗所で15分間イ
ンキユベートした。次いで、1%
NH4HCO3を含浸しフオイルで包んだ
SephadexPD−10カラムにかけ、タンパク
を含有する画分の集めた。(ジフエニルカ
ルバミルクロリド(DPCC)処理した)ト
リプシンをt−PAに対して重量比1:100
で添加し、37℃で16時間インキユベートし
た。次いでサンプルを凍結した。
SynchronRP−4カラム逆相クロマトグラ
フイーを使用してSpectra Physics
SP8000HPLC系でHPLC解析した。0.1%
トリフルオロ酢酸水溶液中アセトニトリル
密度勾配(0〜70%)を使用してペプチド
を溶出した。210nm及び280nmに於ける
吸収をモニターした。 第9図は、E.coliでの成熟ヒト組織プラ
スミノーゲン活性化因子の直接発現をコー
ドするプラスミドの構築を示す。50μgの
プラスミドpPA17をSau3A及びHha
で消化し、6%ポリアクリルアミドゲル電
気泳動にかけた。約0.5μgの55bpSau3A
−Hha断片を回収した。同様にして、
80μgのクローンpPA25E10から先ず
300bpPst−Nar断片を単離し次にこの
断片をHhaで消化することにより約3μ
gの263bpHha−Nar断片を精製した。
全ての消化は37℃にて1時間を要して行な
われ、反応産物を溶解し、6%ポリアクリ
ルアミドゲルから電気溶出した。図示の2
種のデオキシオリゴヌクレオチド
5′dAATTCATGTCTTATCAAGT()
と5′dGATCACTTGATAAGACATG
()とを固相ホスホトリエステル法によ
り合成した(文献51参照)。60mMのトリ
ス(PH8)、10mMのMgCl2、15mMのβ
−メルカプトエタノール及び50μCiの
〔γ32P〕ATP(Amersham,5000Cim
mol-1)を含む30μの反応容量中で
100pmoleのオリゴヌクレオチドをリン
酸化し、12ユニツトのT4ポリヌクレオチ
ドキナーゼを添加し、37℃で15分間反応さ
せた。次に、1μの10mMATP及び12ユ
ニツトのT4キナーゼを添加し更に30分間
反応させた。フエノール/CHCl3抽出後、
リン酸化オリゴマー及び5′−ヒドロキシ
オリゴマーを、0.5μgの溶出55bp
Sau3A−Hha断片及び2μgの263bp
Hha−Nar断片と合せてエタノール沈
澱した。これらの断片を、20mMのトリス
−HCl(PH7.5)、10mMのMgCl2、10mM
のジチオスレイトール、0.5mMのATP及
び1000ユニツトのT4DNAリガーゼを含む
60μの反応液中で、室温にて4時間を要
して結合した。混合物を、48ユニツトの
Nar、20ユニツトのEcoR及び40ユニ
ツトBglで1時間消化して(粘着性
Sau3A末端相互の結合による重合を阻
止し)、6%ゲル電気泳動させた。338bp
の産物(約0.1μg)を電気溶出によつて回
収した。プラスミドpPA25E10をNar及
びBglにより消化して、1645bp断片とし
てt−PAコード配列の残部(アミノ酸111
−528)を単離した。プラスミド
pLeIFAtrp103は、LeIFA遺伝子に対して
遠位のEcoR部位が除去された(文献53)
プラスミドpLeFA25の誘導体(文献52)
である。3μgのpLeFAtrp103を、20ユ
ニツトのEcoR及び20ユニツトのBgl
を用いて37℃で90分間消化し、6%ポリア
クリルアミドゲル電気泳動さ、大きい(〜
4200bp)ベクター断片を電気溶出によつ
て回収した。最終的な構築のために、80n
gのEcoR−Bgl pLeIFAtrp103断片
を、100ngの1645bp Nar−Bgl断片
及び20ngの338bp EcoR−Nar断片
と、室温で10時間かけて結合した。この結
合混合物を用いてE.coli K−12株294を形
質転換した。38個の形質転換株からプラス
ミドDNAを調製しEcoRで消化した。こ
のうち10個のプラスミドが所望の600bp及
び472bpEcoR断片を含有していた。
DNA配列解析により確認すると、これら
のプラスミドの1つ(pt−PAtrp12)が
trpプロモーター、合成DNA及びcDNA間
の接合部に所望のヌクレオチド配列を有し
ていた。 第10図は、本発明の組織プラスミノー
ゲン活性化因子発現産物の線維素溶解能の
フイブリンプレートアツセイの結果を示
す。5μg/mlのテトラサイクリンを含む
ルリアブロス(Luria broth)で1晩培養
したE.coli W3110/pt−PAtrp12を、0.2
%のグルコース、0.5%のカザミノ酸及び
5μg/mlのテトラサイクリンを含むM9培
地中に1:100に希釈した。細胞を37℃で
A5500.2になるまで増殖させ、インドール
アクリル酸を最終濃度が20μg/mlになる
まで添加した。A550=0.5−0.6(〜2×108
細胞/ml)で遠心してサンプルを採取し直
ちに凍結した。細胞ペレツトを6Mの塩酸
グアニジンに5×108細胞/mlで懸濁させ、
10秒間超音波処理し、24℃で30分間インキ
ユベートし、次いで25mMのトリス−HCl
(PH8.0)、250mMのNaCl、0.25mMの
EDTA及び0.01%のTween80に対して4
時間透析した。透析後、サンプルを13000
×gで2分間遠心し、10μの上清を分析
して組織プラスミノーゲン活性化因子の活
性を定量した。Granelli−Piperno及び
Reichの方法(文献87)を準用し、プレー
トを37℃で3.5時間インキユベートし溶解
ゾーンを測定した。精製メラノーマ組織プ
ラスミノーゲン活性化因子溶液の希釈液と
比較して定量した。 E.1.B 組織プラスミノーゲン活性化因子 mRNAの起源 ヒトメラノーマ細胞(Bowes)を使用
した(この細胞は、例えばLeuven
Research and Development vzb,
Leuven,Belgium(Dr.D.Collen)等から
制限なく自由に入手可能である。文献88参
照)。炭酸水素ナトリウム(最終濃度0.12
%)、2mMのグルタミン及び10%の熱失
活牛胎児血清を補充した100mlのEarles
Minimal Essential Media(米国バージニ
ア州マツクレーンのFlow laboratories社
製)中で、メラノーマ細胞をコンルエント
な状態になるまで単層培養した。メラノー
マ細胞がヒト組織プラスミノーゲン活性化
因子を有効に産生したことを確認すべく、
24ウエルマイクロタイターでヒトメラノ
ーマ細胞をコンルエントな状態になるまで
培養した。0.33μMのプロテアーゼインヒ
ビター、アプロチニンの存在下又は不在下
で、細胞をリン酸緩衛生理食塩水(PBS)
で1度洗浄し、血清及びメチオニンを含ま
ない培地0.3mlを添加した。75μCiの〔35S〕
−メチオニンを添加し細胞を37℃で3時間
かけて標識した。3時間で標識した後、培
地を細胞から除去し、免疫沈降のために組
織プラスミノーゲン活性化因子特異的IgG
又は免疫前血清で処理した(文献54)。免
疫沈降産物を10%SDSアクリルアミドゲル
電気泳動させ(文献63)、平板ゲルを固定
し、乾燥し、X線蛍光測定した(文献64、
第1図参照)。 E.1.C メツセンジヤーRNAの単離及びサイズ分
画 メラノーマ細胞培養物から得た全RNA
を、Ward et al.の方法(文献55)を準用
して抽出した。細胞を遠心によりペレツト
にし、次に10mMのNaCl、10mMトリス
−HCl(PH7.5)及び1.5mMのMgCl2に再懸
濁させた。NP−40(NONIDET P−40、
米国メリーランド州ロツクヴイルのBRL
(Bethesda Research Laboratories)社
製(最終濃度1%)を添加して細胞を溶解
し、遠心して核をペレツト化した。全
RNAを含む上清を多数回のフエノール/
クロロホルム抽出により更に精製した。水
相を0.2MNaCl溶液にし、次に2倍容のエ
タノールを添加して全RNAを沈澱させた。
オリゴーdTセルロースクロマトグラフイ
ーを用い、全RNA調製物からmRNAを精
製した(文献54)。典型的な収量としては、
10gの培養メラノーマ細胞から5乃至10mg
の全RNA及び50乃至200μgのポリ(A)プラ
スmRNAが得られた。 尿素−アガロースゲル電気泳動を用いて
ポリA+mRNA(200μg)(文献56)の分画
を行なつた。1.75%のアガロース、
0.025Mのクエン酸ナトリウム(PH3.8)及
び6Mの尿素から成る平板アガロースゲル
(文献57及び58)を用いた。電気泳動は25
ミリアンペア、4℃で7時間実施し、次に
ゲルをカミソリの刃で分割した。各スライ
スを70℃で融解し、フエノールで2回、ク
ロロホルムで1回抽出した。次に画分をエ
タノール沈澱し、引続いてイヌのスイ臓ミ
クロソール(文献61)を補充したウサギ網
状赤血球ライゼート系(Bethesda
Research Lab.,文献59及び60)中in
vitroで、以下の如く翻訳してアツセイを
実施した。25mMのHEPES(N,2−ヒ
ドロキシエチルピペラジン−N−2−エン
タスルホン酸緩衝液)、48.3mMの塩化カ
リウム、10mMのリン酸クレアチン、各50
mMの19種のアミノ酸、1.1mMの塩化マ
グネシウム、16.6mMのEDTA、0.16mM
のジチオスレイトール、8.3mMのヘミン、
16.6μg.mlのクレアチンキナーゼ、0.33
mMの塩化カルシウム、0.66mMのEGTA
(エチレングリコール−ビス−(β−アミノ
エチルエーテル)−N,N,N,N−テト
ラ酢酸緩衝液)及び23.3mMの塩化ナトリ
ウムを含む最終容量30μの溶液中で
25μCiの〔35S〕−メチオニン及び500ngの
各ゲルスライスRNAを用いて翻訳した。 30℃で90分間インキユベートした。リボ
ソーム(文献61)を除去すべくEDTAを
用いて粗ミクロソームから調製したイヌの
スイ臓ミクロソーム膜を、文献62に記載の
如くヌクレアーゼで処理し、最終濃度
7A260ユニツト/mlで翻訳混合物中に存在
させた。翻訳産物又は免疫沈降翻訳産物
を、文献63に記載の如く、ドデシル硫酸ナ
トリウム中に10%ポリアクリルアミドゲル
電気泳動にかけて解析した。未染色の平板
ゲルを固定し、乾燥して蛍光測定した(文
献64)。 各ゲル画分から得られた翻訳産物をウサ
ギの抗ヒト組織プラスミノーゲン活性化因
子特異的IgGで免疫沈降させた。主な免疫
沈降ポリペプチドバンドは、分子量約
63000ダルトンのRNA画分No.7及び8(21
乃至24Sの移動度)の翻訳産物中に見られ
た。免疫沈降の際に免疫前IgGを使用する
と前記のバンドが見られなかつた。このこ
とは、これらのポリペプチドが組織プラス
ミノーゲン活性化因子特異的であることを
意味する。 E.1.D 組織プラスミノーゲン活性化因子配列を
含むコロニーライブラリーの調製 5μgのゲル分画mRNA(ゲルスライス7
のmRNA)を使用し、標準法(文献52、
65及び66)で2重鎖、cDNAを調製した。
cDNAを6%ポリアクリルアミドゲルでサ
イズ分画し、350bpより長いcDNA(125n
g)を電気溶出した。ターミナルデオキシ
ヌクレオチジルトランスフエラーゼ(文献
67)を用いて30ngのcDNAにデオキシ(C)
残基をつなぎ、同様にPst部位にデオキ
シ(G)残基(文献67)を末端に結合したプラ
スミドpBR322(文献68)300ngとアニー
ルした。アニールした混合物を次にE.coil
K12株294(ATCC No.31446)に形質転換
し、得られたテロラサイクリン耐性コロニ
ーを、5μg/mlのテトラサイクリン含有
L−ブロス(文献93)を入れたマイクロタ
イタープレートの個々のウエルに接種し
た。4600個の形質転換株のcDNAライブラ
リーをニトロセルロースフイルター上で増
殖させ、各コロニーのDNAをフイルター
に固定した(文献69)。8種のデオキシオ
リゴヌクレオチドdTC(A G)CA(A G)TA
(C T)TCCAを、4種の14ヌクレオチド体
の2種のプール中で固相ホスホトリエステ
ル法(文献51)によつて化学的に合成し
た。32P−標識プローブを前記8種の14ヌク
レオチド体(文献52)のプールから調製し
た。4600個の形質転換株を含有するフイル
ターのセツトを、リン酸ナトリウム(PH
6.8)50mM、5×SSC、超音波処理サケ
精子DNA150μg/ml、5×デンハルト溶
液及び10%ホルムアミド中で、前記標識プ
ローブ5×107c.p.mとハイブリダイズし
た。室温に16時間放置した後、フイルター
を室温で6×SSC及び0.1%SDS中で良く
洗浄し、次いでX−線フイルムに露光し
た。 E.1.E DNAプローブの調製 文献19及び20に記載の方法で精製ヒト組
織プラスミノーゲン活性化因子を得た。 合成プローブの作成の最適領域を見い出
すべく分子を以下の如く検査した。 タンパクをトリブシン消化し易くするた
めに還元及びカルボキシメチル化した。組
織プラスミノーゲン活性化因子2mgのサン
プルを先ず0.01%Tween80に対して室温で
1晩透析した。凍結乾燥したタンパクを次
に0.56Mのトリス−HCl緩衝液(PH8.6)、
8Mの尿素及び5mMのEDTAを含む液12
mlに溶解した。0.1mlのβ−メルカプトエ
タノールを添加してジスルフイド結合を還
元した。反応は窒素下45℃で2時間行なつ
た。1.4Mのヨード酢酸の1N NaOH溶液
1.0mlを添加して還元ジスルフイドをアル
キル化しカルボキシメチル化誘導体を得
た。室温に20分間放置後、0.01%Tween80
に対して室温で18時間透析して反応を停止
し、凍結乾燥した。 得られた凍結乾燥カルボキシメチル化タ
ンパクを3mlの0.1Mリン酸ナトリウム緩
衝液(PH7.5)に再度溶解した。トリプシ
ン(TPCK、L−1−トシルアミド−2−
フエニルエチルクロロメチルケトンで処理
したトリプシン)を(1:50の割合で)添
加し、37℃で消化した。3時間、6時間及
び12時間後にサンプル(0.1ml)を取出し
た。12時間後にトリプシンを再度添加し
た。24時間後にサンプルを凍結して反応を
停止し、HPLCに注入できるまで保存し
た。SDSゲルによりサンプルの消化の程度
を測定した。3時間後のサンプルでかすか
なバンドが見られる以外、全てのゲルに変
化はなかつた。このことは、24時間で完全
な消化が行なわれ、大きいペプチドが残存
しないことを示す。 約0.5mlのサンプルを2系列操作型の高
分解能Altex C−8ウルトラスフエア
(ultrasphere)5μカラムに注入した。アセ
トニトリルの勾配を徐々に与えた(5分で
1乃至5%、100分で5乃至35%、30分で
35分乃至50%)。2系列操作のうちの1系
列の操作で溶出液を2つの波長(210nm
及び280nm)でモニターした。2つの波
長での吸収比を用いてトリプトフアンを含
むペプチドを検出した。 多分トリプトフアンを含むと思われるペ
プチドピーク、又は他の理由で有用と考え
られたペプチドピークの配列決定を最初に
行つた。これにより大部分のトリプトフア
ンの周辺の配列を決定し得た。約25個の最
も可能性があると思われるペプチドピーク
の配列決定後、一列に並べた全部の配列デ
ータをプールして組織プラスミノーゲン活
性化因子の一次構造の予備モデルが得られ
た。このデータ及びモデルからいくつかの
可能なプローブの位置を決定した。 E.1.F 組織プラスミノーゲン活性化因子cDNA
配列を含む細菌クローンの同定 5μg/mlのテトラサイクリンを含むLB
(文献93)を入れたマイクロタイタープレ
ートの各ウエルにコロニーを1来ずつ接種
し、7%までDMSOを添加して−20℃に
保存した。コロニーライブラリーの2個の
コピーをニトロセルロースフイルター上で
増殖させ、各コロニーから得たDNAを
Grunstein Hogness法(文献69)でフイル
ターに固定した。 32P−標識−TC(A G)CA(A G)TA(C T)
TCCCAプローブを、前記の如く合成オリ
ゴマーから調製した(前記(W−E−Y−
C−D)14ヌクレオチド体プール)。50m
Mのリン酸ナトリウム(PH6.8)、5×SSC
(文献80)、150μg/mlの超音波処理サケ
精子DNA、5×デンハルト溶液(文献85)
及び10%ホルムアミド中、4600個の形質転
換株を含むフイルターを、室温で2時間プ
レハイブリダイズし、次に同じ溶液中で50
×106カウント/分の標識プローブとパイ
ブリダイスした。室温で、一晩インキユベ
ートし、フイルターを6×SSC及び0.1%
SDS中室温で30分間3回洗浄し、2×SSC
で1回洗浄し、次にDupont Lightning
Plus増感スクリーンでKodak XR−5
X線フイルムに16時間露光した。 ボジテイブなハイブリダイゼーシヨン反
応を示した12個のコロニーからプラスミド
DNAを単離した(文献71)。次に、断片を
M13ベクターmp7(文献73)中でサブクロ
ーン化した後、クローンから得たcDNAイ
ンサートの配列を、chain termination法
(文献72)及びMaxam Gilbert化学法(文
献74)により決定した。第3図は、ポジテ
イブな組織プラスミノーゲン活性化因子ク
ローンのハイブリダイゼーシヨンパターン
を示すフイルターNo.25の図である。コロニ
ー25E10中のcDNAインサートのアミノ酸
配列と、精製組織プラスミノーゲン活性化
因子から得られたペプチド配列(前記)と
の比較、及びE.coli中で産生される発現産
物(詳細は後記)とから、このcDNAイン
サートが組織プラスミノーゲン活性化因子
をコードするDANであることが判明した。
クローン25E10(プラスミドpPA25E10)の
cDNAインサートは、(第5図に示すよう
にヌクレオド243から始まる)2304dpの長
さを有しており、その最長のオープンリー
デイングフレームは508個のアミノ酸から
なるタンパク(MW56、756)をコードし
ており、745bpの3′非翻訳領域を含む。こ
のcDNAクローンにはN−末端をコードす
る配列が欠如している。 E.1.G E.coliでのヒト組織プラスミノーゲン活
性化因子クローンの直接発現 第6図に示す如く、50μgのpPA25E10(前記)
をPstで消化し、6%ポリアクリルアミドゲル
電気泳動で376bpの断片を単離した。この断片約
3μgを電気溶出でゲルから単離し、30ユニツト
のDdeを用いて37℃で1時間消化し、フエノー
ルクロロホルムで抽出し、エタノール沈澱させ
た。これによりDde粘着末端が得られる。反応
混合物に5ユニツトのDNAポリメラーゼ
(Klenow断片)並びに各0.1mMのdATP、
dCTP、dGTP及びdTTPを添加し、4℃で8時
間インキユベートして、前記のDde粘着末端を
伸ばして平滑末端とした。フエノール−クロロホ
ルム抽出後、DNAを15ユニツトのNarで2時
間消化し、反応混合物を6%ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動にかけた。約0.5μgの所望の125bp
平滑末端−Nar断片を回収した。この断片は、
成熟全長組織プラスミノーゲン活性化因子タンパ
クのアミノ酸のうちNo.69からNo.110までのアミノ
酸をコードしている。 1645bp Nar−Bg断片を単離するために、
30μgのpPA25E10を30ユニツトのNar及び
35ユニツトのBglにより37℃で2時間消化し、
反応混合物を6%ポリアクリルアミドゲル電気泳
動にかけた。約6μgの所望の1645bp Nar−
BGl断片を回収した。 プラスミドp△RIexsrcはプラスミド
pSRCex16(文献79)の誘導体てあり、前者に於
いては、trpプロモーターに近位でSRC遺伝子に
遠位のEcoR部位がDNAポリメラーゼ(文献
28)で修復することにより除去されており、ホス
ホトリエステル法(文献75)で合成された自己相
補的オリゴデオキシヌクレオチド
AATTATGAATTCATがXba部位の直ぐ隣
りの残存EcoR部位に挿入されている。20μg
のp△RexsrcをEcoRで完全に消化し、フエ
ノール−クロロホルムを抽出し、エタノール沈澱
した。次に、25mMの酢酸ナトリウム(PH4.6)、
1mMのZnCl2及び0.3MのNaClの中でプラスミ
ドを100ユニツトのヌクレアーゼS1で16℃、30分
間消化し、配列ATGをもつ平滑末端を形成した。
フエノール−クロロホルム抽出及びエタノール沈
澱後、DNAをBamHで消化し、6%ポリアク
リルアミドゲル電気泳動にかけ、大きい
(4300bp)ベクター断片を電気溶出で回収した。 0.2μgのベクター、0.06μgの125bp平滑末端−
Nar断片及び0.6μgの1645bpNar−Bgl断
片とを、10ユニツトのT4DNAリガーゼで、室温
で7時間を要して互いに結合して発現プラスミド
を構築し、E.coli294株(ATCC No.31446)をア
ンピシリン耐性に形質転換すべく使用した。プラ
スミドDNAを26個のコロニーから調製しXba
及びEcoRで消化した。そのうち12個のプラス
ミドが所望の415bpXba−EcoR断片及び
472bpEcoR−断片を含んでいた。DNAの配列
決定により、これらのプラスミドのいくつかが、
出発点であるアミノ酸No.69(セリン)に対して正
しく配置されたATG開始コドンを有することが
確認された。これらのプラスミドの1つ、p△
RIPA°を試験したところ、所望の組織プラスミノ
ーゲン活性化因子を産生していた(第7図)。 E.1.H 全長組織プラスミノーゲン活性化因子
cDAN (a) N−末端組織プラスミノーゲン活性化
因子配列を含むコロニーライブラリーの
調製 0.4μgの合成オリゴヌクレオチド
5′TTCTGAGCACAGGGCG3′(これは
t−PAmRNAのヌクレオチド256−271
に相補的である)を合成し(文献51)、
これをプライマーとして使用し、標準法
(文献65及び66)により、7.5μgのゲル
画分No.8のmRNA(前記)から、二重鎖
cDNAを調製した。cDNAを6%ポリア
クリルアミドゲルでサイズ分画した。
300bpより大きいサイズ画分(36ng)を
電気溶出した。ターミナルデオキシシチ
ジルトランスフエラーゼ(文献67)を用
いて5ngのcDNAにデオキシ(c)残基を
つなぎ、同様にPst部位(文献67)に
デオキシ(G)残基をつないだ50ngのプラ
スミドpBR322(文献68)とアニールし
た。次にアニールした混合物をE.coli
K12株294に形質転換した。約1500個の
形質転換株が得られた。 (b) ヒトゲノムDNAのサザンハイブリダ
イゼーシヨン cDNAのプライミング反応が、クロー
ンpPA25E10のN−末端から13bpのハイ
ブリダイズした合成断片を用いて行なわ
れたので、(16ヌクレオチド体配列を含
む)この29bp領域には、cDNAクロー
ンをスクリーニングするための適当な制
限断片は得られなかつた。従つて、N−
末端組織プラスミノーゲン活性化因子を
コードしている配列を含みプライマーで
伸延したcDNAクローを固定するために
は、ヒト組織プラスミノーゲン活性化因
子ゲノムのクローン(文献76)を単離す
ることが必要であつた。 このプロセスの第1段階では、唯一の
相同組織プラスミノーゲン活性化因子の
遺伝子がヒトゲノムDNA中に存在する
ことを確認した。このためにサザンハイ
ブリダイゼーシヨンを実施した。この方
法に於いては、5μgの高分子量ヒトリ
ンパ球DNA(文献80の如く調製)を種々
の制限エンドヌクレアーゼで完全に消化
し、1.0%アガロースゲル電気泳動(文
献81)にかけ、ニトロセルロースフイル
ターにブロツトした(文献77)。 pPA25E10のcDANインサート
(232bpRsa−Pst断片)の5′末端か
ら32P−標識DNAプローブを調製し(文
献76)、前記ニトロセルロースフイター
とハイブリダイズした(文献82)。35×
106カウント/分のプローブを40時間ハ
イブリダイズし、次に洗浄した(文献82
参照)。2種のエンドヌクレアーゼ消化
パターンから唯一のハイブリダイズ
DNA断片:Bgl(5.7Kbp)及びPvu
(4.2Kbp)が得られた。2種のハイ
ブリダイズDNA断片がHinc(5.1Kbp
及び4.3Kbp)で観察された。両者を総
合したデータによれば、ヒトゲノム中に
唯一の組織プラスミノーゲン活性化因子
が存在すること、及び該遺伝子が少なく
とも1個の介在遺伝子を有することが判
明した。 (c) 組織プラスミノーゲン活性化因子遺伝
子用ヒトλフアージライブラリーのスク
リーニング 組織プラスミノーゲン活性化因子遺伝
子を担うλフアージ組換体を同定するた
めに、組織プラスミノーゲン活性化
pPA25E10のcDNAから調製された放射
性プローブとのヌクレオチド相同性を検
出する方法を用いた。10万個の組織λフ
アージを10000pfu/15cmプレートの密度
でDP50Sup Fを宿主としてプレートア
ウトし、Benton及びDavisの方法(文献
78)により、各プレート毎にニトロセル
ロースフイルターレプリカを調製した。
標準法(文献83)を使用し、プラスミド
pPA25E10の232bpRsa−Pst断片を
用いて、32P−標識DNAプローブを調製
した。50mMのリン酸ナトリウム(PH
6.5)、5×SSC(文献77)、0.05mg/mlの
超音波処理サケ精子DNA、5×デンハ
ルト溶液(文献84)及び50%ホルムアミ
ド中で、各ニトロセルロースフイルター
を42℃で2時間プレハイブリダイズし、
次に、10%デキストラン硫酸ナトリウム
(文献85)を含む同じ溶液中で、50×106
カウント/分の標識プローブとハイブリ
ダイズした。42℃で1晩インキユベート
し、フイルターを0.2×SSC及び0.1%
SDS中50℃、30分間で4回洗浄し、2×
SSCで室温で1回洗浄し、次にDupont
Cronex増感スクリーンでXR−5、X−
線フイルムに1晩露光した。全部で19個
のクローンがプローブとハイブリダイズ
した。6個の組換体から文献86に記載の
方法でフアージDNAを調製した。コロ
ニースクリーニング用のPvu断片を調
製するために、これらのポジテイブなハ
イブリダイゼーシヨンを示す組換体の中
からλクローンCを選択した。30μgの
DNAをPvuを用いて37℃で1時間消
化し、1.0%アガロースゲル電気泳動に
かけた。組織プラスミノーゲン活性化因
子をコードする配列を含有することが既
に判明した、4.2Kbpの断片を電気溶出
して精製した。後述の如きコロニーハイ
ブリダイゼーシヨンを行なうために標準
法(文献83)を用いて32P−標識プロー
ブを調製した。 (d) 5′−組織プラスミノーゲン活性化因子
配列のためのコロニーライブラリーのス
クリーニング コロニーをプレートからニトロセルロ
ースフイルターに移して増殖させ、各コ
ロニーから得たDNAをGrunstein−
Hogness法(文献69)でフイルターに固
定した。単離した組織プラスミノーゲン
活性化因子λゲノムのクローンから
4.2KbpPvu断片の仔牛胸線(文献83)
プライミングによつて32P−標識プロー
ブを製造した。1、500個の形質転換株
を含むフイルターを112×106cpmの32P
−ゲノムPvu断片とハイブリダイズし
た。 Fritsch et al.により記載された条件
(文献82)を用いてハイブリダイゼーシ
ヨンを16時間継続した。フイルターをよ
く洗い次にDupont Lightning−Plus増
感スクリーンと共にKodakXR−5 X
−線フイルムに16乃至48時間露光した。
18個のコロニーが明らかにゲノムプロー
ブとハイリダイズした。プラスミド
DNAをこれらのコロニーの各々から単
離し、ニトロセルロースフイルターに固
定し、最初のプラスイミング反応に使用
した32P−標識合成オリゴヌクレオチド
(16ヌクレオチド体)とハイブリダイズ
した。18個のクローンのうちの7個がキ
ナーゼによつて活性化した16ヌクレオチ
ド体とハイブリダイズした。m13ベクタ
ーmp7(文献73)中での断片のサブクロ
ーン化後に配列を解析すると、1種類の
クローン(pPA17)が組織プラスミノ
ーゲン活性化因子の正しい5′末端領域、
シグナルリーダー配列及び84bp5′非翻訳
領域を含むことが判明した。 pPA17のcDNAインサートの長さは
271bpである。これはその合成にプライ
マーとして使用したヘキサデカヌクレオ
チド配列を含んでおり、これによりその
DNA配列をpPA25E10の配列と合わせ
て整列することが可能になつた。これら
2種のcDNAクローンpPA25E10及び
pPA17から、t−PAのヌクレオチド配
列及びそれに対応するアミノ酸配列を決
定した(第5図)。2種のクローン
pPA25E10及びpPA17から、第5図の完
全ヌクレオチド配列及び全長組織プラス
ミノーゲン活性化因子クローンの制限パ
ターン(第4図)を決定した。 完全な2530bp cDNA配列は単一のオ
ープンリーデイングフレームを含んでお
り、これはヌクレオチド85〜87のATG
コドンで始まつている。このATGの下
流に562個のコドンがあり、その後ヌク
レオチド1771〜1773にTGA停止トリプ
レツトがある。このATGは、最初に遭
遇するものであり、かつ、このATGの
上流ヌクレオチド4〜6の位置には相内
に停止コドンがあるので、これらが恐ら
く翻訳開始部位として働いている。アミ
ノ酸No.1と印したセリンは、精製メラノ
ーマ細胞t−PAのNH2−末端の配列決
定に基づいている。このセリンの前に35
個のアミノ酸があり、このうちNH2−
末端の20〜23個は、t−PAの分泌に関
与する疏水性シグナルペプチドを構成し
ていると思われる。残りの12〜15個の親
水性アミノ酸は成熟t−PAの第一アミ
ノ酸の直前にあり、血清アルブミンに見
られるものに類似する“プロ”配列を構
成している。3′−非翻訳領域は759個の
ヌクレオチドから成り、ヘキサヌクレオ
チドAATAAA(位置2496〜2501)を含
んである。このヘキサヌクレオチドは、
多くの真核生物mRNAのポリアデニル
化部位の上流にある。 天然の組織プラスミノーゲン活性化因
子の分子は、35個のシステイン残基を有
しており、従つて17個のジスルフイド結
合により安定化される可能性を有する。
第12に示した概略図は、他のセリンプ
ロテアーゼとの相同性に基づいて構成さ
れる。4個の可能なN−グリコシル化部
位があり、このうち3個はクリングル領
域のasn117、asn184、asn218に存在して
おり、他の可能な部位はL鎖領域の
asn448に存在している。構造上のオリゴ
糖リガンドの違いが種々の分子形態(分
子量65000及び63000の種)の原因であ
る。 アミノ酸分析用のt−PAサンプルは、
0.1%NH4HCO3に対して充分に透析し
減圧乾燥して調製した。残基を6N HCl
に懸濁し、バイアルを真空密封した。加
水分解は110℃で24時間実施した。次い
で、得られた加水分解物をBeckman
System6300アミノ酸分析器で解析した。 分子量は、ゲル分析により以下の如く
決定した。 Laemmliの方法(文献63)を使用し
てSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
を行なつた。ゲルは、10%アクリルアミ
ド及び0.27%メチレンビスアクリルアミ
ドから成つていた。サンプルの還元が必
要なときには、メルカプトエタノールの
代わりにジチオスレイトールを用いて還
元し、Bio−Rad低分子量SDS標準混合
物を標準として使用した。Morrissey、
Anal.Biochem.117、307(1981)の方法
に従つて銀染色を行なつた。 種々の分子量を有するt−PAを、溶
出液としてアルギニンを用いてリジン−
セフアロース上で分離した。単離したタ
ンパクは、検出可能な量のSDSゲル電気
泳動による交差汚染(cross
contamination)を含まなかつた。各タ
イプのタンパクを、先ず還元し、カルボ
キシメチル化し、前記の如くトリプシン
消化した。この消化性生物を、Con−A
−アガロース(Sigma社製)にかけ、
0.2Mのα−メチルマンノシドで溶出し
た。Con−A樹脂に結合し、α−メチル
マンノシドで溶出するペプチドを、前記
HPLCを用いて解析した。高分子量のt
−PAは3種の主要なペプチドを含んで
おり、低分子量のt−PAは2種のCon
−Aに結合するペプチドを含んでいた。
これらのペプチドをタンパク質配列分析
により同定した。その結果、(1)両者のタ
イプのt−PAにおいて残基117及び448
がグリコシル化されており、対応するト
リプチツペプチドがCon−Aと結合して
いること、(2)高分子量のタイプのt−
PAでは残基184がグリコシル化され、
Con−Aに結合しているが、低分子量の
タイプのt−PAは、グリコシル化残基
184を含有しているCon−Aに結合する
ペプチドを含んでないこと、及び、(3)残
基218のアスパラギンがグリコシル化さ
れていないようであることが判明した。 E.1.I E.coli中での全長組織プラスミノーゲン活
性化因子cDNAクローンの直接発現 部分クローンpPA17とpPA25E10との双
方に共通のHha制限エンドヌクレアーゼ
部位を用いることにより、完全コード配列
の再構築が可能であつた。アミノ酸5−23
に対応する55bp Sau3A−Hha制限断
片をプラスミドpPA17から単離した。
Sau3A制限部位は推定成熟コード配列
のコドン4に位置しており、シグナルペプ
チドをコードする領域を除去すべく使用し
た。同様に(アミノ酸24−110をコードす
る)263bpHha−Nar断片をプラスミ
ドpPA25E10から単離した。アミノ酸1−
4のコドンを再生しATG翻訳開始コドン
を組込んでEcoR粘着末端を形成する2
種の合成デオキシオリゴヌクレオチドを設
計した。次に、これら3種の断片を互いに
結合し、アミノ酸1−110をコードする
338bp断片を形成した。次に該断片及び
pPA25E10から得た1645dp Nar−Bg
断片を、プラスミドpLe IFAtrp103(文献
53)のEcoR部位及びBgl部位の間に
結合し、発現プラスミドpt−PAtrp12を
調製した。trpプロモーター、オペレータ
ー及びtrpリーダーペプチドのシヤイン−
ダルガルノ配列を含むリーダーペプチド
ATG開始コドン(文献52を含まないE.
coli trpオペロンの300bp断片の制御下で
クローン化t−PA遺伝子を転写した。 プラスミドpt−PAtrp12を含むE.coli
K12株 W3110(ATCC No.27325)を増殖
し、線維素溶解能アツセイのための抽出物
を調製した。調製プラスミノーゲン活性化
因子の活性を測定する1つの方法としてフ
イブリンプレートアツセイ(文献87)があ
る。この方法では、プラスミノーゲン及び
線維素を含むアガロースプレート中でのプ
ラスミンによる線維素の消化の程度を測定
することによつてプラスミン生成量を測定
する。プラスミンはフイブリンプラスミン
中に透明な溶解ゾーンを形成し、このゾー
ンの面積をサンプル中の組織プラスミノー
ゲン活性化因子の量と相関させ得る。フイ
ブリンプレートアツセイを使用して、pt−
PAtrp12クローンから得た抽出物の組織プ
ラスミノーゲン活性化因子の活性を試験す
ると、透明溶解ゾーンが明らかである。こ
の線維素溶解能は抗t−PAIgGによつて
阻害されるが、免疫前IgG又は抗ウロキナ
ーゼIgGによつては阻害されない。対照と
白血球インターフエロンプラスミドpLe
IFA trp103を含む細胞から得られた抽出
物について試験したところ、活性は全く検
出されなかつた。精製t−PAについて得
られた標準曲線によれば、109個の細胞当
たり約20ユニツトの抽出活性が得られると
推定し得る(精製t−PAでは、
90000Plough)ユニツト=1mg)(第10
図)。 E.1.J 配列解析 配列解析はEdamn分解(文献83b)に基
づいて行なつた。サンプルを
Beckman890B又は890Cスピンカツプシー
ケンサー(spinning cup sequencer)の
カツプに導入した。カツプ内の担体とし
て、ポリブレンTM(ポリ−N,N,N1,
N1−テトラメチル−N−トリメチレンヘ
キサメチレン ジアンモニウム ジアセテ
ート)(文献63c)を使用した。シーケンサ
ーを寒冷トラツプ及びいくつかのプラグラ
ム変化によつて変更し、バツクグラウンド
ピークを低減させた。試薬としては、
Beckman′sシーケンスグレード0.1M
Quadrol緩衝液、フエニルイソチオシアネ
ート及びヘプタフルオロ酪酸を用いた。 収集したEdamnサイクルをマニユアル
に従つて2−アニリノ−5−チアゾリノン
誘導体に転換した。1−クロロブタンを窒
素下で乾燥した。次いで、1.0NのHCl水
溶液を2−アニリノ−5−チアゾリノンに
添加し、70℃で10分間加熱して3フエニル
−2−チオヒダントイン(PTH誘導体)
に転換した。次に、PTH−アミノ酸残基
を50%アセトニトリル及び水に溶解し、逆
相高圧液体クロマトグラフに注入した。次
に、転換バイアル内に導入されシーケンサ
ーからのサイクルと同様にして処理された
PTH−アミノ酸の標準混合物の保持時間
との比較によつて各PTH−アミノ酸を同
定した。 E.1.K 組織プラスミノーゲン活性化因子の発現
検出アツセイ 1 プラスミン形成の直接アツセイ a 論理 組織プラスミノーゲン活性化因子の
感度のよいアツセイは、組織プラスミ
ノーゲン活性化因子が触媒するプラス
ミノーゲンからプラスミンへの転換を
モニターして行なうことができる。プ
ラスミンは色素原基質アツセイが可能
な酵素である。これらのアツセイは、
発色団のトリペプチドのタンパク分解
的開裂に基づく。開裂速度は、被検プ
ロテアーゼの特異性及び濃度の双方に
直接関連する。組織プラスミノーゲン
活性化因子を含む溶液をプラスミノー
ゲン溶液とインキユベートした後に形
成されるプラスミンの量の測定がアツ
セイのベースとなる。活性化因子の量
が多い程、形成されるプラスミンの量
も多い(Kabi Group、Inc.,
Greenwich、CTから購入した)色素
原基質S2251の開裂をモニターするこ
とによりプラスミンを測定する。 b 手順 サンプルを(0.012MのNaClを含む
0.05Mのトリス−HCl、PH7.4中の)
0.7mg/mlのプラスミノーゲン0.10ml
と混合し容量を0.15mlに調整する。混
合物を37℃で10分間インキユベート
し、0.35mlのS2251(上記緩衝液中の
1.0mM溶液)を添加し、37℃で反応
を30分間継続する。氷酢酸(25μ)
を添加して反応を停止させる。サンプ
ルを遠心し405nmでの吸収を測定す
る。標準ウロキナーゼ溶液との比較に
より活性量が定量できる。溶液にフイ
ブリノーゲン(0.2mg)を添加し、こ
れにより全長組織プラスミノーゲン活
性化因子を検出すべくアツセイ条件を
変更した。フイブリノーゲンは検出さ
れる組織プラスミノーゲン活性化因子
の活性を刺激し、従つて活性レベルを
やや上昇させる。活性をPloughユニ
ツトで記録した。90000Ploughユニツ
トは、精製組織プラスミノーゲン活性
化因子1mgが示す活性に等しい。 2 プラスミン形成の間接アツセイ a 理論 組織プラスミノーゲン活性化因子の
活性の感度の良いアツセイが開発され
た(文献87)。このアツセイは、線維
素及びプラスミノーゲンを含む寒天プ
レート中でのプラスミンによる線維素
消化の程度を測定することによつてプ
ラスミン形成を決定することに基づ
く。プラスミンはフイブリンプレート
中に透明な溶解ゾーンを形成する。こ
の溶解ゾーンの面積をサンプル中の組
織プラスミノーゲン活性化因子の量と
相関させ得る。 b 手順 Granelli−Piperno及びReichの方
法(文献87)に準じで、プレートを37
℃で3.5時間インキユベートして溶解
ゾーンを測定した。標準ウロキナーゼ
溶液との比較によつて定量をおこなつ
た。 E.1.L 組織プラスミノーゲン活性化因子の活性
の検出 1 細菌増殖及びサンプル調製 20μg/mlのアンピシリンを含む5ml
のLB増殖培地を入れた試験管にプラス
ミドp△RIPA°を含むE.coliコロニーを
接種した。細胞を37℃で1晩増殖させ
た。この培養物のサンプルを、20μg/
mlのアンピシリンを含む300mlのM9倍地
に1:100で希釈した。細胞を37℃の振
盪フラスコ中で4時間増殖したところ、
550nmの吸光度が0.419になつた。トリ
プトフアンに類似のインドールアクリル
酸を濃度30μg/mlまで添加した。細胞
を90分間インキユベートしたところ、
550nmの吸光度が0.628にたつた。遠心
により細胞を回収し、0.01MのEDTAを
含む0.8mlの0.01Mトリス(PH8.0)に再
懸濁させた。得られた懸濁液を室温で18
時間急激に撹拌した。サンプルを遠心
し、上清を用いて組織プラスミノーゲン
活性化因子の活性をアツセイした。 pt−PAtrp12の発原に関しては、E.1.
A.第10図の説明に於ける詳細な記載
を参照されたい。 2 活性検出 表1および表2は、アツセイに用いた
E.coli抽出物の各々が示したプラスミノ
ーゲンの活性化の結果を示す。活性はプ
ラスミノーゲンの存在に依存して発生す
る(表1参照)。この活性は、ウサギの
免疫前血清の影響を受けないが、精製メ
ラノーマ細胞から誘導された組織プラス
ミノーゲン活性化因子(文献88)に対す
る抗血清により顕著に阻害される(表1
及び表2参照)。これは、E.coli抽出物
がプラスミノーゲンを活性化する活性を
生成し、この活性が組織プラスミノーゲ
ン活性化因子に対する抗体によつて阻害
されることを示す。 第7図は線維素溶解能に関するフイブ
リンプレートアツセイの結果を示す。中
央の縦列の下から上に向かつて濃度
0.24、0.14、0.10、0.05及び0.02Plough
ユニツトで標準量のウロキナーゼを添加
した。右側の縦列は、各ウエルに同量の
酵素を添加した天然組織プラスミノーゲ
ン活性化因子のサンプルであり、同縦列
の下から上に向かつて組織プラスミノー
ゲン活性化因子、組織プラスミノーゲン
活性化因子+免疫前血清、組織プラスミ
ノーゲン活性化因子+組織プラスミノー
ゲン活性化因子抗体が各ウエルに収容さ
れている。左側の縦列の各ウエルは8μ
の組換組織プラスミノーゲン活性化因
子E.coli抽出物を収容しており、下から
上へ向かつて、第1ウエルは抽出物の
み、第2ウエルは免疫前血清が添加され
た抽出物及び第3ウエルは組織プラスミ
ノーゲン活性化因子抗体が添加された抽
出物をそれぞれ含む。免疫前血清が天然
及び組換組織プラスミノーゲン活性化因
子に影響を与えないこと、並びに組織プ
ラスミノーゲン活性化因子抗体が天然抽
出物及びE.coli抽出物の双方の活性を阻
害することが明らかである。ウロキナー
ゼ標準に基づいて、抽出物は2.8Plough
ユニツト/mlよりやや少ない活性を含有
している。この値は表1の1.3Ploughユ
ニツト/mlより有利である。 以下の表1及び表2は前記のE.1.K.1.
bに記載の如く実施されたアツセイの結
果を示す。 【表】 減算し抽出物で得られた値で除算し
たパーセント活性。
【表】 第10図は、組織プラスミノーゲン活
性化因子発現プラスミドを含むE.coliの
10L発酵培養物からの抽出物を用いて実
施したフイブリンプレートアツセイの結
果を示す。組織プラスミノーゲン活性化
因子を含む抽出物の線維素溶解能が第1
0図のウエルaで示されるこの線維素溶
解能は抗t−PA IgG(ウエルc)によ
り阻害されるが、免疫前IgG(ウエルb)
又は抗ウロキナーゼIgG(ウエルd)で
は阻害されない。また、対照としての白
血球インターフエロンプラスミドpLe
IFAtrp103(ウエルh)を含む細胞で調
製された抽出物では活性が全く検出され
ない。ウエルe、ウエルf及びウエルg
はそれぞれ0.2、0.1及び0.02ユニツトの
精製されたメラノーマt−PAを含む。 E.2 MTXに対する結合親和力の低いDHFRタ
ンパクを使用するt−PAの産生 E.2.A ベクターの構築 ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子
(t−PA)をコードする配列をMTXに対
する結合親和力の低い突然変異DHFRを
含む発現プラスミドに以下の手順で挿入す
る(第11図)(ヨーロツパ特許出願公開
第117060号および対応する特開昭59−
192089号公報参照)。 オーバーラツプするt−PAプラスミド、
pPA25E10、pPA17及びpt−PAtrp12(前
記)から3種の断片を以下の如く調製し
た。プラスミドpPA17をDdeIで消化し、
Klenow DNA ポリメラーゼを用いて
充填し、Pstで再度切断した。その結果
精製された5′末端t−PA配列を含む約
200bpの断片を単離した。第2のt−PA
断片を得るために、pt−PAtrp12をPst
及びNarで消化し、約310bpの断片を単
離した。第3のt−PA断片を得るために、
pPA25E10をNar及びBglで消化し、
約1645bpの断片を単離した。最後の断片
はt−PAをコードする領域の殆どを含ん
でおり更にいくらかの3′非翻訳配列を含ん
でいる。 HBV表面抗原を発現するプラスミド
pE342(PHBs348−Eとも指称される)は、
1983年3月9日付で公開されたLevinson
et al.のヨーロツパ特許出願公開第
0073656号および対応する特開昭58−56685
号公報に記載されている。該出願を引用し
て本明細書中に包含する。要約すれば、サ
ルウイルスSV40のオリジンを単離するた
めに、SV40 DNAをHindで消化してコ
ンバーター(AGCTGAATTC)を添加し
てHind末端に変換した。このDNAを
Pvuで切断しRIリンカーを添加した。
EcoRで消化後、オリジンを含む348bp
断片をポリアクリルアミドゲル電気泳動及
び電気溶出で単離し、pBR322中でクロー
ン化した。HBV(Animal Virus
Geneics,(Ch.5)Acad.Press.N.Y.
(1980))のEcoR及びBglによる消化
で得られた1986bp断片(これはHBs Ag
をコードする遺伝子を含んでいる)を、
EcoR部位及びSamH部位でプラスミ
ドpML(Lusky et al.,Nature,293:79
(1981))にクローン化して発現プラスミド
PHBs348−Eを構築した。(pMLは、サル
細胞中でのプラスミド複製を阻害する配列
が除去された欠失を有するpBR322の誘導
体である)。得られたプラスミド(pR−
Bgl)を次にEcoRで直線化し、SV40の
オリジン領域を示す348bp断片をpR−
BglのEcoR部位に導入した。オリジン
断片はいずれの配向でも挿入され得る。こ
の断片は複製のオリジン以外に初期及び後
期のSV40のプロモーターをコードしてい
るので、オリジンの配向次第でどちらかの
プロモーターが作用し該プロモーターの制
御下でHBV遺伝子が発現し得た。(PH
BS348−Eは初期プロモーターの制御下で
発現したHBsを示す)。pE342を修飾する
ために、pE342をEcoRで部分消化し、
Klenow DNAポリメラーゼを用いて開
裂部位を充填し、プラスミドを再結合し、
これにより、pE342中のSV40オリジンに
先行するEcoR部位を除去する。得られ
たプラスミド即ちpE342△R1をEcoRで
消化し、Klenow DNAポリメラーゼを
用いて充填し、BamHで再度切断する。
アクリルアミドゲル電気泳動後、約
3500bp断片を電気溶出し、フエノール/
クロロホルム抽出し、エタノール沈澱させ
る。 前記の如く調製されたpE342 3500bpベ
クター及び約2160pbの前記t−PA断片を
標準法により互いに結合した。t−PAを
コードする3種の断片を適正方向で含むプ
ラスミドを単離し、特性決定し、pE342−
t−PAと命名した。このプラスミドを
Sacで消化し細菌性アルカリ性ホスフア
ターゼ(BRL社製)で処理した。DHFR
配列を(該配列の発現用制御配列と共に)
与えるために、pEHERのSac消化によ
つて約1700bpの断片を生成した。(pHER
は前記米国特許出願第459151号明細書およ
び対応する特許出願公開第117060号並びに
特開昭59−192089号公報に記載の突然変異
DHFRを発現するプラスミドである)。即
ち、pEHRは第13図に示す如く調製され
たプラスミドであり、pE342は1983年3月
9付で公開されたLevinson等のヨーロツ
パ特許出願公開第0073656号および対応す
る特開昭58−56685号公報に記載されてお
り、pHBV−T−1A及びpSVRはLiu等の
DNA、1:213(1982)に記載されており、
pFR400は以下の如く調製される。 SV40複製オリジンを含む540bpのHind
−Hind断片(Liu等、DNA1:213
(1982))をEcoR部位とHind部位との
間でプラスミドpML(M.Lusky及びM.
Botchan.Nature293:79(1981))に結合し
た。Hindで消化する前に4dNTPの存在
下でKlenow DNAポリメラーゼを添加
して該プラスミドのEcoR部位とSV40の
Hind部位とを平滑末端化した。得られ
たプラスミドpESVをHind及びBamH
により消化し、2900bpのベクター断片
を単離した。該断片に対し、EcoR部位
にポリリンカー(多数制限部位を含む
DNA断片)を含むように修飾されたHBV
からの2025bpのHind−Bgl断片を結
合した。HBV断片は表面抗原遺伝子を含
んでおり、前出のLiu等、DNA1:213、
1982に記載の如くクローン化したHBV
DNAのEcoR−Bgl消化によつて得ら
れる。二重鎖リンカーDNA断片
(
5′dAAGCTTATCGATTCTAGAAATT
C3′…)をHind及びEcoRによつて消
化し、HBV断片に付加し、EcoR−Bgl
断片をHind−Bgl断片に転換した。
リンカーとHBV断片とベクターとから成
る三部分を同時に結合することも可能であ
るが、先ずHind−EcoRリンカーをク
ローン化したHBV DNAに付加し、次に
制限酵素を用いるプラスミドの同時消化に
よつてHind−Bgl断片を切除する方法
がより有利であるためこの方法を使用し
た。得られたプラスミドpCVESVHBV
は、pBR322由来のpMLからの細菌性複製
オリジンと同じくpMLからのアンピシリ
ン耐性マーカーと、消化HBV断片の転写
を初期プロモータが指示するように配向さ
れたSV40断片とHBVからの表面抗原遺伝
子とを含む。HBV断片はまた哺乳類細胞
の細胞質に通常形成される如きポリアデニ
ル化mRNAを産生するためのポリアデニ
ル化シグナルを与える。HBsAgコード領
域は、EcoRIによる消化と前記の如き
Klenow DNAポリメラーゼによる末端充
填とBamHIによる部分消化とによつて除
去される。DHFRをコードするcDNAか
らのFnu4H−Bgl断片が該領域に挿入
される。得られたプラスミドは第14図に
示されている。pFD11は野性型DHFR
cDNAプラスミドpDHFR−11(Nunberg
等、Cell 19:355(1980))のFnu4H−
Bgl断片を用いて構築されたものであ
り、pFR400はpFR400.12からの同様の断
片を用いて構築されたものである。 pR400.12は、メトトレキセート耐性
DHFRをコードするDNA配列を含む組換
プラスミドであり、突然変異3T 6R400細
胞(D.A.Haber及びR.T.Schimke,
Cell.26:355(1981))からmRNAを単離
し、単離mRNAからcDNAライブラリー
を調製し、Pst開裂pBR322にcDNAを
結合し、E.coli株294(ATCC 31446)を形
質転換し、ネズミのDHFR cDNA(J.H.
Nunberg等、前出)からのcDNAインサ
ートのPst−Bgl消化物を用いて形質
転換体をプローブし、適正な突然変異
DHFRコード配列を有するプラスミドを
含むコロニーを選択することによつて調製
される。この断片をpE342−t−PAプラ
スミドに結合し、pETPAER400を作製し
た。該プラスミドはpEHERに類似してい
るがHBsAgをコードする領域がt−PAか
らのcDNA配列で置換されている。 E.2.B t−PA配列の発現及び増幅 Graham及びVan der Ebの方法(前記)
でpETPAER400(pETPER)をdhfr-
CHO−DUX B11細胞及びDHFR+CHO−
K1(ATCC CCL61)細胞にトランスフエ
クトした。グリシン、ヒポキサンチン及び
チミジンを含まない培地で増殖し形質転換
されたdhfr-を細胞を選択した。100nM以
上のMTX中で増殖して形質転換された
DHFR+細胞を選択した。適当な選択培地
上に発生したコロニーを、クローン化した
リングで単離し同じ培地中で数世代まで増
殖した。 増殖のために、コロニーから細胞を分割
して5×104、105、2.5×105、5×105及び
106nMのMTXを含む培地に入れ、この操
作を数回繰返した。極めて低い細胞密度
(102−103細胞/プレート)で細胞を10cm
の皿にプレートし、得られたコロニーを単
離した。 E.2.C アツセイ方法 トランスフエクトされ増幅されたコロニ
ー中のt−PAの発現は、E.1.K.1.bで説明
した方法(前記)と同様の方法で簡便に検
定され得る。 DHFR及びt−PA配列の同時増幅は、
増幅されたコロニーのコンフルエントな単
層から下記の如くDNAを単離してアツセ
イする。150mmプレートのコンフルエント
な単層を50mlの無菌PBSで洗浄し、5ml
の0.1%SDS、0.4MCaCl2及び0.1M EDTA
(PH8)を添加して溶解する。5乃至10分
後、混合物を取出し、フエノール抽出し、
クロロホルム抽出し、エタノール沈澱させ
る。0.1mg/mlまでRNaseを添加した10m
Mトリス−HCl(PH8)及び1mMEDTA
(TE)からなる液1ml(150mmプレート当
たり)にDNAを再懸濁させ、溶液を37℃
で30分間インキユーベートする。次にSDS
を0.1%まで添加し、プロナーゼ(シグマ
社製)を0.5mg/mlまで添加する。37℃で
3乃至16時間インキユベートした後、溶液
を再度フエノール抽出、クロロホルム抽出
し、エタノール沈澱させる。DNAペレツ
トを0.5mlの水に再懸濁させ、制限酵素で
消化する、約5乃至10μgの消化DNAをア
ガロースゲル[1%のアガロースを含むト
リス−酢酸緩衝液(40mMトリス、1mM
EDTA、酢酸でPH8.2に調整)]の電気泳
動にかける(Crouse et al.,J.Biol.
Chem.,257:7887(1982))。ブロモフエノ
ールブルー染料がゲルの厚み2/3まで移行
した後、ゲルを取出し臭化エチジウムで染
色する。紫外線でDNAを見えるようにし、
サザン法(J.Mol.Biol.,98:503(1975))
によりDNAをゲルからニトロセルロース
フイルターに移行させる。次にフイルター
を、(前記の如く調製されハイブリダイズ
された)pEHERの1700bpSac断片から
製造されたニツク翻訳プローブとハイブリ
ダイズさせる。 E.3 野生型DHFRタンパクを使用するt−PA
の産生 E.3.A ベクターの構築 pETPERの構築に使用した方法と同様
の方法で、野性型DHERをコードする
DNA配列を含むプラスミドpETPFRを構
築した。実施例E.2.Aに記載の如く構築す
るが、DHFRタンパク遺伝子配列の起源
としてプラスミドpEHERの代わりに、プ
ラスミドpE342.HBV.E400、D22(米国特
許出願番号459、152号(1983年1月19日出
願)および対応するヨーロツパ特許出願第
117058号および対応する特開昭59−173096
号公報参照)を使用した。野性型DHFR
と突然変異株DHFRとの間の1個の塩基
対の相違以外はプラスミドpE342.HBV.
E400.D22はpEHERと同様である。該プラ
スミドはpFD11をpFR400に置きかえて
pEHERと同様にして構築される(第13
図及び第14図参照)。又は、第15図の
pE342.D22はpDHFR−11(Nunberg、前
出)から由来しており、(pE342の初期プ
ロモータの上流のEcoR部位の欠失によ
り得られた)pE342△R1は第16図に記載
されている。従つて、得られるプラスミド
pETPFRは全ての点でpETERと類似して
いるが、突然変異DHFRをコードする
DNA配列の代わりに、野性型DHFRをコ
ードするDNA配列が含まれている。 E.3.B t−PA配列の発現 GrahamおよびVan der Ebのリン酸カ
ルシウム沈澱法によりpETPFRを使用し
てDHFRが欠如したCHO細胞(Urlaub及
びChasin(前記))をトランスフエクトし
た。選択用培地(−HGT)で発生した21
個のコロニーをアツセイするために、
Granelli−Piperno,et al.,J.Exp.ed.,
148:223(1978)に記載の如く、線維素及
びプラスミノーゲンを含む寒天プレート中
の線維素の消化によつて測定されるプラス
ミン形成を検出した。 次に、E.1.K.1.bに記載の方法により、
最もポジテイブなクローンのうち4個の細
胞当たりのプラスミン形成を定量的に検定
した。 前記の如く定量的測定により、4個の被
検クローンが、ユニツト/細胞/日で示す
と、等しいか又は同等の培地内t−PA分
泌を示すことが知見された。2個のクロー
ンからの接種物を−HGT培地を含む別の
プレートに移してサブクローンを調製し
た。得られたサブクローンのうちの2種、
18B及び1を使用してさらに解析を進め
た。 E.3.C 増幅及びt−PA産生レベル 増幅を促進すべく前記サブクローンを
50nMのMTX中で100mmプレート当たり2
×105の細胞を含むようにプレートした。
生存した細胞を前記の如くアツセイする
と、全ての場合に、未増幅の組織プラスミ
ノーゲン活性化因子の活性の約10倍の活性
が検出された。これらのクローンの2個を
選択して1−15及び18B−9と命名し更に
研究を進めた。 サブクローン1−15を更に増幅するため
に、500nMとMTXを含む100mmプレート
に2×105個の細胞を接種した。このよう
にして増幅された細胞のアツセイによれ
ば、t−PA産生量は更に増加していた
(約3倍)。 E.1.Kの方法で定量的に検定するとレベ
ルは7×10-4ユニツト/細胞/日であつ
た。次に、これらの増幅細胞の一部分を
10000nMのMTXの存在下に移して維持し
た。サブクローン1−15及び18B−9を表
3にした条件で約1乃至2カ月維持した後
に再度検査した。 【表】 【表】 表3 注* 培地中のt−PAを以下の如くラジオイ
ムノアツセイで定量的にアツセイした。精
製t−PA及びメラノーマ細胞から誘導さ
れた精製ヨード化トレーサ−t−PAを、
燐酸緩衝生理食塩水(PH7.3)、0.5%牛血
清アルブミン、0.01%Tween80及び0.02%
NaN3を含む緩衝液中で濃度12.5乃至400n
g/mlまで順次希釈した。適当な希釈度の
被検定培地サンプルを放射活性標識トレー
サータンパクに添加した。1:10000希釈
のウサギ抗t−PA抗血清のIgG画分の存
在下で抗原を室温で1晩インキユベートし
た。ヤギ抗ウサギIgGイムノビーズ
(BioRad社製)に室温で2時間吸収させ
て抗体−抗原コンプレツクスを沈澱させ
た。希生理食塩水を添加してビーズを洗浄
し、次に4℃、2000×gで10分間遠心し
た。上清を捨て、沈澱物中の放射活性をモ
ニターした。参照標準との比較によつて濃
度を決定した。 セルラインは以下の如くである。セルラ
イン“1”は、4個のオリジナルセツトか
ら選択された未増幅クローンである。“1
−15500”は最初に50nMとMTX中で増幅
させて1−15を生じ次に500nMのMTXに
移されて更に増幅されたセルライン“1”
の増幅サブクローンである。1−1510000は
10000nMのMTXの存在下で更に増幅され
た1−15500のサブクローンである。セル
ライン18B−9は4個のオリジナルクロー
ンの1個から選択され50nMのMTXで増
幅されたサブクローンである。 全ての増幅細胞は、未増幅細胞が示した
よりも増加したt−PA産生レベルを示す。
未増幅培養物でも0.5pg/細胞/日より高
いt−PA産生量を示すが、増幅の結果と
して50pg/細胞/日に近いレベルが得ら
れる。 F 薬剤組成物 本発明の化合物は、本発明のヒト組成プラス
ミノーゲン活性化因子産物が薬剤上許容され得
るキヤリアビヒクルに混合されて成る薬剤的に
有用な組成物を調製すべく公知方向で処方され
得る。他のヒトタンパク例えばヒト血清アルブ
ミンを包含する適当なビヒクル及びその処方
は、例えばE.W.MartinによるRemington′s
Pharmaceutical Sciencesに記載されている。
該文献を引用して本明細書中に包含する。前記
の如き組成物は、宿主への有効投与に適した薬
剤上許容され得る組成物を調製するための適当
量のビヒクルと共に有効量の本発明タンパクを
包含するであろう。 例えば、本発明のヒト組織プラスミノーゲン
活性化因子は、心血管病又は心血管障害に苦し
む患者に非経口的に投与され得る。用量及び投
与速度は現在臨床に用いられている他の心血管
血栓溶解剤と同様でよい。例えば、肺塞栓症の
患者には、初回に約440IU/Kgを静注し、以後
約440IU/Kg/時ずつ12時間静注する。 本発明の実質的に均質なヒト組織プラスミノ
ーゲン活性化因子を、非経口的に投与するため
の適当な剤形の一例としては、25000IUの組織
プラスミノーゲン活性化因子活性、25mgのマン
ニトール及び45mgのNaClを含むバイアルを5
mlの注射無菌水で復元し、静脈内投与のために
適正量の0.9%食塩注射又は5%デキストロー
ス注射剤と混合すればよい。 G 組換ヒトt−PAの詳細な説明 本明細書中では、実施例に於いて調製された
ヒトt−PAの特定具体例の構造を遺伝子をコ
ードする配列の解明及びタンパク質生化学技術
の双方により、ある程度詳細に説明した。一般
に理解されているタンパク構造を第12図に示
す。 Collen及び彼の共同研究者(文献88)によつ
て、日本鎖ヒトt−PAは一本鎖分子がタンパ
ク分解的開裂により、ジスルフイド結合で接続
された2個のポリペプチドになる結果形成され
ることはすでに明らかにされていた。本発明に
よつて、H鎖(分子量30882)がNH2−末端部
から誘導され、L鎖(分子量28126)がCOOH
−末端領域からなるという結論が得られる。二
本鎖分子のN−末端配列決定によれば、二本鎖
形態は1個のアルギニル−イソロイシン結合
(第12図の矢印)な開裂により生成されると
思われる。 ヒトt−PA(第12図)のH鎖領域の1部分
の一次構造は、プラスミノーゲン(文献89)及
びプロトロンビン(文献40及び41)のクリング
ル領域に対して高度の配列相同性を示す。クリ
ングル領域とは、プロトロンビンのプロ断片中
で最初に発見された特徴的トリプルジスルフイ
ド構造を意味しており、これに関しては
Magnusson et al.(文献91及び92)が初めて詳
細に記載した。t−PAの一次配列から2個の
所謂クリングル領域が明らかになる。これらの
領域は、各々が82個のアミノ酸を含んでおり、
プラスミノーゲンの5個のクリングル領域と高
度の相同性を有する。残りのN−末端の91個の
アミノ酸は従来のクリングル領域との相同性を
殆ど有していない。然しながら、11個の付加的
システイン残基が検出されるので、この領域も
多数のジスルフイド結合を含む構造を有し得る
と推測し得る。 ヒトt−PAのL鎖の触媒部位、所謂セリン
プロテアーゼ領域は、他のセリン酵素同様に、
ヒスチジン322、アスパラギン酸371及びセリン
478残基から形成されている可能性が大きい。
更に、これらの残基を包囲するアミノ酸配列
は、トリプシン、プロトロンビン及びプラスミ
ノーゲンの如き他のセリンプロテアーゼの対応
する部分に極めて良く相同している。 本発明を好ましい特定具体例に関して説明し
てきたが、本発明は前記具体例だけに限定され
るべきでないことが理解されよう。 参考文献 1 米国特許No.3355361. 2 米国特許No.3926727. 3 米国特許No.4029767. 4 米国特許No.4258030. 5 米国特許No.4271150. 6 欧州特許出願公開No.0037687. 7 Rijken.D.C.,“Plasminogen Activator
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い出されるものに相当するヒトプラスミノーゲン
活性化因子をコードしているDNA配列を含有す
るDNAに関する。 本発明は、ヒトプラミノーゲン活性化因子をコ
ードしているDNA配列及びそれから推定される
該活性化因子のアミノ酸配列を知見したことに部
分的に起因するものである。この知見に基づき、
組換DNA技術を適用してヒトプラスミノーゲン
活性化因子を製造することが可能になり、しかも
この製造方法によると、現存する細胞培養物に於
ける産生及び該細胞培養物からの単離という工程
を含む従来の単離方法に固有のある種の制約を受
けることがなく、更に、市場認可に先立つて必要
とされる動物実験及び臨床試験に着手し且つこれ
を遂行するに充分な質及び量で該活性化因子を製
造することが可能になつたのである。 本発明は、あらゆる点で、これらの関連する具
体例に係る。 本発明の背景を説明し且つある場合にはその実
施のための詳細を補うために使用する文献及びそ
の他の資料は、本明細書中参照番号を付して引用
し、更に便宜のため本明細書末尾に参考文献とし
て列挙する。 A ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子 線維素溶解系は凝固系と動的平衡状態にあ
り、自然な開放性血管床を維持する。凝固系は
線維素をマトリツクスとして沈着させ、これに
より止血状態の回復する。線維素溶解系は、止
血状態が達成された後、線維素網を除去する。
この線維素溶解過程は、血漿タンパク前駆体で
あるプラスミノーゲンから生ずるタンパク分解
酵素、プラスミンによつてもたらされる。プラ
スミノーゲンは活性化剤によつて活性化された
プラスミンに変換される。現在、2種の活性化
剤、ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼが市
販されている。この両者の効能は、急性血管病
例えば心筋梗塞、脳卒中、肺塞栓症、深部静脈
血栓症、末梢動脈閉塞症及びその他の静脈血栓
症の治療とされている。総じて、これらの病気
は重大な健康上の危険の要因となる。 これらの疾病の基本的原因は、凝血塊(血栓
又は血栓塞栓)による血管の部分的又は重度の
場合には全体的閉塞にある。例えばヘパリン及
びクマリンを用いるような従来の凝固防止療法
では、血栓又は血栓塞栓の溶解を直接には何ら
促進しない。上述した血栓溶解剤即ちストレプ
トキナーゼ及びウロキナーゼは実際に有効に使
用されてきている。然しながら今日まで、これ
らの薬剤には夫々厳しい限界があつた。さら
に、これらの薬剤は線維素に対する高度の親和
性も有していない。従つて、これらの薬剤は、
循環しているプラスミノーゲン及び線維素に結
合しているプラスミノーゲンを比較的無差別に
活性化する。循環血液中で形成したプラスミン
は、比較的急速に中和され、有効な血栓溶解能
を失う。残留するプラスミンは、数種の血液凝
固因子タンパク例えばフイブリノーゲン、第
因子及び第因子を分解して出血の可能性をも
たらす。さらに、ストレプトキナーゼは強度に
抗原性であり、高抗体力価を有する患者は治療
に対し効果を示さず又継続して投与することも
できない。ウロキナーゼによる治療法は、該ウ
ロキナーゼの製造工程が人間の尿又は組織培養
物から単離する工程を含むため高価であり、従
つて一般に臨床的実用性に劣る。このような状
況下で、ウロキナーゼは多くの研究の主題であ
つた(例えば文献1乃至6参照)。 いわゆるプラスミノーゲン活性化因子は種々
のヒト組織例えば子宮組織、血液、血清(文献
7乃至11参照)並びに細胞培養物(文献94参
照)から単離されていた。これらの組成及び/
又はこれらを含有する組成物については文献12
及び13に記載されている(文献14乃至18参照)。
これらの起源を有するプラスミノーゲン活性化
因子は、それらの免疫学的特性の差違に基づい
て2つの主なグループ、即ちウロキナーゼ型プ
ラスミノーゲン活性化因子(u−PA)及び組
織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)
に分類される。(略号t−PA及びu−PAは、
Meeting of the International
Committee on Thrombosis and Hemostsis,
Bergamo,Italy,27July1982に於いて提唱さ
れたものである。) 近年、ヒトメラノーマ(黒色腫)セルライン
(細胞株)がt−PAを分泌することが確認され
た。このメラノーマ由来プラスミノーゲン活性
化因子は、免疫学的に及びアミノ酸組成に於い
て、正常ヒト組織から単離されたプラスミノー
ゲン活性化因子と区別し得ない特性を有するこ
とが示されている(文献19及び88参照)。 比較的純粋な形態で単離されたこの物質の特
性を検討した結果、高い活性を有する線維素溶
解因子であることが知見された(文献20参照)。 メラノーマセルラインから精製したt−PA
を使用して行なわれたいくつかの研究の結果、
t−PAがウロキナーゼ型プラスミノーゲン活
性化因子に比較して線維素に対してより高い親
和力を有することが示された(例えば文献95乃
至98参照)。然しながら、t−PAは血液、組織
抽出物、血管灌流液及び細胞培養物中に非常に
低濃度でしか存在しないため、ヒトt−PAの
血栓溶解剤としての可能性を更に深く研究する
ことは困難であつた。 ヒト由来の他のタンパクを実質的に含まない
高品質のヒト組織型プラスミノーゲン活性化因
子(これは初期にはヒトプラスミノーゲン活性
化因子と呼ばれていた)を必要充分な量で製造
するために最も有効な方法は、組換DNA技術
及びそれに関連する技術の適用であろうという
ことは既に考えられていたことである。このよ
うな物質が得られれば、それは恐らく種々の心
血管障害又は心血管病の治療に対して臨床応用
できるような生物活性を示すであろう。 B 組換DNA技術 組換DNA技術は、かなり複雑な応用の段階
に達している。分子生物学者は、種々のDNA
配列をかなり容易に組換え、形質転換された微
生物又は細胞中で大量の外来タンパク産物を産
生し得る新たなDNA体を作成し得る。種々の
平滑末端又は粘着末端を有するDNA断片をin
vitro結合し、特定生物を形質転換するのに有
用な発現ベクターを作成し、かくして所望の外
来生産物の効率的な合成を行なうための一般的
手段及び方法は、既に開発されており自由に使
用することができる。然しながら、個々の産物
については、その製造工程はまだ若干複雑であ
り、常に成功を予測し得る段階にまでは科学は
進歩していない。事実、実験的裏付けをせずに
成功結果を予告する者もいるが、このような予
言には実施不能という著しい危険が伴つてい
る。 基本的要素、即ち複製のオリジン、1種又は
それ以上の表現型選択特性、発現プロモータ
ー、異種遺伝子インサート及び残りのベクター
のDNA組換は、一般に宿主細胞の外部で行な
われる。得られる複製可能な組換発現ベクター
すなわちプラスミドを形質転換により細胞中へ
導入し、得られる形質転換体を増殖させること
により大量の組換ベクターを得ることができ
る。コードされているDNAメツセージの転写
および翻訳を支配する部分に対して遺伝子が適
切に挿入されていれば、得られた発現ベクター
を使用して挿入遺伝子がコードしているポリペ
プチド配列を実際に産生することができ、この
過程を発現と呼ぶ。微生物系で必要に応じて宿
主細胞を溶菌し、且つ適当な方法により他のタ
ンパクから精製して目的産物を回収することが
できる。 実際、組換DNA技術の用いることにより、
全く異種のポリペプチドを発現させることがで
き(いわゆる直線的発現)、或いは同種ポリペ
プチドのアミノ酸配列の一部と融合した異種ポ
リペプチドを発現させることもできる。後者の
場合、目的とする生物活性産物は、しばしば、
細胞外環境に於いて開裂されるまで、融合した
同種/異種ポリペプチド中で生物的に不活性の
形態で存在する(文献21及び22参照)。 同様に、遺伝学及び細胞生理学を研究するた
め細胞培養(セルカルチヤー)又は組織培養の
技術は充分に確立されている。単離した正常細
胞から継代処理により永久セルラインを調製し
これを維持する手段及び方法も公知である。研
究に使用するためには、これらのレスラインを
液体培地中の固体支持体上に維持するか、又は
栄養物を含有する懸濁液中で増殖させる。大量
生産のためには機械的問題が残るのみであろう
(その他の背景については、文献23及び24参
照)。 又、生物工学においてはタンパク質生化学が
有用且つ実際上必要な手段である。所望のタン
パクを産生する細胞は、多数の他のタンパク、
即ち細胞固有の代謝産物をも産生する。これら
の夾雑タンパク及びその他の化合物は、所望タ
ンパクから除去されないと、所望タンパクによ
る治療処置の過程で動物又はヒトに投与した場
合有毒となる危険性がある。タンパク質生化学
の技術により、目的とする特定システムの適す
る分離方法を使用して目的用途に対し安全で均
質な最終産物を得ることができる。更に、タン
パク質生化学により、所望産物の特性を明らか
にし、細胞が何ら変化せず又は突然変異するこ
となく所望産物を確実に産生したことを確認す
ることができる。この科学分野には、臨床研究
及び市場開発に成功するために必要とされるバ
イオアツセイ、安定性試験及びその他の研究過
程も関係している。 本発明は、組換DAN技術の使用により、ヒ
ト組織プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)
を好ましくは直接的形態で製造し、しかも市場
認可を得るための必須要件である動物実験及び
臨床試験を開始し且つ継続するのに十分な量で
有利に製造し得るという知見に基く。製造され
たヒトt−PAは、ヒトの様々な心血管障害又
は心血管病の予防処置又は治療処置での使用に
適している。 本発明により、実質的に純粋なヒト組織プラ
スミノーゲン活性化因子を得ることができる。
遺伝子工学的に処理された微生物又は細胞系に
より、従来よりも遥かに有効にヒト組織プラス
ミノーゲン活性化因子を産生し得、これにより
従来は達成し得なかつた産業利用の機会が得ら
れる。更に、宿主細胞次第でヒト組織プラスミ
ノーゲン活性化因子は天然物質に比較して異な
つた程度でグリコシル化された状態のものが得
られる。いずれにしても、このように産生され
るt−PAは、非組換細胞に於いては伴なつて
いるのが普通である夾雑物を含まないであろ
う。 本発明は、後に定義するヒト組織プラスミノ
ーゲン活性化因子をコードしているDNA配列、
該因子を発現し得る形態でコードしている遺伝
子配列を含む複製可能なDNA発現ベクター、
該ベクターで形質転換された微生物菌株又は細
胞、並びにヒト組織プラスミノーゲン活性化因
子を産生し得る前記の如き形質転換された微生
物菌株又は細胞株の培養及びそれらの培養物に
係る。更に別の角度から見た本発明の目的は、
前記の遺伝子配列、DNA発現ベクター、微生
物菌株及び細胞の製造に有用な種々の方法及び
その具体例を提供することである。更に本発明
は、前記の微生物の発酵培養及び細胞の培養の
調製に係る。 A 定義 本明細書に於いて、「ヒト組織プラスミノー
ゲン活性化因子」又は「ヒトt−PA」又は
「t−PA」は、微生物培養系又は細胞培養系に
より産生され、プロテアーゼ部分を含む且つヒ
ト組織に天然に存在する組織プラスミノーゲン
活性化因子に対応する生物活性形態のヒト外因
性(組織型)プラスミノーゲン活性化因子を意
味する。本発明により産生されるヒト組織プロ
スミノーゲン活性化因子タンパクは、決定され
たDNA遺伝子及び推定アミノ酸の配列決定に
よつて定義されている。各個体毎に天然のアレ
ル変異体が存在し及び/又は発生することは理
解されよう。これらの変異は、全配列に於ける
1個以上のアミノ酸の相違、又は配列中の1個
以上のアミノ酸の欠失、置換、挿入、転位もし
くは付加によつて示される。更にグリコシル化
の位置及び程度は宿主細胞環境の性質に依存す
るであろう。 組換DNA技術を使用して、例えば、基本と
なるDNAの特定の部位に突然変異を誘発する
ことにより、1個又は複数のアミノ酸の置換、
欠失、付加又は転位によつて種々変性された
種々のヒト組織プラスミノーゲン活性化因子誘
導体を製造することが可能である。本明細書中
で特に説明するヒト組織プラスミノーゲン活性
化因子の一般的特性である必須のクリングル
(kringle)領域とセリンプロテアーゼ領域とを
維持しているが他の部分は前記の如く変性され
た誘導体の製造も可能である。ヒト組織プラス
ミノーゲン活性化因子中の前記の如きアレル変
異及び変性は、全て本発明の範囲内に包含され
る。更に、ヒト組織プラスミノーゲン活性化因
子の本質的特徴である活性が実質的に維持され
ている限り、物理的及び生物学的に類似した他
の近縁のヒト外因性(組織型)プラスミノーゲ
ン活性化因子も本発明の範囲内に包含される。 本発明によれば、ヒト組織プラスミノーゲン
活性化因子は、 (1) 第一アミノ酸としてのメチオニンを有する
(構造遺伝子の手前にATG開始コドンを挿入
して得られる)か、又は、 (2) メチオニンが細胞内又は細胞外で開裂され
ている場合は、正常の第一アミノ酸を有する
か、又は、 (3) 細胞内又は細胞外環境で特異的開裂可能な
シグナルポリペプチド又は従来のシグナルポ
リペプチド以外の共役タンパク
(conjugated protein)を伴なつている(文
献21参照)か、又は、 (4) 外来の余分のポリペプチドの開裂が不要な
成熟形態で直接的に発現させることにより製
造される。 発現ベクターが組織プラスミノーゲン活性化因
子をシグナルペプチドと共に発現すべく設計さ
れており、宿主がシグナルペプチドを除去又は
有効に除去し得ない場合、特に最後のものが重
要である。いずれにしても前記の如き種々の形
態で産生したヒトt−PAを回収し、種々の血
管障害又は血管病の治療用に適するレベルまで
精製する。 更に、t−PAには、一本鎖タンパクと二本
鎖タンパクとの双方の形態がある。二本鎖タン
パクは一本鎖化物のタンパク分解により誘導さ
れる。理論的には、二本鎖タンパクが産生され
た線維素と関連しており、タンパク分解による
一本鎖物質から二本鎖物質への変換はプラスミ
ノーゲンからプラスミンへの転換部位で生じる
と想定される。本発明は、前記の如く、in
vivoで転換される一本鎖タンパクの投与、及び
活性を有することがすでに証明されている二本
鎖タンパクの投与の双方を含む。二本鎖タンパ
クは、一本鎖物質の産生後にin vitroタンパク
分解変換によつて製造され得る。所謂クリング
ル領域は、セリンプロテアーゼ部分より上流に
位置しており、本発明の組織プラスミノーゲン
活性化因子を線維素マトリツクスに結合させ、
これにより、実際に存在する血栓に対して組織
プラスミノーゲン活性化因子の特異的活性を発
揮せしめるために重要な役割を果たす。本発明
により製造される組織プラスミノーゲン活性化
因子は天然物質に相当する酵素活性部分を含ん
でいる。ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子
なる用語は、このような部分だけを含むか、又
は完全な長さの分子に達するまでの付加アミノ
酸配列と共に含む産生物と定義される。 要約すれば、本発明によるヒトt−PAは、
以下の如く機能的に定義し得る。即ち、ヒトt
−PAは、プラスミノーゲンからプラスミンへ
の転換を触媒し得、線維素に結合し、前記の如
き免疫学的特性に基いてt−PAと分類される
ものである。従つて、t−PAの機能的誘導体
は本発明の範囲内に包含される。それ故、本願
発明の『ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子
をコードするDNA』なる用語は、前記したヒ
ト組織プラスミノーゲン活性化因子の誘導体を
コードしているDNAをも包含している。 本発明により産生されるヒトt−PAの状態
を形容すべく用いた「実質的に純粋な形態」と
は、非組換細胞により産生されたとき即ち「天
然」環境で産生されたときヒトt−PAに通常
伴なつているタンパク又は他の物質を含まない
ことを意味する。 「DHFRタンパク」とは、ジヒドロ葉酸還
元酵素(DHFR)に関連する活性を有し得、
従つて、ヒポキサンチン、グリシン及びチミジ
ンを含まない培地(−HGT培地)に於いて生
存し得る細胞によつて産生される必要があるタ
ンパクを意味する。通常、DHFRタンパクを
欠く細胞は該培地では増殖できないが、
DHFRタンパクを有する細胞は該培地で増殖
できる。 「MTX感受性細胞」とは、DHFR阻害剤メ
トキセート(MTX)を含む培地で増殖し得な
い細胞を意味する。従つて「MTX感受性細
胞」とは、遺伝的に変化しているか又は他の方
法で補足されていない場合、MTX濃度が0.2μ
g/ml以上になると周囲及び培地が細胞のタイ
プに適した条件であつても増殖できない細胞を
意味する。細菌の如く或る種の細胞は、MTX
に感受性を示す筈のDHFRを含んでいるにも
拘わらず、細胞膜内部へMTXを透過させない
のでMTX感受性を示さない。一般に、DHFR
タンパクとして野生型DHFRを含む細胞は、
MTXを透過し得るか又は摂取し得る限り、メ
トトレキセートに感受性であろう。 「野生型DHFR」とは、使用する特定生物
に通常見出されるようなジヒドロ葉酸還元酵素
(体)を意味する。野生型DHFRは通常in
vitroで低濃度のメトトレキセートに感受性で
ある。 「MTXに対する結合親和力の低いDHFRタ
ンパク」なる用語も機能的な定義である。これ
は、細胞内部で生成されたときには、0.2μg/
ml以上のMTXを含む培地でMTX感受性細胞
を増殖せしめるDHFRタンパクを意味する。
このような機能的定義は、生物の「MTXに対
する結合親和力の低いDHFRタンパク」を産
生する能力及び産生されたタンパク自体に依存
することは明らかである。然しながら、本明細
書中でこの用語を使用する場合には、前記の双
方のメカニズル間の平衡は問題にならない。即
ち本発明では、前記の如きMTXレベルで生存
する能力を付与することが操作の目的であり、
産生したDHFR固有の性質に加えて多量の発
現が前記の如き能力を強化したか否かは重要で
はない。前記の定義に適合する適当なDHFR
タンパクの例としては、1983年1月19付出願の
米国特許出願第459151号明細書および対応する
ヨーロツパ特許出願公開第117060号並びに特開
昭59−192089号公報に開示されたものがあり、
該特許出願明細書を本明細書中に引用して包含
する。 「発現ベクター」とは、内包するDNA配列
が該配列を発現させ得る別の配列に有効に(発
現し得るように)結合されている場合、該配列
を発現させ得るベクターを意味する。これらの
発現ベクターは、本明細書中必ずしも明確に記
述しなくても、宿主生体中で、エピソームとし
て又は染色体DNANに組込まれた部分として
複製可能でなければならない。複製能が欠如す
るとベクターは有効に作用し得ない。 要するに、「発現ベクター」なる用語も機能
的定義であり、特定の配列に対して用いられる
と共に、内包する特定のDNAコードを発現さ
せ得る任意のDNA配列も、発現ベクターと指
称され得る。一般には、組換DNA技術で使用
される発現ベクターは、しばしば「プラスミ
ド」の形態にある。 「プラスミド」とは、環状二重鎖DNAルー
プの呼称であり、ベクター形態のときには染色
体に結合しない。プラスミドの形態のベクター
が最もよく使用されるので、本明細書中では
「プラスミド」及び「ベクター」なる用語を互
換的に使用している。然しながら、本発明は、
勿論、同等の機能を果たすことができ当業界で
公知となる別の形態の発現ベクターをも包含す
る。 「組換宿主細胞」とは、組換DNA技術を用
いて構築されたベクターで形質転換された細胞
を意味する。前記の如く、このような形質転換
によつて多量のt−PAが産生され得る。対照
的に形質転換されていない宿主を用いるとt−
PAの産生量は遥かに少なく、普通の場合には
検出不能な量でさえある。前記の如き細胞によ
り産生されたt−PAは「組換t−PA」と指称
され得る。 B 宿主細胞及びベクター 本発明で用いるベクター及び方法は、広範囲
に亘る原核生物及び真核生物の宿主細胞中での
使用に適している。 一般に、本発明に有用なベクターを構築する
ためのDNA配列のクローン化には原核生物が
好ましい。たとえば、E.coli K12株294(ATCC
No.31446)が特に有用である。使用可能な別
の微生物菌株として、E.coli B及びE.coli
X1776(ATCC No.31537)の如きE.coli菌株が
ある。これらは勿論代表例であり限定的なもの
ではない。 原核生物は、又、発現のためにも使用され得
る。前記の菌株又はE.coli W3110(F-、λ-、プ
ロトトロフ、ATCC No.27325)、並びに桿菌類
たとえばBacillus subtilus、並びに他の腸内細
菌類例えばSalmonella typhimurium又は
Serratia marcesens、並びに種々のシユード
モナス種が使用され得る。 一般には、宿主細胞と適合し得る種から誘導
されたレプリコン及び制御配列を含むプラスミ
ドベクターが、宿主と関連して使用される。ベ
クターは、通常、複製部位と、形質転換された
細胞中で表現型選択を可能にし得るマーカー配
列とを担持している。例えば、E.coliは、典型
的には、E.coli種から誘導されるプラスミド
pBR322を用いて形質転換される(Bolivar,et
al.,Gene、2:95(1977))。pBR322は、アン
ピシリン及びテトラサイクリン耐性遺伝子を含
んでおり、従つて形質転換された細胞の簡単な
同定手段となり得る。pBR322プラスミド又は
他の微生物プラスミドは、微生物が自身のタン
パクを発現するのに使用し得るプロモーターを
含有するか又は含有する様に変性されていなけ
ればならない。組換DNAの構築に最もよく使
用されるプロモーターとしては、β−ラクタマ
ーゼ(ペニシリナーゼ)及びラクトースプロモ
ーターシステム(Chang,et al.,Nature,
275:615(1978);Itakura,et al.,Science,
198:1056(1977);Goeddel,et al.,Nature,
281):544(1979))、並びにトリプトプアン
(trp)プロモーターシステム(Goeddel、et
al.,Nucleic Acids Res.,8:4057(1980);
欧州特許出願公開第0036776号明細書)がある。
前記のプロモーターが最もよく使用されが、他
の微生物プロモーターも発見され且つ利用され
ており、それらのヌクレオチド配列に関する詳
細も既に公表されているため、当業者はこれら
のプロモーターをプラスミドベクターに機能的
に結合し得る(Siebenlst、et al.,Cell、20:
269(1980))。 原核生物以外に、酵母の如き真核微生物の使
用も可能である。Saccharomyces cerevisiae
又は普通のパン酵母が最もよく使用される真核
微生物であるが、多くの他の菌株も使用され得
る。Saccharomyces中での発現のためには、
例えばプラスミドYRp7(Stinchcomb,et al.,
Nature,282:39(1979);Kingsman、et al.,
Gene,7:141(1979);Tschemper、et al.,
Gene,10:157(1980))が常用される。このプ
ラスミドはtrp1遺伝子を既に含有しており、同
遺伝子は、トリプトフアン中での増殖能力が欠
如した酵母突然変異株〔例えば、ATCC No.
44076又はPEP4−1(Jones,Genetics,85:
12(1977))〕の選択マーカーとなる。従つて、
酵母宿主細胞ゲノムの特徴としてtrp1の損傷が
あると、それはトリプトフアンの不在下での増
殖によつて形質転換を検出するための効果的な
環境を提供する。 酵母ベクター中の適当なプロモーター配列と
して、例えば、3−ホスホグリセレートキナー
ゼ(Hitzeman,et al.,J.Biol.Chem.,255:
2073(1980))又は他の解糖系酵素(Hess、et
al.,J,Adv.Enzyme Reg.,7:149
(1968);Holland,et al.,Biochemistry,
17:4900(1978))に対するプロモーターがあ
る。後者の例に、エノラーゼ、グリセルアルデ
ヒド−3−ホスフエートデヒドロゲナーゼ、ヘ
キソキナーゼ、ピルベートデカルボキシラー
ゼ、ホスホフルクトキナーゼ、グルコース−6
ホスフエートイソメラーゼ、3−ホスホグリセ
レートムターゼ、ピルベートキナーゼ、トリオ
ースホスフエートイソメラーゼ、ホスホグルコ
ースイソメラーゼ及びグルコキナーゼがある。
適当な発現プラスミドを構築するには、これら
の遺伝子に伴う停止配列を、発現ベクター中で
発現したい配列の3′末端に結合して、mRNA
のポリアデニル化及び停止を行なわせる。増殖
条件によつて転写が制御されるという付加的利
点を有する別のプロモーターとしては、アルコ
ールデヒドロゲナーゼ2、イソチトクロムC、
酸性ホスフアターゼ、窒素代謝に関連する分解
酵素、前記グリセルアルデヒド−3−ホスフエ
ートデヒドロゲナーゼ並びにマルトース及びガ
ラクトースの資化に関係する酵素(Holland、
上掲)に対するプロモーター領域がある。酵母
適合性のプロモーター、複製のオリジン及び停
止配列を含むいかなるプラスミドベクターも適
当に利用できる。 微生物以外に、多細胞生物から誘導された細
胞も宿主として使用し得る。原則として、この
ような細胞は脊椎動物又は無脊椎動物のいずれ
から得てもよい。然しながら、脊椎動物細胞の
方が有利であり、近年では組織培養での脊椎動
物細胞の増殖がルーチンプロセスになつている
(Tissue Culture,Academic Press,Kruse
and Patterson,(1973))。前記の如き有用な
宿主細胞のセルラインの例として、VERO細
胞株、チヤイニーズハムスターの卵巣(CHO)
セルライン並びにW138、BHK、COS−7及
びMDCKセルラインがある。前記の如き細胞
のための発現ベクターは、通常、(必要に応じ
て)複製のオリジン、発現すべき遺伝子の前方
に位置するプロモーター、任意のリボソーム結
合部位、RNAスプライス(splice)部位、ポ
リアデニル化部位及び転写終了配列を必要なも
のとして含む。 哺乳動物細胞中で使用する場合、発現ベクタ
ーの制御機能は、しばしば、ウイルス性物質に
よつて与えられる。例えば常用のプロモーター
は、ポリオーマウイルス、アデノウイルス2か
ら誘導され、更に多くの場合サルウイルス40
(Simian Virus40,SV40)から誘導される。
SV40ウイルスの初期(early)プロモーター及
び後期(late)プロモーターが特に有用であ
る。これは、いずれもSV40ウイルスの複製の
オリジンを併せて含む断片として、ウイルスか
ら容易に得られるからである(Fiers,et al.,
Nature,273:113(1978)参照)。断片がウイ
ルスの複製のオリジン中に位置するBgl部位
に向かつてHind部位から伸びる約250bpの配
列を含む限り、SV40断片の長さの長短は問わ
ない。更に、所望の遺伝子配列が通常伴つてい
るプロモーター又は制御配列の使用も可能であ
り、このような配列の使用が好ましい場合もし
ばしば見られる。但し、前記の如き制御配列の
宿主細胞系と適合しなければならない。 複製のオリジンは、SV40又は他のウイルス
(例えばポイオーマ、アデノ、VSV、BPV等)
起源から誘導され得る外来性オリジンを含むよ
うにベクターを構築して得てもよく、又は宿主
細胞染色体複製メカニズムによつて得てもよ
い。ベクターが宿主細胞染色体に組込まれる場
合は、後者が良い場合もしばしばある。 t−PA及びDHFRタンパクの双方をコード
しているDNA配列を含む本発明のベクターに
よつてトランスフエクシヨンを行なう好ましい
宿主細胞を選択する際には使用するDHFRタ
ンパクのタイプによつて宿主を選択するのが適
当である。野生型DHFRタンパクの場合には、
DHFRが欠如した宿主細胞を選択し、これに
より、DHFRコード配列を、ヒポキサンチン、
グリシン及びチミンジを含まない選択培地での
トランスフエクシヨンの成功を示すマーカーと
して使用するのが好ましい。この場合の適当な
宿主細胞としては、DHFR活性が欠如したチ
ヤイニーズハムスター卵巣(CHO)セルライ
ンがある。該セルラインは、Urlaub及び
Chasin,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),77:
4216(1980)の記載の方法で調製され増殖させ
たものである。該文献を引用して本明細書中に
包含する。 他方、MTXに対する結合親和力の低い
DHFRタンパクを制御配列として使用する場
合には、DHFR耐性細胞を使用する必要がな
い。突然変異DHFRはメトトレキセートに鈍
感であるから、宿主細胞自体がメトトレキセー
ト感受性であれば、MTX含有培地を選択の手
段として使用し得る。MTXを取込み得る多く
の真核細胞はメトトレキセート感受性であると
考えられる。このような有用なセルラインの1
例としては、CHO株、CHO−K1 ATCC No.
CCL61がある。 後述の実施例ではlacおよびtrpプロモーター
システムを用いるE.coliの使用、宿主細胞とし
てCHO細胞の使用、及びプロモーターとして
のSV40の複製のオリジンを含む発現ベクター
について記載する。然しながら、原核生物又は
真核生物宿主細胞の培養物中で所望のタンパク
配列を発現する発現ベクターを構築するために
類似の技術を使用することは当業界で十分に公
知の事実である。 十分量のヒトt−PAが細胞培養に於いて産
生されるが、第二のコード配列を用いて更に改
良することにより産生レベルを更に向上するこ
とが可能である。この第二のコードの配列はジ
ヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)を含み、この
DHFRは外部制御パラメーター例えばメトト
レキセート(methotrexate、MTX)の作用を
受けるので、従つて、MTX濃度の調整によつ
て発現を制御し得る。 C 使用方法 堅固な細胞膜障壁を持たない細胞を宿主細胞
として使用するときは、トランスフエクシヨン
は、Graham及びVander Eb,Virology,
52:546(1978)に記載のリン酸カルシウム沈澱
法で行なわれる。然しながら、DNAの細胞内
導入のためには、核注入又はプロトプラスト融
合の如き他の方法も使用し得る。 原核細胞又は堅固な細胞膜障壁を有する細胞
を使用するとき、好ましいトランスフエクシヨ
ンの方法は、F.N.Cohen,et al.,Proc.Natl.
Acad.Sci.(USA),69:2110(1972)に記載の
塩化カルシウムを用いたカルシムウ処理であ
る。 所望のコード配列及び制御配列を有する適当
なベクターの構築には、標準的に結合方法を使
用する。単離されたプラスミド又はDNA断片
を開裂し、末端処理し、所望の形に再結合して
所要プラスミドを形成する。 開裂を行なうためには、適当な緩衝液中で1
種(又は複数種)の制限酵素で処理する。一般
には、約1μgのプラスミド又はDNA断片に対
し約1ユニツトの酵素を含む緩衝溶液約20μ
を使用する(特定の制限酵素に対する適正な緩
衝液及び基質量はメーカーによつて処方されて
いる)。インキユベーシヨン時間は37℃で約1
時間である。インキユベーシヨン後、フエノー
ル及びクロロホルム抽出でタンパクを除去し、
エタノール沈澱により水性画分から核酸を回収
する。 平滑末端が必要な場合、生成物を10ユニツト
のポリメラーゼ(Klenow)により15℃で15
分間処理し、フエノール−クロロホルム抽出
し、エタノール沈澱する。 開裂した断片のサイヅによる分離は、D.
Goeddel,et al.,Nucleic Acids Res.,8:
4057(1980)に記載された6%ポリアクリルア
ミドゲルを用いて行なう。この文献を引用して
本明細書中に包含する。 結合を行なうためは、正しく整合すべく末端
を適当に処理したほぼ等モル量の所望成分を、
0.5μgのDNAに対し約10ユニツトのT4DNA
リガーゼで処理する。(開裂されたベクターを
成分として使用する場合、開裂されたベクター
の再結合を阻止するために細菌のアルカリ性ホ
スフアターゼによる予備処理を行なうとよい。) 構築したプラスミドの正しい配列を確認すべ
く行なう解析のためには、結合混合物を用いて
E.coli K12株294(ATCC No.31446)を形質転
換し、適当な性質例えばアンピシリンまたはテ
トラサイクリン耐性を利用して所望の形質転換
株を選択する。形質転換株からプラスミドを調
製し、制限解析し及び/又は配列決定する
(Messing,et al.,Nucleic Acids Res.,
9:309(1981)又はMaxam,et al.,
Methods in Enzymology,65:499(1980))。 DHFRタンパクをコードしている配列の増
幅を行なうには、DHFR活性の競合阻害剤で
あるメトトレキセートを濃度約20−500000nM
で存在させて宿主細胞を増殖させる。有効濃度
範囲は、勿論、DHFR遺伝子の性質、タンパ
ク及び宿主の特性に依存する。従つて、上記の
上限値及び下限値は確定値ではない。DHFR
を阻害し得る他の葉酸類又は他の化合物を適正
濃度で使用することも可能である。然しながら
やはりMTXが便利で入手し易く有効である。 D 好適具体例の概説 ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子を以下
のように製造した。 1 組織プラスミノーゲン活性化因子を有効に
産生するヒトメラノーマ細胞をコンフルエン
トな状態(全面成長)になるまで培養した。 2 リボヌクレアーゼ阻害剤の存在下で前記の
細胞培養物から得た細胞ペレツトを抽出し細
胞質RNA全部を単離した。 3 オリゴーdTカラムを用い全メツセンジヤ
ーRNA(mRNA)をポリアデニル化形態で
単離した。酸性尿素アガロースゲル電気泳動
にかけてmRNAをサイズ分画した。 4 組織プラスミノーゲン活性化因子特異的
RNAを含むゲル画分を以下の方法で同定し
た。即ち、各ゲル画分のRNAをイヌのスイ
臓ミクロソームを補充したウサギ網状赤血球
リゼイト系中in vitroで翻訳した。得られた
翻訳産物を次にヒト組織プラスミノーゲン活
性化因子特異的1gG抗体に免疫沈降した。 5 適切なRNA(21乃至24S)を対応する一重
鎖相補うDNA(cDNA)に転換し、該cDNA
から二重鎖cDNAを製造した。ポリ−dCを
末端につなぎ、1種以上の表現型マーカーを
含むプラスミドの如きベクター内に挿入し
た。 6 前記の如く調製されたベクターを使用して
細菌細胞を形質転換し、クローン化cDNAラ
イブラリーを調製した。t−PA中の既知の
アミノ酸配列のコドンと相補的な放射活性標
識−合成デオキシオリゴヌクレオチドのプー
ルを調製しコロニーライブラリーのプローブ
に用いた。このようなプールの例としては、
例えば、(既知(後記)のアミノ酸配列:ト
リプトフアン−グルタミン酸−チロシン−シ
ステイン−アスパラギン酸(W−E−Y−C
−D)をコードする配列と相補的な)8種の
14ヌクレオチド体(14−mer)、5′−dTC
(A G)CA(A G)TAC T)TCCCA−3′のプール
がある。 7 ポジテイブな(プローブに対して陽性反応
を示した)cDNAクローンからプラスミド
DNAを単離し配列決定した。 8 次に、t−PAをコードしている配列決定
したDNAを適当な発現ベクターに挿入すべ
くin vitroで末端処理し、該発現ベクターを
適当な宿主細胞に形質転換し、宿主細胞を培
養により増殖させ、所望のヒト組織プラスミ
ノーゲン活性化因子を産生させた。 9 前記の如く産生されたヒト組織プラスミノ
ーゲン活性化因子は、セリンプロテアーゼ酵
素部分には約251個のアミノ酸を有しており、
その上流にクリングルを含む配列を有する。
現在では該配列が線維素結合の主因であると
理解されている。成熟タンパク及びそのシグ
ナルプレ配列とは全部で562個のアミノ酸を
含む。 前記の方法によつて実質的な純粋なt−PAを
産生し得る。メトトレキセート感受性の付加的
コード配列を用いる本発明方法によれば、抗原
的に活性なt−PAタンパクを、宿主細胞の培
養物中で1日に細胞当り0.1pgより多い量で産
生し得る。適当な増幅条件を使用すると、20p
g/細胞/日より多い量を得ることも可能であ
る。換言すれば、9×10-6Ploughユニツト/
細胞/日より多いか、又は適当な増幅によつて
18×10-4Ploughユニツト/細胞/日より多い
t−PA活性を産生するように遺伝子発現レベ
ルが達成される。 この点に於いて、本発明では、薬剤としてメ
トトレキセートを用いる。エトトレキセート
は、これを摂取し得る細胞には普通致死性を有
するが、制御されたMTXレベルではDHFRコ
ード配列をコードしている遺伝子の増幅により
細胞が増幅することを可能にするという性質を
有している(Schimke,T.Robert,et al.,
Science,202:1051(1978);J.L.Biedler,et
al.,Cancer Res.,32:153(1972);S.E.
Chang,et al.,Cell,7:391(1976)参照)。 本発明のこの点の重要性は、DHFR遺伝子
の増幅が、他のタンパクをコードしている関連
配列の増幅をも生起し得ることにある。関連タ
ンパクが、B型肝炎表面抗原(HBsAg)(J.
Christman,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,
79:1815(1982)),E.coliタンパクXGPRT
(Ringold,Gordon,et al.,J.Molec.and
Appl.Gen.,1:165(1981))、及び結合
DHFR/SV40プラスミド由来内在性配列(R.
F.Kaufman,et al.,J.Molec.Biol.,159:601
(1982))の場合に、前記の増幅現象が生じる。 メトトレキセート耐性を与える別のメカニズ
ムは、メトトレキセートに対するDHFRタン
パクの結合親和力を低下させること、従つてメ
トトレキセート感受性を低下させることである
(W.F.Flintoff,et al.,Somat.Cell Genet.,
2:245(1976))。しかしこの場合にも増幅は同
様に生じるであろう。 野性型DHFR、及び自身の結合親和力の低
下によりMTX耐性になつているDHFRに対す
る遺伝子は、どちらもMTXの存在により増幅
されるようにである。即ち、基本的に、本発明
は、MTXの存在下で、又は形質転換された細
胞をMTXで予備処理することにより、t−
PA配列の発現レベルを向上せしめる制御メカ
ニズムを得るために、DHFR配列の増幅が関
連タンパクをコードしている配列に与えるイン
パクトを利用している。 E 実施例 以下の実施例は本発明の代表例として示され
たものであり限定的な性質を持たない。以下に
記載の実施例に於いては、E.coli細胞及び導入
されるDHFRタンパクのコード配列の型に適
したCHOセルラインを宿主細胞として使用し
た。然しながら、他の真核細胞及び原核細胞も
同様に本発明方法に適している。 E.1 E.coliでのヒトt−PA遺伝子の発現 E.1 A 図の説明 第1図は、プロテアーゼインヒビター、
アプロチニンの存在下(レーンb)又は不
在下(レーンa)で、ヒトメラノーマ細胞
から3時間のパルスの間にin vivoで分泌
され免疫沈降させた〔35S〕−メチオニンで
標識された(1種以上の)タンパクを示す
10%SDSアクリルアミドゲルのオートラジ
オグラムである。組織プラスミノーゲン活
性化因子特異的IgGによる免疫沈降後、分
子量約65000、63000及び35000を有する3
つのバンドが観察された(レーンa)。然
しながら、プロテアーゼインヒビターの存
在下では、分子量35000の種は観察されな
かつた(レーンb)。免疫前血清を使用す
るといかなる産生物も免疫沈降しなかつた
(レーンc)。標準物質として使用した14C
で標識したタンパクの移動及び分子量をレ
ーンaの左方に示す。即ち、200000ミオシ
ン(H鎖);92500ホスホリラーゼB;
68000牛血清アルブミン;43000オバルブミ
ン(ovalbumin);25700α−キモトリプシ
ノーゲン;18400β−ラクトグロブリン。 第2図は、酸性尿素アガロースゲルから
単離されたRNA画分を翻訳した産生の免
疫沈降物をゲル電気泳動にかけた結果を示
す。イヌのスイ臓ミクロソームの存在下で
翻訳後に組織プラスミノーゲン活性化因子
特異的IgGで免疫沈降すると画分No.7及び
8で主バンドが観察された。このバンドは
分子量約63000ダルトンを有する。画分No.
7及び8に移動するmRNAのサイズは約
21乃至24Sである。RNA尿素ゲル電気泳
動後に決定され且つ見易いように臭化エチ
ジウムで染色されたリボソームRNAマー
カーの位置が適当なゲルレーンの上方に示
されている。 第3図は、32P−dTC(A G)CA(A G)TA
(C T)TCCCA(W−E−Y−C−D)プロ
ーブを用いた96個のコロニーのハイブリダ
イゼーシヨンパターンを示す。96個の形質
転換株の各々をマイクロタイタープレート
上で増殖させ、レプリカ平板法で処理し、
ニトロセルロース膜上で増殖させた。次に
コロニーを溶解し、細菌性DNAを固定し、
フイルターを32P−14ヌクレオチド体(14
量体)(W−E−Y−C−D)プローブと
ハイブリダイズした。フイルターを洗浄し
てハイブルダイズしなかつたプローブを除
去し、X線フイルムに露光した。このオー
トラジオグラムは48個のフイルター(4600
個の独立コロニー)の各々によつて得られ
たパターンを示す。No.25のフイルター上の
ポジテイブな組織プラスミノーゲン活性化
因子cDNAを有するクローンの例をE10
(矢印)で示す。 第4図は、全長(full length)ヒト組織
プラスミノーゲン活性化因子cDNAの制限
エンドヌクレアーゼマツプである。制限エ
ンドヌクレアーゼ開裂により生成した断片
の数及びサイズの測定には、6%アクリル
アミドゲル電気泳動を用いた。(第5図の)
核酸配列によつて部位の位置を確認した。
最大のオープンリーデイングフレーム
(open reading frame、停止コドンに至る
までの最長のDNA配列)のコード領域を
長方形で示し、斜線領域は推定されるシグ
ナルペプチド配列を示す。点描領域は推定
される成熟組織プラスミノーゲン活性化因
子配列(527個のアミノ酸)を示す。
mRNAの5′末端は左方、3′末端は右方に
示す。 第5a,5b及び5c図は、全長ヒト組
織プラスミノーゲン活性化因子cDNAのヌ
クレオチド配列及び推定されるアミノ酸配
列を示す。成熟配列に先行する35個のアミ
ノ酸(−35乃至−1)は連続した配列とし
て示されている。この35個のアミノ酸配列
は、成熟タンパクのセリン(+1)に先行
する約12乃至15個のアミノ酸親水性“プ
ロ”配列を含み、該プロ配列の前に“従来
の”疎水性シグナルが存在する(5′末端か
ら−35まで伸びる)。分泌されたタンパク
に於けるこ種のプレ−プロ構造は、既に、
例えばプレプロアルブミンに関して記載さ
れている。この理論に基く場合、分泌され
た組織プラスミノーゲン活性化因子の分子
は全て、アミノ末端としてのセリン(+
1)から始まるであろう。第2の理論によ
れば、親水性配列が組織プラスミノーゲン
活性化因子の機能に関与すると考えられて
おり、この機能は、10000ダルトンのペプ
チドが天然プラスミノーゲンのアミノ末端
部分(アミノ末端残基に因んで名付けられ
たGlu−プラスミノーゲン)から開裂され
て、Lys−プラスミノーゲンとよばれる新
しいアミノ末端を有するより小さい分子と
なるときにプラスミノーゲンで観察される
のと同様な機能であると考えられる。Lys
−プラスミノーゲンは、Glu−プラスミノ
ーゲンよりも活性化されてプラスミンにな
り易く、また線維素に対する親和力もより
大きい。プラスミンはGlu−プラスミノー
ゲンからLys−プラスミノーゲンへの転換
を触媒することが判明している。この種の
コントロールメカニズは“ポジテイブフイ
ードバツク”メカニズムとなる。最初に形
成されたプラスミンは、線維素を分解し同
時に天然プラスミノーゲンよりも活性化し
易く基質により堅く結合し易いプラスミノ
ーゲン分子を生成する。その結果、線維素
の分解が促進される。組織プラスミノーゲ
ン活性化因子の親水性ペプチドは同様なメ
カニズムにより、その開裂によつて線維素
への酵素の結合を修飾し得る。いずれにし
ても、35個のアミノ酸配列は、成熟タンパ
クのプレ配列と考えられる。 第6図は、組織プラスミノーゲン活性化
因子発現プラスミドp△RIPA°の構築を示
す概略説明図である。出発プラスミド
pPA25E10を先ずPstで消化して376bp断
片を単離し、次に該断片を図示の如く消化
する。 第7図は、p△RIPA°によつて形質転換
された細胞中で得られた発現産物の線維素
溶解能のフイブリンプレートアツセイの結
果を示す。 第8図は、(本発明の)組織プラスミノ
ーゲン活性化因子のトリプシン消化による
ペプチドのHPLC(高速液体クロマトグラ
フイー)トレース(210nmに於ける吸収)
を示す。矢印は、コロニーライブラリーに
用いるヌクレオチドプローブを設計すべく
使用されたペプチドに対応するピークを示
す。このピークで示されるペプチドの完全
配列は、L−T−W−E−Y−C−D−V
−P−S−C−S−T−C−G−Lである
ことが知見された。ヒト組織プラスミノー
ゲン活性化因子の正しいアミノ酸配列を確
認すべく、他の主たるピークの配列も同様
にして決定され知見された。アミノ酸を示
すペプチドの文字コードを以下に示す。 Asp D アスパラギン酸 Ile I イソロイシン Thr T スレオニン Leu L ロイシン Ser S セリン Tyr Y チロシン Gle E グルタミン酸 Phe F フエニルアラニン Pro P プロリン His H ヒスチジン Gly G グリシン Lys K リジン Ala A アラニン Arg R アルギニン Cys C システイン Trp W トリプトフアン Val V バリン Gln Q グルタミン Met M メチオニン Asn N アスパラギン トリプチツクペプチド解釈(tryptic
peptide analysis)用のサンプルは以下の
如く調製した。1mgのt−PAを100倍容の
1%NH4HCO3に対して透析し、凍結乾燥
した。乾燥サンプルに、尿素0.361g、
EDTA溶液(Na2EDTA50mg/ml)0.03
ml、トリス緩衝液(100ml中に17.3gのト
リス塩基及び29.7mlの1NHClを含有する)
0.3ml及び2−メルカプトエタノール0.01
mlを添加した。 H2Oを添加した容積を0.75mlに調整し、
サンプルを1mlの気密性バイアルに入れ
た。バイアルを8M尿素で上端部に50μ
の空間を残すように充填し、乾燥N2で置
換し、密封した。室温で4時間インキユベ
ートし、50μのヨード酢酸(1N NaOH
中540mg/ml)を添加し、暗所で15分間イ
ンキユベートした。次いで、1%
NH4HCO3を含浸しフオイルで包んだ
SephadexPD−10カラムにかけ、タンパク
を含有する画分の集めた。(ジフエニルカ
ルバミルクロリド(DPCC)処理した)ト
リプシンをt−PAに対して重量比1:100
で添加し、37℃で16時間インキユベートし
た。次いでサンプルを凍結した。
SynchronRP−4カラム逆相クロマトグラ
フイーを使用してSpectra Physics
SP8000HPLC系でHPLC解析した。0.1%
トリフルオロ酢酸水溶液中アセトニトリル
密度勾配(0〜70%)を使用してペプチド
を溶出した。210nm及び280nmに於ける
吸収をモニターした。 第9図は、E.coliでの成熟ヒト組織プラ
スミノーゲン活性化因子の直接発現をコー
ドするプラスミドの構築を示す。50μgの
プラスミドpPA17をSau3A及びHha
で消化し、6%ポリアクリルアミドゲル電
気泳動にかけた。約0.5μgの55bpSau3A
−Hha断片を回収した。同様にして、
80μgのクローンpPA25E10から先ず
300bpPst−Nar断片を単離し次にこの
断片をHhaで消化することにより約3μ
gの263bpHha−Nar断片を精製した。
全ての消化は37℃にて1時間を要して行な
われ、反応産物を溶解し、6%ポリアクリ
ルアミドゲルから電気溶出した。図示の2
種のデオキシオリゴヌクレオチド
5′dAATTCATGTCTTATCAAGT()
と5′dGATCACTTGATAAGACATG
()とを固相ホスホトリエステル法によ
り合成した(文献51参照)。60mMのトリ
ス(PH8)、10mMのMgCl2、15mMのβ
−メルカプトエタノール及び50μCiの
〔γ32P〕ATP(Amersham,5000Cim
mol-1)を含む30μの反応容量中で
100pmoleのオリゴヌクレオチドをリン
酸化し、12ユニツトのT4ポリヌクレオチ
ドキナーゼを添加し、37℃で15分間反応さ
せた。次に、1μの10mMATP及び12ユ
ニツトのT4キナーゼを添加し更に30分間
反応させた。フエノール/CHCl3抽出後、
リン酸化オリゴマー及び5′−ヒドロキシ
オリゴマーを、0.5μgの溶出55bp
Sau3A−Hha断片及び2μgの263bp
Hha−Nar断片と合せてエタノール沈
澱した。これらの断片を、20mMのトリス
−HCl(PH7.5)、10mMのMgCl2、10mM
のジチオスレイトール、0.5mMのATP及
び1000ユニツトのT4DNAリガーゼを含む
60μの反応液中で、室温にて4時間を要
して結合した。混合物を、48ユニツトの
Nar、20ユニツトのEcoR及び40ユニ
ツトBglで1時間消化して(粘着性
Sau3A末端相互の結合による重合を阻
止し)、6%ゲル電気泳動させた。338bp
の産物(約0.1μg)を電気溶出によつて回
収した。プラスミドpPA25E10をNar及
びBglにより消化して、1645bp断片とし
てt−PAコード配列の残部(アミノ酸111
−528)を単離した。プラスミド
pLeIFAtrp103は、LeIFA遺伝子に対して
遠位のEcoR部位が除去された(文献53)
プラスミドpLeFA25の誘導体(文献52)
である。3μgのpLeFAtrp103を、20ユ
ニツトのEcoR及び20ユニツトのBgl
を用いて37℃で90分間消化し、6%ポリア
クリルアミドゲル電気泳動さ、大きい(〜
4200bp)ベクター断片を電気溶出によつ
て回収した。最終的な構築のために、80n
gのEcoR−Bgl pLeIFAtrp103断片
を、100ngの1645bp Nar−Bgl断片
及び20ngの338bp EcoR−Nar断片
と、室温で10時間かけて結合した。この結
合混合物を用いてE.coli K−12株294を形
質転換した。38個の形質転換株からプラス
ミドDNAを調製しEcoRで消化した。こ
のうち10個のプラスミドが所望の600bp及
び472bpEcoR断片を含有していた。
DNA配列解析により確認すると、これら
のプラスミドの1つ(pt−PAtrp12)が
trpプロモーター、合成DNA及びcDNA間
の接合部に所望のヌクレオチド配列を有し
ていた。 第10図は、本発明の組織プラスミノー
ゲン活性化因子発現産物の線維素溶解能の
フイブリンプレートアツセイの結果を示
す。5μg/mlのテトラサイクリンを含む
ルリアブロス(Luria broth)で1晩培養
したE.coli W3110/pt−PAtrp12を、0.2
%のグルコース、0.5%のカザミノ酸及び
5μg/mlのテトラサイクリンを含むM9培
地中に1:100に希釈した。細胞を37℃で
A5500.2になるまで増殖させ、インドール
アクリル酸を最終濃度が20μg/mlになる
まで添加した。A550=0.5−0.6(〜2×108
細胞/ml)で遠心してサンプルを採取し直
ちに凍結した。細胞ペレツトを6Mの塩酸
グアニジンに5×108細胞/mlで懸濁させ、
10秒間超音波処理し、24℃で30分間インキ
ユベートし、次いで25mMのトリス−HCl
(PH8.0)、250mMのNaCl、0.25mMの
EDTA及び0.01%のTween80に対して4
時間透析した。透析後、サンプルを13000
×gで2分間遠心し、10μの上清を分析
して組織プラスミノーゲン活性化因子の活
性を定量した。Granelli−Piperno及び
Reichの方法(文献87)を準用し、プレー
トを37℃で3.5時間インキユベートし溶解
ゾーンを測定した。精製メラノーマ組織プ
ラスミノーゲン活性化因子溶液の希釈液と
比較して定量した。 E.1.B 組織プラスミノーゲン活性化因子 mRNAの起源 ヒトメラノーマ細胞(Bowes)を使用
した(この細胞は、例えばLeuven
Research and Development vzb,
Leuven,Belgium(Dr.D.Collen)等から
制限なく自由に入手可能である。文献88参
照)。炭酸水素ナトリウム(最終濃度0.12
%)、2mMのグルタミン及び10%の熱失
活牛胎児血清を補充した100mlのEarles
Minimal Essential Media(米国バージニ
ア州マツクレーンのFlow laboratories社
製)中で、メラノーマ細胞をコンルエント
な状態になるまで単層培養した。メラノー
マ細胞がヒト組織プラスミノーゲン活性化
因子を有効に産生したことを確認すべく、
24ウエルマイクロタイターでヒトメラノ
ーマ細胞をコンルエントな状態になるまで
培養した。0.33μMのプロテアーゼインヒ
ビター、アプロチニンの存在下又は不在下
で、細胞をリン酸緩衛生理食塩水(PBS)
で1度洗浄し、血清及びメチオニンを含ま
ない培地0.3mlを添加した。75μCiの〔35S〕
−メチオニンを添加し細胞を37℃で3時間
かけて標識した。3時間で標識した後、培
地を細胞から除去し、免疫沈降のために組
織プラスミノーゲン活性化因子特異的IgG
又は免疫前血清で処理した(文献54)。免
疫沈降産物を10%SDSアクリルアミドゲル
電気泳動させ(文献63)、平板ゲルを固定
し、乾燥し、X線蛍光測定した(文献64、
第1図参照)。 E.1.C メツセンジヤーRNAの単離及びサイズ分
画 メラノーマ細胞培養物から得た全RNA
を、Ward et al.の方法(文献55)を準用
して抽出した。細胞を遠心によりペレツト
にし、次に10mMのNaCl、10mMトリス
−HCl(PH7.5)及び1.5mMのMgCl2に再懸
濁させた。NP−40(NONIDET P−40、
米国メリーランド州ロツクヴイルのBRL
(Bethesda Research Laboratories)社
製(最終濃度1%)を添加して細胞を溶解
し、遠心して核をペレツト化した。全
RNAを含む上清を多数回のフエノール/
クロロホルム抽出により更に精製した。水
相を0.2MNaCl溶液にし、次に2倍容のエ
タノールを添加して全RNAを沈澱させた。
オリゴーdTセルロースクロマトグラフイ
ーを用い、全RNA調製物からmRNAを精
製した(文献54)。典型的な収量としては、
10gの培養メラノーマ細胞から5乃至10mg
の全RNA及び50乃至200μgのポリ(A)プラ
スmRNAが得られた。 尿素−アガロースゲル電気泳動を用いて
ポリA+mRNA(200μg)(文献56)の分画
を行なつた。1.75%のアガロース、
0.025Mのクエン酸ナトリウム(PH3.8)及
び6Mの尿素から成る平板アガロースゲル
(文献57及び58)を用いた。電気泳動は25
ミリアンペア、4℃で7時間実施し、次に
ゲルをカミソリの刃で分割した。各スライ
スを70℃で融解し、フエノールで2回、ク
ロロホルムで1回抽出した。次に画分をエ
タノール沈澱し、引続いてイヌのスイ臓ミ
クロソール(文献61)を補充したウサギ網
状赤血球ライゼート系(Bethesda
Research Lab.,文献59及び60)中in
vitroで、以下の如く翻訳してアツセイを
実施した。25mMのHEPES(N,2−ヒ
ドロキシエチルピペラジン−N−2−エン
タスルホン酸緩衝液)、48.3mMの塩化カ
リウム、10mMのリン酸クレアチン、各50
mMの19種のアミノ酸、1.1mMの塩化マ
グネシウム、16.6mMのEDTA、0.16mM
のジチオスレイトール、8.3mMのヘミン、
16.6μg.mlのクレアチンキナーゼ、0.33
mMの塩化カルシウム、0.66mMのEGTA
(エチレングリコール−ビス−(β−アミノ
エチルエーテル)−N,N,N,N−テト
ラ酢酸緩衝液)及び23.3mMの塩化ナトリ
ウムを含む最終容量30μの溶液中で
25μCiの〔35S〕−メチオニン及び500ngの
各ゲルスライスRNAを用いて翻訳した。 30℃で90分間インキユベートした。リボ
ソーム(文献61)を除去すべくEDTAを
用いて粗ミクロソームから調製したイヌの
スイ臓ミクロソーム膜を、文献62に記載の
如くヌクレアーゼで処理し、最終濃度
7A260ユニツト/mlで翻訳混合物中に存在
させた。翻訳産物又は免疫沈降翻訳産物
を、文献63に記載の如く、ドデシル硫酸ナ
トリウム中に10%ポリアクリルアミドゲル
電気泳動にかけて解析した。未染色の平板
ゲルを固定し、乾燥して蛍光測定した(文
献64)。 各ゲル画分から得られた翻訳産物をウサ
ギの抗ヒト組織プラスミノーゲン活性化因
子特異的IgGで免疫沈降させた。主な免疫
沈降ポリペプチドバンドは、分子量約
63000ダルトンのRNA画分No.7及び8(21
乃至24Sの移動度)の翻訳産物中に見られ
た。免疫沈降の際に免疫前IgGを使用する
と前記のバンドが見られなかつた。このこ
とは、これらのポリペプチドが組織プラス
ミノーゲン活性化因子特異的であることを
意味する。 E.1.D 組織プラスミノーゲン活性化因子配列を
含むコロニーライブラリーの調製 5μgのゲル分画mRNA(ゲルスライス7
のmRNA)を使用し、標準法(文献52、
65及び66)で2重鎖、cDNAを調製した。
cDNAを6%ポリアクリルアミドゲルでサ
イズ分画し、350bpより長いcDNA(125n
g)を電気溶出した。ターミナルデオキシ
ヌクレオチジルトランスフエラーゼ(文献
67)を用いて30ngのcDNAにデオキシ(C)
残基をつなぎ、同様にPst部位にデオキ
シ(G)残基(文献67)を末端に結合したプラ
スミドpBR322(文献68)300ngとアニー
ルした。アニールした混合物を次にE.coil
K12株294(ATCC No.31446)に形質転換
し、得られたテロラサイクリン耐性コロニ
ーを、5μg/mlのテトラサイクリン含有
L−ブロス(文献93)を入れたマイクロタ
イタープレートの個々のウエルに接種し
た。4600個の形質転換株のcDNAライブラ
リーをニトロセルロースフイルター上で増
殖させ、各コロニーのDNAをフイルター
に固定した(文献69)。8種のデオキシオ
リゴヌクレオチドdTC(A G)CA(A G)TA
(C T)TCCAを、4種の14ヌクレオチド体
の2種のプール中で固相ホスホトリエステ
ル法(文献51)によつて化学的に合成し
た。32P−標識プローブを前記8種の14ヌク
レオチド体(文献52)のプールから調製し
た。4600個の形質転換株を含有するフイル
ターのセツトを、リン酸ナトリウム(PH
6.8)50mM、5×SSC、超音波処理サケ
精子DNA150μg/ml、5×デンハルト溶
液及び10%ホルムアミド中で、前記標識プ
ローブ5×107c.p.mとハイブリダイズし
た。室温に16時間放置した後、フイルター
を室温で6×SSC及び0.1%SDS中で良く
洗浄し、次いでX−線フイルムに露光し
た。 E.1.E DNAプローブの調製 文献19及び20に記載の方法で精製ヒト組
織プラスミノーゲン活性化因子を得た。 合成プローブの作成の最適領域を見い出
すべく分子を以下の如く検査した。 タンパクをトリブシン消化し易くするた
めに還元及びカルボキシメチル化した。組
織プラスミノーゲン活性化因子2mgのサン
プルを先ず0.01%Tween80に対して室温で
1晩透析した。凍結乾燥したタンパクを次
に0.56Mのトリス−HCl緩衝液(PH8.6)、
8Mの尿素及び5mMのEDTAを含む液12
mlに溶解した。0.1mlのβ−メルカプトエ
タノールを添加してジスルフイド結合を還
元した。反応は窒素下45℃で2時間行なつ
た。1.4Mのヨード酢酸の1N NaOH溶液
1.0mlを添加して還元ジスルフイドをアル
キル化しカルボキシメチル化誘導体を得
た。室温に20分間放置後、0.01%Tween80
に対して室温で18時間透析して反応を停止
し、凍結乾燥した。 得られた凍結乾燥カルボキシメチル化タ
ンパクを3mlの0.1Mリン酸ナトリウム緩
衝液(PH7.5)に再度溶解した。トリプシ
ン(TPCK、L−1−トシルアミド−2−
フエニルエチルクロロメチルケトンで処理
したトリプシン)を(1:50の割合で)添
加し、37℃で消化した。3時間、6時間及
び12時間後にサンプル(0.1ml)を取出し
た。12時間後にトリプシンを再度添加し
た。24時間後にサンプルを凍結して反応を
停止し、HPLCに注入できるまで保存し
た。SDSゲルによりサンプルの消化の程度
を測定した。3時間後のサンプルでかすか
なバンドが見られる以外、全てのゲルに変
化はなかつた。このことは、24時間で完全
な消化が行なわれ、大きいペプチドが残存
しないことを示す。 約0.5mlのサンプルを2系列操作型の高
分解能Altex C−8ウルトラスフエア
(ultrasphere)5μカラムに注入した。アセ
トニトリルの勾配を徐々に与えた(5分で
1乃至5%、100分で5乃至35%、30分で
35分乃至50%)。2系列操作のうちの1系
列の操作で溶出液を2つの波長(210nm
及び280nm)でモニターした。2つの波
長での吸収比を用いてトリプトフアンを含
むペプチドを検出した。 多分トリプトフアンを含むと思われるペ
プチドピーク、又は他の理由で有用と考え
られたペプチドピークの配列決定を最初に
行つた。これにより大部分のトリプトフア
ンの周辺の配列を決定し得た。約25個の最
も可能性があると思われるペプチドピーク
の配列決定後、一列に並べた全部の配列デ
ータをプールして組織プラスミノーゲン活
性化因子の一次構造の予備モデルが得られ
た。このデータ及びモデルからいくつかの
可能なプローブの位置を決定した。 E.1.F 組織プラスミノーゲン活性化因子cDNA
配列を含む細菌クローンの同定 5μg/mlのテトラサイクリンを含むLB
(文献93)を入れたマイクロタイタープレ
ートの各ウエルにコロニーを1来ずつ接種
し、7%までDMSOを添加して−20℃に
保存した。コロニーライブラリーの2個の
コピーをニトロセルロースフイルター上で
増殖させ、各コロニーから得たDNAを
Grunstein Hogness法(文献69)でフイル
ターに固定した。 32P−標識−TC(A G)CA(A G)TA(C T)
TCCCAプローブを、前記の如く合成オリ
ゴマーから調製した(前記(W−E−Y−
C−D)14ヌクレオチド体プール)。50m
Mのリン酸ナトリウム(PH6.8)、5×SSC
(文献80)、150μg/mlの超音波処理サケ
精子DNA、5×デンハルト溶液(文献85)
及び10%ホルムアミド中、4600個の形質転
換株を含むフイルターを、室温で2時間プ
レハイブリダイズし、次に同じ溶液中で50
×106カウント/分の標識プローブとパイ
ブリダイスした。室温で、一晩インキユベ
ートし、フイルターを6×SSC及び0.1%
SDS中室温で30分間3回洗浄し、2×SSC
で1回洗浄し、次にDupont Lightning
Plus増感スクリーンでKodak XR−5
X線フイルムに16時間露光した。 ボジテイブなハイブリダイゼーシヨン反
応を示した12個のコロニーからプラスミド
DNAを単離した(文献71)。次に、断片を
M13ベクターmp7(文献73)中でサブクロ
ーン化した後、クローンから得たcDNAイ
ンサートの配列を、chain termination法
(文献72)及びMaxam Gilbert化学法(文
献74)により決定した。第3図は、ポジテ
イブな組織プラスミノーゲン活性化因子ク
ローンのハイブリダイゼーシヨンパターン
を示すフイルターNo.25の図である。コロニ
ー25E10中のcDNAインサートのアミノ酸
配列と、精製組織プラスミノーゲン活性化
因子から得られたペプチド配列(前記)と
の比較、及びE.coli中で産生される発現産
物(詳細は後記)とから、このcDNAイン
サートが組織プラスミノーゲン活性化因子
をコードするDANであることが判明した。
クローン25E10(プラスミドpPA25E10)の
cDNAインサートは、(第5図に示すよう
にヌクレオド243から始まる)2304dpの長
さを有しており、その最長のオープンリー
デイングフレームは508個のアミノ酸から
なるタンパク(MW56、756)をコードし
ており、745bpの3′非翻訳領域を含む。こ
のcDNAクローンにはN−末端をコードす
る配列が欠如している。 E.1.G E.coliでのヒト組織プラスミノーゲン活
性化因子クローンの直接発現 第6図に示す如く、50μgのpPA25E10(前記)
をPstで消化し、6%ポリアクリルアミドゲル
電気泳動で376bpの断片を単離した。この断片約
3μgを電気溶出でゲルから単離し、30ユニツト
のDdeを用いて37℃で1時間消化し、フエノー
ルクロロホルムで抽出し、エタノール沈澱させ
た。これによりDde粘着末端が得られる。反応
混合物に5ユニツトのDNAポリメラーゼ
(Klenow断片)並びに各0.1mMのdATP、
dCTP、dGTP及びdTTPを添加し、4℃で8時
間インキユベートして、前記のDde粘着末端を
伸ばして平滑末端とした。フエノール−クロロホ
ルム抽出後、DNAを15ユニツトのNarで2時
間消化し、反応混合物を6%ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動にかけた。約0.5μgの所望の125bp
平滑末端−Nar断片を回収した。この断片は、
成熟全長組織プラスミノーゲン活性化因子タンパ
クのアミノ酸のうちNo.69からNo.110までのアミノ
酸をコードしている。 1645bp Nar−Bg断片を単離するために、
30μgのpPA25E10を30ユニツトのNar及び
35ユニツトのBglにより37℃で2時間消化し、
反応混合物を6%ポリアクリルアミドゲル電気泳
動にかけた。約6μgの所望の1645bp Nar−
BGl断片を回収した。 プラスミドp△RIexsrcはプラスミド
pSRCex16(文献79)の誘導体てあり、前者に於
いては、trpプロモーターに近位でSRC遺伝子に
遠位のEcoR部位がDNAポリメラーゼ(文献
28)で修復することにより除去されており、ホス
ホトリエステル法(文献75)で合成された自己相
補的オリゴデオキシヌクレオチド
AATTATGAATTCATがXba部位の直ぐ隣
りの残存EcoR部位に挿入されている。20μg
のp△RexsrcをEcoRで完全に消化し、フエ
ノール−クロロホルムを抽出し、エタノール沈澱
した。次に、25mMの酢酸ナトリウム(PH4.6)、
1mMのZnCl2及び0.3MのNaClの中でプラスミ
ドを100ユニツトのヌクレアーゼS1で16℃、30分
間消化し、配列ATGをもつ平滑末端を形成した。
フエノール−クロロホルム抽出及びエタノール沈
澱後、DNAをBamHで消化し、6%ポリアク
リルアミドゲル電気泳動にかけ、大きい
(4300bp)ベクター断片を電気溶出で回収した。 0.2μgのベクター、0.06μgの125bp平滑末端−
Nar断片及び0.6μgの1645bpNar−Bgl断
片とを、10ユニツトのT4DNAリガーゼで、室温
で7時間を要して互いに結合して発現プラスミド
を構築し、E.coli294株(ATCC No.31446)をア
ンピシリン耐性に形質転換すべく使用した。プラ
スミドDNAを26個のコロニーから調製しXba
及びEcoRで消化した。そのうち12個のプラス
ミドが所望の415bpXba−EcoR断片及び
472bpEcoR−断片を含んでいた。DNAの配列
決定により、これらのプラスミドのいくつかが、
出発点であるアミノ酸No.69(セリン)に対して正
しく配置されたATG開始コドンを有することが
確認された。これらのプラスミドの1つ、p△
RIPA°を試験したところ、所望の組織プラスミノ
ーゲン活性化因子を産生していた(第7図)。 E.1.H 全長組織プラスミノーゲン活性化因子
cDAN (a) N−末端組織プラスミノーゲン活性化
因子配列を含むコロニーライブラリーの
調製 0.4μgの合成オリゴヌクレオチド
5′TTCTGAGCACAGGGCG3′(これは
t−PAmRNAのヌクレオチド256−271
に相補的である)を合成し(文献51)、
これをプライマーとして使用し、標準法
(文献65及び66)により、7.5μgのゲル
画分No.8のmRNA(前記)から、二重鎖
cDNAを調製した。cDNAを6%ポリア
クリルアミドゲルでサイズ分画した。
300bpより大きいサイズ画分(36ng)を
電気溶出した。ターミナルデオキシシチ
ジルトランスフエラーゼ(文献67)を用
いて5ngのcDNAにデオキシ(c)残基を
つなぎ、同様にPst部位(文献67)に
デオキシ(G)残基をつないだ50ngのプラ
スミドpBR322(文献68)とアニールし
た。次にアニールした混合物をE.coli
K12株294に形質転換した。約1500個の
形質転換株が得られた。 (b) ヒトゲノムDNAのサザンハイブリダ
イゼーシヨン cDNAのプライミング反応が、クロー
ンpPA25E10のN−末端から13bpのハイ
ブリダイズした合成断片を用いて行なわ
れたので、(16ヌクレオチド体配列を含
む)この29bp領域には、cDNAクロー
ンをスクリーニングするための適当な制
限断片は得られなかつた。従つて、N−
末端組織プラスミノーゲン活性化因子を
コードしている配列を含みプライマーで
伸延したcDNAクローを固定するために
は、ヒト組織プラスミノーゲン活性化因
子ゲノムのクローン(文献76)を単離す
ることが必要であつた。 このプロセスの第1段階では、唯一の
相同組織プラスミノーゲン活性化因子の
遺伝子がヒトゲノムDNA中に存在する
ことを確認した。このためにサザンハイ
ブリダイゼーシヨンを実施した。この方
法に於いては、5μgの高分子量ヒトリ
ンパ球DNA(文献80の如く調製)を種々
の制限エンドヌクレアーゼで完全に消化
し、1.0%アガロースゲル電気泳動(文
献81)にかけ、ニトロセルロースフイル
ターにブロツトした(文献77)。 pPA25E10のcDANインサート
(232bpRsa−Pst断片)の5′末端か
ら32P−標識DNAプローブを調製し(文
献76)、前記ニトロセルロースフイター
とハイブリダイズした(文献82)。35×
106カウント/分のプローブを40時間ハ
イブリダイズし、次に洗浄した(文献82
参照)。2種のエンドヌクレアーゼ消化
パターンから唯一のハイブリダイズ
DNA断片:Bgl(5.7Kbp)及びPvu
(4.2Kbp)が得られた。2種のハイ
ブリダイズDNA断片がHinc(5.1Kbp
及び4.3Kbp)で観察された。両者を総
合したデータによれば、ヒトゲノム中に
唯一の組織プラスミノーゲン活性化因子
が存在すること、及び該遺伝子が少なく
とも1個の介在遺伝子を有することが判
明した。 (c) 組織プラスミノーゲン活性化因子遺伝
子用ヒトλフアージライブラリーのスク
リーニング 組織プラスミノーゲン活性化因子遺伝
子を担うλフアージ組換体を同定するた
めに、組織プラスミノーゲン活性化
pPA25E10のcDNAから調製された放射
性プローブとのヌクレオチド相同性を検
出する方法を用いた。10万個の組織λフ
アージを10000pfu/15cmプレートの密度
でDP50Sup Fを宿主としてプレートア
ウトし、Benton及びDavisの方法(文献
78)により、各プレート毎にニトロセル
ロースフイルターレプリカを調製した。
標準法(文献83)を使用し、プラスミド
pPA25E10の232bpRsa−Pst断片を
用いて、32P−標識DNAプローブを調製
した。50mMのリン酸ナトリウム(PH
6.5)、5×SSC(文献77)、0.05mg/mlの
超音波処理サケ精子DNA、5×デンハ
ルト溶液(文献84)及び50%ホルムアミ
ド中で、各ニトロセルロースフイルター
を42℃で2時間プレハイブリダイズし、
次に、10%デキストラン硫酸ナトリウム
(文献85)を含む同じ溶液中で、50×106
カウント/分の標識プローブとハイブリ
ダイズした。42℃で1晩インキユベート
し、フイルターを0.2×SSC及び0.1%
SDS中50℃、30分間で4回洗浄し、2×
SSCで室温で1回洗浄し、次にDupont
Cronex増感スクリーンでXR−5、X−
線フイルムに1晩露光した。全部で19個
のクローンがプローブとハイブリダイズ
した。6個の組換体から文献86に記載の
方法でフアージDNAを調製した。コロ
ニースクリーニング用のPvu断片を調
製するために、これらのポジテイブなハ
イブリダイゼーシヨンを示す組換体の中
からλクローンCを選択した。30μgの
DNAをPvuを用いて37℃で1時間消
化し、1.0%アガロースゲル電気泳動に
かけた。組織プラスミノーゲン活性化因
子をコードする配列を含有することが既
に判明した、4.2Kbpの断片を電気溶出
して精製した。後述の如きコロニーハイ
ブリダイゼーシヨンを行なうために標準
法(文献83)を用いて32P−標識プロー
ブを調製した。 (d) 5′−組織プラスミノーゲン活性化因子
配列のためのコロニーライブラリーのス
クリーニング コロニーをプレートからニトロセルロ
ースフイルターに移して増殖させ、各コ
ロニーから得たDNAをGrunstein−
Hogness法(文献69)でフイルターに固
定した。単離した組織プラスミノーゲン
活性化因子λゲノムのクローンから
4.2KbpPvu断片の仔牛胸線(文献83)
プライミングによつて32P−標識プロー
ブを製造した。1、500個の形質転換株
を含むフイルターを112×106cpmの32P
−ゲノムPvu断片とハイブリダイズし
た。 Fritsch et al.により記載された条件
(文献82)を用いてハイブリダイゼーシ
ヨンを16時間継続した。フイルターをよ
く洗い次にDupont Lightning−Plus増
感スクリーンと共にKodakXR−5 X
−線フイルムに16乃至48時間露光した。
18個のコロニーが明らかにゲノムプロー
ブとハイリダイズした。プラスミド
DNAをこれらのコロニーの各々から単
離し、ニトロセルロースフイルターに固
定し、最初のプラスイミング反応に使用
した32P−標識合成オリゴヌクレオチド
(16ヌクレオチド体)とハイブリダイズ
した。18個のクローンのうちの7個がキ
ナーゼによつて活性化した16ヌクレオチ
ド体とハイブリダイズした。m13ベクタ
ーmp7(文献73)中での断片のサブクロ
ーン化後に配列を解析すると、1種類の
クローン(pPA17)が組織プラスミノ
ーゲン活性化因子の正しい5′末端領域、
シグナルリーダー配列及び84bp5′非翻訳
領域を含むことが判明した。 pPA17のcDNAインサートの長さは
271bpである。これはその合成にプライ
マーとして使用したヘキサデカヌクレオ
チド配列を含んでおり、これによりその
DNA配列をpPA25E10の配列と合わせ
て整列することが可能になつた。これら
2種のcDNAクローンpPA25E10及び
pPA17から、t−PAのヌクレオチド配
列及びそれに対応するアミノ酸配列を決
定した(第5図)。2種のクローン
pPA25E10及びpPA17から、第5図の完
全ヌクレオチド配列及び全長組織プラス
ミノーゲン活性化因子クローンの制限パ
ターン(第4図)を決定した。 完全な2530bp cDNA配列は単一のオ
ープンリーデイングフレームを含んでお
り、これはヌクレオチド85〜87のATG
コドンで始まつている。このATGの下
流に562個のコドンがあり、その後ヌク
レオチド1771〜1773にTGA停止トリプ
レツトがある。このATGは、最初に遭
遇するものであり、かつ、このATGの
上流ヌクレオチド4〜6の位置には相内
に停止コドンがあるので、これらが恐ら
く翻訳開始部位として働いている。アミ
ノ酸No.1と印したセリンは、精製メラノ
ーマ細胞t−PAのNH2−末端の配列決
定に基づいている。このセリンの前に35
個のアミノ酸があり、このうちNH2−
末端の20〜23個は、t−PAの分泌に関
与する疏水性シグナルペプチドを構成し
ていると思われる。残りの12〜15個の親
水性アミノ酸は成熟t−PAの第一アミ
ノ酸の直前にあり、血清アルブミンに見
られるものに類似する“プロ”配列を構
成している。3′−非翻訳領域は759個の
ヌクレオチドから成り、ヘキサヌクレオ
チドAATAAA(位置2496〜2501)を含
んである。このヘキサヌクレオチドは、
多くの真核生物mRNAのポリアデニル
化部位の上流にある。 天然の組織プラスミノーゲン活性化因
子の分子は、35個のシステイン残基を有
しており、従つて17個のジスルフイド結
合により安定化される可能性を有する。
第12に示した概略図は、他のセリンプ
ロテアーゼとの相同性に基づいて構成さ
れる。4個の可能なN−グリコシル化部
位があり、このうち3個はクリングル領
域のasn117、asn184、asn218に存在して
おり、他の可能な部位はL鎖領域の
asn448に存在している。構造上のオリゴ
糖リガンドの違いが種々の分子形態(分
子量65000及び63000の種)の原因であ
る。 アミノ酸分析用のt−PAサンプルは、
0.1%NH4HCO3に対して充分に透析し
減圧乾燥して調製した。残基を6N HCl
に懸濁し、バイアルを真空密封した。加
水分解は110℃で24時間実施した。次い
で、得られた加水分解物をBeckman
System6300アミノ酸分析器で解析した。 分子量は、ゲル分析により以下の如く
決定した。 Laemmliの方法(文献63)を使用し
てSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動
を行なつた。ゲルは、10%アクリルアミ
ド及び0.27%メチレンビスアクリルアミ
ドから成つていた。サンプルの還元が必
要なときには、メルカプトエタノールの
代わりにジチオスレイトールを用いて還
元し、Bio−Rad低分子量SDS標準混合
物を標準として使用した。Morrissey、
Anal.Biochem.117、307(1981)の方法
に従つて銀染色を行なつた。 種々の分子量を有するt−PAを、溶
出液としてアルギニンを用いてリジン−
セフアロース上で分離した。単離したタ
ンパクは、検出可能な量のSDSゲル電気
泳動による交差汚染(cross
contamination)を含まなかつた。各タ
イプのタンパクを、先ず還元し、カルボ
キシメチル化し、前記の如くトリプシン
消化した。この消化性生物を、Con−A
−アガロース(Sigma社製)にかけ、
0.2Mのα−メチルマンノシドで溶出し
た。Con−A樹脂に結合し、α−メチル
マンノシドで溶出するペプチドを、前記
HPLCを用いて解析した。高分子量のt
−PAは3種の主要なペプチドを含んで
おり、低分子量のt−PAは2種のCon
−Aに結合するペプチドを含んでいた。
これらのペプチドをタンパク質配列分析
により同定した。その結果、(1)両者のタ
イプのt−PAにおいて残基117及び448
がグリコシル化されており、対応するト
リプチツペプチドがCon−Aと結合して
いること、(2)高分子量のタイプのt−
PAでは残基184がグリコシル化され、
Con−Aに結合しているが、低分子量の
タイプのt−PAは、グリコシル化残基
184を含有しているCon−Aに結合する
ペプチドを含んでないこと、及び、(3)残
基218のアスパラギンがグリコシル化さ
れていないようであることが判明した。 E.1.I E.coli中での全長組織プラスミノーゲン活
性化因子cDNAクローンの直接発現 部分クローンpPA17とpPA25E10との双
方に共通のHha制限エンドヌクレアーゼ
部位を用いることにより、完全コード配列
の再構築が可能であつた。アミノ酸5−23
に対応する55bp Sau3A−Hha制限断
片をプラスミドpPA17から単離した。
Sau3A制限部位は推定成熟コード配列
のコドン4に位置しており、シグナルペプ
チドをコードする領域を除去すべく使用し
た。同様に(アミノ酸24−110をコードす
る)263bpHha−Nar断片をプラスミ
ドpPA25E10から単離した。アミノ酸1−
4のコドンを再生しATG翻訳開始コドン
を組込んでEcoR粘着末端を形成する2
種の合成デオキシオリゴヌクレオチドを設
計した。次に、これら3種の断片を互いに
結合し、アミノ酸1−110をコードする
338bp断片を形成した。次に該断片及び
pPA25E10から得た1645dp Nar−Bg
断片を、プラスミドpLe IFAtrp103(文献
53)のEcoR部位及びBgl部位の間に
結合し、発現プラスミドpt−PAtrp12を
調製した。trpプロモーター、オペレータ
ー及びtrpリーダーペプチドのシヤイン−
ダルガルノ配列を含むリーダーペプチド
ATG開始コドン(文献52を含まないE.
coli trpオペロンの300bp断片の制御下で
クローン化t−PA遺伝子を転写した。 プラスミドpt−PAtrp12を含むE.coli
K12株 W3110(ATCC No.27325)を増殖
し、線維素溶解能アツセイのための抽出物
を調製した。調製プラスミノーゲン活性化
因子の活性を測定する1つの方法としてフ
イブリンプレートアツセイ(文献87)があ
る。この方法では、プラスミノーゲン及び
線維素を含むアガロースプレート中でのプ
ラスミンによる線維素の消化の程度を測定
することによつてプラスミン生成量を測定
する。プラスミンはフイブリンプラスミン
中に透明な溶解ゾーンを形成し、このゾー
ンの面積をサンプル中の組織プラスミノー
ゲン活性化因子の量と相関させ得る。フイ
ブリンプレートアツセイを使用して、pt−
PAtrp12クローンから得た抽出物の組織プ
ラスミノーゲン活性化因子の活性を試験す
ると、透明溶解ゾーンが明らかである。こ
の線維素溶解能は抗t−PAIgGによつて
阻害されるが、免疫前IgG又は抗ウロキナ
ーゼIgGによつては阻害されない。対照と
白血球インターフエロンプラスミドpLe
IFA trp103を含む細胞から得られた抽出
物について試験したところ、活性は全く検
出されなかつた。精製t−PAについて得
られた標準曲線によれば、109個の細胞当
たり約20ユニツトの抽出活性が得られると
推定し得る(精製t−PAでは、
90000Plough)ユニツト=1mg)(第10
図)。 E.1.J 配列解析 配列解析はEdamn分解(文献83b)に基
づいて行なつた。サンプルを
Beckman890B又は890Cスピンカツプシー
ケンサー(spinning cup sequencer)の
カツプに導入した。カツプ内の担体とし
て、ポリブレンTM(ポリ−N,N,N1,
N1−テトラメチル−N−トリメチレンヘ
キサメチレン ジアンモニウム ジアセテ
ート)(文献63c)を使用した。シーケンサ
ーを寒冷トラツプ及びいくつかのプラグラ
ム変化によつて変更し、バツクグラウンド
ピークを低減させた。試薬としては、
Beckman′sシーケンスグレード0.1M
Quadrol緩衝液、フエニルイソチオシアネ
ート及びヘプタフルオロ酪酸を用いた。 収集したEdamnサイクルをマニユアル
に従つて2−アニリノ−5−チアゾリノン
誘導体に転換した。1−クロロブタンを窒
素下で乾燥した。次いで、1.0NのHCl水
溶液を2−アニリノ−5−チアゾリノンに
添加し、70℃で10分間加熱して3フエニル
−2−チオヒダントイン(PTH誘導体)
に転換した。次に、PTH−アミノ酸残基
を50%アセトニトリル及び水に溶解し、逆
相高圧液体クロマトグラフに注入した。次
に、転換バイアル内に導入されシーケンサ
ーからのサイクルと同様にして処理された
PTH−アミノ酸の標準混合物の保持時間
との比較によつて各PTH−アミノ酸を同
定した。 E.1.K 組織プラスミノーゲン活性化因子の発現
検出アツセイ 1 プラスミン形成の直接アツセイ a 論理 組織プラスミノーゲン活性化因子の
感度のよいアツセイは、組織プラスミ
ノーゲン活性化因子が触媒するプラス
ミノーゲンからプラスミンへの転換を
モニターして行なうことができる。プ
ラスミンは色素原基質アツセイが可能
な酵素である。これらのアツセイは、
発色団のトリペプチドのタンパク分解
的開裂に基づく。開裂速度は、被検プ
ロテアーゼの特異性及び濃度の双方に
直接関連する。組織プラスミノーゲン
活性化因子を含む溶液をプラスミノー
ゲン溶液とインキユベートした後に形
成されるプラスミンの量の測定がアツ
セイのベースとなる。活性化因子の量
が多い程、形成されるプラスミンの量
も多い(Kabi Group、Inc.,
Greenwich、CTから購入した)色素
原基質S2251の開裂をモニターするこ
とによりプラスミンを測定する。 b 手順 サンプルを(0.012MのNaClを含む
0.05Mのトリス−HCl、PH7.4中の)
0.7mg/mlのプラスミノーゲン0.10ml
と混合し容量を0.15mlに調整する。混
合物を37℃で10分間インキユベート
し、0.35mlのS2251(上記緩衝液中の
1.0mM溶液)を添加し、37℃で反応
を30分間継続する。氷酢酸(25μ)
を添加して反応を停止させる。サンプ
ルを遠心し405nmでの吸収を測定す
る。標準ウロキナーゼ溶液との比較に
より活性量が定量できる。溶液にフイ
ブリノーゲン(0.2mg)を添加し、こ
れにより全長組織プラスミノーゲン活
性化因子を検出すべくアツセイ条件を
変更した。フイブリノーゲンは検出さ
れる組織プラスミノーゲン活性化因子
の活性を刺激し、従つて活性レベルを
やや上昇させる。活性をPloughユニ
ツトで記録した。90000Ploughユニツ
トは、精製組織プラスミノーゲン活性
化因子1mgが示す活性に等しい。 2 プラスミン形成の間接アツセイ a 理論 組織プラスミノーゲン活性化因子の
活性の感度の良いアツセイが開発され
た(文献87)。このアツセイは、線維
素及びプラスミノーゲンを含む寒天プ
レート中でのプラスミンによる線維素
消化の程度を測定することによつてプ
ラスミン形成を決定することに基づ
く。プラスミンはフイブリンプレート
中に透明な溶解ゾーンを形成する。こ
の溶解ゾーンの面積をサンプル中の組
織プラスミノーゲン活性化因子の量と
相関させ得る。 b 手順 Granelli−Piperno及びReichの方
法(文献87)に準じで、プレートを37
℃で3.5時間インキユベートして溶解
ゾーンを測定した。標準ウロキナーゼ
溶液との比較によつて定量をおこなつ
た。 E.1.L 組織プラスミノーゲン活性化因子の活性
の検出 1 細菌増殖及びサンプル調製 20μg/mlのアンピシリンを含む5ml
のLB増殖培地を入れた試験管にプラス
ミドp△RIPA°を含むE.coliコロニーを
接種した。細胞を37℃で1晩増殖させ
た。この培養物のサンプルを、20μg/
mlのアンピシリンを含む300mlのM9倍地
に1:100で希釈した。細胞を37℃の振
盪フラスコ中で4時間増殖したところ、
550nmの吸光度が0.419になつた。トリ
プトフアンに類似のインドールアクリル
酸を濃度30μg/mlまで添加した。細胞
を90分間インキユベートしたところ、
550nmの吸光度が0.628にたつた。遠心
により細胞を回収し、0.01MのEDTAを
含む0.8mlの0.01Mトリス(PH8.0)に再
懸濁させた。得られた懸濁液を室温で18
時間急激に撹拌した。サンプルを遠心
し、上清を用いて組織プラスミノーゲン
活性化因子の活性をアツセイした。 pt−PAtrp12の発原に関しては、E.1.
A.第10図の説明に於ける詳細な記載
を参照されたい。 2 活性検出 表1および表2は、アツセイに用いた
E.coli抽出物の各々が示したプラスミノ
ーゲンの活性化の結果を示す。活性はプ
ラスミノーゲンの存在に依存して発生す
る(表1参照)。この活性は、ウサギの
免疫前血清の影響を受けないが、精製メ
ラノーマ細胞から誘導された組織プラス
ミノーゲン活性化因子(文献88)に対す
る抗血清により顕著に阻害される(表1
及び表2参照)。これは、E.coli抽出物
がプラスミノーゲンを活性化する活性を
生成し、この活性が組織プラスミノーゲ
ン活性化因子に対する抗体によつて阻害
されることを示す。 第7図は線維素溶解能に関するフイブ
リンプレートアツセイの結果を示す。中
央の縦列の下から上に向かつて濃度
0.24、0.14、0.10、0.05及び0.02Plough
ユニツトで標準量のウロキナーゼを添加
した。右側の縦列は、各ウエルに同量の
酵素を添加した天然組織プラスミノーゲ
ン活性化因子のサンプルであり、同縦列
の下から上に向かつて組織プラスミノー
ゲン活性化因子、組織プラスミノーゲン
活性化因子+免疫前血清、組織プラスミ
ノーゲン活性化因子+組織プラスミノー
ゲン活性化因子抗体が各ウエルに収容さ
れている。左側の縦列の各ウエルは8μ
の組換組織プラスミノーゲン活性化因
子E.coli抽出物を収容しており、下から
上へ向かつて、第1ウエルは抽出物の
み、第2ウエルは免疫前血清が添加され
た抽出物及び第3ウエルは組織プラスミ
ノーゲン活性化因子抗体が添加された抽
出物をそれぞれ含む。免疫前血清が天然
及び組換組織プラスミノーゲン活性化因
子に影響を与えないこと、並びに組織プ
ラスミノーゲン活性化因子抗体が天然抽
出物及びE.coli抽出物の双方の活性を阻
害することが明らかである。ウロキナー
ゼ標準に基づいて、抽出物は2.8Plough
ユニツト/mlよりやや少ない活性を含有
している。この値は表1の1.3Ploughユ
ニツト/mlより有利である。 以下の表1及び表2は前記のE.1.K.1.
bに記載の如く実施されたアツセイの結
果を示す。 【表】 減算し抽出物で得られた値で除算し
たパーセント活性。
【表】 第10図は、組織プラスミノーゲン活
性化因子発現プラスミドを含むE.coliの
10L発酵培養物からの抽出物を用いて実
施したフイブリンプレートアツセイの結
果を示す。組織プラスミノーゲン活性化
因子を含む抽出物の線維素溶解能が第1
0図のウエルaで示されるこの線維素溶
解能は抗t−PA IgG(ウエルc)によ
り阻害されるが、免疫前IgG(ウエルb)
又は抗ウロキナーゼIgG(ウエルd)で
は阻害されない。また、対照としての白
血球インターフエロンプラスミドpLe
IFAtrp103(ウエルh)を含む細胞で調
製された抽出物では活性が全く検出され
ない。ウエルe、ウエルf及びウエルg
はそれぞれ0.2、0.1及び0.02ユニツトの
精製されたメラノーマt−PAを含む。 E.2 MTXに対する結合親和力の低いDHFRタ
ンパクを使用するt−PAの産生 E.2.A ベクターの構築 ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子
(t−PA)をコードする配列をMTXに対
する結合親和力の低い突然変異DHFRを
含む発現プラスミドに以下の手順で挿入す
る(第11図)(ヨーロツパ特許出願公開
第117060号および対応する特開昭59−
192089号公報参照)。 オーバーラツプするt−PAプラスミド、
pPA25E10、pPA17及びpt−PAtrp12(前
記)から3種の断片を以下の如く調製し
た。プラスミドpPA17をDdeIで消化し、
Klenow DNA ポリメラーゼを用いて
充填し、Pstで再度切断した。その結果
精製された5′末端t−PA配列を含む約
200bpの断片を単離した。第2のt−PA
断片を得るために、pt−PAtrp12をPst
及びNarで消化し、約310bpの断片を単
離した。第3のt−PA断片を得るために、
pPA25E10をNar及びBglで消化し、
約1645bpの断片を単離した。最後の断片
はt−PAをコードする領域の殆どを含ん
でおり更にいくらかの3′非翻訳配列を含ん
でいる。 HBV表面抗原を発現するプラスミド
pE342(PHBs348−Eとも指称される)は、
1983年3月9日付で公開されたLevinson
et al.のヨーロツパ特許出願公開第
0073656号および対応する特開昭58−56685
号公報に記載されている。該出願を引用し
て本明細書中に包含する。要約すれば、サ
ルウイルスSV40のオリジンを単離するた
めに、SV40 DNAをHindで消化してコ
ンバーター(AGCTGAATTC)を添加し
てHind末端に変換した。このDNAを
Pvuで切断しRIリンカーを添加した。
EcoRで消化後、オリジンを含む348bp
断片をポリアクリルアミドゲル電気泳動及
び電気溶出で単離し、pBR322中でクロー
ン化した。HBV(Animal Virus
Geneics,(Ch.5)Acad.Press.N.Y.
(1980))のEcoR及びBglによる消化
で得られた1986bp断片(これはHBs Ag
をコードする遺伝子を含んでいる)を、
EcoR部位及びSamH部位でプラスミ
ドpML(Lusky et al.,Nature,293:79
(1981))にクローン化して発現プラスミド
PHBs348−Eを構築した。(pMLは、サル
細胞中でのプラスミド複製を阻害する配列
が除去された欠失を有するpBR322の誘導
体である)。得られたプラスミド(pR−
Bgl)を次にEcoRで直線化し、SV40の
オリジン領域を示す348bp断片をpR−
BglのEcoR部位に導入した。オリジン
断片はいずれの配向でも挿入され得る。こ
の断片は複製のオリジン以外に初期及び後
期のSV40のプロモーターをコードしてい
るので、オリジンの配向次第でどちらかの
プロモーターが作用し該プロモーターの制
御下でHBV遺伝子が発現し得た。(PH
BS348−Eは初期プロモーターの制御下で
発現したHBsを示す)。pE342を修飾する
ために、pE342をEcoRで部分消化し、
Klenow DNAポリメラーゼを用いて開
裂部位を充填し、プラスミドを再結合し、
これにより、pE342中のSV40オリジンに
先行するEcoR部位を除去する。得られ
たプラスミド即ちpE342△R1をEcoRで
消化し、Klenow DNAポリメラーゼを
用いて充填し、BamHで再度切断する。
アクリルアミドゲル電気泳動後、約
3500bp断片を電気溶出し、フエノール/
クロロホルム抽出し、エタノール沈澱させ
る。 前記の如く調製されたpE342 3500bpベ
クター及び約2160pbの前記t−PA断片を
標準法により互いに結合した。t−PAを
コードする3種の断片を適正方向で含むプ
ラスミドを単離し、特性決定し、pE342−
t−PAと命名した。このプラスミドを
Sacで消化し細菌性アルカリ性ホスフア
ターゼ(BRL社製)で処理した。DHFR
配列を(該配列の発現用制御配列と共に)
与えるために、pEHERのSac消化によ
つて約1700bpの断片を生成した。(pHER
は前記米国特許出願第459151号明細書およ
び対応する特許出願公開第117060号並びに
特開昭59−192089号公報に記載の突然変異
DHFRを発現するプラスミドである)。即
ち、pEHRは第13図に示す如く調製され
たプラスミドであり、pE342は1983年3月
9付で公開されたLevinson等のヨーロツ
パ特許出願公開第0073656号および対応す
る特開昭58−56685号公報に記載されてお
り、pHBV−T−1A及びpSVRはLiu等の
DNA、1:213(1982)に記載されており、
pFR400は以下の如く調製される。 SV40複製オリジンを含む540bpのHind
−Hind断片(Liu等、DNA1:213
(1982))をEcoR部位とHind部位との
間でプラスミドpML(M.Lusky及びM.
Botchan.Nature293:79(1981))に結合し
た。Hindで消化する前に4dNTPの存在
下でKlenow DNAポリメラーゼを添加
して該プラスミドのEcoR部位とSV40の
Hind部位とを平滑末端化した。得られ
たプラスミドpESVをHind及びBamH
により消化し、2900bpのベクター断片
を単離した。該断片に対し、EcoR部位
にポリリンカー(多数制限部位を含む
DNA断片)を含むように修飾されたHBV
からの2025bpのHind−Bgl断片を結
合した。HBV断片は表面抗原遺伝子を含
んでおり、前出のLiu等、DNA1:213、
1982に記載の如くクローン化したHBV
DNAのEcoR−Bgl消化によつて得ら
れる。二重鎖リンカーDNA断片
(
5′dAAGCTTATCGATTCTAGAAATT
C3′…)をHind及びEcoRによつて消
化し、HBV断片に付加し、EcoR−Bgl
断片をHind−Bgl断片に転換した。
リンカーとHBV断片とベクターとから成
る三部分を同時に結合することも可能であ
るが、先ずHind−EcoRリンカーをク
ローン化したHBV DNAに付加し、次に
制限酵素を用いるプラスミドの同時消化に
よつてHind−Bgl断片を切除する方法
がより有利であるためこの方法を使用し
た。得られたプラスミドpCVESVHBV
は、pBR322由来のpMLからの細菌性複製
オリジンと同じくpMLからのアンピシリ
ン耐性マーカーと、消化HBV断片の転写
を初期プロモータが指示するように配向さ
れたSV40断片とHBVからの表面抗原遺伝
子とを含む。HBV断片はまた哺乳類細胞
の細胞質に通常形成される如きポリアデニ
ル化mRNAを産生するためのポリアデニ
ル化シグナルを与える。HBsAgコード領
域は、EcoRIによる消化と前記の如き
Klenow DNAポリメラーゼによる末端充
填とBamHIによる部分消化とによつて除
去される。DHFRをコードするcDNAか
らのFnu4H−Bgl断片が該領域に挿入
される。得られたプラスミドは第14図に
示されている。pFD11は野性型DHFR
cDNAプラスミドpDHFR−11(Nunberg
等、Cell 19:355(1980))のFnu4H−
Bgl断片を用いて構築されたものであ
り、pFR400はpFR400.12からの同様の断
片を用いて構築されたものである。 pR400.12は、メトトレキセート耐性
DHFRをコードするDNA配列を含む組換
プラスミドであり、突然変異3T 6R400細
胞(D.A.Haber及びR.T.Schimke,
Cell.26:355(1981))からmRNAを単離
し、単離mRNAからcDNAライブラリー
を調製し、Pst開裂pBR322にcDNAを
結合し、E.coli株294(ATCC 31446)を形
質転換し、ネズミのDHFR cDNA(J.H.
Nunberg等、前出)からのcDNAインサ
ートのPst−Bgl消化物を用いて形質
転換体をプローブし、適正な突然変異
DHFRコード配列を有するプラスミドを
含むコロニーを選択することによつて調製
される。この断片をpE342−t−PAプラ
スミドに結合し、pETPAER400を作製し
た。該プラスミドはpEHERに類似してい
るがHBsAgをコードする領域がt−PAか
らのcDNA配列で置換されている。 E.2.B t−PA配列の発現及び増幅 Graham及びVan der Ebの方法(前記)
でpETPAER400(pETPER)をdhfr-
CHO−DUX B11細胞及びDHFR+CHO−
K1(ATCC CCL61)細胞にトランスフエ
クトした。グリシン、ヒポキサンチン及び
チミジンを含まない培地で増殖し形質転換
されたdhfr-を細胞を選択した。100nM以
上のMTX中で増殖して形質転換された
DHFR+細胞を選択した。適当な選択培地
上に発生したコロニーを、クローン化した
リングで単離し同じ培地中で数世代まで増
殖した。 増殖のために、コロニーから細胞を分割
して5×104、105、2.5×105、5×105及び
106nMのMTXを含む培地に入れ、この操
作を数回繰返した。極めて低い細胞密度
(102−103細胞/プレート)で細胞を10cm
の皿にプレートし、得られたコロニーを単
離した。 E.2.C アツセイ方法 トランスフエクトされ増幅されたコロニ
ー中のt−PAの発現は、E.1.K.1.bで説明
した方法(前記)と同様の方法で簡便に検
定され得る。 DHFR及びt−PA配列の同時増幅は、
増幅されたコロニーのコンフルエントな単
層から下記の如くDNAを単離してアツセ
イする。150mmプレートのコンフルエント
な単層を50mlの無菌PBSで洗浄し、5ml
の0.1%SDS、0.4MCaCl2及び0.1M EDTA
(PH8)を添加して溶解する。5乃至10分
後、混合物を取出し、フエノール抽出し、
クロロホルム抽出し、エタノール沈澱させ
る。0.1mg/mlまでRNaseを添加した10m
Mトリス−HCl(PH8)及び1mMEDTA
(TE)からなる液1ml(150mmプレート当
たり)にDNAを再懸濁させ、溶液を37℃
で30分間インキユーベートする。次にSDS
を0.1%まで添加し、プロナーゼ(シグマ
社製)を0.5mg/mlまで添加する。37℃で
3乃至16時間インキユベートした後、溶液
を再度フエノール抽出、クロロホルム抽出
し、エタノール沈澱させる。DNAペレツ
トを0.5mlの水に再懸濁させ、制限酵素で
消化する、約5乃至10μgの消化DNAをア
ガロースゲル[1%のアガロースを含むト
リス−酢酸緩衝液(40mMトリス、1mM
EDTA、酢酸でPH8.2に調整)]の電気泳
動にかける(Crouse et al.,J.Biol.
Chem.,257:7887(1982))。ブロモフエノ
ールブルー染料がゲルの厚み2/3まで移行
した後、ゲルを取出し臭化エチジウムで染
色する。紫外線でDNAを見えるようにし、
サザン法(J.Mol.Biol.,98:503(1975))
によりDNAをゲルからニトロセルロース
フイルターに移行させる。次にフイルター
を、(前記の如く調製されハイブリダイズ
された)pEHERの1700bpSac断片から
製造されたニツク翻訳プローブとハイブリ
ダイズさせる。 E.3 野生型DHFRタンパクを使用するt−PA
の産生 E.3.A ベクターの構築 pETPERの構築に使用した方法と同様
の方法で、野性型DHERをコードする
DNA配列を含むプラスミドpETPFRを構
築した。実施例E.2.Aに記載の如く構築す
るが、DHFRタンパク遺伝子配列の起源
としてプラスミドpEHERの代わりに、プ
ラスミドpE342.HBV.E400、D22(米国特
許出願番号459、152号(1983年1月19日出
願)および対応するヨーロツパ特許出願第
117058号および対応する特開昭59−173096
号公報参照)を使用した。野性型DHFR
と突然変異株DHFRとの間の1個の塩基
対の相違以外はプラスミドpE342.HBV.
E400.D22はpEHERと同様である。該プラ
スミドはpFD11をpFR400に置きかえて
pEHERと同様にして構築される(第13
図及び第14図参照)。又は、第15図の
pE342.D22はpDHFR−11(Nunberg、前
出)から由来しており、(pE342の初期プ
ロモータの上流のEcoR部位の欠失によ
り得られた)pE342△R1は第16図に記載
されている。従つて、得られるプラスミド
pETPFRは全ての点でpETERと類似して
いるが、突然変異DHFRをコードする
DNA配列の代わりに、野性型DHFRをコ
ードするDNA配列が含まれている。 E.3.B t−PA配列の発現 GrahamおよびVan der Ebのリン酸カ
ルシウム沈澱法によりpETPFRを使用し
てDHFRが欠如したCHO細胞(Urlaub及
びChasin(前記))をトランスフエクトし
た。選択用培地(−HGT)で発生した21
個のコロニーをアツセイするために、
Granelli−Piperno,et al.,J.Exp.ed.,
148:223(1978)に記載の如く、線維素及
びプラスミノーゲンを含む寒天プレート中
の線維素の消化によつて測定されるプラス
ミン形成を検出した。 次に、E.1.K.1.bに記載の方法により、
最もポジテイブなクローンのうち4個の細
胞当たりのプラスミン形成を定量的に検定
した。 前記の如く定量的測定により、4個の被
検クローンが、ユニツト/細胞/日で示す
と、等しいか又は同等の培地内t−PA分
泌を示すことが知見された。2個のクロー
ンからの接種物を−HGT培地を含む別の
プレートに移してサブクローンを調製し
た。得られたサブクローンのうちの2種、
18B及び1を使用してさらに解析を進め
た。 E.3.C 増幅及びt−PA産生レベル 増幅を促進すべく前記サブクローンを
50nMのMTX中で100mmプレート当たり2
×105の細胞を含むようにプレートした。
生存した細胞を前記の如くアツセイする
と、全ての場合に、未増幅の組織プラスミ
ノーゲン活性化因子の活性の約10倍の活性
が検出された。これらのクローンの2個を
選択して1−15及び18B−9と命名し更に
研究を進めた。 サブクローン1−15を更に増幅するため
に、500nMとMTXを含む100mmプレート
に2×105個の細胞を接種した。このよう
にして増幅された細胞のアツセイによれ
ば、t−PA産生量は更に増加していた
(約3倍)。 E.1.Kの方法で定量的に検定するとレベ
ルは7×10-4ユニツト/細胞/日であつ
た。次に、これらの増幅細胞の一部分を
10000nMのMTXの存在下に移して維持し
た。サブクローン1−15及び18B−9を表
3にした条件で約1乃至2カ月維持した後
に再度検査した。 【表】 【表】 表3 注* 培地中のt−PAを以下の如くラジオイ
ムノアツセイで定量的にアツセイした。精
製t−PA及びメラノーマ細胞から誘導さ
れた精製ヨード化トレーサ−t−PAを、
燐酸緩衝生理食塩水(PH7.3)、0.5%牛血
清アルブミン、0.01%Tween80及び0.02%
NaN3を含む緩衝液中で濃度12.5乃至400n
g/mlまで順次希釈した。適当な希釈度の
被検定培地サンプルを放射活性標識トレー
サータンパクに添加した。1:10000希釈
のウサギ抗t−PA抗血清のIgG画分の存
在下で抗原を室温で1晩インキユベートし
た。ヤギ抗ウサギIgGイムノビーズ
(BioRad社製)に室温で2時間吸収させ
て抗体−抗原コンプレツクスを沈澱させ
た。希生理食塩水を添加してビーズを洗浄
し、次に4℃、2000×gで10分間遠心し
た。上清を捨て、沈澱物中の放射活性をモ
ニターした。参照標準との比較によつて濃
度を決定した。 セルラインは以下の如くである。セルラ
イン“1”は、4個のオリジナルセツトか
ら選択された未増幅クローンである。“1
−15500”は最初に50nMとMTX中で増幅
させて1−15を生じ次に500nMのMTXに
移されて更に増幅されたセルライン“1”
の増幅サブクローンである。1−1510000は
10000nMのMTXの存在下で更に増幅され
た1−15500のサブクローンである。セル
ライン18B−9は4個のオリジナルクロー
ンの1個から選択され50nMのMTXで増
幅されたサブクローンである。 全ての増幅細胞は、未増幅細胞が示した
よりも増加したt−PA産生レベルを示す。
未増幅培養物でも0.5pg/細胞/日より高
いt−PA産生量を示すが、増幅の結果と
して50pg/細胞/日に近いレベルが得ら
れる。 F 薬剤組成物 本発明の化合物は、本発明のヒト組成プラス
ミノーゲン活性化因子産物が薬剤上許容され得
るキヤリアビヒクルに混合されて成る薬剤的に
有用な組成物を調製すべく公知方向で処方され
得る。他のヒトタンパク例えばヒト血清アルブ
ミンを包含する適当なビヒクル及びその処方
は、例えばE.W.MartinによるRemington′s
Pharmaceutical Sciencesに記載されている。
該文献を引用して本明細書中に包含する。前記
の如き組成物は、宿主への有効投与に適した薬
剤上許容され得る組成物を調製するための適当
量のビヒクルと共に有効量の本発明タンパクを
包含するであろう。 例えば、本発明のヒト組織プラスミノーゲン
活性化因子は、心血管病又は心血管障害に苦し
む患者に非経口的に投与され得る。用量及び投
与速度は現在臨床に用いられている他の心血管
血栓溶解剤と同様でよい。例えば、肺塞栓症の
患者には、初回に約440IU/Kgを静注し、以後
約440IU/Kg/時ずつ12時間静注する。 本発明の実質的に均質なヒト組織プラスミノ
ーゲン活性化因子を、非経口的に投与するため
の適当な剤形の一例としては、25000IUの組織
プラスミノーゲン活性化因子活性、25mgのマン
ニトール及び45mgのNaClを含むバイアルを5
mlの注射無菌水で復元し、静脈内投与のために
適正量の0.9%食塩注射又は5%デキストロー
ス注射剤と混合すればよい。 G 組換ヒトt−PAの詳細な説明 本明細書中では、実施例に於いて調製された
ヒトt−PAの特定具体例の構造を遺伝子をコ
ードする配列の解明及びタンパク質生化学技術
の双方により、ある程度詳細に説明した。一般
に理解されているタンパク構造を第12図に示
す。 Collen及び彼の共同研究者(文献88)によつ
て、日本鎖ヒトt−PAは一本鎖分子がタンパ
ク分解的開裂により、ジスルフイド結合で接続
された2個のポリペプチドになる結果形成され
ることはすでに明らかにされていた。本発明に
よつて、H鎖(分子量30882)がNH2−末端部
から誘導され、L鎖(分子量28126)がCOOH
−末端領域からなるという結論が得られる。二
本鎖分子のN−末端配列決定によれば、二本鎖
形態は1個のアルギニル−イソロイシン結合
(第12図の矢印)な開裂により生成されると
思われる。 ヒトt−PA(第12図)のH鎖領域の1部分
の一次構造は、プラスミノーゲン(文献89)及
びプロトロンビン(文献40及び41)のクリング
ル領域に対して高度の配列相同性を示す。クリ
ングル領域とは、プロトロンビンのプロ断片中
で最初に発見された特徴的トリプルジスルフイ
ド構造を意味しており、これに関しては
Magnusson et al.(文献91及び92)が初めて詳
細に記載した。t−PAの一次配列から2個の
所謂クリングル領域が明らかになる。これらの
領域は、各々が82個のアミノ酸を含んでおり、
プラスミノーゲンの5個のクリングル領域と高
度の相同性を有する。残りのN−末端の91個の
アミノ酸は従来のクリングル領域との相同性を
殆ど有していない。然しながら、11個の付加的
システイン残基が検出されるので、この領域も
多数のジスルフイド結合を含む構造を有し得る
と推測し得る。 ヒトt−PAのL鎖の触媒部位、所謂セリン
プロテアーゼ領域は、他のセリン酵素同様に、
ヒスチジン322、アスパラギン酸371及びセリン
478残基から形成されている可能性が大きい。
更に、これらの残基を包囲するアミノ酸配列
は、トリプシン、プロトロンビン及びプラスミ
ノーゲンの如き他のセリンプロテアーゼの対応
する部分に極めて良く相同している。 本発明を好ましい特定具体例に関して説明し
てきたが、本発明は前記具体例だけに限定され
るべきでないことが理解されよう。 参考文献 1 米国特許No.3355361. 2 米国特許No.3926727. 3 米国特許No.4029767. 4 米国特許No.4258030. 5 米国特許No.4271150. 6 欧州特許出願公開No.0037687. 7 Rijken.D.C.,“Plasminogen Activator
from Human Tissue”,Krips Repro
Meppel,1980. 8 米国特許No.3555000. 9 米国特許No.3998947. 10 米国特許No.4245051. 11 欧州特許出願公開No.0023860. 12 米国特許No.4083961. 13 米国特許No.4177262. 14 米国特許No.3082612. 15 wallen,P.,Proc.Serono Symp.,9.91
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257,2912(1982). 98 Koringer,C.,et al.,Thromb. Haemostasis,46 685(1981).
第1図は、プロテアーゼインヒビターの存在下
及び不在下での、メラノーマ細胞から分泌された
抗t−PA IgGにより沈降し得る35S−メチオニ
ン標識タンパクの10%ドデシル硫酸ナトリウム・
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDSPAGE)
の結果を示す写真の模写図である。第2図は、メ
ラノーマ細胞から誘導されたmRNA画分の免疫
沈降した翻訳産物の電気泳動の結果を示す写真の
模写図である。第3図は、ヒトt−PAの5個の
アミノ酸配列に基づいて調製した32P−標識14ヌ
クレオチド体のプールをプローブとして用いたと
きの、cDNAで形質転換された96個の細菌コロニ
ーのハイブリダイデーシヨンパターンを示す写真
の模写図である。第4図は、全長ヒトt−PA
cDNAの制限エンドヌクレアーゼマツプである。
第5図は、全長ヒトt−PA cDNAのヌクレオチ
ド配列及びそれらから推定されたアミノ酸配列を
示す模式図である。第6図は、発現プラスミドp
△RIPA°の構築工程図である。第7図は、p△
RIPA°で形質転換された大腸菌細胞の線維素溶解
能のフイブリンプレートアツテイの結果を示す写
真の模写図である。第8図は、ヒトt−PAのト
リプシン消化によつて得られたペプチドのHPLC
の結果を示すトレース図である。第9図は、E.
coli中での成熟ヒトt−PAの直接発現をコード
するプラスミドの構築工程図である。第10図
は、pt−PAtrp12で形質転換されたE.coliにより
産生されるヒトt−PAの線維素溶解能に対する
フイブリンプレートアツセイの結果を示す写真の
模写図である。第11図は、DHFR(突然変異体
又は野性型)/t−PAをコードしている哺乳類
組織培養細胞を形質転換するのに適したプラスミ
ドの構築工程図である。第12図は、本明細書中
のE.1.に例示した方法で調製されたヒト組織プラ
スミノーゲン活性化因子の概略図である。第13
図は、pEHERの構築工程図である。第14図
は、pFR400及びpFD11の調製説明図である。第
15図は、pE342.HBV.E400.D22の構築工程図で
ある。第16図は、pE342.D22の構築工程図であ
る。
及び不在下での、メラノーマ細胞から分泌された
抗t−PA IgGにより沈降し得る35S−メチオニ
ン標識タンパクの10%ドデシル硫酸ナトリウム・
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDSPAGE)
の結果を示す写真の模写図である。第2図は、メ
ラノーマ細胞から誘導されたmRNA画分の免疫
沈降した翻訳産物の電気泳動の結果を示す写真の
模写図である。第3図は、ヒトt−PAの5個の
アミノ酸配列に基づいて調製した32P−標識14ヌ
クレオチド体のプールをプローブとして用いたと
きの、cDNAで形質転換された96個の細菌コロニ
ーのハイブリダイデーシヨンパターンを示す写真
の模写図である。第4図は、全長ヒトt−PA
cDNAの制限エンドヌクレアーゼマツプである。
第5図は、全長ヒトt−PA cDNAのヌクレオチ
ド配列及びそれらから推定されたアミノ酸配列を
示す模式図である。第6図は、発現プラスミドp
△RIPA°の構築工程図である。第7図は、p△
RIPA°で形質転換された大腸菌細胞の線維素溶解
能のフイブリンプレートアツテイの結果を示す写
真の模写図である。第8図は、ヒトt−PAのト
リプシン消化によつて得られたペプチドのHPLC
の結果を示すトレース図である。第9図は、E.
coli中での成熟ヒトt−PAの直接発現をコード
するプラスミドの構築工程図である。第10図
は、pt−PAtrp12で形質転換されたE.coliにより
産生されるヒトt−PAの線維素溶解能に対する
フイブリンプレートアツセイの結果を示す写真の
模写図である。第11図は、DHFR(突然変異体
又は野性型)/t−PAをコードしている哺乳類
組織培養細胞を形質転換するのに適したプラスミ
ドの構築工程図である。第12図は、本明細書中
のE.1.に例示した方法で調製されたヒト組織プラ
スミノーゲン活性化因子の概略図である。第13
図は、pEHERの構築工程図である。第14図
は、pFR400及びpFD11の調製説明図である。第
15図は、pE342.HBV.E400.D22の構築工程図で
ある。第16図は、pE342.D22の構築工程図であ
る。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 以下に示すアミノ酸配列をコードするDNA
を含有する、ヒト組織プラスミノーゲン活性化因
子をコードするDNA。 【表】 【表】 【表】
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US374860 | 1982-05-05 | ||
US39800382A | 1982-07-14 | 1982-07-14 | |
US398003 | 1982-07-14 | ||
US483052 | 1983-04-07 | ||
US06/483,052 US4766075A (en) | 1982-07-14 | 1983-04-07 | Human tissue plasminogen activator |
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---|---|---|---|
JP4096448A Division JP2564444B2 (ja) | 1982-05-05 | 1992-04-16 | ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子をコードするdnaを含有するベクター |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH0448440B2 true JPH0448440B2 (ja) | 1992-08-06 |
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ID=27409206
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1023654A Granted JPH0216981A (ja) | 1982-05-05 | 1989-02-01 | ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子をコードするdna |
JP4096448A Expired - Lifetime JP2564444B2 (ja) | 1982-05-05 | 1992-04-16 | ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子をコードするdnaを含有するベクター |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4096448A Expired - Lifetime JP2564444B2 (ja) | 1982-05-05 | 1992-04-16 | ヒト組織プラスミノーゲン活性化因子をコードするdnaを含有するベクター |
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AR241654A1 (es) * | 1982-05-05 | 1992-10-30 | Genentech Inc | Procedimiento para producir activador de plasminogeno de tejido humano. |
EP0124613B1 (en) * | 1982-10-29 | 1992-12-30 | MITSUI TOATSU CHEMICALS, Inc. | Novel plasminogen activator derived from human kidneys, process for its preparation, and thrombolytic drug containing the same |
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US5011795A (en) * | 1983-01-19 | 1991-04-30 | Genentech, Inc. | Human tPA production using vectors coding for DHFR protein |
AU2353384A (en) * | 1983-01-19 | 1984-07-26 | Genentech Inc. | Amplification in eukaryotic host cells |
AU572108B2 (en) * | 1983-01-19 | 1988-05-05 | Genentech Inc. | Human tpa production using vectors coding for dhfr protein |
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US4816567A (en) | 1983-04-08 | 1989-03-28 | Genentech, Inc. | Recombinant immunoglobin preparations |
JPS59196824A (ja) * | 1983-04-21 | 1984-11-08 | Kowa Co | 吸着防止剤 |
US5639639A (en) * | 1983-11-02 | 1997-06-17 | Genzyme Corporation | Recombinant heterodimeric human fertility hormones, and methods, cells, vectors and DNA for the production thereof |
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