JPH04128627U - 歯ブラシ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用に伴うフィラメントの毛先の曲がり具合
を容易に目視可能とし、その交換時期を使用者が正確に
認識し得ると共に、清掃機能とマッサージ機能を兼ね備
えることを目的とする。 【構成】ブラシ台上に多数のフィラメントからなる毛束
を一定間隔で列設すると共に、その一乃至複数箇所に上
記毛束に代えて、これと同一高さの疎水性の高い高分子
弾性材からなる円柱体を立設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はブラシ部の傷み具合を容易に目視可能とし、その交換時期を正確に把 握し得るようにした歯ブラシに関する。

【０００２】

【従来の技術】

歯ブラシのブラシ部を構成するフィラメントは、吸水による弾性低下を抑制す るために、吸水率が低いナイロンフィラメントが使用される。かかる歯ブラシは 毎日の使用によって毛先が曲がった状態になると清掃機能やマッサージ機能が低 下するため新しいものと交換するのが好ましい。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、ナイロンフィラメントのブラシ部は、その使用に伴って徐々に 毛先が曲がってゆくため、これを毎日使用していると毛先が直立していた使用当 初の状態に比べてどの程度傷んでいるかを認識することは困難である。また、か なり傷んだ歯ブラシでもついついそのまま使用してしまう傾向があり、使用者が 交換時期のきた歯ブラシを適切に取り替えるのが難しい状況にある。そして、毛 先がかなり曲がった歯ブラシは、歯及び歯間の充分な清掃機能がないばかりか、 歯茎を傷つける原因となるため、使用者の歯の健康を逆に害するおそれがある。

【０００４】 ところで、出願人は先にブラシ台上に合成樹脂材からなる多数の円柱状の単材 を列設した歯ブラシを出願している（実開昭６１−２０７２３２号並びに実開昭 ６１−２０７２３３号）。しかしながら、これら歯ブラシは何れも単材の弾性に よって歯茎のマッサージを行うことを目的としており、何れも歯の清掃機能はほ とんど期待できないというのが実情であった。

【０００５】 本考案は使用に伴うフィラメントの毛先の曲がり具合を容易に目視可能とし、 その交換時期を使用者が正確に認識し得ると共に、清掃機能とマッサージ機能を 兼ね備えた歯ブラシの提供を目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために本考案は、ブラシ台上に多数のフィラメントから なる毛束を一定間隔で列設すると共に、一乃至複数箇所に上記毛束に代えて、こ れと同一高さの疎水性の高い高分子弾性材からなる円柱体を立設するという手段 を用いた。

【０００７】

【作用】

上述の技術的手段による本考案において、フィラメントからなる毛束は使用に 伴ってその毛先が徐々に曲がってゆくが、疎水性の高い高分子弾性材からなる円 柱体は歯磨きに濡れても弾性が低下しないため、歯ブラシの使用当初の直立状態 を維持する。そのため、円柱体は毛先が曲がって低くなったナイロンフィラメン トの毛束の先から突出した状態となり、該フィラメントからなる毛束の傷み具合 が一目で確認できる。又、歯磨き時にはナイロンフィラメントの毛束が歯及び歯 間を清掃する一方、高分子弾性材からなる円柱体が歯茎をマッサージするという 作用を奏する。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の構成を図面に示す実施例に従って更に具体的に述べると、図１ 、図２において、１は歯ブラシの把柄、２はブラシ台、３はブラシ台２上に四列 で列設されたブラシ部であって、一定間隔でナイロンフィラメントから毛束４を 植設すると共に、内側二列の先頭及び最終行を毛束４に代えて、疎水性の高分子 弾性材としてシリコンゴムを用いた同一高さの円柱体５を立設してなるものであ る。

【０００９】 上記実施例の歯ブラシでは、その使用に伴ってブラシ部３の内、毛束４を形成 するナイロンフィラメントの毛先が徐々に曲がってくるが、ブラシ部の内側の円 柱体５は水分を吸収せず、弾性が持続するので使用当初の直立状態を維持する。 そして、使用者がブラシ部３を横方向から見れば、図３に示したように、曲がっ た毛束４の後方に内側の直立状態の円柱体５の先端が突出して見えることとなり 、これら両者の比較により毛束４の曲がり具合を目視し、その傷みの程度をチェ ックするものである。

【００１０】 図４は本考案におけるブラシ部の他の実施例を示し、三列構成としたブラシ部 ２３について、内側一列をすべて円柱体５とすると共に、両側をナイロンフィラ メントからなる毛束４としたものである。本実施例は円柱体５との比較で毛束４ の使用に伴う傷み具合を目視することは上記実施例と同様であるが、内側列をす べて円柱体５としたため、歯磨きのマッサージ機能がより増大する。

【００１１】 この他、本考案においてナイロンフィラメントの毛束４に代えての円柱体５の 立設位置は上記各実施例のものに限定されず、歯ブラシの仕様等に合わせて適宜 変更すれば良く、又この円柱体５と毛束４との比較をより明瞭にするために、円 柱体５を構成するシリコンゴムに適当な着色を施すこともある。更に、上記円柱 体５はシリコンゴムの他、疎水性の高い高分子弾性材であれば、特にこれを限定 するものではない。

【００１２】

【考案の効果】

本考案の歯ブラシは、ブラシ台上にフィラメントからなる毛束を一定間隔で列 設すると共に、その一乃至複数箇所に上記毛束に代えて、これと同一高さの疎水 性の高い高分子弾性材からなる円柱体を立設したものである。従って、使用者は 毎日の歯磨きに伴って各毛束を構成するフィラメントの毛先が徐々に曲がってき た場合でも、常に使用当初の直立状態を維持する円柱体が隣接しているため、こ れとの比較において毛束の傷み具合を簡単且つ確実に把握することができ、歯ブ ラシの適切な交換が可能となる。又、毛先がかなり傷んだ歯ブラシでは直立状態 の円柱体との差異が一層顕著となり、使用者に一種の警告をもたらすことから、 傷んだ歯ブラシの継続使用を有効に防止し得る。

【００１３】 更に、本考案の歯ブラシの使用時においては、フィラメントからなる毛束によ って歯および歯間の有効な清掃が実施できると同時に、円柱体によって歯茎のマ ッサージが行われるため、上述した歯ブラシの交換時期の適切性と相俟って、歯 の健康が一層確実に増進されるなど、種々の優れた実用的利点を有するものであ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の歯ブラシの平面図。

【図２】図１におけるＡ−Ａ線拡大端面図。

【図３】毛束が傷んだ状態のブラシ部の拡大側面図。

【図４】本考案の他の実施例を示すブラシ部の平面図。

【符号の説明】

１ 把柄 ２ ブラシ台 ３ ブラシ部 ４ 毛束 ５ 円柱体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ブラシ台上に多数のフィラメントからなる
   毛束を一定間隔で列設すると共に、その一乃至複数箇所
   に上記毛束に代えて、これと同一高さの疎水性の高い高
   分子弾性材からなる円柱体を立設したことを特徴とする
   歯ブラシ。