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JPH0423088Y2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0423088Y2
JPH0423088Y2 JP1984069273U JP6927384U JPH0423088Y2 JP H0423088 Y2 JPH0423088 Y2 JP H0423088Y2 JP 1984069273 U JP1984069273 U JP 1984069273U JP 6927384 U JP6927384 U JP 6927384U JP H0423088 Y2 JPH0423088 Y2 JP H0423088Y2
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JP
Japan
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master cylinder
hydraulic pressure
pressure
pump
control valve
Prior art date
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Application number
JP1984069273U
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English (en)
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JPS60180674U (ja
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Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP6927384U priority Critical patent/JPS60180674U/ja
Publication of JPS60180674U publication Critical patent/JPS60180674U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JPH0423088Y2 publication Critical patent/JPH0423088Y2/ja
Granted legal-status Critical Current

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Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、自動車の制動時に車輪と路面とのス
リツプ率が過大となることを防止するためにホイ
ールシリンダの液圧を制御するアンチスキツド装
置に関するものである。
従来技術 自動車用ブレーキ装置としては、ブレーキ操作
部材の操作に応じてマスタシリンダに発生させら
れたブレーキ液圧をホイールシリンダに導き、ド
ラムブレーキ、デイスクブレーキ等のブレーキを
作動させて自動車の車輪の回転を抑制する液圧ブ
レーキ装置が一般的に用いられている。そして、
この場合、車輪と路面との摩擦係数は両者のスリ
ツプ率が特定の値のとき最大となるため、自動車
を走行安定性を損わないで最も効率良く減速し、
あるいは停止させるためには、スリツプ率がその
特定値付近に保たれるようにホイールシリンダの
液圧を制御しつつ制動を行うことが望ましい。
そのため、近年、車輪のスリツプ状態を監視し
つつホイールシリンダの液圧を制御するアンチス
キツド装置が使用されるようになつた。これは、
マスタシリンダとホイールシリンダとを接続する
液通路の途中に電磁制御弁を設けるとともに、こ
の電磁制御弁をコントロールによつて制御し、ホ
イールシリンダをマスタシリンダに連通させた
り、リザーバに連通させたり、あるいはマスタシ
リンダにもリザーバにも連通させない状態とする
ことによつて、ホイールシリンダの液圧を路面の
摩擦係数との関係において適正な高さとなるよう
に制御するものである。そのために電磁制御弁
は、ホイールシリンダをマスタシリンダに連通さ
せる昇圧許容状態と、マスタシリンダとの連通を
断つ液圧保持状態と、マスタシリンダとの連通を
断つたうえリザーバに連通させる降圧許容状態と
に切り換えが可能なものとされ、また、コントロ
ーラは車輪のスリツプ状態を監視しつつホイール
シリンダの液圧が適正な高さとなるように、電磁
制御弁を上記3状態のいずれかに切り換えて制御
するものとされる。そして、電磁制御弁が降圧許
容状態に切り換えられることによりホイールシリ
ンダからリザーバへ排出されたブレーキ液はポン
プによつて汲み上げられ、マスタシリンダとホイ
ールシリンダとを接続する液通路に供給される。
このようなアンチスキツド装置においては、電
磁制御弁が液圧保持状態または降圧許容状態にあ
るときにポンプからポンプ通路を経て供給された
ブレーキ液は全量マスタシリンダに流入し、電磁
制御弁が昇圧許容状態となつたときマスタシリン
ダからホイールシリンダへ供給されることとなる
ため、アンチスキツド装置の作動中はブレーキペ
ダル等のブレーキ操作部材がマスタシリンダによ
り往復動させられる所謂キツクバツクが発生する
こととなり、運転者に不快感を与える問題があつ
た。
この問題を解決するための一手段が特開昭59−
2962号公報に開示されている。これは、マスタシ
リンダと電磁制御弁とを接続する液通路の途中
に、通常はマスタシリンダと電磁制御弁とを連通
させているが、マスタシリンダの液圧が設定値以
上高くなつた状態では、マスタシリンダの液圧を
パイロツト圧として、マスタシリンダから電磁制
御弁へのブレーキ液の流れは許容するが逆向きの
流れは阻止する逆止状態に切り換わるパイロツト
式切換弁を設け、そのパイロツト式切換弁と電磁
制御弁との間にポンプ通路を接続するとともに、
ポンプ通路にアキユムレータを設けたものであ
る。
この構成のアンチスキツド装置においては、マ
スタシリンダの液圧が設定値以上になれば、パイ
ロツト式切換弁が電磁制御弁からマスタシリンダ
へのブレーキ液の流れを阻止する逆止状態とな
る。アンチスキツド制御はこの状態において行わ
れるため、降圧時にホイールシリンダから排出さ
れたブレーキ液がポンプにより汲み上げられて電
磁制御弁とマスタシリンダとの間へ供給されて
も、このブレーキ液がマスタシリンダへ還流する
ことがパイロツト式切換弁により阻止され、アキ
ユムレータに蓄えられる。この蓄えられたブレー
キ液は次に電磁制御弁が昇圧許容状態とされたと
きにホイールシリンダに供給される。
このようにすれば、前述のようなブレーキ操作
部材のキツクバツクは回避できるのであるが、反
面、アンチスキツド装置が作動している状態にお
いてホイールシリンダ液圧を高める必要が生じ、
電磁制御弁が昇圧許容状態とされた場合には、前
記アキユムレータに蓄えられた液圧がそのままホ
イールシリンダに供給されてしまう不都合が生ず
る。従来のようにポンプから送られたブレーキ液
が一旦マスタシリンダに収容される場合には液圧
が必然的にブレーキペダル等操作部材の操作力に
対応した値まで低下させられるのであるが、アキ
ユムレータの液圧がそのままホイールシリンダに
供給される場合にはそのような効果が期待できな
いのであり、アキユムレータの畜液圧は、摩擦係
数の高い路面上におけるアンチスキツド制御時に
も液圧が不足しないように、一般に150〜200Kg/
cm2と、マスタシリンダに通常発生させられる液圧
よりかなり高く設定されるため、このように高い
液圧がそのままホイールシリンダに供給されれ
ば、そのホイールシリンダ液圧が過度に上昇する
オーバシユートが生じ易く、液圧制御が荒くなつ
てしまう欠点が生ずるのである。
考案の目的 本考案は上記のような事情を背景として、前述
のような電磁制御弁とコントローラとポンプとを
含むアンチスキツド装置であつて、作動時におい
て運転者に不快感を与えるキツクバツクをブレー
キ操作部材に生じさせることがなく、しかも、ポ
ンプ側の高い圧力がそのままホイールシリンダに
供給されることによるオーバシユートを防止する
ことのできるアンチスキツド装置を提供すること
を目的として為されたものである。
考案の構成 そして、本考案の特徴とするところは、前記ポ
ンプから供給されるブレーキ液を導くポンプ通路
と、前記マスタシリンダと電磁制御弁とを接続す
る液通路との接続部に、ポンプとマスタシリンダ
とを択一的に電磁制御弁に連通させる切換弁を設
けるとともに、前記ポンプ通路に、前記マスタシ
リンダの液圧をパイロツト圧として、前記ポンプ
から供給されるブレーキ液の液圧をマスタシリン
ダの液圧にほぼ等しい高さまで低下させて前記切
換弁に供給するパイロツト式レギユレータ弁を設
け、かつ、そのパイロツト式レギユレータ弁と前
記ポンプとの間にアキユムレータを設けたことに
ある。
考案の効果 上記のように切換弁を設けて、アンチスキツド
装置が作動しない状態においてはマスタシリンダ
のみを電磁制御弁に連通させ、アンチスキツド装
置の作動時にはポンプおよびアキユムレータのみ
を電磁制御弁に連通させるように切り換えれば、
アキユムレータから供給されるブレーキ液がマス
タシリンダへ流入することが防止され、マスタシ
リンダがブレーキペダル等のブレーキ操作部材を
押し戻して運転者に不快感を与えるキツクバツク
の発生が回避される。
しかも、アンチスキツド装置が作動している状
態において、ホイールシリンダ液圧を高める必要
が生じた場合には、電磁制御弁が昇圧許容状態に
切り換えられてポンプおよびアキユムレータとホ
イールシリンダとが連通させられた状態となり、
アキユムレータの液圧がホイールシリンダに供給
されるのであるが、そのポンプ通路に設けられた
パイロツト式レギユレータ弁がアキユムレータか
ら供給される液圧をマスタシリンダの液圧にほぼ
等しい高さまで低下させて切換弁および電磁制御
弁を経てホイールシリンダに供給するため、ホイ
ールシリンダ液圧が過度に高くなるオーバシユー
トが防止され、その結果、適正な液圧値から大き
く外れることのない良好な液圧制御が可能とな
る。前述のように、アキユムレータの畜液圧は摩
擦係数の高い路面上で(ホイールシリンダの液圧
が高い状態で)アンチスキツド制御が行われる場
合にも昇圧が可能であるように、マスタシリンダ
で発生させられることが予定されている最高液圧
に近い値に設定されるため、昇圧時のオーバシユ
ートが大きくなることを避け得ないのであるが、
マスタシリンダの液圧は運転者によりある程度路
面の摩擦係数に応じた高さに制御されるのが普通
であるため、アキユムレータの液圧がパイロツト
式レギユレータ弁によりマスタシリンダの液圧に
ほぼ等しい高さまで低下させられて電磁制御弁に
供給されれば、この液圧とホイールシリンダの液
圧との差は、アキユムレータ自体の液圧とホイー
ルシリンダの液圧との差よりは小さくなるのが普
通であつて、昇圧時のオーバシユートが低減し、
良好な液圧制御が可能となるのである。
実施例 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
第1図において10はマスタシリンダであり、
互に独立した2つの加圧室を備えてブレーキペダ
ル12の踏込操作に基づいてそれぞれの加圧室に
同じ高さの液圧を発生させる。一方の加圧室に発
生した液圧は、左右の後輪14および16にそれ
ぞれ設けられたブレーキのホイールシリンダであ
るリヤホイールシリンダ18および20に供給さ
れ、もう一方の加圧室で発生した液圧は、左右の
前輪22および24にそれぞれ設けられたブレー
キのフロントホイールシリンダ26および28に
供給されるようになつている。すなわち、本実施
例の液圧ブレーキ装置は前後二系統式となつてい
るのである。
2個のリヤホイールシリンダ18および20の
液圧は共通の電磁制御弁30で制御され、2個の
フロントホイールシリンダ26および28の液圧
はそれぞれ専用の電磁制御弁32および34によ
り制御されるようになつているが、その他の点に
おいては前後いずれの系統も同様な構成であるた
め、以下、リヤ系統についてのみ詳細に説明し、
フロント系統の各構成要素にはリヤ系統の各構成
要素と同一の符号を付して対応を関係を示し、詳
細な説明は省略する。
上記電磁制御弁30はマスタシリンダ10とリ
ヤホイールシリンダ18および20とを接続する
液通路の途中に設けられているが、この電磁制御
弁30とマスタシリンダ10との間には更に電磁
切換弁35が設けられて、上記液通路マスタシリ
ンダ側通路36、中間通路38およびホイールシ
リンダ側通路40の3つの部分に分かれている。
また、42はマスタシリンダ10にブレーキ液を
供給するリザーバであり、このリザーバ42には
別のリザーバ44が連結通路46によつて接続さ
れ、一方のリザーバの液面が一定高さ以上になつ
た場合には連結通路46を経て他方のリザーバに
ブレーキ液が流出するようにされている。上記リ
ザーバ44内のブレーキ液はポンプ48によつて
汲み上げられ、アキユムレータ50に貯えられる
ようになつており、このポンプ48を駆動するモ
ータ52は、アキユムレータ50内の液圧が一定
値以下となつたとき、圧力スイツチ54によつて
起動されるようになつている。
前記電磁制御弁30は、昇圧許容状態と液圧保
持状態と降圧許容状態との3つの状態に切換えが
可能な切換弁である。昇圧許容状態は、図示のよ
うに中間通路38をホイールシリンダ側通路40
に連通させて、マスタシリンダ10もしくはポン
プ48(実際にはアキユムレータ50)から中間
通路38に供給されるブレーキ液によつてリヤホ
イールシリンダ18および20の液圧が上昇する
ことを許容する状態であり、液圧保持状態は、中
間通路38、ホイールシリンダ側通路40および
ドレン通路56のすべてを遮断してリヤホイール
シリンダ18および20の液圧を一定に保持する
状態である。また、降圧許容状態は、ホイールシ
リンダ側通路40を中間通路38から遮断すると
ともにドレン通路56に連通させ、リヤホイール
シリンダ18および20からブレーキ液がリザー
バ44へ流出してリヤホイールシリンダ18およ
び20の液圧が下降することを許容する状態であ
る。
また、前記電磁切換弁35は、ポンプ48から
供給されるブレーキ液を導くポンプ通路58と、
マスタシリンダ10を電磁制御弁30に接続する
液通路(36および38)との接続部に設けら
れ、ポンプ48とマスタシリンダ10とを択一的
に電磁制御弁30に連通させる役割を果たす。す
なわち、図示のようにマスタシリンダ側通路36
を中間通路38に連通させる一方でポンプ通路5
8を遮断する第一状態と、ポンプ通路58を中間
通路38に連通させる一方でマスタシリンダ側通
路36を遮断する第二状態との2つの状態に切換
えが可能な切換弁なのである。
上記電磁制御弁30および電磁切換弁35はコ
ントローラ60に接続されている。コントローラ
60はマイクロコンピユータを主体とするもので
あるが、後輪14および16の回転速度(正確に
はプロペラシヤフトの回転速度)を検出するセン
サ62を備えており、このセンサ62の出力信号
に基づいて後輪14および16のスリツプ率を推
測し、そのスリツプ率が予め定められた一定値前
後となるように電磁制御弁30および電磁切換弁
35を制御するようにされているが、公知のもの
であり、また、本考案の理解に直接必要がないた
め詳細な説明は省略する。
前記マスタシリンダ側通路36とホイールシリ
ンダ側通路40との間には前記電磁切換弁35お
よび電磁制御弁30をバイパスするバイパス通路
64が設けられており、このバイパス通路64に
はマスタシリンダ側通路36からホイールシリン
ダ側通路40へ向うブレーキ液の流れは阻止する
が、逆向きの流れは許容する逆止弁66が設けら
れている。
なお、68はフイルタである。また、フロント
系統においても電磁制御弁32および34を始
め、電磁切換弁35、センサ62等はコントロー
ラ60に接続されているのであるが、煩雑さを避
けるために詳しい接続関係の図示は省略する。
一方、前記ポンプ通路58の途中にはレギユレ
ータ弁70が設けられて、上記ポンプ通路58は
ポンプ側通路72と切換弁側通路74との二つの
部分に分かれている。そして、レギユレータ弁7
0とポンプ48とを接続する液通路であるポンプ
側通路72には逆止弁76が設けられて、ポンプ
48から切換弁35に向かうブレーキ液の流れは
許容するが、逆向きの流れは阻止するようになつ
ている。レギユレータ弁70はポンプ48から供
給されるブレーキ液の液圧をマスタシリンダ10
の液圧にほぼ等しい高さまで低下させて切換弁3
5に供給する役割を果たすものであり、その詳細
を第2図に拡大して示す。
レギユレータ弁70のハウジング78にはピス
トン80が摺動可能に嵌合されて、その両側に第
一液圧室82と第二液圧室84とがそれぞれ形成
されている。第一液圧室82は前記マスタシリン
ダ側通路36に常時連通させられて、マスタシリ
ンダ液圧Pmが作用し、また、第二液圧室84は
切換弁側通路74に常時連通させられて、レギユ
レータ液圧Prが作用する。さらに第二液圧室8
4は第三液圧室86に連通可能とされており、こ
の第三液圧室86はポンプ側通路72に常時連通
しており、前記アキユームレータ50に蓄圧され
たアキユームレータ液圧Paが作用する。この第
三液圧室86には球状の弁子たるボール88が配
設され、通常はスプリング90によつて弁座92
に着座させられており、その状態ではポンプ側通
路72と切換弁側通路74との連通を阻止してい
る。一方、前記ピストン80は第二液圧室84か
ら第三液圧室86の側に向つて延びるロツド部を
備え、このロツド部の先端がボール88に当接す
る向きにスプリング94によつて付勢されてお
り、ピストン80がボール88を押し上げた状態
では、ポンプ側通路72から第三液圧室86を経
て切換弁側通路74へ向かうブレーキ液の流れが
許容されるようになつている。スプリング90の
ばね力F1はスプリング94のばね力F2より大き
くされており、またピストン80は第一液圧室8
2と第二液圧室84とからそれぞれ逆向きの液圧
を受けるが、第一液圧室82側の受圧面積S1と第
二液圧室84側の受圧面積S2とが等しくされてい
る。また、ボール88が第三液圧室86から受け
る液圧の受圧面積S3は、上記S1,S2より小さいも
のされている。
いま、ピストン80に関する釣り合い式を考え
ると、 Pa・S3+F1+Pr・S2 =Pm・S1+F2 ……(1) ここで、S1=S2 ∴ Pr=Pm−(S3/S2)・Pa −(F1−F2)/S2 ……(2) ただし、F1>F2 この(2)式において、アキユムレータ液圧Paは
通常ほぼ一定であり、かつ受圧面積S3は受圧面積
S2に比較して小さいため、レギユレータ液圧Pr、
つまり切換弁35側に供給される液圧はマスタシ
リンダ液圧Pmより若干低い圧力値に調整される
こととなる。レギユレータ弁70はマスタシリン
ダ液圧Pmをパイロツト圧とするパイロツト式レ
ギユレータ弁となつているのである。
なお、ピストン80にはカツプシール96が装
着されて、ハウジング78の内周面との間をシー
ルしているが、このカツプシール96は第二液圧
室84から第一液圧室82の側にブレーキ液が流
れることを許容し、逆向きの流れは阻止する向き
に装着されている。
上記のように構成されたアンチスキツド装置を
含む液圧ブレーキ装置は、通常は第1図に示すよ
うな状態にある。すなわち、リヤ系統において電
磁切換弁35は第一状態にあり、電磁制御弁30
は昇圧許容状態にあつて、マスタシリンダ10は
リヤホイールシリンダ18および20に連通した
状態にあるが、マスタシリンダ10には液圧が発
生していないため、ブレーキは非作動状態にあ
る。フロント系統についても同様であるので、以
下、リヤ系統についてのみ説明する。
この状態からブレーキペダル12が踏み込まれ
ればマスタシリンダ10からブレーキ液が排出さ
れ、マスタシリンダ側通路36、電磁切換弁3
5、中間通路38、電磁制御弁30およびホイー
ルシリンダ側通路40を経て、リヤホイールシリ
ンダ18および20に供給される。その結果ブレ
ーキが作動し、左右後輪14および16の回転が
抑制されて自動車が減速させられるのであるが、
この場合、路面の摩擦係数が高く、また、ブレー
キペダル12の踏込力が小さければ、左右後輪1
4および16には問題となるようなスリツプが生
ぜず、コントローラ60は電磁切換弁35および
電磁制御弁30を切り換えないため、本液圧ブレ
ーキ装置はアンチスキツド装置がない場合と同様
に作動する。
しかし、路面の摩擦係数に対してブレーキペダ
ル12の踏込力が大きかつた場合には、左右後輪
14および16のスリツプ率が適正範囲を越えて
増大する。したがつて、コントローラ60がその
事実をセンサ62を介して検知し、電磁切換弁3
5および電磁制御弁30を切り換える。電磁切換
弁35は、マスタシリンダ10を電磁制御弁30
に連通させていた第一状態から、ポンプ48を電
磁制御弁30に連通させる第二状態へ切り換えら
れるのであり、電磁制御弁30は中間通路38を
ホイールシリンダ側通路40に連通させていた昇
圧許容状態から液圧保持状態へ、もしくは降圧許
容状態へ切り換えられるのである。電磁制御弁3
0が液圧保持状態に切り換えられた場合には、リ
ヤホイールシリンダ18および20の液圧は一定
に保持され、左右後輪14および16には一定の
制動力が加え続けられるのであるが、電磁制御弁
30が降圧許容状態に切り換えられた場合には、
リヤホイールシリンダ18および20からリザー
バ44へブレーキ液が排出され、リヤホイールシ
リンダ18および20の液圧が低下して後輪14
および16に対する制動力が減少し、路面とのス
リツプ率が低減する。
スリツプ率が適正値より小さくなつたとコント
ローラ60が判断した場合には、電磁制御弁30
を昇圧許容状態に切り換える。この場合、電磁切
換弁35は切り換えられず、第二状態に維持され
るため、電磁制御弁30が昇圧許容状態に切り換
えられればリヤホイールシリンダ18および20
はポンプ通路58に連通させられる。そのため、
アキユムレータ50に貯えられていた高圧のブレ
ーキ液がリヤホイールシリンダ18および20の
側に供給されるが、ポンプ通路58にはレギユレ
ータ弁70が設けられているため、その高圧のブ
レーキ液は直接には供給されない。
すなわち、第2図において、レギユレータ弁7
0のピストン80はアキユームレータ液圧Paを
受けるボール88により図中右方向の力を受けて
いるが、電磁制御弁30の切換えによつて切換弁
側通路74がリヤホイールシリンダ18および2
0に連通させられ、その液圧Prが低下すれば、
ピストン80がマスタシリンダ液圧Pmおよびス
プリング94の付勢力によつて図中左方向に移動
させられ、ボール88を弁座92から浮き上がら
せた状態として、ポンプ側通路72から切換弁側
通路74へのブレーキ液の流れを許容する。そし
て、切換弁側通路74のレギユレータ液圧Prが
第一液圧室82に作用するマスタシリンダ液圧
Pmに近くなると、ピストン80は第二液圧室8
4から受けるレギユレータ液圧Prとボール88
の押圧力とに基づいて図中右方向に移動させら
れ、その結果ボール88が弁座92に着座して切
換弁側通路74の液圧(レギユレータ液圧Pr)
の上昇をカツトする。このように、ボール88が
ピストン80の移動に伴い、弁座92に着座した
りそこから離れたりすることによつて、高圧のア
キユームレータ液圧Paがマスタシリンダ液圧Pm
より若干低い圧力値まで下げられて、電磁制御弁
35および電磁制御弁30を経てリヤホイールシ
リンダ18および20に供給され、それらの液圧
を上昇させる。
そして、その結果、後輪14および16のスリ
ツプ率が再び適正値を越えた場合には、コントロ
ーラ60は電磁制御弁30を再び降圧許容状態に
切り換え、リヤホイールシリンダ18および20
の液圧を低下させる。以下、同様のことが繰り返
されることによつて、リヤホイールシリンダ18
および20の液圧はそのときの路面の摩擦係数と
の関係において適正な液圧範囲内に保たれ、後輪
14および16のスリツプ率が適正値付近に維持
されて、自動車は路面の摩擦係数の如何を問わず
効率良く制動されることとなる。
このように、アンチスキツド装置の作動中は、
リヤホイールシリンダ18および20がポンプ4
8(アキユムレータ50)とリザーバ44とに交
互に連通させられ、リヤホイールシリンダ18お
よび20の液圧は昇降を繰り返すこととなるので
あるが、このとき、マスタシリンダ側通路36は
電磁切換弁35によつて遮断されているため、上
記のような液圧変動の影響はマスタシリンダ10
には及ばず、ブレーキペダル12に運転者に不快
感を抱かせるキツクバツクが生じることはない。
また、アンチスキツド装置の作動中において、
リヤホイールシリンダ18および20の液圧をア
キユームレータ液圧によつて高める必要が生じた
ときには、レギユレータ弁70がアキユームレー
タ液圧をマスタシリンダ液圧よりやや低い液圧ま
で下げるのであるが、その時のマスタシリンダ液
圧はタイヤがロツクする液圧よりやや高い程度
(アンチスキツド装置が作動を開始すると運転者
はそれ以上むやみにブレーキペダル12を踏み込
まないのが普通)であつて、アキユームレータ液
圧(通常150〜200Kg/cm2の超高圧)より十分に低
く、そのようにレギユレータ弁70によつて低下
させられた液圧によつてリヤホイールシリンダ1
8および20の液圧が高められるため、いわゆる
オーバシユートの発生が回避されて精度の高いア
ンチスキツド制御が可能となる。
なお、ボール88を弁座92に着座させたり、
離れさせたりするためのピストン80の移動は、
第一液圧室82およびマスタシリンダ側通路36
を介して若干マスタシリンダ10に伝達され、ブ
レーキペダル12にその影響が現われることとな
るが、これは前記キツクバツクと比べれば問題と
ならない程度に軽微なものであり、不快感を与え
ない程度の振動でアンチスキツド装置が作動して
いることを運転者に知らせることができ、かえつ
て好都合である。
以上のようにアンチスキツド装置が作動してい
る間、ブレーキペダル12は踏込み状態に維持さ
れ、マスタシリンダ10の液圧はリヤホイールシ
リンダ18および20の液圧より高く保たれてい
るのであるが、自動車が運転者の希望する速度ま
で減速された場合にはブレーキペダル12の踏込
みが解除される。その結果、マスタシリンダ10
の液圧が低下してリヤホイールシリンダ18およ
び20の液圧より低くなり、リヤホイールシリン
ダ18および20からブレーキ液がホイールシリ
ンダ側通路40、バイパス通路64およびマスタ
シリンダ側通路36を経てマスタシリンダ10へ
排出される。また、マスタシリンダ側通路36の
液圧が低くなると、ピストン80が第2図におい
て右方向に移動し、ボール88が弁座92に着座
してポンプ通路58を遮断するため、それ以後は
アキユームレータ液圧Paがリヤホイールシリン
ダ18および20の側に伝達されなくなる。ま
た、切換弁側通路74および中間通路38等に閉
じ込められたブレーキ液は、マスタシリンダ液圧
の低下に伴い第二液圧室84からカツプシール9
6を経て第一液圧室82の側へ漏れ、この部分の
液圧も低下する。そして、ブレーキペダル12が
原位置付近に復帰してストツプランプスイツチを
OFF作動させると、その電気信号がコントロー
ラ60に入力され、コントローラ60はこの電気
信号に基づいて電磁切換弁35を第一状態に切り
換え、また電磁制御弁30を昇圧許容状態に切り
換える。これによつてリヤホイールシリンダ18
および20は、ホイールシリンダ側通路40、中
間通路38およびマスタシリンダ側通路36によ
りマスタシリンダ10に連通させられることとな
り、リヤホイールシリンダ18および20の液圧
は十分に低下し、それらに液圧が残つてブレーキ
の引き摺りを増大させることが回避される。
なお、アキユムレータ50の液圧が何等かの理
由で一定値以上に上昇しない場合には、圧力スイ
ツチ54からの信号に基づいてコントローラ60
による電磁切換弁35および電磁制御弁30の切
換えが禁止され、警告灯が点灯されるようになつ
ている。
以上、リヤ系統についてのみ詳細に作動を説明
したが、フロント系統も同様に作動し(ただし、
左右前輪22および24のフロントホイールシリ
ンダ26および28の液圧は独立に制御される)、
自動車はいずれの車輪もスキツド状態となること
なく、走行安定性を保ちつつ可及的に短い距離で
減速もしくは停止させられることとなる。
以上、本考案の一実施例を詳細に説明したが、
これは文字通り例示であつて、本考案はこれ以外
の態様でも実施し得る。例えば、前記実施例にお
いては、レギユレータ弁70がアキユームレータ
液圧をマスタシリンダ液圧よりやや低い圧力値に
下げて切換弁35の側に供給するようにされてい
るが、第2図におけるピストン80の受圧面積
S1,S2およびボール88の受圧面積S3と、スプリ
ング90および94の各ばね力F1,F2との関係
を変更することにより、レギユレータ液圧Prを
マスタシリンダ液圧をPmとほぼ等しい範囲にお
いて適宜に変更することができる。また、スプリ
ング94を省略することもできる。要するに、レ
ギユレータ液圧をマスタシリンダ液圧とほぼ等し
い程度まで下げることができるレギユレータ弁で
あれば、その構造は適宜に変更することができる
のである。
さらに、電磁制御弁30,32,34の各々を
2個の2位置切換弁を組み合わせて構成すること
も可能である。また、本考案を適用すべき液圧ブ
レーキ装置も前記実施例におけるような前後二系
統に限られるものではない。
その他、いちいち例示することはしないが、当
業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した
態様で本考案を実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例であるアンチスキツ
ド装置を備えた自動車の液圧ブレーキ装置を示す
回路図である。第2図は上記アンチスキツド装置
のレギユレータ弁を略図的に示す正面断面図であ
り、それの接続関係を示す回路図でもある。 10……マスタシリンダ、18,20……リヤ
ホイールシリンダ、26,28……フロントホイ
ールシリンダ、30,32,34……電磁制御
弁、35……電磁切換弁、36……マスタシリン
ダ側通路、38……中間通路、40……ホイール
シリンダ側通路、44……リザーバ、48……ポ
ンプ、50……アキユムレータ、54……圧力ス
イツチ、56……ドレン通路、58……ポンプ通
路、60……コントローラ、62……センサ、7
0……レギユレータ弁 80……ピストン、82
……第一液圧室、84……第二液圧室、86……
第三液圧室、88……ボール、90,94……ス
プリング。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 ブレーキ操作部材の操作に応じてブレーキ液圧
    を発生させるマスタシリンダと、自動車の車輪の
    回転を抑制するブレーキに設けられたホイールシ
    リンダとを接続する液通路の途中に設けられ、ホ
    イールシリンダをマスタシリンダに連通させる昇
    圧許容状態と、マスタシリンダとの連通を断つた
    うえリザーバに連通させる降圧許容状態との少な
    くとも2状態に切換えが可能な電磁制御弁と、 前記車輪のスリツプ状態を監視しつつ前記ホイ
    ールシリンダの液圧が適正な高さとなるように前
    記電磁制御弁を制御するコントローラと、 前記リザーバからブレーキ液を汲み上げて前記
    電磁制御弁と前記マスタシリンダとを接続する液
    通路に供給するポンプと を含むアンチスキツド装置において、 前記ポンプから供給されるブレーキ液を導くポ
    ンプ通路と、前記マスタシリンダと電磁制御弁と
    を接続する液通路との接続部に、ポンプとマスタ
    シリンダとを択一的に電磁制御弁に連通させる切
    換弁を設けるとともに、前記ポンプ通路に、前記
    マスタシリンダの液圧をパイロツト圧として、前
    記ポンプから供給されるブレーキ液の液圧をマス
    タシリンダの液圧にほぼ等しい高さまで低下させ
    て前記切換弁に供給するパイロツト式レギユレー
    タ弁を設け、かつ、そのパイロツト式レギユレー
    タ弁と前記ポンプとの間にアキユムレータを設け
    たことを特徴とするアンチスキツド装置。
JP6927384U 1984-05-11 1984-05-11 アンチスキツド装置 Granted JPS60180674U (ja)

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JPS592962A (ja) * 1982-06-25 1984-01-09 Nippon Air Brake Co Ltd アンチスキツド液圧制御装置

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