JPH04100812A - 複合ゴム系グラフト共重合体粒子 - Google Patents
複合ゴム系グラフト共重合体粒子Info
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- JPH04100812A JPH04100812A JP41077390A JP41077390A JPH04100812A JP H04100812 A JPH04100812 A JP H04100812A JP 41077390 A JP41077390 A JP 41077390A JP 41077390 A JP41077390 A JP 41077390A JP H04100812 A JPH04100812 A JP H04100812A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
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Description
[0001]
本発明は耐衝撃性改良剤として極めて有用な複合ゴム系
グラフト共重合体に関し、更に詳しくは各種樹脂に添加
して層状剥離を生ずることなく、耐衝撃性、耐熱性、機
械的強度及び表面外観が優れた成形物を与え、かつ成形
性及び流動性の優れた樹脂組成物とすることができる複
合ゴム系グラフト共重合体に関する。 [0002]
グラフト共重合体に関し、更に詳しくは各種樹脂に添加
して層状剥離を生ずることなく、耐衝撃性、耐熱性、機
械的強度及び表面外観が優れた成形物を与え、かつ成形
性及び流動性の優れた樹脂組成物とすることができる複
合ゴム系グラフト共重合体に関する。 [0002]
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】耐衝撃
性改良剤とは各種の樹脂に耐衝撃性を付与するためのも
のであり、今日まで種々のものが提案されてきている。 例えば、耐衝撃性改良剤としてガラス転移温度(Tg)
の低いポリブタジェン系エラストマーに重合性モノマー
をグラフトしたものが良く知られている。しかし、この
ようなポリブタジェン系エラストマーはエラストマー中
に不飽和結合が残存しているため熱的に不安定であり、
実用性のある熱安定性が優れたものは得られていない。 [0003] また、Tgの比較的高いアクリルゴムに重合性モノマー
をグラフトし、たグラフト共重合体からなる耐衝撃性改
良剤も知られているカベ耐衝撃性の改良効果はそれほど
顕著でない。 [0004] さらに、Tgの低いシリコンゴムに重合性モノマーをグ
ラフトしたポリオルガノシロキサンゴム系グラフト共重
合体が特開昭60−252613号に開示されており、
耐衝撃性改良効果はある程度あるものの、より高い改良
効果が求められており、又、これを添加した樹脂が表面
光沢に劣るという問題があった。 [0005]
性改良剤とは各種の樹脂に耐衝撃性を付与するためのも
のであり、今日まで種々のものが提案されてきている。 例えば、耐衝撃性改良剤としてガラス転移温度(Tg)
の低いポリブタジェン系エラストマーに重合性モノマー
をグラフトしたものが良く知られている。しかし、この
ようなポリブタジェン系エラストマーはエラストマー中
に不飽和結合が残存しているため熱的に不安定であり、
実用性のある熱安定性が優れたものは得られていない。 [0003] また、Tgの比較的高いアクリルゴムに重合性モノマー
をグラフトし、たグラフト共重合体からなる耐衝撃性改
良剤も知られているカベ耐衝撃性の改良効果はそれほど
顕著でない。 [0004] さらに、Tgの低いシリコンゴムに重合性モノマーをグ
ラフトしたポリオルガノシロキサンゴム系グラフト共重
合体が特開昭60−252613号に開示されており、
耐衝撃性改良効果はある程度あるものの、より高い改良
効果が求められており、又、これを添加した樹脂が表面
光沢に劣るという問題があった。 [0005]
本発明者らは、このような状況に鑑み、樹脂に添加して
、その樹脂の表面光沢をさほど低下させることなく、従
来よりすぐれた耐衝撃性を付与可能な耐衝撃性改良剤に
つき鋭意検討した結果、ポリオルガノシロキサンゴム成
分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分
離できないように絡み合ってなる複合ゴムにビニル系単
量体を高効率でグラフト重合させてなる複合ゴム系グラ
フト共重合体が樹脂の表面外観を低下させることなく耐
衝撃性を改良させる耐衝撃性改良剤となることを見出し
、本発明に到達した。 [0006] 即ち、本発明の要旨は、ポリオルガソシロキサンゴム成
分10〜90重量%とアルキル(メタ)アクリレート、
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用架橋剤及びポ
リアルキル(メタ)アクリレートゴム用グラフト交叉剤
を重合してなるポリアルキル(メタ)アクリレートゴム
成分90〜10重量%とが分離できないように相互に絡
み合った構造を有し、かつポリオルガノシロキサンゴム
成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分との
合計量が100重量%である平均粒子径0.08〜0.
6μmの複合ゴムに1種以上のビニル系単量体がグラフ
ト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重合体にある。 [0007] 上述の複合ゴムの代わりにポリオルガノシロキサンゴム
及びポリアルキル(メタ)アクリレートゴムのいずれか
1種類あるいはこの両者の単純混合物をゴム源として用
いてこれに1種以上のビニル系単量体をグラフトt−だ
ものを用いても優れた耐衝撃性改良剤とはならず、ポリ
オルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)ア
クリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み
合い複合−体化した複合ゴムをゴム源として用いて初め
て優れた耐衝撃性改良剤となる。 [0008] また、複合ゴム中のポリオルガノシロキサンゴム成分が
90重量%を越えるとこの複合ゴムを用いたグラフト共
重合体を樹脂に添加して得られる組成物からの成形物の
表面外観が悪化し、逆にポリアルキル(メタ)アクリレ
ートゴム成分が90重量%を越えると得られるグラフト
共重合体の耐衝撃性向上効果が低下する。このため、本
発明で用いる複合ゴムとしては複合ゴムを構成する2種
のゴム成分はいずれも10〜90重量%(両ゴム成分の
合計量100重量%)の範囲にあることが必要であり、
20〜80重量%の範囲にあることが好ましい。 [0009] 上記複合ゴムの平均粒子径は0.08〜0.6μmの範
囲にあることが必要である。平均粒子径が0.08μm
未満になると得られるグラフト共重合体の耐衝撃性向上
効果が低下し、0.6μmより大きくなるとグラフト共
重合体の耐衝撃性向上効果が低下すると共にグラフト共
重合体を樹脂に添加して得られる組成物からの成形物の
表面外観が悪化する。平均粒子径が上記の範囲内にある
複合ゴムヲ製造するには乳化重合法が最適であり、まず
、ポリオルガノシロキサンゴムのラテックスを調製し、
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム合成用単量体を
このラテックスに加えてラテックス中のポリオルガノシ
ロキサンゴム粒子に含浸させてからこれらの単量体を重
合するのが好ましい。 [0010] 上記複合ゴムを構成するポリオルガノシロキサンゴム成
分は以下に示すオルガノシロキサン及びポリオルガノシ
ロキサンゴム用架橋剤(以下架橋剤(I)といつ)ヲ用
いて乳化重合により調製でき、その際、ポリオルガノシ
ロキサンゴム用グラフト交叉剤(以下グラフト交叉剤(
I)という)を併用することもできる。 [0011] オルガノシロキサンとしては3員環以上の環状オルガノ
シロキサンを例示でき3〜6員環のものが好ましく用い
られる。好ましい環状オルガノシロキサンの具体例とし
てヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシ
クロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキ
サン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチ
ルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテ
トラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニル
シクロテトラシロキサン等を例示でき、これらは単独で
あるいは2種以上混合して用いられる。環状オルガノシ
ロキサンの使用量はポリオルガノシロキサンゴム成分中
50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上
であることがより好ましい。 [0012] 架橋剤(I)としては3官能性又は4官能性のシラン系
架橋剤即ち、3つ又は4つのアルコキシ基を有するシラ
ン化合物が用いられ、この具体例としてトリメトキシメ
チルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポ
キシシラン、テトラブトキシシラン等を例示できる。架
橋剤(I)としては4官能性のものが好ましく、4官能
性の架橋剤の中ではテトラエトキシシランが特に好まし
い。架橋剤(I)の使用量はポリオルガノシロキサンゴ
ム成分中0.1〜30]ii−%でアル。 [0013] グラフト交叉剤(I)としては、次式 %式%) 素原子又はメチル基、nはOll又は2、pは1〜6の
整数を示す。)で表される単位を形成しうる化合物等が
用いられる。 [0014] 式(I−1)の単位を形成しうる(メタ)アクリロイル
オキシシロキサンはグラフト効率が高いため有効なグラ
フト鎖を形成することが可能であり、耐衝撃性発現の点
で有利である。なお式(I−1)の単位を形成しうるも
のとしてメタクリロイルオキシシロキサンが特に好まし
い。メタクリロイルオキシシロキサンの具体例としては
、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメ
チルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメト
キシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルエトキシジエチルシランγ−メタクリロイルオキシプ
ロピルジェトキシメチルシラン、δ−メタクリロイルオ
キシブチルジェトキシメチルシラン等が挙げられる。グ
ラフト交叉剤(■)の使用量はポリオルガノシロキサン
ゴム成分中0〜10重量%である。 [0015] このポリオルガノシロキサンゴムの製造法は、例えば米
国特許第2891920号明細書、同第3294725
号明細書等に記載された方法を用いることができる。本
発明の実施では、例えば、オルガノシロキサンと架橋剤
(I)及び所望によりグラフト交叉剤(I)の混合液と
を、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸
等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、例えばホモジナイ
ザー等を用いて水と剪断混合する方法により製造するこ
とが好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸はオルガノ
シロキサンの乳化剤として作用すると同時に重合開始剤
ともなるので好適である。この際、アルキルベンゼンス
ルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸金属塩等を併用す
るとグラフト重合を行う際にポリマーを安定に維持する
のに効果があるので好ましい。 [0016] 次に上記ポリオルガノシロキサン系ゴムを構成するポリ
アルキル(メタ)アクリレートゴム成分は以下に示すア
ルキル(メタ)アクリレート、ポリアルキル(メタ)ア
クリレートゴム用架橋剤(以下架橋剤(II)という)
及びポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用グラフト
交叉剤(以下グラフト交叉剤(II)という)を用いて
合成することができる。 [0017] アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル
アクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアク
リレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルへキシ
ルアクリレート等のアルキルアクリレート及びヘキシル
メタクリレート、2−エチルへキシルメタクリレート、
n−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレー
トが挙げられ、n−ブチルアクリレートが好ましく用い
られる。 [0018] 架橋剤(II)としては、例えばエチレングリコールジ
メタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート1.
4−ブチレングリコールジメタクリレート等が挙げられ
る。 [0019] グラフト交叉剤(II)としては、例えばアリルメタク
リレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシ
アヌレート等が挙げられる。アリルメタクリレートは架
橋剤(■■)としても用いることができる。これら架橋
剤(II)及びグラフト交叉剤(II)は単独又は二種
以上併用して用いられる。これら架橋剤(II)及びグ
ラフト交叉剤(II)の合計の使用量はポリアルキル(
メタ)アクリレートゴム成分中0.1〜20重量%であ
る。 [0020] ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の重合は、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等
のアルカリの水溶液の添加により中和されたポリオルガ
ノシロキサンゴム成分のラテックス中へ上記アルキル(
メタ)アクリレート架橋剤(II)及びグラフト交叉剤
(II)を添加し、ポリオルガノシロキサンゴム粒子へ
含浸させた後、通常のラジカル重合開始剤を作用させて
行う。 重合の進行とともにポリオルガノシロキサンゴムの架橋
網目に相互に絡んだポリアルキル(メタ)アクリレート
ゴムの架橋網目が形成され、実質上分離出来ないポリオ
ルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アク
リレートゴム成分との複合ゴムのラテックスが得られる
。なお本発明の実施に際しては、この複合ゴムとしてポ
リオルガノシロキサンゴム成分の主骨格がジメチルシロ
キサンの繰り返し単位を有し、ポリアルキル(メタ)ア
クリレートゴム成分の主骨格がn −ブチルアクリレー
トの繰り返し単位を有する複合ゴムが好ましく用いられ
る。 [0021] このようにして乳化重合により調製された複合ゴムは、
ビニル系単量体とグラフト共重合可能であり、又ポリオ
ルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アク
リレートゴム成分とは強固に絡みあっているためアセト
ン、トルエン等の通常の有機溶剤では抽出分離出来ない
。この複合ゴムとしてはトルエンにより90℃で12時
間抽出して測定したゲル含量が80重量%以上である。 しく用いられる。 [0022] この複合ゴムにグラフト重合させるビニル系単量体とし
ては、スチレン、α−タチルスチレン、ビニルトルエン
等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタクリレート、
2−エチルへキシルメタクリレート等のメタクリル酸エ
ステル;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート等のアクリル酸エステル;アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物
などの各種ビニル系単量体が挙げられ、これらは単独で
又は二種以上組み合わせて用いられる。これらビニル系
単量体のうち芳香族アルケニル化合物が好ましく、スチ
レンが特に好ましい。 [0023] 複合ゴム系グラフト共重合体における上記複合ゴムと上
記ビニル系単量体の割合は、このグラフト共重合体の重
量を基準にしてポリオルガノシロキサン系ゴムが30〜
95重量%、ビニル系単量体が5〜70重量%であるこ
とが好ましく、ポリオルガノシロキサン系ゴムが40〜
90重量%、ビニル系単量体が10〜60重量%である
ことがより好ましい。ビニル系単量体が5重量%未満で
は樹脂中でのグラフト共重合体の分散が充分でなく、又
、70重量%を超えると耐衝撃性付与効果が低下するの
で好ましくない。 [0024] 複合ゴム系グラフト共重合体は、上記ビニル系単量体を
複合ゴムラテックスに加え、ラジカル重合技術によって
一段であるいは多段で重合させて得られる複合ゴム系グ
ラフト共重合体ラッテクスを、塩化カルシウム又は硫酸
マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩
析、凝固することにより分離、回収することができる。 [0025] 本発明において得られる複合ゴム系グラフト共重合体は
、それ自身でも耐衝撃性樹脂となり得るが、種々の熱可
塑性樹脂と混合して用いるとこれらの樹脂に高度の耐衝
撃性を付与でき、しかも樹脂の表面外観を低下させるこ
とがないため耐衝撃性改良剤として有用である。 [0026] この複合ゴム系グラフト共重合体を添加して耐衝撃性を
向上しし得る熱可塑性樹脂とシテは、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂及びポリスチレン樹脂の混合物、ポリカーボ
ネート樹脂及び/又は、ポリエステル樹脂と、芳香族ア
ルケニル化合物シアン化ビニル化合物及び(メタ)アク
リル酸エステルからなる群から選ばれた少なくとも1種
のビニル系単量体70〜100重量%とこれらと共重合
可能な他のビニル系単量体0〜30重量%を重合して得
られる単独重合体又は共重合体等を挙げることができる
。 [0027] 樹脂に本発明のグラフト共重合体を添加する方法として
は、バンバリーミキサロールミル、二軸押出機等の公知
の装置を用い機械的に混合しペレット状に賦形する方法
を挙げることができる。押し出し賦形されたペレットは
、幅広い温度範囲で成形可能であり、成形には、通常の
射出成形機が用いられる。 [0028] さらにこの樹脂組成物には、必要に応じて安定剤、可塑
剤、滑剤、難燃剤、顔料、充填剤等を配合し得る。具体
的にはトリフェニルホスファイト等の安定剤;ポリエチ
レンワックス、ポリプロピレンワックス等の滑剤;トリ
フェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等の
ホスフェート系難燃剤、デカブロモビフェニル、デカブ
ロモビフェニルエーテル等の臭素系難燃剤、三酸化アン
チモン等の難燃剤;酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛等
の顔料;ガラス繊維、アスベストウオラストナイト、マ
イカ、タルク等の充填剤等が挙げられる。 [0029]
、その樹脂の表面光沢をさほど低下させることなく、従
来よりすぐれた耐衝撃性を付与可能な耐衝撃性改良剤に
つき鋭意検討した結果、ポリオルガノシロキサンゴム成
分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分とが分
離できないように絡み合ってなる複合ゴムにビニル系単
量体を高効率でグラフト重合させてなる複合ゴム系グラ
フト共重合体が樹脂の表面外観を低下させることなく耐
衝撃性を改良させる耐衝撃性改良剤となることを見出し
、本発明に到達した。 [0006] 即ち、本発明の要旨は、ポリオルガソシロキサンゴム成
分10〜90重量%とアルキル(メタ)アクリレート、
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用架橋剤及びポ
リアルキル(メタ)アクリレートゴム用グラフト交叉剤
を重合してなるポリアルキル(メタ)アクリレートゴム
成分90〜10重量%とが分離できないように相互に絡
み合った構造を有し、かつポリオルガノシロキサンゴム
成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分との
合計量が100重量%である平均粒子径0.08〜0.
6μmの複合ゴムに1種以上のビニル系単量体がグラフ
ト重合されてなる複合ゴム系グラフト共重合体にある。 [0007] 上述の複合ゴムの代わりにポリオルガノシロキサンゴム
及びポリアルキル(メタ)アクリレートゴムのいずれか
1種類あるいはこの両者の単純混合物をゴム源として用
いてこれに1種以上のビニル系単量体をグラフトt−だ
ものを用いても優れた耐衝撃性改良剤とはならず、ポリ
オルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)ア
クリレートゴム成分とが分離できないように相互に絡み
合い複合−体化した複合ゴムをゴム源として用いて初め
て優れた耐衝撃性改良剤となる。 [0008] また、複合ゴム中のポリオルガノシロキサンゴム成分が
90重量%を越えるとこの複合ゴムを用いたグラフト共
重合体を樹脂に添加して得られる組成物からの成形物の
表面外観が悪化し、逆にポリアルキル(メタ)アクリレ
ートゴム成分が90重量%を越えると得られるグラフト
共重合体の耐衝撃性向上効果が低下する。このため、本
発明で用いる複合ゴムとしては複合ゴムを構成する2種
のゴム成分はいずれも10〜90重量%(両ゴム成分の
合計量100重量%)の範囲にあることが必要であり、
20〜80重量%の範囲にあることが好ましい。 [0009] 上記複合ゴムの平均粒子径は0.08〜0.6μmの範
囲にあることが必要である。平均粒子径が0.08μm
未満になると得られるグラフト共重合体の耐衝撃性向上
効果が低下し、0.6μmより大きくなるとグラフト共
重合体の耐衝撃性向上効果が低下すると共にグラフト共
重合体を樹脂に添加して得られる組成物からの成形物の
表面外観が悪化する。平均粒子径が上記の範囲内にある
複合ゴムヲ製造するには乳化重合法が最適であり、まず
、ポリオルガノシロキサンゴムのラテックスを調製し、
ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム合成用単量体を
このラテックスに加えてラテックス中のポリオルガノシ
ロキサンゴム粒子に含浸させてからこれらの単量体を重
合するのが好ましい。 [0010] 上記複合ゴムを構成するポリオルガノシロキサンゴム成
分は以下に示すオルガノシロキサン及びポリオルガノシ
ロキサンゴム用架橋剤(以下架橋剤(I)といつ)ヲ用
いて乳化重合により調製でき、その際、ポリオルガノシ
ロキサンゴム用グラフト交叉剤(以下グラフト交叉剤(
I)という)を併用することもできる。 [0011] オルガノシロキサンとしては3員環以上の環状オルガノ
シロキサンを例示でき3〜6員環のものが好ましく用い
られる。好ましい環状オルガノシロキサンの具体例とし
てヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシ
クロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキ
サン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、トリメチ
ルトリフェニルシクロトリシロキサン、テトラメチルテ
トラフェニルシクロテトラシロキサン、オクタフェニル
シクロテトラシロキサン等を例示でき、これらは単独で
あるいは2種以上混合して用いられる。環状オルガノシ
ロキサンの使用量はポリオルガノシロキサンゴム成分中
50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上
であることがより好ましい。 [0012] 架橋剤(I)としては3官能性又は4官能性のシラン系
架橋剤即ち、3つ又は4つのアルコキシ基を有するシラ
ン化合物が用いられ、この具体例としてトリメトキシメ
チルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポ
キシシラン、テトラブトキシシラン等を例示できる。架
橋剤(I)としては4官能性のものが好ましく、4官能
性の架橋剤の中ではテトラエトキシシランが特に好まし
い。架橋剤(I)の使用量はポリオルガノシロキサンゴ
ム成分中0.1〜30]ii−%でアル。 [0013] グラフト交叉剤(I)としては、次式 %式%) 素原子又はメチル基、nはOll又は2、pは1〜6の
整数を示す。)で表される単位を形成しうる化合物等が
用いられる。 [0014] 式(I−1)の単位を形成しうる(メタ)アクリロイル
オキシシロキサンはグラフト効率が高いため有効なグラ
フト鎖を形成することが可能であり、耐衝撃性発現の点
で有利である。なお式(I−1)の単位を形成しうるも
のとしてメタクリロイルオキシシロキサンが特に好まし
い。メタクリロイルオキシシロキサンの具体例としては
、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシ
ラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメ
チルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメト
キシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルエトキシジエチルシランγ−メタクリロイルオキシプ
ロピルジェトキシメチルシラン、δ−メタクリロイルオ
キシブチルジェトキシメチルシラン等が挙げられる。グ
ラフト交叉剤(■)の使用量はポリオルガノシロキサン
ゴム成分中0〜10重量%である。 [0015] このポリオルガノシロキサンゴムの製造法は、例えば米
国特許第2891920号明細書、同第3294725
号明細書等に記載された方法を用いることができる。本
発明の実施では、例えば、オルガノシロキサンと架橋剤
(I)及び所望によりグラフト交叉剤(I)の混合液と
を、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルスルホン酸
等のスルホン酸系乳化剤の存在下で、例えばホモジナイ
ザー等を用いて水と剪断混合する方法により製造するこ
とが好ましい。アルキルベンゼンスルホン酸はオルガノ
シロキサンの乳化剤として作用すると同時に重合開始剤
ともなるので好適である。この際、アルキルベンゼンス
ルホン酸金属塩、アルキルスルホン酸金属塩等を併用す
るとグラフト重合を行う際にポリマーを安定に維持する
のに効果があるので好ましい。 [0016] 次に上記ポリオルガノシロキサン系ゴムを構成するポリ
アルキル(メタ)アクリレートゴム成分は以下に示すア
ルキル(メタ)アクリレート、ポリアルキル(メタ)ア
クリレートゴム用架橋剤(以下架橋剤(II)という)
及びポリアルキル(メタ)アクリレートゴム用グラフト
交叉剤(以下グラフト交叉剤(II)という)を用いて
合成することができる。 [0017] アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル
アクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアク
リレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルへキシ
ルアクリレート等のアルキルアクリレート及びヘキシル
メタクリレート、2−エチルへキシルメタクリレート、
n−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレー
トが挙げられ、n−ブチルアクリレートが好ましく用い
られる。 [0018] 架橋剤(II)としては、例えばエチレングリコールジ
メタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート1.
4−ブチレングリコールジメタクリレート等が挙げられ
る。 [0019] グラフト交叉剤(II)としては、例えばアリルメタク
リレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシ
アヌレート等が挙げられる。アリルメタクリレートは架
橋剤(■■)としても用いることができる。これら架橋
剤(II)及びグラフト交叉剤(II)は単独又は二種
以上併用して用いられる。これら架橋剤(II)及びグ
ラフト交叉剤(II)の合計の使用量はポリアルキル(
メタ)アクリレートゴム成分中0.1〜20重量%であ
る。 [0020] ポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の重合は、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等
のアルカリの水溶液の添加により中和されたポリオルガ
ノシロキサンゴム成分のラテックス中へ上記アルキル(
メタ)アクリレート架橋剤(II)及びグラフト交叉剤
(II)を添加し、ポリオルガノシロキサンゴム粒子へ
含浸させた後、通常のラジカル重合開始剤を作用させて
行う。 重合の進行とともにポリオルガノシロキサンゴムの架橋
網目に相互に絡んだポリアルキル(メタ)アクリレート
ゴムの架橋網目が形成され、実質上分離出来ないポリオ
ルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アク
リレートゴム成分との複合ゴムのラテックスが得られる
。なお本発明の実施に際しては、この複合ゴムとしてポ
リオルガノシロキサンゴム成分の主骨格がジメチルシロ
キサンの繰り返し単位を有し、ポリアルキル(メタ)ア
クリレートゴム成分の主骨格がn −ブチルアクリレー
トの繰り返し単位を有する複合ゴムが好ましく用いられ
る。 [0021] このようにして乳化重合により調製された複合ゴムは、
ビニル系単量体とグラフト共重合可能であり、又ポリオ
ルガノシロキサンゴム成分とポリアルキル(メタ)アク
リレートゴム成分とは強固に絡みあっているためアセト
ン、トルエン等の通常の有機溶剤では抽出分離出来ない
。この複合ゴムとしてはトルエンにより90℃で12時
間抽出して測定したゲル含量が80重量%以上である。 しく用いられる。 [0022] この複合ゴムにグラフト重合させるビニル系単量体とし
ては、スチレン、α−タチルスチレン、ビニルトルエン
等の芳香族アルケニル化合物;メチルメタクリレート、
2−エチルへキシルメタクリレート等のメタクリル酸エ
ステル;メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブ
チルアクリレート等のアクリル酸エステル;アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物
などの各種ビニル系単量体が挙げられ、これらは単独で
又は二種以上組み合わせて用いられる。これらビニル系
単量体のうち芳香族アルケニル化合物が好ましく、スチ
レンが特に好ましい。 [0023] 複合ゴム系グラフト共重合体における上記複合ゴムと上
記ビニル系単量体の割合は、このグラフト共重合体の重
量を基準にしてポリオルガノシロキサン系ゴムが30〜
95重量%、ビニル系単量体が5〜70重量%であるこ
とが好ましく、ポリオルガノシロキサン系ゴムが40〜
90重量%、ビニル系単量体が10〜60重量%である
ことがより好ましい。ビニル系単量体が5重量%未満で
は樹脂中でのグラフト共重合体の分散が充分でなく、又
、70重量%を超えると耐衝撃性付与効果が低下するの
で好ましくない。 [0024] 複合ゴム系グラフト共重合体は、上記ビニル系単量体を
複合ゴムラテックスに加え、ラジカル重合技術によって
一段であるいは多段で重合させて得られる複合ゴム系グ
ラフト共重合体ラッテクスを、塩化カルシウム又は硫酸
マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩
析、凝固することにより分離、回収することができる。 [0025] 本発明において得られる複合ゴム系グラフト共重合体は
、それ自身でも耐衝撃性樹脂となり得るが、種々の熱可
塑性樹脂と混合して用いるとこれらの樹脂に高度の耐衝
撃性を付与でき、しかも樹脂の表面外観を低下させるこ
とがないため耐衝撃性改良剤として有用である。 [0026] この複合ゴム系グラフト共重合体を添加して耐衝撃性を
向上しし得る熱可塑性樹脂とシテは、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂及びポリスチレン樹脂の混合物、ポリカーボ
ネート樹脂及び/又は、ポリエステル樹脂と、芳香族ア
ルケニル化合物シアン化ビニル化合物及び(メタ)アク
リル酸エステルからなる群から選ばれた少なくとも1種
のビニル系単量体70〜100重量%とこれらと共重合
可能な他のビニル系単量体0〜30重量%を重合して得
られる単独重合体又は共重合体等を挙げることができる
。 [0027] 樹脂に本発明のグラフト共重合体を添加する方法として
は、バンバリーミキサロールミル、二軸押出機等の公知
の装置を用い機械的に混合しペレット状に賦形する方法
を挙げることができる。押し出し賦形されたペレットは
、幅広い温度範囲で成形可能であり、成形には、通常の
射出成形機が用いられる。 [0028] さらにこの樹脂組成物には、必要に応じて安定剤、可塑
剤、滑剤、難燃剤、顔料、充填剤等を配合し得る。具体
的にはトリフェニルホスファイト等の安定剤;ポリエチ
レンワックス、ポリプロピレンワックス等の滑剤;トリ
フェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート等の
ホスフェート系難燃剤、デカブロモビフェニル、デカブ
ロモビフェニルエーテル等の臭素系難燃剤、三酸化アン
チモン等の難燃剤;酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛等
の顔料;ガラス繊維、アスベストウオラストナイト、マ
イカ、タルク等の充填剤等が挙げられる。 [0029]
以下の実施例により本発明を具体的に説明する。
[0030]
以下の記載において「部」とあるのはすべて重量部を意
味する。 [0031] なお、各実施例゛、比較例での諸物性の測定法は次の方
法による。 引張弾性率 ASTM D−638の方法による
。 光沢 ASTM D−523−62T (6
00鏡面光沢度)の方法による。 曲げ強度 ASTM D−790の方法による。 アイゾツト衝撃強度 ASTM D−256の方法
による。(1/4” ノツチ付き) ビカー軟化温度 ISOR306の方法による。 [0032]
味する。 [0031] なお、各実施例゛、比較例での諸物性の測定法は次の方
法による。 引張弾性率 ASTM D−638の方法による
。 光沢 ASTM D−523−62T (6
00鏡面光沢度)の方法による。 曲げ強度 ASTM D−790の方法による。 アイゾツト衝撃強度 ASTM D−256の方法
による。(1/4” ノツチ付き) ビカー軟化温度 ISOR306の方法による。 [0032]
【実施例1】
複合ゴム系グラフト共重合体(S−1)の製造:テトラ
エトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルジメトキシメチルシラン0.5部及びオクタメチルシ
クロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロキサン
混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸及
びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを各々1部溶
解した蒸留水200部に上記混合シロキサン100部を
加え、ホモミキサーにて10.000 r p mで予
備撹拌した後、ホモジナイザーにより300kg/cm
2の圧力で乳化、分散させ、オルガノシロキサンラテッ
クスを得た。この混合液を、コンデンサー及び撹拌翼を
備えたセパラブルフラスコに移し、撹拌混合しながら8
0℃で5時間加熱した後20℃で放置シ、48時間後に
水酸化ナトリウム水溶液でこのラテックスのPHを6.
9に中和し、重合を終了させ、ポリオルガノシロキサン
ゴムラテックス(以下ポリオルガノシロキサンゴムラテ
ックス−1という)を得た。得られたポリオルガノシロ
キサンゴムの重合率は89.7%であり、ポリオルガノ
シロキサンゴムの平均粒子径は0.16μmであった。 [0033] 上記ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−1を11
7部採取し、撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ
、蒸留水57.5部を加え、窒素置換をしてがら50’
Cに昇温し、n−ブチルアクリレート33.95部、ア
リルメタクリレート1.05部及びter−ブチルヒド
ロペルオキシド0.26部の混合液を仕込み30分間撹
拌し、この混合液をポリオルガノシロキサンゴム粒子に
浸透させた。次いで硫酸第一鉄0.002部エチレンジ
アミン四酢酸酢酸トリウム塩0.006部、ロンガリッ
ト0.26部及び蒸留水5部の混合液を仕込みラジカル
重合を開始させ、その後内温70℃で2時間保持して複
合ゴムラテックスを得た。このラテックスを一部採取し
、複合ゴムの平均粒子径を測定したところ0.19μm
であった。又、このラテックスを乾燥して固形物を得、
トルエンで90℃、12時間抽出し、ゲル含量を測定し
たところ97.3重量%であった。この複合ゴムラテッ
クスに、tert−ブチルヒドロペルオキシド0.12
部とスチレン30部との混合液を15分間にわたって滴
下し、その後70℃で4時間保持し、複合ゴムへのグラ
フト重合を行なった。スチレンの重合率は91.5%で
あった。得られたグラフト共重合体ラテックスを塩化カ
ルシウム1.5重量%の熱水200部中に滴下し、凝固
、分離し洗浄した後75℃で16時間乾燥し、複合ゴム
系グラフト共重合体(以下、S−1と称する)の乾粉を
97.8部得た。 [0034] この複合ゴム系グラフト共重合体S−1をシリンダー温
度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを、
射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機(
株))230℃で1合ダンベルを成形形し、引張弾性率
と光沢を測定したところ、引張弾性率は2600kg/
cm2 光沢は89%であった。 [0035]
エトキシシラン2部、γ−メタクリロイルオキシプロピ
ルジメトキシメチルシラン0.5部及びオクタメチルシ
クロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロキサン
混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルホン酸及
びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを各々1部溶
解した蒸留水200部に上記混合シロキサン100部を
加え、ホモミキサーにて10.000 r p mで予
備撹拌した後、ホモジナイザーにより300kg/cm
2の圧力で乳化、分散させ、オルガノシロキサンラテッ
クスを得た。この混合液を、コンデンサー及び撹拌翼を
備えたセパラブルフラスコに移し、撹拌混合しながら8
0℃で5時間加熱した後20℃で放置シ、48時間後に
水酸化ナトリウム水溶液でこのラテックスのPHを6.
9に中和し、重合を終了させ、ポリオルガノシロキサン
ゴムラテックス(以下ポリオルガノシロキサンゴムラテ
ックス−1という)を得た。得られたポリオルガノシロ
キサンゴムの重合率は89.7%であり、ポリオルガノ
シロキサンゴムの平均粒子径は0.16μmであった。 [0033] 上記ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−1を11
7部採取し、撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ
、蒸留水57.5部を加え、窒素置換をしてがら50’
Cに昇温し、n−ブチルアクリレート33.95部、ア
リルメタクリレート1.05部及びter−ブチルヒド
ロペルオキシド0.26部の混合液を仕込み30分間撹
拌し、この混合液をポリオルガノシロキサンゴム粒子に
浸透させた。次いで硫酸第一鉄0.002部エチレンジ
アミン四酢酸酢酸トリウム塩0.006部、ロンガリッ
ト0.26部及び蒸留水5部の混合液を仕込みラジカル
重合を開始させ、その後内温70℃で2時間保持して複
合ゴムラテックスを得た。このラテックスを一部採取し
、複合ゴムの平均粒子径を測定したところ0.19μm
であった。又、このラテックスを乾燥して固形物を得、
トルエンで90℃、12時間抽出し、ゲル含量を測定し
たところ97.3重量%であった。この複合ゴムラテッ
クスに、tert−ブチルヒドロペルオキシド0.12
部とスチレン30部との混合液を15分間にわたって滴
下し、その後70℃で4時間保持し、複合ゴムへのグラ
フト重合を行なった。スチレンの重合率は91.5%で
あった。得られたグラフト共重合体ラテックスを塩化カ
ルシウム1.5重量%の熱水200部中に滴下し、凝固
、分離し洗浄した後75℃で16時間乾燥し、複合ゴム
系グラフト共重合体(以下、S−1と称する)の乾粉を
97.8部得た。 [0034] この複合ゴム系グラフト共重合体S−1をシリンダー温
度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを、
射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機(
株))230℃で1合ダンベルを成形形し、引張弾性率
と光沢を測定したところ、引張弾性率は2600kg/
cm2 光沢は89%であった。 [0035]
【実施例2】
複合ゴム系グラフト共重合体(S−2)の製造:[00
36] テトラエトキシシラン2部、オクタメチルシクロテトラ
シロキサン98部を混合して混合シロキサン100部を
得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部及び
ドデシルベンゼンスルホン酸1部をそれぞれ溶解した蒸
留水200部中に上記混合シロキサン100部を加え、
S−1の製造時と同様にホモミキサーによる予備分散及
びホモジナイザーによる乳化、分散を行い80℃、5時
間の加熱を行ったのち20℃で48時間放置し水酸化ナ
トリウム水溶液でラテックスのPHを6゜9に中和して
ポリオルガノシロキサンゴムラテックス(以下ポリオル
ガノシロキサンゴムラテックス−2という)を得た。得
られたポリオルガノシロキサンゴムの重合率は88.9
%であり平均粒子径は0.16μmであった。 [0037] 上記ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−2を11
7部採取し、蒸留水57.5部を添加した後S−1の製
造時と同様にn−ブチルアクリレート33.95部、ア
リルメタクリレート1.05部及びter−ブチルヒド
ロペルオキシド0.26部の混合液を仕込み、他はS−
1の製造時と同じ条件、方法で複合ゴム化の重合を行っ
た。この複合ゴムの平均粒子径は0.20μmであり、
実施例1と同様にしてトルエン抽出法で測定したゲル含
量は92.4重量%であった。得られた複合ゴムラテッ
クスに、tert−ブチルヒドロペルオキシド0.12
部とスチレン30部との混合液を加えS−1と同じ条件
、方法によりグラフト重合を行った。こうして得られた
グラフト共重合体ラテックスを実施例1と同様に凝固、
分離、乾燥処理して複合ゴム系グラフト共重合体(以下
、S−2と称する)の乾粉を97.6部得た。 [0038] この複合ゴム系グラフト共重合体S−2をシリンダー温
度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを、
射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機(
株) ) 230℃で1号ダンベルを成形し、引張弾性
率と光沢を測定したところ、引張弾性率は2900kg
/cm2 光沢は82%であった。 [0039]
36] テトラエトキシシラン2部、オクタメチルシクロテトラ
シロキサン98部を混合して混合シロキサン100部を
得た。ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部及び
ドデシルベンゼンスルホン酸1部をそれぞれ溶解した蒸
留水200部中に上記混合シロキサン100部を加え、
S−1の製造時と同様にホモミキサーによる予備分散及
びホモジナイザーによる乳化、分散を行い80℃、5時
間の加熱を行ったのち20℃で48時間放置し水酸化ナ
トリウム水溶液でラテックスのPHを6゜9に中和して
ポリオルガノシロキサンゴムラテックス(以下ポリオル
ガノシロキサンゴムラテックス−2という)を得た。得
られたポリオルガノシロキサンゴムの重合率は88.9
%であり平均粒子径は0.16μmであった。 [0037] 上記ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−2を11
7部採取し、蒸留水57.5部を添加した後S−1の製
造時と同様にn−ブチルアクリレート33.95部、ア
リルメタクリレート1.05部及びter−ブチルヒド
ロペルオキシド0.26部の混合液を仕込み、他はS−
1の製造時と同じ条件、方法で複合ゴム化の重合を行っ
た。この複合ゴムの平均粒子径は0.20μmであり、
実施例1と同様にしてトルエン抽出法で測定したゲル含
量は92.4重量%であった。得られた複合ゴムラテッ
クスに、tert−ブチルヒドロペルオキシド0.12
部とスチレン30部との混合液を加えS−1と同じ条件
、方法によりグラフト重合を行った。こうして得られた
グラフト共重合体ラテックスを実施例1と同様に凝固、
分離、乾燥処理して複合ゴム系グラフト共重合体(以下
、S−2と称する)の乾粉を97.6部得た。 [0038] この複合ゴム系グラフト共重合体S−2をシリンダー温
度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを、
射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機(
株) ) 230℃で1号ダンベルを成形し、引張弾性
率と光沢を測定したところ、引張弾性率は2900kg
/cm2 光沢は82%であった。 [0039]
【実施例3及び4、比較例1及び2】
複合ゴム系グラフト共重合体S−3〜S−6の製造:[
0040] 複合コム系グラフト共 重合体S−1の製造時に調製し
たポリオルガノシロキサンゴムラテックス−1を使用し
、第1表に示した成分を所定量用いた以外は実施例1と
同様にして複合ゴムラテックス3〜6を得た。 [0041] こうして得られた各複合ゴムラテックスにスチレン30
部とtert−ブチルヒドロペルオキシド0.12部と
の混合液を加え、上記実施例1と同様にして複合ゴムへ
のグラフト重合反応を行い、反応終了後、得られた各ラ
テックスを上記実施例1と同様に凝固、分離、乾燥処理
して複合ゴム系グラフト共重合体(以下、各々S−3〜
5−6) の乾粉を得た。 [0042]
0040] 複合コム系グラフト共 重合体S−1の製造時に調製し
たポリオルガノシロキサンゴムラテックス−1を使用し
、第1表に示した成分を所定量用いた以外は実施例1と
同様にして複合ゴムラテックス3〜6を得た。 [0041] こうして得られた各複合ゴムラテックスにスチレン30
部とtert−ブチルヒドロペルオキシド0.12部と
の混合液を加え、上記実施例1と同様にして複合ゴムへ
のグラフト重合反応を行い、反応終了後、得られた各ラ
テックスを上記実施例1と同様に凝固、分離、乾燥処理
して複合ゴム系グラフト共重合体(以下、各々S−3〜
5−6) の乾粉を得た。 [0042]
【表1】
[0043]
この複合ゴム系グラフト共重合体S−3〜6をシリンダ
ー温度230℃で押出し賦形した後得られたペレットを
、射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機
(株) ) 230℃で1号ダンベルを成形し、引張弾
性率・光沢を測定し、表1の結果を得た。 [0044] 第1表から、複合ゴム中のポリオルガノシロキサン含量
が、10%未満では引張弾性率が低下せず複合ゴム中の
ポリオルガノシロキサン含量が、90%を超えると複合
ゴム系グラフト共重合体の光沢が低下し好ましくないこ
とがわかる。 [0045]
ー温度230℃で押出し賦形した後得られたペレットを
、射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機
(株) ) 230℃で1号ダンベルを成形し、引張弾
性率・光沢を測定し、表1の結果を得た。 [0044] 第1表から、複合ゴム中のポリオルガノシロキサン含量
が、10%未満では引張弾性率が低下せず複合ゴム中の
ポリオルガノシロキサン含量が、90%を超えると複合
ゴム系グラフト共重合体の光沢が低下し好ましくないこ
とがわかる。 [0045]
【実施例5】
複合ゴム系グラフト共重合体S−7〜S−8の製造:[
0046] 複合ゴム系グラフト共重合体S−1の製造時に調製した
ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−1を使用し、
グラフト重合に用いるスチレン単量体量の異なる2種の
複合ゴム系グラフト共重合体を製造した。 [0047] 即ち、上記シロキサンゴムラテックス−1を117部採
取し、蒸留水200部と共に撹拌機を備えたセパラブル
フラスコに入れ、窒素置換をしてから50℃に昇温しn
−ブチルアクリレート33.95部、アリルメタクリレ
ート1.05部及びter−ブチルヒドロペルオキシド
0.26部の混合液を仕込み30分間撹拌したのち、硫
酸第一鉄0、002部、エチレンジアミン四酢酸二ナト
リウム塩0.006部、ロンガリット0.26部及び蒸
留水5部の混合液を仕込み重合を開始させて、複合ゴム
ラテックスを製造した。この複合ゴムの平均粒子径は0
.19μmであり、実施例1と同様にしてトルエン抽出
法で測定したゲル含量は97.3重量%であった。この
複合ゴムラテックスに、tert−ブチルヒドロペルオ
キシド0.20部とスチレン50部との混合液を70℃
で15分間滴下し、その後70℃で4時間保持して、複
合ゴムへのグラフト重合を完了した。そののち実施例1
と同様に凝固、乾燥処理して複合ゴム系グラフト共重合
体(以下、S−7と称する)の乾粉を得た。又、上記複
合ゴムラテックスにスチレン10部とtert−ブチル
ヒドロペルオキシド0.04部との混合液を加える以外
はS−7と同様にグラフト重合を行い、実施例1と同様
に凝固、分離、乾燥処理して複合ゴム系グラフト共重合
体(以下、S−8と称する)の乾粉を得た。 [0048] この複合ゴム系グラフト共重合体S−7〜8をシリンダ
ー温度230℃で押出し、賦形した後得られたペレット
を、射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重
機(株) ) 230℃でエサダンベルを成形し、引張
弾性率と光沢を測定したところ、S−7の引張弾性率は
3200kg/cm2 、光沢は87%であり、S−8
の引張弾性率は2100kg/cm2 、光沢は81%
であった。 [0049]
0046] 複合ゴム系グラフト共重合体S−1の製造時に調製した
ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−1を使用し、
グラフト重合に用いるスチレン単量体量の異なる2種の
複合ゴム系グラフト共重合体を製造した。 [0047] 即ち、上記シロキサンゴムラテックス−1を117部採
取し、蒸留水200部と共に撹拌機を備えたセパラブル
フラスコに入れ、窒素置換をしてから50℃に昇温しn
−ブチルアクリレート33.95部、アリルメタクリレ
ート1.05部及びter−ブチルヒドロペルオキシド
0.26部の混合液を仕込み30分間撹拌したのち、硫
酸第一鉄0、002部、エチレンジアミン四酢酸二ナト
リウム塩0.006部、ロンガリット0.26部及び蒸
留水5部の混合液を仕込み重合を開始させて、複合ゴム
ラテックスを製造した。この複合ゴムの平均粒子径は0
.19μmであり、実施例1と同様にしてトルエン抽出
法で測定したゲル含量は97.3重量%であった。この
複合ゴムラテックスに、tert−ブチルヒドロペルオ
キシド0.20部とスチレン50部との混合液を70℃
で15分間滴下し、その後70℃で4時間保持して、複
合ゴムへのグラフト重合を完了した。そののち実施例1
と同様に凝固、乾燥処理して複合ゴム系グラフト共重合
体(以下、S−7と称する)の乾粉を得た。又、上記複
合ゴムラテックスにスチレン10部とtert−ブチル
ヒドロペルオキシド0.04部との混合液を加える以外
はS−7と同様にグラフト重合を行い、実施例1と同様
に凝固、分離、乾燥処理して複合ゴム系グラフト共重合
体(以下、S−8と称する)の乾粉を得た。 [0048] この複合ゴム系グラフト共重合体S−7〜8をシリンダ
ー温度230℃で押出し、賦形した後得られたペレット
を、射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重
機(株) ) 230℃でエサダンベルを成形し、引張
弾性率と光沢を測定したところ、S−7の引張弾性率は
3200kg/cm2 、光沢は87%であり、S−8
の引張弾性率は2100kg/cm2 、光沢は81%
であった。 [0049]
【比較例3】
複合ゴム系グラフト共重合体S−9の製造:[0050
] ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−1を117部
採取し、蒸留水57.5部と共に撹拌機付きセパラブル
フラスコに入れ、窒素置換したのち50℃に昇温し、n
−ブチルアクリレート33.95部とtert−ブチル
ヒドロペルオキシド0.26部との混合液を仕込み、3
0分間撹拌した。そののち実施例1で用いた同量のレド
ックス系開始剤の混合液を仕込み乳化重合しゴムラテッ
クスを得た。ここでは実施例1と異なリアリルメタクリ
レートを添加しなかった。このゴムラテックスの平均粒
子径及びトルエン抽出法で測定したゲル含量は、各々0
.22μm及び63重量%であった。このゴムラテック
スに、tert−ブチルヒドロペルオキシド0.12部
とスチレン30部との混合液を70℃にて15分間にわ
たり滴下し、その後70℃で4時間保持してグラフト重
合を行い、重合後、上記実施例1と同様に凝固、分離、
乾燥処理してグラフト共重合体(以下、S−9と称する
)の乾粉を得た。 [0051] この複合ゴム系グラフト共重合体S−9をシリンダー温
度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを、
射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機(
株) ) 230℃で1号ダンベルを成形し、引張弾性
率と光沢を測定し、各々4300kg/cm2.61’
4の結果を得た。ポリオルガノシロキサンゴムに単にビ
ニル系単量体を二段でグラフト重合させただけでは、引
張弾性率の値を低下させることが出来ず、耐衝撃性樹脂
の表面光沢も悪かった。 [0052]
] ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−1を117部
採取し、蒸留水57.5部と共に撹拌機付きセパラブル
フラスコに入れ、窒素置換したのち50℃に昇温し、n
−ブチルアクリレート33.95部とtert−ブチル
ヒドロペルオキシド0.26部との混合液を仕込み、3
0分間撹拌した。そののち実施例1で用いた同量のレド
ックス系開始剤の混合液を仕込み乳化重合しゴムラテッ
クスを得た。ここでは実施例1と異なリアリルメタクリ
レートを添加しなかった。このゴムラテックスの平均粒
子径及びトルエン抽出法で測定したゲル含量は、各々0
.22μm及び63重量%であった。このゴムラテック
スに、tert−ブチルヒドロペルオキシド0.12部
とスチレン30部との混合液を70℃にて15分間にわ
たり滴下し、その後70℃で4時間保持してグラフト重
合を行い、重合後、上記実施例1と同様に凝固、分離、
乾燥処理してグラフト共重合体(以下、S−9と称する
)の乾粉を得た。 [0051] この複合ゴム系グラフト共重合体S−9をシリンダー温
度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを、
射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機(
株) ) 230℃で1号ダンベルを成形し、引張弾性
率と光沢を測定し、各々4300kg/cm2.61’
4の結果を得た。ポリオルガノシロキサンゴムに単にビ
ニル系単量体を二段でグラフト重合させただけでは、引
張弾性率の値を低下させることが出来ず、耐衝撃性樹脂
の表面光沢も悪かった。 [0052]
【比較例4】
複合ゴム系グラフト共重合体5−10の製造:[005
3] ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−1を117部
採取し、蒸留水57.5部と共に撹拌機付きセパラブル
フラスコに入れ、窒素置換したのちn−ブチルアクリレ
ート35部、スチレン30部、tert−ブチルヒドロ
ペルオキシド0.26部の混合液を実施例1で用いた同
量のレドックス系開始剤混合液の存在下に70℃で30
分間かけて滴下して重合した。その後70℃で4時間保
持して重合が終了した後、上記実施例1と同様に凝固、
分離、乾燥処理してグラフト共重合体(以下、5−10
と称する)の乾粉を得た。 [0054] この複合ゴム系グラフト共重合体5−10をシリンダー
温度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを
、射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機
(株) ) 230℃で1号ダンベルを成形し、引張弾
性率と光沢を測定し、各々5100kg/cm2.53
Zの結果を得た。ポリオルガノシロキサンゴムに単にビ
ニル系単量体を混合しグラフト重合させただけでは、引
張弾性率の値を低下させることが出来ず、耐衝撃性樹脂
の表面光沢も悪かった。 [0055]
3] ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−1を117部
採取し、蒸留水57.5部と共に撹拌機付きセパラブル
フラスコに入れ、窒素置換したのちn−ブチルアクリレ
ート35部、スチレン30部、tert−ブチルヒドロ
ペルオキシド0.26部の混合液を実施例1で用いた同
量のレドックス系開始剤混合液の存在下に70℃で30
分間かけて滴下して重合した。その後70℃で4時間保
持して重合が終了した後、上記実施例1と同様に凝固、
分離、乾燥処理してグラフト共重合体(以下、5−10
と称する)の乾粉を得た。 [0054] この複合ゴム系グラフト共重合体5−10をシリンダー
温度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを
、射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機
(株) ) 230℃で1号ダンベルを成形し、引張弾
性率と光沢を測定し、各々5100kg/cm2.53
Zの結果を得た。ポリオルガノシロキサンゴムに単にビ
ニル系単量体を混合しグラフト重合させただけでは、引
張弾性率の値を低下させることが出来ず、耐衝撃性樹脂
の表面光沢も悪かった。 [0055]
【比較例5】
複合ゴム系グラフト共重合体5−12の製造:[005
6] テトラエトキシシラン2部、χ−メタクリロイルオキシ
プロピルジメトキシメチルシラン0.5部及びオクタメ
チルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロ
キサン混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルポ
ン酸4部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2
部を溶解した蒸留水200部に上記混合シロキサン10
0部を加え、S−1の製造時と同様にホモミキサーによ
る予備分散及びホモジナイザーによる乳化を行い、80
’C15時間の加熱を行った後冷却後20℃で48時間
放置し、次いで水酸化ナトリウム水溶液でPHを7.0
に中和し、ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−3
を得た。このポリオルガノシロキサンゴムの重合率は8
9.6%であり、平均粒子径は0.05μmであった。 [0057] 上記ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−3を11
7部採取し、蒸留水57.5部を添加した後、S−1の
製造時と同様にn−ブチルアクリレート33.95部、
アリルメタクリレート1.05部及びしert−ブチル
ヒドロペルオキシド0.26部の混合液を仕込んだ以外
はS−1の製造時と同様にして複合ゴムの重合を行った
。この複合ゴムの平均粒子径は0.07μmであり、実
施例1と同様にしてトルエン抽出法で測定したゲル含量
は95.8重量%であった。 [0058] 得られた複合ゴムラテックスに、tert−ブチルヒド
ロペルオキシド0.12部とスチレン30部との混合液
を加えS−1の製造時と同様の条件でグラフト重合を行
なった。こうして得られたグラフト共重合体ラテックス
を実施例1と同様に凝固、分離、乾燥処理してグラフト
共重合体(以下、5−12と称する)の乾粉を得た[0
059] この複合ゴム系グラフト共重合体5−12をシリンダー
温度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを
、射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機
(株))230℃で1号ダンベルを成形し、引張弾性率
と光沢を測定したところ、引張弾性率が4800kg/
cm2、光沢が85Zの結果を得た。複合ゴムの粒子径
が0.08μmを下回ると、引張弾性率の値を低下させ
ることが出来なかった。 [0060]
6] テトラエトキシシラン2部、χ−メタクリロイルオキシ
プロピルジメトキシメチルシラン0.5部及びオクタメ
チルシクロテトラシロキサン97.5部を混合し、シロ
キサン混合物100部を得た。ドデシルベンゼンスルポ
ン酸4部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2
部を溶解した蒸留水200部に上記混合シロキサン10
0部を加え、S−1の製造時と同様にホモミキサーによ
る予備分散及びホモジナイザーによる乳化を行い、80
’C15時間の加熱を行った後冷却後20℃で48時間
放置し、次いで水酸化ナトリウム水溶液でPHを7.0
に中和し、ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−3
を得た。このポリオルガノシロキサンゴムの重合率は8
9.6%であり、平均粒子径は0.05μmであった。 [0057] 上記ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−3を11
7部採取し、蒸留水57.5部を添加した後、S−1の
製造時と同様にn−ブチルアクリレート33.95部、
アリルメタクリレート1.05部及びしert−ブチル
ヒドロペルオキシド0.26部の混合液を仕込んだ以外
はS−1の製造時と同様にして複合ゴムの重合を行った
。この複合ゴムの平均粒子径は0.07μmであり、実
施例1と同様にしてトルエン抽出法で測定したゲル含量
は95.8重量%であった。 [0058] 得られた複合ゴムラテックスに、tert−ブチルヒド
ロペルオキシド0.12部とスチレン30部との混合液
を加えS−1の製造時と同様の条件でグラフト重合を行
なった。こうして得られたグラフト共重合体ラテックス
を実施例1と同様に凝固、分離、乾燥処理してグラフト
共重合体(以下、5−12と称する)の乾粉を得た[0
059] この複合ゴム系グラフト共重合体5−12をシリンダー
温度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを
、射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機
(株))230℃で1号ダンベルを成形し、引張弾性率
と光沢を測定したところ、引張弾性率が4800kg/
cm2、光沢が85Zの結果を得た。複合ゴムの粒子径
が0.08μmを下回ると、引張弾性率の値を低下させ
ることが出来なかった。 [0060]
【比較例6】
複合ゴム系グラフト共重合体5−13の製造:[006
1] ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−3の製造時と
同様の混合シロキサン100部を準備し、これにドデシ
ルベンゼンスルホン酸0.2部のみを溶解した蒸留水2
00部を加え、ホモミキサーにて10.000rpmで
予備撹拌した後、ホモジナイザーにより140Kg/c
m”の圧力で乳化させ、オルガノシロキサンゴムラテッ
クスを得た。このラテックスを80℃、5時間の加熱を
行った後5℃で1ケ月放置した後水酸化ナトリウム水溶
液でPH7,0に中和し重合を完結してポリオルガノシ
ロキサンゴムラテックス−4を得た。このポリオルガノ
シロキサンゴムの重合率は88.4%であり、平均粒子
径は0.48μmであった。 [0062] 上記ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−4を11
7部採取し、蒸留水57.5部を添加した後、5−12
の製造時と同じ条件、方法で複合ゴム化の重合を行った
。この複合ゴムの平均粒子径は0.7μmであり、実施
例1と同様にしてトルエン抽出法で測定したゲル含量は
94.3重量%であった。この複合ゴムラテックスにt
ert−ブチルヒドロペルオキシド0.12部とスチレ
ン30部との混合液を加えS−1と同じ条件、方法によ
りグラフト重合を行なった。こうして得られたグラフト
共重合体ラテックスを実施例1と同様に凝固、分離、乾
燥処理してグラフト共重合体(以下゛、5−13と称す
る)の乾粉を得た。 [0063] この複合ゴム系グラフト共重合体5−13をシリンダー
温度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを
、射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機
(株) ) 230℃で1号ダンベルを成形し、引張弾
性率と光沢を測定し、前者が5400kg/cm2、後
者が47Zの結果を得た。この結果から、複合ゴムの粒
子径が0.6μmを上回ると、引張弾性率の値を低下さ
せることが出来ず光沢も悪くなることがわかる。 [0064]
1] ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−3の製造時と
同様の混合シロキサン100部を準備し、これにドデシ
ルベンゼンスルホン酸0.2部のみを溶解した蒸留水2
00部を加え、ホモミキサーにて10.000rpmで
予備撹拌した後、ホモジナイザーにより140Kg/c
m”の圧力で乳化させ、オルガノシロキサンゴムラテッ
クスを得た。このラテックスを80℃、5時間の加熱を
行った後5℃で1ケ月放置した後水酸化ナトリウム水溶
液でPH7,0に中和し重合を完結してポリオルガノシ
ロキサンゴムラテックス−4を得た。このポリオルガノ
シロキサンゴムの重合率は88.4%であり、平均粒子
径は0.48μmであった。 [0062] 上記ポリオルガノシロキサンゴムラテックス−4を11
7部採取し、蒸留水57.5部を添加した後、5−12
の製造時と同じ条件、方法で複合ゴム化の重合を行った
。この複合ゴムの平均粒子径は0.7μmであり、実施
例1と同様にしてトルエン抽出法で測定したゲル含量は
94.3重量%であった。この複合ゴムラテックスにt
ert−ブチルヒドロペルオキシド0.12部とスチレ
ン30部との混合液を加えS−1と同じ条件、方法によ
りグラフト重合を行なった。こうして得られたグラフト
共重合体ラテックスを実施例1と同様に凝固、分離、乾
燥処理してグラフト共重合体(以下゛、5−13と称す
る)の乾粉を得た。 [0063] この複合ゴム系グラフト共重合体5−13をシリンダー
温度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを
、射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機
(株) ) 230℃で1号ダンベルを成形し、引張弾
性率と光沢を測定し、前者が5400kg/cm2、後
者が47Zの結果を得た。この結果から、複合ゴムの粒
子径が0.6μmを上回ると、引張弾性率の値を低下さ
せることが出来ず光沢も悪くなることがわかる。 [0064]
【比較例7】
混合ゴム系グラフト共重合体5−14の製造:[006
5] n−ブチルアクリレート97部、アリルメタクリレート
3部及びtert−ブチルヒドロペルオキサイド0.2
4部からなる混合液を撹拌機を備えたセパラブルフラス
コ中のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を溶
解した蒸留水195部中に乳化させ窒素置換した。然る
後60℃に昇温し、硫酸第一鉄0.002部、エチレン
ジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリ
ツ) 0.26部及び蒸留水5部の混合液を仕込んで重
合を開始させ、その後70℃で2時間重合を行なってポ
リn−ブチルアクリレートゴムラテックスを得た。 [0066] 次いで上記の方法で得たポリn−ブチルアクリレートゴ
ムラテックス106部(固形分35部)及び実施例1で
得たポリオルガノシロキサンゴムラテ・ノクスー1を1
17部混合したラテックスを撹拌機を備えたセパラブル
フラスコに入れ70℃に昇温し、硫酸第一鉄0.001
3部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.00
4部。 ロンガリッ) 0.17部及び蒸留水5部の混合液を仕
込んだ。然る後スチレン30部とtert−ブチルヒド
ロペルオキシド0.12部との混合液を70℃にて15
分間にわたり滴下し、その後70℃で4時間保持し、ポ
リオルガノシロキサンゴムとポリn−ブチルアクリレー
トゴムの混合ゴムへのグラフト重合を行なった。スチレ
ンの重合率は92.6%であった。得られたグラフト共
重合体ラテックスを塩化カルシウム1.5重量%の熱水
300部中に滴下し、凝固、分離し、洗浄した後75℃
で16時間乾燥し混合ゴム系グラフト共重合体(以下、
5−14と称する)の乾粉を98部得た。 [0067] この複合ゴム系グラフト共重合体5−14をシリンダー
温度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを
、射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機
(株) ) 230℃で1号ダンベルを成形し、引張弾
性率と光沢を測定し、各々5300kg/cm2.45
’4の結果を得た。この結果からポリオルガノシロキサ
ンゴムとポリn−ブチルアクリレートゴムとが複合化さ
れていないと引張弾性率を低下させることが出来ず、又
、耐衝撃性樹脂の光沢も悪くなることがわかる。 [0068]
5] n−ブチルアクリレート97部、アリルメタクリレート
3部及びtert−ブチルヒドロペルオキサイド0.2
4部からなる混合液を撹拌機を備えたセパラブルフラス
コ中のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を溶
解した蒸留水195部中に乳化させ窒素置換した。然る
後60℃に昇温し、硫酸第一鉄0.002部、エチレン
ジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006部、ロンガリ
ツ) 0.26部及び蒸留水5部の混合液を仕込んで重
合を開始させ、その後70℃で2時間重合を行なってポ
リn−ブチルアクリレートゴムラテックスを得た。 [0066] 次いで上記の方法で得たポリn−ブチルアクリレートゴ
ムラテックス106部(固形分35部)及び実施例1で
得たポリオルガノシロキサンゴムラテ・ノクスー1を1
17部混合したラテックスを撹拌機を備えたセパラブル
フラスコに入れ70℃に昇温し、硫酸第一鉄0.001
3部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.00
4部。 ロンガリッ) 0.17部及び蒸留水5部の混合液を仕
込んだ。然る後スチレン30部とtert−ブチルヒド
ロペルオキシド0.12部との混合液を70℃にて15
分間にわたり滴下し、その後70℃で4時間保持し、ポ
リオルガノシロキサンゴムとポリn−ブチルアクリレー
トゴムの混合ゴムへのグラフト重合を行なった。スチレ
ンの重合率は92.6%であった。得られたグラフト共
重合体ラテックスを塩化カルシウム1.5重量%の熱水
300部中に滴下し、凝固、分離し、洗浄した後75℃
で16時間乾燥し混合ゴム系グラフト共重合体(以下、
5−14と称する)の乾粉を98部得た。 [0067] この複合ゴム系グラフト共重合体5−14をシリンダー
温度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを
、射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機
(株) ) 230℃で1号ダンベルを成形し、引張弾
性率と光沢を測定し、各々5300kg/cm2.45
’4の結果を得た。この結果からポリオルガノシロキサ
ンゴムとポリn−ブチルアクリレートゴムとが複合化さ
れていないと引張弾性率を低下させることが出来ず、又
、耐衝撃性樹脂の光沢も悪くなることがわかる。 [0068]
【比較例8】
アクリルゴム系グラフト共重合体5−15の製造:[0
069] n−ブチルアクリレート58.8部、アリルメタクリレ
ート1.8部及びtert−ブチルヒドロペルオキシド
0.1部からなる混合液を、ドデシルベンゼンスルホン
酸2部を溶解した蒸留水120部中に乳化させ、窒素置
換後60℃に昇温し、レドツクス系ラジカル開始剤を加
えて重合を開始させた。ブチルアクリレートの重合が終
了した後スチレン40部とtert−ブチルペルオキシ
ド0.1部からなる混合液を滴下しグラフト共重合した
。グラフト重合終了後、凝固、洗浄、乾燥を行なってグ
ラフト共重合体(S−15)を得た。 [0070] この複合ゴム系グラフト共重合体5−15をシリンダー
温度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを
、射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機
(株) ) 230℃で1号ダンベルを成形して測定し
た引張弾性率と光沢の結果は、7300kg/cm2及
び81Xであった。この結果から、n−ブチルアクリレ
ートのみからなるゴムのグラフト重合体では、引張弾性
率が高く良好な耐衝撃性を示さなXJ)ことがわかる。 [0071]
069] n−ブチルアクリレート58.8部、アリルメタクリレ
ート1.8部及びtert−ブチルヒドロペルオキシド
0.1部からなる混合液を、ドデシルベンゼンスルホン
酸2部を溶解した蒸留水120部中に乳化させ、窒素置
換後60℃に昇温し、レドツクス系ラジカル開始剤を加
えて重合を開始させた。ブチルアクリレートの重合が終
了した後スチレン40部とtert−ブチルペルオキシ
ド0.1部からなる混合液を滴下しグラフト共重合した
。グラフト重合終了後、凝固、洗浄、乾燥を行なってグ
ラフト共重合体(S−15)を得た。 [0070] この複合ゴム系グラフト共重合体5−15をシリンダー
温度230℃で押出し、賦形した後得られたペレットを
、射出成形機(プロマツ) 165/75型:住友重機
(株) ) 230℃で1号ダンベルを成形して測定し
た引張弾性率と光沢の結果は、7300kg/cm2及
び81Xであった。この結果から、n−ブチルアクリレ
ートのみからなるゴムのグラフト重合体では、引張弾性
率が高く良好な耐衝撃性を示さなXJ)ことがわかる。 [0071]
【実施例6】
実施例1〜5、比較例1〜8にて作製した耐衝撃性樹脂
を変性PPE樹脂の耐衝撃性改質剤として使用した例を
示す。 [0072] 実施例1〜5、比較例1〜8にて作製したグラフト共重
合体S−1〜S−1O8−12〜5−15を各々9.0
重量%と、クロロホルム中で測定した還元粘度(ηsp
/ C)が0.59dl/gのポリ(2,6−シメチル
ー1,4−フェニレン)エーテル43.7重量%及び荷
重5kgで200℃でのメルトインデックスが30g/
10分のポリスチレン47.3重量%とを各々配合し樹
脂組成物を調製した。これら各樹脂組成物を二軸押出機
(ウニルナ−ファウドラー社製、ZSK−30型)に各
々供給しシリンダー温度280℃で溶融混練し各々ペレ
ットを乾燥後、射出成形機(泡様製作所、5J−35型
)に供給しシリンダー温度280℃、金型温度60℃で
射出成形して各種試、験片を得た。これらの各種試片を
用いて各種物性を評価した結果を表2に示す。 [0073]
を変性PPE樹脂の耐衝撃性改質剤として使用した例を
示す。 [0072] 実施例1〜5、比較例1〜8にて作製したグラフト共重
合体S−1〜S−1O8−12〜5−15を各々9.0
重量%と、クロロホルム中で測定した還元粘度(ηsp
/ C)が0.59dl/gのポリ(2,6−シメチル
ー1,4−フェニレン)エーテル43.7重量%及び荷
重5kgで200℃でのメルトインデックスが30g/
10分のポリスチレン47.3重量%とを各々配合し樹
脂組成物を調製した。これら各樹脂組成物を二軸押出機
(ウニルナ−ファウドラー社製、ZSK−30型)に各
々供給しシリンダー温度280℃で溶融混練し各々ペレ
ットを乾燥後、射出成形機(泡様製作所、5J−35型
)に供給しシリンダー温度280℃、金型温度60℃で
射出成形して各種試、験片を得た。これらの各種試片を
用いて各種物性を評価した結果を表2に示す。 [0073]
【表21
[0074]
実5験No1〜6では、グラフト共重合体の引張弾性率
が3500kg/cm2以下であり、変性PPE樹脂組
成物とした場合、優れた耐衝撃性を示す。しかし、実験
No7〜14のポリオルガノシロキサンとポリブチルア
クリレートとが複合ゴム化されていない場合は、グラフ
ト共重合体の引張弾性率が高くなっており、樹脂組成物
の耐衝撃性が悪化するか、又は、光沢が低下し不良とな
っていることがわかる。 [0075] 【発明の効果】 以上に詳述した通り、本発明の複合ゴム系グラフト共重
合体は各種樹脂に添加して層状剥離を生ずることなく、
耐衝撃性、耐熱性、機械的強度及び表面外観が優れた成
形物を与え、かつ成形性及び流動性の優れた樹脂組成物
とすることができるため、その工業的価値は極めて大で
ある。
が3500kg/cm2以下であり、変性PPE樹脂組
成物とした場合、優れた耐衝撃性を示す。しかし、実験
No7〜14のポリオルガノシロキサンとポリブチルア
クリレートとが複合ゴム化されていない場合は、グラフ
ト共重合体の引張弾性率が高くなっており、樹脂組成物
の耐衝撃性が悪化するか、又は、光沢が低下し不良とな
っていることがわかる。 [0075] 【発明の効果】 以上に詳述した通り、本発明の複合ゴム系グラフト共重
合体は各種樹脂に添加して層状剥離を生ずることなく、
耐衝撃性、耐熱性、機械的強度及び表面外観が優れた成
形物を与え、かつ成形性及び流動性の優れた樹脂組成物
とすることができるため、その工業的価値は極めて大で
ある。
Claims (1)
- 【請求項1】 1)ポリオルガノシロキサンゴム成分10〜90重量%
と、アルキル(メタ)アクリレート、ポリアルキル(メ
タ)アクリレートゴム用架橋剤及びポリアルキル(メタ
)アクリレートゴム用グラフト交叉剤を重合してなるポ
リアルキル(メタ)アクリレートゴム成分90〜10重
量%とが分離できないように相互に絡み合った構造を有
し、かつポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアルキ
ル(メタ)アクリレートゴム成分との合計量が100重
量%である平均粒子径0.08〜0.6μmの複合ゴム
に1種以上のビニル系単量体がグラフト重合されてなる
ことを特徴とする複合ゴム系グラフト共重合体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41077390A JPH0830102B2 (ja) | 1990-12-14 | 1990-12-14 | 複合ゴム系グラフト共重合体粒子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41077390A JPH0830102B2 (ja) | 1990-12-14 | 1990-12-14 | 複合ゴム系グラフト共重合体粒子 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61214871A Division JPH0611857B2 (ja) | 1986-09-11 | 1986-09-11 | ポリフエニレンエ−テル樹脂組成物 |
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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US5898051A (en) * | 1996-01-31 | 1999-04-27 | Central Glass Company, Limited | Elastic fluorohydrocarbon resin-based polymer blend with graft copolymers of rubbers |
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JP2003096142A (ja) * | 2001-09-21 | 2003-04-03 | Nippon A & L Kk | グラフト重合体の製造方法及び耐衝撃性樹脂の製造方法 |
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JP2015078308A (ja) * | 2013-10-17 | 2015-04-23 | ユーエムジー・エービーエス株式会社 | グラフト共重合体、および熱可塑性樹脂組成物 |
-
1990
- 1990-12-14 JP JP41077390A patent/JPH0830102B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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