JP7527866B2 - プログラム、情報処理装置及び制御方法 - Google Patents

Description

本発明は、プログラム、情報処理装置及び制御方法に関する。

近年、多くの企業がＯＳＳ（オープンソースソフトウェア）を利用して自社製品を開発している。ＯＳＳを利用することで開発コスト削減や最新技術適用などのメリットが得られる。特許文献１にはＯＳＳライセンスの義務を容易に遂行できる方法が記載されている。ＯＳＳを利用したアプリケーションには使用している複数のＯＳＳのライセンス条文（以降ライセンス情報）の表示義務が課される。また、アプリケーションにはＥＵＬＡ（使用許諾契約書）という、ソフトウェアの開発元と購入者の間で交わされる契約を記載する。そのため、多くのアプリケーション（以降アプリ）は、メニューやヘルプなどからライセンス情報やＥＵＬＡが表示できるようになっている。

例えば、モバイル端末にインストールすることによりモバイル端末の機能を拡張できるモバイルアプリケーション（以下、モバイルアプリ）の製品開発でもＯＳＳは広く利用されている。モバイルアプリは、モバイル端末にインストールされた後、ウェブサーバーにアクセスすることなく動作する「ネイティブアプリ」として機能するものや、ウェブサーバーにアクセスすることでウェブサーバー上の「ウェブアプリ」を実行するものがある。一般的にネイティブアプリは、ライセンス情報をモバイルアプリ内に保存してあり、ウェブアプリは、ライセンス情報をウェブサーバー上に保存してあることが多い。

また近年では、ネイティブアプリとしての機能とウェブアプリを実行する機能の両方を兼ね備えたハイブリッド構成のモバイルアプリ（以降ハイブリッドアプリ）が普及している。基本的にハイブリッドアプリは、リソースを提供するサーバーと通信可能なときに正常に動作するが、通信可能でなくても一部機能の動作が可能であるものがある。

特開２０１６－１５７２８２号公報

ＯＳＳを例にとるとハイブリッドアプリはネイティブアプリが使用するＯＳＳに関するライセンス情報とウェブアプリが使用するＯＳＳに関するライセンス情報の両方を表示できるようにする必要がある。両方のライセンス情報を従来のネイティブアプリのようにアプリ内に保存する場合、ネイティブアプリが使用するＯＳＳに変更が生じた場合のみならず、ウェブアプリが使用するＯＳＳに変更が生じた場合にも、ライセンス情報を更新するためにモバイル側のモバイルアプリを更新しなければいけない。つまり、モバイルアプリをアップデートしなければならない頻度が高くなるため、アプリ提供者にとって開発負荷になる上に、ユーザーにとっても煩わしい。一方、両方のライセンス情報を従来のウェブアプリのようにウェブサーバー上に保存する場合、ライセンス情報を表示する度に両方のライセンス情報をサーバーから取得しなければならず、通信量が増加し、ユーザー操作に対するレスポンス速度が低下するおそれが有る。

そこで本発明の目的は、ユーザーの利便性を低下させることなくネイティブアプリに関する情報とウェブアプリに関する情報とを好適に表示する方法を提供することである。

サーバーと通信可能な情報処理装置のコンピュータに制御方法を実行させるためのプログラムであり、ネイティブアプリケーションとしての機能と、ウェブアプリケーションを実行する機能を有するプログラムであって前記制御方法は、所定のユーザー操作を受け付けたことに基づき、前記ウェブアプリケーションに関する情報の取得要求を前記サーバーに送信するとともに、前記プログラム内に予め保存された前記ネイティブアプリケーションに関する情報を読み出し、前記取得要求に対する応答として取得した情報と前記読み出した情報とを前記所定のユーザー操作に対する結果として表示する表示工程を有し、前記ウェブアプリケーションに関する情報は前記ウェブアプリケーションに関するライセンス情報であり、前記ネイティブアプリケーションに関する情報は前記ネイティブアプリケーションに関するライセンス情報であることを特徴とするプログラム。

ユーザーの利便性を低下させることなくネイティブアプリに関する情報とウェブアプリに関する情報とを好適に表示できる。

システム全体図 モバイルのハードウェア構成図 サーバーのハードウェア構成図 システム全体のソフトウェア構成図 オンライン時におけるモバイルアプリの画面遷移を示す図 オフライン時におけるモバイルアプリの画面遷移を示す図 モバイルアプリでのライセンス表示処理を示すフローチャート モバイルアプリのアップデート処理を示すフローチャート モバイルアプリのバックグラウンド処理を示すフローチャート

以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。

（実施例１）
［システム構成］
図１は、本実施例に係るシステムの全体構成を示す図である。情報処理システムは、モバイル１１０とサーバー１２０を含む。モバイル１１０は、Ｗｉ－Ｆｉ（登録商標）などの無線ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）やＷＡＮ（Ｗｉｄｅ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）経由でインターネット上の各種サービスを提供するサーバーに対して通信可能に接続されている。

モバイル１１０は、電話、メール、ウェブブラウザ、カメラといった複数の機能を有するモバイル端末であり、スマートホンやタブレットである。モバイル１１０は情報処理装置の一例であってＰＣ（パーソナルコンピュータ）等であっても良い。サーバー１２０は、ウェブページを構成するＨＴＭＬ（Ｈｙｐｅｒ Ｔｅｘｔ Ｍａｒｋｕｐ Ｌａｎｇｕａｇｅ）、ＪａｖａＳｃｒｉｐｔ、画像、テキストなど様々な形式のファイルを保存する機能を持つサーバーの一例である。サーバー１２０は、モバイル１００等の外部端末からの要求に応じてウェブページや各種情報を提供する。

本実施例の情報処理システムは、モバイル１１０とサーバー１２０からなる構成としているがこれに限定されない。

［モバイルのハードウェア構成］
図２は、モバイル１１０のハードウェア構成図である。モバイル１１０は、制御部２１０、操作部２２０で構成される。制御部２１０は、以下の各部２１１～２１６で構成され、モバイル１１０全体の動作を制御する。ＣＰＵ２１１は、ＲＯＭ２１２等に記憶された制御プログラムを読み出して、カメラ／通信などモバイル１１０が有する各種機能を実行・制御する。ＲＡＭ２１３は、ＣＰＵ２１１の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。なお、本実施例では１つのＣＰＵ２１１が１つのメモリ（ＲＡＭ２１３またはＳＳＤ２１４）を用いて後述のフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、これに限定されない。例えば、複数のＣＰＵや複数のＲＡＭまたはＳＳＤを協働させて各処理を実行してもよい。ＳＳＤ（Ｓｏｌｉｄ Ｓｔａｔｅ Ｄｒｉｖｅ）２１４は、ＨＴＭＬファイルやＪａｖａＳｃｒｉｐｔファイル、画像データやテキストデータ、各種プログラムなどを記憶する大容量記憶部である。表示・操作部Ｉ／Ｆ２１５は、表示・操作部２２０と制御部２１０とを接続するインタフェースである。表示・操作部２２０には、タッチパネルデイスプレイやハードウェアキーなどが備えられており、ユーザーによる操作／入力／指示を受け付けたり、ユーザーに表示する画面を出力する。ネットワークＩ／Ｆ２１６は、制御部２１０（モバイル１１０）を無線ＬＡＮ、ＷＡＮ等のネットワークに接続するインタフェースである。モバイル１１０は、ネットワークＩ／Ｆ２１６を用いてインターネット上の各サービスに対して画像やテキストなどの様々な情報を送受信する。

［サーバーのハードウェア構成］
図３は、サーバー１２０のハードウェア構成図である。

サーバー１２０は、ＣＰＵ３１１、ＲＯＭ３１２、ＲＡＭ３１３、ＨＤＤ３１４及びネットワークＩ／Ｆ３１５で構成される。ＣＰＵ３１１は、ＲＯＭ３１２に記憶された制御プログラムを読み出して各種処理を実行することで、全体の動作を制御する。ＲＡＭ３１３は、ＣＰＵ３１１の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。ＨＤＤ（Ｈａｒｄ Ｄｉｓｋ Ｄｒｉｖｅ）３１４は、ＨＴＭＬファイルやＪａｖａＳｃｒｉｐｔファイル、画像データやテキストデータ、各種プログラムなどを記憶する大容量記憶部である。ネットワークＩ／Ｆ３１５は、サーバー１２０をインターネットに接続するインタフェースである。サーバー１２０は、ネットワークＩ／Ｆ３１５を介して他の装置（モバイル１１０など）から処理リスエストを受けて各種情報を送受信する。

［情報処理システムのソフトウェア構成］
図４は、本実施例に係る情報処理システムのソフトウェア構成図である。各機能部は、ＣＰＵ２１１がＲＯＭ２１２やＳＳＤ２１４に格納された制御プログラムを読み出して実行すること、もしくはＣＰＵ３１１がＲＯＭ３１２やＨＤＤ３１４に格納された制御プログラムを読み出して実行することで実現される。

モバイルアプリ４００はモバイル１１０にインストールされたアプリケーション（以降アプリケーションはアプリと称す）である。一般的にモバイルアプリは、ネイティブアプリとして機能するものや、サーバーに保持されたウェブアプリを実行するものがある。ネイティブアプリは、アプリの画面情報等を予めモバイルにインストールしておくことで動作するアプリであり、モバイル固有の機能（カメラ、モバイル内のファイルアクセス等）を実行できる。ネイティブアプリは、モバイル端末がネットワークに接続されていなくても動作することが可能である。一方ウェブアプリを実行する際は、モバイル端末がネットワークを介してサーバーに都度アクセスすることでアプリの画面情報等を取得し、ウェブブラウザで表示する。ウェブアプリは、ウェブ技術を基盤としたアプリであり、サーバーで保持される。モバイル端末がウェブアプリを実行するためには、ネットワークに接続し、サーバーにアクセスする必要がある。また、ネイティブアプリとしての機能とウェブアプリを実行可能な機能との両方の機能を組み合わせたアプリもある（以降ハイブリッドアプリと呼ぶ）。ハイブリッドアプリケーション内には、サーバーにアクセスすることでウェブアプリを実行するウェブ層と、ウェブ層では処理することができないモバイル固有の機能を実行可能なネイティブ層が含まれる。ここで、モバイルアプリ４００は「ネイティブ」層と「ウェブ」層を有するハイブリッドアプリであるとして以降の説明を行う。

モバイルアプリ４００は、通信部４１０、制御部４１１、データ管理部４１２、画面表示部４１３を有し、ウェブ層４１４とネイティブ層４１５から成る。ウェブ層４１４とネイティブ層４１５の各層に通信部４１０、制御部４１１、画面表示部４１３が含まれ、ネイティブ層にデータ管理部４１２が含まれる。各層に含まれる機能部はこれらに限らない。

通信部４１０は、サーバー１２０に対して各種処理の要求を行う。例えば、モバイルアプリ４００上からのリクエストを受けて画面表示に必要な画面構成情報（ＨＴＭＬファイルやＪａｖａＳｃｒｉｐｔファイル等）の要求をサーバー１２０に送信する。また、通信部４１０はＯＳＳ（Ｏｐｅｎ Ｓｏｕｒｃｅ Ｓｏｆｔｗａｒｅ）のライセンス情報を要求する。ここでライセンス情報はＯＳＳのライセンス条文（テキストファイル等）を含む。サーバー１２０とのやり取りはＲＥＳＴやＳＯＡＰなどのプロトコルを使用するが、その他の通信手段を用いてもよい。

制御部４１１は、モバイルアプリ４００における通信指示、画面表示指示、データ管理指示、などの制御全般の処理、制御方法の実行を行う。例えば、モバイルアプリ４００の起動時に通信部４１０を介してサーバー１２０から画面構成情報を取得し、その画面構成情報を基に画面表示部４１３に対して画面表示指示を行う。

データ管理部４１２は、モバイルアプリ４００の使用許諾契約書（ＥＵＬＡ）やＯＳＳのライセンス情報などのモバイルアプリ４００全般に関する情報を管理する。本実施例において、データ管理部４１２はモバイルサイドのネイティブアプリが使用する複数のＯＳＳのライセンス条文（以降、ネイティブライセンス情報）とサーバーサイドのウェブアプリが使用する複数のＯＳＳのライセンス条文（以降、ウェブライセンス情報）をプログラム内に保存し、管理する。各ライセンス情報はデータとしてモバイルアプリのインストール時に予めデータ管理部４１２にインストール時点で最新のものを保存しておく。データ管理部４１２に保存されたネイティブライセンス情報は、更新の必要があるときにはモバイルアプリ４００のアップデート時に更新される。また、データ管理部４１２に保存されたウェブライセンス情報は、ユーザーからライセンス情報の表示が指示された場合などに制御部４１１の指示に基づいて通信部４１０を介してサーバー１２０から最新のライセンス情報を取得し、更新される。本実施例では各種データの管理方法をテキストファイルの形式としているがこれに限定されない。また、管理するデータの種類もこれに限定されない。

画面表示部４１３は、モバイル１１０の操作部２２０のタッチパネル機能を有する液晶表示部に、ユーザーによる操作を受け付けるためのＵＩ画面を表示する。ここでＵＩ画面とは、サーバー１２０から提供される画面やモバイルアプリ４００が予め記憶している画面である。

サーバー１２０は、リクエスト制御部４３１、データ管理部４３２を有し、サーバー１２０にアクセスする外部装置にウェブアプリを提供する。リクエスト制御部４３１は、外部装置からの要求を受信できる状態で待機している。処理要求を受けると要求に応じて適宜、データ管理部４３２に処理を指示する。データ管理部４３２は画面構成情報や、サーバーサイドで使用するＯＳＳのライセンス情報等を保存、管理している。使用するＯＳＳが変更されるとライセンス情報も更新される。データ管理部４３２は、インターネット経由で接続されたモバイル１１０等の情報処理装置上で動作しているウェブブラウザからのリクエストを受けて画面表示に必要な画面構成情報やＯＳＳのライセンス情報などを返す。

［モバイルアプリの画面遷移（サーバーと情報の送受信可能）］
図５は、モバイルアプリ４００がサーバー１２０と情報の送受信可能な状態における画面遷移の一例を示す図である。モバイルアプリ４００は、モバイル１１０のカメラで撮像した画像、モバイル１１０のＳＳＤ２１４に保存された画像をサーバー１２０が提供する画面を介して、プリンタ（不図示）に印刷指示するアプリであるとする。カメラ機能やモバイル１１０内のファイルにアクセスする機能はネイティブ層、ユーザーが印刷指示する画面の表示、および印刷指示をウェブ層が担う。モバイルアプリ４００はネイティブアプリとしての機能とウェブアプリを実行する機能との両方の機能を備える。そのため、当該ネイティブアプリで使用されるＯＳＳのライセンス情報と、当該ウェブアプリで使用されるＯＳＳのライセンス情報との両方をモバイルアプリ４００上で表示する必要がある。

始めに、モバイルアプリ４００を起動すると、モバイルアプリ４００はサーバー１２０から画面表示に必要な画面構成情報を取得し、メイン画面５００の表示領域にウェブページを表示する。次に、メイン画面５００のメニューボタン５０１が操作されると、メニュー画面５１０へ画面遷移する。メニュー画面５１０にはモバイルアプリ４００に関する使用許諾契約書（ＥＵＬＡ）やサードパーティーライセンスなどのリンクメニュー５１１が表示される。サードパーティーライセンスのリンクは、モバイルアプリ４００が使用する複数のＯＳＳのライセンス条文を表示するためのリンクである。

次に、リンクメニュー５１１の中からサードパーティーライセンスが押下されると、サードパーティーライセンス５２１が表示されたドキュメント画面５２０に画面遷移する。本図では、リンクメニュー５１１にてサードパーティーライセンスが操作された例を示すが他のリンクが押下された場合は、押下されたリンクに対応する画面に遷移するようになる。サードパーティーライセンス５２１には、ネイティブアプリとウェブアプリで使用している複数のＯＳＳのライセンス条文（ネイティブライセンス情報５２２、およびウェブライセンス情報５２３）を表示する。ネイティブライセンス情報はモバイルアプリのインストール時やアップデート時などのタイミングでデータ管理部４１２に保存されている。ここで、ウェブライセンス情報もモバイルアプリのインストール時にデータ管理部４１２に保存するようにしても良い。ライセンス条文を表示する際は、データ管理部４１２に保存してあるライセンス情報を表示するようにする。この時、モバイル１１０がサーバー１２０と通信可能なオンライン状態であれば、サーバー１２０と通信を行ってウェブライセンス情報を取得し、予め保存されているネイティブライセンス情報と合わせて表示する。

このように、モバイルアプリ４００は、ライセンス情報を表示するときにサーバー１２０と通信可能な状態であれば、サーバー１２０からウェブライセンス情報５２３を取得する。この時、取得したウェブライセンス情報をデータ管理部４１２に保存、もしくは、取得したウェブライセンス情報でデータ管理部４１２に保存してあるウェブライセンス情報を更新しても良い。このように、モバイルアプリ４００はサーバー１２０と通信可能であれば最新のウェブライセンス情報５２３を表示できる。

一般的にネイティブアプリは、ライセンス情報をアプリ内に保存し、保存しているライセンス情報をアプリのアップデート時に更新している。ネイティブアプリのようにモバイルアプリ４００がネイティブライセンス情報、ウェブライセンス情報をアプリ内に保存するとウェブライセンス情報が変更される度にユーザーにアプリのアップデートを要求しなければならない。また、ウェブアプリ側で使用するＯＳＳの変更頻度はネイティブアプリより高い、つまりウェブライセンス情報は変更頻度が高いため、ウェブライセンス情報が変更されるたびに、ネイティブアプリ同様にユーザーに対してアプリのアップデートを要求するのは、ユーザーにとって煩わしい。そのためウェブライセンス情報は、モバイルがオンライン状態であるときにサーバーから取得するようにすることで、不要なアップデートを避けることができる。

一般的にウェブアプリは、ウェブライセンス情報をサーバーに保存し、モバイル端末がサーバーにアクセスすることでライセンス情報を取得するようにしている。ウェブアプリのようにモバイルアプリ４００のネイティブライセンス情報、ウェブライセンス情報の両方をサーバーに保存すると、ライセンス情報取得の際の通信データ量増加、処理時間増加につながる。そこでネイティブライセンス情報とウェブライセンス情報のうちネイティブライセンス情報はモバイルアプリ内に保存しておくことで、ライセンス情報取得の際に通信データ量、処理時間を減らすことができる。

［モバイルアプリの画面遷移（サーバーと情報の送受信不可能）］
図６は、モバイルアプリ４００がサーバー１２０と通信不可能な状態における画面遷移の一例を示す図である。

始めに、モバイルアプリ４００を起動すると、モバイルアプリ４００はオフラインであることを示すネットワーク接続エラー画面６００を表示する。

次に、ネットワーク接続エラー画面６００のメニューボタン６０１が押されると、メニュー画面６１０へ画面遷移する。メニュー画面６１０にはメニュー画面５１０と同じく、モバイルアプリ４００に関する使用許諾契約書（ＥＵＬＡ）やサードパーティーライセンスなどのリンクメニュー６１１が表示される。

次に、任意のリンクメニュー６１１が押されると、押下されたリンクに対応したドキュメント画面６２０に画面遷移する。本図では、リンクメニュー６１１にてサードパーティーライセンスが押された際、ドキュメント画面６２０にサードパーティーライセンス６２１が表示される。サードパーティーライセンス６２１には、５２１同様にライセンス条文（ネイティブライセンス情報６２２、およびウェブライセンス情報６２３）が表示される。

モバイルアプリ４００は、インターネットに接続できない場合やサーバー１２０がダウンしている場合などサーバー１２０と通信できない状態であれば、データ管理部４１１に保存されているライセンス情報を表示する。つまり、データ管理部４１１の情報は更新されない。上述したようにユーザーが過去にライセンス情報をオンライン状況下で表示したことで、データ管理部４１１に保存されているウェブライセンス情報が更新されている場合、当該更新されたウェブライセンス情報を表示することができる。

即ち、モバイルがサーバーと通信可能な状況下で取得したウェブライセンス情報をモバイルに保存しておくことで、可能な限り新しいウェブライセンス情報をオフライン状況下でも表示することが可能である。

なお、ネイティブライセンス情報５２２、６２２はネットワーク状況に関係なく、データ管理部４１２に保存された情報を表示する。ネイティブライセンス条文が変更される場合は、モバイルアプリの構成の変更も必ず伴うためモバイルアプリのアップデートが必須である。よってネイティブライセンス条文の変更はモバイルアプリのアップデート時に行われるものとする。

［実施例１におけるソフトウェアの処理、フロー図］
図７はモバイルアプリ４００におけるライセンス条文の表示処理を行うための詳細を示すフローチャートである。ＣＰＵ２１１がＲＯＭ２１２やＳＳＤ２１４に格納された制御プログラムを読み出して実行することフローチャートの各処理が実行される。以下、詳しく説明する。

この処理はモバイルアプリ４００のメニュー画面５１０、６１０が表示されたことを検知することで開始される。

Ｓ７０１において、モバイルアプリ４００の画面表示部４１３は、メニュー画面５１０、６１０に表示されたリンクメニュー５１１、６１１に含まれる任意のリンクが押下されたかを判定する。はい（リンクが押下された）の場合、Ｓ７０２へ進み、いいえ（リンクが押されていない）の場合、Ｓ７０１へ戻る。なお、本実施例では、任意のリンクは図５、６の「サードパーティーライセンス」であるとして以降の説明を行うが、選択可能な情報はこれに限ったものとしない。

Ｓ７０２において、モバイルアプリ４００の通信部４１２は、サーバー１２０と通信可能であればサーバー１２０に対して、ウェブライセンス情報の取得要求を送信する。

Ｓ７０３において、モバイルアプリ４００の制御部４１２は、Ｓ７０２の取得要求の応答としてウェブライセンス情報を取得できたか否か判定する。はい（取得できた）の場合、Ｓ７０４へ進み、いいえ（取得できなかった）の場合、Ｓ７０５へ進む。

Ｓ７０４において、モバイルアプリ４００の制御部４１２は、通信部４１０を介してサーバー１２０から受信したウェブライセンス情報をデータ管理部４１１に保存、もしくは情報を更新する。これにより、サーバー１２０サイドでウェブアプリが使用するＯＳＳのライセンス情報が更新されていた場合でも、最新のライセンス情報がデータ管理部４１１に保存できる。なお、Ｓ７０４の処理は毎回必ず実行する必要はなく、前回実行してから所定期間が経過した場合や、ユーザーからの保存指示があった場合にのみ実行するようにしても良い。

Ｓ７０５において、モバイルアプリ４００の制御部４１２は、データ管理部４１１からウェブライセンス情報を取得する。

Ｓ７０６において、モバイルアプリ４００の制御部４１２は、データ管理部４１１からネイティブライセンス情報を取得する。

Ｓ７０７において、モバイルアプリ４００の制御部４１２は、Ｓ７０５、Ｓ７０６で取得した各ライセンス情報を結合し、画面表示部４１３に結合したライセンス情報をＳ７０１のリンク押下の結果として表示する（図５の５２１、図６の６２１）。

以上のフローチャートによりモバイルアプリ４００は、ライセンス情報を表示するたびに、サーバー１２０と通信可能であればウェブライセンス情報をサーバー１２０から取得し表示する。一方ネイティブアプリのライセンス情報は予め（モバイルアプリのインストール時等）モバイルアプリ内に保存しておき保存してあるライセンス情報を取得、表示する。つまりハイブリッドアプリにおいて、ネイティブアプリとウェブアプリの情報を表示する際は、ネイティブアプリの情報はアプリ内に保存されたものを取得し、ウェブアプリの情報は都度サーバーから取得する。

また、サーバー１２０から取得したウェブライセンス情報をモバイルアプリ内に保存しておくことで、モバイルアプリがオフライン環境でライセンス情報を表示する場合でも、可能な限り新しいライセンス情報を表示することができる。

図８を用いてモバイルアプリ４００のネイティブライセンス情報が更新される処理を示す。図８はモバイル１１０がモバイルアプリ４００のアップデート要求を受け、アップデートを行うまでの処理を示すフローチャートである。ＣＰＵ２１１がＲＯＭ２１２やＳＳＤ２１４に格納された制御プログラムを読み出して実行するとフローチャートの各処理が実行される。

Ｓ８０１でＣＰＵ２１１は、モバイルアプリ４００のアップデート要求を受けているか否か判断する。要求を受けている場合はＳ８０２に進み、受けていない場合Ｓ８０１の処理を繰り返す。Ｓ８０２でＣＰＵ２１１は、ユーザーにモバイルアプリ４００をアップデートする必要がある旨を通知する。Ｓ８０３でＣＰＵ２１１は、モバイルアプリ４００のアップデート指示を受け付けたか否か判断する指示を受け付けた場合Ｓ８０４に進み、受け付けていない場合はＳ８０３の処理を繰り返す。Ｓ８０４でＣＰＵ２１１はモバイルアプリ４００のアップデート処理を行う。この時、データ管理部４１２に保存されているネイティブライセンス情報は更新される。

以上のフローチャートにより、モバイルアプリ４００のアップデートが必要になった場合にユーザー操作を受け付けるとモバイルアプリ４００をアップデートできる。モバイルアプリ４００をアップデートする時にアプリ内のネイティブライセンス情報を更新できる。ここで、ユーザー操作を受け付けるとアップデートを行う例を示したが、自動でアップデートする設定がなされている場合は、ユーザー操作を受け付けずとも自動でアップデートを行うこともできる。また、アプリのアップデートのタイミングで更新するアプリ内のライセンス情報はネイティブライセンス情報だけに限らず、ウェブライセンス情報も更新するようにしても良い。

以上の実施例により、ネイティブアプリケーションとしての機能とウェブアプリケーションを実行する機能との両方の機能を有するアプリがライセンス情報の表示指示を受けると、ウェブアプリケーションのライセンス情報の取得要求をサーバーに送信するとともに、予めアプリ内に保存されているネイティブアプリケーションのライセンス情報を読み出す。そして取得要求に対する応答として取得したウェブアプリケーションのライセンス情報と読みだしたネイティブアプリケーションのライセンス情報とを表示する。

（実施例２）
［実施例２におけるソフトウェアの処理、フロー図］
先述したライセンス情報の表示手法では、ユーザーがモバイルアプリ４００のメニュー画面からライセンス条文の表示を指示した際、サーバーサイドのウェブライセンス情報をサーバー１２０から取得する。そのため、ユーザーがライセンス情報を表示指示しない限りデータ管理部４１１に保存されているウェブライセンス情報が更新されないという課題がある。

そこで前述の課題を解決するための手法について説明する。

図９は、本実施例におけるモバイルアプリ４００におけるライセンス情報の更新処理を行うための詳細を示すフローチャートである。ＣＰＵ２１１がＲＯＭ２１２やＳＳＤ２１４に格納された制御プログラムを読み出して実行することフローチャートの各処理が実行される。以下、詳しく説明する。

この処理はモバイルアプリ４００がバックグラウンドで動作していることを検知することで開始される。なお、本フローチャートは、モバイルアプリ４００がバックグラウンドで起動している限り、一定時間（例えば１日、２日）ごとに繰り返し実行される。

Ｓ９０１において、モバイルアプリ４００の制御部４１２は、バックグラウンド処理が可能であるかを判定する。はい（バックグラウンド処理が可能）の場合、Ｓ９０２へ進み、いいえ（バックグラウンド処理が不可能）の場合、Ｓ９０１へ戻る。

Ｓ９０２において、モバイルアプリ４００の通信部４１２は、サーバー１２０に対して、ウェブライセンス情報の取得要求を送信する。

Ｓ９０３において、モバイルアプリ４００の制御部４１２は、Ｓ７０２の取得要求の応答としてウェブライセンス情報を取得できたか否か判定する。はい（取得できた）の場合、Ｓ９０４へ進み、いいえ（取得できなかった）の場合、処理を終了する。

Ｓ９０４において、モバイルアプリ４００の制御部４１２は、通信部４１０を介してサーバー１２０から受信したウェブライセンス情報をデータ管理部４１１に保存、もしくは情報を更新する。

以上、モバイルアプリ４００のライセンス情報を更新する手法について説明した。これにより、ユーザーがライセンス情報を表示させたことがない場合でも、一定時間ごとにアプリ内のウェブライセンス情報が更新される。そのため、オフライン時においてもオンライン状況下で取得した最新のウェブライセンス情報を表示することができるようになる。

なお、本実施例ではモバイルアプリ４００がバックグラウンドで動作して一定時間ごとにライセンス情報を更新する例を説明したが、更新のタイミングはこれに限らない。モバイルアプリ４００を起動時毎にウェブライセンス情報を更新しても良いし、サーバーからモバイルアプリに対してライセンス情報の更新通知を行うようにしても良い。

（他の実施例）
以上の実施例では、ＯＳＳのライセンス条文を表示させる例について説明を行ってきたが、表示させる内容はＯＳＳのライセンス条文に限らない。例えば、ＥＵＬＡ（使用許諾契約書）等を表示する場合にも上述した実施例を適応することができる。

本願発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア（プログラム）を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ（ＣＰＵやＭＰＵ等）がプログラムを読み出して実行する処理である。

さらに、本願発明には、上述した実施形態の適宜組み合わせることにより構成されたシステムやその機能も含まれるものとする。

Claims (10)

1. サーバーと通信可能な情報処理装置のコンピュータに制御方法を実行させるためのプログラムであり、ネイティブアプリケーションとしての機能と、ウェブアプリケーションを実行する機能を有するプログラムであって
   前記制御方法は、
   所定のユーザー操作を受け付けたことに基づき、前記ウェブアプリケーションに関する情報の取得要求を前記サーバーに送信するとともに、前記プログラム内に予め保存された前記ネイティブアプリケーションに関する情報を読み出し、前記取得要求に対する応答として取得した情報と前記読み出した情報とを前記所定のユーザー操作に対する結果として表示する表示工程を有し、
   前記ウェブアプリケーションに関する情報は前記ウェブアプリケーションに関するライセンス情報であり、前記ネイティブアプリケーションに関する情報は前記ネイティブアプリケーションに関するライセンス情報である
   ことを特徴とするプログラム。
2. 前記所定のユーザー操作とは、前記情報処理装置上で前記ウェブアプリケーションに関する情報と前記ネイティブアプリケーションに関する情報との表示指示である
   ことを特徴とする請求項１に記載のプログラム。
3. 前記制御方法は、
   前記取得要求に対する応答として取得した前記ウェブアプリケーションに関する情報を前記プログラム内に保存する保存工程をさらに有する
   ことを特徴とする請求項１又は２に記載のプログラム。
4. 前記取得要求に対する応答として前記ウェブアプリケーションに関する情報を取得できなかった場合、前記表示工程では、前記保存工程で保存した前記ウェブアプリケーションに関する情報と前記ネイティブアプリケーションに関する情報とを前記プログラム内から読み出して表示する
   ことを特徴とする請求項３に記載のプログラム。
5. 前記制御方法は、
   所定の時間ごとに前記取得要求を前記サーバーに送信する送信工程をさらに有し、
   前記保存工程では、更に、前記送信工程で送信した取得要求に対する応答として取得した情報を保存する
   ことを特徴とする請求項３又は４に記載のプログラム。
6. 前記ライセンス情報とはアプリケーションが使用するＯＳＳ（オープンソースソフトウェア）のライセンス条文である
   ことを特徴とする請求項１から５のいずれか一項に記載のプログラム。
7. 前記プログラム内に予め保存された前記ネイティブアプリケーションに関する情報は、前記プログラムのアップデート時に更新される
   ことを特徴とする請求項１から６のいずれか一項に記載のプログラム。
8. 前記情報処理装置はモバイル端末であって、
   前記プログラムは、前記モバイル端末に保存された画像の印刷をプリンタに指示するためのアプリケーションである
   ことを特徴とする請求項１から７のいずれか一項に記載のプログラム。
9. ネイティブアプリケーションとしての機能とウェブアプリケーションを実行する機能との両方の機能を有するハイブリッドアプリケーションが動作する情報処理装置であり、サーバーと通信可能な情報処理装置であって、
   所定のユーザー操作を受け付けたことに基づき、前記ウェブアプリケーションに関する情報の取得要求を前記サーバーに送信するとともに、前記ハイブリッドアプリケーション内に予め保存された前記ネイティブアプリケーションに関する情報を読み出し、前記取得要求に対する応答として取得した情報と前記読み出した情報とを前記所定のユーザー操作に対する結果として表示する表示手段を有し、
   前記ウェブアプリケーションに関する情報は前記ウェブアプリケーションに関するライセンス情報であり、前記ネイティブアプリケーションに関する情報は前記ネイティブアプリケーションに関するライセンス情報である
   ことを特徴とする情報処理装置。
10. ネイティブアプリケーションとしての機能とウェブアプリケーションを実行する機能との両方の機能を有するハイブリッドアプリケーションが動作する情報処理装置であり、サーバーと通信可能な情報処理装置が実行する制御方法であって、
    所定のユーザー操作を受け付けたことに基づき、前記ウェブアプリケーションに関する情報の取得要求を前記サーバーに送信するとともに、前記ハイブリッドアプリケーション内に予め保存された前記ネイティブアプリケーションに関する情報を読み出し、前記取得要求に対する応答として取得した情報と前記読み出した情報とを前記所定のユーザー操作に対する結果として表示する表示工程を有し、
    前記ウェブアプリケーションに関する情報は前記ウェブアプリケーションに関するライセンス情報であり、前記ネイティブアプリケーションに関する情報は前記ネイティブアプリケーションに関するライセンス情報である
    ことを特徴とする情報処理装置の制御方法。

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