JPH04310509A - 窒素中の不純酸素の除去方法 - Google Patents
窒素中の不純酸素の除去方法Info
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- JPH04310509A JPH04310509A JP3072934A JP7293491A JPH04310509A JP H04310509 A JPH04310509 A JP H04310509A JP 3072934 A JP3072934 A JP 3072934A JP 7293491 A JP7293491 A JP 7293491A JP H04310509 A JPH04310509 A JP H04310509A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば高度な金属熱
処理雰囲気用および電子工業、化学工業における不活性
雰囲気用として用いられる高純度(99.999体積%
程度以上)の窒素ガスの製造を行なうための、窒素中の
不純酸素の除去方法に関するものである。
処理雰囲気用および電子工業、化学工業における不活性
雰囲気用として用いられる高純度(99.999体積%
程度以上)の窒素ガスの製造を行なうための、窒素中の
不純酸素の除去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記高純度窒素ガスの製造方法と
しては深冷式空気分離法が一般に知られている。これは
、原料空気を冷却、液化し、窒素と酸素との沸点の差を
利用して精留することにより窒素成分を分離回収するも
のである。
しては深冷式空気分離法が一般に知られている。これは
、原料空気を冷却、液化し、窒素と酸素との沸点の差を
利用して精留することにより窒素成分を分離回収するも
のである。
【0003】また窒素ガスの製造方法としては、圧力ス
イング吸着(以下単にPSAという)法が知られている
。これは空気を原料としてこの原料空気中の窒素もしく
は窒素以外の成分を除去することにより窒素を分離回収
するものである。
イング吸着(以下単にPSAという)法が知られている
。これは空気を原料としてこの原料空気中の窒素もしく
は窒素以外の成分を除去することにより窒素を分離回収
するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の高純度窒素
ガスの製造方法としての深冷式空気分離法においては、
その深冷のための装置が複雑となり、特に中小規模の装
置の場合には製造コスト増の傾向にある。
ガスの製造方法としての深冷式空気分離法においては、
その深冷のための装置が複雑となり、特に中小規模の装
置の場合には製造コスト増の傾向にある。
【0005】またPSA法においては、この方法で得ら
れる窒素ガスは不純物として水素、一酸化炭素、酸素、
メタン、二酸化炭素、水などを含み窒素純度の上限が通
常99.9〜99.99体積%の範囲であるために、こ
れ以上の高純度窒素ガスを得るには上記窒素ガスを他の
手段を用いてさらに精製する必要がある。この精製手段
としてPSA装置に接触触媒燃焼反応器を付設して不純
物(一酸化炭素、二酸化炭素、メタン等)を除去するこ
とが考えられる。しかしこの場合には水素の添加、反応
および再生のための加熱手段が必要となり、これにより
製造コストが増加したり、操作が複雑となったりすると
いう問題が生じる。
れる窒素ガスは不純物として水素、一酸化炭素、酸素、
メタン、二酸化炭素、水などを含み窒素純度の上限が通
常99.9〜99.99体積%の範囲であるために、こ
れ以上の高純度窒素ガスを得るには上記窒素ガスを他の
手段を用いてさらに精製する必要がある。この精製手段
としてPSA装置に接触触媒燃焼反応器を付設して不純
物(一酸化炭素、二酸化炭素、メタン等)を除去するこ
とが考えられる。しかしこの場合には水素の添加、反応
および再生のための加熱手段が必要となり、これにより
製造コストが増加したり、操作が複雑となったりすると
いう問題が生じる。
【0006】ところで、上記不純物のうち、水素と一酸
化炭素とはこれらを触媒と接触させることにより共存酸
素と反応して易吸着性である二酸化炭素と水とに変化さ
せることができるが、残った酸素と窒素とは互いの沸点
の差が比較的小さく、かつ酸素の窒素に対する分圧が極
めて小さいために、これらを互いに分離することは困難
である。
化炭素とはこれらを触媒と接触させることにより共存酸
素と反応して易吸着性である二酸化炭素と水とに変化さ
せることができるが、残った酸素と窒素とは互いの沸点
の差が比較的小さく、かつ酸素の窒素に対する分圧が極
めて小さいために、これらを互いに分離することは困難
である。
【0007】一方、上記酸素と窒素とを互いに分離する
手段として、所定の有効細孔径を有する分子篩吸着剤を
所定温度まで冷却し、この吸着剤中に窒素と酸素との混
合ガスを供給すると、窒素は実質的に吸着されず、酸素
のみが吸着されるようになるという性質を利用すること
が考えられる。ところが、上記吸着剤を所定温度まで冷
却するための装置が必要となり、この冷却装置によって
深冷分離法と同様に製造コストが増加するという問題が
ある。
手段として、所定の有効細孔径を有する分子篩吸着剤を
所定温度まで冷却し、この吸着剤中に窒素と酸素との混
合ガスを供給すると、窒素は実質的に吸着されず、酸素
のみが吸着されるようになるという性質を利用すること
が考えられる。ところが、上記吸着剤を所定温度まで冷
却するための装置が必要となり、この冷却装置によって
深冷分離法と同様に製造コストが増加するという問題が
ある。
【0008】このような問題を解決するために、特開平
2−30607号公報では、酸素を不純物として含む窒
素ガスを、酸素のみを吸着するような分子篩効果を有す
る吸着剤が充填された吸着塔に導き、窒素ガスから酸素
を選択的に吸着除去して精製し、これに液体窒素が吸着
塔を冷却することにより気化した窒素ガスを混合させる
ようにした方法を提案している。しかしながら、上記方
法では、吸着温度において実質的に窒素を吸着せず、か
つ酸素のみを吸着する分子篩性の吸着剤を用いるとされ
ているだけである。そして約4Åの有効細孔径を有し、
MS4Aとして知られているNaA型ゼオライトが例示
されており、この吸着剤は温度が低下するにつれて有効
細孔径が縮少する性質を持っているものの、その有効細
孔径が窒素と酸素の各分子径の中間になるように、すな
わち窒素がゼオライト結晶の内部まで拡散せず、やや分
子径の小さな酸素のみが拡散吸着できるようにするには
、例えば液体酸素温度(−183℃)近くまで吸着塔温
度を下げなければならず(D.W.Breck,Zeo
lite Molecular Sieves, Jo
hn Wiley & Sons,New York,
pp.638〜640頁)、冷却用液体窒素の所要量が
多くなってしまう。このような低温冷却が必要となるの
は、NaA型ゼオライトの常温における有効細孔径が、
窒素の分子径に比べて大きすぎるためである。
2−30607号公報では、酸素を不純物として含む窒
素ガスを、酸素のみを吸着するような分子篩効果を有す
る吸着剤が充填された吸着塔に導き、窒素ガスから酸素
を選択的に吸着除去して精製し、これに液体窒素が吸着
塔を冷却することにより気化した窒素ガスを混合させる
ようにした方法を提案している。しかしながら、上記方
法では、吸着温度において実質的に窒素を吸着せず、か
つ酸素のみを吸着する分子篩性の吸着剤を用いるとされ
ているだけである。そして約4Åの有効細孔径を有し、
MS4Aとして知られているNaA型ゼオライトが例示
されており、この吸着剤は温度が低下するにつれて有効
細孔径が縮少する性質を持っているものの、その有効細
孔径が窒素と酸素の各分子径の中間になるように、すな
わち窒素がゼオライト結晶の内部まで拡散せず、やや分
子径の小さな酸素のみが拡散吸着できるようにするには
、例えば液体酸素温度(−183℃)近くまで吸着塔温
度を下げなければならず(D.W.Breck,Zeo
lite Molecular Sieves, Jo
hn Wiley & Sons,New York,
pp.638〜640頁)、冷却用液体窒素の所要量が
多くなってしまう。このような低温冷却が必要となるの
は、NaA型ゼオライトの常温における有効細孔径が、
窒素の分子径に比べて大きすぎるためである。
【0009】その結果、圧力スイング吸着法で得られる
窒素を用いて高純度化する方法において、補助的に用い
る液体窒素が大量に必要となり、経済性が劣ることにな
る。さらに低温になるほど吸着剤内部へのガスの拡散速
度が大幅に低下し、吸着帯が長くなる結果、必要吸着剤
の量が増大し、吸着後の昇温・脱着に長時間を要するこ
となどの問題点も未解決のままである。
窒素を用いて高純度化する方法において、補助的に用い
る液体窒素が大量に必要となり、経済性が劣ることにな
る。さらに低温になるほど吸着剤内部へのガスの拡散速
度が大幅に低下し、吸着帯が長くなる結果、必要吸着剤
の量が増大し、吸着後の昇温・脱着に長時間を要するこ
となどの問題点も未解決のままである。
【0010】この問題を解決するには、NaA型ゼオラ
イトよりも少し有効細孔径の小さなゼオライトがあれば
よく、常温時に既に窒素と酸素との分子径の中間に位置
する有効細孔径を有するものであれば最もよいが、少な
くとも工業的に利用可能な吸着剤の中でそのようなもの
は知られていない。またNaA型ゼオライトの場合より
も相対的に高い温度で同様の効果を示すものであっても
よい。このような吸着剤をNaA型ゼオライトと同一温
度で用いると、ゼオライト結晶内への窒素の拡散は前者
における方が相対的に大きく阻害されるので、酸素吸着
容量が大きくなるとともに、酸素除去効果も増大すると
考えられる。
イトよりも少し有効細孔径の小さなゼオライトがあれば
よく、常温時に既に窒素と酸素との分子径の中間に位置
する有効細孔径を有するものであれば最もよいが、少な
くとも工業的に利用可能な吸着剤の中でそのようなもの
は知られていない。またNaA型ゼオライトの場合より
も相対的に高い温度で同様の効果を示すものであっても
よい。このような吸着剤をNaA型ゼオライトと同一温
度で用いると、ゼオライト結晶内への窒素の拡散は前者
における方が相対的に大きく阻害されるので、酸素吸着
容量が大きくなるとともに、酸素除去効果も増大すると
考えられる。
【0011】また吸着剤の再生においては、短時間で酸
素を脱着するように昇温して再生すると、吸着剤の有効
細孔径が大きくなるために、窒素も吸着できるようにな
る。そしてゼオライトは基本的に酸素よりも窒素を優先
的に吸着するので、単に昇温しつつ窒素を主とする原料
ガスを用いて再生した場合には、ゼオライト結晶内には
窒素が多く(吸着温度よりも高温であるので相対的には
少量ではあるが)存在することになる。また吸着塔内空
間部にも窒素が多く存在しているので、つぎの吸着操作
に備えて降温する過程で細孔径が窒素の分子径以上の温
度域でその一部が再吸着することになる。そして吸着温
度に達すると、ゼオライト結晶内に存在する窒素は逆に
脱着できないので、酸素の吸着を阻害し、吸着容量を減
少させる原因となる。
素を脱着するように昇温して再生すると、吸着剤の有効
細孔径が大きくなるために、窒素も吸着できるようにな
る。そしてゼオライトは基本的に酸素よりも窒素を優先
的に吸着するので、単に昇温しつつ窒素を主とする原料
ガスを用いて再生した場合には、ゼオライト結晶内には
窒素が多く(吸着温度よりも高温であるので相対的には
少量ではあるが)存在することになる。また吸着塔内空
間部にも窒素が多く存在しているので、つぎの吸着操作
に備えて降温する過程で細孔径が窒素の分子径以上の温
度域でその一部が再吸着することになる。そして吸着温
度に達すると、ゼオライト結晶内に存在する窒素は逆に
脱着できないので、酸素の吸着を阻害し、吸着容量を減
少させる原因となる。
【0012】この発明は、このような従来の問題を解決
するためになされたものであり、酸素を不純物として含
む窒素ガスから不純物を容易かつ迅速に除去することが
でき、高純度の窒素ガスを得ることができる窒素中の不
純酸素の除去方法を提供することを目的とするものであ
る。
するためになされたものであり、酸素を不純物として含
む窒素ガスから不純物を容易かつ迅速に除去することが
でき、高純度の窒素ガスを得ることができる窒素中の不
純酸素の除去方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明は、結晶内に、
交換性イオンとしてリチウムイオンとナトリウムイオン
を含み、かつリチウムイオンが両イオンの55〜75%
、好ましくは65〜70モル%を占めるA型ゼオライト
が充填されている吸着塔内の温度を、−50℃以下に冷
却し、酸素を不純物として含む窒素ガスをこの吸着塔内
へ導き、酸素を選択的に吸着除去するようにしたもので
ある。
交換性イオンとしてリチウムイオンとナトリウムイオン
を含み、かつリチウムイオンが両イオンの55〜75%
、好ましくは65〜70モル%を占めるA型ゼオライト
が充填されている吸着塔内の温度を、−50℃以下に冷
却し、酸素を不純物として含む窒素ガスをこの吸着塔内
へ導き、酸素を選択的に吸着除去するようにしたもので
ある。
【0014】上記吸着塔の冷却媒体として、精製された
液体窒素を用い、吸着塔を冷却することにより気化した
窒素ガスを、吸着塔からの精製ガスに混合するようにす
ることが好ましい。
液体窒素を用い、吸着塔を冷却することにより気化した
窒素ガスを、吸着塔からの精製ガスに混合するようにす
ることが好ましい。
【0015】上記操作において、酸素が破過する前に吸
着操作を打切り、吸着塔内を吸着圧力以下に減圧し、吸
着している酸素および吸着塔内空間部に存在する窒素を
除去した後、再び不純酸素を含む窒素を吸着塔内に導く
操作を繰返すようにすることが好ましい。また酸素が破
過する前に吸着操作を打切り、吸着塔内温度を吸着温度
以上に上げるとともに吸着塔内圧力を吸着圧力以下に減
圧し、吸着している酸素および吸着塔内空間部に存在す
る窒素を除去し、続いてその減圧状態を保ったまま吸着
塔内温度を吸着温度まで下げた後、再び不純酸素を含む
吸着塔内に導く操作を行なわせるようにしてもよい。
着操作を打切り、吸着塔内を吸着圧力以下に減圧し、吸
着している酸素および吸着塔内空間部に存在する窒素を
除去した後、再び不純酸素を含む窒素を吸着塔内に導く
操作を繰返すようにすることが好ましい。また酸素が破
過する前に吸着操作を打切り、吸着塔内温度を吸着温度
以上に上げるとともに吸着塔内圧力を吸着圧力以下に減
圧し、吸着している酸素および吸着塔内空間部に存在す
る窒素を除去し、続いてその減圧状態を保ったまま吸着
塔内温度を吸着温度まで下げた後、再び不純酸素を含む
吸着塔内に導く操作を行なわせるようにしてもよい。
【0016】
【作用】上記構成では、結晶内に、交換性イオンとして
リチウムイオンとナトリウムイオンを含み、かつリチウ
ムイオンが両イオンの55〜75%を占めるA型ゼオラ
イトが充填されている吸着塔内の温度を、−50℃以下
に冷却し、酸素を不純物として含む窒素ガスをこの吸着
塔内へ導き、酸素を選択的に吸着除去するようにし、こ
れによって深冷分離法で得られるものと同程度(窒素純
度99.999体積%)以上の高純度窒素ガスに精製す
ることができる。しかも吸着塔の冷却温度は−50〜−
70℃程度の高い温度にすることができ、このため多量
の冷却媒体を必要としないという利点がある。また冷却
媒体として精製された液体窒素を用いた場合には、その
用済後には製品窒素として精製窒素ガスと合流させるこ
とにより冷媒を有効利用することができる。
リチウムイオンとナトリウムイオンを含み、かつリチウ
ムイオンが両イオンの55〜75%を占めるA型ゼオラ
イトが充填されている吸着塔内の温度を、−50℃以下
に冷却し、酸素を不純物として含む窒素ガスをこの吸着
塔内へ導き、酸素を選択的に吸着除去するようにし、こ
れによって深冷分離法で得られるものと同程度(窒素純
度99.999体積%)以上の高純度窒素ガスに精製す
ることができる。しかも吸着塔の冷却温度は−50〜−
70℃程度の高い温度にすることができ、このため多量
の冷却媒体を必要としないという利点がある。また冷却
媒体として精製された液体窒素を用いた場合には、その
用済後には製品窒素として精製窒素ガスと合流させるこ
とにより冷媒を有効利用することができる。
【0017】
【実施例】この発明を実施する装置は、図1に示すよう
に、原料ガスから99.9〜99.99体積%の窒素ガ
スを分離回収する通常のPSA装置Aと、このPSA装
置Aによって得られた第一次窒素ガスから、これに含ま
れる不純物を除去して窒素純度99.999体積%以上
の高純度窒素ガスに精製する精製装置Bとから構成され
ている。
に、原料ガスから99.9〜99.99体積%の窒素ガ
スを分離回収する通常のPSA装置Aと、このPSA装
置Aによって得られた第一次窒素ガスから、これに含ま
れる不純物を除去して窒素純度99.999体積%以上
の高純度窒素ガスに精製する精製装置Bとから構成され
ている。
【0018】原料空気圧縮機11によって加圧された原
料空気はパラジウムなどの貴金属触媒21が充填された
触媒反応器2に送給され、この触媒反応器2での触媒反
応によって原料空気中に微量に存在する水素と一酸化炭
素とが酸化されて水と二酸化炭素とに変化する。なお、
この反応は常温からおきるために特別な加熱装置は必要
ない。
料空気はパラジウムなどの貴金属触媒21が充填された
触媒反応器2に送給され、この触媒反応器2での触媒反
応によって原料空気中に微量に存在する水素と一酸化炭
素とが酸化されて水と二酸化炭素とに変化する。なお、
この反応は常温からおきるために特別な加熱装置は必要
ない。
【0019】上記触媒反応器2を出た原料ガスはアフタ
クーラ31とドレンセパレータ32とを通過することに
より凝縮水が除去され、この状態の原料ガスがPSA装
置Aの吸着塔4a,4bのいずれか一方にバルブ41を
通して送給される。
クーラ31とドレンセパレータ32とを通過することに
より凝縮水が除去され、この状態の原料ガスがPSA装
置Aの吸着塔4a,4bのいずれか一方にバルブ41を
通して送給される。
【0020】このPSA装置Aは2つの吸着塔4a,4
bと第1真空ポンプ12とから構成され、この吸着塔4
a,4bには吸着剤40として分子篩活性炭が充填され
ている。この吸着剤40により原料ガス中の酸素などが
優先的に吸着されて窒素比率が高められ(濃縮され)、
不純物(酸素、水、二酸化炭素、メタンなど)を含んだ
状態の第一次窒素ガス(酸素を不純物として含む窒素ガ
ス)がバルブ42,43およびバルブ44を通して回収
される。なお、吸着塔4a,4bに吸着された酸素は第
1真空ポンプ12によってバルブ45を通して脱着され
、これによって吸着塔4a,4bの再生が行なわれる。
bと第1真空ポンプ12とから構成され、この吸着塔4
a,4bには吸着剤40として分子篩活性炭が充填され
ている。この吸着剤40により原料ガス中の酸素などが
優先的に吸着されて窒素比率が高められ(濃縮され)、
不純物(酸素、水、二酸化炭素、メタンなど)を含んだ
状態の第一次窒素ガス(酸素を不純物として含む窒素ガ
ス)がバルブ42,43およびバルブ44を通して回収
される。なお、吸着塔4a,4bに吸着された酸素は第
1真空ポンプ12によってバルブ45を通して脱着され
、これによって吸着塔4a,4bの再生が行なわれる。
【0021】上記第一次窒素ガスは連絡管路51を通し
て精製装置Bに送られる。この精製装置Bは2つの低温
吸着塔6a,6bと、第2真空ポンプ13とから基本構
成され、この低温吸着塔6a,6bは回収管路52によ
って製品貯槽7と接続され、上記低温吸着塔6a,6b
によって得られた高純度の精製窒素ガスが製品窒素貯槽
7に蓄えられるようにしている。
て精製装置Bに送られる。この精製装置Bは2つの低温
吸着塔6a,6bと、第2真空ポンプ13とから基本構
成され、この低温吸着塔6a,6bは回収管路52によ
って製品貯槽7と接続され、上記低温吸着塔6a,6b
によって得られた高純度の精製窒素ガスが製品窒素貯槽
7に蓄えられるようにしている。
【0022】上記低温吸着塔6a,6bはバルブ65を
介して液体窒素貯槽8と接続され、この液体窒素貯槽8
からの液体窒素によって低温吸着塔6a,6b内が−5
0〜−70℃程度に冷却されるようにしている。そして
上記低温吸着塔6a,6bを冷却することにより気化し
た高純度の窒素ガスはバルブ66を通して回収管路52
に流入し、上記精製窒素ガスと合流して製品窒素として
製品窒素貯槽7に蓄えられる。また液体窒素貯槽8と低
温吸着塔6a,6bとは液体窒素蒸発器9およびバルブ
67を介して別の管路によって互いに接続され、液体窒
素蒸発器9によって気化された気化窒素ガスがバルブ6
7を通して低温吸着塔6a,6bに供給され、この気化
窒素ガスによって低温吸着塔6a,6bが常温まで昇温
されるようにしている。そして、この昇温に利用された
気化窒素ガスもバルブ66を通して回収管路52に流入
し、製品窒素として製品窒素貯槽7に蓄えられるように
している。
介して液体窒素貯槽8と接続され、この液体窒素貯槽8
からの液体窒素によって低温吸着塔6a,6b内が−5
0〜−70℃程度に冷却されるようにしている。そして
上記低温吸着塔6a,6bを冷却することにより気化し
た高純度の窒素ガスはバルブ66を通して回収管路52
に流入し、上記精製窒素ガスと合流して製品窒素として
製品窒素貯槽7に蓄えられる。また液体窒素貯槽8と低
温吸着塔6a,6bとは液体窒素蒸発器9およびバルブ
67を介して別の管路によって互いに接続され、液体窒
素蒸発器9によって気化された気化窒素ガスがバルブ6
7を通して低温吸着塔6a,6bに供給され、この気化
窒素ガスによって低温吸着塔6a,6bが常温まで昇温
されるようにしている。そして、この昇温に利用された
気化窒素ガスもバルブ66を通して回収管路52に流入
し、製品窒素として製品窒素貯槽7に蓄えられるように
している。
【0023】上記低温吸着塔6a,6bには上流側に活
性炭吸着剤60、下流側にLiNaA型ゼオライトなど
の分子篩吸着剤61がそれぞれ充填されている。このL
iNaA型ゼオライトは、結晶内に交換性イオンとして
リチウムイオンとナトリウムイオンを含み、かつリチウ
ムイオンが両イオンの55〜75%、好ましくは65〜
70モル%を占めるA型ゼオライトからなっている。上
記PSA装置Aからの第一次窒素ガスはバルブ62を通
して低温吸着塔6a,6bのいずれか一方に導入され、
この窒素ガスから活性炭吸着剤60により水、二酸化炭
素およびメタンを主とする炭化水素などが吸着除去され
、実質的に大部分の窒素成分と微量の酸素成分とからな
る残りの窒素ガスが分子篩吸着剤61に供給される。
性炭吸着剤60、下流側にLiNaA型ゼオライトなど
の分子篩吸着剤61がそれぞれ充填されている。このL
iNaA型ゼオライトは、結晶内に交換性イオンとして
リチウムイオンとナトリウムイオンを含み、かつリチウ
ムイオンが両イオンの55〜75%、好ましくは65〜
70モル%を占めるA型ゼオライトからなっている。上
記PSA装置Aからの第一次窒素ガスはバルブ62を通
して低温吸着塔6a,6bのいずれか一方に導入され、
この窒素ガスから活性炭吸着剤60により水、二酸化炭
素およびメタンを主とする炭化水素などが吸着除去され
、実質的に大部分の窒素成分と微量の酸素成分とからな
る残りの窒素ガスが分子篩吸着剤61に供給される。
【0024】この分子篩吸着剤61は液体窒素ガスによ
り−50〜−70℃程度に冷却されることにより、その
有効細孔径が常温の時にはほぼ4Åであったものが縮少
してほぼ3.5〜3.6Åになり、これにより上記窒素
ガスのうち窒素(分子径:3.64Å)は実質上吸着さ
れず、酸素(分子径:3.46Å)のみが上記分子篩吸
着剤61に吸着される。そして第一次窒素ガスから不純
物である水、二酸化炭素、酸素などが除去されることに
より高純度となった精製窒素ガスは、バルブ63および
64を通して製品窒素として製品窒素貯槽7に回収され
る。
り−50〜−70℃程度に冷却されることにより、その
有効細孔径が常温の時にはほぼ4Åであったものが縮少
してほぼ3.5〜3.6Åになり、これにより上記窒素
ガスのうち窒素(分子径:3.64Å)は実質上吸着さ
れず、酸素(分子径:3.46Å)のみが上記分子篩吸
着剤61に吸着される。そして第一次窒素ガスから不純
物である水、二酸化炭素、酸素などが除去されることに
より高純度となった精製窒素ガスは、バルブ63および
64を通して製品窒素として製品窒素貯槽7に回収され
る。
【0025】PSA装置Aからの第一次窒素ガスは、バ
ルブ62の切換え操作により2つの低温吸着塔6a,6
bに交互に供給するように自動的に切換えが行なわれ、
一方の吸着塔が吸着工程にある間に他方の吸着塔の再生
が行なわれるようにしている。上記バルブ62の切換え
は、吸着工程にある一方の分子篩吸着剤61に吸着され
た酸素が破過状態になる前に行なわれる。上記一方の吸
着塔の再生は、バルブ65を閉じて液体窒素の供給を停
止し、バルブ67を開けて気化窒素ガスを供給すること
により吸着塔を常温付近まで昇温させた後、もしくは昇
温させながら、第2真空ポンプ13を作動させることに
より行なう。これによって吸着塔内が減圧されて酸素、
水、二酸化炭素などが脱着され、これらはバルブ68を
通して排出される。
ルブ62の切換え操作により2つの低温吸着塔6a,6
bに交互に供給するように自動的に切換えが行なわれ、
一方の吸着塔が吸着工程にある間に他方の吸着塔の再生
が行なわれるようにしている。上記バルブ62の切換え
は、吸着工程にある一方の分子篩吸着剤61に吸着され
た酸素が破過状態になる前に行なわれる。上記一方の吸
着塔の再生は、バルブ65を閉じて液体窒素の供給を停
止し、バルブ67を開けて気化窒素ガスを供給すること
により吸着塔を常温付近まで昇温させた後、もしくは昇
温させながら、第2真空ポンプ13を作動させることに
より行なう。これによって吸着塔内が減圧されて酸素、
水、二酸化炭素などが脱着され、これらはバルブ68を
通して排出される。
【0026】このように吸着塔内を昇温および減圧して
再生し、この減圧状態を保ったままつぎの吸着操作に移
るようにすると、窒素の残存による酸素吸着の阻害が大
幅に減少する。なお、上記吸着塔6a,6bの昇温は液
体窒素を蒸発させた気化窒素ガスを用いる他に、例えば
精製窒素ガスの一部を上記吸着塔6a,6bに還流させ
ることにより行なってもよい。
再生し、この減圧状態を保ったままつぎの吸着操作に移
るようにすると、窒素の残存による酸素吸着の阻害が大
幅に減少する。なお、上記吸着塔6a,6bの昇温は液
体窒素を蒸発させた気化窒素ガスを用いる他に、例えば
精製窒素ガスの一部を上記吸着塔6a,6bに還流させ
ることにより行なってもよい。
【0027】上記方法によれば、通常のPSA法により
製造した第一次窒素ガス(窒素純度99.9〜99.9
9体積%)を深冷分離法で得られるものと同程度(窒素
純度99.999体積%)以上の高純度窒素ガスに精製
することができる。また低温吸着塔の冷却のための液体
窒素も、その用済後には製品窒素として精製窒素ガスと
合流させることにより有効利用することができ、しかも
吸着塔6a,6bの冷却は高温(−50〜−70℃程度
)でよいために多量の液体窒素を必要としないという利
点がある。
製造した第一次窒素ガス(窒素純度99.9〜99.9
9体積%)を深冷分離法で得られるものと同程度(窒素
純度99.999体積%)以上の高純度窒素ガスに精製
することができる。また低温吸着塔の冷却のための液体
窒素も、その用済後には製品窒素として精製窒素ガスと
合流させることにより有効利用することができ、しかも
吸着塔6a,6bの冷却は高温(−50〜−70℃程度
)でよいために多量の液体窒素を必要としないという利
点がある。
【0028】一般に、PSA装置Aには故障、検査時な
どのバックアップ用に液体窒素貯槽と、この液体窒素を
蒸発させる蒸発器とが設けられているので、上記PSA
装置Aに低温吸着塔を追加し、この低温吸着塔と上記液
体窒素貯槽とを互いに接続するだけで上記方法を実施す
る装置を容易に構成することができる。またその操作も
容易であり、高純度の窒素ガスに確実に精製することが
できる。
どのバックアップ用に液体窒素貯槽と、この液体窒素を
蒸発させる蒸発器とが設けられているので、上記PSA
装置Aに低温吸着塔を追加し、この低温吸着塔と上記液
体窒素貯槽とを互いに接続するだけで上記方法を実施す
る装置を容易に構成することができる。またその操作も
容易であり、高純度の窒素ガスに確実に精製することが
できる。
【0029】なお、上記実施例においては、PSA装置
Aとして原料空気から酸素成分を吸着除去するように構
成されたものを示したが、これに限らず、例えば原料空
気から窒素成分を吸着回収するように構成してもよく、
また吸着塔の数も適宜増加してもよい。
Aとして原料空気から酸素成分を吸着除去するように構
成されたものを示したが、これに限らず、例えば原料空
気から窒素成分を吸着回収するように構成してもよく、
また吸着塔の数も適宜増加してもよい。
【0030】さらに上記実施例では、2つの低温吸着塔
を設けているが、例えば3塔以上設けて連続的に窒素ガ
スの精製が行なわれるように構成してもよい。あるいは
、低温吸着塔を1塔のみとし、その再生時には液体窒素
を気化させたガスのみを一時的に使用する方式としても
よい。また上記実施例では、PSA装置Aにおいて製造
された窒素ガスを精製装置Bによって高純度窒素ガスに
精製するように構成しているが、これに限らず、例えば
膜分離法によって分離した窒素ガスを精製装置Bに供給
して精製するように構成してもよい。
を設けているが、例えば3塔以上設けて連続的に窒素ガ
スの精製が行なわれるように構成してもよい。あるいは
、低温吸着塔を1塔のみとし、その再生時には液体窒素
を気化させたガスのみを一時的に使用する方式としても
よい。また上記実施例では、PSA装置Aにおいて製造
された窒素ガスを精製装置Bによって高純度窒素ガスに
精製するように構成しているが、これに限らず、例えば
膜分離法によって分離した窒素ガスを精製装置Bに供給
して精製するように構成してもよい。
【0031】つぎにNaA型ゼオライトとLiNaA型
ゼオライトとを用いて不純物の吸着効果の比較を行なっ
た結果を示す。
ゼオライトとを用いて不純物の吸着効果の比較を行なっ
た結果を示す。
【0032】リチウムイオンとナトリウムイオンとのモ
ル比が67:33であるLiNaA型ゼオライトを作成
し、これとNaA型ゼオライトとの窒素、酸素の各吸着
平衡を各温度で測定した。測定はオムニソープ100型
細孔分布測定装置(オミクロンテクノロジーズ社製)を
用いて、各種寒剤で温度を一定に保った浴内に、約1g
のゼオライト試料を入れ、酸素あるいは窒素ガスを供給
して、定容法で吸着等温線を描かせることによって行な
った。 各温度における特定の圧力での、吸着容量(単位:Nc
m3−gas/g−adsorbent)は表1(Li
NaA型ゼオライトの場合)および表2(NaA型ゼオ
ライトの場合)に示す通りであった。上記LiNaA型
ゼオライトは、例えばつぎのようにして製造する。MS
4A粒子(ユニオン昭和社製商品)を0.1mol/l
の濃度の塩化リチウム水溶液中に浸漬し、温度を80℃
に保持して撹拌することにより、上記MS4A中のナト
リウムイオンをリチウムイオンと交換させ、この浸漬時
間を調整することにより所定の交換率になるようにする
。
ル比が67:33であるLiNaA型ゼオライトを作成
し、これとNaA型ゼオライトとの窒素、酸素の各吸着
平衡を各温度で測定した。測定はオムニソープ100型
細孔分布測定装置(オミクロンテクノロジーズ社製)を
用いて、各種寒剤で温度を一定に保った浴内に、約1g
のゼオライト試料を入れ、酸素あるいは窒素ガスを供給
して、定容法で吸着等温線を描かせることによって行な
った。 各温度における特定の圧力での、吸着容量(単位:Nc
m3−gas/g−adsorbent)は表1(Li
NaA型ゼオライトの場合)および表2(NaA型ゼオ
ライトの場合)に示す通りであった。上記LiNaA型
ゼオライトは、例えばつぎのようにして製造する。MS
4A粒子(ユニオン昭和社製商品)を0.1mol/l
の濃度の塩化リチウム水溶液中に浸漬し、温度を80℃
に保持して撹拌することにより、上記MS4A中のナト
リウムイオンをリチウムイオンと交換させ、この浸漬時
間を調整することにより所定の交換率になるようにする
。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】上記表において、−186℃における高分
圧酸素の非常に大きな吸着量は、表面あるいは細孔内へ
の凝縮が生じたためである。
圧酸素の非常に大きな吸着量は、表面あるいは細孔内へ
の凝縮が生じたためである。
【0036】一般に吸着容量は温度が低下するほど増加
するはずであるが、ゼオライトの場合には分子篩効果が
作用すると逆に低下することもあり得る。その際、酸素
よりも窒素の方が分子径が大きいので、高温域ではゼオ
ライトに対する親和性の相違から窒素の方が多量に吸着
していても、ある温度域まで低下すると窒素の吸着量が
急減し、酸素の吸着量は温度低下効果により、なおも増
加傾向を続ける現象が現われる。分子篩効果によりゼオ
ライト結晶内に拡散吸着できなくなっても、結晶外表面
への少量の吸着は可能であり、その量は温度が下がるに
つれて増加するので、再び徐々に増加し始める。
するはずであるが、ゼオライトの場合には分子篩効果が
作用すると逆に低下することもあり得る。その際、酸素
よりも窒素の方が分子径が大きいので、高温域ではゼオ
ライトに対する親和性の相違から窒素の方が多量に吸着
していても、ある温度域まで低下すると窒素の吸着量が
急減し、酸素の吸着量は温度低下効果により、なおも増
加傾向を続ける現象が現われる。分子篩効果によりゼオ
ライト結晶内に拡散吸着できなくなっても、結晶外表面
への少量の吸着は可能であり、その量は温度が下がるに
つれて増加するので、再び徐々に増加し始める。
【0037】窒素中の微量酸素を対象とするため、分圧
は前者の方が圧倒的に大きく、共吸着による窒素の吸着
も分圧に対応して生じることになるが、窒素の吸着位置
はゼオライトの結晶外表面であり、一方酸素の吸着位置
は結晶内であるため、窒素が大量に存在する条件下にあ
つても酸素の吸着が阻害されることはない。
は前者の方が圧倒的に大きく、共吸着による窒素の吸着
も分圧に対応して生じることになるが、窒素の吸着位置
はゼオライトの結晶外表面であり、一方酸素の吸着位置
は結晶内であるため、窒素が大量に存在する条件下にあ
つても酸素の吸着が阻害されることはない。
【0038】上記LiNaA型ゼオライトにおいては、
すでに−47℃における窒素吸着量は−19℃における
それをやや下回るようになり、吸着阻害効果が現われ始
めている。−72℃になるとさらに著しく低下し、ゼオ
ライト結晶内には窒素が吸着できなくなっていると考え
られる。一方、−72℃における酸素の吸着等温線はN
aA型ゼオライトのそれとほとんど変わっていないので
、酸素に関しては吸着阻害は全く認められていない。 この吸着窒素は結晶外表面におけるものであり、−18
6℃においては再び増加している。したがって、ゼオラ
イト結晶内から窒素が排除され、酸素の選択的吸着が生
じる最高温度は−70℃以上であり、−47℃で拡散阻
害が既に始まっているので、−50〜−70℃の間にあ
ると考えられる。
すでに−47℃における窒素吸着量は−19℃における
それをやや下回るようになり、吸着阻害効果が現われ始
めている。−72℃になるとさらに著しく低下し、ゼオ
ライト結晶内には窒素が吸着できなくなっていると考え
られる。一方、−72℃における酸素の吸着等温線はN
aA型ゼオライトのそれとほとんど変わっていないので
、酸素に関しては吸着阻害は全く認められていない。 この吸着窒素は結晶外表面におけるものであり、−18
6℃においては再び増加している。したがって、ゼオラ
イト結晶内から窒素が排除され、酸素の選択的吸着が生
じる最高温度は−70℃以上であり、−47℃で拡散阻
害が既に始まっているので、−50〜−70℃の間にあ
ると考えられる。
【0039】一方、NaA型ゼオライトにおいては、−
186℃において、はじめてそのような現象を示してい
る。実際には、−72℃以下で−186℃以上の温度で
そのような現象が始まるのであろうが、上記引用文献(
D.W.Breck,Zeolite Molecul
ar Sieves,639頁)によれば、少なくとも
−100℃までは窒素の吸着量は温度低下と共に単調に
増加しつづけ、−150℃における酸素吸着量と同程度
の量の窒素が吸着しているので、結晶内から窒素が排除
され始める温度は、LiNaA型ゼオライトの場合より
も明らかに低いことがわかる。
186℃において、はじめてそのような現象を示してい
る。実際には、−72℃以下で−186℃以上の温度で
そのような現象が始まるのであろうが、上記引用文献(
D.W.Breck,Zeolite Molecul
ar Sieves,639頁)によれば、少なくとも
−100℃までは窒素の吸着量は温度低下と共に単調に
増加しつづけ、−150℃における酸素吸着量と同程度
の量の窒素が吸着しているので、結晶内から窒素が排除
され始める温度は、LiNaA型ゼオライトの場合より
も明らかに低いことがわかる。
【0040】以上の実験結果をもとに、低濃度の酸素を
含む窒素ガスを、エタノール/ドライアイス混合冷媒中
に浸漬したステンレス鋼製コイル(蛇管)内に充填した
吸着剤層に流し、出口の酸素濃度をガルバニ電池式分析
計で測定し、両吸着剤の違いを比較した。測定条件はつ
ぎの通りである。
含む窒素ガスを、エタノール/ドライアイス混合冷媒中
に浸漬したステンレス鋼製コイル(蛇管)内に充填した
吸着剤層に流し、出口の酸素濃度をガルバニ電池式分析
計で測定し、両吸着剤の違いを比較した。測定条件はつ
ぎの通りである。
【0041】
供給ガス 種類 酸素:107p
pm/N2(標準ガス) 流速
2.5cm/s(空塔線速度)吸着温
度 −72℃吸着圧力
5.0atm吸着剤
種類 LiNaA型ゼオラ
イト(Li:Na=67:33)
NaA型ゼオライト
充填密度 0.63g/c
m3 充填高さ 20
0cm なお、吸着剤は、予め1Torr以下に真空引きし
つつ250℃に加熱した後、真空引きしつつ上記冷媒中
に浸漬し、純窒素で大気圧まで昇圧したものを用いた。 上記測定の結果、NaA型ゼオライトの場合には、
吸着開始とほぼ同時に酸素が出口に認められ、その吸着
はほとんど起こらないことが確認された。これは、静的
吸着実験からもわかるとおり、ゼオライトに対してより
親和力の大きな窒素が、前処理操作で吸着している中へ
、酸素が置換吸着できないためである。
pm/N2(標準ガス) 流速
2.5cm/s(空塔線速度)吸着温
度 −72℃吸着圧力
5.0atm吸着剤
種類 LiNaA型ゼオラ
イト(Li:Na=67:33)
NaA型ゼオライト
充填密度 0.63g/c
m3 充填高さ 20
0cm なお、吸着剤は、予め1Torr以下に真空引きし
つつ250℃に加熱した後、真空引きしつつ上記冷媒中
に浸漬し、純窒素で大気圧まで昇圧したものを用いた。 上記測定の結果、NaA型ゼオライトの場合には、
吸着開始とほぼ同時に酸素が出口に認められ、その吸着
はほとんど起こらないことが確認された。これは、静的
吸着実験からもわかるとおり、ゼオライトに対してより
親和力の大きな窒素が、前処理操作で吸着している中へ
、酸素が置換吸着できないためである。
【0042】LiNaA型ゼオライトの場合には、破過
開始時間(出口酸素濃度が入口酸素濃度の10%に達す
る時間)は1.6時間であった。またそれまでの出口酸
素濃度は、最低3ppmとなり、明らかに酸素の選択的
吸着除去効果が認められた。
開始時間(出口酸素濃度が入口酸素濃度の10%に達す
る時間)は1.6時間であった。またそれまでの出口酸
素濃度は、最低3ppmとなり、明らかに酸素の選択的
吸着除去効果が認められた。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、Li
NaA型ゼオライトが充填されている吸着塔内の温度を
−50℃以下に冷却しておき、この吸着塔内へ通常のP
SA法により製造した第一次窒素ガス(窒素純度99.
9〜99.99体積%)などの、酸素を不純物として含
む窒素ガスを導き、酸素を選択的に吸着除去するように
したものであり、これによって深冷分離法で得られるも
のと同程度(窒素純度99.999体積%)以上の高純
度窒素ガスに精製することができる。しかも吸着塔の冷
却温度は−50〜−70℃程度の高い温度にすることが
でき、このため吸着剤および冷却媒体の使用量を減少さ
せることができ、かつ吸着後の昇温、脱着に長時間を要
しないという利点がある。また冷却媒体として精製され
た液体窒素を用いた場合には、その用済後には吸着塔か
らの精製窒素ガスに合流させることにより有効に利用す
ることができる。さらに吸着塔内を昇温および減圧して
再生し、この減圧状態を保ったままつぎの吸着操作に移
るようにすると、窒素の残存による酸素吸着の阻害を大
幅に減少させることができる。
NaA型ゼオライトが充填されている吸着塔内の温度を
−50℃以下に冷却しておき、この吸着塔内へ通常のP
SA法により製造した第一次窒素ガス(窒素純度99.
9〜99.99体積%)などの、酸素を不純物として含
む窒素ガスを導き、酸素を選択的に吸着除去するように
したものであり、これによって深冷分離法で得られるも
のと同程度(窒素純度99.999体積%)以上の高純
度窒素ガスに精製することができる。しかも吸着塔の冷
却温度は−50〜−70℃程度の高い温度にすることが
でき、このため吸着剤および冷却媒体の使用量を減少さ
せることができ、かつ吸着後の昇温、脱着に長時間を要
しないという利点がある。また冷却媒体として精製され
た液体窒素を用いた場合には、その用済後には吸着塔か
らの精製窒素ガスに合流させることにより有効に利用す
ることができる。さらに吸着塔内を昇温および減圧して
再生し、この減圧状態を保ったままつぎの吸着操作に移
るようにすると、窒素の残存による酸素吸着の阻害を大
幅に減少させることができる。
【図1】この発明の実施をするための装置の構成説明図
である。
である。
A PSA装置
B 精製装置
6a,6b 低温吸着塔
8 液体窒素貯槽
61 分子篩吸着剤
Claims (4)
- 【請求項1】 結晶内に、交換性イオンとしてリチウ
ムイオンとナトリウムイオンを含み、かつリチウムイオ
ンが両イオンの55〜75%、好ましくは65〜70モ
ル%を占めるA型ゼオライトが充填されている吸着塔内
の温度を、−50℃以下に冷却し、酸素を不純物として
含む窒素ガスをこの吸着塔内へ導き、酸素を選択的に吸
着除去することを特徴とする窒素中の不純酸素の除去方
法。 - 【請求項2】 上記吸着塔の冷却媒体として、精製さ
れた液体窒素を用い、吸着塔を冷却することにより気化
した窒素ガスを、吸着塔からの精製ガスに混合させるこ
とを特徴とする請求項1記載の窒素中の不純酸素の除去
方法。 - 【請求項3】 酸素が破過する前に吸着操作を打切り
、吸着塔内を吸着圧力以下に減圧し、吸着している酸素
および吸着塔内空間部に存在する窒素を除去した後、再
び不純酸素を含む窒素を吸着塔内に導く操作を繰返すこ
とを特徴とする請求項1または2記載の窒素中の不純酸
素の除去方法。 - 【請求項4】 酸素が破過する前に吸着操作を打切り
、吸着塔内温度を吸着温度以上に上げるとともに吸着塔
内圧力を吸着圧力以下に減圧し、吸着している酸素およ
び吸着塔内空間部に存在する窒素を除去し、続いてその
減圧状態を保ったまま吸着塔内温度を吸着温度まで下げ
た後、再び不純酸素を含む吸着塔内に導く操作を行なわ
せることを特徴とする請求項1または2記載の窒素中の
不純酸素の除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3072934A JPH04310509A (ja) | 1991-04-05 | 1991-04-05 | 窒素中の不純酸素の除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3072934A JPH04310509A (ja) | 1991-04-05 | 1991-04-05 | 窒素中の不純酸素の除去方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04310509A true JPH04310509A (ja) | 1992-11-02 |
Family
ID=13503694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3072934A Pending JPH04310509A (ja) | 1991-04-05 | 1991-04-05 | 窒素中の不純酸素の除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04310509A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017223417A (ja) * | 2016-06-16 | 2017-12-21 | エア・ウォーター株式会社 | 精製ガスの製造方法および精製ガスの製造装置 |
JP2019178230A (ja) * | 2018-03-30 | 2019-10-17 | 三菱日立パワーシステムズ株式会社 | ガス化炉システム |
JP2020193126A (ja) * | 2019-05-29 | 2020-12-03 | 日本酸素ホールディングス株式会社 | 窒素製造方法及び装置 |
JP2021094528A (ja) * | 2019-12-18 | 2021-06-24 | 大陽日酸株式会社 | 精製ガス供給方法及び精製されたジボラン並びに精製ガス供給装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57142211A (en) * | 1981-01-26 | 1982-09-02 | Brose Verwaltung | Seat adjusting apparatus especially for automobile seat |
JPS62184939A (ja) * | 1986-02-10 | 1987-08-13 | Mazda Motor Corp | 自動車のシ−トスライド装置 |
JP4115934B2 (ja) * | 2001-06-26 | 2008-07-09 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | リアルタイムで最適なパス抽出にポテンシャル項を適応させる方法 |
-
1991
- 1991-04-05 JP JP3072934A patent/JPH04310509A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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