JPH03197693A - 缶用極薄Snめっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents
缶用極薄Snめっき鋼板及びその製造方法Info
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- JPH03197693A JPH03197693A JP33613289A JP33613289A JPH03197693A JP H03197693 A JPH03197693 A JP H03197693A JP 33613289 A JP33613289 A JP 33613289A JP 33613289 A JP33613289 A JP 33613289A JP H03197693 A JPH03197693 A JP H03197693A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
この発明は、食缶など製缶に際して缶胴の継ぎ目を溶接
によってシームする缶用材で、Snめっき層が極めて薄
くても、塗装後耐食性や加工後の耐食性など缶用材とし
ての緒特性に加えて溶接性にも優れた缶用鋼板に関する
。
によってシームする缶用材で、Snめっき層が極めて薄
くても、塗装後耐食性や加工後の耐食性など缶用材とし
ての緒特性に加えて溶接性にも優れた缶用鋼板に関する
。
[従来技術]
現在、缶用材として最も大量に用いられているものにS
nめっき鋼板とティンフリースチールとがある。Snめ
っき鋼板は前世紀から用いられて来たもので、缶用材と
してのSnめっき鋼板の持つ特性は極めて優れたもので
ある。しかしながら、よく知られているように、Snは
資源的に限られたものであることから、Snめっき鋼板
開発の歴史は’X S nを節約する技術の歴史でもあ
る。
nめっき鋼板とティンフリースチールとがある。Snめ
っき鋼板は前世紀から用いられて来たもので、缶用材と
してのSnめっき鋼板の持つ特性は極めて優れたもので
ある。しかしながら、よく知られているように、Snは
資源的に限られたものであることから、Snめっき鋼板
開発の歴史は’X S nを節約する技術の歴史でもあ
る。
缶胴は、缶用材めっき鋼帯に耐食塗料を途布I、たのち
、その寸法に切断した四角形の缶用材を丸めてその両端
をシームして作られる。このシーム技術もSnめっき鋼
板のSnの節約に応じて開発され、半田付けに始まり現
在では溶接法、接着法等が実用されている。
、その寸法に切断した四角形の缶用材を丸めてその両端
をシームして作られる。このシーム技術もSnめっき鋼
板のSnの節約に応じて開発され、半田付けに始まり現
在では溶接法、接着法等が実用されている。
ティンフリースチールはCrめっき鋼板であり、全(S
nを用いないものであるが、残念ながら、有機材料を用
いた接着法によるシームしか行えず、溶接法が実用でき
ない、接着法では、接着剤に耐熱性の限界や接着時閏に
伴う生産性の低下等があり、使用上、工程上の制限を受
ける。溶接法では、継ぎ口部を重ねて銅線電極の間に挟
み、ロールによって加圧しながら電気抵抗加熱溶接を行
う、このとき、ティンフリースチールでは被膜表面に絶
縁体である酸化物が多く、溶接面同士の接触電気抵抗が
大き過ぎて高電圧を印加しなければならない。高電圧を
かけると局部的に過剰電流が流れチリと呼ばれるスプラ
ッシュが発生し良好な溶接が得られない。現在では、め
っき最表層に少量のSnを存在させることで、これが解
消されることが判り、このSnの最小量は0.05g/
m3であるといわれている。即ち、缶用極FISnめっ
き鋼板の開発では、缶用材としての耐食性や加工性等の
緒特性に加えて、溶接時に最小量のSnを残すことに力
が注がれている。
nを用いないものであるが、残念ながら、有機材料を用
いた接着法によるシームしか行えず、溶接法が実用でき
ない、接着法では、接着剤に耐熱性の限界や接着時閏に
伴う生産性の低下等があり、使用上、工程上の制限を受
ける。溶接法では、継ぎ口部を重ねて銅線電極の間に挟
み、ロールによって加圧しながら電気抵抗加熱溶接を行
う、このとき、ティンフリースチールでは被膜表面に絶
縁体である酸化物が多く、溶接面同士の接触電気抵抗が
大き過ぎて高電圧を印加しなければならない。高電圧を
かけると局部的に過剰電流が流れチリと呼ばれるスプラ
ッシュが発生し良好な溶接が得られない。現在では、め
っき最表層に少量のSnを存在させることで、これが解
消されることが判り、このSnの最小量は0.05g/
m3であるといわれている。即ち、缶用極FISnめっ
き鋼板の開発では、缶用材としての耐食性や加工性等の
緒特性に加えて、溶接時に最小量のSnを残すことに力
が注がれている。
一般には、溶接前に缶内塗料が焼き付けられ、この際に
鋼板上にめっきされたSnは拡散するFeと合金化し金
属Snの特性を失う。Snのみをめっきしその上に化成
処理を施したSnめっき鋼板では、この点を考慮しSn
を1.1g/m”まで減じたいわゆる#10ぶりきまで
が実用されている。これに対して、更にSn量を減じて
も前記した他の緒特性とともに溶接性を損なわないめっ
き被膜構成として、Sn層の下にNiやCrのめっき層
を設けることが検討されている0例えば、特開昭63−
499では、鋼板表面にCr或はCr−Niを拡散させ
、この拡散層によって塗料焼き付は時の5n−Fe合金
の生成を抑制し、Snめっき量を0.1g/m”まで節
減することが提案されている。
鋼板上にめっきされたSnは拡散するFeと合金化し金
属Snの特性を失う。Snのみをめっきしその上に化成
処理を施したSnめっき鋼板では、この点を考慮しSn
を1.1g/m”まで減じたいわゆる#10ぶりきまで
が実用されている。これに対して、更にSn量を減じて
も前記した他の緒特性とともに溶接性を損なわないめっ
き被膜構成として、Sn層の下にNiやCrのめっき層
を設けることが検討されている0例えば、特開昭63−
499では、鋼板表面にCr或はCr−Niを拡散させ
、この拡散層によって塗料焼き付は時の5n−Fe合金
の生成を抑制し、Snめっき量を0.1g/m”まで節
減することが提案されている。
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、CrとFeとの拡散層或はCrとNiと
Feとの拡散層は、5n−Fe合金の生成を抑制するこ
とはできるが2抑制度合いに限界がありSn量の半分近
くは合金化されてしまう。
Feとの拡散層は、5n−Fe合金の生成を抑制するこ
とはできるが2抑制度合いに限界がありSn量の半分近
くは合金化されてしまう。
このため、溶接性を損なうことな(Sn量を更に節減す
ることが困難であった。
ることが困難であった。
この発明はこの問題を解決するためになされたもので、
更にSn量を節約しても、溶接性その他の缶用材として
の緒特性を損なうことのない缶用極薄Snめっき鋼板の
提供を目的とするものである。
更にSn量を節約しても、溶接性その他の缶用材として
の緒特性を損なうことのない缶用極薄Snめっき鋼板の
提供を目的とするものである。
[課題を解決するための手段]
この目的を達成するための手段は、鋼板の表層がCr熱
拡散層で、その上に0.05g/ro”以上1゜Og
/ rr?以下のSnめっき層を有し、最上層にμm”
当たり10個以上の突起あるクロメート層を有する缶用
極薄Snめっき鋼板であり、好ましくはCr熱拡散層が
0.02g/+1?以上0.2g/vn2以下である缶
用極薄Snめつき鋼板であり、又、好ましくはクロメー
ト層の金属Cr量が3 、g/ m2以上3 Q +g
/ m2以下である缶用極薄Snめっき鋼板であり、並
びに、このような缶用極薄Snめっき鋼板を製造する方
法であって、次の(い)からくに)の方法である。
拡散層で、その上に0.05g/ro”以上1゜Og
/ rr?以下のSnめっき層を有し、最上層にμm”
当たり10個以上の突起あるクロメート層を有する缶用
極薄Snめっき鋼板であり、好ましくはCr熱拡散層が
0.02g/+1?以上0.2g/vn2以下である缶
用極薄Snめつき鋼板であり、又、好ましくはクロメー
ト層の金属Cr量が3 、g/ m2以上3 Q +g
/ m2以下である缶用極薄Snめっき鋼板であり、並
びに、このような缶用極薄Snめっき鋼板を製造する方
法であって、次の(い)からくに)の方法である。
くい)熱処理前の鋼板の表面にCrをめっきし、この鋼
板の熱処理時にCr熱散層を生成させ、調質圧延を行っ
た後、Snめっきを施し、更に、クロメート処理液中で
陽極電解を行った後引き続いて陰極電解を行う缶用極薄
Snめっき鋼板の製造方法。
板の熱処理時にCr熱散層を生成させ、調質圧延を行っ
た後、Snめっきを施し、更に、クロメート処理液中で
陽極電解を行った後引き続いて陰極電解を行う缶用極薄
Snめっき鋼板の製造方法。
(ろ)熱処理前の鋼板の表面にCrをめっきしその上に
Feをめっきし、この鋼板の熱処理時にCr熱散層を生
成させ、調質圧延を行った後、Snめっきを施し、更に
、クロメート処理液中で陽極電解を行った後引き続いて
陰極電解を行う缶用極薄Snめっき鋼板の製造方法。
Feをめっきし、この鋼板の熱処理時にCr熱散層を生
成させ、調質圧延を行った後、Snめっきを施し、更に
、クロメート処理液中で陽極電解を行った後引き続いて
陰極電解を行う缶用極薄Snめっき鋼板の製造方法。
(は)熱処理前の鋼板の表面にCrFe合金をめっきを
施し、この鋼板の熱処理時にCr熱散層を生成させ、調
質圧延を行った後、Snめっきを施し、更に、クロメー
ト処理液中で陽極電解を行った後引き続いて陰極電解を
行う缶用極薄Snめっき鋼板の製造方法。
施し、この鋼板の熱処理時にCr熱散層を生成させ、調
質圧延を行った後、Snめっきを施し、更に、クロメー
ト処理液中で陽極電解を行った後引き続いて陰極電解を
行う缶用極薄Snめっき鋼板の製造方法。
(に)熱処理前の鋼板の表面にCrをめっきしその上に
Cr−Fe合金をめっきし、この鋼板の熱処理時にCr
熱散層を生成させ、調質圧延を行った後、Snめっきを
施し、更に、クロメート処理液中で陽極電解を行った後
引き続いて陰極電解を行う缶用極薄Snめつき鋼板の製
造方法。
Cr−Fe合金をめっきし、この鋼板の熱処理時にCr
熱散層を生成させ、調質圧延を行った後、Snめっきを
施し、更に、クロメート処理液中で陽極電解を行った後
引き続いて陰極電解を行う缶用極薄Snめつき鋼板の製
造方法。
[作用]
鋼素地とSnめっき層との間に、Crめつき層やCr熱
拡散層が存在すると、めっき鋼板に耐食性を与えると共
に塗装焼き付は時の5n−Fe合金化を抑制することは
、よく知れている。これらの作用に加えて、この熱拡散
層が存在すると、加工後も良好な耐食性を保つことが出
来る。厳しい加工を受けるとめっき被膜に亀裂が生じ、
拡散していないCrめっき層では、この亀裂の下では鋼
素地が露出してしまうが、熱拡散層では深部にまでCr
が拡散しており、層の上部に亀裂が生じても亀裂の下に
は未だCrが存在して鋼の露出を防ぐ、このため、製缶
時の巻き締め加工や絞り加工の後も被膜の連続性を保ち
耐食効果を維持する。
拡散層が存在すると、めっき鋼板に耐食性を与えると共
に塗装焼き付は時の5n−Fe合金化を抑制することは
、よく知れている。これらの作用に加えて、この熱拡散
層が存在すると、加工後も良好な耐食性を保つことが出
来る。厳しい加工を受けるとめっき被膜に亀裂が生じ、
拡散していないCrめっき層では、この亀裂の下では鋼
素地が露出してしまうが、熱拡散層では深部にまでCr
が拡散しており、層の上部に亀裂が生じても亀裂の下に
は未だCrが存在して鋼の露出を防ぐ、このため、製缶
時の巻き締め加工や絞り加工の後も被膜の連続性を保ち
耐食効果を維持する。
Snめつき層は、シーム溶接の際はSn特有の軟らかさ
と低い融点のために電気抵抗加熱溶接時の接触抵抗を減
じて良好な溶接を可能にする、又、缶内容物充填後は耐
食被膜として機能する。
と低い融点のために電気抵抗加熱溶接時の接触抵抗を減
じて良好な溶接を可能にする、又、缶内容物充填後は耐
食被膜として機能する。
Snめっき量は溶接性を確保するだけは必要であり、こ
の必要Sn量を確保するために、Cr熱拡散層の合金化
抑制作用を利用する。しかし、このCr熱拡散層があっ
ても、缶用途料の焼き付は時にSnとFeとの拡散を十
分に防ぐことは困難である。第1表は、Cr熱拡散層と
5n−Fe拡散の関係を示すもので、Crめつき量を変
えて熱拡散層を形成し、その上にSnをめっきし、これ
を205°Cに10分間保って空焼きした後、合金化せ
ずに残っている金属錫の量を測定した結果である。
の必要Sn量を確保するために、Cr熱拡散層の合金化
抑制作用を利用する。しかし、このCr熱拡散層があっ
ても、缶用途料の焼き付は時にSnとFeとの拡散を十
分に防ぐことは困難である。第1表は、Cr熱拡散層と
5n−Fe拡散の関係を示すもので、Crめつき量を変
えて熱拡散層を形成し、その上にSnをめっきし、これ
を205°Cに10分間保って空焼きした後、合金化せ
ずに残っている金属錫の量を測定した結果である。
第1表
Cr熱拡散層の合金化抑制効果は明瞭である。
この効果はCr量が0.01g/m”でも十分に現れる
が、実用上加工条件のバラツキを考慮すると、巻き締め
加工後の耐食性を確実に維持するためには、0.02g
/m2以上のCr量が望ましい、又、耐食性に関しては
この熱拡散層は厚いほど良いが、この層の硬度は鋼やN
iに較べて高く、余りに厚すぎると溶接面を接触させた
とき柔軟性を欠き、溶接性にとって好ましくない。
が、実用上加工条件のバラツキを考慮すると、巻き締め
加工後の耐食性を確実に維持するためには、0.02g
/m2以上のCr量が望ましい、又、耐食性に関しては
この熱拡散層は厚いほど良いが、この層の硬度は鋼やN
iに較べて高く、余りに厚すぎると溶接面を接触させた
とき柔軟性を欠き、溶接性にとって好ましくない。
更に、0.2g/m”を超えて厚くしてもその効き方は
緩慢となるので、経済性を勘案すると、その量は0.2
g/m”以下であることが望ましい。
緩慢となるので、経済性を勘案すると、その量は0.2
g/m”以下であることが望ましい。
しかしながら、このようなCr熱拡散層があっても、3
0〜40%のSnは空焼きにより合金化されてしまう。
0〜40%のSnは空焼きにより合金化されてしまう。
Sn量を節減していくと、この合金化量は無視できなく
なり、特に、Snめっき量が0.1g/m”以下ともな
ると、Sn残量が溶接に必要であると言われている量即
ち0.05g/m1未満となるおそれもある。しかし、
この溶接に必要なSn量は、クロメート層の存在を前提
とする量であり、クロメート層を工夫することによって
更に低減することが可能である0缶用材では缶の内容物
に対応して塗装を施すことによって耐食性を確保するが
、これら塗料の付着性や塗膜下耐食性を確保するため、
クロメート層は欠かせないものとなっている。クロメー
ト層は金属Crとこれを覆うCrの酸化物或いは水酸化
物からなるが、酸化物或いは水酸化物は金属に較べ電気
抵抗の大きい絶縁材であり、又、酸化物は極めて硬くし
かも両者とも融点は極めて高く、これらが溶接面の接触
電気抵抗を大きくしている。このような、クロメート層
が一般にはCr換算で5〜30mg/m”存在し、溶接
時にこの存在を補う量として50 tsg/m2のSn
量が必要となる。しかしながら、μ♂当たり10個以上
の突起あるクロメート層であると、溶接時に圧下刃がか
かり、この突起の先端に局部的に大きな力を受けたとき
、この部分の酸化物或いは水酸化物の膜は破壊され、金
属Crが露出してくる。金属Cr同士が接触すれば、電
気抵抗は10−12倍以下にも下がるので、溶接面の接
触抵抗は低下する。又、突起部分と平坦部分の受ける応
力差は非常に大きいので、この間に亀裂が生じ易く金属
同士の接触機会が更に増加する。この効果は、下層がS
nめっき層のようにクロメート層より軟らかい場合、特
に諷著である。これらの作用が相まって接触抵抗は著し
く低下するので、Sn量は溶接時に0.02g/m2以
上あれば容易に溶接することが出来、そのためには、0
.05g/m2以上のめっき量でよい、Sn量は多い程
溶接性が向上することは当然であるが、増量の効果は徐
々に小さくなるので、Sn節約の観点からも、1.0g
/m”を上限とすることが妥当である。
なり、特に、Snめっき量が0.1g/m”以下ともな
ると、Sn残量が溶接に必要であると言われている量即
ち0.05g/m1未満となるおそれもある。しかし、
この溶接に必要なSn量は、クロメート層の存在を前提
とする量であり、クロメート層を工夫することによって
更に低減することが可能である0缶用材では缶の内容物
に対応して塗装を施すことによって耐食性を確保するが
、これら塗料の付着性や塗膜下耐食性を確保するため、
クロメート層は欠かせないものとなっている。クロメー
ト層は金属Crとこれを覆うCrの酸化物或いは水酸化
物からなるが、酸化物或いは水酸化物は金属に較べ電気
抵抗の大きい絶縁材であり、又、酸化物は極めて硬くし
かも両者とも融点は極めて高く、これらが溶接面の接触
電気抵抗を大きくしている。このような、クロメート層
が一般にはCr換算で5〜30mg/m”存在し、溶接
時にこの存在を補う量として50 tsg/m2のSn
量が必要となる。しかしながら、μ♂当たり10個以上
の突起あるクロメート層であると、溶接時に圧下刃がか
かり、この突起の先端に局部的に大きな力を受けたとき
、この部分の酸化物或いは水酸化物の膜は破壊され、金
属Crが露出してくる。金属Cr同士が接触すれば、電
気抵抗は10−12倍以下にも下がるので、溶接面の接
触抵抗は低下する。又、突起部分と平坦部分の受ける応
力差は非常に大きいので、この間に亀裂が生じ易く金属
同士の接触機会が更に増加する。この効果は、下層がS
nめっき層のようにクロメート層より軟らかい場合、特
に諷著である。これらの作用が相まって接触抵抗は著し
く低下するので、Sn量は溶接時に0.02g/m2以
上あれば容易に溶接することが出来、そのためには、0
.05g/m2以上のめっき量でよい、Sn量は多い程
溶接性が向上することは当然であるが、増量の効果は徐
々に小さくなるので、Sn節約の観点からも、1.0g
/m”を上限とすることが妥当である。
クロメート層の突起の数は多いほど接触抵抗が滅じ、μ
m1当たり10個以上存在すると確実にその効果が得ら
れる。第1図は、Cr熱拡散の上に0.05g/m”の
Snをめっきし、後に述べる方法で突起の形成されるク
ロメート処理を施した試料について、突起数と接触抵抗
値との関係を表わしたものである。縦軸は接触抵抗値、
横軸は突起数で数の平方根の間隔で目盛りある。応力勾
配は突起間の距離に反比例し応力差の生じる箇所は突起
数に比例すると考えられる1図は、突起数が少ないと接
触抵抗値が大きくなってくること、又、突起数が10個
/μm2以上では接触抵抗値は非常に小さいことを示し
ている。このように接触抵抗を低下させる突起を作るた
めにクロメート層は金属Cr量で3 mg/ m”以上
存在することが望ましい、金属Cr量が少なくl■g/
m2程度では、突起形成ばかりでなく塗膜下耐食性を維
持することも困難である。又、30醜g/m2を超えた
場合でも突起は形成されるが、酸化物等が増えることの
負の効果を考慮すると30 yag/ m”を超えない
ことが望ましい。
m1当たり10個以上存在すると確実にその効果が得ら
れる。第1図は、Cr熱拡散の上に0.05g/m”の
Snをめっきし、後に述べる方法で突起の形成されるク
ロメート処理を施した試料について、突起数と接触抵抗
値との関係を表わしたものである。縦軸は接触抵抗値、
横軸は突起数で数の平方根の間隔で目盛りある。応力勾
配は突起間の距離に反比例し応力差の生じる箇所は突起
数に比例すると考えられる1図は、突起数が少ないと接
触抵抗値が大きくなってくること、又、突起数が10個
/μm2以上では接触抵抗値は非常に小さいことを示し
ている。このように接触抵抗を低下させる突起を作るた
めにクロメート層は金属Cr量で3 mg/ m”以上
存在することが望ましい、金属Cr量が少なくl■g/
m2程度では、突起形成ばかりでなく塗膜下耐食性を維
持することも困難である。又、30醜g/m2を超えた
場合でも突起は形成されるが、酸化物等が増えることの
負の効果を考慮すると30 yag/ m”を超えない
ことが望ましい。
上記の缶用極薄Snめっき鋼板を製造するためには、先
ず、Cr熱拡散層を形成する必要がある。これには、熱
処理前の鋼板の表面にCrを付着させておくと、この鋼
板を熱処理するときに、Crが熱拡散される。この方法
は、−mに行われているように、熱処理及び調質圧延を
施され機械的性質の調整された鋼板にめっきを施すより
も、工程が少なく且つ省エネルギー的であり、又、鋼板
は二度目の処理による材質への影響を受けないで済む、
熱処理が冷間圧延後に行う焼鈍処理の場合、缶用鋼板で
は一般に700℃付近に加熱され、又、過時効処理では
500℃前後に加熱される。何れの処理でも、Cr熱拡
散層が十分に形成されるので、どちらの熱処理を利用し
てもよい。
ず、Cr熱拡散層を形成する必要がある。これには、熱
処理前の鋼板の表面にCrを付着させておくと、この鋼
板を熱処理するときに、Crが熱拡散される。この方法
は、−mに行われているように、熱処理及び調質圧延を
施され機械的性質の調整された鋼板にめっきを施すより
も、工程が少なく且つ省エネルギー的であり、又、鋼板
は二度目の処理による材質への影響を受けないで済む、
熱処理が冷間圧延後に行う焼鈍処理の場合、缶用鋼板で
は一般に700℃付近に加熱され、又、過時効処理では
500℃前後に加熱される。何れの処理でも、Cr熱拡
散層が十分に形成されるので、どちらの熱処理を利用し
てもよい。
Crを鋼板に付着させる方法はここに述べる以外に何通
りもある。Crをめっきするのが最も簡単な方法である
が、拡散層の上層でCr濃度が高くなり、後に行うSn
めっきで付着効率が低下する傾向がある。これは、Cr
の酸素親和性に因し、濃度が高いと酸化物や水酸化物が
生成し易く、Snめっき中に還元電流が消費されるため
と考えられる。Crをめっきしその上にFeをめっきす
ると、工程は増えるが、熱拡散層の中層でCr濃度が最
も高く上層では稀釈されているので、Snめっきの付着
効率の向上に寄与し、又、亀裂の先端のCr濃度も確保
される。Cr−Feの合金めっきを施すと、熱処理温度
が低かったり或いは熱処理時間が短くても十分に拡散が
行われ、拡散層内のCr濃度も比較的一定である。Cr
をめっきしその上にCr −Fe合金をめっきすると、
Crめっきの上にFeをめっきした場合よりも拡散層内
のCr濃度勾配は緩和する。このようなCrの付着方法
は、用途や鋼板の厚さ、熱処理条件等によって選択され
るが、何れの方法で付着させても前記した加工後耐食性
に優れたCr熱拡散層が得られる。
りもある。Crをめっきするのが最も簡単な方法である
が、拡散層の上層でCr濃度が高くなり、後に行うSn
めっきで付着効率が低下する傾向がある。これは、Cr
の酸素親和性に因し、濃度が高いと酸化物や水酸化物が
生成し易く、Snめっき中に還元電流が消費されるため
と考えられる。Crをめっきしその上にFeをめっきす
ると、工程は増えるが、熱拡散層の中層でCr濃度が最
も高く上層では稀釈されているので、Snめっきの付着
効率の向上に寄与し、又、亀裂の先端のCr濃度も確保
される。Cr−Feの合金めっきを施すと、熱処理温度
が低かったり或いは熱処理時間が短くても十分に拡散が
行われ、拡散層内のCr濃度も比較的一定である。Cr
をめっきしその上にCr −Fe合金をめっきすると、
Crめっきの上にFeをめっきした場合よりも拡散層内
のCr濃度勾配は緩和する。このようなCrの付着方法
は、用途や鋼板の厚さ、熱処理条件等によって選択され
るが、何れの方法で付着させても前記した加工後耐食性
に優れたCr熱拡散層が得られる。
クロメート処理液中で陽極電解を短時間行った後引き続
いて陰極電解を行うと、微細な突起が無数にできる。ク
ロメート処理液は周知のクロム酸或いは重クロム酸系の
ものでよい、短時間の陽極電解によって処理面を不均質
状態にし、その後陰極電解を行うことによってCrの不
均一析出を起こさせるものであり、陽極酸化の時間は極
く短くてよく0.5秒に至らなくても十分に効果が得ら
れる。
いて陰極電解を行うと、微細な突起が無数にできる。ク
ロメート処理液は周知のクロム酸或いは重クロム酸系の
ものでよい、短時間の陽極電解によって処理面を不均質
状態にし、その後陰極電解を行うことによってCrの不
均一析出を起こさせるものであり、陽極酸化の時間は極
く短くてよく0.5秒に至らなくても十分に効果が得ら
れる。
[実施例]
冷延鋼板の表面にCr及びNiを付着してから熱処理を
施し、伸張率2%の調質圧延を行った後、Snをめっき
し、これにクロメート処理液中で陽極処理に引き続いて
陰極処理を施した。これらの試験片について、耐食性、
塗料付着性、溶接性を調べた。試験は、この発明の範囲
外の比較例及び従来の技術による従来例とについても行
い、これらを比較した。なお、従来例では実施例と同様
にCr−Niめっき、熱処理及びSnめっきを施し、又
、熱拡散層がCr−Ni熱拡散層の場合も含めたが、ク
ロメート処理では陽極電解を行わず陰極電解処理のみを
施した。
施し、伸張率2%の調質圧延を行った後、Snをめっき
し、これにクロメート処理液中で陽極処理に引き続いて
陰極処理を施した。これらの試験片について、耐食性、
塗料付着性、溶接性を調べた。試験は、この発明の範囲
外の比較例及び従来の技術による従来例とについても行
い、これらを比較した。なお、従来例では実施例と同様
にCr−Niめっき、熱処理及びSnめっきを施し、又
、熱拡散層がCr−Ni熱拡散層の場合も含めたが、ク
ロメート処理では陽極電解を行わず陰極電解処理のみを
施した。
試験片作製゛の処理条件は次のようであった。
Crめっき:
Cr O3200g / 1
(N H4)F 3 g / 41浴温
50℃ を流密度 40 A / d m”Cr Fe
合金めつき: CrO3200g/J F e Cl 2 150 g / j!浴温
50℃ pH1,7 電流密度 40 A / d m”Snめつき
: Sn” 30g/lフェノールスI
レフオン酸 70g/J光沢剤 5
g/l 浴温 50℃ 電流密度 20 A / d m”クロ
メート処理A: Cr Os 50 g / 4
1(NH4)F 1g/ρ浴温
40℃ 陰極処理電流密度 20〜50A 陽極処理電流密度 5〜30A 陽極処理時間 0.3〜0.4秒 りロメート処理B: Na2 Crz 07 50 g/ Jl
pH5,5 浴温 40℃ 陰極処理電流密度 5〜IOA 陽極処理電流密度 5〜30A 陽極処理時間 0.3〜0.4秒 耐食性試験としては、加工後耐食性、塗膜下耐食性、鉄
溶出試験を行ない、塗料付着性試験としてTビール試験
を、溶接性は接触電気抵抗を調べた。
50℃ を流密度 40 A / d m”Cr Fe
合金めつき: CrO3200g/J F e Cl 2 150 g / j!浴温
50℃ pH1,7 電流密度 40 A / d m”Snめつき
: Sn” 30g/lフェノールスI
レフオン酸 70g/J光沢剤 5
g/l 浴温 50℃ 電流密度 20 A / d m”クロ
メート処理A: Cr Os 50 g / 4
1(NH4)F 1g/ρ浴温
40℃ 陰極処理電流密度 20〜50A 陽極処理電流密度 5〜30A 陽極処理時間 0.3〜0.4秒 りロメート処理B: Na2 Crz 07 50 g/ Jl
pH5,5 浴温 40℃ 陰極処理電流密度 5〜IOA 陽極処理電流密度 5〜30A 陽極処理時間 0.3〜0.4秒 耐食性試験としては、加工後耐食性、塗膜下耐食性、鉄
溶出試験を行ない、塗料付着性試験としてTビール試験
を、溶接性は接触電気抵抗を調べた。
加工後耐食性は、製缶時の巻き締め加工後の耐食性を調
べるもので、試験片を二つに折り曲げ、これを食塩1.
5%、クエン酸1.5%を含む水溶液に38℃で96時
間浸漬した後、鉄の発錆を調べた。二つに折り曲げると
き、その間にスペーサーを全く挿まないいわゆる密着折
り曲げをOT、試験片と同じ厚さの板を挿んだ場合のI
T、以下5Tまでの折り曲げ方により、どの折り曲げ方
まで発錆がなっかすたかによりT値で判定する。ここで
は、試料30枚について試験し、全てがITより良かっ
た場合を012Tが混じた場合を△、3Tが混じた場合
を×で評価した。
べるもので、試験片を二つに折り曲げ、これを食塩1.
5%、クエン酸1.5%を含む水溶液に38℃で96時
間浸漬した後、鉄の発錆を調べた。二つに折り曲げると
き、その間にスペーサーを全く挿まないいわゆる密着折
り曲げをOT、試験片と同じ厚さの板を挿んだ場合のI
T、以下5Tまでの折り曲げ方により、どの折り曲げ方
まで発錆がなっかすたかによりT値で判定する。ここで
は、試料30枚について試験し、全てがITより良かっ
た場合を012Tが混じた場合を△、3Tが混じた場合
を×で評価した。
鉄溶出試験は、果実やジュースなどの缶内容物による腐
食の耐性を調べるもので、供試材にエポキシ系缶内塗料
を20μm塗り、205℃で10分間焼き付けた後、ク
エン酸1.5%と食塩1.5%含む水溶液に、38℃で
96時間浸漬し、この浸漬液に溶出した鉄の量を測定し
な。
食の耐性を調べるもので、供試材にエポキシ系缶内塗料
を20μm塗り、205℃で10分間焼き付けた後、ク
エン酸1.5%と食塩1.5%含む水溶液に、38℃で
96時間浸漬し、この浸漬液に溶出した鉄の量を測定し
な。
塗膜下耐食性試験としては、UCC試験とブリスター試
験とを行い、再試験のうち悪い方の結果で塗膜下耐食性
を評価した。UCC試駿では、鉄溶出試験と同様に缶内
塗料を焼き付けたのち、塗膜にナイフで十字に下地に達
する傷を付け、これを鉄溶出試験と同じ条件で浸漬した
後、傷の周囲の劣化状況を観察した。劣化の状況は、塗
膜めくれ状況、素地の腐食状況を目視観察し、腐食が認
められない状態をO1腐食が若干認められるが実用に耐
える状態をΔ、−見して腐食が認められ状態をXで評価
しな。
験とを行い、再試験のうち悪い方の結果で塗膜下耐食性
を評価した。UCC試駿では、鉄溶出試験と同様に缶内
塗料を焼き付けたのち、塗膜にナイフで十字に下地に達
する傷を付け、これを鉄溶出試験と同じ条件で浸漬した
後、傷の周囲の劣化状況を観察した。劣化の状況は、塗
膜めくれ状況、素地の腐食状況を目視観察し、腐食が認
められない状態をO1腐食が若干認められるが実用に耐
える状態をΔ、−見して腐食が認められ状態をXで評価
しな。
ブリスターでは、鉄溶出試験と同様に缶内塗膜を焼き付
けた試片を、先ず、0.1%食塩中で120℃に加温し
、2kg/C11lの加圧下に1.5時間曝す、この後
頁に、0.1%の食塩水に38℃で96時間浸漬し、塗
膜の劣化状況を観察する。
けた試片を、先ず、0.1%食塩中で120℃に加温し
、2kg/C11lの加圧下に1.5時間曝す、この後
頁に、0.1%の食塩水に38℃で96時間浸漬し、塗
膜の劣化状況を観察する。
観察は、塗膜にふくれの発生している部分の面積が全体
に占める率を判定する。率が5%未満を015〜20%
をΔ、20%を超えた場合を×で評価した。
に占める率を判定する。率が5%未満を015〜20%
をΔ、20%を超えた場合を×で評価した。
Tビール試験では、缶用のエポキシフェノール樹脂を5
01g/m”塗布し、205℃で10分間焼き付けた後
、51幅の試験片となし、この試験片2枚の塗装面をナ
イロンフィルムを接着媒体として熱圧着した後、20龍
/分の速度で引き剥がし、塗膜の付着強度を測定した。
01g/m”塗布し、205℃で10分間焼き付けた後
、51幅の試験片となし、この試験片2枚の塗装面をナ
イロンフィルムを接着媒体として熱圧着した後、20龍
/分の速度で引き剥がし、塗膜の付着強度を測定した。
溶接性は同種の材料同士の接触電気抵抗を測定すること
で評価した。試験片を二枚重ねて直径5龍の銅電極間に
挿み込み、4000 kg/−の圧力下で通電し、この
ときの通電電流と試験片間の電位差とから接触抵抗を求
めた。
で評価した。試験片を二枚重ねて直径5龍の銅電極間に
挿み込み、4000 kg/−の圧力下で通電し、この
ときの通電電流と試験片間の電位差とから接触抵抗を求
めた。
なお、Cr熱拡散層の形成については、試験点1.2で
はCrめっきを施して700℃で20秒間の熱9JS理
を行い、試@鬼3.4.10及びIXではCr−Fe合
金めっきを施して530℃で1時間の熱処理を行い、試
験点5.6.12及び13ではCrをめっきした後Fe
めっきを施して670℃で50秒間の熱処理を行い、並
びに、試験点7.8.9ではCrをめっきした後CrF
e合金めっきを施して430℃で10時間の熱処理を行
った。又、クロメート処理は試験NIL 1〜5.10
及び11についてはクロメート処理への条件で、試@隘
6〜9.12及び13についてはクロメート処理Bの条
件で行い、試$No、14〜16についてはクロメート
処FIAの陰極処理条件で行った。
はCrめっきを施して700℃で20秒間の熱9JS理
を行い、試@鬼3.4.10及びIXではCr−Fe合
金めっきを施して530℃で1時間の熱処理を行い、試
験点5.6.12及び13ではCrをめっきした後Fe
めっきを施して670℃で50秒間の熱処理を行い、並
びに、試験点7.8.9ではCrをめっきした後CrF
e合金めっきを施して430℃で10時間の熱処理を行
った。又、クロメート処理は試験NIL 1〜5.10
及び11についてはクロメート処理への条件で、試@隘
6〜9.12及び13についてはクロメート処理Bの条
件で行い、試$No、14〜16についてはクロメート
処FIAの陰極処理条件で行った。
なお、突起数については、20万倍の走査型電子顕微鏡
を用いて、−枚の試験片につき10箇所を測定しその平
均値を求めた。
を用いて、−枚の試験片につき10箇所を測定しその平
均値を求めた。
供試材及び試験の結果を第2表に示す。
実施例では、Crの付着量が少なく且つSnめっき量も
下限である試験Na 6が、他の実施例に較べると、鉄
溶出量と接触抵抗がやや大きい。又、クロメート層中の
金属Cr量が少ない試@N&9で接触抵抗がやや大きい
が、これらを含めて全項目で満足な結果が得られた。
下限である試験Na 6が、他の実施例に較べると、鉄
溶出量と接触抵抗がやや大きい。又、クロメート層中の
金属Cr量が少ない試@N&9で接触抵抗がやや大きい
が、これらを含めて全項目で満足な結果が得られた。
これに対して、比較例では、Snめっき量の少ない試験
NLIO及びCrめっき量の少ない試験隘11ではTピ
ール試験以外の項目で劣り、Crめっき量が極端に多い
試験隘12では、接触抵抗がやや多い、又、クロメート
層中の金属Crが少なく突起数の少ない試験N1L13
では、塗膜の付着性が悪く塗膜上耐食性に劣り、溶接性
については、クロメート層が薄く、これが突起数の少な
さを補っている。陽極電解を行わなかった試験磁13で
は、突起数が少なく溶接性に劣る。
NLIO及びCrめっき量の少ない試験隘11ではTピ
ール試験以外の項目で劣り、Crめっき量が極端に多い
試験隘12では、接触抵抗がやや多い、又、クロメート
層中の金属Crが少なく突起数の少ない試験N1L13
では、塗膜の付着性が悪く塗膜上耐食性に劣り、溶接性
については、クロメート層が薄く、これが突起数の少な
さを補っている。陽極電解を行わなかった試験磁13で
は、突起数が少なく溶接性に劣る。
従来例では、熱拡散層がCrであっても、Cr・Niで
あっても、陽極電解を行っていないので、溶接性に劣る
。
あっても、陽極電解を行っていないので、溶接性に劣る
。
[発明の効果]
以上のように、この発明によればCr熱拡散層の上にS
nめっき層が存在し、その上を多数の突起を持つクロメ
ート層が覆う被膜構造となっている。このため、Snが
大幅に節減されているにもかかわらず、溶接性を始め缶
用鋼板としての諸特性を満たすことができた。このよう
に、性能に優れ且つ省資源を実現したこの発明の効果は
大きいと言わざるを得ない。
nめっき層が存在し、その上を多数の突起を持つクロメ
ート層が覆う被膜構造となっている。このため、Snが
大幅に節減されているにもかかわらず、溶接性を始め缶
用鋼板としての諸特性を満たすことができた。このよう
に、性能に優れ且つ省資源を実現したこの発明の効果は
大きいと言わざるを得ない。
第1図はこの発明の詳細な説明するための突起数と接触
抵抗との関係を示す図である。
抵抗との関係を示す図である。
Claims (7)
- (1)鋼板の表層がCr熱拡散層であって、その上に0
.05g/m^2以上1.0g/m^2以下のSnめっ
き層を有し、最上層にμm^2当たり10個以上突起の
あるクロメート層を有することを特徴とする缶用極薄S
nめっき鋼板。 - (2)Cr熱拡散層中のCr量が片面当たり0.02g
/m^2以上0.2g/m^2以下である請求項1記載
の缶用極薄Snめつき鋼板。 - (3)クロメート層の金属Cr量が3mg/m^2以上
30mg/m^2以下である請求項1又は2記載の缶用
極薄Snめっき鋼板。 - (4)熱処理前の鋼板の表面にCrめっきを施し、この
鋼板の熱処理時にCr熱散層を生成し、調質圧延を行っ
た後、Snめっきを施し、更に、クロメート処理液中で
陽極電解を行った後引き続いて陰極電解を行うことを特
徴とする缶用極薄Snめっき鋼板の製造方法。 - (5)熱処理前の鋼板の表面にCrをめつきしその上に
Feめっきを施し、この鋼板の熱処理時にCr熱散層を
生成させ、調質圧延を行った後、Snめっきを施し、更
に、クロメート処理液中で陽極電解を行った後引き続い
て陰極電解を行うことを特徴とする缶用極薄Snめっき
鋼板の製造方法。 - (6)熱処理前の鋼板の表面にCr・Fe合金をめつき
を施し、この鋼板の熱処理時にCr熱散層を生成させ、
調質圧延を行った後、Snめっきを施し、更に、クロメ
ート処理液中で陽極電解を行つた後引き続いて陰極電解
を行うことを特徴とする缶用極薄Snめっき鋼板の製造
方法。 - (7)熱処理前の鋼板の表面にCrをめっきしその上に
Cr・Fe合金をめつきし、この鋼板の熱処理時にCr
熱散層を生成させ、調質圧延を行った後、Snめっきを
施し、更に、クロメート処理液中で陽極電解を行った後
引き続いて陰極電解を行うことを特徴とする缶用極薄S
nめっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1336132A JP2522074B2 (ja) | 1989-12-25 | 1989-12-25 | 缶用極薄Snめっき鋼板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1336132A JP2522074B2 (ja) | 1989-12-25 | 1989-12-25 | 缶用極薄Snめっき鋼板及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03197693A true JPH03197693A (ja) | 1991-08-29 |
JP2522074B2 JP2522074B2 (ja) | 1996-08-07 |
Family
ID=18296029
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1336132A Expired - Lifetime JP2522074B2 (ja) | 1989-12-25 | 1989-12-25 | 缶用極薄Snめっき鋼板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2522074B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8557397B2 (en) * | 2011-12-29 | 2013-10-15 | Arcanum Alloy Design Inc. | Metallurgically bonded stainless steel |
US8628861B2 (en) * | 2011-12-29 | 2014-01-14 | Arcanum Alloy Design Inc. | Metallurgically bonded stainless steel |
US8790790B2 (en) * | 2011-12-29 | 2014-07-29 | Arcanum Alloy Design, Inc. | Metallurgically bonded stainless steel |
US10876198B2 (en) | 2015-02-10 | 2020-12-29 | Arcanum Alloys, Inc. | Methods and systems for slurry coating |
US11261516B2 (en) | 2016-05-20 | 2022-03-01 | Public Joint Stock Company “Severstal” | Methods and systems for coating a steel substrate |
Citations (4)
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---|---|---|---|---|
JPS6033362A (ja) * | 1983-08-01 | 1985-02-20 | Nippon Steel Corp | 溶接性にすぐれた缶・容器用鋼板の製造法 |
JPS62103390A (ja) * | 1985-10-31 | 1987-05-13 | Nippon Steel Corp | 製缶用薄Snメツキ鋼板及びその製造方法 |
JPS62274091A (ja) * | 1986-05-22 | 1987-11-28 | Nippon Kokan Kk <Nkk> | 溶接缶用薄錫鍍金鋼板 |
JPS63499A (ja) * | 1986-06-20 | 1988-01-05 | Nippon Steel Corp | 容器用表面処理鋼板 |
-
1989
- 1989-12-25 JP JP1336132A patent/JP2522074B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8557397B2 (en) * | 2011-12-29 | 2013-10-15 | Arcanum Alloy Design Inc. | Metallurgically bonded stainless steel |
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US11261516B2 (en) | 2016-05-20 | 2022-03-01 | Public Joint Stock Company “Severstal” | Methods and systems for coating a steel substrate |
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---|---|
JP2522074B2 (ja) | 1996-08-07 |
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