JPH0421412B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、構造物用のビームやコラムなどの基
材、タンク、電気ケーブルやケーブル・トレイ、
分岐接続箱、その他のコンテナー、極度に高い熱
や炎にさらされるその他種々の基材を保護するた
めの断熱構造物と基材を保護する方法に関するも
のである。

〔従来の技術〕

数多くの断熱コーテイング物質およびこれら物
質を用いる構造物は公知である。これら物質のな
かには不活性発泡断熱物質が含まれているが、こ
れらの断熱物質は、その低い熱伝導率と、用いら
れるさいの厚みとによつて保護作用を発揮するに
すぎない。これらの断熱物質には発泡セメントも
しくは泡沸シリケートが含まれている。他の物質
は、活性断熱物質である。泡沸物質のあるもの
は、熱せられると、厚い閉鎖小胞の保護層を基材
上に形成する。これらの泡沸物質はシリケート溶
液、もしくは燐酸アンモニア・ペイント、もしく
は米国特許2680077号および3284216号に説明され
ているような物質を含んでいる。その他の活性断
熱物質は、所定温度で昇華する成分を含んでい
る。これらについては米国特許3022190号に説明
されている。米国特許3849178号に説明されてい
る活性断熱物質は、特に効果的である。極度に高
い熱にさらされると、これらの材料は吸熱性相変
化を生じるとともに、膨張し、連続的多孔マトリ
クスを形成する。

これらの断熱コーテイング物質を用いるために
は、これまで多くの方法および構造物が提案され
ている。最もよく用いられる方法は、付加構造物
なしに、コーテイング物質を直接に基材に施す方
法である。しかし、また多くの場合、フアイバ
ー・ガラス・シートもしくはワイヤ・メツシユの
ような補強部材がコーテイング物質内に埋め込ま
れ、コーテイング物質を補強し、この物質が、極
度に高い熱や炎の条件下で基材から割れ落ちた
り、脱落したりするのを防止する。この方法の実
例は、米国特許3022190号、3913290号、3915777
号、4069075号に見ることができる。また、とき
には、これらの物質が、まずフレキシブル・テー
プやフレキシブル・ワイヤ・メツシユなどの補強
構造物に対して施され、その組み合せ部材が、基
材に対して付加されることもある。この方法の例
は、米国特許3022190号、4018962号、4064359号、
4276332号、4292358号に見られる。これらの場
合、補強構造物の目的は、結果として生じる合わ
せ部材を補強することと、基材へ非加硫コーテイ
ング物質を直接にスプレーしたり、こてで塗り付
けたり、塗布したりすることなしに、基材に対し
て用いうるようにすることである。上述の方法お
よび組成物の場合、多層材は、付加的な保護を得
るために基材に対して用いられることが多い。

〔発明が解決しようとする課題〕

現在公知の材料、構造物、方法には、いくつか
の欠点がある。たとえば、高熱状態が長く続いた
り、極度に高い熱であつたりすると、所望の保護
効果を得ることができない。活性複合剤の場合で
も、基材に対しかなりの重みを付加することにな
る。より効果的な保護を行なうためには、施工が
難しく、しかも高価であることが多い。それらの
構造物は、また、使用されたあとで、たとえば激
しい振動にさらされたりした場合には、効果を減
じたり、欠陥を生じたりすることがある。

本発明の課題は、構造ビームやコラムなどの基
材、タンク、電気ケーブルやケーブル・トレイ、
分岐接続箱、その他のコンテナー、さらに極度に
高い熱や炎にさらされる種々の他の基材を保護す
る改良された断熱構造物と基材を保護する方法を
得ることにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明により、基材に対して用いる断熱構造物
において、メツシユ状支持部材を有していて、こ
の支持部材が、これと一体に形成された複数スペ
ーサと、支持部材に対して施された活性断熱物質
とを有しており、この断熱物質が、その拡がりの
大部分にわたり、スペーサにより基材から隔てら
れて保持されており、この断熱物質が極度に高い
熱にさらされた時、基材を保護するようになつて
いる断熱構造物が得られる。

本発明により、更に、断熱構造物を基材に取付
けることにより極度に高い熱から基材を保護する
方法において、活性断熱物質をメツシユの片側に
施し、メツシユの他方の側は少なくとも部分的に
露出させておいた側に一体のスペーサを形成する
段階と、基材の上にメツシユをかぶせ、少なくと
も、メツシユの一部に形成されたスペーサを介し
て、メツシユが基材と接触するようにし、前記ス
ペーサが断熱構造物の大部分を基材から隔てるよ
うにする段階とを含むことを特徴とする方法が得
られる。

〔発明の作用及び効果〕

本発明による断熱構造物は、公知のそれより効
果的であり、軽量であり、種々の基材に容易に利
用できる。本発明による断熱構造物および基材を
保護する方法により、振動、機械的衝撃、差熱膨
張、熱応力に対する高い抵抗性が得られる。

〔実施例〕

“メツシユ”という用語は、ここでは、あらゆ
る多孔材料を包含する広い意味で用いることにす
る。有利な実施例によれば、このメツシユは、柔
軟で、自己剛性的で、自己支持的な金属メツシユ
であり、このメツシユにはＶ字形の補強うね状部
が形成されており、このうね状部も一体のスペー
サの機能を有している。Ｖ字形うね状部は、約
0.254〜2.54cmの範囲の高さにし、ベース部分は
約0.254〜2.54cmにし、さらに約5.08〜45.72cmの
間隔にするのが有利である。さし当り有利な実施
例では、その高さを約0.889±0.381cmにすること
により、メツシユと基材との間の停滞空気スペー
スにより、十分な断熱効果が生ぜしめられ、他
方、対流により熱伝達が低減せしめられる。この
有利な実施例の場合も、メツシユは、直線cm当り
1.57〜4.72のオーダーの目をもつスチール織物ス
クリーンである。

多くの断熱活性物質は、本発明に用いるのに適
している。最も効果的な物質は、極度に高い熱に
さらされると、部分的に、固体からガスへ吸熱性
相変化を生じ、連続的な多孔（オープン・セル）
マトリクスを形成するほどに膨張するような材料
である。この種の好適な物質は、米国特許
3849178号に記載されている。しかしながら、本
発明の利点の多くは、他の活性断熱物質の使用に
より実現されよう。たとえば、既述の昇華物質も
しくは泡沸物質の類の物質である。断熱物質の厚
みは、用いる物質、予想される高い熱での強さや
性質、所望の保護長さ等々によつて決まる。

本発明の方法によれば、活性断熱物質は、メツ
シユにも施されるが、メツシユの組付けの前また
は後に、基材に施すことができる。大ていの場合
に、メツシユは、基材の周囲に単体で、もしくは
複数体で用いられる。単体、複数体、メツシユ
は、いずれも、ねじやステープルなどの固定具、
タイ・ワイヤ、接着剤などで相互固定される。活
性断熱物質が基材に対して施される前に、メツシ
ユが取付けられる場合、固定具には、断熱物質が
施されるときに、断熱物質がカバーされる。この
物質が、はじめに施され、それが基材の周囲に取
付けられる場合、メツシユの縁部には断熱物質を
施さないままにしておくと、断熱構造物として組
み付けられるとき、メツシユの結合が容易にな
る。メツシユの結合がなされたのち、縁部に、活
性断熱物質を施すのが有利である。エツジを有す
る基材の周囲に用いる場合は、断熱物質に切り込
みがつけられ、この切り込み線に沿つてメツシユ
が折り曲げられる。断熱物質の開いたエツジは、
断熱物質のビードで充填され、基材の周囲全体に
完全に等しい深さの連続保護被覆が得られるよう
にする。

次に添付図面に従つて本発明の実施例を説明す
る。

第１図、第２図、第３図において、参照番号１
は本発明による断熱構造物である。断熱構造物１
は、メツシユを持つスクリーン３を有している。
このスクリーン３には、活性断熱物質５が外表面
に塗布されている。内側に延びるうね状部７は、
スクリーン３に形成されている。断熱構造物１
は、複数の電気ケーブル１１の入つたトレー９を
取り囲んでおり、トレー９と電気ケーブル１１と
を火や極度に高い熱から守つている。

スクリーン３は、図では、亜鉛めつきのスチー
ル織物スクリーンであり、このスクリーンは、目
が１cm平方当り9.91のメツシユ・サイズであり、
0.048cm直径のより線で形成されている。スクリ
ーン３は１平方メートル当り約0.664Kgの重量を
もつている。取扱いを容易にするため、スクリー
ン３はロールの形態で運搬し、3.05メートルを超
える長さのものは用いない。

うね状部７は、スクリーン３のエツジからエツ
ジまで、スクリーン３を横断して延びている。う
ね状部７は、スクリーン３の強化と、トレー９か
らスクリーン３を離して保持する役割を有してい
る。図示の実施例では、うね状部７はＶ字形を有
し、Ｖ字の頂上Ａは、保護される基材のほうへ延
びている。Ｖ字の高さＨは約0.762cmで、Ｖ字の
ベースの幅Ｗ（スクリーン３の平面内で測つた幅）
は約1.27cmである。うね状部７は約15.24cmの相
互間隔で形成されている。

スクリーン３のロールからは、“二枚貝の殻
（クラム・シエル）”状の底部１３を形成するだけ
の長さの部分がカツトされる。底部１３の幅は、
トレー９の幅とトレー９の高さの２倍と8.89cmと
を合計した値である。必要な場合には、それぞれ
3.05ｍ長さの底部１３を、その幅にカツトしても
よい。

各底部１３の各コーナーからは、3.17cm平方の
部分がカツトされる。底部１３はＵ字形に曲げら
れる、すなわち底部１３の長手エツジに平行に２
つの90°の角度が形成され、底部１３の折り曲げ
部分の相互間隔は、トレー９の幅と等しい間隔に
1.27cmを加えたものとされる。外側へ延びる3.17
cmのサイド・フランジ１５と外側へ延びる3.17cm
のエンド・フランジ１７とが、底部１３の周辺に
形成される。それには、底部１３のコーナーのと
ころを予めカツトした3.17cm平方の部分のコーナ
ーを結ぶ線に沿つて、スクリーンを90度折り曲げ
るのである。そのさい注意すべきは、さきにＵ字
を形成するために作られた折り曲げ部の端部は、
エンド・フランジ１７を形成しうるスリツトを形
成しなければならない点である。

スクリーン３のトツプ・セクシヨン１９は、所
望の長さにカツトされ、トレー９の幅に等しい幅
プラス6.35cmの幅にカツトされている。トツプ・
セクシヨン１９の各端部のところには、3.17cmの
エンド・フランジ２１が、スクリーンを90°折り
曲げることにより形成される。

必要な場合には、底部とトツプ・セクシヨンと
を一緒に固定し、また、スクリーンの部分を互い
に取り付けるための穴を形成する。

底部１３とトツプ１９とは、トレー９の周囲に
組付けられ、相互に約15.24〜45.72cmの間隔で、
機械式の固定具、ステープル、18ゲージ亜鉛めつ
きタイ・ワイヤのいずれかを用いて結合される。

図示の断熱物質５は、ミズリー州セント・ルイ
スのTSI社より、サーモ＝ラグ330−１サブライ
ミング・コーテイングという商標名で市販されて
いる。このコーテイングは、水をベースとした熱
活性化物質であり、この断熱物質は、一定温度で
部分的に揮発し、連続した多孔マトリクスを生ぜ
しめる。この多孔マトリクスは熱を吸収して、ブ
ロツクし、米国特許3849178号に従つて基材を保
護する。

活性断熱物質５は、スクリーン３がトレー９に
付加される前もしくは後にスクリーン３に塗布さ
れる。スプレーする場合は、必要な回数だけスプ
レーし、工業規格に従つて、所望の厚みにし、コ
ーテイングが垂れ下つたり、凹んだりすることが
ないようにする。たとえば、サーモ＝ラグ330−
１の乾燥時の厚みが1.27cm必要な場合には、通常
は、0.75cm湿潤時厚のコーテイングを３回行な
う。フアイバー・ガラスの外装を用いる場合は、
フアイバー・ガラスのクロース（cloth）２３は、
最後のコーテイング後、湿潤な表面に付加され、
断熱物質５内へローラで埋め込まれ、次いで、フ
アイバー・ガラスをカバーするために、断熱物質
５を薄く施す。断熱物質５は、こてを用いて人手
で、一様の厚みに、適当な圧力を加えて塗ること
もできる。

断熱物質５はスクリーン３の目の中に入り込
み、スクリーン３に固着するが、スクリーン３は
部分的に露出したまま残される。それゆえ、スク
リーン３は、断熱物質５のベースにはなるが、断
熱物質５で包み込まれることはない。スクリーン
３のＶ字形うね状部７の頂上は断熱構造物１を保
護すべき基材から隔てる作用をもつ。このこと
は、断熱物質５がトレー９にスクリーン３が付加
される前、もしくは後、いずれのときに塗布され
たかには無関係である。

断熱構造物１は簡単に付加され、枠組や別個の
スペーサのような付属品は不要である。スクリー
ン３により、断熱構造物１は、日々の状況下や、
火もしくは極度に高い熱の状況下でも、十分な安
定性を有している。スクリーン３とトレー９との
間のエア・ギヤツプ２５は、火に対する断熱構造
物１の抵抗力を著しく増大させると思われる。

既述のようにトレー９に付加される断熱構造物
１はASTM−Ｅ−119−76（ANSIA2.1）に従つ
て、１回１時間の火災テストによりテストされ
た。火災テストの直後、断熱構造物には、さら
に、3.81cmの消防ホースの水流が放水された。１
分当り360リツター、平方cm当り6.32Kgのノズル
圧、放水角度15度、放水間隔3.05ｍにて２分半の
間放水された。火災テスト、放水テスト、いずれ
の間も、トレー内の選択された電気ケーブルの連
続性が、連続テストされた。両テスト後、電気的
連続性が損われないことや、トレー内の電気ケー
ブル表面温度が157.2℃を超えず、その種の電気
ケーブルの最大許容温度204℃より、はるかに低
いことが確定した。

第４図、第５図には本発明の別の実施例が示さ
れている。既述の実施例とは、いくつかの点で異
なつている。これらの異なる実施例のそれぞれ
は、互いに無関係であり、本発明の断熱構造物を
説明する一つの変化形を示すにすぎない。対応す
る部分を示す参照符号は、対応する番号を用いて
ある。

第４図、第５図の実施例では、活性断熱物質１
０５は、スクリーン１０３の平らなシートに施さ
れる。施し方は既述の通りである。断熱物質１０
５は、米国特許3849178号の実例11に従つて作成
される。、断熱物質１０５を施したのち、スクリ
ーンは所定サイズにカツトされ、長手方向のうね
状部１０７を形成される。スクリーン１０３の屈
折部は、曲げ線に沿つて乾燥した断熱物質１０５
に切り込みをつけることにより形成される。スク
リーン１０３を折り曲げ、断熱物質１０５のビー
ド１２７でエツジが充填される。完全な断熱構造
物１０１は、スクリーン１０３のシート２枚を接
着して作る。すなわち、参照番号１２９で示した
結合部の一方の線に沿つて、各シートのコートさ
れていない２つの縁部を接着する。さらに、参照
番号１３１で示した各シート対向縁のコートされ
ない縁部を折り曲げ、参照番号１３３で示した通
り、両縁部をボルト締めする。これらのボルト
は、有利には、断熱構造物１０１の半部が、保護
すべき基材の周囲に結合されたのち、断熱物質１
０５でカバーする。注意すべきは、うね状部１０
７は、図示の実施例のように、縦方向に形成され
るより、断熱構造物１０１の横方向に形成される
ほうが有利であるという点である。スリツト形
成、屈折、充填の各ステツプは、いずれの場合も
同じである。

第６図に示した通り、第１図の“二枚貝の殻”
構造は、スクリーン２０３を、トツプ・セクシヨ
ンと底部としてではなく、２つの等しい半部とし
て構成することにより、変化させることができ
る。第１図及び第２図に付した符号と同等の部分
には200番を加えた符号で示している。

第６図の実施例に示されている通り、断熱構造
物の連続長さは、スクリーン２０３をオーバーラ
ツプさせ、コネクター、ステープル、タイのいず
れかで連結することで形成される。この実施例の
場合は、活性断熱物質２０５は、“チヤーテツク
59”（Chartek59）の商品名でアブコ社（Avco
Corporation）が販売している泡沸コーテイング
である。この断熱物質２０５が特に有利とは言え
ないが、本発明によれば、この断熱物質は、断熱
物質を直接に保護すべき基材に施すより有利であ
る。注意すべき点は、米国特許4069075号に記載
の構成と異なり、本発明によれば、断熱物質は、
基材に施されるのではなく、基材からスクリーン
２０３により隔てられるのである。

第７図に示されたように、この断熱構造物は、
またＩ字形ビームもしくはコラムのような構造の
基材の保護にも用いることができる。この実施例
では、スクリーンが、展伸金網３０３となつてい
る。第７図から分かるように、フランジを外側に
折り曲げた場合、うね状部３０７がフランジ個所
を横切るさい、うね状部３０７が平らにされる傾
向があり、展伸金網３０３のフランジが一緒に保
持されるさい、うね状部３０７がほぼ平らに圧迫
される。この現象は、うね状部３０７が、スクリ
ーンの折り曲げ個所を横切つて延びるすべての実
施例に認められる。

第８図の実施例の場合は、トレーに、第１図〜
第３図の断熱構造物を多層として用いて長時間に
わたる保護を可能にしたものである。内側の断熱
構造物４０１は、トレー４０９から、うね状部４
０７により隔てられており、次の外側の断熱構造
物４０１′は、内側の断熱構造物４０１より、う
ね状部４０７′によつて隔てられている。外側の
断熱構造物４０１″も同様に、断熱構造物４０
１′からうね状部４０７″によつて隔てられてい
る。外側の断熱構造物４０１″は、断熱物質４０
５″の薄いコーテイングを有しているだけであり、
内側の断熱構造物４０１および外側の断熱構造物
４０１′の断熱物質４０５，４０５′を完全な状態
に保つのに役立つ。

第９図には、断熱構造物として防火壁が示され
ている。この防火壁は、展伸金網シート５０９を
２対のスクリーン５０３および５０３′の間にサ
ンドイツチにすることにより形成される。スクリ
ーン対５０３，５０３′は、本発明の第１実施例
同様、活性断熱物質５０５を用いてコートされて
いる。これらは、ボルト５１９、ワツシヤー５２
１、ナツト５２３により、一緒に保持されてい
る。ボルト５１９は、有利にはうね状部５０７を
貫通して延び、スクリーン５０３と５０３′との
間にエア・ギヤツプを維持するようにする。この
防火壁では、既述の断熱構造物とは異なり、スク
リーン５０３，５０３′の部分は、保護すべき基
材に対し摩擦で保持されているのではなく、基材
に対し直接に取付けられている。

この第９図の実施例による防火壁は、種々の変
化型が可能である。たとえば第１０図に示されて
いるように、活性断熱物質６０５を直接に展伸金
網シート６０９の両面にスプレーすることもでき
る。断熱物質６０５は、有利には、第１図〜第３
図の実施例で用いられているのと同じものを用い
る。断熱物質６０５に未だ粘着性がある間に、ス
クリーン６０３が断熱物質６０５内に圧入され、
うね状部６０７が外側に来るようにする。スクリ
ーン６０３は第１図〜第３図の実施例の場合と同
じものを用いるのが有利である。第１０図の形式
では、断熱物質６０５と展伸金網６０９との間の
エア・ギヤツプが無い。しかし、メツシユ内のス
ペースが若干のエア・スペースを形成している。
とはいえ、第９図の実施例より、有効性は低い。
また、第１０図の場合においては、スクリーン６
０３が火災の時に黒焦げ部分が分離するのを防止
し、うね状部６０７は、主として補強の役割を果
たすのみである。これらの限界にも拘らず、第１
０図の実施例は、炎や極度に高い熱に対し著しい
抵抗力を有しており、きわめて簡単、軽量、剛性
の防火壁を提供するものである。この防火壁の
個々のパネルは、保護すべき柱または他の構造部
材ＰにボルトＢにより結合され、連続的な防火壁
を得ることができる。

第１１図では、本発明による断熱構造物の外層
が、トレーまたは他の構造物の周囲に、外層のス
クリーン部分を内側にして取り付けられている。

この実施例では、第１および第２の断熱構造物
がトレー７０９の周囲に取付けられている。第１
の断熱構造物は第１図〜第３図の実施例の符号に
同等の部分は700番を加えた部号で示してあり、
活性断熱物質７０５とスクリーン７０３を有して
いる。スクリーン７０３は、うね状部７０７を有
し、このうね状部７０７により、ケーブル７１１
を保持しているトレー７０９から、断熱構造物が
隔てられている。第２の断熱構造物は、第１の断
熱構造物をカバーするかたちに取付けられ、断熱
物質７０５′を有している。この断熱物質７０
５′は断熱物質７０５と接触している。第２の断
熱構造物は外側のところにスクリーン７０３′を
有している。スクリーン７０３′はうね状部７０
７′を有しているこの構成では、トレーと断熱構
造物との間には、単一のエア・スペースしか得ら
れないが、この断熱構造物の利点は、火災や極度
に高い熱にさらされた場合、外側のスクリーン７
０３′が黒焦げ部分を保持する働きをもち、第８
図の実施例の場合のような３つの断熱構造物を必
要としない点である。

特にケーブルのトレーに用いられる場合、第１
１図の実施例の場合、既述の多くの断熱構造物に
まさる利点を有している。すなわち、断熱物質の
保護コーテイングを、他の場合ほど厚くする必要
がない点である。それゆえ、この断熱構造物によ
り、毎日の稼動の間、十分な伝熱率が可能にな
り、たとえば、無機物質のブランケツトにより保
護がなされる場合のように、電気ケーブルのかな
りの定格低下が生ぜしめられることがない。この
点は、この実施例の大きな利点ではあるが、この
実施例の場合に、セラミツク製ブランケツトを用
いることもできよう。第１２図に見られるよう
に、たとえば単一ケーブル８１１が、ケーブルの
トレーの外側の空間内を延びるようにすることも
できる。この種のケーブルは、セラミツク・ブラ
ンケツト８３１にくるみ、しかるのち、断熱構造
物を取付けることにより容易に保護できる。この
断熱構造物は、スクリーン８０３の一部をなすう
ね状部８０７によりセラミツク・ブランケツト８
３１から隔てられ、かつまた活性断熱物質８０５
でコートされている。この断熱構造物は、第１図
〜第３図に示した実施例で用いられているのと同
じスクリーンおよび断熱物質により形成されてい
る。

本発明の断熱構造物および方法には、特許請求
の範囲の枠内で多くの変化型が可能である。たと
えば、スクリーン３をフレキシブルなものにする
ことで、多くの所望の形状に折り曲げることがで
きる。その場合には、本発明の断熱構造物を円筒
形その他の形状の基材の保護に利用できる。ま
た、うね状部とは異なる一体のスペーサもメツシ
ユ状支持構造物に形成可能である。とはいえ、う
ね状部は多くの理由から有利ではある。たとえ
ば、断熱構造物を補強し、メツシユ状支持構造物
に対し断熱物質をからみ合わせる助けとなる。こ
れらの変化型は、説明するにとどめておく。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に用いられるメツシユ状支持部
材の斜視図、第２図は本発明による断熱構造物に
より保護されたケーブルのトレーの部分破断斜視
図、第３図は、第２図に示した断熱構造物とケー
ブルのトレーの部分拡大断面図、第４図は、本発
明による断熱構造物の別の実施例の斜視図、第５
図は、第４図の断熱構造物の端部正面図、第６図
は、本発明の断熱構造物の別の実施例の部分破断
斜視図、第７図は、本発明の断熱構造物の別の実
施例をＩ字形ビームないしコラムに用いた部分破
断斜視図、第８図は、本発明による断熱構造物の
別の実施例の部分断面図、第９図は、本発明によ
る断熱構造物により形成された防火壁の部分断面
図、第１０図は、本発明による断熱構造物により
形成された防火壁の別の実施例の部分断面図、第
１１図は本発明による断熱構造物の別の実施例の
部分断面図、第１２図は、本発明の別の実施例を
ケーブルの支持に用いた断面図である。 図において、１……断熱構造物、３……スクリ
ーン、５……活性断熱物質、７……うね状部、９
……トレー、１０１……断熱構造物、１０７……
うね状部、１０３……スクリーン、２０３……ス
クリーン、２０５……活性断熱物質、２０７……
うね状部、３０３……スクリーン、３０５……活
性断熱物質、３０７……うね状物、４０１……内
側の断熱構造物、４０１′……外側の断熱構造物、
４０１″……外表の断熱構造物、４０５，４０
５′４０５″……活性断熱物質、５０３，５０３′
……スクリーン、５２３……ナツト、５２１……
ワツシヤー、６０３……スクリーン、６０５……
活性断熱物質、６０９……展伸金網、Ｂ……ボル
ト、Ｐ……柱その他の構造部材、７０３……スク
リーン、７０５……活性断熱物質、８１１……ケ
ーブル、８３１……セラミツク・ブランケツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 基材を包み込む断熱構造物において、メツシ
   ユと一体形成された複数スペーサ７を有するメツ
   シユ状支持部材３と、この支持部材に施された活
   性断熱物質５とを有しており、この断熱物質５が
   その拡がりの大部分にわたり基材からスペーサ７
   により隔てられて保持され、極度に高い熱にさら
   された時に、基材を保護するようになつているこ
   とを特徴とする断熱構造物。 ２ メツシユ状支持部材が順応性のある、自己補
   強的な金属メツシユであり、このメツシユに一体
   成形された前記スペーサ７がＶ字形補強うね状部
   ７を有することを特徴とする特許請求の範囲第１
   項記載の断熱構造物。 ３ Ｖ字形補強うね状部７が0.254〜2.54cmの高
   さと、約0.254〜約2.54cmのベースをもつことを
   特徴とする特許請求の範囲第２項記載の断熱構造
   物。 ４ Ｖ字形補強うね状部７が約5.08〜45.72cm隔
   たりを生ぜしめることを特徴とする特許請求の範
   囲第３項記載の断熱構造物。 ５ Ｖ字形補強うね状部７が0.889±0.381cmの高
   さをもつことを特徴とする特許請求の範囲第４項
   記載の断熱構造物。 ６ メツシユが、直線cm当り1.57〜4.72のオーダ
   ーの孔をもつスチール織り物スクリーンであるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項から第５項
   のいずれか１項に記載の断熱構造物。 ７ 活性断熱物質５が、極度に高い熱にされされ
   た場合、固体から蒸気へと吸熱相変化を受ける成
   分を含んでいることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項から第６項までのいずれか１項に記載の断
   熱構造物。 ８ メツシユが基材の周囲に取付けられることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項から第７項まで
   のいずれか１項に記載の断熱構造物。 ９ 断熱構造物を基材に取付けることにより極度
   に高い熱から基材を保護する方法において、活性
   断熱物質をメツシユの片側に施し、メツシユの他
   方の側は少なくとも部分的に露出させておき、少
   なくとも部分的に露出させておいた側に一体のス
   ペーサを形成する段階と、基材の上にメツシユを
   かぶせ、少なくとも、メツシユの一部に形成され
   たスペーサを介して、メツシユが基材と接触する
   ようにし、前記スペーサが断熱構造物の大部分を
   基材から隔てるようにする段階とを含むことを特
   徴とする方法。 １０ 前記メツシユを通して直接結合された固定
   具により、前記メツシユの縁部を相互固定する段
   階を特徴とする特許請求の範囲第９項記載の方
   法。 １１ 活性断熱物質がメツシユに施される前にメ
   ツシユが基材に取付けられ、断熱物質が施される
   さい、固定具に断熱物質が施されることを特徴と
   する特許請求の範囲第１０項記載の方法。 １２ 活性断熱物質が先ずメツシユに施される
   が、メツシユの縁部には活性断熱物質を施さない
   でおき、このようなものを基材の周囲に取り付
   け、取り付けた後に前記縁部に活性断熱物質を施
   すことを特徴とする特許請求の範囲第１０項記載
   の方法。 １３ 基材が、断熱構造物が周囲に取り付けられ
   るエツジを有しており、活性断熱物質に切り込み
   がつけられ、この切り込み線に沿つてメツシユが
   折り曲げられ、しかるのち、活性断熱物質の開い
   たエツジが活性断熱物質のビードで充填され、基
   材の周囲に大体において等しい厚みの連続的な断
   熱被覆が完全に施されることを特徴とする特許請
   求の範囲第１２項記載の方法。