JPH0242774Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は腰掛式便器に関し、特にその便座部に
便器内底部を設けることで男子小用の際に便利な
腰掛式便器に関する。

（従来の技術） 近年、生活環境あるいは住宅環境の変化等で、
腰掛式の便器が広く利用されている。現在の住宅
事情等から鑑み、男子用小便器を同時に設置する
ことは難かしく、この腰掛式便器は大小便兼用と
して使用されている。

従来の腰掛式便器は通常、カバー、便座、ボー
ル部、脚部等からなり、ボール部上端面は幅の広
いリム部が設けられ、便座の載置に都合良く構成
されている。そして男子小用に際しては、ボール
部の上に設けた便座カバーを持ち上げて直立させ
て小用をたしている。

（考案が解決しようとする問題点） 従来の便器はこの様な構成であるため、特に小
さい男の子が用を足そうとした場合、ボール部の
位置が高く、前方についたて状の物がないため、
小水が便器に入らず周囲を汚すことがたびたびあ
つた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記不都合を解消すべくなされたもの
で、小さな男の子でも小用を足すのに都合の良い
便器の形状に変更しうる機構を備えた腰掛式便器
を提供するものであり、便器の排水路に向かつて
傾斜している内底部を有する便座部を構成し、該
内底部を支持軸によつて便器に回動自在に取り付
けた構成よりなるものである。

（作用） 男子小用に際して、便座部を持ち上げ直立させ
る。このときボール部の高さは、従来品に比較し
便座の高さ分だけ低くなつている。さらに前記便
座部が直立した状態で前記便座部の内底部の裏面
部が、前記便器の手前面に現われついたて状に直
立する。

（実施例） 以下本考案の一実施例を示す第１図乃至第３図
に基づいて本考案を詳細に説明する。

本実施例の腰掛用便器１は、床面に固定された
脚部５と、この脚部５と一体に構成されたボール
部４および前記ボール部４の上端に設置された便
座部３とカバー部２によつて構成されている。

上記便座部３は、略半円形状の縁部３１と内底
部１１及び支持軸１３から構成されている。

内底部１１は縁部３１の内側全面に設けられて
いて、ボール部４の排水路１０に向かつて下方に
傾斜している。さらに、内底部裏面部１２は便座
部３の外周の縁部３１によつて囲われ、全体とし
て裏面部１２の中央部が凹の状態であり、後述の
ように内底面１１を直立した状態で、小水が縁部
３１の外側に飛び散るのを防止する。

また上記ボール部３の開閉を行うために、内底
部１１の先端に、ボール部４の左右側壁に掛け渡
された回動自在な支持軸１３を構成した。

この便座部３を上下に分割して清掃が容易であ
るように構成することもできる。

このように構成した本実施例を使用するとき
は、便座部３を持ち上げ、第２図の様に直立させ
る。この状態ではボール部３の内底部１１も直立
し、前記内底部１１によつて見えなかつたボール
部４の底部が現われ、さらに直立している内底部
１１の下端と上記ボール部４の底部との間に間隙
４ａが形成される。

この状態で男子が小用を足すが、この場合、便
座部３の高さが従来のものに比較し高くなつてい
るため、その分だけボール部４の上縁の高さが低
くなり、かつ、内底部１１が直立し、その裏面部
１２がついたて状となつて形成される。

したがつて、便器の奥半分の外周を越えて便器
の周囲を汚していた汚物が、このついたて状の内
底部裏面部１２によつて遮られ、かつ、そのはね
返り分も便座部３の外周部分の縁部３１によつて
捕えられ周囲に飛び散ることはない。

（考案の効果） 以上の如く、本考案による腰掛式便器によれ
ば、小さな男の子でも便器の周囲を汚すことな
く、小用を足すことができるため、トイレの美感
及び清潔感を保つことが容易にできる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
未使用状態の斜視図、第２図は使用状態を示す斜
視図、第３図は未使用状態の断面側面図、第４図
は使用状態の一部切欠正面図及び第５図は同断面
側面図である。 １……腰掛式便器、３……便座部、１１……便
器内底部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 便器の排水路に向かつて傾斜している内底部を
   有する便座部を構成し、該内底部を支持軸によつ
   て便器に回動自在に取り付け、便座を持ち上げる
   ことによつて、上記内底部がついたて状に直立す
   ることを特徴とする腰掛式便器。