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JP7562363B2 - 非熱可塑性ポリイミドフィルム、ポリイミド積層フィルム、非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法およびポリイミド積層フィルムの製造方法 - Google Patents

非熱可塑性ポリイミドフィルム、ポリイミド積層フィルム、非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法およびポリイミド積層フィルムの製造方法 Download PDF

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JP7562363B2 JP2020170914A JP2020170914A JP7562363B2 JP 7562363 B2 JP7562363 B2 JP 7562363B2 JP 2020170914 A JP2020170914 A JP 2020170914A JP 2020170914 A JP2020170914 A JP 2020170914A JP 7562363 B2 JP7562363 B2 JP 7562363B2
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Description

本発明は、フレキシブルプリント基板用のポリイミド積層フィルムにレーザーを用いてビア形成する工程において、ビア内壁へのクラック発生を抑制するポリイミド積層フィルムおよびポリイミド積層フィルムの製造方法に関するものである。
タブレット、スマートフォン等に用いられるフレキシブルプリント配線板(以下、FPC)の中で、ポリイミドフィルムを用いる2層フレキシブルプリント配線板(以下、2層FPC)は、耐熱性に優れることから市場での需要が拡大している。このFPC製造の際、ポリイミドフィルムの両面に銅箔を貼り合わせ銅張積層板が用いられ、回路形成を目的として、この銅張積層板にホール(ビア)を形成し、ビアの内面に銅メッキをすることで積層板上下間の導通確保する工程がある。
またビア形成工程には、ドリルやレーザーで両面の銅箔に貫通孔を開けるスルーホール法と片面の銅箔のみをエッチングし絶縁層をレーザーで除去して片面の銅箔は残すブランインドビアホール法があるが、とくに微細FPCでは面積を有効に使用するためにブランインドビアホール法が高頻度に用いられる。
またビア形成後、ビアの内部や銅箔表面に付着する樹脂残渣を除去洗浄する目的で、よく湿式デスミア処理(アルカリ性過マンガン酸カリウム水溶液での洗浄)が行われる。ただし、ビア形成の際に用いるレーザー加工箇所には局所的に残留応力が蓄積されるため、ビア形成後のデスミア処理でビア周辺部にクラック・剥離などの欠陥が生じる事が課題となっている。特許文献1にはレーザー加工後に熱処理行い残留応力低減させることでクラックなどの欠陥発生を抑制する方法が、特許文献2には、欠陥発生の対策としてアルカリ溶液への耐性向上させたポリイミドなどが開示されているが抜本的に当課題が発生しない工程は見出されていない。
特開2012-186377号公報 特開2017-179148号公報
フレキシブルプリント基板用のポリイミド積層フィルムにレーザーを用いてビア形成する工程において、ビア内壁へのクラック発生を抑制するポリイミド積層フィルムを提供する事である。
上記を達成の為に検討を重ねた結果、一部エステル化された構造を分子中に有する非熱可塑性ポリイミド前駆体、および、熱可塑性ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)との混合物をイミド化させることで得られ、そのフィルム中に10μm以下の島構造の熱可塑性ポリイミドのドメインを有する相分離構造を形成させることを特徴とする非熱可塑性ポリイミドフィルムより、レーザーを用いたビア形成工程後におけるビア内壁へのクラック発生を抑制するポリイミド積層フィルムが得られる事を見出すに至った。本発明は、以下からなるものである。
〔1〕. 下記に示す一部エステル化された構造を分子中に有する非熱可塑性ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)、および、熱可塑性ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)との混合物をイミド化させることにより非熱可塑性ポリイミドフィルムを作製し、そのフィルム中に10μm以下の島構造の熱可塑性ポリイミドのドメインを有する相分離構造を形成させることを特徴とする非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法。(但し、R1は2価の有機基、R2は4価の有機基、R3は、炭素数1~20で示される有機基である)
Figure 0007562363000001
〔2〕.前記非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造に用いる、少なくとも1種の熱可塑性ポリイミド前駆体から得られるポリイミドフィルムの変曲点温度が290℃以下であることを特徴とする〔1〕に記載の非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法。
〔3〕.前記非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造に用いる、少なくとも1種の熱可塑性ポリイミド前駆体の分子量が150,000以上であることを特徴とする〔1〕または〔2〕に記載の非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法。
〔4〕.前記非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造に用いる、少なくとも1種の熱可塑性ポリイミド前駆体が4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、または、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、または、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、または、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、または、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、または、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、または、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパンを含むことを特徴とする請求項〔1〕~〔3〕に記載の非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法。
〔5〕.前記非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造に用いる、一部アルキルエステル化された構造を分子中に有する非熱可塑性ポリイミド前駆体が4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニルを含むことを特徴とする、〔1〕~〔4〕に記載の非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法。
〔6〕.〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド樹脂層を形成させることを特徴とするポリイミド積層フィルムの製造方法。
〔7〕.フィルム中に10μm以下の島構造の熱可塑性ポリイミドのドメインと海構造の非熱可塑性ポリイミドのドメインを有する相分離構造を形成していることを特徴とする非熱可塑性ポリイミドフィルムであり、島構造の熱可塑性ポリイミドが、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、または、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、または、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、または、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、または、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、または、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンから選択されるジアミン由来の構造を有することを特徴とする非熱可塑性ポリイミドフィルム。
〔8〕.前記島構造の熱可塑性ポリイミドが、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物由来の構造を有することを特徴とする〔7〕に記載の非熱可塑性ポリイミドフィルム。
〔9〕. 〔7〕または〔8〕に記載の非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド樹脂層を有することを特徴とするポリイミド積層フィルム。
本発明で得られるポリイミド積層体は、フィルムの製造工程に特別な変更をほどこさずに、レーザー加工によるビア形成工程において発生するビア内壁のクラックを抑制したフレキシブルプリント基板を提供できる。
本発明のホールクラック試験に係る実際の判別に用いた光学顕微鏡像の一例を示す図である。
本発明において、下記に示す一部エステル化された構造を分子中に有する非熱可塑性ポリイミド前駆体、および、熱可塑性ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)との混合物をイミド化させることにより非熱可塑性ポリイミドフィルムを作製し、そのフィルム中に10μm以下の島構造の熱可塑性ポリイミドのドメインを有する相分離構造を形成させることを特徴とする非熱可塑性ポリイミドフィルムを用いることにより、レーザーを用いたビア形成工程後におけるビア内壁へのクラック発生を抑制されたポリイミド積層フィルムが得られる事を見出すに至った。以下、詳細について説明する。(但し、R1は2価の有機基、R2は4価の有機基、R3は、炭素数1~20で示される有機基である)
Figure 0007562363000002
(非熱可塑性ポリイミドフィルムについて)
本発明のポリイミド積層フィルムに用いる非熱可塑性ポリイミドフィルムは、下記に示す一部エステル化された構造を分子中に有する非熱可塑性ポリイミド前駆体、および、熱可塑性ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)との混合物をイミド化させることにより非熱可塑性ポリイミドフィルムを作製し、そのフィルム中に10μm以下の島構造の熱可塑性ポリイミドのドメインを有する相分離構造を形成させることを特徴とする非熱可塑性ポリイミドフィルムである。(但し、R1は2価の有機基、R2は4価の有機基、R3は、炭素数1~20で示される有機基である)
Figure 0007562363000003
この一部エステル化された非熱可塑性ポリイミド前駆体は、ジアミンと酸二無水物を反応させてポリアミド酸とし、その後エステル化反応させることによって得ることができる。または、酸二無水物をアルコールでエステル化した後で、ジアミンと縮合させても得ることができるし、酸二無水物をアルコールでエステル化したしたものを塩化チオニル等で酸クロライドとした後でジアミンと縮合させることでも得ることができる。
前記一部エステル化された非熱可塑性ポリイミド前駆体については、特に限定されるものではないが、特に、フレキシブルプリント基板用のポリイミド積層フィルムに用いるフィルム材料としては、寸法安定性などの観点から、ビフェニル構造、フェニル構造などの剛直な構造をポリマー分子中に含有することが好ましい。またビフェニル構造はフェニル構造より対称性が低く、ポリマー一次構造の対称性の低下は分子のパッキングを阻害することから一定温度を超えて軟化した際に弾性率が低下するため応力緩和の観点からより好ましい。
具体的なビフェニル構造を有するジアミンモノマーとしては、例えば、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニル、4,4’-ジアミノビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメチルビフェニル、4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメトキシビフェニル、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジメトキシビフェニル、3,3’,5,5'-テトラメチルベンジジン、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニルなどを例示することができる。ただし4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノ-3,3’-ジメチルビフェニルはヒトに関して発がん性を有することから実際に使用するのは好ましくない。実用するには4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニルがとくに好ましい。
また、一部エステル化された構造を分子中に有する非熱可塑性ポリイミド前駆体を構成するジアミンモノマー成分100%のうち、剛直なモノマー成分は多いほど凝集構造を形成により線膨張係数が低く、寸法安定性に優れるフィルムとして有効だが、その含有量が多すぎる場合、得られるフィルムの線膨張係数が低くなり過ぎるために好ましくなく、フレキシブルプリント基板用フィルムとして最適な含有量としては、10~50モル%であることが好ましく、15~40モル%であることがより好ましく、20~35モル%であることが更に好ましい。その他に使用するジアミンモノマーとしては耐熱性の高い芳香族ジアミンが好ましい。例えば、4,4´-ジアミノジフェニルエーテル、3,4´-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4´-ジアミノジフェニルプロパン、4,4´-ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、3,3’-ジクロロベンジジン、4,4´-ジアミノジフェニルスルフィド、3,3´-ジアミノジフェニルスルホン、4,4´-ジアミノジフェニルスルホン、4,4´-ジアミノジフェニルエーテル、3,3´-ジアミノジフェニルエーテル、3,4´-ジアミノジフェニルエーテル、1,5-ジアミノナフタレン、4,4´-ジアミノジフェニルジエチルシラン、4,4’-ジアミノジフェニルシラン、4,4´-ジアミノジフェニルエチルホスフィンオキシド、4,4´-ジアミノジフェニルN-メチルアミン、4,4´-ジアミノジフェニル N-フェニルアミン、1,4-ジアミノベンゼン(p-フェニレンジアミン)、1,3-ジアミノベンゼン、1,2-ジアミノベンゼンが挙げられる。その他に使用するジアミンの含有量は、50~90モル%であることが好ましく、60~85モル%であることがより好ましく、65~80モル%であることが更に好ましい。
耐熱性を高く保ちながら、ポリマーとしての柔軟性を調整できることから、4,4´-ジアミノジフェニルエーテルとパラフェニレンジアミンを組み合わせて用いることが好ましく、その際の4,4´-ジアミノジフェニルエーテルの含有量は、40~70モル%であることが好ましく、45~65モル%であることがより好ましく、50~65モル%であることが更に好ましく、パラフェニレンジアミンの含有量は、10~50モル%であることが好ましく、15~40モル%であることがより好ましく、15~30モル%であることが更に好ましい。
本発明の一部エステル化された構造を分子中に有する非熱可塑性ポリイミド前駆体に用いられる酸二無水物モノマーとしては耐熱性等の点から芳香族酸二無水物が好ましく、前記と同じ理由からビフェニル構造を一定割合で有することがさらに好ましい。
例えば、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、4,4’-オキシフタル酸二無水物、3,4’-オキシフタル酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)プロパン酸二無水物、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン酸二無水物、1,1-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エタン酸二無水物、オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、p-フェニレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、エチレンビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)、ビスフェノールAビス(トリメリット酸モノエステル酸無水物)及びそれらの類似物等が挙げられる。
本発明の10μm以下の島構造の熱可塑性ポリイミドのドメインの相分離構造を有する非熱可塑性ポリイミドフィルムには高い耐熱性が要求されることから、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物を用いることが好ましく、特にビフェニル構造を含むことから、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物がさらに好ましい。非熱可塑性ポリイミドフィルムを構成する酸二無水物モノマー成分100%のうち、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物分は、20~60モル%であることが好ましく、25~55モル%であることがより好ましく、30~50モル%であることが更に好ましい。ピロメリット酸二無水物を含む場合、非熱可塑性ポリイミドフィルムを構成する酸二無水物モノマー成分100%のうち、ピロメリット酸二無水物の含有量は、40~80モル%であることが好ましく、35~75モル%であることがより好ましく、50~70モル%であることが更に好ましい。
(一部エステル化された構造を分子中に有する非熱可塑性ポリイミド前駆体の製造方法)
本発明における一部エステル化された非熱可塑性ポリイミド前駆体の製造方法としては、あらゆる公知の方法およびそれらを組み合わせた方法を用いることができる。
非熱可塑性ポリイミド前駆体の製造における重合方法の特徴は、そのモノマーの添加順序にあり、このモノマーの添加順序を制御することにより得られるポリイミドの諸物性を制御することができる。従い、本発明において非熱可塑性ポリイミド前駆体の製造にはいかなるモノマーの添加方法を用いても良い。代表的な重合方法として以下のような方法が挙げられる。
例えば、下記の工程(A-a)~(A-b)を経ることによって非熱可塑性ポリイミド前駆体を得ることも可能である。
(A-a)工程:芳香族ジアミンと、芳香族酸二無水物とを、芳香族ジアミンが過剰の状態で有機極性溶媒中にて反応させ、両末端にアミノ基を有するプレポリマーを得る工程、
(A-b)工程:(A-a)で用いたものとは構造の異なる芳香族ジアミンを追加添加する工程。更に、工程(A-a)で用いたものとは構造の異なる芳香族酸二無水物を、全工程における芳香族ジアミンと芳香族酸二無水物が実質的に等モルとなるように添加して重合する工程。
または、下記の工程(B-a)~(B-b)を経ることによって非熱可塑性ポリイミド前駆体を得ることも可能である。
(B-a)工程:芳香族ジアミンと、芳香族酸二無水物とを、芳香族酸二無水物が過剰の状態で有機極性溶媒中にて反応させ、両末端に酸無水物基を有するプレポリマーを得る工程、
(B-b)工程:(B-a)で用いたものとは構造の異なる芳香族酸二無水物を追加添加する工程。更に、工程(B-a)工程で用いたものとは構造の異なる芳香族ジアミンを、全工程における芳香族ジアミンと芳香族酸二無水物が実質的に等モルとなるように添加して重合する工程。
任意のジアミンもしくは酸二無水物に、特定のジアミンもしくは酸二無水物が選択的に結合するように添加順序を設定する合成方法(例えば工程(A-a)~(A-b)、および(B-a)~(B-b))を本発明ではシーケンス重合と呼ぶ。シーケンス重合により得られたポリマーのうち、ブロック成分が二つの場合をジブロック共重合体、3つの場合をトリブロック共重合体と呼ぶ。これに対し、結合するジアミンと酸二無水物を投入順序で選択しない合成方法を本発明ではランダム重合と呼ぶ。ランダム重合により得られたポリマーをランダム共重合体と呼ぶ。本発明において、フレキシブル金属張積層板として特性を維持しつつ、フィルムの裂けの抑制に有効なポリイミド樹脂を得るための好ましい重合方法としては、ランダム重合よりもシーケンス重合が好ましい。
本発明の非熱可塑性ポリイミドフィルムとなる前駆体の固形分濃度は特に限定されず、通常5重量%~35重量%、好ましくは10重量%~30重量%の濃度で得られる。この範囲の濃度である場合に適切な分子量のポリイミド前駆体が得られやすい。
本発明の非熱可塑性非熱可塑性ポリイミド前駆体には、摺動性、熱伝導性、導電性、耐コロナ性、ループスティフネス等のフィルムの諸特性を改善する目的でフィラーを添加することもできる。フィラーとしてはいかなるものを用いても良いが、好ましい例としてはシリカ、酸化チタン、アルミナ、窒化珪素、窒化ホウ素、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム、雲母などが挙げられる。
(非熱可塑性ポリイミドの分子量)
また本発明で用いる非熱可塑性ポリイミド、および、その前駆体において、より高分子量である方が熱可塑性ポリイミドとの相分離構造を形成しやすく、応力緩和によるクラック改善効果に優れるという観点から好ましく、その前駆体(ポリアミド酸)の平均分子量がGPCによるPEG(ポリエチレングリコール)換算で測定した際の重量平均分子量が150,000以上である事が好ましく、さらに好ましくは200,000以上である事が好ましい。
(エステル化反応について)
本発明の一部エステル化された非熱可塑性ポリイミド前駆体については、上記の方法で得られたポリイミド前駆体分子中のカルボキシル基をエステル化する事で得られ、特にその方法について限定されるものではない。特に、簡単に狙った当量分のカルボキシル基をエステル化できることから、エステル化剤を用いる事が好ましい。具体的なエステル化剤としては、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジメエチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジプロピルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジtertブチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジブチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジベンジルアセタール、N,N‘-ジイソプロピル-O-メチルイソ尿素、N,N‘-ジイソプロピル-O-エチルイソ尿素、N,N‘-ジイソプロピル-O-プロピルイソ尿素、N,N‘-ジイソプロピル-O-tertブチルイソ尿素、N,N‘-ジイソプロピル-O-ベンジルイソ尿素などが挙げられる。特に入手性の観点から、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジメエチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジプロピルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジtertブチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジブチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジベンジルアセタールが好ましい。
またエステル化する量についても特に制限はないが、好ましくはポリイミド前駆体中のカルボキシル基の35~85%であり、エステル化率が高すぎるとイミド化反応が進行しきらず後のフレキシブル基板におけるアウトガスの要因になる観点より好ましくなく、逆にエステル化率が低すぎると、後に混合しイミド化させる熱可塑性ポリイミド前駆体との反応性の差がつきにくく、うまく層分離構造を形成できない場合があるため好ましくない。効率よくイミド化が進行し、かつ、目的とする相分離構造を形成する観点より、エステル化率は45~75%が好ましい。
(熱可塑性ポリイミド前駆体について)
また本発明における島構造にあたる熱可塑性ポリイミド、および、その前駆体(ポリアミド酸)の製造に使用する芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物には、上記にある非熱可塑性ポリイミド、および、その前駆体に使用されるそれらと同じものが挙げられるが、特に、熱可塑性とするためには、屈曲性を有するジアミンと酸二無水物(特に芳香族酸二無水物)とを反応させることが好ましい。屈曲性を有するジアミンの例として、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2’-ビス[4-(4-アミノ-2-トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’-ビス[4-(4-アミノ-2-トリフルオロメチル)フェノキシ]-オクタフルオロビフェニル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,3-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)シクロヘキサン、9,9-ビス(4-アミノ-3-フルオロフェニル)フルオレン、1,4-ビス[2-(4-アミノフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、などが挙げられ、これらの中でも、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパンがより応力緩和効果が大きいポリマーが得られるという観点より望ましい。
これら屈曲性を有するジアミンの含有量は、40~90モル%であることが好ましく、60~85モル%であることがより好ましく、65~80モル%であることが更に好ましい。
(熱可塑性ポリイミドの分子量)
また本発明で用いる熱可塑性ポリイミド、および、その前駆体において、より高分子量である方が応力緩和によるクラック耐性効果に優れるという観点からも好ましく、その前駆体(ポリアミド酸)の平均分子量がGPCによるPEG(ポリエチレングリコール)換算で測定した際の重量平均分子量が150,000以上である事が好ましく、さらに好ましくは200,000以上である事が好ましい。また分子量について、低分子過ぎると非熱可塑性ポリイミドと相溶し均一な相分離構造を形成しない観点から好ましくない。
(熱可塑性ポリイミドの貯蔵弾性率の変曲点温度)
本発明の島構造にあたる熱可塑性ポリイミドにおいて、動的粘弾性測定によるガラス領域での貯蔵弾性率の変曲点が示す温度(E’変曲点温度という)は、フィルム積層体をレーザー加工する際に発生する高熱の冷却時に生じるフィルム内の応力を緩和しやすい観点から、280℃以下である事が好ましく、さらに好ましくは250℃以下である事が好ましい。また、180℃以下となるとフレキシブル基板のはんだ実装時にかかる温度に耐えられず発泡などの不具合が生じる恐れがあるため好ましくない。
(相分離構造を有する非熱可塑性ポリイミドフィルム)
本発明の非熱可塑性ポリイミドフィルムは、フィルム中に10μm以下の島構造の熱可塑性ポリイミドのドメインと海構造の非熱可塑性ポリイミドのドメインを有する相分離構造を有することを特徴としており、ポリイミド積層フィルムを用いて製造されるフレキシブル金属張積層板におけるレーザー加工によるホール形成時、発生する熱によってフィルム中に残留する応力を緩和することで、デスミア工程後のクラックの発生を抑制できる。
また島構造の熱可塑性ポリイミドのドメインのサイズとしては、サイズが大きすぎると海構造と島構造との界面が少なくなり、十分に発生応力の分散が出来ないため、10μm以下である事が好ましく、7μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることが更に好ましい。サイズの下限としては、0.3μm以上であることが応力緩和の観点より好ましい。
またこのドメインのサイズは一般的なTEM観察によって観察・計測することができる。
(相分離構造を有する非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法)
本発明の非熱可塑性ポリイミドフィルムは、フィルム中に10μm以下の島構造の熱可塑性ポリイミドのドメインと海構造の非熱可塑性ポリイミドのドメインを有する相分離構造を形成していることを特徴としており、その製造方法については特に限定されるものではない。特に、簡便かつフィルム中に均一な相分離構造を形成する方法として、非熱可塑性ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)、および、熱可塑性ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)を予め混合し、その混合物をイミド化させることで得る方法が挙げられる。
この場合、混合温度については、-20℃~50℃程度であり、10℃~45℃が好ましく、更に好ましくは、20℃~40℃が好ましい。この範囲より、低い温度の場合、トルクが高くなり過ぎ、均一に混合できない可能性があり、また高い温度の場合には、一部相溶化する、もしくは、前駆体が分解してしまうなどの均一な相分離構造が形成できなくなる可能性がある。
また、混合時間については、3時間以上である事が好ましく、さらに好ましくは5時間以上であることが好ましい。混合する時間が短すぎるとポリイミド前駆体が均一に分散されず相分離構造が形成されない可能性があるため好ましくない。
(ポリイミドフィルムの製造方法)
本発明における非熱可塑性ポリイミドフィルムを得る方法も特に制限されず、種々の公知の方法を適用できる。例えば、以下のi)~iv)の工程を含むことが好ましい。
i)有機溶剤中で芳香族ジアミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物を反応させた後、エステル化剤により分子中のカルボキシル基の一部エステル化させた非熱可塑性ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)および、熱可塑性ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)との混合物を得る工程、
ii)上記ポリイミド前駆体を含む製膜ドープをダイスから支持体上に流延して、樹脂層(液膜ともいうことがある)を形成する工程、
iii)樹脂層を支持体上で加熱して自己支持性を持ったゲルフィルムとした後、支持体からゲルフィルムを引き剥がす工程、
iv)更に加熱して、残ったアミド酸をイミド化し、かつ乾燥させ非熱可塑性ポリイミドフィルムを得る工程。
ii)以降の工程においては、熱イミド化法と化学イミド化法に大別される。熱イミド化法は、脱水閉環剤等を使用せず、ポリイミド前駆体溶液を製膜ドープとして支持体に流延、加熱だけでイミド化を進める方法である。一方の化学イミド化法は、ポリイミド前駆体溶液に、イミド化促進剤として脱水閉環剤及び触媒の少なくともいずれかを添加したものを製膜ドープとして使用し、イミド化を促進する方法である。どちらの方法を用いても構わないが、化学イミド化法の方が生産性に優れる。
脱水閉環剤としては、無水酢酸に代表される酸無水物が好適に用いられ得る。触媒としては、脂肪族第三級アミン、芳香族第三級アミン、複素環式第三級アミン等の三級アミンが好適に用いられる。製膜ドープを流延する支持体としては、ガラス板、アルミ箔、エンドレスステンレスベルト、ステンレスドラム等が好適に用いられ得る。最終的に得られるフィルムの厚み、生産速度に応じて加熱条件を設定し、部分的にイミド化または乾燥の少なくとも一方を行った後、支持体から剥離してポリイミド前駆体フィルム(以下、ゲルフィルムという)を得る。上記ゲルフィルムの端部を固定して硬化時の収縮を回避して加熱処理し、ゲルフィルムから、水、残留溶媒、イミド化促進剤、脱水閉環剤等を除去し、そして残ったアミド酸を完全にイミド化して、ポリイミドを含有するフィルムが得られる。加熱条件については、最終的に得られるフィルムの厚み、生産速度に応じて適宜設定すれば良い。
(ポリイミド積層フィルムの製造)
本発明のポリイミド積層フィルムは、前記非熱可塑性ポリイミドフィルムを用いて、その少なくとも片面に、熱可塑性のポリイミド樹脂層を積層したポリイミド積層フィルム積層体であり、ポリイミド積層フィルムを製造する方法も特に制限されず、種々の公知の方法を適用できる。例えば、共押出しダイを使用して、本発明の非熱可塑性ポリイミドフィルムの前駆体であるポリイミド前駆体および接着層となりうる熱可塑性ポリイミド前駆体を含む複層の樹脂層を同時に形成しても良い。
また本発明の非熱可塑性ポリイミドフィルムの前駆体を合成し、それを用いてフィルム化して得られたポリイミドフィルムを一旦回収した後、その上に塗工などで新たに別の熱可塑性ポリイミド前駆体を含む樹脂層を形成しても良い。イミド化には非常に高い温度が必要となるため、ポリイミド以外の樹脂層を設ける場合は、熱分解を抑えるために後者の手段を採る方が好ましい。なお、塗工により熱可塑性ポリイミド樹脂層を設ける場合は、熱可塑性ポリイミド前駆体を塗布し、その後イミド化を行ってもよいし、熱可塑性ポリイミド樹脂層を形成することができる熱可塑性ポリイミド溶液を塗布・乾燥してもよい。ポリイミド積層フィルムの最表面に、コロナ処理やプラズマ処理のような種々の表面処理を行うことも可能である。本発明のポリイミド積層フィルム全体の厚みは6~60μmであることが好ましい。その範囲内でも厚みが薄い方が、FPCの軽量化、および、折り曲げ性向上の観点より好ましく、例えば、7~30μmがより好ましく、10~25μmがさらに好ましい。
また、ポリイミド積層フィルムの反りを抑制するため、非熱可塑性ポリイミド層の両面が熱可塑性ポリイミド層であることが好ましい。非熱可塑性ポリイミド層の片面のみ熱可塑性ポリイミド層を形成した場合、熱可塑性ポリイミド層のイミド化反応を進行させた場合、非対称構造となるため、フィルムが反ってしまうことがあった。非熱可塑性ポリイミド層の両面の熱可塑性ポリイミド層の厚みは、1~15μmが好ましく、両面の厚みの差は、厚い熱可塑性ポリイミド層の厚みを基準にし、もう一方の厚みが40%以上、100%以下であれば、フィルム形状として問題は無い。
多層ポリイミドフィルムの非熱可塑性ポリイミド層と熱可塑性ポリイミド層の厚み比率は、多層ポリイミドフィルムの線膨張係数を制御する面で55/45~95/5が好ましい。この比率は、非熱可塑性ポリイミド層と熱可塑性ポリイミド層が複数層になっても、それぞれの総厚みの比率であり、熱可塑性ポリイミド層の層数が多くなっても、非熱可塑性ポリイミド層の厚みを超えないことが好ましい。
(フレキシブル金属張積層体)
ポリイミド積層フィルムの少なくとも片面に金属箔を貼り合わせることより、フレキシブル金属張積層板を製造することが可能である。フレキシブル金属張積層板を製造する方法も特に制限されず、種々の公知の方法を適用できる。例えば、一対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート装置或いはダブルベルトプレス(DBP)による連続処理を用いることができる。熱ラミネートを実施する手段の具体的な構成は特に限定されるものではないが、得られる積層板の外観を良好なものとするために、加圧面と金属箔との間に保護材料を配置することも好ましい。
金属箔上に熱可塑性ポリイミド前駆体または非熱可塑性ポリイミド前駆体の少なくともいずれか一方の溶液を含有する多層の有機溶剤溶液をキャストする手段も用いることが出来る。金属箔上にポリイミド前駆体を含有する有機溶剤溶液をキャストする手段については特に限定されず、ダイコーターやコンマコーター(登録商標)、リバースコーター、ナイフコーターなどの従来公知の手段を使用できる。本発明における熱可塑性ポリイミド樹脂層と非熱可塑性ポリイミドフィルムを含む場合などポリイミド樹脂層を複層設ける場合、もしくはポリイミド以外の樹脂層も設ける場合は、上記キャスト、加熱工程を複数回繰り返すか、共押出しや連続キャストによりキャスト層を複層形成して一度に加熱する手段が好適に用いられる。この手段では、イミド化が完了すると同時に、フレキシブル金属張積層体が得られる。樹脂層の両面に金属箔を設ける場合、加熱加圧により反対側の樹脂層面に金属箔を貼り合わせれば良い。金属箔は、特に限定されるものではなく、あらゆる金属箔を用いることができる。例えば、銅、ステンレス、ニッケル、アルミニウム、およびこれら金属の合金などを好適に用いることができる。また、一般的な金属張積層板では、圧延銅、電解銅といった銅が多用されるが、本発明においても用いることができる。
また、金属箔は、目的に応じて表面処理、表面粗さ等種々特性を有したものを選択できる。さらに、上記金属箔の表面には、防錆層や耐熱層あるいは接着層が塗布されていてもよい。上記金属箔の厚みについては特に限定されるものではなく、その用途に応じて、十分な機能が発揮できる厚みであればよい。
(レーザー加工によるビア形成工程)
フレキシブル基板製造において、銅張積層板にレーザー加工によりビア形成する場合、加工部位にレーザー照射することで、基板を貫通させてスルーホール(TH)や上面の銅箔およびポリイミド樹脂のみを除去しブランインドビアホール(BVH)を形成することできる。レーザーの種類としては公知のものを用いることができる。UV-YAGレーザーやエキシマ―レーザーなどの短波長レーザーは樹脂に対しても銅に対しても非常に高い吸収率を示し加工が可能であるため好ましい。なおTHに関しては直接ドリルを用いて貫通孔を開ける方法も広く用いられている。
一方、加工時に発生する樹脂屑を除去する目的で、デスミア処理が行われるが、アルカリ水溶液や有機溶媒を含む溶液からなる膨潤工程、過マンガン酸ナトリウムや過マンガン酸カリウム等のアルカリ水溶液からなる粗化工程、及び中和工程とからなる湿式デスミア処理が一般的に用いられる。本発明のポリイミド積層フィルムを用いた銅張積層板の加工時に発生するホール内壁のクラックは、デスミア処理後にホールの内壁に発生する事が多く、デスミア処理における膨潤時間、粗化時間を長時間化するとクラックが発生しやすくなる。またデスミア処理後にホール内側を金属めっきする事でビアとなる。一般的な金属めっきであれば特に限定されないが、無電解銅めっきのみで所望の厚みのめっき層を形成しても良いし、無電解銅めっき層を薄付けした後、電解銅めっきにより所望の厚みのめっき層を形成しても良い。
(ホールクラック試験:クラック評価方法について)
FPC製造におけるビア内壁に発生したクラックは、通常はFPC製造後に外観検査などで検出される。本発明者らは、材料となる長尺フレキシブル金属張積層板から試験片を切り出して、ビア形成工程のレーザー加工からデスミア処理まで実施した段階でホール内壁に発生するクラックを評価するホールクラック試験をすることにより、簡便にFPC製造工程でのビア内壁のクラック発生が評価できることを見出した。
この評価方法は、デスミア処理後の試験片の銅箔をエッチングで除去し、クロスニコル下での偏光顕微鏡観察により、ビア内壁に生じたクラックの有無の確認することができる。ビア内壁にクラックが生じた場合に光漏れとして検出されることを偏光顕微鏡観察との組み合わせで確認した。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、実施例のみに限定されるものではない。
(変曲点温度評価)
SIIナノテクノロジー社製 DM6100を用い、空気雰囲気下にて動的粘弾性を測定し、各温度での貯蔵弾性率、および、変曲点温度を測定した。
サンプル測定範囲;幅9mm、つかみ具間距離;20mm
測定温度範囲;0℃~440℃
昇温速度;3℃/min
歪み振幅;10μm
測定周波数;1Hz,5Hz,10Hz
最小張力/圧縮力;100mN
張力/圧縮ゲイン;1.5
力振幅初期値;100mN
(分子量測定)
表1の条件にて重量平均分子量(Mw)について評価した。
Figure 0007562363000004
(TEM観察)
観察に用いるフィルムを樹脂包埋し、ウルトラミクロトーム(ライカ製UCT)で超薄切片を作成。透過型電子顕微鏡(TEM、日立ハイテクノロジーズ製、H-7650)を用いて、加速電圧100kVの条件で40000倍のTEM像から、海島構造の有無、および、ドメインサイズを計測した。
(ホールクラック試験)
実施例および比較例で得られたポリイミドフィルム積層体の両面にそれぞれ12μm電解銅箔(3EC-M3S-HTE、三井金属製)を配し、さらに銅箔の両側に保護フィルムとして(アピカル125NPI;カネカ製、厚み125μm)を用い、ラミネート温度360℃、ラミネート圧力265N/cm(27kgf/cm)、ラミネート速度1.0m/分の条件で熱ラミネートを行い、フレキシブル金属張積層板とした。次に、5.0cm×20.0cm角の大きさにフレキシブル金属張積層板を切り取り、UV-YAGレーザーを用いて直径100μmの大きさのブラインドビアホールを表2のプロセスでレーザー加工した。条件ごとに1mm間隔で縦10個ずつ10列のパターンを形成した(各100個)。レーザー加工後、デスミア処理を表3のプロセスで行った。
銅箔をエッチングで除去した後、クロスニコル下にて倍率200倍で偏光顕微鏡観察した。ホール部を光漏れしたものをクラックと見なした。光漏れの程度が弱く判断がつかないものは、ホール断面を切削し電子顕微鏡等のより高倍率の観察を行いクラックか否かを判別し分類した。図1に実際の判別に用いた光学顕微鏡像の一例を示す。100個観察した後、クラックの生じた比率を百分率で求めた。
Figure 0007562363000005
Figure 0007562363000006
(非熱可塑性ポリアミド酸(ポリイミド前駆体)の合成)
(合成例1)
容量2000mlのガラス製フラスコにN,N-ジメチルホルムアミド(以下、DMF)334.13g、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル(以下、ODA)17.70g加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(以下、BPDA)18.01gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視で確認後、ピロメリット酸二無水物(以下、PMDA)7.79gを徐々に添加した。PMDAが溶解したことを目視で確認後30分間攪拌を行った。その後、4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニル(以下、m-TB)5.78gを加え、p-フェニレンジアミン(以下、PDA)7.11gを加え、続いて、PMDA11.85gを添加し、30分間撹拌した。最後に、0.46gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMF溶液を調整し、上記反応溶液に徐々に添加して、23℃での粘度が2500ポイズに達した時点で添加をやめ非熱可塑性ポリイミド前駆体Aを得た。この時の平均重量分子量は156,000であった。
このポリイミド前駆体Aをエステル化するために、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール30.50gをポリイミド前駆体A溶液中に、少しずつ添加して40℃で3時間攪拌し、一部エステル化された非熱可塑性ポリイミド前駆体A2を得た。
(合成例2)
容量2000mlのガラス製フラスコにDMF334.13g、ODA5.27g、2,2’-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(以下、BAPP)16.20gを加え、を加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、PMDA7.17gを徐々に添加した。PMDAの溶解を目視で確認後、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDA)8.48gを添加し、30分間攪拌を行った。その後、PDA3.76gを加え、続いて、PMDA15.32gを添加し、30分間撹拌した。最後に、0.46gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調整し、この溶液を上記反応溶液に徐々に添加して、23℃での粘度が2500ポイズに達した時点で添加をやめ、非熱可塑性ポリイミド前駆体Bを得た。この時の平均重量分子量は159,000であった。
(熱可塑性ポリアミド酸(ポリイミド前駆体)の合成)
(合成例3)
容量2000mlのガラス製フラスコにDMFを673.24g、BAPP71.83gを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、BPDA51.00gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視で確認後、30分間攪拌を行った。最後に、1.47gのBPDAを固形分濃度7.2%となるようにDMF溶液を調整し、この溶液を上記反応溶液に徐々に添加して、23℃での粘度が2000ポイズに達した時点で添加をやめ、熱可塑性ポリイミド前駆体Cを得た。この時の重量平均分子量は163,000であった。
(合成例4)
容量2000mlのガラス製フラスコにDMFを673.24g、BAPP71.83gを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、BPDA51.00gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視で確認後、30分間攪拌を行った。最後に、1.47gのBPDAを固形分濃度7.2%となるようにDMF溶液を調整し、この溶液を上記反応溶液に徐々に添加して、23℃での粘度が8200ポイズに達した時点で添加をやめ、熱可塑性ポリイミド前駆体Dを得た。この時の重量平均分子量は247,000であった。
(合成例5)
容量2000mlのガラス製フラスコにDMFを673.24g、BAPP71.83gを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら、BPDA7.72gを徐々に添加した。BPDAが溶解したことを目視で確認後、PMDA31.30gを添加し、30分間攪拌を行った。最後に、1.15gのPMDAを固形分濃度7.2%となるようにDMFに溶解した溶液を調整し、この溶液を上記反応溶液に徐々に添加して、23℃での粘度が300ポイズに達した時点で添加をやめ、熱可塑性ポリイミド前駆体Eを得た。
(熱可塑性ポリイミドの変曲点温度)
上記合成例3~5で得られたポリイミド前駆体C~E(60g)に無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比6.89/2.14/20.97)からなる硬化剤を30.0g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に流延塗布した。この樹脂膜を120℃×3分間秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、250℃×1分間、300℃×200秒で乾燥・イミド化させて厚み20μmのポリイミドフィルムを得た。このフィルムを金属製の固定枠に固定し、450℃で2分間加熱したところ形態を保持せず、熱可塑性であることを確認出来た。
また上記にあるDMA測定により、貯蔵弾性率の変曲点温度について測定を行い、熱可塑性ポリイミド前駆体Cから得られたポリイミドフィルムの変曲点温度は231℃、熱可塑性ポリイミド前駆体Dから得られたポリイミドフィルムの変曲点温度は236℃、熱可塑性ポリイミド前駆体Eから得られたポリイミドフィルムの変曲点温度は266℃である事がわかった。
(実施例1)
500mLのセパラブルフラスコに、合成例1で得られた非熱可塑性ポリイミド前駆体A2(55g)、および、合成例3で得られた熱可塑性ポリイミド前駆体C(11g)を入れ、窒素雰囲気下、室温で攪拌翼を用い5時間攪拌混合し、前駆体混合物を得た。この前駆体混合物に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、N2雰囲気下のオーブン中で250℃10分さらに、380℃2時間でイミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
この得られたフィルム断面のTEM観察を行い、熱可塑性ポリイミドの0.8μmサイズのドメインを有する相分離構造のポリイミドフィルムである事を確認し、またこのフィルムを金属製の固定枠に固定し、450℃で2分間加熱したところ形態を保持していることから、非熱可塑性であることを確認した。
次に、相分離構造を有する非熱可塑性ポリイミドフィルムに、合成例5で得られた熱可塑性ポリイミド前駆体Eを固形分濃度8重量%になるようDMFで希釈した溶液を、上記で得られた非熱可塑性ポリイミドフィルムの両面に、最終片面厚みが10μmになるように塗布した。その後、120℃で2分間加熱を行った。続いて、350℃で15秒間加熱・イミド化を行い、ポリイミド積層フィルムを得た。
(実施例2)
500mLのセパラブルフラスコに、合成例1で得られた非熱可塑性ポリイミド前駆体A2(55g)、および、合成例4で得られた熱可塑性ポリイミド前駆体D(11g)を入れ、窒素雰囲気下、室温で攪拌翼を用い5時間攪拌混合し、前駆体混合物を得た。この前駆体混合物に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、N2雰囲気下のオーブン中で250℃10分、380℃2時間でイミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。
この得られたフィルム断面のTEM観察を行い、熱可塑性ポリイミドの0.6μmサイズのドメインを有する相分離構造のポリイミドフィルムである事を確認し、またこのフィルムを金属製の固定枠に固定し、450℃で2分間加熱したところ形態を保持していることから、非熱可塑性であることを確認した。
次に、相分離構造を有する非熱可塑性ポリイミドフィルムに、合成例5で得られた熱可塑性ポリイミド前駆体Eを固形分濃度8重量%になるようDMFで希釈した溶液を、上記で得られた非熱可塑性ポリイミドフィルムの両面に、最終片面厚みが10μmになるように塗布した。その後、120℃で2分間加熱を行った。続いて、350℃で15秒間加熱・イミド化を行い、ポリイミド積層フィルムを得た。
(比較例1)
合成例2で得られた非熱可塑性ポリイミド前駆体B(65g)に、無水酢酸/イソキノリン/DMF(重量比11.48/3.40/18.18)からなる硬化剤を32.5g添加して0℃以下の温度で攪拌・脱泡し、コンマコーターを用いてアルミ箔上に塗布した。この樹脂膜を115℃×100秒で加熱した後、アルミ箔から自己支持性のゲル膜を引き剥がして金属製の固定枠に固定し、N2雰囲気下のオーブン中で250℃10分、380℃2時間でイミド化させて厚み12.5μmのポリイミドフィルムを得た。またこのフィルムを金属製の固定枠に固定し、450℃で2分間加熱したところ形態を保持していることから、非熱可塑性であることを確認した。
次に、得られた非熱可塑性ポリイミドフィルムに、合成例5で得られた熱可塑性ポリイミド前駆体Eを固形分濃度8重量%になるようDMFで希釈した溶液を、上記で得られた非熱可塑性ポリイミドフィルムの両面に、最終片面厚みが10μmになるように塗布した。その後、120℃で2分間加熱を行った。続いて、350℃で15秒間加熱・イミド化を行い、ポリイミド積層フィルムを得た。
(比較例2)
上記比較例2において、合成例2で得られた非熱可塑性ポリイミド前駆体Bの代わりに、合成例1で得られたエステル化されていない非熱可塑性ポリイミド前駆体Aを用いる以外は同様の方法でポリイミド積層体を得た。
(評価結果)
実施例1、2および比較例1、2で得られたポリイミド積層フィルムを用いて、TEM観察による非熱可塑性フィルム中における海島構造の有無および島構造のドメインサイズの計測と、上記方法でホールクラック試験を行った結果を表4に示す。
Figure 0007562363000007
本発明で得られるポリイミド積層体フィルムは、レーザー加工によるビア形成工程において発生するビア内壁のクラックを抑制したフレキシブルプリント基板を提供できる。

Claims (8)

  1. 下記に示す一部エステル化された構造を分子中に有する非熱可塑性ポリイミド前駆体、および、熱可塑性ポリイミド前駆体(ポリアミド酸)の混合物をイミド化させることにより非熱可塑性ポリイミドフィルムを作製し、そのフィルム中に10μm以下の島構造の熱可塑性ポリイミドのドメインを有する相分離構造を形成させる非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法であって、
    前記熱可塑性ポリイミドの貯蔵弾性率の変曲点温度が280℃以下である、非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法(但し、Rは2価の有機基、Rは4価の有機基、Rは、炭素数1~20で示される有機基である)。
    Figure 0007562363000008
  2. 記熱可塑性ポリイミド前駆体の分子量が150,000以上であることを特徴とする請求項1に記載の非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法。
  3. 記熱可塑性ポリイミド前駆体が4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、及び2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパンから選択されるジアミン由来の構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法。
  4. 記一部アルキルエステル化された構造を分子中に有する非熱可塑性ポリイミド前駆体が4,4’-ジアミノ-2,2’-ジメチルビフェニル由来の構造を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の非熱可塑性ポリイミドフィルムの製造方法。
  5. 請求項1~のいずれかに記載の非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド樹脂層を形成させることを特徴とするポリイミド積層フィルムの製造方法。
  6. フィルム中に10μm以下の島構造の熱可塑性ポリイミドのドメインと海構造の非熱可塑性ポリイミドのドメインを有する相分離構造を形成していることを特徴とする非熱可塑性ポリイミドフィルムであり、島構造の熱可塑性ポリイミドが、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、及び1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼンから選択されるジアミン由来の構造を有し、
    前記熱可塑性ポリイミドの貯蔵弾性率の変曲点温度が280℃以下である、非熱可塑性ポリイミドフィルム。
  7. 前記島構造の熱可塑性ポリイミドが、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物由来の構造を有することを特徴とする請求項に記載の非熱可塑性ポリイミドフィルム。
  8. 請求項またはに記載の非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも片面に熱可塑性ポリイミド樹脂層を有することを特徴とするポリイミド積層フィルム。
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