JPH027361B2 - - Google Patents
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- JPH027361B2 JPH027361B2 JP57007565A JP756582A JPH027361B2 JP H027361 B2 JPH027361 B2 JP H027361B2 JP 57007565 A JP57007565 A JP 57007565A JP 756582 A JP756582 A JP 756582A JP H027361 B2 JPH027361 B2 JP H027361B2
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- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F9/00—Making metallic powder or suspensions thereof
- B22F9/16—Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes
- B22F9/18—Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes with reduction of metal compounds
- B22F9/20—Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes with reduction of metal compounds starting from solid metal compounds
- B22F9/22—Making metallic powder or suspensions thereof using chemical processes with reduction of metal compounds starting from solid metal compounds using gaseous reductors
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Description
本発明は、磁気テープ等の磁気記録材料として
使用される鉄又は鉄を主成分とする磁性金属粉末
(以下磁性鉄粉末と称する)の製造法に関するも
のである。 更に詳しくは、鉄又は鉄を主成分とするα−オ
キシ水酸化物(以下α−オキシ水酸化鉄と称す
る)を加熱、脱水、還元する磁性鉄粉末の製造法
において、好適な針状形態をもつ磁気特性の優れ
た磁性鉄粉末を得る方法に関するものである。 従来、磁性記録材料として主に針状の磁性酸化
鉄(γ−Fe2O3)が用いられているが、近年磁気
記録材器の発展とともに、磁気記録の高密度化が
求められ、高抗磁力、高磁束密度の磁性粉末が要
望されている。この要望を満す磁性粉末として、
針状の磁性鉄粉末が知られている。 磁性鉄粉末の製造法は、種々提案されている
が、最も一般的な方法は、針状のα−オキシ水酸
化鉄を加熱、脱水、還元する方法である。 磁気テープ等に用いられる磁性粉末は、その粒
子形状、粒度分布、大きさが重要である。すなわ
ち、一般により微細で、かつ軸比(長径/巾)が
大きいほど磁気特性は向上するが、一方微細なほ
ど、塗料化の際の分散性が悪くなり、テープ等で
用いる場合、本来の特性を生かせないばかりでな
く、分散コストの上昇をもたらすことにもなる。 したがつて、α−オキシ水酸化鉄を加熱、脱
水、還元する磁性鉄粉末の製造法において、留意
すべき重要な要件は、(1)この方法では、得られる
磁性鉄粉末の粒子形状が、α−オキシ水酸化鉄の
粒子形状を継承するため、原料α−オキシ水酸化
鉄は粒度が均一で、軸比が大きくかつ、適当な大
きさの粒子でなければならない。(2)加熱、脱水、
還元の際の、粒子形状のくずれ、焼結を防止しな
ければならない。の2点である。 本発明の目的は、この2つの要件を満すα−オ
キシ水酸化鉄の処理及び磁性特性の優れた磁性鉄
粉末の製造法の提供にある。 針状のα−オキシ水酸化鉄は、通常、硫酸第一
鉄等の第一鉄塩水溶液にアルカリを加え、生成し
た水酸化第一鉄を酸化する方法で製造されてい
る。 この方法において、α−オキシ水酸化鉄の粒子
形状、大きさを調整するるための提案が数多くな
されている。 例えば、水酸化第一鉄を生成するに必要なアル
カリ量よりはるかに多量のアルカリを用いて、強
アルカリ性で水酸化第一鉄を酸化する方法(特公
昭39−5610号公報、特公昭55−23215号公報など)
アルカリの添加速度(反応時のPH)酸化速度を規
定する方法(特公昭48−22915号公報、特公昭55
−3295号公報など)水酸化第一鉄の沈殿を不活性
ガス中で撹拌熟成したのち酸化する方法(特公昭
52−21720号公報)などがあげられる。 しかしながら、この反応は難溶性の水酸化第一
鉄を酸化し、極めて難溶性のα−オキシ水酸化鉄
を生成するものであり、均一な酸化反応状態の維
持、結晶成長コントロールが難かしく、粒度分布
が広がりやすく、又枝分れの多い粒子が生成し易
い事は周知であり、製造条件の改良等では、おの
ずから限界がある。 また、近年水酸化第二鉄を加熱熟成しα−オキ
シ水酸化鉄を得る方法が提案されているが、この
方法においては、粒状のα−酸化第二鉄が副生す
る傾向があり、粒度が均一で軸比の大きな針状α
−オキシ水酸化鉄を得るのは困難である。 このように、いづれの方法においても粒度が均
一で、軸比が大きく、かつ適当な粒子サイズのα
−オキシ水酸化鉄を得る事が困難な状況にある。 α−オキシ水酸化鉄を加熱、脱水、還元する際
の粒子形状のくずれ、焼結を防止する方法として
は、種々の添加剤、例えばSi、Al、Mg、Bi、
Ag、Cr、Ti等の化合物で、粒子表面を被覆する
方法が数多く提案されている。 例えば、ケイ素化合物による処理(特開昭48−
83100号公報、特開昭52−30758号公報など)、ビ
スマスあるいはビスマスとケイ素化合物による処
理(特公昭51−5608号公報、特公昭52−19541号
公報など)、銀化合物による処理(特公昭49−
7313号公報)、チタン化合物による処理(特公昭
53−30114号公報)、アルミニウム化合物による処
理(特公昭56−28967号公報)などがあげられる。 これらの方法は、α−オキシ水酸化鉄をSi、
Al等の化合物の溶液に浸漬し、吸着させる。又
は、α−オキシ水酸化鉄の粒子表面に、沈殿物と
してSi、Al等の化合物を付着させるものであり、
粒度分布が不均一で、かつ、枝分れの多い、微細
なα−オキシ水酸化鉄粒子の表面を均一に被覆す
ることは、困難である。 また粒子形状のくずれ、焼結の防止効果を高め
るためにSi、Al等の化合物を多量に被覆すると、
磁性鉄粉末の磁気特性を低下する事にもなり、よ
り一層効果的な粒子形状保持、焼結防止の方法が
求められている状況にある。 以上の状況から本発明者らは、磁気特性の優れ
た磁性鉄粉末を得るために、α−オキシ水酸化鉄
の粒子形状、大きさ、粒度の均一化の方法及びα
−オキシ水酸化鉄の粒子形状保持、焼結防止の処
理方法を鋭意研究した結果、下記の新たなる知見
を得て本発明を完成した。 すなわち、α−オキシ水酸化鉄の水又は10N以
下のアルカリ中での水熱処理は、α−オキシ水酸
化鉄に含まれる微細な不完全結晶を完全結晶と
し、粒度を均一にし、さらに針状結晶の軸比を小
さくする事による黄色酸化鉄の色調、耐熱性、分
散性を改善する「黄色酸化鉄顔料の特性改善方
法」(特公昭53−28158号公報)として周知である
が、この方法を磁性材料の原料α−オキシ水酸化
鉄に適用した場合、結晶の完全化と粒度の均一化
の効果はあるが、軸比が減少する不利益が生ずる
とされていた。特公昭53−28158号公報において
も、軸比の減少が明記されている。 ところが、本発明者らはα−オキシ水酸化鉄の
水熱処理を研究する過程で、(1)極めて微細なα−
オキシ水酸化鉄を特定の条件下で水熱処理すると
針状結晶の長径方向への成長が著しく、軸比が大
きくなる。(2)この水熱処理の効果は、微量のケイ
素、アルミニウム又はビスマスの酸化物、酸化物
の塩、又は水酸化物の存在で阻害される。(3)水熱
処理を施したα−オキシ水酸化鉄にケイ素、アル
ミニウム又はビスマスの酸化物、酸化物の塩、又
は水酸化物を添加し、ひきつづき水熱処理を行う
と、極めて効果的に均一な上記添加物の被覆がで
きる。等のこれまでの水熱処理になされていた説
明からは計り知ることのできない新たな知見を見
い出した。 更に、この水熱処理を施したのち、再び水熱処
理で、ケイ素、アルミニウム、又はビスマスの酸
化物、酸化物の塩、又は水酸化物を被覆したα−
オキシ水酸化鉄を300〜600℃で、加熱還元する
と、針状形態をもつ磁気特性の優れた磁性鉄粉末
になるとの知見を得て、本発明を完成した。 本発明は、長径が0.4μm以下でかつ幅(短径)
が0.04μm以下である針状のα−オキシ水酸化鉄
粉末を0.1〜2.0Nのアルカリ水溶液に分散し、150
〜180℃で2〜10分間水熱処理し、ついでケイ素、
アルミニウム、又はビスマスの酸化物、酸化物の
塩又は水酸化物の少なくとも一種を添加し、再び
100〜180℃で2〜10分間水熱処理を施したのち、
この粉末を300〜600℃で還元する事を特徴とする
磁性鉄粉末の製造法を提供するものである。 以下、本発明をさらに詳細に説明する。 本発明において、長径が0.4μm以下で、かつ幅
(短径)が0.04μm以下の針状α−オキシ水酸化鉄
を用いる事、0.1〜2Nのアルカリ水溶液中で、
150〜180℃で2〜10分間水熱処理したのち、ケイ
素、アルミニウム又はビスマスの酸化物、酸化物
の塩又は水酸化物を添加し、再び100〜180℃で2
〜10分間、水熱処理する事及び300〜600℃で還元
する事、すべて必須の要件であり、これらの一つ
でも欠けると、好適な針状形態をもつ磁気特性の
優れた磁性鉄粉末は得られない。 本発明において、α−オキシ水酸化鉄は、その
製造法の如何にかかわらず適用する事ができる。
又、α−オキシ水酸化鉄としては、他の金属成分
を含まないものはもちろん、コバルト等の他の成
分を含むα−オキシ水酸化鉄も用いる事ができ
る。 用いるα−オキシ水酸化鉄粒子の形状、大きさ
は極めて重要である。すなわち、粒子が微細なほ
ど、長径方向への成長が著しく軸比の大きな、粒
度の整つたものが得られるからである。また、極
めて微細な不完全粒子を含むほど、その効果は大
きい。この長径方向への成長は、本発明者により
初めて見い出されたものである。 粒子が微細なほど、長径方向への成長が著しく
なる理由は明確でないが、水熱処理による粒子形
状の調整は、「一部溶解一結晶化」の繰かえしに
よるものであり、微細なほど、不完全結晶部を多
く含み、そのため溶解量が多くなる。この溶解量
の増加と長径方向への成長性が密接に関連してい
るものと、本発明者らは推察している。 したがつて、本発明のα−オキシ水酸化鉄は、
長径0.4μm以下、幅(短径)0.04μm以下のもの
である。更に好ましくは、長径0.1〜0.3μm幅
(短径)0.04μm以下のものである。 前述の如く、α−オキシ水酸化鉄は、製造法の
如何にかかわらず適用できるが、特に水酸化第一
鉄の酸化で得られる枝分れの有る微細α−オキシ
水酸化鉄に好都合に適用される。本発明により、
枝分れのない粒度の整つたものとなるからであ
る。 本発明において、前段の水熱処理条件は、得ら
れるα−オキシ水酸化鉄の性状を左右するもので
あり、重要である。 用いるアルカリ水溶液のアルカリ濃度が高くな
ればなるほど、結晶の完全化、粒径調整の効果は
大きくなるが、粒子の長径方向への成長性が小さ
くなる傾向がある。 この傾向は、用いるアルカリの種類及び水熱処
理温度により、若干差違はあるが、軸比が大き
く、粒度の整つたα−オキシ水酸化鉄を得るため
に、本発明におけるアルカリ濃度は、0.1〜2Nの
範囲、好ましくは0.1〜1.0Nである。 用いるアルカリの種類には、特に制限はない
が、苛性アルカリ、例えば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、及びアンモニアが好ましい。アル
カリ水溶液の使用量は、α−オキシ水酸化鉄粒子
が分散する範囲であれば特に制限はない。 水熱処理の温度は、150〜180℃である。150℃
より低い温度では、効果がほとんどみられない。
又、150℃以上においては、温度が高くなるほど、
効果が大きくなり、かつ、結晶成長が早くなる
が、180℃より高くなると軸比の減少及び板状の
α−Fe2O3の生成が起こる。 したがつて、150〜180℃の範囲で処理する事が
必須である。 以上の条件で、水熱処理を行うと極めて短時間
で、長径方向への成長、軸比の増大、粒度の調整
が進行し、その後徐々に軸比の低下が進行する。
したがつて、水熱処理時間は短時間が好ましく、
本発明においては、2〜10分間である。 この結晶成長、粒度調整を目的とする前段の水
熱処理において、ケイ素、アルミニウム、又はビ
スマスの酸化物等を添加しておき、α−オキシ水
酸化鉄の被覆処理を同時に行うことはできない。
上記の化合物を添加すると、α−オキシ水酸化鉄
の結晶成長が阻害され、目的とする粒度の整つた
軸比の大きいα−オキシ水酸化鉄が得られないか
らである。 α−オキシ水酸化鉄を被覆するための添加物質
は、後段の水熱処理の条件下で多少なりとも溶解
し、かつ加熱還元する際に、形状保持、焼結防止
に効果のあるものであれば、特に制限はないが、
ケイ素、アルミニウム又はビスマスの酸化物、酸
化物の塩又は水酸化物が好適である。 それらの例としては、二酸化ケイ素、ケイ酸、
ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸
マグネシウム、水酸化ケイ素、酸化アルミニウ
ム、酸化アルミニウム・ナトリウム、水酸化アル
ミニウム、酸化ビスマス、水酸化ビスマスなどが
あげられる。 これらは、単独又は混合物で用いることができ
る。 これら被覆剤の添加量は、加熱還元時の形状保
持、焼結防止の効果を発揮する量であり、かつ得
られる磁性鉄粉末の磁気特性を低下させない範囲
であれば何ら制限はないが、本発明の方法におい
ては、極めて均一かつ効果的な被覆がなされるた
め、少量の添加、すなわち原子重量比0.001≦
Si+Al+Bi/Fe≦0.02の範囲が特に好ましい。 これら表面被覆剤を添加したのちの水熱処理条
件は、先述の前段の水熱処理ほど厳格な制限を必
要とはしない。 なぜならば、被覆剤の添加により粒子成長は阻
害され、この処理中の粒子形状の変化は、ゆるや
かであるからである。 しかしながら、この水熱−表面被覆法では、温
度が高いほど被覆剤の溶解度とα−オキシ水酸化
鉄表面の活性は高くなり、均一な被覆がすみやか
に進行する傾向があり、本発明では100〜180℃の
範囲、特に好ましくは150〜180℃の範囲である。 又、処理時間は2〜10分間である。 表面被覆剤の添加方法は、最初の水熱処理が完
了したのち、α−オキシ水酸化鉄・分散液を一度
冷却し、添加する方法又は、水熱処理の完了した
時点で、加圧下に添加する方法のいづれでも良い
が、熱エネルギー上、操作上から、後者の方法で
添加し、そのまま同温度条件で表面被覆のための
水熱処理を行うのが有利である。 以上の処理を経て得られたα−オキシ水酸化鉄
は、300〜600℃の温度範囲で水素還元しなければ
ならない。300℃以下においては、鉄又は鉄を主
成分とする金属粉末への完全な還元が進行せず、
したがつて磁束密度の小さなものとなる。又、
600℃以上の場合は、形状のくずれ、焼結が起こ
り、本発明の目的とする好適な針状形態をもつ磁
性鉄粉末とはならない。 以上の条件で得られる本発明の磁性鉄粉末は、
抗磁力1300〜1500エルステツド、磁化量145〜
175emu/gを有する高性能な針状磁性鉄粉末で
あり、磁気テープ等の磁気記録材料に、好都合に
用いられる。 以下、実施例にて本発明を説明する。実施例、
参考例における部および%は、すべて重量部およ
び重量%を示す。 実施例 1 硫酸第一鉄水溶液に水酸化ナトリウムを加え、
生成した水酸化第一鉄を空気酸化することにより
得られた長径約0.3μmで副が約0.035μmのα−オ
キシ水酸化鉄粉末100部と0.5N−水酸化ナトリウ
ム水溶液800部をテフロン・ライニング・オート
クレーブに仕込み、160℃に8分間加熱した。 90℃まで冷却し、ケイ酸ナトリウム
(Na4SiO4)2.5部を加え、再び150℃に5分間加
熱した。 冷却後、過、水洗し、乾燥しα−オキシ水酸
化鉄粉末を得た。 この粉末を電子顕微鏡観察したところ、長径約
0.5μmで幅が約0.04μmの粒度のよく整つた針状
粒子であつた。 この粉末90部を内径60cmの回転式管状炉にて、
400℃の温度、水素ガス流量3/minで6時間
還元して、磁性鉄粉末を得た。 得られた磁性鉄粉末はトルエンに浸漬し安定化
処理を行つた。 この鉄粉末は電子顕微鏡観察したところ、長径
約0.4μm、幅約0.03μmの針状粒子であり、原料
α−オキシ水酸化鉄の粒子形態をよく継承してお
り、形状のくずれ、焼結は認められなかつた。 又、この磁性鉄粉末の磁気特性は、抗磁力
(Hc)1400Oe、磁化量(σs)164e.m.u/g、角形
比R(σr/σs)=0.51であつた。 尚、磁気特性は、振動試料型磁力計を用い、印
加磁場10KOeで測定した。 他の実施例、参考例においても、すべて上記の
方法で、磁気特性を測定した。 参考例 1 実施例1に用いたα−オキシ水酸化鉄粉末100
部をケイ酸ナトリウム2.5部を含む水溶液800部に
分散し、室温で5時間撹拌後、過、乾燥し、ケ
イ酸ソーダ吸着、被覆したα−オキシ水酸化鉄粉
末を得た。 この粉末を実施例1と同一条件で還元して、磁
性鉄粉末を得た。 得られた磁性鉄粉末は、長径約0.1〜0.3μm、
幅0.02μmの粒度の不整いな針状粒子であり、磁
気特性は、Hc980Oe、σs148e.m.u/g、R=0.39
であつた。 参考例 2 実施例1における前段の水熱処理が終了後、ケ
イ酸ナトリウムによる水熱−被覆処理を実施せず
に過、乾燥し、その後実施例1と同一条件で還
元して磁性鉄粉末を得た。 この磁性鉄粉末は、長径約0.2μm、幅約0.1μm
であり針状のくずれ、焼結が、認められた。 又磁性特性は、Hc480Oe、σs159e.m.u/g、R
=0.21であつた。 実施例 2〜8 実施例1における0.5N−水酸化ナトリウム水
溶液1000部と、ケイ酸ナトリウム(Na4SiO4)
2.5部に代えて、表1に示す物質を用いて、実施
例1と同様に処理したところ、表1に示す磁気特
性を有する針状磁性鉄粉末を得た。
使用される鉄又は鉄を主成分とする磁性金属粉末
(以下磁性鉄粉末と称する)の製造法に関するも
のである。 更に詳しくは、鉄又は鉄を主成分とするα−オ
キシ水酸化物(以下α−オキシ水酸化鉄と称す
る)を加熱、脱水、還元する磁性鉄粉末の製造法
において、好適な針状形態をもつ磁気特性の優れ
た磁性鉄粉末を得る方法に関するものである。 従来、磁性記録材料として主に針状の磁性酸化
鉄(γ−Fe2O3)が用いられているが、近年磁気
記録材器の発展とともに、磁気記録の高密度化が
求められ、高抗磁力、高磁束密度の磁性粉末が要
望されている。この要望を満す磁性粉末として、
針状の磁性鉄粉末が知られている。 磁性鉄粉末の製造法は、種々提案されている
が、最も一般的な方法は、針状のα−オキシ水酸
化鉄を加熱、脱水、還元する方法である。 磁気テープ等に用いられる磁性粉末は、その粒
子形状、粒度分布、大きさが重要である。すなわ
ち、一般により微細で、かつ軸比(長径/巾)が
大きいほど磁気特性は向上するが、一方微細なほ
ど、塗料化の際の分散性が悪くなり、テープ等で
用いる場合、本来の特性を生かせないばかりでな
く、分散コストの上昇をもたらすことにもなる。 したがつて、α−オキシ水酸化鉄を加熱、脱
水、還元する磁性鉄粉末の製造法において、留意
すべき重要な要件は、(1)この方法では、得られる
磁性鉄粉末の粒子形状が、α−オキシ水酸化鉄の
粒子形状を継承するため、原料α−オキシ水酸化
鉄は粒度が均一で、軸比が大きくかつ、適当な大
きさの粒子でなければならない。(2)加熱、脱水、
還元の際の、粒子形状のくずれ、焼結を防止しな
ければならない。の2点である。 本発明の目的は、この2つの要件を満すα−オ
キシ水酸化鉄の処理及び磁性特性の優れた磁性鉄
粉末の製造法の提供にある。 針状のα−オキシ水酸化鉄は、通常、硫酸第一
鉄等の第一鉄塩水溶液にアルカリを加え、生成し
た水酸化第一鉄を酸化する方法で製造されてい
る。 この方法において、α−オキシ水酸化鉄の粒子
形状、大きさを調整するるための提案が数多くな
されている。 例えば、水酸化第一鉄を生成するに必要なアル
カリ量よりはるかに多量のアルカリを用いて、強
アルカリ性で水酸化第一鉄を酸化する方法(特公
昭39−5610号公報、特公昭55−23215号公報など)
アルカリの添加速度(反応時のPH)酸化速度を規
定する方法(特公昭48−22915号公報、特公昭55
−3295号公報など)水酸化第一鉄の沈殿を不活性
ガス中で撹拌熟成したのち酸化する方法(特公昭
52−21720号公報)などがあげられる。 しかしながら、この反応は難溶性の水酸化第一
鉄を酸化し、極めて難溶性のα−オキシ水酸化鉄
を生成するものであり、均一な酸化反応状態の維
持、結晶成長コントロールが難かしく、粒度分布
が広がりやすく、又枝分れの多い粒子が生成し易
い事は周知であり、製造条件の改良等では、おの
ずから限界がある。 また、近年水酸化第二鉄を加熱熟成しα−オキ
シ水酸化鉄を得る方法が提案されているが、この
方法においては、粒状のα−酸化第二鉄が副生す
る傾向があり、粒度が均一で軸比の大きな針状α
−オキシ水酸化鉄を得るのは困難である。 このように、いづれの方法においても粒度が均
一で、軸比が大きく、かつ適当な粒子サイズのα
−オキシ水酸化鉄を得る事が困難な状況にある。 α−オキシ水酸化鉄を加熱、脱水、還元する際
の粒子形状のくずれ、焼結を防止する方法として
は、種々の添加剤、例えばSi、Al、Mg、Bi、
Ag、Cr、Ti等の化合物で、粒子表面を被覆する
方法が数多く提案されている。 例えば、ケイ素化合物による処理(特開昭48−
83100号公報、特開昭52−30758号公報など)、ビ
スマスあるいはビスマスとケイ素化合物による処
理(特公昭51−5608号公報、特公昭52−19541号
公報など)、銀化合物による処理(特公昭49−
7313号公報)、チタン化合物による処理(特公昭
53−30114号公報)、アルミニウム化合物による処
理(特公昭56−28967号公報)などがあげられる。 これらの方法は、α−オキシ水酸化鉄をSi、
Al等の化合物の溶液に浸漬し、吸着させる。又
は、α−オキシ水酸化鉄の粒子表面に、沈殿物と
してSi、Al等の化合物を付着させるものであり、
粒度分布が不均一で、かつ、枝分れの多い、微細
なα−オキシ水酸化鉄粒子の表面を均一に被覆す
ることは、困難である。 また粒子形状のくずれ、焼結の防止効果を高め
るためにSi、Al等の化合物を多量に被覆すると、
磁性鉄粉末の磁気特性を低下する事にもなり、よ
り一層効果的な粒子形状保持、焼結防止の方法が
求められている状況にある。 以上の状況から本発明者らは、磁気特性の優れ
た磁性鉄粉末を得るために、α−オキシ水酸化鉄
の粒子形状、大きさ、粒度の均一化の方法及びα
−オキシ水酸化鉄の粒子形状保持、焼結防止の処
理方法を鋭意研究した結果、下記の新たなる知見
を得て本発明を完成した。 すなわち、α−オキシ水酸化鉄の水又は10N以
下のアルカリ中での水熱処理は、α−オキシ水酸
化鉄に含まれる微細な不完全結晶を完全結晶と
し、粒度を均一にし、さらに針状結晶の軸比を小
さくする事による黄色酸化鉄の色調、耐熱性、分
散性を改善する「黄色酸化鉄顔料の特性改善方
法」(特公昭53−28158号公報)として周知である
が、この方法を磁性材料の原料α−オキシ水酸化
鉄に適用した場合、結晶の完全化と粒度の均一化
の効果はあるが、軸比が減少する不利益が生ずる
とされていた。特公昭53−28158号公報において
も、軸比の減少が明記されている。 ところが、本発明者らはα−オキシ水酸化鉄の
水熱処理を研究する過程で、(1)極めて微細なα−
オキシ水酸化鉄を特定の条件下で水熱処理すると
針状結晶の長径方向への成長が著しく、軸比が大
きくなる。(2)この水熱処理の効果は、微量のケイ
素、アルミニウム又はビスマスの酸化物、酸化物
の塩、又は水酸化物の存在で阻害される。(3)水熱
処理を施したα−オキシ水酸化鉄にケイ素、アル
ミニウム又はビスマスの酸化物、酸化物の塩、又
は水酸化物を添加し、ひきつづき水熱処理を行う
と、極めて効果的に均一な上記添加物の被覆がで
きる。等のこれまでの水熱処理になされていた説
明からは計り知ることのできない新たな知見を見
い出した。 更に、この水熱処理を施したのち、再び水熱処
理で、ケイ素、アルミニウム、又はビスマスの酸
化物、酸化物の塩、又は水酸化物を被覆したα−
オキシ水酸化鉄を300〜600℃で、加熱還元する
と、針状形態をもつ磁気特性の優れた磁性鉄粉末
になるとの知見を得て、本発明を完成した。 本発明は、長径が0.4μm以下でかつ幅(短径)
が0.04μm以下である針状のα−オキシ水酸化鉄
粉末を0.1〜2.0Nのアルカリ水溶液に分散し、150
〜180℃で2〜10分間水熱処理し、ついでケイ素、
アルミニウム、又はビスマスの酸化物、酸化物の
塩又は水酸化物の少なくとも一種を添加し、再び
100〜180℃で2〜10分間水熱処理を施したのち、
この粉末を300〜600℃で還元する事を特徴とする
磁性鉄粉末の製造法を提供するものである。 以下、本発明をさらに詳細に説明する。 本発明において、長径が0.4μm以下で、かつ幅
(短径)が0.04μm以下の針状α−オキシ水酸化鉄
を用いる事、0.1〜2Nのアルカリ水溶液中で、
150〜180℃で2〜10分間水熱処理したのち、ケイ
素、アルミニウム又はビスマスの酸化物、酸化物
の塩又は水酸化物を添加し、再び100〜180℃で2
〜10分間、水熱処理する事及び300〜600℃で還元
する事、すべて必須の要件であり、これらの一つ
でも欠けると、好適な針状形態をもつ磁気特性の
優れた磁性鉄粉末は得られない。 本発明において、α−オキシ水酸化鉄は、その
製造法の如何にかかわらず適用する事ができる。
又、α−オキシ水酸化鉄としては、他の金属成分
を含まないものはもちろん、コバルト等の他の成
分を含むα−オキシ水酸化鉄も用いる事ができ
る。 用いるα−オキシ水酸化鉄粒子の形状、大きさ
は極めて重要である。すなわち、粒子が微細なほ
ど、長径方向への成長が著しく軸比の大きな、粒
度の整つたものが得られるからである。また、極
めて微細な不完全粒子を含むほど、その効果は大
きい。この長径方向への成長は、本発明者により
初めて見い出されたものである。 粒子が微細なほど、長径方向への成長が著しく
なる理由は明確でないが、水熱処理による粒子形
状の調整は、「一部溶解一結晶化」の繰かえしに
よるものであり、微細なほど、不完全結晶部を多
く含み、そのため溶解量が多くなる。この溶解量
の増加と長径方向への成長性が密接に関連してい
るものと、本発明者らは推察している。 したがつて、本発明のα−オキシ水酸化鉄は、
長径0.4μm以下、幅(短径)0.04μm以下のもの
である。更に好ましくは、長径0.1〜0.3μm幅
(短径)0.04μm以下のものである。 前述の如く、α−オキシ水酸化鉄は、製造法の
如何にかかわらず適用できるが、特に水酸化第一
鉄の酸化で得られる枝分れの有る微細α−オキシ
水酸化鉄に好都合に適用される。本発明により、
枝分れのない粒度の整つたものとなるからであ
る。 本発明において、前段の水熱処理条件は、得ら
れるα−オキシ水酸化鉄の性状を左右するもので
あり、重要である。 用いるアルカリ水溶液のアルカリ濃度が高くな
ればなるほど、結晶の完全化、粒径調整の効果は
大きくなるが、粒子の長径方向への成長性が小さ
くなる傾向がある。 この傾向は、用いるアルカリの種類及び水熱処
理温度により、若干差違はあるが、軸比が大き
く、粒度の整つたα−オキシ水酸化鉄を得るため
に、本発明におけるアルカリ濃度は、0.1〜2Nの
範囲、好ましくは0.1〜1.0Nである。 用いるアルカリの種類には、特に制限はない
が、苛性アルカリ、例えば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、及びアンモニアが好ましい。アル
カリ水溶液の使用量は、α−オキシ水酸化鉄粒子
が分散する範囲であれば特に制限はない。 水熱処理の温度は、150〜180℃である。150℃
より低い温度では、効果がほとんどみられない。
又、150℃以上においては、温度が高くなるほど、
効果が大きくなり、かつ、結晶成長が早くなる
が、180℃より高くなると軸比の減少及び板状の
α−Fe2O3の生成が起こる。 したがつて、150〜180℃の範囲で処理する事が
必須である。 以上の条件で、水熱処理を行うと極めて短時間
で、長径方向への成長、軸比の増大、粒度の調整
が進行し、その後徐々に軸比の低下が進行する。
したがつて、水熱処理時間は短時間が好ましく、
本発明においては、2〜10分間である。 この結晶成長、粒度調整を目的とする前段の水
熱処理において、ケイ素、アルミニウム、又はビ
スマスの酸化物等を添加しておき、α−オキシ水
酸化鉄の被覆処理を同時に行うことはできない。
上記の化合物を添加すると、α−オキシ水酸化鉄
の結晶成長が阻害され、目的とする粒度の整つた
軸比の大きいα−オキシ水酸化鉄が得られないか
らである。 α−オキシ水酸化鉄を被覆するための添加物質
は、後段の水熱処理の条件下で多少なりとも溶解
し、かつ加熱還元する際に、形状保持、焼結防止
に効果のあるものであれば、特に制限はないが、
ケイ素、アルミニウム又はビスマスの酸化物、酸
化物の塩又は水酸化物が好適である。 それらの例としては、二酸化ケイ素、ケイ酸、
ケイ酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸
マグネシウム、水酸化ケイ素、酸化アルミニウ
ム、酸化アルミニウム・ナトリウム、水酸化アル
ミニウム、酸化ビスマス、水酸化ビスマスなどが
あげられる。 これらは、単独又は混合物で用いることができ
る。 これら被覆剤の添加量は、加熱還元時の形状保
持、焼結防止の効果を発揮する量であり、かつ得
られる磁性鉄粉末の磁気特性を低下させない範囲
であれば何ら制限はないが、本発明の方法におい
ては、極めて均一かつ効果的な被覆がなされるた
め、少量の添加、すなわち原子重量比0.001≦
Si+Al+Bi/Fe≦0.02の範囲が特に好ましい。 これら表面被覆剤を添加したのちの水熱処理条
件は、先述の前段の水熱処理ほど厳格な制限を必
要とはしない。 なぜならば、被覆剤の添加により粒子成長は阻
害され、この処理中の粒子形状の変化は、ゆるや
かであるからである。 しかしながら、この水熱−表面被覆法では、温
度が高いほど被覆剤の溶解度とα−オキシ水酸化
鉄表面の活性は高くなり、均一な被覆がすみやか
に進行する傾向があり、本発明では100〜180℃の
範囲、特に好ましくは150〜180℃の範囲である。 又、処理時間は2〜10分間である。 表面被覆剤の添加方法は、最初の水熱処理が完
了したのち、α−オキシ水酸化鉄・分散液を一度
冷却し、添加する方法又は、水熱処理の完了した
時点で、加圧下に添加する方法のいづれでも良い
が、熱エネルギー上、操作上から、後者の方法で
添加し、そのまま同温度条件で表面被覆のための
水熱処理を行うのが有利である。 以上の処理を経て得られたα−オキシ水酸化鉄
は、300〜600℃の温度範囲で水素還元しなければ
ならない。300℃以下においては、鉄又は鉄を主
成分とする金属粉末への完全な還元が進行せず、
したがつて磁束密度の小さなものとなる。又、
600℃以上の場合は、形状のくずれ、焼結が起こ
り、本発明の目的とする好適な針状形態をもつ磁
性鉄粉末とはならない。 以上の条件で得られる本発明の磁性鉄粉末は、
抗磁力1300〜1500エルステツド、磁化量145〜
175emu/gを有する高性能な針状磁性鉄粉末で
あり、磁気テープ等の磁気記録材料に、好都合に
用いられる。 以下、実施例にて本発明を説明する。実施例、
参考例における部および%は、すべて重量部およ
び重量%を示す。 実施例 1 硫酸第一鉄水溶液に水酸化ナトリウムを加え、
生成した水酸化第一鉄を空気酸化することにより
得られた長径約0.3μmで副が約0.035μmのα−オ
キシ水酸化鉄粉末100部と0.5N−水酸化ナトリウ
ム水溶液800部をテフロン・ライニング・オート
クレーブに仕込み、160℃に8分間加熱した。 90℃まで冷却し、ケイ酸ナトリウム
(Na4SiO4)2.5部を加え、再び150℃に5分間加
熱した。 冷却後、過、水洗し、乾燥しα−オキシ水酸
化鉄粉末を得た。 この粉末を電子顕微鏡観察したところ、長径約
0.5μmで幅が約0.04μmの粒度のよく整つた針状
粒子であつた。 この粉末90部を内径60cmの回転式管状炉にて、
400℃の温度、水素ガス流量3/minで6時間
還元して、磁性鉄粉末を得た。 得られた磁性鉄粉末はトルエンに浸漬し安定化
処理を行つた。 この鉄粉末は電子顕微鏡観察したところ、長径
約0.4μm、幅約0.03μmの針状粒子であり、原料
α−オキシ水酸化鉄の粒子形態をよく継承してお
り、形状のくずれ、焼結は認められなかつた。 又、この磁性鉄粉末の磁気特性は、抗磁力
(Hc)1400Oe、磁化量(σs)164e.m.u/g、角形
比R(σr/σs)=0.51であつた。 尚、磁気特性は、振動試料型磁力計を用い、印
加磁場10KOeで測定した。 他の実施例、参考例においても、すべて上記の
方法で、磁気特性を測定した。 参考例 1 実施例1に用いたα−オキシ水酸化鉄粉末100
部をケイ酸ナトリウム2.5部を含む水溶液800部に
分散し、室温で5時間撹拌後、過、乾燥し、ケ
イ酸ソーダ吸着、被覆したα−オキシ水酸化鉄粉
末を得た。 この粉末を実施例1と同一条件で還元して、磁
性鉄粉末を得た。 得られた磁性鉄粉末は、長径約0.1〜0.3μm、
幅0.02μmの粒度の不整いな針状粒子であり、磁
気特性は、Hc980Oe、σs148e.m.u/g、R=0.39
であつた。 参考例 2 実施例1における前段の水熱処理が終了後、ケ
イ酸ナトリウムによる水熱−被覆処理を実施せず
に過、乾燥し、その後実施例1と同一条件で還
元して磁性鉄粉末を得た。 この磁性鉄粉末は、長径約0.2μm、幅約0.1μm
であり針状のくずれ、焼結が、認められた。 又磁性特性は、Hc480Oe、σs159e.m.u/g、R
=0.21であつた。 実施例 2〜8 実施例1における0.5N−水酸化ナトリウム水
溶液1000部と、ケイ酸ナトリウム(Na4SiO4)
2.5部に代えて、表1に示す物質を用いて、実施
例1と同様に処理したところ、表1に示す磁気特
性を有する針状磁性鉄粉末を得た。
【表】
実施例 9
硫酸第一鉄と硫酸コバルト(CoSO4)の混合水
溶液に水酸化ナトリウムを加え、空気酸化するこ
とにより得られた長径が0.2〜0.4μmで幅が約
0.04μmのコバルトをCo/Co+Fe=0.15(原子重
量比)含むα−オキシ水酸化鉄粉末100部と1.0N
−水酸化ナトリウム水溶液1000部をテフロン・ラ
イニング・オートクレーブに仕込み、175℃に加
熱した。5分経過後、ケイ酸ナトリウム
(Na4SiO4)4.0部を含む水溶液100部を加圧下に
注入し、更に5分間同温度で水熱処理を行い、冷
却後、水洗、乾燥した。 得られた粉末を回転式管状炉を用いて、450℃
で水素還元し、磁性合金粉末を得た。 この磁性合金粉末は、長径約0.4μm、幅約
0.05μmの針状粒子であり、磁気特性は、
Hc1450Oe、σs176e.m.u/g、R=0.52であつた。
溶液に水酸化ナトリウムを加え、空気酸化するこ
とにより得られた長径が0.2〜0.4μmで幅が約
0.04μmのコバルトをCo/Co+Fe=0.15(原子重
量比)含むα−オキシ水酸化鉄粉末100部と1.0N
−水酸化ナトリウム水溶液1000部をテフロン・ラ
イニング・オートクレーブに仕込み、175℃に加
熱した。5分経過後、ケイ酸ナトリウム
(Na4SiO4)4.0部を含む水溶液100部を加圧下に
注入し、更に5分間同温度で水熱処理を行い、冷
却後、水洗、乾燥した。 得られた粉末を回転式管状炉を用いて、450℃
で水素還元し、磁性合金粉末を得た。 この磁性合金粉末は、長径約0.4μm、幅約
0.05μmの針状粒子であり、磁気特性は、
Hc1450Oe、σs176e.m.u/g、R=0.52であつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 鉄又は鉄を主成分とするα−オキシ水酸化物
を300〜600℃で還元する磁性金属粉末の製造法に
おいて、α−オキシ水酸化物として、長径0.4μm
以下で、かつ幅(短径)が0.04μm以下の微粉末
を0.1〜2Nのアルカリ水溶液中で、150〜180℃
で、2〜10分間、水熱処理し、次いで、ケイ素、
アルミニウム又はビスマスの酸化物、酸化物の塩
又は水酸化物の少くとも一種を添加し、再び100
〜180℃で、2〜10分間水熱処理したのち、300〜
600℃で還元する事を特徴とする磁性金属粉末の
製造方法。 2 ケイ素、アルミニウム又はビスマスの酸化
物、酸化物の塩又は水酸化物の少くとも一種を、
原子重量比、0.001≦Si+Al+Bi/Fe≦0.02の範囲内 で添加する特許請求の範囲1項記載の製造方法。 3 前段の150〜180℃での水熱処理が、2〜10分
経過した時点で加圧下に、ケイ素、アルミニウム
又はビスマスの酸化物、酸化物の塩又は水酸化物
の少なくとも一種を添加し後段の水熱処理を連続
的に同一温度で施す特許請求の範囲1項又は2項
記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57007565A JPS58126905A (ja) | 1982-01-22 | 1982-01-22 | 鉄又は鉄を主成分とする磁性金属粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57007565A JPS58126905A (ja) | 1982-01-22 | 1982-01-22 | 鉄又は鉄を主成分とする磁性金属粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58126905A JPS58126905A (ja) | 1983-07-28 |
JPH027361B2 true JPH027361B2 (ja) | 1990-02-16 |
Family
ID=11669319
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57007565A Granted JPS58126905A (ja) | 1982-01-22 | 1982-01-22 | 鉄又は鉄を主成分とする磁性金属粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58126905A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6126708A (ja) * | 1984-07-13 | 1986-02-06 | Toyo Soda Mfg Co Ltd | 磁性金属粉末の製造方法 |
-
1982
- 1982-01-22 JP JP57007565A patent/JPS58126905A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58126905A (ja) | 1983-07-28 |
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