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JP7604926B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、磁性粉体を含む樹脂組成物に関する。さらには、当該樹脂組成物を用いて得られる硬化物、樹脂シート、回路基板、及びインダクタ基板に関する。
近年の電子機器の小型化、薄型化に伴い、プリント配線板やプリント配線板に搭載されるインダクタ部品(コイル)についても、小型化、薄型化の要求が高まっている。チップ部品としてインダクタ部品を搭載した場合、プリント配線板の薄型化に限界が生じる。
これに対し、例えば、磁性粉体を樹脂組成物層に含有する樹脂シートを用いて、プリント基板に磁性層を形成することで、プリント配線板内層にインダクタを形成する方法が知られている(特許文献1)。また、例えば、磁性粉体を含有するペースト材料を、配線を含む基板上にスクリーン印刷して磁性層を形成する方法が知られている(特許文献2)。
これらの態様においては、磁気損失をより低く抑える観点や、粘度、弾性率等の観点から、磁性粉体としては球状のものが好適に使用されてきた。
一方、インダクタの高機能化の要求から、磁性粉体含有するペーストやフィルムにおいても、より高い透磁率を有するものが求められている。
国際公開第2018/194099号 特開2020-087939号公報
高透磁率化のために扁平状の磁性粉体を使用することが考えられるが、扁平状の磁性粉体は樹脂中に分散し難く、磁性粉体が均一に分散したペースト状樹脂組成物を得ることが難しいという課題がある。また、扁平状の磁性粉体を含む樹脂組成物を塗工してフィルム化する際には、フィルム表面に小さな穴が多数発生するなど、均一なフィルムの作製が難しいという課題がある。
本発明の課題は、ペースト化及びフィルム化が容易であり且つ比透磁率に優れた磁性材料を得ることができる樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究をした結果、特定の(A-1)扁平状の磁性粉体、及び(A-2)球状の磁性粉体を共に用いた場合に、意外にも、容易にペースト化及びフィルム化が可能であると共に、優れた比透磁率を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] (A)磁性粉体、及び(B)熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物であって、
(A)成分が、(A-1)扁平状の磁性粉体、及び(A-2)球状の磁性粉体を含み、
(A-1)成分の平均短軸長が1μm以上である、樹脂組成物。
[2] (A-1)成分の扁平率が2以上であり、且つ(A-2)成分の扁平率が2未満である、上記[1]に記載の樹脂組成物。
[3] (A-1)成分の平均粒径が、10μm~100μmである、上記[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] (A-2)成分の平均粒径が、0.1μm~40μmである、上記[1]~[3]の何れかに記載の樹脂組成物。
[5] (A-2)成分に対する(A-1)成分の質量比((A-1)成分/(A-2)成分)が、0.4~2.3である、上記[1]~[4]の何れかに記載の樹脂組成物。
[6] (A)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100体積%とした場合、25体積%~75体積%である、上記[1]~[5]の何れかに記載の樹脂組成物。
[7] (A)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、70質量%~96質量%である、上記[1]~[6]の何れかに記載の樹脂組成物。
[8] (B)成分が、(B-1)エポキシ樹脂を含む、上記[1]~[7]の何れかに記載の樹脂組成物。
[9] (C)硬化促進剤をさらに含む、上記[1]~[8]の何れかに記載の樹脂組成物。
[10] 樹脂組成物の硬化物の比透磁率(μ’)が、測定周波数10MHz、23℃で測定した場合、11以上である、上記[1]~[9]の何れかに記載の樹脂組成物。
[11] 25℃における粘度が0.05Pa・s~1500Pa・sである、上記[1]~[10]の何れかに記載の樹脂組成物。
[12] 支持体と、該支持体上に設けられた上記[1]~[11]の何れかに記載の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層とを含む、樹脂シート。
[13] 上記[1]~[11]の何れかに記載の樹脂組成物の硬化物。
[14] スルーホールを有する基板と、前記スルーホールに充填した上記[1]~[11]の何れかに記載の樹脂組成物の硬化物と、を備える回路基板。
[15] 上記[1]~[11]の何れかに記載の樹脂組成物の硬化物である硬化物層を含む、回路基板。
[16] 上記[14]又は[15]に記載の回路基板を含む、インダクタ基板。
本発明の樹脂組成物によれば、ペースト化及びフィルム化が容易であり且つ比透磁率に優れた磁性材料を得ることができる。
図1は、第1実施形態の回路基板の製造方法の一例としてのコア基板の模式的な断面図である。 図2は、第1実施形態の回路基板の製造方法の一例としてのスルーホールを形成したコア基板の模式的な断面図である。 図3は、第1実施形態の回路基板の製造方法の一例としてのスルーホール内にめっき層を形成したコア基板の様子を示す模式的な断面図である。 図4は、第1実施形態の回路基板の製造方法の一例としてのスルーホール内に樹脂組成物を充填させたコア基板の様子を示す模式的な断面図である。 図5は、第1実施形態の回路基板の製造方法の一例としての充填させた樹脂組成物を熱硬化させたコア基板の様子を示す模式的な断面図である。 図6は、第1実施形態の回路基板の製造方法の一例としての硬化物を研磨した後のコア基板の様子を示す模式的な断面図である。 図7は、第1実施形態の回路基板の製造方法の一例としての研磨した面上に導体層を形成したコア基板の様子を示す模式的な断面図である。 図8は、第1実施形態の回路基板の製造方法の一例としてのパターン導体層を形成したコア基板の様子を示す模式的な断面図である。 図9は、第2実施形態の回路基板の製造方法の一例に含まれる(A)工程を説明するための模式的な断面図である。 図10は、第2実施形態の回路基板の製造方法の一例に含まれる(A)工程を説明するための模式的な断面図である。 図11は、第2実施形態の回路基板の製造方法の一例に含まれる(B)工程を説明するための模式的な断面図である。 図12は、第2実施形態の回路基板の製造方法の一例に含まれる(D)工程を説明するための模式的な断面図である。 図13は、一例としての第2実施形態の回路基板の製造方法により得た回路基板を含むインダクタ部品をその厚さ方向の一方からみた模式的な平面図である。 図14は、一例としての図13に示すII-II一点鎖線で示した位置で切断した第2実施形態の回路基板の製造方法により得た回路基板を含むインダクタ部品の切断端面を示す模式的な図である。 図15は、一例としての第2実施形態の回路基板の製造方法により得た回路基板を含むインダクタ部品のうちの第1導体層の構成を説明するための模式的な平面図である。 図16は、磁性粉体の厚み、磁性粉体の短軸長、及び磁性粉体の長軸長の関係を説明するための磁性粉体粒子の模式的な図である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。ただし、本発明は、下記実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施され得る。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、(A)磁性粉体、及び(B)熱硬化性樹脂を含み、(A)磁性粉体が、(A-1)扁平状の磁性粉体、及び(A-2)球状の磁性粉体を含み、(A-1)扁平状の磁性粉体の平均短軸長が1μm以上である。このような樹脂組成物を用いることにより、ペースト化及びフィルム化が容易であり且つ比透磁率に優れた磁性材料を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、(A)磁性粉体、及び(B)熱硬化性樹脂の他に、さらに任意の成分を含んでいてもよい。任意の成分としては、例えば、(C)硬化促進剤、(D)熱可塑性樹脂、(E)分散剤、(F)その他の添加剤、及び(G)有機溶剤が挙げられる。以下、樹脂組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
<(A)磁性粉体>
本発明の樹脂組成物は、(A)磁性粉体を含有する。(A)磁性粉体は、樹脂組成物に磁性を付与し得る。(A)磁性粉体は、本発明の樹脂組成物に粒子の形態で含まれる。本発明の樹脂組成物において、(A)磁性粉体は、(A-1)扁平状の磁性粉体と(A-2)球状の磁性粉体の両方を含む。
<(A-1)扁平状の磁性粉体>
本発明の樹脂組成物において、(A)磁性粉体は、(A-1)扁平状の磁性粉体を含む。(A-1)扁平状の磁性粉体の磁性粉体は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
(A-1)扁平状の磁性粉体は、軟磁性粉体、硬磁性粉体のいずれであってもよいが、一実施形態において、本発明の効果を顕著に得る観点から、軟磁性粉体であることが好ましい。(A-1)扁平状の磁性粉体は、例えば、磁性金属粉体、磁性金属酸化物粉体等であり得る。
磁性金属酸化物粉体としては、例えば、フェライト粉体、酸化鉄粉体等が挙げられる。
フェライト粉体は、ハードフェライト粉体、ソフトフェライト粉体のいずれであってもよいが、一実施形態において、比透磁率を高くする観点から、ソフトフェライト粉体であることが好ましい。フェライト粉体は、スピネルフェライト粉体、六方晶フェライト粉体、ガーネットフェライト粉体のいずれであってもよいが、一実施形態において、比透磁率を高くする観点から、スピネルフェライト粉体であることが好ましい。フェライト粉体は、単結晶のフェライト粉体であっても、多結晶のフェライト粉体であってもよい。
フェライト粉体は、Feに加えて、例えば、Mn、Zn、Mg、Sr、Ni、Cu、Ba、Co、Ca、Al、Li、Ti、Pb、Cd等から選ばれる少なくとも1種の元素を含み得る。フェライト粉体は、一実施形態において、Feに加えて、Mn、Zn、Mg、Sr、及びNiから選ばれる少なくとも1種の元素を含むフェライト粉体を含むことが好ましい。
フェライト粉体としては、例えば、Fe-Mn系フェライト粉体、Mg-Zn系フェライト粉体、Mn系フェライト粉体、Mn-Zn系フェライト粉体、Mn-Mg系フェライト粉体、Cu-Zn系フェライト粉体、Mg-Sr系フェライト粉体、Mn-Mg-Sr系フェライト粉体、Ni-Zn系フェライト粉体、Ni-Zn-Cu系フェライト粉体、Ba-Zn系フェライト粉体、Ba-Mg系フェライト粉体、Ba-Ni系フェライト粉体、Ba-Co系フェライト粉体、Ba-Ni-Co系フェライト粉体、Y系フェライト粉体等が挙げられる。
酸化鉄粉体としては、特に限定されるものではないが、例えば、酸化鉄(III)粉体、四酸化三鉄粉体等が挙げられる。
磁性金属粉体は、Fe、Co、及びNiから選ばれる少なくとも1種の元素を含んでいることが好ましい。磁性金属粉体におけるFe、Co、及びNiの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり得る。磁性金属粉体は、Fe、Co、及びNiから選ばれる元素に加えて、例えば、Si、Al、Cr、Mo、Cu等から選ばれる元素を含んでいることが好ましい。
磁性金属粉体としては、特に限定されるものではないが、例えば、純鉄粉体;Fe-Si系合金粉体、Fe-Si-Al系合金粉体、Fe-Cr系合金粉体、Fe-Si-Cr系合金粉体、Fe-Ni-Cr系合金粉体、Fe-Cr-Al系合金粉体、Fe-Ni系合金粉体、Fe-Ni-Mo系合金粉体、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉体、Fe-Co系合金粉体、Fe-Ni-Co系合金粉体、Co基アモルファス合金粉体等の結晶質又は非晶質の磁性合金粉体等が挙げられる。
(A-1)扁平状の磁性粉体は、磁性金属粉体を含むことが好ましく、磁性合金粉体を含むことがより好ましく、Fe-Si-Al系合金粉体及びFe-Si-Cr系合金粉体から選ばれる磁性合金粉体を含むことがさらに好ましく、Fe-Si-Al系合金粉体を含むことが特に好ましい。
(A-1)扁平状の磁性粉体の10%粒径(D10)は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.5μm~50μm、より好ましくは1~40μm、さらに好ましくは2~35μm、特に好ましくは3~30μmであり得る。
(A-1)扁平状の磁性粉体の平均粒径(D50)は、磁性損失をより低く抑える観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは60μm以下、さらに好ましくは50μm以下、特に好ましくは40μm以下である。(A-1)扁平状の磁性粉体の平均粒径(D50)の下限は、発明の効果をより顕著に得る観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは25μm以上、特に好ましくは30μm以上であり得る。
(A-1)扁平状の磁性粉体の90%粒径(D90)は、特に限定されるものではないが、好ましくは30μm~200μm、より好ましくは40~150μm、さらに好ましくは50~140μm、特に好ましくは60~130μmであり得る。
磁性粉体の10%粒径(D10)、平均粒径(D50)、及び90%粒径(D90)は、それぞれ、ミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定及び算出することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒径分布測定装置により、磁性粉体の粒径分布を体積基準で作成し、10%粒径(D10)、50%粒径(平均粒径)(D50)、及び90%粒径(D90)を算出することができる。測定サンプルは、磁性粉体を超音波により純水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒径分布測定装置としては、マイクロトラックベル社製「MT3000II」、堀場製作所社製「LA-960」、島津製作所社製「SALD-2200」等を使用することができる。
(A-1)扁平状の磁性粉体の平均厚みは、透磁率をより向上させる観点から、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.1μm以上、さらに好ましくは0.5μm以上である。その上限は、充填性をより向上させる観点から、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下である。磁性粉体の平均厚みとは、磁性粉体の厚みの平均値である。磁性粉体の厚みの平均値は、例えば、走査型電子顕微鏡像に基づいて、例えば50個の磁性粉体の厚みを測定し、その最大値Ymと最小値Yn基づき、(Ym+Yn)/2により算出される値とすることができる。磁性粉体の厚みとは、磁性粉体粒子Aの外部表面上の任意の2点のうち相互間の距離が最長となる2点間を結ぶ線分を最長軸とした場合、最長軸と同一長の最長軸に平行な最長辺Xを有する直方体Bであって、磁性粉体粒子Aの外部表面に外接する最小体積の直方体Bを描いたときの直方体Bにおける最長辺Xに垂直な最短辺Yの長さをいう(図16参照)。
(A-1)扁平状の磁性粉体の平均短軸長は、樹脂組成物をペースト状としたりフィルム化のためのワニスを調製する際に、粘度を低く抑える観点、及び所望の透磁率を得る観点から、1μm以上であり、透磁率をより向上させる観点から、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上、さらに好ましくは8μm以上、特に好ましくは10μm以上であり、その上限は、充填性をより向上させる観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μm以下である。磁性粉体の平均短軸長とは、磁性粉体の短軸長の平均値である。磁性粉体の短軸長の平均値は、例えば、走査型電子顕微鏡像に基づいて、例えば50個の磁性粉体の短軸長を測定した場合の数平均であり得る。磁性粉体の短軸長とは、磁性粉体粒子Aの外部表面上の任意の2点のうち相互間の距離が最長となる2点間を結ぶ線分を最長軸とした場合、最長軸と同一長の最長軸に平行な最長辺Xを有する直方体Bであって、磁性粉体粒子Aの外部表面に外接する最小体積の直方体Bを描いたときの直方体Bにおける最長辺Xと最長辺Xに垂直な最短辺Yとの両方に対して垂直な第3の辺Zの長さをいう(図16参照)。
(A-1)扁平状の磁性粉体の扁平率は、透磁率をより向上させる観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、さらに好ましくは5以上、特に好ましくは15以上であり、その上限は、充填性をより向上させる観点から、好ましくは1000以下、より好ましくは650以下、さらに好ましくは600以下、特に好ましくは550以下である。磁性粉体の扁平率は、「磁性粉体の平均長軸長(μm)」を「磁性粉体の平均厚み(μm)」で除して算出される値である。磁性粉体の平均長軸長とは、磁性粉体の長軸長の平均値である。磁性粉体の長軸長の平均値は、例えば、走査型電子顕微鏡像に基づいて、例えば50個の磁性粉体の長軸長を測定した場合の数平均であり得る。磁性粉体の長軸長とは、磁性粉体粒子Aの外部表面上の任意の2点のうち相互間の距離が最長となる2点間を結ぶ線分の長さ(すなわち、図16に示される直方体Bにおける最長辺Xの長さ)をいう。
(A-1)扁平状の磁性粉体のアスペクト比は、透磁率をより向上させる観点から、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.5以上であり、その上限は、充填性をより向上させる観点から、好ましくは6.0以下、より好ましくは5.0以下、さらに好ましくは4.0以下、さらにより好ましくは3.5以下、特に好ましくは3.0以下である。磁性粉体のアスペクト比は、「磁性粉体の平均長軸長(μm)」を「磁性粉体の平均短軸長(μm)」で除して算出される値である。
(A-1)扁平状の磁性粉体のタップ密度は、充填性をより向上させる観点から、好ましくは0.5~4.0g/cm、より好ましくは0.8~4.0g/cm、さらに好ましくは1.0~4.0g/cm、さらにより好ましくは1.5~4.0g/cm、特に好ましくは1.7~4.0g/cmである。タップ密度はJIS Z2512により測定して得られる値であり得る。
(A-1)扁平状の磁性粉体の真比重は、特に限定されるものではないが、例えば、4~10g/cmであり得る。
(A-1)扁平状の磁性粉体としては、市販の磁性粉体を用いることができる。(A-1)扁平状の磁性粉体の市販品の具体例としては、山陽特殊製鋼社製「PST-4」、「FME3D-AH」、キンセイマテック製の「JEMK S」、「JEMK H」等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
(A-1)扁平状の磁性粉体の含有量(体積%)は、透磁率をより向上させ、(A-1)扁平状の磁性粉体と(A-2)球状の磁性粉体との混じりをより向上させ、粘度をより低く抑える観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100体積%とした場合、好ましくは1体積%以上、より好ましくは5体積%以上、さらに好ましくは10体積%以上、さらにより好ましくは12体積%以上、特に好ましくは15体積%以上であり、その上限は、好ましくは70体積%以下、より好ましくは60体積%以下、さらに好ましくは55体積%以下、さらにより好ましくは50体積%以下、特に好ましくは45体積%以下である。
(A-1)扁平状の磁性粉体の含有量(質量%)は、透磁率をより向上させ、(A-1)扁平状の磁性粉体と(A-2)球状の磁性粉体との混じりをより向上させ、粘度をより低く抑える観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上、特に好ましくは30質量%以上であり、その上限は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下、特に好ましくは60質量%以下である。
<(A-2)球状の磁性粉体>
本発明の樹脂組成物において、(A)磁性粉体は、(A-2)球状の磁性粉体を含む。(A-2)球状の磁性粉体は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
(A-2)球状の磁性粉体は、軟磁性粉体、硬磁性粉体のいずれであってもよいが、一実施形態において、本発明の効果を顕著に得る観点から、軟磁性粉体であることが好ましい。(A-2)球状の磁性粉体は、例えば、磁性金属酸化物粉体、磁性金属粉体等であり得る。磁性金属粉体及び磁性金属酸化物粉体の例としては、それぞれ、粉体の外観形状が相違する点を除いて、(A-1)扁平状の磁性粉体の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
(A-2)球状の磁性粉体は、一実施形態において、磁性金属粉体を含むことが好ましく、磁性合金粉体を含むことがより好ましく、Fe-Si-Al系合金粉体及びFe-Si-Cr系合金粉体から選ばれる磁性合金粉体を含むことがさらに好ましく、Fe-Si-Cr系合金粉体を含むことが特に好ましい。
Fe-Si-Cr系合金粉体は、Fe、Si及びCrを含有する。Fe-Si-Cr系合金粉体におけるFeの量は、好ましくは75質量%~99質量%、より好ましくは80質量%~97質量%、特に好ましくは85質量%~95質量%である。Fe-Si-Cr系合金粉体におけるSiの量は、好ましくは2.0質量%~15.0質量%、より好ましくは3.5質量%~11.0質量%、特に好ましくは5.0質量%~9.5質量%である。Fe-Si-Cr系合金粉体におけるCrの量は、好ましくは0.1質量%~10.0質量%、より好ましくは0.5質量%~8.0質量%、特に好ましくは1.0質量%~6.0質量%である。Fe-Si-Cr系合金粉体は、Fe、Si及びCr以外の金属元素及び半金属元素も含有する場合がある。
(A-2)球状の磁性粉体は、一実施形態において、磁性金属酸化物粉体を含むことが好ましく、フェライト粉体を含むことがより好ましく、Mn系フェライト粉体、及びMn-Zn系フェライト粉体から選ばれるフェライト粉体を含むことがさらに好ましく、Mn系フェライト粉体を含むことが特に好ましい。
Mn系フェライト粉体は、Fe及びMnを含有する。Mn系フェライト粉体におけるFeの量は、フェライト中に含まれるO(酸素)を含む全元素を100質量%とした場合、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上、特に好ましくは50質量%以上であり、また、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下、特に好ましくは65質量%以下である。単結晶のMn系フェライト粉体におけるMnの量は、フェライト中に含まれるOを含む全元素を100質量%とした場合、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5量%以上、特に好ましくは7質量%以上であり、また、好ましくは40質量%以下、より好ましくは35質量%以下、特に好ましくは30質量%以下である。Mn系フェライト粉体は、Fe及びMn以外の金属元素、半金属元素等の元素も含有する場合がある。Mn系フェライト粉体におけるFe及びMn以外の金属元素及び半金属元素の量は、フェライト中に含まれるOを含む全元素を100質量%とした場合、好ましくは1質量%未満、より好ましくは0.7質量%未満、特に好ましくは0.5質量%未満である。
(A-2)球状の磁性粉体は、一実施形態において、磁性金属粉体及び磁性金属酸化物粉体を含むことが好ましく、磁性合金粉体及びフェライト粉体を含むことがより好ましく、Fe-Si-Al系合金粉体及びFe-Si-Cr系合金粉体から選ばれる磁性合金粉体、並びにMn系フェライト粉体、及びMn-Zn系フェライト粉体から選ばれるフェライト粉体を含むことがさらに好ましく、Fe-Si-Cr系合金粉体、及びMn系フェライト粉体を含むことが特に好ましい。
(A-2)球状の磁性粉体の10%粒径(D10)は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.005μm~25μm、より好ましくは0.01~20μm、特に好ましくは0.03~15μmであり得る。
(A-2)球状の磁性粉体の平均粒径(D50)は、磁性損失をより低く抑える観点から、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下、特に好ましくは12μm以下であり、その下限は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.08μm以上、特に好ましくは0.1μm以上であり得る。
(A-2)球状の磁性粉体の90%粒径(D90)は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1μm~50μm、より好ましくは0.5~30μm、さらに好ましくは0.8~25μm、特に好ましくは1~20μmであり得る。
(A-2)球状の磁性粉体の平均厚みは、磁性損失をより低く抑える観点から、好ましくは40μm以下、より好ましくは30μm以下、さらに好ましくは20μm以下、特に好ましくは12μm以下であり、その下限は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、さらに好ましくは0.08μm以上、特に好ましくは0.10μm以上であり得る。
(A-2)球状の磁性粉体の扁平率は、好ましくは2未満、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.3以下、特に好ましくは1.2以下であり、下限は、例えば、1等とし得る。
(A-2)球状の磁性粉体のアスペクト比は、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.3以下、特に好ましくは1.2以下であり、下限は、例えば、1等とし得る。
(A-2)球状の磁性粉体の真比重は、例えば、4~10g/cmであり得る。
(A-2)球状の磁性粉体の比表面積は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.05m/g以上、より好ましくは0.1m/g以上、さらに好ましくは0.3m/g以上である。また、好ましくは30m/g以下、より好ましくは20m/g以下、さらに好ましくは15m/g以下である。磁性粉体の比表面積は、BET法によって測定できる。
(A-2)球状の磁性粉体としては、市販品を用いることができる。(A-2)球状の磁性粉体の市販品としては、例えば、パウダーテック社製「M05S」、「M001」;山陽特殊製鋼社製「PST-S」;エプソンアトミックス社製「AW2-08」、「AW2-08PF20F」、「AW2-08PF10F」、「AW2-08PF3F」、「Fe-3.5Si-4.5CrPF20F」、「Fe-50NiPF20F」、「Fe-80Ni-4MoPF20F」;JFEケミカル社製「LD-M」、「LD-MH」、「KNI-106」、「KNI-106GSM」、「KNI-106GS」、「KNI-109」、「KNI-109GSM」、「KNI-109GS」;戸田工業社製「KNS-415」、「BSF-547」、「BSF-029」、「BSN-125」、「BSN-125」、「BSN-714」、「BSN-828」、「S-1281」、「S-1641」、「S-1651」、「S-1470」、「S-1511」、「S-2430」;日本重化学工業社製「JR09P2」;CIKナノテック社製「Nanotek」;キンセイマテック社製「JEMK-S」、「JEMK-H」:ALDRICH社製「Yttrium iron oxide」等が挙げられる。(A-2)球状の磁性粉体は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
(A-2)球状の磁性粉体の含有量(体積%)は、(A-1)扁平状の磁性粉体と(A-2)球状の磁性粉体との混じりをより向上させ、粘度をより低く抑える観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100体積%とした場合、好ましくは1体積%以上、より好ましくは5体積%以上、さらに好ましくは10体積%以上、特に好ましくは15体積%以上、20体積%以上、又は25体積%以上であり、その上限は、好ましくは70体積%以下、より好ましくは60体積%以下、さらに好ましくは55体積%以下、特に好ましくは50体積%以下である。
(A-2)球状の磁性粉体の含有量(質量%)は、(A-1)扁平状の磁性粉体と(A-2)球状の磁性粉体との混じりをより向上させ、粘度をより低く抑える観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、さらにより好ましくは40質量%以上、特に好ましくは50質量%以上であり、その上限は、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下、さらにより好ましくは70質量%以下、特に好ましくは65質量%以下である。
(A-2)球状の磁性粉体に対する(A-1)扁平状の磁性粉体の質量比((A-1)成分/(A-2)成分)は、例えば0.05以上、0.1以上であり得、透磁率をより向上させる観点から、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.3以上、さらに好ましくは0.4以上、特に好ましくは0.5以上である。また、その上限は、例えば50.0以下、10.0以下等であり得、粘度をより低く抑える観点から、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.7以下、さらに好ましくは2.5以下、さらにより好ましくは2.3以下、特に好ましくは2.2以下である。
(A)磁性粉体の含有量(体積%)は、特に限定されるものではないが、透磁率をより向上させる観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100体積%とした場合、好ましくは20体積%以上、より好ましくは25体積%以上、さらに好ましくは30体積%以上、さらにより好ましくは40体積%以上、特に好ましくは45体積%以上である。また、その上限は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100体積%とした場合、好ましくは85体積%以下、より好ましくは82体積%以下、さらに好ましくは79体積%以下、特に好ましくは75体積%以下である。
(A)磁性粉体の含有量(質量%)は、特に限定されるものではないが、透磁率をより向上させる観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、70質量%以上、さらに好ましくは75質量%以上、80質量%以上、特に好ましくは85質量%以上、88質量%以上である。また、その上限は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは97質量%以下、より好ましくは96質量%以下、特に好ましくは95質量%以下である。
<(B)熱硬化性樹脂>
本発明の樹脂組成物は、(B)熱硬化性樹脂を含有する。(B)熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ウレタン樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられ、それらと反応する硬化剤(例えばエポキシ硬化剤)等も含む。
(B)熱硬化性樹脂の含有量(質量%)は、特に限定されるものではないが、発明の効果をより顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは3質量%以上、特に好ましくは4質量%以上である。また、その上限は、発明の効果をより顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、特に好ましくは17質量%以下である。
<(B-1)エポキシ樹脂>
本発明の樹脂組成物は、(B)熱硬化性樹脂として、(B-1)エポキシ樹脂を含むことが好ましい。(B-1)エポキシ樹脂とは、エポキシ基を有する樹脂を意味する。
(B-1)エポキシ樹脂としては、例えば、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサン型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、イソシアヌラート型エポキシ樹脂、フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂、フェノールフタレイン型エポキシ樹脂等が挙げられる。(B-1)エポキシ樹脂は、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂組成物は、(B-1)エポキシ樹脂として、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。(B-1)エポキシ樹脂の不揮発成分100質量%に対して、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上である。
エポキシ樹脂には、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下「液状エポキシ樹脂」ということがある。)と、温度20℃で固体状のエポキシ樹脂(以下「固体状エポキシ樹脂」ということがある。)とがある。本発明の樹脂組成物は、エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、或いは固体状エポキシ樹脂のみを含んでいてもよく、或いは液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを組み合わせて含んでいてもよい。本発明の樹脂組成物は、エポキシ樹脂として、液状エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する液状エポキシ樹脂が好ましい。
液状エポキシ樹脂としては、グリシロール型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、環状脂肪族グリシジルエーテル、及びブタジエン構造を有するエポキシ樹脂が好ましく、グリシロール型エポキシ樹脂、環状脂肪族グリシジルエーテル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及びビスフェノールF型エポキシ樹脂がより好ましい。
液状エポキシ樹脂の具体例としては、ナガセケムテックス社製の「EX-992L」、三菱ケミカル社製の「YX7400」、DIC社製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「828US」、「828EL」、「jER828EL」、「825」、「エピコート828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER807」、「1750」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「630」、「630LSD」、「604」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「ED-523T」(グリシロール型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「EP-3950L」、「EP-3980S」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂);ADEKA社製の「EP-4088S」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1059」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品);ナガセケムテックス社製の「EX-721」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂);ナガセケムテックス社製の「EX-991L」(アルキレンオキシ骨格及びブタジエン骨格含有エポキシ樹脂);ダイセル社製の「セロキサイド2021P」(エステル骨格を有する脂環式エポキシ樹脂);ダイセル社製の「PB-3600」、日本曹達社製の「JP-100」、「JP-200」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ZX1658」、「ZX1658GS」(液状1,4-グリシジルシクロヘキサン型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「EG-280」(フルオレン構造含有エポキシ樹脂);ナガセケムテックス社製「EX-201」(環状脂肪族グリシジルエーテル)等が挙げられる。
固体状エポキシ樹脂としては、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する固体状エポキシ樹脂が好ましく、1分子中に3個以上のエポキシ基を有する芳香族系の固体状エポキシ樹脂がより好ましい。
固体状エポキシ樹脂としては、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂、フェノールフタレイン型エポキシ樹脂が好ましい。
固体状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC社製の「HP4032H」(ナフタレン型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP-4700」、「HP-4710」(ナフタレン型4官能エポキシ樹脂);DIC社製の「N-690」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「N-695」(クレゾールノボラック型エポキシ樹脂);DIC社製の「HP-7200」、「HP-7200HH」、「HP-7200H」、「HP-7200L」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂);DIC社製の「EXA-7311」、「EXA-7311-G3」、「EXA-7311-G4」、「EXA-7311-G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「EPPN-502H」(トリスフェノール型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC7000L」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3000FH」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN475V」、「ESN4100V」(ナフタレン型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN485」(ナフトール型エポキシ樹脂);日鉄ケミカル&マテリアル社製の「ESN375」(ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX4000H」、「YX4000」、「YX4000HK」、「YL7890」(ビキシレノール型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8800」(アントラセン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX7700」(フェノールアラルキル型エポキシ樹脂);大阪ガスケミカル社製の「PG-100」、「CG-500」;三菱ケミカル社製の「YL7760」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YL7800」(フルオレン型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1010」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「jER1031S」(テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂);日本化薬社製の「WHR991S」(フェノールフタルイミジン型エポキシ樹脂)等が挙げられる。これらは、1種類単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(B-1)エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50g/eq.~5,000g/eq.、より好ましくは60g/eq.~2,000g/eq.、さらに好ましくは70g/eq.~1,000g/eq.、さらにより好ましくは80g/eq.~500g/eq.である。エポキシ当量は、エポキシ基1当量あたりの樹脂の質量である。このエポキシ当量は、JIS K7236に従って測定することができる。
(B-1)エポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは100~5,000、より好ましくは250~3,000、さらに好ましくは400~1,500である。樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、ポリスチレン換算の値として測定できる。
(B-1)エポキシ樹脂の含有量(質量%)は、特に限定されるものではないが、発明の効果をより顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、さらに好ましくは2質量%以上、特に好ましくは3質量%以上である。また、その上限は、発明の効果をより顕著に得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、特に好ましくは15質量%以下である。
<(B-2)エポキシ硬化剤>
本発明の樹脂組成物は、(B)熱硬化性樹脂として(B-1)エポキシ樹脂を含む場合、任意成分として(B-2)エポキシ硬化剤を含む場合がある。(B-2)エポキシ硬化剤は、(B-1)エポキシ樹脂と反応して樹脂組成物を硬化させる機能を有する。
(B-2)エポキシ硬化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、活性エステル系硬化剤、フェノール系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、ベンゾオキサジン系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、及びチオール系硬化剤等が挙げられる。(B-2)エポキシ硬化剤は、フェノール系硬化剤及び活性エステル系硬化剤から選ばれるエポキシ硬化剤を含むことが好ましく、フェノール系硬化剤を含むことが特に好ましい。
活性エステル系硬化剤としては、一般にフェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N-ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の、反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。当該活性エステル化合物は、カルボン酸化合物及び/又はチオカルボン酸化合物とヒドロキシ化合物及び/又はチオール化合物との縮合反応によって得られるものが好ましい。特に耐熱性向上の観点から、カルボン酸化合物とヒドロキシ化合物とから得られる活性エステル化合物が好ましく、カルボン酸化合物とフェノール化合物及び/又はナフトール化合物とから得られる活性エステル化合物がより好ましい。カルボン酸化合物としては、例えば安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール化合物又はナフトール化合物としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、フェノールフタリン、メチル化ビスフェノールA、メチル化ビスフェノールF、メチル化ビスフェノールS、フェノール、o-クレゾール、m-クレゾール、p-クレゾール、カテコール、α-ナフトール、β-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物、フェノールノボラック等が挙げられる。ここで、「ジシクロペンタジエン型ジフェノール化合物」とは、ジシクロペンタジエン1分子にフェノール2分子が縮合して得られるジフェノール化合物をいう。
活性エステル系硬化剤としては、具体的には、ジシクロペンタジエン型活性エステル化合物、ナフタレン構造を含むナフタレン型活性エステル化合物、フェノールノボラックのアセチル化物を含む活性エステル化合物、フェノールノボラックのベンゾイル化物を含む活性エステル化合物が好ましく、中でもジシクロペンタジエン型活性エステル化合物、及びナフタレン型活性エステル化合物から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、ジシクロペンタジエン型活性エステル化合物がさらに好ましい。ジシクロペンタジエン型活性エステル化合物としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物が好ましい。
活性エステル系硬化剤の市販品としては、ジシクロペンタジエン型ジフェノール構造を含む活性エステル化合物として、「EXB9451」、「EXB9460」、「EXB9460S」、「EXB-8000L」、「EXB-8000L-65M」、「EXB-8000L-65TM」、「HPC-8000L-65TM」、「HPC-8000」、「HPC-8000-65T」、「HPC-8000H」、「HPC-8000H-65TM」(DIC社製);ナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「HP-B-8151-62T」、「EXB-8100L-65T」、「EXB-8150-60T」、「EXB-8150-62T」、「EXB-9416-70BK」、「HPC-8150-60T」、「HPC-8150-62T」、「EXB-8」(DIC社製);りん含有活性エステル化合物として、「EXB9401」(DIC社製)、フェノールノボラックのアセチル化物である活性エステル化合物として「DC808」(三菱ケミカル社製)、フェノールノボラックのベンゾイル化物である活性エステル化合物として「YLH1026」、「YLH1030」、「YLH1048」(三菱ケミカル社製)、スチリル基及びナフタレン構造を含む活性エステル化合物として「PC1300-02-65MA」(エア・ウォーター社製)等が挙げられる。
フェノール系硬化剤としては、耐熱性及び耐水性の観点から、ノボラック構造を有するフェノール系硬化剤が好ましい。また、被着体に対する密着性の観点から、含窒素フェノール系硬化剤が好ましく、トリアジン骨格含有フェノール系硬化剤がより好ましい。中でも、耐熱性、耐水性、及び密着性を高度に満足させる観点から、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂が好ましい。フェノール系硬化剤の具体例としては、例えば、明和化成社製の「MEH-7700」、「MEH-7810」、「MEH-7851」、日本化薬社製の「NHN」、「CBN」、「GPH」、日鉄ケミカル&マテリアル社製の「SN-170」、「SN-180」、「SN-190」、「SN-475」、「SN-485」、「SN-495」、「SN-375」、「SN-395」、DIC社製の「LA-7052」、「LA-7054」、「LA-3018」、「LA-3018-50P」、「LA-1356」、「TD2090」、「TD-2090-60M」等が挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤としては、1分子内中に1個以上、好ましくは2個以上のカルボジイミド構造を有する硬化剤が挙げられ、例えば、テトラメチレン-ビス(t-ブチルカルボジイミド)、シクロヘキサンビス(メチレン-t-ブチルカルボジイミド)等の脂肪族ビスカルボジイミド;フェニレン-ビス(キシリルカルボジイミド)等の芳香族ビスカルボジイミド等のビスカルボジイミド;ポリヘキサメチレンカルボジイミド、ポリトリメチルヘキサメチレンカルボジイミド、ポリシクロヘキシレンカルボジイミド、ポリ(メチレンビスシクロヘキシレンカルボジイミド)、ポリ(イソホロンカルボジイミド)等の脂肪族ポリカルボジイミド;ポリ(フェニレンカルボジイミド)、ポリ(ナフチレンカルボジイミド)、ポリ(トリレンカルボジイミド)、ポリ(メチルジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(ジエチルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(トリイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(ジイソプロピルフェニレンカルボジイミド)、ポリ(キシリレンカルボジイミド)、ポリ(テトラメチルキシリレンカルボジイミド)、ポリ(メチレンジフェニレンカルボジイミド)、ポリ[メチレンビス(メチルフェニレン)カルボジイミド]等の芳香族ポリカルボジイミド等のポリカルボジイミドが挙げられる。
カルボジイミド系硬化剤の市販品としては、例えば、日清紡ケミカル社製の「カルボジライトV-02B」、「カルボジライトV-03」、「カルボジライトV-04K」、「カルボジライトV-07」及び「カルボジライトV-09」;ラインケミー社製の「スタバクゾールP」、「スタバクゾールP400」、「ハイカジル510」等が挙げられる。
酸無水物系硬化剤としては、1分子内中に1個以上の酸無水物基を有する硬化剤が挙げられ、1分子内中に2個以上の酸無水物基を有する硬化剤が好ましい。酸無水物系硬化剤の具体例としては、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルナジック酸無水物、水素化メチルナジック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、ドデセニル無水コハク酸、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、3,3’-4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b-ヘキサヒドロ-5-(テトラヒドロ-2,5-ジオキソ-3-フラニル)-ナフト[1,2-C]フラン-1,3-ジオン、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、スチレンとマレイン酸とが共重合したスチレン・マレイン酸樹脂などのポリマー型の酸無水物などが挙げられる。酸無水物系硬化剤の市販品としては、新日本理化社製の「HNA-100」、「MH-700」、「MTA-15」、「DDSA」、「OSA」、三菱ケミカル社製の「YH-306」、「YH-307」、日立化成社製の「HN-2200」、「HN-5500」、クレイバレイ社製「EF-30」、「EF-40」「EF-60」、「EF-80」等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、1分子内中に1個以上、好ましくは2個以上のアミノ基を有する硬化剤が挙げられ、例えば、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられ、中でも、本発明の所望の効果を奏する観点から、芳香族アミン類が好ましい。アミン系硬化剤は、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。アミン系硬化剤の具体例としては、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルアニリン)、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、m-フェニレンジアミン、m-キシリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、3,3’-ジヒドロキシベンジジン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、3,3-ジメチル-5,5-ジエチル-4,4-ジフェニルメタンジアミン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス(4-(4-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4-(3-アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、等が挙げられる。アミン系硬化剤は市販品を用いてもよく、例えば、セイカ社製「SEIKACURE-S」、日本化薬社製の「KAYABOND C-200S」、「KAYABOND C-100」、「カヤハードA-A」、「カヤハードA-B」、「カヤハードA-S」、三菱ケミカル社製の「エピキュアW」等が挙げられる。
ベンゾオキサジン系硬化剤の具体例としては、JFEケミカル社製の「JBZ-OP100D」、「ODA-BOZ」;昭和高分子社製の「HFB2006M」;四国化成工業社製の「P-d」、「F-a」などが挙げられる。
シアネートエステル系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジシアネート、ポリフェノールシアネート(オリゴ(3-メチレン-1,5-フェニレンシアネート))、4,4’-メチレンビス(2,6-ジメチルフェニルシアネート)、4,4’-エチリデンジフェニルジシアネート、ヘキサフルオロビスフェノールAジシアネート、2,2-ビス(4-シアネート)フェニルプロパン、1,1-ビス(4-シアネートフェニルメタン)、ビス(4-シアネート-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,3-ビス(4-シアネートフェニル-1-(メチルエチリデン))ベンゼン、ビス(4-シアネートフェニル)チオエーテル、及びビス(4-シアネートフェニル)エーテル等の2官能シアネート樹脂、フェノールノボラック及びクレゾールノボラック等から誘導される多官能シアネート樹脂、これらシアネート樹脂が一部トリアジン化したプレポリマーなどが挙げられる。シアネートエステル系硬化剤の具体例としては、ロンザジャパン社製の「PT30」及び「PT60」(いずれもフェノールノボラック型多官能シアネートエステル樹脂)、「BA230」、「BA230S75」(ビスフェノールAジシアネートの一部又は全部がトリアジン化され三量体となったプレポリマー)等が挙げられる。
チオール系硬化剤としては、例えば、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3-メルカプトブチレート)、トリス(3-メルカプトプロピル)イソシアヌレート等が挙げられる。
(B-2)エポキシ硬化剤の反応基当量は、好ましくは50g/eq.~3000g/eq.、より好ましくは100g/eq.~1000g/eq.、さらに好ましくは100g/eq.~500g/eq.、特に好ましくは100g/eq.~300g/eq.である。反応基当量は、反応基1当量あたりの(B-2)エポキシ硬化剤の質量である。
(B-2)エポキシ硬化剤の含有量(質量%)は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは20質量%以下、特に好ましくは10質量%以下である。また、その下限は、例えば、0質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上等であり得る。
<(C)硬化促進剤>
本発明の樹脂組成物は、(B)熱硬化性樹脂として(B-1)エポキシ樹脂を含む場合、任意成分として(C)硬化促進剤を含む場合がある。(C)硬化促進剤は、(B-1)エポキシ樹脂の硬化を促進させる機能を有する。
(C)硬化促進剤としては、例えば、イミダゾール系硬化促進剤、リン系硬化促進剤、ウレア系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、金属系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤等が挙げられる。一実施形態において、(C)硬化促進剤は、イミダゾール系硬化促進剤及びリン系硬化促進剤から選ばれる硬化促進剤を含むことが好ましい。(C)硬化促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
イミダゾール系硬化促進剤としては、例えば、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-メチルイミダゾール、1-ベンジル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾール、1-シアノエチル-2-エチル-4-メチルイミダゾール、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾール、1-シアノエチル-2-ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1-シアノエチル-2-フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-ウンデシルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-エチル-4’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[1,2-a]ベンズイミダゾール、1-ドデシル-2-メチル-3-ベンジルイミダゾリウムクロライド、2-メチルイミダゾリン、2-フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。
イミダゾール系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、四国化成工業社製の「1B2PZ」、「2MZA-PW」、「2PHZ-PW」、三菱ケミカル社製の「P200-H50」等が挙げられる。
リン系硬化促進剤としては、例えば、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムデカノエート、テトラブチルホスホニウムラウレート、ビス(テトラブチルホスホニウム)ピロメリテート、テトラブチルホスホニウムハイドロジェンヘキサヒドロフタレート、テトラブチルホスホニウム2,6-ビス[(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)メチル]-4-メチルフェノラート、ジ-tert-ブチルメチルホスホニウムテトラフェニルボレート等の脂肪族ホスホニウム塩;メチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、プロピルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、p-トリルトリフェニルホスホニウムテトラ-p-トリルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラp-トリルボレート、トリフェニルエチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(3-メチルフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリス(2-メトキシフェニル)エチルホスホニウムテトラフェニルボレート、(4-メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等の芳香族ホスホニウム塩;トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン等の芳香族ホスフィン・ボラン複合体;トリフェニルホスフィン・p-ベンゾキノン付加反応物等の芳香族ホスフィン・キノン付加反応物;トリブチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、ジ-tert-ブチル(2-ブテニル)ホスフィン、ジ-tert-ブチル(3-メチル-2-ブテニル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン等の脂肪族ホスフィン;ジブチルフェニルホスフィン、ジ-tert-ブチルフェニルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、エチルジフェニルホスフィン、ブチルジフェニルホスフィン、ジフェニルシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ-o-トリルホスフィン、トリ-m-トリルホスフィン、トリ-p-トリルホスフィン、トリス(4-エチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-プロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-イソプロピルフェニル)ホスフィン、トリス(4-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,4,6-トリメチルフェニル)ホスフィン、トリス(2,6-ジメチル-4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(2-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-エトキシフェニル)ホスフィン、トリス(4-tert-ブトキシフェニル)ホスフィン、ジフェニル-2-ピリジルホスフィン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,2-ビス(ジフェニルホスフィノ)アセチレン、2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)ジフェニルエーテル等の芳香族ホスフィン等が挙げられる。
ウレア系硬化促進剤としては、例えば、1,1-ジメチル尿素;1,1,3-トリメチル尿素、3-エチル-1,1-ジメチル尿素、3-シクロヘキシル-1,1-ジメチル尿素、3-シクロオクチル-1,1-ジメチル尿素等の脂肪族ジメチルウレア;3-フェニル-1,1-ジメチル尿素、3-(4-クロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(2-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジメチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-イソプロピルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-メトキシフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(4-ニトロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-[4-(4-メトキシフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、3-[4-(4-クロロフェノキシ)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、3-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,1-ジメチル尿素、N,N-(1,4-フェニレン)ビス(N’,N’-ジメチル尿素)、N,N-(4-メチル-1,3-フェニレン)ビス(N’,N’-ジメチル尿素)〔トルエンビスジメチルウレア〕等の芳香族ジメチルウレア等が挙げられる。
グアニジン系硬化促進剤としては、例えば、ジシアンジアミド、1-メチルグアニジン、1-エチルグアニジン、1-シクロヘキシルグアニジン、1-フェニルグアニジン、1-(o-トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、1-メチルビグアニド、1-エチルビグアニド、1-n-ブチルビグアニド、1-n-オクタデシルビグアニド、1,1-ジメチルビグアニド、1,1-ジエチルビグアニド、1-シクロヘキシルビグアニド、1-アリルビグアニド、1-フェニルビグアニド、1-(o-トリル)ビグアニド等が挙げられる。
金属系硬化促進剤としては、例えば、コバルト、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、スズ等の金属の、有機金属錯体又は有機金属塩が挙げられる。有機金属錯体の具体例としては、コバルト(II)アセチルアセトナート、コバルト(III)アセチルアセトナート等の有機コバルト錯体、銅(II)アセチルアセトナート等の有機銅錯体、亜鉛(II)アセチルアセトナート等の有機亜鉛錯体、鉄(III)アセチルアセトナート等の有機鉄錯体、ニッケル(II)アセチルアセトナート等の有機ニッケル錯体、マンガン(II)アセチルアセトナート等の有機マンガン錯体等が挙げられる。有機金属塩としては、例えば、オクチル酸亜鉛、オクチル酸錫、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸スズ、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン、4-ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8-ジアザビシクロ(5,4,0)-ウンデセン等が挙げられる。
アミン系硬化促進剤としては、市販品を用いてもよく、例えば、味の素ファインテクノ社製の「MY-25」等が挙げられる。
(C)硬化促進剤の含有量(質量%)は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。また、その下限は、例えば、0質量%以上、0.001質量%以上、0.01質量%以上等であり得る。
<(D)熱可塑性樹脂>
本発明の樹脂組成物は、任意成分として(D)熱可塑性樹脂を含んでいていてもよい。ここで説明する(D)熱可塑性樹脂は、上記で説明した(B)熱硬化性樹脂には該当しない成分である。
(D)熱可塑性樹脂としては、例えば、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。中でも、フェノキシ樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂は、1種類単独で用いてもよく、又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA骨格、ビスフェノールF骨格、ビスフェノールS骨格、ビスフェノールアセトフェノン骨格、ノボラック骨格、ビフェニル骨格、フルオレン骨格、ジシクロペンタジエン骨格、ノルボルネン骨格、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、アダマンタン骨格、テルペン骨格、及びトリメチルシクロヘキサン骨格からなる群から選択される1種類以上の骨格を有するフェノキシ樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂の末端は、フェノール性水酸基、エポキシ基等のいずれの官能基でもよい。
フェノキシ樹脂の具体例としては、三菱ケミカル社製の「1256」及び「4250」(いずれもビスフェノールA骨格含有フェノキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX8100」(ビスフェノールS骨格含有フェノキシ樹脂);三菱ケミカル社製の「YX6954」(ビスフェノールアセトフェノン骨格含有フェノキシ樹脂);新日鉄住金化学社製の「FX280」及び「FX293」;三菱ケミカル社製の「YL7500BH30」、「YX6954BH30」、「YX7553」、「YX7553BH30」、「YL7769BH30」、「YL6794」、「YL7213」、「YL7290」、「YL7482」及び「YL7891BH30」;等が挙げられる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、例えば、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が挙げられ、ポリビニルブチラール樹脂が好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の具体例としては、電気化学工業社製の「電化ブチラール4000-2」、「電化ブチラール5000-A」、「電化ブチラール6000-C」、「電化ブチラール6000-EP」;積水化学工業社製のエスレックBHシリーズ、BXシリーズ(例えばBX-5Z)、KSシリーズ(例えばKS-1)、BLシリーズ、BMシリーズ;等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸メチル共重合体等のエチレン系共重合樹脂;ポリプロピレン、エチレン-プロピレンブロック共重合体等のポリオレフィン系重合体等が挙げられる。
ポリイミド樹脂の具体例としては、新日本理化社製の「リカコートSN20」及び「リカコートPN20」が挙げられる。
ポリアミドイミド樹脂の具体例としては、東洋紡社製の「バイロマックスHR11NN」及び「バイロマックスHR16NN」が挙げられる。ポリアミドイミド樹脂の具体例としてはまた、日立化成社製の「KS9100」、「KS9300」(ポリシロキサン骨格含有ポリアミドイミド)等の変性ポリアミドイミドが挙げられる。
ポリエーテルスルホン樹脂の具体例としては、住友化学社製の「PES5003P」等が挙げられる。
ポリスルホン樹脂の具体例としては、ソルベイアドバンストポリマーズ社製のポリスルホン「P1700」、「P3500」等が挙げられる。
ポリエステル樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンナフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンナフタレート樹脂、ポリシクロヘキサンジメチルテレフタレート樹脂等が挙げられる。
(D)熱可塑性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、本発明の効果を顕著に得る観点から、好ましくは8,000以上、より好ましくは10,000以上、特に好ましくは20,000以上であり、好ましくは70,000以下、より好ましくは60,000以下、特に好ましくは50,000以下である。
(D)熱可塑性樹脂の含有量(質量%)は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、特に好ましくは6質量%以下である。また、その下限は、例えば、0質量%以上、0.01質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上等であり得る。
<(E)分散剤>
本発明の樹脂組成物は、任意成分として(E)分散剤を含む場合がある。
(E)分散剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等のリン酸エステル系分散剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等のポリオキシアルキレン系分散剤;アセチレングリコール等のアセチレン系分散剤;ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系分散剤;ポリアクリル酸ナトリウム、ドデシルベンゼルスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩等のアニオン性分散剤;アミノ基含有ポリアクリレート系樹脂、アミノ基含有ポリスチレン系樹脂等のカチオン性分散剤等が挙げられる。(E)分散剤は1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
リン酸エステル系分散剤の市販品としては、東邦化学工業社製「フォスファノール」シリーズの「RS-410」、「RS-610」、「RS-710」等が挙げられる。
ポリオキシアルキレン系分散剤の市販品としては、日油社製「マリアリム」シリーズの「AKM-0531」、「AFB-1521」、「SC-0505K」、「SC-1015F」及び「SC-0708A」、並びに「HKM-50A」等が挙げられる。
アセチレン系分散剤の市販品としては、Air Products and Chemicals Inc.製「サーフィノール」シリーズの「82」、「104」、「440」、「465」及び「485」、並びに「オレフィンY」等が挙げられる。
シリコーン系分散剤の市販品の市販品としては、ビックケミー社製「BYK347」、「BYK348」等が挙げられる。
アニオン性分散剤の市販品としては、味の素ファインテクノ社製「PN-411」、「PA-111」;ライオン社製「A-550」、「PS-1900」等が挙げられる。
カチオン性分散剤の市販品としては、ビックケミー社製「161」、「162」、「164」、「182」、「2000」、「2001」;味の素ファインテクノ社製「PB-821」、「PB-822」、「PB-824」;アイエスピー・ジャパン社製「V-216」、「V-220」;ルーブリゾール社製「ソルスパース13940」「ソルスパース24000」「ソルスパース32000」等が挙げられる。
(E)分散剤の含有量(質量%)は、特に限定されるものではないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、特に好ましくは7質量%以下である。また、その下限は、例えば、0質量%以上、0.01質量%以上、0.1質量%以上、1質量%以上等であり得る。
<(F)その他の添加剤>
本発明の樹脂組成物は、不揮発成分として、さらに任意の添加剤を含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、マレイミド系ラジカル重合性化合物、ビニルフェニル系ラジカル重合性化合物、(メタ)アクリル系ラジカル重合性化合物、アリル系ラジカル重合性化合物、ポリブタジエン系ラジカル重合性化合物等のラジカル重合性化合物;過酸化物系ラジカル重合開始剤、アゾ系ラジカル重合開始剤等のラジカル重合開始剤;ゴム粒子等の有機充填材;有機銅化合物、有機亜鉛化合物等の有機金属化合物;ハイドロキノン、カテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の重合禁止剤;シリコーン系レベリング剤、アクリルポリマー系レベリング剤等のレベリング剤;ベントン、モンモリロナイト等の増粘剤;シリコーン系消泡剤、アクリル系消泡剤、フッ素系消泡剤、ビニル樹脂系消泡剤等の消泡剤;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤;尿素シラン等の接着性向上剤;トリアゾール系密着性付与剤、テトラゾール系密着性付与剤、トリアジン系密着性付与剤等の密着性付与剤;ヒンダードフェノール系酸化防止剤等の酸化防止剤;フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤等の界面活性剤;リン系難燃剤(例えばリン酸エステル化合物、ホスファゼン化合物、ホスフィン酸化合物、赤リン)、窒素系難燃剤(例えば硫酸メラミン)、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤(例えば三酸化アンチモン)等の難燃剤;ボレート系安定剤、チタネート系安定剤、アルミネート系安定剤、ジルコネート系安定剤、イソシアネート系安定剤、カルボン酸系安定剤、カルボン酸無水物系安定剤等の安定剤等が挙げられる。(F)その他の添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。(F)その他の添加剤の含有量は当業者であれば適宜設定できる。
<(G)有機溶剤>
本発明の樹脂組成物は、上述した不揮発性成分以外に、揮発性成分として、さらに任意の有機溶剤を含有する場合がある。例えば、樹脂組成物によりフィルムを作製する場合、有機溶媒によりワニス状とし、支持体上に樹脂組成物のワニスを塗工し、乾燥させて樹脂組成物層を形成することができるが、その場合、樹脂組成物層に残留溶剤として溶剤が含まれることがある。(G)有機溶剤としては、不揮発性成分の少なくとも一部を溶解可能なものである限り、公知のものを適宜用いることができ、その種類は特に限定されるものではない。(G)有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソアミル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ-ブチロラクトン等のエステル系溶剤;テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジフェニルエーテル等のエーテル系溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶剤;酢酸2-エトキシエチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチルジグリコールアセテート、γ-ブチロラクトン、メトキシプロピオン酸メチル等のエーテルエステル系溶剤;乳酸メチル、乳酸エチル、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル等のエステルアルコール系溶剤;2-メトキシプロパノール、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)等のエーテルアルコール系溶剤;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶剤;ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤等を挙げることができる。(G)有機溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。(G)有機溶剤は、使用する場合、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
(G)有機溶剤の含有量は、印刷用や穴埋め用等に用いるため、ペースト状の樹脂組成物とする場合には、有機溶剤の含有量は少ないほど好ましく、樹脂組成物中の全成分を100質量%とした場合、好ましく1質量%以下、より好ましくは0.8質量%以下、さらに好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下である。下限は特に制限はなく、例えば0.001質量%とすることができるが、理想的には0質量%である。フィルム作成用のワニスを樹脂組成物とする場合には、有機溶剤の含有量は樹脂組成物中の全成分を100質量%とした場合、好ましく20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは8質量%以下、特に好ましくは6質量%以下である。下限は特に制限はなく、例えば0.001質量%以上であり得る。フィルム中の残留溶媒としては、好ましく5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。下限は特に制限はなく、例えば0.001質量%以上であり得る。(G)有機溶剤の含有量をより少なく抑えると、有機溶剤の揮発によるボイドの発生を抑制することができ、さらに取扱い性、作業性にも優れたものとすることができる。
<樹脂組成物の特性>
本発明の樹脂組成物は、(A)磁性粉体、及び(B)熱硬化性樹脂を含み、(A)磁性粉体が、(A-1)扁平状の磁性粉体、及び(A-2)球状の磁性粉体を含み、(A-1)扁平状の磁性粉体の平均短軸長が1μm以上である。このような樹脂組成物を用いることにより、ペースト化及びフィルム化が容易であり且つ比透磁率に優れた磁性材料を得ることができる。
本発明の樹脂組成物の硬化物は、優れた比透磁率(μ’)を有し得る。したがって、一実施形態において、下記試験例2のように測定周波数10MHz、23℃で測定した場合の樹脂組成物の硬化物の比透磁率(μ’)は、好ましくは4以上、6以上、より好ましくは8以上、10以上、11以上、さらに好ましくは12以上、13以上、特に好ましくは14以上、15以上となり得る。
本発明の樹脂組成物は、一実施形態において、適度な粘度を有し得る。したがって、一実施形態において、穴埋め用等のペーストとする場合には、下記試験例3のようにE型粘度計を用いて測定した25℃(±2℃)における粘度は、好ましくは0.05Pa・s以上、より好ましくは0.1Pa・s以上、さらに好ましくは0.5Pa・s以上、特に好ましくは1Pa・s以上であり、上限は、好ましくは1500Pa・s以下、より好ましくは1200Pa・s以下、さらに好ましくは1000Pa・s以下、特に好ましくは800Pa・s以下である。
フィルム作成用のペースト(ワニス)とする場合には、下記試験例3のようにE型粘度計を用いて測定した25℃(±2℃)における粘度は、好ましくは0.05Pa・s以上、より好ましくは0.1Pa・s以上、さらに好ましくは0.5Pa・s以上、特に好ましくは1Pa・s以上であり、上限は、好ましくは200Pa・s以下、より好ましくは100Pa・s以下、さらに好ましくは80Pa・s以下、特に好ましくは50Pa・s以下である。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明の樹脂組成物は、例えば、任意の調製容器に(A)磁性粉体、(B)熱硬化性樹脂、必要に応じて(C)硬化促進剤、必要に応じて(D)熱可塑性樹脂、必要に応じて(E)分散剤、必要に応じて(F)その他の添加剤、及び必要に応じて(G)有機溶剤を、任意の順で及び/又は一部若しくは全部同時に加えて混合することによって、製造することができる。また、各成分を加えて混合する過程で、温度を適宜設定することができ、一時的に又は終始にわたって、加熱及び/又は冷却してもよい。また、各成分を加えて混合する過程において、撹拌又は振盪を行ってもよい。また、加えて混合する際に又はその後に、樹脂組成物を、例えば、ミキサーなどの撹拌装置又は振盪装置を用いて撹拌又は振盪し、均一に分散させてもよい。また、撹拌又は振盪と同時に、真空下等の低圧条件下で脱泡を行ってもよい。
<樹脂組成物の形態>
基板の磁性硬化物を形成するにあたって、樹脂組成物は、常温(25℃(±2℃))でペースト状の樹脂組成物の形態で用いてもよく、該樹脂組成物の層を含む樹脂シートの形態で用いてもよい。ペースト状の樹脂組成物とは、例えば、下記試験例3のようにE型粘度計を用いて測定した常温(25℃(±2℃))における粘度が0.05Pa・s~1500Pa・sの範囲内の樹脂組成物であり得る。
樹脂組成物は、一実施形態において、有機溶剤を用いて、ペースト状の樹脂組成物としてもよいし、液状のエポキシ樹脂等の液状熱硬化性樹脂を使用することにより、有機溶剤を含まないペースト状の樹脂組成物としてもよい。
樹脂組成物は、一実施形態において、スルーホール充填用の樹脂組成物として好適に使用することができる。また、樹脂組成物は、一実施形態において、インダクタ素子を製造するためのインダクタ基素子形成用の樹脂組成物として好適に使用することができる。
<樹脂シート>
樹脂シートは、支持体と、該支持体上に設けられた、本発明の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層とを含む。
樹脂組成物層の厚さは、薄型化の観点から、好ましくは250μm以下、より好ましくは200μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常、5μm以上、10μm以上等とし得る。
支持体としては、例えば、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔、離型紙が挙げられ、プラスチック材料からなるフィルム、金属箔が好ましい。
支持体としてプラスチック材料からなるフィルムを使用する場合、プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と略称することがある。)等のポリエステル、ポリカーボネート(以下「PC」と略称することがある。)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリルポリマー、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルサルファイド(PES)、ポリエーテルケトン、ポリイミド等が挙げられる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、安価なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
支持体として金属箔を使用する場合、金属箔としては、例えば、銅箔、アルミニウム箔等が挙げられ、銅箔が好ましい。銅箔としては、銅の単金属からなる箔を用いてもよく、銅と他の金属(例えば、スズ、クロム、銀、マグネシウム、ニッケル、ジルコニウム、ケイ素、チタン等)との合金からなる箔を用いてもよい。
支持体は、樹脂組成物層と接合する面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。
また、支持体としては、樹脂組成物層と接合する面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド系離型剤、ポリオレフィン系離型剤、ウレタン系離型剤、及びシリコーン系離型剤からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型層付き支持体は、市販品を用いてもよく、例えば、シリコーン系離型剤又はアルキド樹脂系離型剤を主成分とする離型層を有するPETフィルムである、リンテック社製の「PET501010」、「SK-1」、「AL-5」、「AL-7」;東レ社製の「ルミラーT60」;帝人社製の「ピューレックス」;ユニチカ社製の「ユニピール」等が挙げられる。
支持体の厚みとしては、特に限定されないが、5μm~75μmの範囲が好ましく、10μm~60μmの範囲がより好ましい。なお、離型層付き支持体を使用する場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
樹脂シートにおいて、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、1μm~40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを抑制することができる。樹脂シートは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。樹脂シートが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
樹脂シートは、例えば、樹脂組成物を、ダイコーター等を用いて支持体上に塗布し、樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。必要に応じて樹脂組成物に有機溶剤を混合してから支持体上に塗布してもよい。有機溶剤を用いる場合、必要に応じて塗布後に乾燥を行ってもよい。
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。樹脂組成物中に含まれる成分によっても異なるが、50℃~150℃で3分間~10分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。
樹脂シートは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。樹脂シートが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
<回路基板及びその製造方法>
本発明の回路基板は、樹脂組成物の硬化物を含む。第1実施形態の回路基板は、スルーホールを有する基板と、前記スルーホールに充填した、本発明の樹脂組成物の硬化物とを含む。また、第2実施形態の回路基板は、樹脂シートの樹脂組成物層の硬化物により形成された硬化物層を含む。以下、回路基板の製造方法の第1実施形態及び第2実施形態について説明する。但し、本発明に係る回路基板の製造方法は、以下に例示する第1及び第2実施形態に限定されない。
<第1実施形態>
第1実施形態の回路基板は、例えば、下記の工程(1)~(5)を含む製造方法によって製造する。第1実施形態では、樹脂組成物を用いて硬化物を形成することが好ましく、ペースト状の樹脂組成物を用いて硬化物を形成することがより好ましい。
(1)スルーホールを有する基板のスルーホールに樹脂組成物を充填する工程、
(2)該樹脂組成物を熱硬化させ、硬化物を得る工程、
(3)硬化物又は樹脂組成物の表面を研磨する工程、
(4)硬化物を粗化処理する工程、及び
(5)硬化物を粗化処理した面に導体層を形成する工程、を含む。
本発明の回路基板の製造方法は、工程(1)~(5)の順で行ってもよく、工程(3)の後に工程(2)を行ってもよい。
<工程(1)>
工程(1)を行うにあたって、樹脂組成物を準備する工程を含んでいてもよい。樹脂組成物は、上記において説明したとおりである。
また、工程(1)を行うにあたって、図1に一例を示すように、支持基板11、並びに該支持基板11の両表面に設けられた銅箔等の金属からなる第1金属層12、及び第2金属層13を備えるコア基板10を準備する工程を含んでいてもよい。支持基板11の材料の例としては、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の絶縁性基材が挙げられる。第1及び第2金属層の材料の例としては、キャリア付銅箔、後述する導体層の材料等が挙げられる。
また、図2に一例を示すように、コア基板10にスルーホール14を形成する工程を含んでいてもよい。スルーホール14は、例えば、ドリル、レーザー照射、プラズマ照射等により形成することができる。具体的には、ドリル等を用いてコア基板10に貫通穴を形成することにより、スルーホール14を形成することができる。
スルーホール14の形成は、市販されているドリル装置を用いて実施することができる。市販されているドリル装置としては、例えば、日立ビアメカニクス社製「ND-1S211」等が挙げられる。
コア基板10にスルーホール14を形成した後、図3に一例を示すように、コア基板10の粗化処理を行い、スルーホール14内、第1金属層12の表面上、及び第2金属層13の表面上にめっき層20を形成する工程を含んでいてもよい。
前記の粗化処理としては、乾式及び湿式のいずれの粗化処理を行ってもよい。乾式の粗化処理の例としては、プラズマ処理等が挙げられる。また、湿式の粗化処理の例としては、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、及び、中和液による中和処理をこの順に行う方法が挙げられる。
めっき層20は、めっき法により形成され、めっき法によりめっき層20が形成される手順は、後述する工程(5)における導体層の形成と同様である。
コア基板10を用意した後で、図4に一例を示すように、樹脂組成物30aをスルーホール14へ充填する。充填は、例えば印刷法で行い得る。印刷法としては、例えば、スキージを介してスルーホール14へ樹脂組成物30aを印刷する方法、カートリッジを介して樹脂組成物30aを印刷する方法、マスク印刷して樹脂組成物30aを印刷する方法、ロールコート法、インクジェット法等が挙げられる。
<工程(2)>
工程(2)では、スルーホール14内に樹脂組成物30aを充填後、樹脂組成物30aを熱硬化して、図5に一例を示すように、スルーホール14内に硬化物30を形成する。樹脂組成物30aの熱硬化条件は、樹脂組成物30aの組成や種類によっても異なるが、硬化温度は好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、好ましくは245℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。樹脂組成物30aの硬化時間は、好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上、さらに好ましくは15分以上であり、好ましくは120分以下、より好ましくは110分以下、さらに好ましくは100分以下である。
工程(2)における硬化物30の硬化度としては、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上である。硬化度は、例えば示差走査熱量測定装置を用いて測定することができる。
樹脂組成物30aを熱硬化させる前に、樹脂組成物30aに対して、硬化温度よりも低い温度で加熱する予備加熱処理を施してもよい。例えば、樹脂組成物30aを熱硬化させるのに先立ち、通常50℃以上120℃未満(好ましくは60℃以上110℃以下、より好ましくは70℃以上100℃以下)の温度にて、樹脂組成物30aを、通常5分間以上(好ましくは5分間~150分間、より好ましくは15分間~120分間)、予備加熱してもよい。
<工程(3)>
工程(3)では、図6に一例を示すように、コア基板10から突出又は付着している余剰の硬化物30を研磨することにより除去し、平坦化する。研磨方法としては、コア基板10から突出又は付着している余剰の硬化物30を研磨することができる方法を用いることができる。このような研磨方法としては、例えば、バフ研磨、ベルト研磨等が挙げられる。市販されているバフ研磨装置としては石井表記社製「NT-700IM」等が挙げられる。
硬化物30の研磨面(硬化物層の熱硬化後)の算術平均粗さ(Ra)としては、めっきとの間の密着性を向上させる観点から、好ましくは300nm以上、より好ましくは350nm以上、さらに好ましくは400nm以上である。上限は、好ましくは1000nm以下、より好ましくは900nm以下、さらに好ましくは800nm以下である。表面粗さ(Ra)は、例えば、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。
工程(2)の後に工程(3)を行う場合、工程(2)後工程(3)前に、硬化物30の硬化度をさらに高める等の目的で、必要により熱処理を施してもよい。前記熱処理における温度は上記した硬化温度に準じて行えばよく、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、好ましくは245℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。熱処理時間は、好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上、さらに好ましくは15分以上であり、好ましくは90分以下、より好ましくは70分以下、さらに好ましくは60分以下である。
また、工程(2)の前に工程(3)を行う場合、工程(3)の前に、樹脂組成物の硬化温度よりも低い温度で加熱する予備加熱処理を施してもよい。前記予備加熱処理における温度は、好ましくは100℃以上、より好ましくは110℃以上、さらに好ましくは120℃以上であり、好ましくは245℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。熱処理時間は、好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上、さらに好ましくは15分以上であり、好ましくは90分以下、より好ましくは70分以下、さらに好ましくは60分以下である。
<工程(4)>
工程(4)では、工程(3)にて研磨した面を粗化処理(デスミア処理)する。粗化工程の手順、条件は特に限定されず、多層プリント配線板の製造方法に際して通常使用される公知の手順、条件を採用することができる。粗化工程として、例えば、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理、中和液による中和処理をこの順に実施することにより硬化物30を粗化処理することができる。
粗化工程に用いられ得る膨潤液としては特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液である。膨潤液であるアルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン社製「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」等が挙げられる。
膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30℃~90℃の膨潤液に硬化物30が設けられたコア基材20を1分間~20分間浸漬することにより行うことができる。硬化物30を構成する樹脂の膨潤を適度なレベルに抑える観点から、40℃~80℃の膨潤液に硬化物30を5分間~15分間浸漬させることが好ましい。
酸化剤による粗化処理に用いられ得る酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。アルカリ性過マンガン酸溶液等の酸化剤による粗化処理は、60℃~80℃に加熱した酸化剤の溶液に硬化物30を10分間~30分間浸漬させることにより行うことが好ましい。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%~10質量%とすることが好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン社製「コンセントレート・コンパクトP」、「ドージングソリューション・セキュリガンスP」等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。
中和処理に用いられ得る中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、例えば、アトテックジャパン社製「リダクションソリューション・セキュリガンスP」が挙げられる。中和液による中和処理は、酸化剤溶液による粗化処理がなされた処理面を30℃~80℃の中和液に5分間~30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤溶液による粗化処理がなされた硬化物30を、40℃~70℃の中和液に5分間~20分間浸漬する方法が好ましい。
硬化物30の粗化処理後の算術平均粗さ(Ra)としては、めっきとの間の密着性を向上させる観点から、好ましくは300nm以上、より好ましくは350nm以上、さらに好ましくは400nm以上である。上限は、好ましくは1500nm以下、より好ましくは1200nm以下、さらに好ましくは1000nm以下である。表面粗さ(Ra)は、例えば、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。
<工程(5)>
工程(5)では、図7に一例を示すように、硬化物30の研磨面、及びコア基板上に導体層40を形成する。さらに、導体層40を形成後、図8に一例を示すように、エッチング等の処理により導体層40、第1金属層12、第2金属層13、及びめっき層20の一部を除去してパターン導体層41を形成してもよい。図7では、導体層40はコア基板10の両面に形成されているが、導体層40は、コア基板10の一方の面のみに形成してもよい。
導体層40の形成方法は、例えば、めっき法、スパッタ法、蒸着法などが挙げられ、中でもめっき法が好ましい。好適な実施形態では、セミアディティブ法、フルアディティブ法等の適切な方法によって硬化物30(及びめっき層20)の表面にめっきして、所望の配線パターンを有するパターン導体層41を形成する。導体層40の材料としては、例えば、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ、インジウム等の単金属;金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムの群から選択される2種以上の金属の合金が挙げられる。中でも、汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅、又はニッケルクロム合金、銅ニッケル合金、銅チタン合金を用いることが好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅、又はニッケルクロム合金を用いることがより好ましく、銅を用いることがさらに好ましい。
ここで、硬化物30を研磨した面上にパターン導体層41を形成する実施形態の例を、詳細に説明する。硬化物30を研磨した面に、無電解めっきにより、めっきシード層を形成する。次いで、形成されためっきシード層上に、電解めっきにより電解めっき層を形成し、必要に応じて、不要なめっきシード層をエッチング等の処理により除去して、所望の配線パターンを有する導体層40を形成できる。導体層40形成後、導体層40のピール強度を向上させる等の目的で、必要によりアニール処理を行ってもよい。アニール処理は、例えば、回路基板を150~200℃で20~90分間加熱することにより行うことができる。
パターン導体層の厚さは、薄型化の観点から、好ましくは70μm以下であり、より好ましくは60μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下、さらにより好ましくは40μm以下、特に好ましくは30μm以下、20μm以下、15μm以下又は10μm以下である。下限は好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。
<第2実施形態>
第2実施形態の回路基板は、樹脂組成物の硬化物により形成された硬化物層を含む。第2実施形態では、樹脂シートを用いて硬化物層を形成することが好ましい。以下、製品基板の製造方法の第2実施形態について説明する。第1実施形態と説明が重複する箇所は適宜説明を省略する。
第2実施形態の回路基板は、例えば、下記の工程(A)~(D)を含む製造方法によって製造する。
(A)樹脂シートを、樹脂組成物層が内層基板と接合するように内層基板に積層し、硬化物層を形成する工程、
(B)硬化物層に穴あけ加工を行う工程、
(C)硬化物層の表面を粗化処理する工程、及び
(D)硬化物層の研磨した面に導体層を形成する工程、を含む。
以下、回路基板を製造するにあたっての上記の工程(A)~(D)について詳細に説明する。
<工程(A)>
工程(A)は、樹脂シートを、樹脂組成物層が内層基板と接合するように内層基板に積層し、硬化物層を形成する工程である。工程(A)の一実施形態として、樹脂シートを、樹脂組成物層が内層基板と接合するように内層基板に積層し、樹脂組成物層を熱硬化して硬化物層を形成する。
工程(A)において、図9に一例を示すように、支持体330と、該支持体330上に設けられた樹脂組成物層320aとを含む樹脂シート310を、樹脂組成物層320aが内層基板200と接合するように、内層基板200に積層させる。
内層基板200は、絶縁性の基板である。内層基板200の材料としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の絶縁性基材が挙げられる。内層基板200は、その厚さ内に配線等が作り込まれた内層回路基板であってもよい。
図9に一例を示すように、内層基板200は、第1主表面200a上に設けられる第1導体層420と、第2主表面200b上に設けられる外部端子240とを有している。第1導体層420は、複数の配線を含んでいてもよい。図示例ではインダクタ素子のコイル状導電性構造体400を構成する配線のみが示されている。外部端子240は図示されていない外部の装置等と電気的に接続するための端子である。外部端子240は、第2主表面200bに設けられる導体層の一部として構成することができる。
第1導体層420、及び外部端子240を構成し得る導体材料としては、第1実施形態の「<工程(5)>」欄において説明した導体層の材料と同様である。
第1導体層420、及び外部端子240は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。また、第1導体層420、外部端子240の厚さは、後述する第2導体層440と同様である。
第1導体層420及び外部端子240のライン(L)/スペース(S)比は特に制限されないが、表面の凹凸を減少させて平滑性に優れる硬化物層を得る観点から、通常、900/900μm以下、好ましくは700/700μm以下、より好ましくは500/500μm以下、さらに好ましくは300/300μm以下、さらにより好ましくは200/200μm以下である。ライン/スペース比の下限は特に制限されないが、スペースへの樹脂組成物層の埋め込みを良好にする観点から、好ましくは1/1μm以上である。
内層基板200は第1主表面200aから第2主表面200bに至るように内層基板200を貫通する複数のスルーホール220を有していてもよい。スルーホール220にはスルーホール内配線220aが設けられている。スルーホール内配線220aは、第1導体層420と外部端子240とを電気的に接続している。
樹脂組成物層320aと内層基板200との接合は、例えば、支持体330側から、樹脂シート310を内層基板200に加熱圧着することにより行うことができる。樹脂シート310を内層基板200に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(ステンレス(SUS)鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を樹脂シート310に直接的に接触させてプレスするのではなく、内層基板200の表面の凹凸に樹脂シート310が十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材からなるシート等を介してプレスするのが好ましい。
加熱圧着する際の温度は、好ましくは80℃~160℃、より好ましくは90℃~140℃、さらに好ましくは100℃~120℃の範囲であり、加熱圧着する際の圧力は、好ましくは0.098MPa~1.77MPa、より好ましくは0.29MPa~1.47MPaの範囲であり、加熱圧着する際の時間は、好ましくは20秒間~400秒間、より好ましくは30秒間~300秒間の範囲である。樹脂シートと内層基板との接合は、圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施することが好ましい。
樹脂シート310の樹脂組成物層320aと内層基板200との接合は、市販の真空ラミネーターによって行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、名機製作所社製の真空加圧式ラミネーター、ニッコー・マテリアルズ社製のバキュームアプリケーター等が挙げられる。
樹脂シート310と内層基板200との接合の後に、常圧下(大気圧下)、例えば、加熱圧着部材を支持体330側からプレスすることにより、積層された樹脂シート310の平滑化処理を行ってもよい。平滑化処理のプレス条件は、上記積層の加熱圧着条件と同様の条件とすることができる。平滑化処理は、市販のラミネーターによって行うことができる。なお、積層と平滑化処理とは、上記の市販の真空ラミネーターを用いて連続的に行ってもよい。
樹脂シート310を内層基板200に積層した後、樹脂組成物層320aを熱硬化して硬化物層を形成する。図10に一例を示すように、内層基板200に接合させた樹脂組成物層320aを熱硬化し第1硬化物層320を形成する。
樹脂組成物層320aの熱硬化条件は、樹脂組成物の組成や種類によっても異なるが、硬化温度は好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、好ましくは245℃以下、より好ましくは220℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。樹脂組成物層320aの硬化時間は、好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上、さらに好ましくは15分以上であり、好ましくは120分以下、より好ましくは110分以下、さらに好ましくは100分以下である。
支持体330は、工程(A)の熱硬化後と工程(B)との間に除去してもよく、工程(B)の後に剥離してもよい。
硬化物層の粗化処理前の算術平均粗さ(Ra)としては、めっきとの間の密着性を向上させる観点から、好ましくは300nm以上、より好ましくは350nm以上、さらに好ましくは400nm以上である。上限は、好ましくは1000nm以下、より好ましくは900nm以下、さらに好ましくは800nm以下である。表面粗さ(Ra)は、例えば、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。
工程(A)は、樹脂シートの代わりに樹脂組成物を、ダイコーター等を用いて内層基板200上に塗布し、熱硬化させることで硬化物層を形成してもよい。
<工程(B)>
工程(B)において、図11に一例を示すように、第1硬化物層320に穴あけ加工をし、ビアホール360を形成する。ビアホール360は、第1導体層420と、後述する第2導体層440とを電気的に接続するための経路となる。ビアホール360の形成は、硬化物層の形成に使用した樹脂組成物の組成等に応じて、例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等を使用して実施してよい。ホールの寸法や形状は、プリント配線板のデザインに応じて適宜決定してよい。
<工程(C)>
工程(C)において、ビアホールを形成した硬化物層の表面を粗化処理する。工程(C)における粗化処理としては、第1実施形態の「<工程(4)>」欄において説明したとおりである。
硬化物層の粗化処理後の算術平均粗さ(Ra)としては、めっきとの間の密着性を向上させる観点から、好ましくは300nm以上、より好ましくは350nm以上、さらに好ましくは400nm以上である。上限は、好ましくは1500nm以下、より好ましくは1200nm以下、さらに好ましくは1000nm以下である。表面粗さ(Ra)は、例えば、非接触型表面粗さ計を用いて測定することができる。
<工程(D)>
工程(D)では、図12に一例を示すように、第1硬化物層320上に、第2導体層440を形成する。
第2導体層440を構成し得る導体材料としては、第1実施形態の「<工程(5)>」欄において説明した導体層の材料と同様である。
第2導体層440の厚さは、薄型化の観点から、好ましくは70μm以下であり、より好ましくは60μm以下であり、さらに好ましくは50μm以下、さらにより好ましくは40μm以下、特に好ましくは30μm以下、20μm以下、15μm以下又は10μm以下である。下限は好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上である。
第2導体層440は、めっきにより形成することができる。第2導体層440は、例えば、無電解めっき工程、マスクパターン形成工程、電解めっき工程、フラッシュエッチング工程を含むセミアディティブ法、フルアディティブ法等の湿式めっき法により形成されることが好ましい。湿式めっき法を用いて第2導体層440を形成することにより、所望の配線パターンを含む第2導体層440として形成することができる。なお、この工程により、ビアホール360内にビアホール内配線360aが併せて形成される。
第1導体層420及び第2導体層440は、例えば後述する図13~15に一例を示すように、渦巻状に設けられていてもよい。一例において、第2導体層440の渦巻状の配線部のうちの中心側の一端はビアホール内配線360aにより第1導体層420の渦巻状の配線部のうちの中心側の一端に電気的に接続されている。第2導体層440の渦巻状の配線部のうちの外周側の他端はビアホール内配線360aにより第1導体層42のランド420aに電気的に接続されている。よって第2導体層440の渦巻状の配線部のうちの外周側の他端はビアホール内配線360a、ランド420a、スルーホール内配線220aを経て外部端子240に電気的に接続される。
コイル状導電性構造体400は、第1導体層420の一部分である渦巻状の配線部、第2導体層440の一部分である渦巻状の配線部、第1導体層420の渦巻状の配線部と第2導体層440の渦巻状の配線部とを電気的に接続しているビアホール内配線360aにより構成されている。
工程(D)後、さらに導体層上に硬化物層を形成する工程を行ってもよい。詳細は、図14に一例を示すように、第2導体層440及びビアホール内配線360aが形成された第1硬化物層320上に第2硬化物層340を形成する。第2硬化物層は既に説明した工程と同様の工程により形成してもよい。
<インダクタ基板>
インダクタ基板は、本発明の回路基板を含む。このようなインダクタ基板は、第1実施形態の回路基板の製造方法により得られた回路基板を含む場合、前記の樹脂組成物の硬化物の周囲の少なくとも一部に導体によって形成されたインダクタパターンを有する。このようなインダクタ基板は、例えば特開2016-197624号公報に記載のものを適用できる。
また、第2実施形態の回路基板の製造方法により得られた回路基板を含む場合、インダクタ基板は、硬化物層と、この硬化物層に少なくとも一部分が埋め込まれた導電性構造体とを有しており、この導電性構造体と、硬化物層の厚さ方向に延在し、かつ導電性構造体に囲まれた硬化物層のうちの一部分によって構成されるインダクタ素子を含んでいる。ここで図13は、インダクタ素子を内蔵するインダクタ基板をその厚さ方向の一方からみた模式的な平面図である。図14は、図13に示すII-II一点鎖線で示した位置で切断したインダクタ基板の切断端面を示す模式的な図である。図15は、インダクタ基板のうちの第1導体層の構成を説明するための模式的な平面図である。
回路基板100は、図13及び図14に一例として示されるように、複数の硬化物層(第1硬化物層320、第2硬化物層340)及び複数の導体層(第1導体層420、第2導体層440)を有する、即ちビルドアップ硬化物層及びビルドアップ導体層を有するビルドアップ配線板である。また、インダクタ基板100は、内層基板200を備えている。
図14より、第1硬化物層320及び第2硬化物層340は一体的な硬化物層としてみることができる磁性部300を構成している。よってコイル状導電性構造体400は、磁性部300に少なくとも一部分が埋め込まれるように設けられている。すなわち、本実施形態のインダクタ基板100において、インダクタ素子はコイル状導電性構造体400と、磁性部300の厚さ方向に延在し、かつコイル状導電性構造体400に囲まれた磁性部300のうちの一部分である芯部によって構成されている。
図15に一例として示されるように、第1導体層420はコイル状導電性構造体400を構成するための渦巻状の配線部と、スルーホール内配線220aと電気的に接続される矩形状のランド420aとを含んでいる。図示例では渦巻状の配線部は直線状部と直角に屈曲する屈曲部とランド420aを迂回する迂回部を含んでいる。図示例では第1導体層420の渦巻状の配線部は全体の輪郭が略矩形状であって、中心側からその外側に向かうにあたり反時計回りに巻いている形状を有している。
同様に、第1硬化物層320上には第2導体層440が設けられている。第2導体層440はコイル状導電性構造体400を構成するための渦巻状の配線部を含んでいる。図13又は図14では渦巻状の配線部は直線状部と直角に屈曲する屈曲部とを含んでいる。図13又は図14では第2導体層44の渦巻状の配線部は全体の輪郭が略矩形状であって、中心側からその外側に向かうにあたり時計回りに巻いている形状を有している。
このようなインダクタ基板は、半導体チップ等の電子部品を搭載するための配線板として用いることができ、かかる配線板を内層基板として使用した(多層)プリント配線板として用いることもできる。また、かかる配線板を個片化したチップインダクタ部品として用いることもでき、該チップインダクタ部品を表面実装したプリント配線板として用いることもできる。
またかかる配線板を用いて、種々の態様の半導体装置を製造することができる。かかる配線板を含む半導体装置は、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラおよびテレビ等)および乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶および航空機等)等に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において、量を表す「%」は、別途明示のない限り、「質量%」を意味する。特に温度の指定が無い場合の温度条件は、室温(23℃)である。特に圧力の指定が無い場合の圧力条件は、常圧(1atm)である。
<実施例1>
扁平状の磁性粉体a(山陽特殊製鋼社製「PST-4」、Fe-Si-Al合金粉、10%粒径(D10)5.8μm、平均粒径(D50)37μm、90%粒径(D90)75μm、アスペクト比2.0、平均厚み1.7μm、扁平率22、平均短軸長21μm、タップ密度2.56g/cm)を50質量部、球状の磁性粉体a(エプソンアトミックス社製「AW2-08PF3」、Fe-Si-Cr合金粉、10%粒径(D10)1.7μm、平均粒径(D50)3.1μm、90%粒径(D90)5.2μm、アスペクト比1.1、平均厚み3.1μm、扁平率1.1)を39質量部、球状の磁性粉体b(パウダーテック社製「M001」、Mnフェライト粉、10%粒径(D10)0.05μm、平均粒径(D50)0.12μm、90%粒径(D90)1.1μm、アスペクト比1.1、平均厚み0.1μm、扁平率1.1)を39質量部、エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ZX-1059」、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂の混合品)を13質量部、フェノール樹脂(DIC社製「LA-7054」、メラミン変性フェノールノボラック樹脂、不揮発成分60%のMEK溶液)を14質量部、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」、不揮発成分30%のメチルエチルケトン:シクロヘキサノン=1:1の溶液、特殊骨格フェノキシ樹脂)を12質量部、及び硬化促進剤a(北興化学工業社製「TBP-DA」、リン系硬化促進剤)を0.1質量部加え、高速回転ミキサーで均一に分散し、樹脂組成物を調製した。
<実施例2>
扁平状の磁性粉体a(山陽特殊製鋼社製「PST-4」)の使用量を50質量部から79質量部に変更し、球状の磁性粉体a(エプソンアトミックス社製「AW2-08PF3」)の使用量を39質量部から61質量部に変更し、球状の磁性粉体b(パウダーテック社製「M001」)の使用量を39質量部から79質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
<実施例3>
扁平状の磁性粉体a(山陽特殊製鋼社製「PST-4」)の使用量を50質量部から87質量部に変更し、球状の磁性粉体a(エプソンアトミックス社製「AW2-08PF3」)の使用量を39質量部から67質量部に変更し、球状の磁性粉体b(パウダーテック社製「M001」)の使用量を39質量部から87質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
<実施例4>
扁平状の磁性粉体a(山陽特殊製鋼社製「PST-4」)50質量部の代わりに扁平状の磁性粉体b(山陽特殊製鋼社製「FME3D-AH」、Fe-Si-Al合金粉、10%粒径(D10)15μm、平均粒径(D50)42μm、90%粒径(D90)107μm、アスペクト比2.0、厚み0.1μm、扁平率480、平均短軸長18μm、タップ密度0.73g/cm)を70質量部使用し、球状の磁性粉体a(エプソンアトミックス社製「AW2-08PF3」)の使用量を39質量部から58質量部に変更し、球状の磁性粉体b(パウダーテック社製「M001」)の使用量を39質量部から73質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
<実施例5>
扁平状の磁性粉体a(山陽特殊製鋼社製「PST-4」)の使用量を50質量部から34質量部に変更し、球状の磁性粉体a(エプソンアトミックス社製「AW2-08PF3」)の使用量を39質量部から26質量部に変更し、球状の磁性粉体b(パウダーテック社製「M001」)の使用量を39質量部から26質量部に変更し、エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ZX-1059」)の使用量を13質量部から7質量部に変更し、硬化促進剤a(北興化学工業社製「TBP-DA」)0.1質量部の代わりに硬化促進剤b(四国化成社製「2MZA-PW」、イミダゾール系硬化促進剤)を1質量部使用し、フェノール樹脂(DIC社製「LA-7054」)14質量部を使用せず、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」)12質量部を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
<実施例6>
球状の磁性粉体a(エプソンアトミックス社製「AW2-08PF3」)の使用量を39質量部から38質量部に変更し、球状の磁性粉体b(パウダーテック社製「M001」)の使用量を39質量部から38質量部に変更し、エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ZX-1059」)の使用量を13質量部から7質量部に変更し、硬化促進剤a(北興化学工業社製「TBP-DA」)0.1質量部の代わりに硬化促進剤b(四国化成社製「2MZA-PW」、イミダゾール系硬化促進剤)を1質量部使用し、フェノール樹脂(DIC社製「LA-7054」)14質量部を使用せず、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」)12質量部を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
<実施例7>
扁平状の磁性粉体a(山陽特殊製鋼社製「PST-4」)の使用量を50質量部から40質量部に変更し、球状の磁性粉体a(エプソンアトミックス社製「AW2-08PF3」)の使用量を39質量部から20質量部に変更し、エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ZX-1059」)の使用量を13質量部から5質量部に変更し、硬化促進剤a(北興化学工業社製「TBP-DA」)0.1質量部の代わりに硬化促進剤b(四国化成社製「2MZA-PW」、イミダゾール系硬化促進剤)を0.4質量部使用し、分散剤(日油社製「SC-1015F」、ポリオキシアルキレン系分散剤)2質量部、及び環状ケトン溶剤(純正化学社製「シクロヘキサノン」)2質量部をさらに加え、球状の磁性粉体b(パウダーテック社製「M001」)39質量部を使用せず、フェノール樹脂(DIC社製「LA-7054」)14質量部を使用せず、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」)12質量部を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
<比較例1>
扁平状の磁性粉体a(山陽特殊製鋼社製「PST-4」)の使用量を50質量部から55質量部に変更し、エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ZX-1059」)の使用量を13質量部から3質量部に変更し、フェノール樹脂(DIC社製「LA-7054」)の使用量を14質量部から4質量部に変更し、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」)の使用量を12質量部から3質量部に変更し、球状の磁性粉体a(エプソンアトミックス社製「AW2-08PF3」)39質量部を使用せず、球状の磁性粉体b(パウダーテック社製「M001」)39質量部を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
<比較例2>
球状の磁性粉体a(エプソンアトミックス社製「AW2-08PF3」)39質量部から65質量部に変更し、エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ZX-1059」)13質量部から3質量部に変更し、フェノール樹脂(DIC社製「LA-7054」)の使用量を14質量部から4質量部に変更し、フェノキシ樹脂(三菱ケミカル社製「YX7553BH30」)の使用量を12質量部から3質量部に変更し、環状ケトン溶剤(純正化学社製「シクロヘキサノン」)2質量部をさらに加え、扁平状の磁性粉体a(山陽特殊製鋼社製「PST-4」)50質量部を使用せず、球状の磁性粉体b(パウダーテック社製「M001)39質量部を使用しなかった以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物を調製した。
<扁平率の算出>
走査型電子顕微鏡による観察において、磁性粉体を無作為に50個抽出し、平面視においてその粒子の輪郭上の最長となる2点間を結ぶ最長線分の長さを測定し、その平均値(数平均)から平均長軸長を算出した。また磁性粉体をポリエステル系樹脂(JP-21111001、不飽和ポリエステル、丸本ストルアス社製)に埋め込み、80℃、30分で硬化後、研磨琢磨装置(STRUERS-S5629B、Struers社製)を用いて研磨(SiC-研磨紙#4000、Struers社製)し、研磨面を走査型電子顕微鏡で観察した。磁性粉体から無作為に抽出した50個の粒子に関し、走査型電子顕微鏡像に基づいて、磁性粉体の厚さ方向の厚みYを測定し、その最大値Ym及び最小値Ynから、平均厚み((Ym+Yn)/2)を算出し、さらに、扁平率(平均長軸長/平均厚み)を算出した。
<アスペクト比の算出>
走査型電子顕微鏡による観察において、磁性粉体を無作為に50個抽出し、平面視においてその粒子の輪郭上の最長となる2点間を結ぶ最長線分の長さを測定し、その平均値(数平均)から平均長軸長を算出した。また、同時に、その粒子の輪郭に外接し且つ最長線分に平行な長辺を有する最小面積の長方形を描いたときの短辺の長さを測定し、その平均値から平均短軸長を算出した。平均長軸長を平均短軸長で除した値に基づいてアスペクト比を算出した。
<10%粒径(D10)、平均粒径(D50)、及び90%粒径(D90)の算出>
磁性粉体を超音波により純水中に分散させたものを測定サンプルとし、レーザー回折散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所社製「LA-960」)により、磁性粉体の粒径分布を体積基準で作成し、10%粒径(D10)、50%粒径(平均粒径)(D50)、及び90%粒径(D90)を算出した。
<試験例1:ペースト化及びフィルム化の評価>
実施例及び比較例で調製した樹脂組成物について、流動性を確認し、塗工性があるペースト状である実施例1~7及び比較例2の樹脂組成物について、フィルム化を行った。支持体として、シリコーン系離型剤処理を施したポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(リンテック社製「PET501010」、厚さ50μm)を用意した。各樹脂組成物を上記PETフィルムの離型面上に、乾燥後の樹脂組成物層の厚みが100μmとなるよう、ドクターブレードにて均一に塗布し、樹脂シートを得た。樹脂組成物のペースト化及びフィルム化について、以下の評価基準で評価した。
(ペースト化の評価基準)
「〇」:流動性を有するペースト状で、塗工性あり。
「×」:流動性がなく、塗工不可。
(フィルム化の評価基準)
「〇」:穴がなく、フィルムの膜厚が均等である。
「×」:穴が開き、フィルムの膜厚が不均一である。または、流動性がなくフィルム化不可。
<試験例2:比透磁率の測定及び評価>
試験例1で得た樹脂シートを190℃で90分間加熱することにより樹脂組成物層を熱硬化し、支持体を剥離することによりシート状の硬化物を得た。得られた硬化物を、幅5mm、長さ18mmの試験片に切断し、評価サンプルとした。この評価サンプルを、アジレントテクノロジーズ(Agilent Technologies社製、「HP8362B」)を用いて、3ターンコイル法にて測定周波数を10MHzとし、室温23℃にて比透磁率(μ’)を測定した。比透磁率を以下の評価基準で評価した。
(比透磁率の評価基準)
「〇」:比透磁率が11以上。
「×」:比透磁率が11未満。
「無記載」:フィルム化できず測定不可。
<試験例3:粘度の測定>
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物のうちペースト状である実施例1~7及び比較例2の樹脂組成物について、温度を25±2℃に保ち、E型粘度計(東機産業社製「RE-80U」、3°×R9.7コーン、回転数は5rpm)を用いて粘度測定(Pa・s)を行った。
実施例及び比較例の樹脂組成物の不揮発成分及びその含有量、並びに試験例の測定結果及び評価結果を下記表1に示す。
Figure 0007604926000001
以上から、(A)磁性粉体、及び(B)熱硬化性樹脂を含み、(A)成分が、(A-1)扁平状の磁性粉体、及び(A-2)球状の磁性粉体を含み、(A-1)扁平状の磁性粉体の平均短軸長が1μm以上である樹脂組成物を用いることにより、ペースト化及びフィルム化が容易であり且つ比透磁率に優れた磁性材料が得られることがわかった。
10 コア基板
11 支持基板
12 第1金属層
13 第2金属層
14 スルーホール
20 めっき層
30a 樹脂組成物
30 硬化物
40 導体層
41 パターン導体層
100 回路基板
200 内層基板
200a 第1主表面
200b 第2主表面
220 スルーホール
220a スルーホール内配線
240 外部端子
300 磁性部
310 樹脂シート
320a 樹脂組成物層
320 第1硬化物層
330 支持体
340 第2硬化物層
360 ビアホール
360a ビアホール内配線
400 コイル状導電性構造体
420 第1導体層
420a ランド
440 第2導体層

Claims (16)

  1. (A)磁性粉体、及び(B)熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物であって、
    (A)成分が、(A-1)扁平状の磁性粉体、及び(A-2)球状の磁性粉体を含み、
    (A-1)成分の平均短軸長が1μm以上であり、
    (A-1)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、30質量%~80質量%である、樹脂組成物。
  2. (A-1)成分の扁平率が2以上であり、且つ(A-2)成分の扁平率が2未満である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. (A-1)成分の平均粒径が、10μm~100μmである、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. (A-2)成分の平均粒径が、0.1μm~40μmである、請求項1~3の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  5. (A-2)成分に対する(A-1)成分の質量比((A-1)成分/(A-2)成分)が、0.4~2.3である、請求項1~4の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  6. (A)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100体積%とした場合、25体積%~75体積%である、請求項1~5の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  7. (A)成分の含有量が、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、70質量%~96質量%である、請求項1~6の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  8. (B)成分が、(B-1)エポキシ樹脂を含む、請求項1~7の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  9. (C)硬化促進剤をさらに含む、請求項1~8の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 樹脂組成物の硬化物の比透磁率(μ’)が、測定周波数10MHz、23℃で測定した場合、11以上である、請求項1~9の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  11. 25℃における粘度が0.05Pa・s~1500Pa・sである、請求項1~10の何れか1項に記載の樹脂組成物。
  12. 支持体と、該支持体上に設けられた請求項1~11の何れか1項に記載の樹脂組成物で形成された樹脂組成物層とを含む、樹脂シート。
  13. 請求項1~11の何れか1項に記載の樹脂組成物の硬化物。
  14. スルーホールを有する基板と、前記スルーホールに充填した請求項1~11の何れか1項に記載の樹脂組成物の硬化物と、を備える回路基板。
  15. 請求項1~11の何れか1項に記載の樹脂組成物の硬化物である硬化物層を含む、回路基板。
  16. 請求項14又は15に記載の回路基板を含む、インダクタ基板。
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